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明細書 :植物の再分化能に関与する遺伝子およびその利用

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3887683号 (P3887683)
公開番号 特開2004-000125 (P2004-000125A)
登録日 平成18年12月8日(2006.12.8)
発行日 平成19年2月28日(2007.2.28)
公開日 平成16年1月8日(2004.1.8)
発明の名称または考案の名称 植物の再分化能に関与する遺伝子およびその利用
国際特許分類 C12N  15/09        (2006.01)
A01H   5/00        (2006.01)
C12N   5/10        (2006.01)
C12Q   1/68        (2006.01)
G01N  33/53        (2006.01)
G01N  33/566       (2006.01)
FI C12N 15/00 ZNAA
A01H 5/00 A
C12N 5/00 C
C12Q 1/68 A
G01N 33/53 M
G01N 33/566
請求項の数または発明の数 8
全頁数 18
出願番号 特願2002-314937 (P2002-314937)
出願日 平成14年10月29日(2002.10.29)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 育種学研究 第3巻別冊2号 10頁
特許法第30条第1項適用 育種学研究 第3巻別冊2号 131頁
優先権出願番号 2002100358
優先日 平成14年4月2日(2002.4.2)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成15年6月24日(2003.6.24)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】501167644
【氏名又は名称】独立行政法人農業生物資源研究所
発明者または考案者 【氏名】小沢 憲二郎
【氏名】川東 広幸
【氏名】萱野 暁明
【氏名】大川 安信
個別代理人の代理人 【識別番号】100102978、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 初志
審査官 【審査官】深草 亜子
参考文献・文献 特開平03-007599(JP,A)
育種学研究,2001年10月 7日,第3巻 別冊2号,p.10
Planta,1994年,192(4),519-525
Mol Cells,2001年,12(1),103-106
Plant Cell Physiol,1994年,35(7),1003-1009
イネの遺伝学の再構築 平成5-6年度,1995年,32-38
農業生物資源研究所主要な研究成果,2003年,2002,82-83
調査した分野 C12N 15/09
A01H 5/00
C12N 5/10
C12Q 1/68
BIOSIS/MEDLINE/WPIDS(STN)
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
SwissProt/PIR/Geneseq
PubMed
JSTPlus(JDream2)
特許請求の範囲 【請求項1】
イネ植物において再分化能を付与する機能を有するタンパク質をコードするDNAであって、下記(a)~(c)のいずれかに記載のDNA。
(a)配列番号:2に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA。
(b)配列番号:1に記載の塩基配列のコード領域を含むDNA。
(c)配列番号:2に記載のアミノ酸配列と少なくとも95%以上の同一性を有するタンパク質をコードするDNA。
【請求項2】
請求項1に記載のDNAが挿入されたベクター。
【請求項3】
請求項1に記載のDNA、または請求項2に記載のベクターを保持する形質転換植物細胞。
【請求項4】
請求項3に記載の形質転換植物細胞を有する形質転換植物体。
【請求項5】
請求項4に記載の形質転換植物体の子孫またはクローンである、形質転換植物体。
【請求項6】
請求項4または5に記載の形質転換植物体からなる繁殖材料。
【請求項7】
請求項4に記載の形質転換植物体の製造方法であって、請求項1に記載のDNA、または請求項2に記載のベクターをイネ細胞に導入し、該イネ細胞からイネ植物体を再生させる工程を含む方法。
【請求項8】
イネ細胞における再分化能の有無を判定する方法であって、
(a)イネ細胞における請求項1に記載のDNAの発現を検出する工程、および
(b)(a)で検出された請求項1に記載のDNAの発現量を対照細胞における請求項1に記載のDNAの発現量と比較する工程、を含み、
(a)で検出された請求項1に記載のDNAの発現量が対照細胞における請求項1に記載のDNAの発現量より多い場合に、該イネ細胞が高い再分化能を有すると判定される方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物の再分化能に関与する遺伝子およびその利用に関する。
【0002】
【従来の技術】
植物の形質転換系の要素技術として培養細胞の再分化系の確立は重要である。しかしながら、培養細胞の誘導及び再分化系の確立は植物種に依存し、未だ一般的な確立方法は見いだされていない。また同じ植物種でも品種間差が大きく培養系の確立に多くの労力と試行錯誤が現在でも必要である。実際、イネ科植物の培養細胞の再分化能は品種間差が大きいことが報告されている。また、イネ品種コシヒカリ等、経済的に重要な品種でありながら、培養特性が悪く、培養細胞の再分化系の確立が困難な品種が多数知られている。さらに、培養細胞の再分化能は急速に低下しやすく、この点も大きな問題である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、植物の再分化能に関与する遺伝子を単離・同定し、該遺伝子およびその利用方法を提供することにある。より具体的には、植物の再分化能に関与する遺伝子、該遺伝子を有する形質転換植物体、該形質転換植物体の製造方法、該遺伝子をマーカーとして植物の再分化能を判定する方法、および、該方法に使用するための試薬を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、湖南早の培養特性(誘導した培養細胞の増殖が良く、また再分化能も高い形質)を日本型イネ、ササニシキ(B6F3)、コシヒカリ(B4F3)に導入したアイソジェニックラインを戻し交配を用い作出した。