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明細書 :連結自走車両の追従制御システム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3735716号 (P3735716)
公開番号 特開2004-058717 (P2004-058717A)
登録日 平成17年11月4日(2005.11.4)
発行日 平成18年1月18日(2006.1.18)
公開日 平成16年2月26日(2004.2.26)
発明の名称または考案の名称 連結自走車両の追従制御システム
国際特許分類 B62D  13/00        (2006.01)
B62D  53/00        (2006.01)
FI B62D 13/00
B62D 53/00 D
請求項の数または発明の数 5
全頁数 7
出願番号 特願2002-216574 (P2002-216574)
出願日 平成14年7月25日(2002.7.25)
審査請求日 平成14年7月25日(2002.7.25)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】501203344
【氏名又は名称】独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構
発明者または考案者 【氏名】行本 修
【氏名】重田 一人
【氏名】建石 邦夫
【氏名】黎 文
個別代理人の代理人 【識別番号】100063565、【弁理士】、【氏名又は名称】小橋 信淳
【識別番号】100118898、【弁理士】、【氏名又は名称】小橋 立昌
審査官 【審査官】小関 峰夫
参考文献・文献 実開昭57-025060(JP,U)
特開昭49-038323(JP,A)
特開平11-124051(JP,A)
調査した分野 B62D 12/00 - 13/06
B62D 53/00 - 53/12
B60D 1/00 - 1/22
特許請求の範囲 【請求項1】
先行する自走車両Mと、この自走車両Mに追従制御桿Bを介して連結されて、前記自走車両Mに対し自動追従走行を行う自走車両Sとを備え、
前記追従制御桿Bは、前記自走車両Sに対して所定の範囲Ltの間を伸縮自在に取り付けられ、その伸縮量Lによって前記自走車両Mに対する前記自走車両Sの相対位置を検出し、
前記伸縮量Lが、前記所定範囲Lt内のブレーキ作動範囲L1,走行クラッチ制御範囲L2,加速制御範囲L3に入った際に、前記自走車両Sの走行状態を前記各範囲に応じて制御し、
前記ブレーキ作動範囲L1では、ブレーキシステムが作動又は左右の操向クラッチレバーが同時に作動することを特徴とする連結自走車両の追従制御システム。
【請求項2】
前記追従制御桿Bは、前記自走車両Sに対して所定の回動範囲αtの間を回動自在に取り付けられ、その回動量である回転角度αによって前記自走車両Mに対する前記自走車両Sの相対進行方向を検出し、
前記回転角度αが、前記回動範囲αt内の左右の操向制御範囲αl,αrに入った際に、前記自走車両Sの操向状態を前記各範囲に応じて制御することを特徴とする請求項1に記載された連結自走車両の追従制御システム。
【請求項3】
前記伸縮量Lと前記回転角度αの一方又は両方に関するパラメータを用いて制御値を決定し、前記自走車両Sの走行状態又は操向状態を変更するアクチュエータの制御を行うことを特徴とする請求項2記載の連結自走車両の追従制御システム。
【請求項4】
前記伸縮量Lと前記回転角度αの一方又は両方を、前記追従制御桿Bに連結されたワイヤまたはリンクなどの運動伝達機構を介して、直接、走行クラッチ、変速機構、スロットルなどの速度制御手段又は操舵機構、操向クラッチなどの操向制御手段に伝達して、これを操作することを特徴とする請求項2記載の連結自走車両の追従制御システム。
【請求項5】
前記追従制御桿Bの伸縮量Lが前記走行クラッチ制御範囲L2に入ったときに走行クラッチの入り/切り動作を行い、前記追従制御桿Bの伸縮量Lが、前記加速制御範囲L3に入ったときにスロットル又は変速機構を加速させるように作動させることを特徴とする請求項4記載の連結自走車両の追従制御システム。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、葉菜類の収穫機等の自走する作業車両(親機)に収穫物運搬車等の自走可能な車両(子機)、もしくは子機群が同時に作業を行う場合において、親機と子機の相対位置及び相対進行方向を計測し、子機の走行及び操舵機構を制御して自動的に親機に追従走行させる装置及び方法(システム)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、子機は非自走式の牽引車両を用い、牽引力の伝達のみを機能とする牽引桿によって、親機の牽引力に応じて子機が牽引されるものが用いられている。この場合、子機の牽引抵抗によって軟弱地盤では親機がスリップし、時には走行不能に陥るケースも見られ、かつ子機は収穫物搬出等の場合にあっても親機による牽引を必要とし、作業能率の向上にとって阻害要因となっていた。
