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明細書 :イチジクの不定根誘導方法及び不定芽誘導方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3787624号 (P3787624)
公開番号 特開2004-121133 (P2004-121133A)
登録日 平成18年4月7日(2006.4.7)
発行日 平成18年6月21日(2006.6.21)
公開日 平成16年4月22日(2004.4.22)
発明の名称または考案の名称 イチジクの不定根誘導方法及び不定芽誘導方法
国際特許分類 A01H   4/00        (2006.01)
FI A01H 4/00
請求項の数または発明の数 5
全頁数 9
出願番号 特願2002-291986 (P2002-291986)
出願日 平成14年10月4日(2002.10.4)
審査請求日 平成14年10月4日(2002.10.4)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】501203344
【氏名又は名称】独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明者または考案者 【氏名】薬師寺 博
【氏名】佐藤 義彦
【氏名】間瀬 誠子
個別代理人の代理人 【識別番号】100091096、【弁理士】、【氏名又は名称】平木 祐輔
【識別番号】100118773、【弁理士】、【氏名又は名称】藤田 節
【識別番号】100096183、【弁理士】、【氏名又は名称】石井 貞次
審査官 【審査官】内藤 伸一
参考文献・文献 Plant Growth Regul., (1994), 14, [2], p.127-132
農業関係試験場バイオテクノロジー等先端技術開発成果, (1997), [2], p.95-99
調査した分野 A01H 3/04
A01H 4/00
JICSTファイル(JOIS)
PubMed
特許請求の範囲 【請求項1】
イチジク(フィカス・カリカ(Ficus carica L.))由来の組織片を、フロログルシノール及びサイトカイニン存在下にて培養することを特徴とするイチジクの不定芽誘導方法。
【請求項2】
フロログルシノールの濃度を0.1~1.0mMの範囲とし、サイトカイニンの濃度を0.01~10.0ppmの範囲とすることを特徴とする請求項1記載のイチジクの不定芽誘導方法。
【請求項3】
上記サイトカイニンがチジアズロンであることを特徴とする請求項1又は2記載のイチジクの不定芽誘導方法。
【請求項4】
フロログルシノール及びサイトカイニンを有効成分とするイチジクの不定芽誘導剤。
【請求項5】
上記サイトカイニンがチジアズロンであることを特徴とする請求項4記載のイチジクの不定芽誘導剤。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、イチジク(フィカス・カリカ(Ficus carica L.))の不定根及び不定芽の誘導方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、いくつかの果樹で不定芽、不定根ならびに不定胚が植物片より誘導され、さらにはアグロバクテリウム法によって遺伝子組換え体の作出が報告されている。しかし、イチジクでは、これまで不定芽誘導、不定胚誘導やプロトプラストからの植物体再生した報告例はない。したがって、イチジクに関しては、遺伝子組換え体の作出技術が確立されていない。
【0003】
イチジクは近年生長著しい樹種の一つであるが、耐病性や耐寒性などの克服や生理機能の解明のためには、遺伝子組換え体の作出技術の確立が不可欠である。イチジク(Ficus carica L.)の組織培養では、成長点培養(非特許文献1、2及び3参照)、腋芽培養(非特許文献4参照)、花蕾からのシュート形成(非特許文献5及び6参照)の報告がある。しかしながら、いずれの方法も器官形成を伴っていない。加えて、プロトプラストからの植物体再生や不定胚誘導についても報告はない。
イチジクに関する不定芽・不定根誘導技術の確立によって、遺伝子組換え体作出技術の重要な制約条件を解決でき、今後のイチジク遺伝子組換え技術の中核技術の一つになり得る。
【0004】
【非特許文献1】
Muriithi LM, Rangan TS, Waite BH (1982) In vitro propagation of fig through shoot tip culture. HortScience 17: 86-87.
【非特許文献2】
Pontikis CA, Melas P (1986) Micropropagation of Ficus carica L. HortScience 21: 153.