この作出したアイソジェニックラインと親品種より培養細胞を誘導した。培養後、3~6ヶ月経過した培養細胞の再分化能を確認後、ディファレンシャルディスプレイ法を用い、ササニシキ及びコシヒカリ由来の培養細胞で発現せず、高い再分化能を持つ湖南早及びアイソジェニックライン由来の培養細胞で発現している遺伝子の単離を試みた。その結果、再分化関連遺伝子(22A遺伝子と命名)を1つクローニングすることができた。さらに、ノーザンハイブリダイゼーション解析により、ディファレンシャルディスプレイの結果と同様にコシヒカリササニシキでは22A遺伝子の発現が確認されず、湖南早、高い再分化能をもつコシヒカリ、ササニシキアイソジェニックラインで該遺伝子の発現が観察できた。また、コシヒカリと同等に再分化能の低下してしまったコシヒカリアイソジェニックラインでは、該遺伝子の発現が観察できなかった。
【0005】
また、22A遺伝子が、湖南早の再分化に関与することを確証するために、2系統の高い再分化能を持つコシヒカリアイソジェニックラインB4F3にコシヒカリを戻し交配しB5F3世代を得、再分化能を確認後、このサンプルを用い再度ノーザンハイブリダイゼーションを行った。その結果、再分化能の高いコシヒカリアイソジェニックラインでは、該遺伝子の発現が確認でき、再分化能の低下したアイソジェニックラインでは該遺伝子の発現は確認できなかった。
【0006】
さらに、他の13品種のイネ品種において、22A遺伝子の発現を調べるためにノーザンハイブリダイゼーション解析を行った。その結果、該遺伝子の発現が他品種と比較して高い湖南早、NepVai、Kele、Panbiraの4品種は継代期間を追っても再分化率の低下もほとんど観察されなかった。これに対し、培養初期から再分化率の低いコシヒカリ、IR8、および、Konansenでは該遺伝子の発現は見いだせなかった。幾つかの品種では培養初期にこの遺伝子が発現していたが、培養4ヶ月目には発現がほとんど観察できなくなった。またこれにあわせて再分化率も低下した。
【0007】
以上の結果から、22A遺伝子が再分化関連遺伝子であること、該遺伝子は高い再分化能を持つ植物細胞を選抜するためのマーカーとして使用できること、並びに、該遺伝子を植物細胞に導入することで、植物細胞に再分化能を付与することができることが判明した。
【0008】
即ち、本発明は、植物の再分化能に関与する遺伝子およびその利用に関し、より具体的には、
〔1〕植物において再分化能に関与する、下記(a)~(d)のいずれかに記載のDNA、
(a)配列番号:2に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA、
(b)配列番号:1に記載の塩基配列のコード領域を含むDNA、
(c)配列番号:2に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加したアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA、
(d)配列番号:1に記載の塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA、
〔2〕配列番号:2に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質の部分ペプチドをコードするDNA、
〔3〕〔1〕または〔2〕に記載のDNAが挿入されたベクター、
〔4〕〔1〕もしくは〔2〕に記載のDNA、または〔3〕に記載のベクターを保持する形質転換植物細胞、
〔5〕〔4〕に記載の形質転換植物細胞を有する形質転換植物体、
〔6〕〔5〕に記載の形質転換植物体の子孫またはクローンである、形質転換植物体、
〔7〕〔5〕または〔6〕に記載の形質転換植物体の繁殖材料、
〔8〕〔5〕に記載の形質転換植物体の製造方法であって、〔1〕もしくは〔2〕に記載のDNA、または〔3〕に記載のベクターを植物細胞に導入し、該植物細胞から植物体を再生させる工程を含む方法、
〔9〕植物細胞における再分化能の有無を判定する方法であって、
(a)植物細胞における〔1〕に記載のDNAの発現を検出する工程、および
(b)(a)で検出された〔1〕に記載のDNAの発現量を対照細胞における〔1〕に記載のDNAの発現量と比較する工程、を含み、
(a)で検出された〔1〕に記載のDNAの発現量が対照細胞における〔1〕に記載のDNAの発現量より多い場合に、該植物細胞が高い再分化能を有すると判定される方法、
〔10〕〔1〕に記載のDNAにハイブリダイズし、少なくとも15ヌクレオチドの鎖長を有するオリゴヌクレオチドを含む、植物細胞における再分化能の有無を判定するための試薬、
を、提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、植物において再分化能に関与するDNAを提供する。なお、本発明においては、本発明で単離された22A遺伝子の cDNAの塩基配列を配列番号:1に、該cDNAがコードするタンパク質のアミノ酸配列を配列番号:2に示す。
【0010】
本発明のDNAの由来する植物としては、特に制限はなく、イネ、トウモロコシ、大麦、コムギなどが例示できる。
【0011】
本発明において、再分化能とは、植物細胞(カルスなど)がもとの植物個体に再生する能力を意味する。これまでは、植物細胞が再分化能を有するか否かは黙視でのみ測定されていた(再分化能培地に植物細胞(カルスなど)を置床した後に該植物細胞からシュート(shoot)が形成されているか否かで判断されていた)が、本発明によって、本発明のDNAや本発明のDNAからコードされるタンパク質をマーカーとして利用することで、植物細胞が再分化能を有するかを判定できるようになった。
【0012】
本発明の再分化能に関与するDNAには、ゲノムDNA、cDNAおよび化学合成DNAが含まれる。ゲノムDNAおよびcDNAの調製は、当業者にとって常套手段により行うことが可能である。ゲノムDNAは、例えば、本発明のDNAを有するイネ品種からゲノムDNAを抽出し、ゲノミックライブラリー(ベクターとしては、例えば、プラスミド、ファージ、コスミド、BAC、PACなどが利用できる)を作製し、これを展開して、本発明のDNA(例えば、配列番号:1)を基に調製したプローブを用いてコロニーハイブリダイゼーションあるいはプラークハイブリダイゼーションを行うことで調製できる。また、本発明のDNA(例えば、配列番号:1)に特異的なプライマーを作製し、これを利用したPCRを行って調製することも可能である。cDNAは、例えば、本発明のDNAを有するイネ品種から抽出したmRNAを基にcDNAを合成し、これをλZAPなどのベクターに挿入してcDNAライブラリーを作製し、これを展開して、上記と同様にコロニーハイブリダイゼーションあるいはプラークハイブリダイゼーションを行うことで、またPCRを行うことにより調製できる。
