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明細書 :浮魚資源現存量の区間推定方法、そのためのプログラム及び記録媒体

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3831786号 (P3831786)
公開番号 特開2004-187649 (P2004-187649A)
登録日 平成18年7月28日(2006.7.28)
発行日 平成18年10月11日(2006.10.11)
公開日 平成16年7月8日(2004.7.8)
発明の名称または考案の名称 浮魚資源現存量の区間推定方法、そのためのプログラム及び記録媒体
国際特許分類 A01K  73/10        (2006.01)
A01K  79/00        (2006.01)
G06F  17/18        (2006.01)
G06Q  50/00        (2006.01)
FI A01K 73/10
A01K 79/00 Z
G06F 17/18 Z
G06F 17/60 102
G06F 17/60 150
請求項の数または発明の数 9
全頁数 48
出願番号 特願2002-363166 (P2002-363166)
出願日 平成14年12月13日(2002.12.13)
審査請求日 平成17年8月12日(2005.8.12)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】501168814
【氏名又は名称】独立行政法人水産総合研究センター
発明者または考案者 【氏名】丹羽 洋智
個別代理人の代理人 【識別番号】100090941、【弁理士】、【氏名又は名称】藤野 清也
【識別番号】100118670、【弁理士】、【氏名又は名称】及川 泰嘉
審査官 【審査官】郡山 順
調査した分野 A01K 73/10
A01K 79/00
G06F 17/18
G06Q 50/00
特許請求の範囲 【請求項1】
集群性を有する浮魚に関して、測定海域における予め設定した航路に沿って実測した魚群サイズの頻度分布を含む、魚群の数密度が算出できるデータに加え、群れを漁獲の単位とする漁法による漁獲量より求めた群れサイズを含む、魚群の数密度を算出できないデータを含め、群れの構成個体数である実測した魚群サイズの階級別に度数集計した頻度分布データであって、任意サイズNiと任意サイズ範囲の実測魚群数Wi’で表した頻度分布データ{(Ni,Wi’)|階級幅をΔNとする階級(i-1)ΔN~iΔNの範囲の計測魚群数をWi’ΔNとし、その階級値はNi=(i-0.5)ΔN、但しi=1,2,...,nで階級数はn}から、任意のある1つの魚が属する群れサイズの期待値となる平均群れサイズ〈N〉pを与える手順A、
実測した群れサイズの頻度分布データについて、平均群れサイズ〈N〉pにより規格化し、群れサイズ分布データとして取り込む手順B、
前記、所定の海域で実測した群れサイズ分布を平均群れサイズ〈N〉pで規格化したデータであって、任意サイズNiと平均群れサイズ〈N〉pで規格化した任意サイズ範囲の魚群数Wiで表したデータ{(Ni,Wi)|Σj=1n jjΔN=〈N〉p;i=1,2,...,n}〔但し、Wはサイズ階級Nの魚群数(規格化された相対度数)で、nは頻度分布の階級数〕を用い、魚群サイズが従う母集団分布の規格化因子Pnormを求め、浮魚資源特性を
【式1】
JP0003831786B2_000113t.gif〔但し、積分式∫0 NW(N)dNは平均群れサイズに一致する。〕という魚群サイズが従う分布関数で与える手順C、
前記実測した群れサイズ分布の規格化データ{(Ni,Wi)|i=1,2,...,n}について、群れサイズ分布関数
【式2】
JP0003831786B2_000114t.gif〔但し、θ1は規格化因子を与えるパラメータ、θ2は平均魚群サイズを与えるパラメータ、εiは残差、nはデータ数となる階級別度数集計した群れサイズ頻度分布の階級数〕をパラメータθ2において非線形な回帰モデルとして、前記式1を推定すべき母集団の初期分布に設定して回帰分析を行い、パラメータθ1として与えられる規格化因子の最小二乗推定値Θ1、及び、パラメータθ2として与えられる魚群の平均サイズの最小二乗推定値Θ2を標準誤差se(Θ2)とともに求め、この最小二乗推定値Θ2に対する前記標準誤差se(Θ2)の割合を推定結果の精度評価となる変動係数CV(%)として求める手順D、
前記最小二乗推定値Θ1、Θ2を前記式2に代入し歪みを修正した群れサイズ分布関数Wre(N)を用いて、浮魚の個体数密度に比例する、資源現存量指標のバイアスを修正した点推定値Sを
【式3】
JP0003831786B2_000115t.gifにより求め、バイアスの推定値を、S-Σi=1n iiΔNによって求める手順E、