【非特許文献3】
古川 真(1996) イチジクにおける生長点培養について.平成8年度園芸学会近畿支部研究発表要旨:4.
【非特許文献4】
Kumar V, Radha A, Kumar Chitta S (1998) In vitro plant regeneration of fig (Ficus carica L. cv. gular) using apical buds from mature trees. Plan Cell Reports 17: 717-720.
【非特許文献5】
宇都宮直樹・高野秦信・中原 香(1996)In vitroでのイチジク花蕾からのシュート形成.平成8年度園芸学会近畿支部研究発表要旨:2.
【非特許文献6】
仙頭 愛・神崎真哉・高松善博・宇都宮直樹(2000)In vitro下におけるイチジク幼果からのシュート形成に関する研究.園芸学会雑誌(別冊2)69:130.
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上述したような実状に鑑み、イチジクの不定根及び不定芽を得ることができる全く新規なイチジクの不定根誘導方法及び不定根誘導剤、並びにイチジクの不定芽誘導方法及び不定芽誘導剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するため、本発明者が鋭意検討した結果、フロログルシノールの存在下でイチジク由来の組織片を培養することで不定根を誘導でき、また、フロログルシノール及びサイトカイニンの存在下で当該組織片を培養することで不定芽を誘導できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下を包含する。
【0007】
(1) イチジク(フィカス・カリカ(Ficus carica L.))由来の組織片を、フロログルシノール存在下にて培養することを特徴とするイチジクの不定根誘導方法。
(2) フロログルシノールの濃度を0.1~1.0mMの範囲とすることを特徴とする(1)記載のイチジクの不定根誘導方法。
(3) フロログルシノールを有効成分とするイチジクの不定根誘導剤。
【0008】
(4) イチジク(フィカス・カリカ(Ficus carica L.))由来の組織片を、フロログルシノール及びサイトカイニン存在下にて培養することを特徴とするイチジクの不定芽誘導方法。
(5) フロログルシノールの濃度を0.1~1.0mMの範囲とし、サイトカイニンの濃度を0.01~10.0 ppmの範囲とすることを特徴とする(4)記載のイチジクの不定芽誘導方法。
【0009】
(6) 上記サイトカイニンがチジアズロンであることを特徴とする(4)又は(5)記載のイチジクの不定芽誘導方法。
(7) フロログルシノール及びサイトカイニンを有効成分とするイチジクの不定芽誘導剤。
(8) 上記サイトカイニンがチジアズロンであることを特徴とする(7)記載のイチジクの不定芽誘導剤。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
イチジクの不定根を誘導するには、先ず、イチジクから採取した組織片をフロログルシノール存在下で培養する。一方、イチジクの不定芽を誘導するには、先ず、イチジクから採取した組織片をフロログルシノール及びチジアズロン存在下で培養する。すなわち、イチジクから採取した組織片をフロログルシノール存在下で培養することで不定根を誘導することができ、当該組織片をフロログルシノール及びチジアズロン存在下で培養することで不定芽を誘導することができる。ここで、イチジクとは、学名をフィカス・カリカ(Ficus carica L.)とするものであり、フィカス・カリカに属するものであれば如何なる細分類に属するものであってもよい。
【0011】
組織片としては、例えば、イチジクの成長点培養から継代培養中植物の葉片を用いることができる。その他、組織片としては、イチジク植物体の如何なる器官から採取しても良い。例えば、葉、葉柄、種子胚、果柄、花托、花、花柄、又は根などの組織片を用いることができる。また、採取した組織片を滅菌処理したもの、あるいは、無菌幼苗、当該無菌幼苗を育成させたイチジク植物体の芽、根、根茎、葉柄又は葉の切片などが好適に利用される。これらの中でも、特に葉の組織片が好ましい。