【0013】
本発明は、配列番号:2に記載のアミノ酸からなるタンパク質と構造的に類似しており、再分化能に関与するタンパク質をコードするDNAを包含する。
【0014】
あるDNAが再分化能に関与するタンパク質をコードするか否かは、被検DNAが導入された植物から培養細胞を誘導し、該培養細胞が再分化するか否かを観察することで検証することができる。例えば、再分化能培地に培養細胞を置床して約3週間後に該培養細胞からシュート(shoot)が形成される場合に、被検DNAは再分化能に関与するタンパク質をコードすると判定される。
【0015】
このようなDNAには、例えば、配列番号:2に記載のアミノ酸配列において1もしくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されたアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする変異体、誘導体、アリル、バリアントおよびホモログが含まれる。
【0016】
アミノ酸配列が改変されたタンパク質をコードするDNAを調製するための当業者によく知られた方法としては、例えば、site-directed mutagenesis法(Kramer W & Fritz H-J: Methods Enzymol 154: 350, 1987)が挙げられる。また、自然界においても、塩基配列の変異によりコードするタンパク質のアミノ酸配列が変異することは起こり得る。このように、自然界において生じた変異により、配列番号:2に記載のアミノ酸配列において1もしくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加、および/または挿入されたアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするDNAであっても、天然型のタンパク質(配列番号:2)と同等の機能を有するタンパク質をコードする限りは、本発明のDNAに含まれる。また、たとえ塩基配列が変異していても、その変異がタンパク質中のアミノ酸の変異を伴わないこと(縮重変異)があるが、このような縮重変異体も本発明のDNAに含まれる。
【0017】
配列番号:2に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質と機能的に同等なタンパク質をコードするDNAを調製するために、当業者によく知られた他の方法としては、ハイブリダイゼーション技術(Southern EM: J Mol Biol 98: 503, 1975)やポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術(Saiki RK, et al: Science 230: 1350, 1985、Saiki RK, et al: Science 239: 487, 1988)を利用する方法が挙げられる。すなわち、22A遺伝子の塩基配列(配列番号:1)もしくはその一部をプローブとして、また22A遺伝子(配列番号:1)に特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドをプライマーとして、イネや他の植物から22A遺伝子と高い相同性を有するDNAを単離することは、当業者にとって通常行い得ることである。このように、ハイブリダイゼーション技術やPCR技術によって単離し得る配列番号:2に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質と同等の機能を有するタンパク質をコードするDNAもまた、本発明のDNAに含まれる。
【0018】
このようなDNAを単離するためには、好ましくはストリンジェントな条件下でハイブリダイゼーション反応を行う。本発明においてストリンジェントなハイブリダイゼーション条件とは、6M 尿素、0.4% SDS、0.5×SSCの条件またはこれと同等のストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件を指す。よりストリンジェンシーの高い条件、例えば、6M 尿素、0.4% SDS、0.1×SSCの条件下では、より相同性の高いDNAを単離できることが期待される。高い相同性とは、アミノ酸配列全体で少なくとも50%以上、好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の配列の同一性を指す。
【0019】
アミノ酸配列や塩基配列の同一性は、カーリンおよびアルチュールによるアルゴリズムBLAST(Proc. Natl. Acad. Sei. USA 87:2264-2268, 1990、Karlin S & Altschul SF: Proc Natl Acad Sci USA 90: 5873, 1993)を用いて決定できる。BLASTのアルゴリズムに基づいたBLASTNやBLASTXと呼ばれるプログラムが開発されている(Altschul SF, et al: J Mol Biol 215: 403, 1990)。BLASTNを用いて塩基配列を解析する場合は、パラメーターは、例えばscore=100、wordlength=12とする。また、BLASTXを用いてアミノ酸配列を解析する場合は、パラメーターは、例えばscore=50、wordlength=3とする。BLASTとGapped BLASTプログラムを用いる場合は、各プログラムのデフォルトパラメーターを用いる。これらの解析方法の具体的な手法は公知である(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)。
【0020】
また、本発明は、配列番号:2に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質の部分ペプチドをコードするDNAを提供する。
【0021】
本発明においては、上記DNAまたは上記DNAからコードされるタンパク質は、植物細胞が再分化能を有するか否かを判定するためのマーカーとなりうる。さらに、上記DNAは、植物細胞に再分化能が高い形質を導入するために用いることが可能である。