【0003】
また近年、親機と子機の相対位置関係を検出して、自走車両である子機を適切な位置関係を維持するように自動追従制御する研究例が(次世代農業機械開発のための基礎技術開発、生物系特定産業技術研究推進機構、P59-73、2001.3)(無人追走方式の研究(第3報)、農業機械学会誌第63巻第4号、P80-84、2001.7)などがみられるが、検出機器をはじめ子機制御のためのコントローラやアクチュエータなどの装備が必要となり、子機がハイコストになることが懸念されている。子機のコストを抑えるために、親機と自走車両である子機の走行クラッチ機構とをワイヤで連結し、親機と子機の相対距離が増せば子機の走行クラッチが入りとなり、減ずれば切りとなる機構も提案(生物系特定産業技術研究推進機構・農業機械化研究所、平成12年度事業報告、P134-135、2001.2)されているが、この例では加速制御、制動、操向制御が行われないので、利用範囲が限定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
軟弱地盤で親機がスリップし、時には走行不能に陥ることを避けるため、自走機能を有する子機を用いて、簡潔かつ低コストな機構で発進/停止制御、加速制御、制動、操向制御などを行い、広範囲に適用可能な自動追従技術が求められている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上述の課題を解決するために、以下の技術的手段を講じた。すなわち、親機の車両Mに親機側端部を回動可能に連結し、子機Sには子機側端部を所定の範囲Ltに限って伸縮し、所定の範囲αtに限って水平面上の回転ができるように取付けた追従制御桿Bを設ける。伸縮量Lすなわち親機Mと子機Sの相対位置の変化を互いに所定速度で自走する親機Mと子機Sの相対速度情報と見なし、同様に回転角度αを相対進行方向情報と見なし、ワイヤまたはリンク等の運動伝達機構を介して、伸縮量L、もしくは回転角度αを、自走する子機側の走行クラッチ、変速機構、スロットルなどの速度制御手段、もしくは操舵機構、操向クラッチなどの操向制御手段に伝達してこれを操作する。
【0006】
互いに所定速度で自走する親機Mと子機Sの相対位置の変化すなわち相対速度に応じた制御は、子機Sに対する追従制御桿Bの伸縮量Lが自在ブレーキ作動範囲L1にあるときは、ブレーキシステムが作動し、もしくは左右の操向クラッチレバーが同時に作動し、追従制御桿Bの伸縮量Lが走行クラッチ制御範囲L2に入ったときに走行クラッチの入り/切り動作を行い、追従制御桿Bの伸縮量L加速制御範囲L3に入ったときにスロットル、もしくは変速機構を加速させるように作動させる。これによって、簡潔かつ低コストな機構で発進/停止制御、加速制御、制動制御を行う。また、相対進行方向に応じた制御は、子機Sに対する追従制御桿Bの回動量αが、遊びの範囲αiにあるときは操向制御を行わず、操向制御範囲αl、もしくはαrにあるときは、操舵機構、操向クラッチなどの操向制御手段が作動し旋回を行う。
【0007】
このほか、親機Mと子機との相対速度情報、すなわち伸縮量L、及び相対進行方向情報、すなわち回転角度αをポテンショメータなどの変換器によって電気信号に変換し、コンピュータやシーケンサなどのコントローラに入力し、制御値を演算した後、走行状態又は操向状態を変更する、クラッチ、変速機構、スロットルなどの加速制御手段、もしくは操舵機構、操向クラッチなどの操向制御手段を駆動するアクチュエータの制御を行う方法もある。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。
【0009】
図1において、符号Mは自走機能を有する農産物収穫作業機のような車両(親機)、Sは自走機能を有して単独で移動可能な農産物運搬車のような車両(子機)であり、この親機Mと子機Sとを追従制御桿Bを介して連結し、親機Mに対し子機Sが一定の位置関係を維持しながら自動追従走行を行うようにしている。また、子機Sは、親機Mから受けた収穫物を搬出する時には、追従制御桿Bによる親機Mとの連結を解除して、自走機能により単独で移動走行して収穫物を搬出する。
【0010】
追従制御桿Bは、図2ないし図4に示すように、平面視で長方形をした子機取付け部1を子機Sの前部に取付け、この子機取付け部1に、垂直方向のピン2及び検出部3-1を介して桿体3の後部が左右回動自在に支持されている。桿体3は前後方向に延び、その先端部に親機連結部4がねじにより前後移動調節可能に取付けられ、この親機連結部4を親機Mの後部に設けられた図示しないヒッチ部に連結ピンを介して左右回動自在に、かつ着脱自在に連結される。