【0012】
一方、組織片を培養するための培地としては、植物の組織培養に一般的に用いられる培地であれば如何なる培地を使用することができる。具体的に培地としては、例えば、MS(Murashige & Skoog)培地、LS(Linsmaier & Skoog)培地、B5培地、Nitsch&Nitsch培地、Gamborg培地、White培地、Tuleeke培地及びこれらの改変培地などを用いることができる。
【0013】
特に、不定根を誘導する場合、フロログルシノールを含む培地を用いる。フロログルシノールとしては、市販品、合成物を使用することができる。市販品としては、フロログルシノール二水和物、フロログルシノール、フロログルシノール(無水)を使用することができる。また、これら市販品は、関東化学株式会社及び和光純薬工業株式会社から購入できる。
【0014】
不定根を誘導する場合、フロログルシノールの濃度は、0.1~1.0mMの範囲とすることが好ましい。フロログルシノールの濃度が0.1mM未満の場合、不定根を誘導できない虞がある。また、フロログルシノールの濃度が1.0mMを超える場合、組織片の生長阻害や枯死といった不都合がある。
【0015】
一方、不定芽を誘導する場合、フロログルシノール及びサイトカイニンを含む培地を用いる。サイトカイニンとしては、天然のサイトカイニン及び合成サイトカイニンのいずれであっても良い。具体的にサイトカイニンとしては、チジアズロン(TDZ)、フルフリルアミノプリン(カイネチン)、6-ベンジルアミノプリン(BA)、2-クロロ-4-ピリジル-フェニルウレア(CPPU)、イソペンテニルアデニン(2iP)及びゼアチンを挙げることができ、それを単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。特に、サイトカイニンとしては、チジアズロン(TDZ)を使用する事が好ましい。TDZは、正式名称を1-フェニル-3-1,2,3-チアジアゾル-5-イルウレアとし、例えばシグマ社及び和光純薬工業株式会社から購入できる。
【0016】
不定芽を誘導する場合、フロログルシノールの濃度は、0.1~1.0mMの範囲とし、チジアズロンの濃度は、0.1~5.0 ppmの範囲とすることが好ましい。フロログルシノールの濃度が0.1mM未満の場合、不定芽を誘導できない虞がある。また、フロログルシノールの濃度が1.0mMを超える場合、組織片の生長阻害や枯死といった不都合がある。チジアズロンの濃度が0.01 ppm未満の場合、不定芽を誘導できない虞がある。また、チジアズロンの濃度が10.0 ppmを超える場合、組織片の生長阻害や枯死といった不都合がある。
【0017】
また、培地には、オーキシン類及びサイトカイニン類が含まれていても良い。オーキシン類としては、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)、α-ナフチル酢酸(NAA)、4-クロロフェノキシ酢酸(4-CPA)、インドール酢酸(IAA)、インドール酪酸(IBA)、2,4,5-トリクロロフェノキシ酢酸(2,4,5-T)、ピクロラムなどが挙げることができ、それを単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。また、サイトカイニン類としては、チジアズロン(TDZ)、フルフリルアミノプリン(カイネチン)、6-ベンジルアミノプリン(BA)、2-クロロ-4-ピリジル-フェニルウレア(CPPU)、イソペンテニルアデニン(2iP)及びゼアチンなどが挙げることができ、それを単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。オーキシン類の濃度としては、0.1~50 ppmが好適な範囲として挙げられ、また、サイトカイニン類の濃度としては、0.01~50 ppmが好適な範囲として挙げられる。
【0018】
さらに、培地には、オーキシン類及びサイトカイニン類の他に、炭素源として、ショ糖、ブドウ糖、果糖などの組織培養に一般に用いられる糖類を使用することができる。糖類の濃度としては、10~50 g/lが好適なものとして挙げられる。また、培地は、必要に応じてその構成成分の含量を変えたり、ビタミンやアミノ酸などを加えたり、削除することも有効である。なお、培地には、さらにジベレリン類、アブシジン酸、ブラシノライド類及びエチレン等を含んでもよい。