【0022】
さらに、本発明には、本発明のDNAが挿入されたベクター、本発明のDNAまたは該ベクターを保持する形質転換植物細胞、該細胞を有する植物体、該植物体の子孫およびクローン、ならびに該植物体、その子孫、およびクローンの繁殖材料が含まれる。
【0023】
本発明において、形質転換植物体を作製するには、本発明のDNAまたは本発明のDNAが挿入されたベクターを植物細胞に導入し、これにより得られた形質転換植物細胞を再生させる。
【0024】
本発明において、植物細胞の形質転換に用いられるベクターとしては、該細胞内で挿入遺伝子を発現させることが可能なものであれば特に制限はない。例えば、植物細胞内で恒常的に遺伝子を発現させるためのプロモーター(例えば、カリフラワーモザイクウイルスの35Sプロモーター)を有するベクターや、外的な刺激により誘導的に活性化されるプロモーターを有するベクターを用いることもできる。
【0025】
また、本発明において、「植物細胞」には、種々の形態の植物細胞、例えば、培養細胞、プロトプラスト、葉の切片、カルスなどが含まれる。また、植物細胞の由来する植物としては、特に制限はない。
【0026】
植物細胞へのベクターの導入には、ポリエチレングリコール法、電気穿孔法(エレクトロポレーション法)、アグロバクテリウムを介する方法、パーティクルガン法など、当業者に公知の種々の方法を用いることができる。形質転換植物細胞からの植物体の再生は、植物細胞の種類に応じて当業者に公知の方法で行うことが可能である(Toki S, et al: Plant Physiol 100: 1503, 1995)。
【0027】
例えば、イネにおいて形質転換植物体を作出する手法については、ポリエチレングリコールを用いてプロトプラストへ遺伝子導入し、植物体(インド型イネ品種が適している)を再生させる方法(Datta SK: In Gene Transfer To Plants (Potrykus I and Spangenberg, Eds) pp.66-74, 1995)、電気パルスによりプロトプラストへ遺伝子導入し、植物体(日本型イネ品種が適している)を再生させる方法(Toki S, et al: Plant Physiol 100: 1503, 1992)、パーティクルガン法により細胞へ遺伝子を直接導入し、植物体を再生させる方法(Christou P, et al: Biotechnology 9: 957, 1991)、およびアグロバクテリウムを介して遺伝子を導入し、植物体を再生させる方法(Hiei Y, et al: Plant J 6: 271, 1994)など、いくつかの技術が既に確立し、本願発明の技術分野において広く用いられている。本発明においては、これらの方法を好適に用いることができる。
【0028】
ゲノム内に本発明のDNAが導入された形質転換植物体がいったん得られれば、該植物体から有性生殖または無性生殖により子孫を得ることができる。また、該植物体やその子孫あるいはクローンから繁殖材料(例えば、種子、果実、切穂、塊茎、塊根、株、カルス、プロトプラストなど)を得て、それらを基に該植物体を量産することも可能である。このようにして作出された植物体から誘導した植物細胞は再分化能が付与された植物細胞となっている。
【0029】
さらに、本発明は、植物細胞における再分化能の有無を判定する方法を提供する。該方法では、まず、植物細胞における本発明のDNAの発現を検出する。次いで、植物細胞における該DNAの発現量を対照細胞における該DNAの発現量と比較する。さらに、植物細胞における該DNAの発現量が対照細胞における該DNAの発現量より多い場合に、植物細胞が高い再分化能を有すると判定される。
【0030】
本発明において、DNAの発現の検出方法としては、特に制限なく、例えばディファレンシャルディスプレイ法、ノーザンハイブリダイゼーション法、RT-PCR法、および、DNAアレイ法などが挙げられる。また、DNAの発現は該DNAからコードされるタンパク質の発現を指標して検出することもできる。
【0031】
また、本発明は、本発明の判定方法に使用するための試薬を提供する。その一つの態様としては、本発明のDNAにハイブリダイズし、少なくとも15ヌクレオチドの鎖長を有するオリゴヌクレオチドを含む、植物細胞における再分化能の有無を判定するための試薬が挙げられる。
【0032】
該オリゴヌクレオチドは、本発明のDNAに特異的にハイブリダイズするものである。ここで「特異的にハイブリダイズする」とは、通常のハイブリダイゼーション条件下、好ましくはストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下(例えば、サムブルックら,Molecular Cloning,Cold Spring Harbour Laboratory Press,New York,USA,第2版1989に記載の条件)において、他のタンパク質をコードするDNAとクロスハイブリダイゼーションを有意に生じないことを意味する。特異的なハイブリダイズが可能であれば、該オリゴヌクレオチドは、本発明のDNAに対し、完全に相補的である必要はない。
【0033】
本発明のDNAにハイブリダイズし、少なくとも15ヌクレオチドの鎖長を有するオリゴヌクレオチドは、上記本発明の判定方法におけるプローブ(該プローブが固定された基板を含む)やプライマーとして用いることができる。該オリゴヌクレオチドをプライマーとして用いる場合、その長さは、通常15bp~100bpであり、好ましくは17bp~30bpである。プライマーは、本発明のDNAの少なくとも一部を増幅しうるものであれば、特に制限されない。
【0034】
また、上記オリゴヌクレオチドをプローブとして使用する場合、該プローブは、本発明のDNAに特異的にハイブリダイズするものであれば、特に制限されない。該プローブは、合成オリゴヌクレオチドであってもよく、通常少なくとも15bp以上の鎖長を有する。
【0035】
本発明のオリゴヌクレオチドは、例えば市販のオリゴヌクレオチド合成機により作製することができる。プローブは、制限酵素処理等によって取得される二本鎖DNA断片として作製することもできる。
【0036】
本発明のオリゴヌクレオチドをプローブとして用いる場合は、適宜標識して用いることが好ましい。標識する方法としては、T4ポリヌクレオチドキナーゼを用いて、オリゴヌクレオチドの5’端を32Pでリン酸化することにより標識する方法、およびクレノウ酵素等のDNAポリメラーゼを用い、ランダムヘキサマーオリゴヌクレオチド等をプライマーとして32P等のアイソトープ、蛍光色素、またはビオチン等によって標識された基質塩基を取り込ませる方法(ランダムプライム法等)を例示することができる。