【0011】
桿体3がピン2により支持されている位置には、桿体3に所定長さのスリット5が前後方向に穿設されており、親機連結部4側、すなわち親機M側から前後方向の力が桿体3に作用したとき、桿体3はスリット5の長さ範囲でピン2に添って移動・伸縮可能である。検出部3-1は、桿体3とともにピン2で位置決めされ、左右回動自在であるが、スリットを有していないので移動・伸縮しない。
【0012】
ここで、桿体3がスリット5の長さ範囲で移動・伸縮する範囲は、図2に示す所定の範囲Lt(子機Sのブレーキ作動範囲L1,走行クラッチ制御範囲L2,加速制御範囲L3を含む)の間であり、その伸縮量L(+L,-L)によって親機Mに対する子機Sの相対位置を検出する。桿体3の底面側には、図4に示すように、ピン穴6,6に嵌挿された係止ピン7,7を介して主クラッチワイヤ8及びスロットルワイヤ9が取付けられている。検出部3-1には、主クラッチワイヤ8、及びスロットルワイヤ9の固定部10が設けられている。そして、図示しないが、桿体3にブレーキワイヤ、走行クラッチワイヤ、加速制御ワイヤなどを連結して上記の制御範囲でそれぞれ制御するか、あるいは前記桿体3の伸縮量Lによりパラメータを用いて制御値を決定し、子機Sのクラッチ、変速機構、スロットルなどの速度制御手段、もしくは操舵機構、操向クラッチなどの操向制御手段を駆動するアクチュエータの制御を行うようにしてもよい。
【0013】
検出部3-1の固定部14には上下方向に係止ピン11が設けられ、この係止ピン11に、図4及び図5に示すように、左右方向に右操向クラッチワイヤ12及び左操向クラッチワイヤ13の先端が係止されている。そして、桿体3がピン2を中心に左右方向に回動して、子機Sに対して左右の操向制御範囲αl ,αr、及び遊びの範囲αiを含む所定の回動範囲αtの間を回動自在であり、その回動量である回転角度αによって親機Mに対する子機Sの相対進行方向を検出する機能を有する。また、上記相対進行方向情報である回転角度αを、パラメータを用いて制御値を決定し、子機Sのクラッチ、変速機構、スロットルなどの速度制御手段、もしくは操舵機構、操向クラッチなどの操向制御手段を駆動するアクチュエータの制御を行うようにしてもよい。
【0014】
上記の手段によって検出された親機Mに対する子機Sの相対位置、もしくは親機Mに対する子機Sの相対進行方向を、追従制御桿Bの伸縮量L、もしくは回転角度αを、ワイヤまたはリンクなどの運動伝達機構を介して直接走行クラッチ、変速機構、スロットルなどの速度制御手段、もしくは操舵機構、操向クラッチなどの操向制御手段に伝達して、これを操作するようにしてもよいものである。
【0015】
上記の手段による親機Mに対する子機Sの停止状態を含む加速制御を、子機Sに対する追従制御桿Bの伸縮範囲Ltが自在ブレーキ作動範囲L1にあるときは、ブレーキシステムが作動し、もしくは左右の操向クラッチレバーが同時に作動し、追従制御桿Bの伸縮範囲が走行クラッチ制御範囲L2に入ったときに走行クラッチの入り/切り動作を行い、追従制御桿Bの伸縮範囲が加速制御範囲L3に入ったときにスロットルもしくは変速機構を加速させるように作動させる。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の連結自走車両の追従制御システムによれば、請求項1ないし請求項5の手段・構成を有することにより、以下の作用効果を奏することができる。作業車両(親機)と自走可能な車両(子機)、もしくは子機群が同時に作業を行う場合において、親機と子機の相対位置及び相対進行方位を計測し、子機の走行及び操舵機構を制御して自動的に親機に追従走行させる装置(システム)によって、簡潔かつ低コストな機構で発進/停止制御、加速制御、制動、操向制御を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 自走車両追従制御桿を介して自走車両を連結した状態の概略平面図である。
【図2】 本発明による追従制御桿の平面図である。
【図3】 同側面図である。
【図4】 同底面図である。
【図5】 図4のA方向からの矢視図である。
【符号の説明】
自走車両(親機)
追従制御桿
自走車両(子機)
L 伸縮量(+L,-L)
L1 子機のブレーキ作動範囲
L2 走行クラッチ制御範囲
L3 加速制御範囲
Lt 所定の範囲
α 回転角度
αl ,αr 左右の操向制御範囲
αi 遊びの範囲
αt 所定の回動範囲
1 子機取付け部
2 ピン
3 桿体 3-1 検出部
4 親機連結部
5 スリット
6 ピン穴
7,11 係止ピン
8 主クラッチワイヤ
9 スロットルワイヤ
10,14 固定部
12 右操向クラッチワイヤ
13 左操向クラッチワイヤ
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4