【0019】
不定根を誘導する場合、培地のpHを5.0~6.5の範囲とすることが好ましく、培養温度を15~35℃の範囲とすることが好ましく、培養時間を20~60日間の範囲とすることが好ましく、暗黒下での培養が好ましい。また、不定芽を誘導する場合、培地のpHを5.0~6.5の範囲とすることが好ましく、培養温度を15~35℃の範囲とすることが好ましく、培養時間を20~90日間の範囲とすることが好ましく、暗黒下での培養が好ましい。
【0020】
上述したように、フロログルシノールを含む培地を用いることによって、イチジクの組織片を用いて不定根及び不定芽を誘導することができる。また、得られた不定芽を用いて、通常の方法を適用してイチジク植物体へ再生することができる。具体的に、例えば、得られた不定芽をサイトカイニンとオーキシンの混用培地に移植して成長させる。その後、茎長が1~2cmになったときにMS培地あるいはオーキシンを含んだMS培地に移植する。そして、発根後、馴化・鉢上げすることでイチジク植物体へ再生させることができる。
【0021】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕不定根の誘導
先ず、イチジクの成長点培養から継代培養中植物の葉片を採取した。イチジクの成長点培養は以下のように行った。圃場で栽培したイチジク品種「桝井ドーフィン」の新梢先端部を用いた。Tween20を数滴たらした次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素含量約0.5%に希釈)に、「桝井ドーフィン」の葉を取り除いた新梢先端部を約15分間浸漬し、その後、滅菌蒸留水で3回洗浄した。実体顕微鏡下で約0.5mmの成長点部を切り取り、成長点育成培地に植え付けた。成長点育成培地として、3%のショ糖、0.7%の寒天、1.0 ppmの6-ベンジルアミノプリン(BA)を加え、pH5.8に調整したMS培地を用いた。
また、継代培養は以下の条件で行った。成長点育成培地で伸長した植物体を、3%のショ糖、0.9%の寒天、0.04 ppmのインドール酪酸(IBA)と1.0 ppmのBAを加え、pH5.8に調整したMS培地に移植し、継代培養した。
【0022】
次に、採取した葉片を、様々な濃度の2、4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)と0.5 mMのフロログルシノール(PG、和光純薬工業株式会社製)を添加したMS培地(3%ショ糖、0.8%寒天、pH 5.8)に植え付けた。本例では、2,4-Dの濃度を0.0(無添加)、0.1、0.5、1.0或いは5.0 ppmとした。なお、各試験区においては、12個の葉片を用いて4回反復試験で行った。
葉片を植え付けた後、25℃暗黒化で30日間培養した。各試験区で観察された発根率及び発根数を表1に示す。
【0023】
【表1】
JP0003787624B2_000002t.gif【0024】
表1から、2,4-Dを単独で含む培地を用いても葉片から不定根を誘導できることが明らかとなった(図1参照)。さらに表1から、2,4-Dに加えてPGを添加した培地を用いた場合には、不定根発生率を大幅に高められることも明らかとなった。特に、2,4-D 1.0 ppmとPG 0.5 mMで最も効率よく不定根を誘導できた。
以上の結果から、PGは、イチジクの不定根をより効果的に誘導する作用を有することが判明した。
【0025】
〔実施例2〕不定芽の誘導
実施例1と同様に採取した葉片を、様々な濃度の2,4-Dとチジアズロン(TDZ、シグマ社製)を添加したMS培地(3%ショ糖、0.8%寒天、pH 5.8、0.5 mM PGを含む)に植え付けた。なお、本例においては、2,4-Dの濃度を0.0(無添加)、0.5、1.0、2.0或いは5.0 ppmとし、TDZの濃度を0.0(無添加)、0.5、1.0、2.0或いは5.0 ppmとした。なお、各試験区においては、10~12個の葉片を用いて3回以上の反復試験で行った。