【0037】
本発明の試薬においては、有効成分であるオリゴヌクレオチド以外に、例えば、滅菌水、生理食塩水、植物油、界面活性剤、脂質、溶解補助剤、緩衝剤、保存剤等が必要に応じて混合されていてもよい。
【0038】
【実施例】
以下、本発明を実施例により、さらに具体的に説明するが本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
(1)培養細胞の誘導
種子を滅菌後、Ozawaらの方法(Ozawa, K. et al., Theor. Appl. Genet., 1989, 77, 205-211.)に従ってイネ培養細胞を誘導した。寒天培地上で、2週間ごとに継代培養を行った。培養細胞誘導後、2ヶ月~6ヶ月の培養細胞を塚原らの方法(Tsukahara, M. et al., Bot. Mag. Tokyo, 1992, 105, 227-233.)に従い再分化能を検定した。
【0039】
(2)RNAの単離
Isogen(和光)のプロトコールに従い継代後、2週間目の培養細胞よりRNAを抽出した。
【0040】
(3)ディファレンシャルディスプレイ及びDNAフラグメントのクローニング GeneHunter社のプロトコールに従い33Pを用いディファレンシャルディスプレイを行った。差の見られたバンドを切り出した後、GeneHunter社のプロトコールに従いクローニングを行った。
【0041】
(4)シークエンス及び完全長cDNAの単離
得られたバンドをクローニングしDNAを増殖後、シークエンスをABIのプロトコールに従い行った。シークエンス決定後、ClontechのSMART RACE cDNA Amplification Kit のプロトコールに従い完全長cDNAを得た。このシークエンスを決定した(配列番号:1)。
【0042】
(5)ノーザンハイブリダイゼーション
得られた遺伝子の3’非翻訳領域またはディファレンシャルディスプレイで得られたシークエンスからプローブを作製し、ノーザン解析を行った。具体的には、GCGGCGTCATCGTCAATGGC(22nor1;配列番号:)およびTCATCTTCTTCCTTGCAGAT(22nor2;配列番号:)の配列を有するプライマーを用いPCRにより22A遺伝子の3’非翻訳領域を増幅しゲル濾過精製後プローブに用いた。MegaPrime(Amasham)を用いRIプローブを作成した。Isogenを用い培養細胞よりRNAを単離後、Short protocol on Molecular Biology のプロトコールに従い1%ホルムアルデヒド変性ゲルを用い電気泳動を行った後、Amasham社のHybondN+にtransfer後AmashamのRapid-hyb bufferを用いノーザンハイブリダイゼーションを行った。
【0043】
[実施例1]
湖南早の高い培養特性(誘導した培養細胞の増殖が良く、また再分化能も高い形質)を導入したコシヒカリ、ササニシキアイソジェニックラインを作出した。図1にコシヒカリ及びコシヒカリアイソジェニックラインの再分化の様子を示す。コシヒカリ由来培養細胞は増殖が悪く、褐変し、ほとんど植物体が再分化してこない。しかし湖南早の遺伝子を導入したアイソジェニックライン由来の培養細胞は増殖も良く、再分化率も90%以上と高かった。そこで、再分化能を確認した培養細胞よりRNAを抽出した後、ディファレンシャルディスプレイを行った。
【0044】
その結果、高い再分化能を持つ湖南早及びアイソジェニックラインで濃く、ササニシキ、コシヒカリでは非常に薄いバンドを見いだした(図2)。これらのバンドを切り出し、クローニング、シークエンスを行った。このシークエンスを元にRT-PCRを行い、発現の確認を行った。またこのとき、ディファレンシャルディスプレイ法に用いたコシヒカリB4F3系統で再分化能がコシヒカリレベルに低下してしまった系統も同時にコントロールとして用いた。False positiveで発現に差が見られないもの、再分化能の低いコントロールアイソジェニックラインにも発現が見られ、再分化能に関与しない、湖南早の残存遺伝子と考えられるバンドがほとんどで、最終的に再分化関連遺伝子と考えられたバンド(22A)は一つであった。
【0045】
次に、配列番号:4に記載のDNAをGene specific primer として5’RACEを行い完全長cDNAを得た。この遺伝子(22A;配列番号:1)(22A遺伝子と命名)はHordeum vulgare glucose and ribitol dehydrogenase homolog mRNAと高いホモロジーを示した。なお、22A 遺伝子からコードされるタンパク質のアミノ酸配列を配列番号:2に記載する。
【0046】
Hordeum vulgare glucose and ribitol dehydrogenase homolog遺伝子は大麦の胚発生後期で特異的に発現していることが報告されている。また該遺伝子がglucoseを代謝する事も調べられている。さらにイネendspermライブラリーや幼穂のripening stageのライブラリーで該遺伝子が確認されている。またトウモロコシでも該遺伝子の発現が胚発生過程で起こる事が報告されている。このことから該遺伝子は胚発生関連遺伝子であることが強く示唆される。
【0047】
[実施例2]
ディファレンシャルディスプレイで得られたシークエンスをプローブにノーザンハイブリダイゼーションを行った(図3)。ディファレンシャルディスプレイの結果と同様に、コシヒカリ、ササニシキでは発現が見られず、湖南早、及び高い再分化能を持つアイソジェニックラインでは22A 遺伝子の発現が確認できた。また戻し交雑の過程で再分化能がコシヒカリと同様に低下しているアイソジェニックラインもコントロールとして用いた。これらの系統ではコシヒカリと同様に該遺伝子の発現が確認できなかった。
【0048】
これだけでは戻し交配の結果ランダムに残った湖南早由来の遺伝子の発現が考えられるので、高い再分化能を持つコシヒカリアイソジェニックラインB4F3にコシヒカリを戻し交配しB5F3世代を得、再分化能を確認後、このB5F3世代を用い再度ノーザンハイブリダイゼーションを行った(図4)。具体的には、B4F3、2系統とコシヒカリを交配し得られた2系統のコシヒカリアイソジェニックラインを用いノーザンハイブリダイゼーションを行った。その結果、B4F3で得られたノーザンハイブリダイゼーションの結果と同様に高い再分化能を持つ系統では22A 遺伝子の発現が確認でき、低い再分化能を示した系統では該遺伝子の発現は確認できなかった。
【0049】
[実施例3]
22A 遺伝子の発現と再分化能に関連があるかさらに検証するために、イネ品種13系統を用い再分化率の検定とノーザンハイブリダイゼーションを行った(表1、図5および6)。
【0050】
【表1】
JP0003887683B2_000002t.gif
【0051】
プローブにはPCRで増幅した3’非翻訳領域を用いた。誘導した培養細胞の高い再分化能が長期間、保持される湖南早、Panbira、Kele及びNepVaiでは22A 遺伝子は培養細胞誘導初期、及び、4ヶ月経過後でも強く発現していた。他の品種では、培養4ヶ月目には発現がほとんど確認できなくなった。また再分化率も低下した。培養初期から細胞の増殖も悪く再分化能も低いコシヒカリ、IR8及びKonansenでは誘導初期及び培養4ヶ月目の培養細胞いずれでも発現が確認できなかった。そこで培養初期に発現が確認できた日本晴れの培養初期と培養6ヶ月目の培養細胞の再分化能と該遺伝子の発現を調べた。また高い再分化能を長期間保持するNepVaiで再分化能が低下した培養細胞が得られたので、分化能が維持されている培養細胞との比較を行った。各培養細胞の分化率を表2で、ノーザンハイブリダイゼーションの結果を図7で示す。
【0052】
【表2】
JP0003887683B2_000003t.gif
【0053】
日本晴れ培養初期の再分化率は高く、2系統とも100%の再分化率を示した。しかし培養6ヶ月時点では再分化率は30%以下に低下していた。またNepVai2系統は高い再分化能を示したが、1系統は10%以下の低い再分化率であった。これら8系統のノーザンハイブリダイゼーションの結果を図7に示している。高い再分化能を持つ培養細胞では22A 遺伝子の発現が確認でき、低い再分化能を示した培養細胞では発現が確認できないかまたは非常に弱かった。
【0054】
以上の結果は、22A遺伝子が再分化関連遺伝子であること、また、該遺伝子が発現していることにより、培養細胞の再分化能が長期間維持されるように成ることを強く示唆している。培養初期と長期間培養した日本晴れ培養細胞及び高い再分化能持つNepVai培養細胞、分化能を失ったNepVai培養細胞の該遺伝子の発現解析の結果もこの考えを支持する。
【0055】
[実施例4]
22A遺伝子を、単子葉植物で強い発現を誘導するプロモーターであるubiquitin (Ubi-1)プロモーター でドライブする発現ベクターを構築し(図8)、イネ品種、コシヒカリにアグロバクテリウム法で導入した。ハイグロマイシン抵抗性カルスを選抜後、各カルスよりmRNAを抽出しノーザンハイブリダイゼーションを行い、抵抗性カルスで導入遺伝子の発現を確認した(図9)。
次いで、形質転換カルスを再分化培地に置床し、その再分化率を検定した(図10、表3)。
【表3】
JP0003887683B2_000004t.gif値は、3回の独立した実験の平均値を表わす。+は、標準偏差。
コントロールのカルスとして形質転換処理を行っていないカルスを用いた。また再分化率は「再分化したカルス数/置床したカルス数」で計算した。その結果、形質転換カルスはコントロールのコシヒカリと比較して明らかに再分化率が高く、ほぼ全てのカルスから植物体が再分化した。以上の結果からOs22A遺伝子は再分化能の高いカルスの誘導に非常に重要な働きをしていると考えられた。
【0056】
イネ科植物の培養細胞の再分化能は培養過程で急速に低下しやすく、再分化能を長期間維持することは困難であった。エンブリオジェニック・カルス(Embryogenic callus)と言われる、再分化能の高い培養細胞を継代ごとに選抜する事により、高い再分化能を維持していくことができると多くイネ科植物で報告されている。このエンブリオジェニック・カルス形成にこの遺伝子が何らかの関与をしているのでは考えられた。実際、湖南早、NepVai、Kele、Panbiraの培養細胞は白色でコンパクトな形態をしておりエンブリオジェニック・カルスの報告されている形態と酷似していた。
【0057】
トウモロコシ、小麦等このエンブリオジェニック・カルス形成が報告されているイネ科植物22A遺伝子の発現を詳細に調べることによりこの関係が明らかに成ると考えられる。また該遺伝子発現をマーカーに高い再分化能を持つ培養細胞を選抜することも可能と考えられた。今までは高い再分化能を持つイネ科植物培養細胞の選抜、維持は黙視でしかできなかったが、22A遺伝子発現を調べることにより容易に細胞選抜ができると考えられる。
【0058】
【発明の効果】
本発明者らによって、植物の再分化能に関与する遺伝子が見出された。該遺伝子は、高い再分化能を持つ植物細胞を選抜するためのマーカーとして使用できる。また、該遺伝子を植物細胞に導入することで、植物細胞に再分化能を付与することができる。さらに、植物の再分化能に関与する遺伝子を用いた植物細胞の再分化系の確立によって、より広範囲の植物において、形質転換技術を適用する事が可能となるものと期待される。
【0059】
【配列表】
SEQUENCE LISTING
<110> NATIONAL INSTITUTE OF AGROBIOLOGICAL SCIENCES
<120> The gene involved in regeneration ability of plants and use thereof
<130> MOAX0109Y1
<140> JP 2002-314937
<141> 2002-10-29
<150> JP 2002-100358
<151> 2002-04-02
<160> 4
<170> PatentIn Ver. 2.1
<210> 1
<211> 1416
<212> DNA
<213> Oryza sativa
<220>
<221> CDS
<222> (243)..(1145)
<400> 1
ggaccaccca cctcgccgcg ccacgtacgc cgcatcgcat gcgcgcgctc tccctcgcca 60
gagcaagtag cccgccgcct cttcttcttc acctccgacg agcccttgca cccgcgtcgt 120
cgtcttctcc ggcgccggtg ctgttgctgc gtcctgcggt ttcttgttct tctttgtttg 180
ttagcgacag ggcggcggcg gcggcggcgg ctcgccggag cagcggcagc agcaggagaa 240
gc atg gcg tcg cag cag ttc ccg ccg cag aag cag gag acg cag ccg 287