葉片を植え付けた後、25℃暗黒化で49日間培養した。各試験区で観察された発芽率及び発芽数を表2に示す。
【0026】
【表2】
JP0003787624B2_000003t.gif【0027】
表2から、PGの存在下において、TDZを単独で含む培地を用いた場合、如何なる器官形成も認められず、不定芽を誘導できないことが明らかとなった。また、表2から、PGの存在下において、2,4-DとTDZとを含む培地を用いた場合、不定芽を誘導できることが明らかとなった(図2参照)。特に、PGの存在下においてTDZ 1.0 ppm及び2,4-D 1.0 ppmを含む培地を用いた場合には、不定芽を最も効果的に誘導できることが明らかとなった。
一方、不定芽の誘導に対するPGの影響を検討するために、PGの濃度を0.0(無添加)、0.5或いは1.0 mMとした培地に葉片を植え付け、同様に培養した。なお、使用した培地に含まれるTDZの濃度を1.0 ppmとし、2,4-Dの濃度を1.0 ppmとした。また、培養は25℃暗黒化で60日間とした。結果を表3に示す。
【0028】
【表3】
JP0003787624B2_000004t.gif【0029】
表3から、PG無添加区では、不定芽が誘導されなかったのに対し、PGを添加した試験区では、不定芽が誘導されることが明らかとなった。また、表3から、PGの濃度が0.5 mMの試験区では、PGの濃度が1.0 mMの試験区よりも優れた発芽率を示すことが明らかとなった。
以上、表2及び表3の結果から、イチジクから不定芽を誘導するには、TDZ及びPGを含む培地が有効であることが判明した。
【0030】
〔実施例3〕不定芽からの植物体再生
実施例2で得られた不定芽を用いて以下のように植物体を再生した。具体的には、先ず、得られた不定芽を6-ベンジルアミノプリン(BA)とα-ナフタレン酢酸(NAA)を含むMS培地に移植して成長させた。このとき、培養条件としては、温度25±2℃、白色蛍光管下(55.6μmol/s/m2)の16時間日長とした。
【0031】
その後、茎長が1~2cmになったときに、発根培地としてインドール酪酸(IBA)1.0 ppmを含むMS培地または植物ホルモンを含まないMS培地に移植した。このとき、培養条件としては、温度25±2℃、白色蛍光管下(55.6μmol/s/m2)の16時間日長とした。移植10~30日後に発根を確認することができた(図3参照)。
【0032】
そして、発根後、馴化・鉢上げすることでイチジク植物体へ再生させることができた(図4参照)。具体的に馴化は、以下のように行った。根に付いた寒天を取り除いた後、イチジク植物体をバーミキュライトの入ったプラスチック製ポットに移植した。そのポットを密閉可能な透明プラスチック容器に入れ、約2週間の間、高湿度条件を保つために密閉状態で育成した。その後、イチジク植物体の生育状況を見ながら上部のふたを順次ずらして外部の湿度(相対湿度60~75%)に馴化させた。このときの培養条件としては、温度25±2℃、白色蛍光管(29.4μmol/s/m2)の16時間日長にした。
また、具体的に鉢上げは以下のように行った。外部の湿度に十分馴化したイチジク植物体を培養土の入った素焼き鉢に移植し、自然光下の温室内で育成した。
【0033】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明により、イチジクにおける不定根及び不定芽を誘導できる全く新規な方法及び誘導剤を提供することができる。すなわち、本発明に係るイチジクの不定根誘導方法及び不定根誘導剤によれば、従来において得ることができなかったイチジク不定根を作出することができる。また、本発明に係るイチジクの不定芽誘導方法及び不定芽誘導剤によれば、従来において得ることができなかったイチジク不定芽を作出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で作出した不定根の写真である。
【図2】実施例2で作出した不定芽の写真である。
【図3】実施例3で作出した発根培地における不定芽由来植物の写真である。
【図4】実施例3で作出した鉢上げ後の不定芽由来植物の写真である。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3