Met Ala Ser Gln Gln Phe Pro Pro Gln Lys Gln Glu Thr Gln Pro
1 5 10 15
ggg aag gag cac gcc atg gat ccc cgc ccc gag gcc atc atc cag agc 335
Gly Lys Glu His Ala Met Asp Pro Arg Pro Glu Ala Ile Ile Gln Ser
20 25 30
tac aag cca gcc aac aag ctg aag gac gag gtg gcg atc gtg acc ggc 383
Tyr Lys Pro Ala Asn Lys Leu Lys Asp Glu Val Ala Ile Val Thr Gly
35 40 45
ggc gac tcc ggc atc ggg cgg gcg gtg tgc ctg tgc ttc gcg ctg gag 431
Gly Asp Ser Gly Ile Gly Arg Ala Val Cys Leu Cys Phe Ala Leu Glu
50 55 60
ggc gcg acg gtg gcg ttc acg tac gtg aag ggg cag gag gag aag gac 479
Gly Ala Thr Val Ala Phe Thr Tyr Val Lys Gly Gln Glu Glu Lys Asp
65 70 75
gcg gag gag acg ctc cgc gcg ctg cgc gac atc agg gcg cgc acc ggc 527
Ala Glu Glu Thr Leu Arg Ala Leu Arg Asp Ile Arg Ala Arg Thr Gly
80 85 90 95
gcc aag gac ccc atg gcg atc ccc gcc gac ctc ggg tac gac gac aac 575
Ala Lys Asp Pro Met Ala Ile Pro Ala Asp Leu Gly Tyr Asp Asp Asn
100 105 110
tgc cgc aag gtg gtc gac gag gtc gcc ggc gcg tac ggc ggc gcc atc 623
Cys Arg Lys Val Val Asp Glu Val Ala Gly Ala Tyr Gly Gly Ala Ile
115 120 125
gac atc ctc gtc aac aac gcc gcc gag cag tac gag cgc ccc tcc atc 671
Asp Ile Leu Val Asn Asn Ala Ala Glu Gln Tyr Glu Arg Pro Ser Ile
130 135 140
acc gac atc acc gag gac gac ctg gaa cgc gtg ttc cgc acc aac atc 719
Thr Asp Ile Thr Glu Asp Asp Leu Glu Arg Val Phe Arg Thr Asn Ile
145 150 155
ttc tcc tac ttc ttc atg tcg aag cac gcc gtg aag cgg atg cgc gat 767
Phe Ser Tyr Phe Phe Met Ser Lys His Ala Val Lys Arg Met Arg Asp
160 165 170 175
cgc cgc ggc ggc gcc ggc gcc ggc ggg tgc agc atc atc aac acg tcg 815
Arg Arg Gly Gly Ala Gly Ala Gly Gly Cys Ser Ile Ile Asn Thr Ser
180 185 190
tcg atc aac gcg tac aag ggg aac aag acg ctg ctg gac tac acg gcg 863
Ser Ile Asn Ala Tyr Lys Gly Asn Lys Thr Leu Leu Asp Tyr Thr Ala
195 200 205
acc aag ggc gcc atc gtg gcg ttc acg agg gcg ctg gcg ctg cag ctg 911
Thr Lys Gly Ala Ile Val Ala Phe Thr Arg Ala Leu Ala Leu Gln Leu
210 215 220
gcg gag gag ggg atc cgg gtg aac ggc gtc gcg ccg ggg ccg atc tgg 959
Ala Glu Glu Gly Ile Arg Val Asn Gly Val Ala Pro Gly Pro Ile Trp
225 230 235
acg ccg ctg atc ccg gcg tcg ttc gcg gag gag aag gtg agg cag ttc 1007
Thr Pro Leu Ile Pro Ala Ser Phe Ala Glu Glu Lys Val Arg Gln Phe
240 245 250 255
ggc tcc cag gtg ccc atg ggc cgc gcc ggc cag ccg tcg gag gtg gcg 1055
Gly Ser Gln Val Pro Met Gly Arg Ala Gly Gln Pro Ser Glu Val Ala
260 265 270
ccc agc ttc gtc ttc ctc gcc agc gac gac gcc tcc tac atg tcc ggc 1103
Pro Ser Phe Val Phe Leu Ala Ser Asp Asp Ala Ser Tyr Met Ser Gly
275 280 285
cag atg ctg cac gtc aac ggc ggc gtc atc gtc aat ggc tagtttttca 1152
Gln Met Leu His Val Asn Gly Gly Val Ile Val Asn Gly
290 295 300
cttgtcccat atcgccgccg gcgggcgagc tcgccgtcgc cggccgccgt gtctgtcttg 1212
gcttttgctg tgggcatgtg cccacgtgtt tgcagtgcga gtccaccaca tgtcagtcag 1272
tagtagcttg tgatcctgtg atactgtgat gattagagtt gcagttgttg tctgtgtcct 1332
aagcttgcaa ctcaatctgc aaggaagaag atgaataaaa acgtcccatc tcatcactaa 1392
aaaaaaaaaa aaaaaaaaaa aaaa 1416
<210> 2
<211> 300
<212> PRT
<213> Oryza sativa
<400> 2
Met Ala Ser Gln Gln Phe Pro Pro Gln Lys Gln Glu Thr Gln Pro Gly
1 5 10 15
Lys Glu His Ala Met Asp Pro Arg Pro Glu Ala Ile Ile Gln Ser Tyr
20 25 30
Lys Pro Ala Asn Lys Leu Lys Asp Glu Val Ala Ile Val Thr Gly Gly
35 40 45
Asp Ser Gly Ile Gly Arg Ala Val Cys Leu Cys Phe Ala Leu Glu Gly
50 55 60
Ala Thr Val Ala Phe Thr Tyr Val Lys Gly Gln Glu Glu Lys Asp Ala
65 70 75 80
Glu Glu Thr Leu Arg Ala Leu Arg Asp Ile Arg Ala Arg Thr Gly Ala
85 90 95
Lys Asp Pro Met Ala Ile Pro Ala Asp Leu Gly Tyr Asp Asp Asn Cys
100 105 110
Arg Lys Val Val Asp Glu Val Ala Gly Ala Tyr Gly Gly Ala Ile Asp
115 120 125
Ile Leu Val Asn Asn Ala Ala Glu Gln Tyr Glu Arg Pro Ser Ile Thr
130 135 140
Asp Ile Thr Glu Asp Asp Leu Glu Arg Val Phe Arg Thr Asn Ile Phe
145 150 155 160
Ser Tyr Phe Phe Met Ser Lys His Ala Val Lys Arg Met Arg Asp Arg
165 170 175
Arg Gly Gly Ala Gly Ala Gly Gly Cys Ser Ile Ile Asn Thr Ser Ser
180 185 190
Ile Asn Ala Tyr Lys Gly Asn Lys Thr Leu Leu Asp Tyr Thr Ala Thr
195 200 205
Lys Gly Ala Ile Val Ala Phe Thr Arg Ala Leu Ala Leu Gln Leu Ala
210 215 220
Glu Glu Gly Ile Arg Val Asn Gly Val Ala Pro Gly Pro Ile Trp Thr
225 230 235 240
Pro Leu Ile Pro Ala Ser Phe Ala Glu Glu Lys Val Arg Gln Phe Gly
245 250 255
Ser Gln Val Pro Met Gly Arg Ala Gly Gln Pro Ser Glu Val Ala Pro
260 265 270
Ser Phe Val Phe Leu Ala Ser Asp Asp Ala Ser Tyr Met Ser Gly Gln
275 280 285
Met Leu His Val Asn Gly Gly Val Ile Val Asn Gly
290 295 300
<210> 3
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial
<220>
<223> An artificially synthesized primer sequence
<400> 3
gcggcgtcat cgtcaatggc 20
<210> 4
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial
<220>
<223> An artificially synthesized primer sequence
<400> 4
tcatcttctt ccttgcagat 20
【図面の簡単な説明】
【図1】 コシヒカリおよび各コシヒカリアイソジェニックラインの再分化を示す写真である。
【図2】 ディファレンシャルディスプレイで得られたバンドパターンを示す写真である。
【図3】 22A遺伝子の発現パターンを示す写真である。
【図4】 各種アイソジェニックラインにおける22A遺伝子の発現パターンを示す写真である。
【図5】 培養初期の各種における22A遺伝子の発現パターンを示す写真である。
【図6】 培養4ヶ月目の各種における22A遺伝子の発現パターンを示す写真である。
【図7】 日本晴れおよびPanbiraの各培養細胞における22A遺伝子の発現パターンを示す写真である。
【図8】 イネ形質転換に用いるOs22A cDNAを含むバイナリベクターの構成を示す図である。NosPは、ノパリンシンターゼプロモーター、NPT IIは、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼII、NosTはノパリンシンターゼ遺伝子の3'シグナル、Ubi1-Pはトウモロコシユビキチン1遺伝子プロモーター、35S-Pはカリフラワーモザイクウイルス35Sプロモーター、HptIIはハイグロマイシンBホスホトランスフェラーゼ、BRは右ボーダー、BLは左ボーダー、矢印は、転写の方向を示す。
【図9】 コシヒカリ由来の形質転換カルスにおけるOs22Aの発現パターンをノーザンブロットで分析した結果を示す写真である。レーン1:コシヒカリ、レーン2~8:コシヒカリ形質転換カルス。カルスからのTotal RNA(15μg/レーン)を、ノーザンハイブリダイゼーション分析に供した。
【図10】 コシヒカリ及び形質転換したコシヒカリのカルスの再分化の写真である。ハイグロマイシン選抜によりスクリーニング後、形質転換カルスを2,4-D(2 mg/L)、プロリン(10 mM)、カゼイン加水分解物(300 mg/L)、スクロース(30 g/L)およびゲルライト(4 g/L)を添加したN6培地にて3週間のインターバルでサブカルチャーし、再分化培地へトランスファーした。Tubi-3は、コシヒカリ由来形質転換カルスである。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9