ステューデントのt分布について、前記実測した魚群サイズ分布のデータ数となる階級数nと前記回帰モデルのパラメータ数2の差νを式ν=n-2によって求めて自由度νとして与え、t分布の片側100×αパーセント点であって両側200×αパーセント点のtα(ν)を計算し、前記浮魚の資源現存量指標の点推定値S、前記平均サイズの最小二乗推定値Θ2と標準誤差se(Θ2)を用いて、浮魚の資源現存量指標の真値の任意パーセント信頼区間
【式4】
JP0003831786B2_000116t.gif〔但し、バイアスを修正した真値の100×(1-2α)パーセント信頼区間〕を求める手順F、
とからなることを特徴とする浮魚資源現存量の区間推定方法。
【請求項2】
集群性を有する浮魚に関して、測定海域における予め設定した航路に沿って実測した群れの構成個体数である群れサイズNの階級別に度数集計した頻度分布データWについて、魚群の数密度により規格化し、実測した群れサイズ分布データを取り込む手順A、
前記群れサイズ分布データを単位面積当り魚群数で規格化したデータであって、任意サイズNiと単位面積当たり魚群数で規格化した任意サイズ範囲の魚群数Wiで表したデータ{(Ni,Wi)|階級幅をΔNとする階級(i-1)ΔN~iΔNの範囲の単位面積当り計測魚群数をWiΔNとし、その階級値はNi=(i-0.5)ΔN、但しi=1,2,...,nで階級数はn}を用い、魚群サイズが従う母集団分布の規格化因子Pnorm、及び、任意のある1つの魚が属する群れサイズの期待値となる平均群れサイズ〈N〉pを求め、浮魚資源特性を
【式5】
JP0003831786B2_000117t.gif〔但し、積分式∫0 NW(N)dNは魚の個体数密度に一致する。〕という魚群サイズが従う分布関数で与える手順B、
前記実測した群れサイズ分布の規格化データ{(Ni,Wi)|i=1,2,...,n}について、群れサイズ分布関数
【式6】
JP0003831786B2_000118t.gifをパラメータθ2において非線形な回帰モデルとして、前記式5を推定すべき母集団の初期分布に設定して回帰分析を行い、パラメータθ1として与えられる規格化因子の最小二乗推定値Θ1、及び、パラメータθ2として与えられる魚群の平均サイズの最小二乗推定値Θ2を標準誤差se(Θ2)とともに求め、この最小二乗推定値Θ2に対する前記標準誤差se(Θ2)の割合を推定結果の精度評価となる変動係数CV(%)として求める手順C、
前記最小二乗推定値Θ1、Θ2を前記式6に代入し歪みを修正した群れサイズ分布関数Wre(N)を用いて、単位領域の魚総数となる、資源密度のバイアスを修正した点推定値Sを
【式7】
JP0003831786B2_000119t.gifにより求め、バイアスの推定値を、S-Σi=1n iiΔNによって求める手順D、
ステューデントのt分布について、前記実測した魚群サイズ分布のデータ数となる階級数nと前記回帰モデルのパラメータ数2の差νをν=n-2の式によって求め、このνを自由度νとして与え、t分布の片側100×αパーセント点であって両側200×αパーセント点、tα(ν)を計算し、前記浮魚の資源密度の点推定値S、前記平均サイズの最小二乗推定値Θ2と標準誤差se(Θ2)を用いて、浮魚の資源密度の真値の任意パーセント信頼区間
【式8】
JP0003831786B2_000120t.gif〔但し、バイアスを修正した真値の100×(1-2α)パーセント信頼区間〕を求める手順E、
とからなることを特徴とする浮魚資源現存量の区間推定方法。
【請求項3】
請求項2記載の手順A、手順B、手順C、手順D、及び、手順Eを実行して求めた浮魚の資源密度のバイアスを修正した点推定値に、漁場の面積あるいは浮魚の調査海域の面積を掛けて所定の漁場あるいは海域の浮魚資源現存総量のバイアスを修正した点推定値Stotを求める手順F、
請求項2記載の手順A、手順B、手順C、手順D、及び、手順Eを実行して求めた標準誤差に基づいて、所定の漁場あるいは海域の浮魚資源現存総量のバイアスを修正した真値の任意パーセント信頼区間を求める手順G、
とからなることを特徴とする請求項2記載の浮魚資源現存量の区間推定方法。
【請求項4】
集群性魚群に関する実測データが従う群れサイズ分布関数を用いて回帰分析を行い、この分析結果と魚の個体数密度との関係式を用い、対象海域のバイアスを修正した浮魚資源現存量指標を信頼区間とともに求める浮魚資源現存量の区間推定処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、コンピュータに請求項1記載の手順A、手順B、手順C、手順D、手順E、及び、手順Fを実行させるためのプログラム。
【請求項5】
集群性魚群に関する実測データが従う群れサイズ分布関数を用いて回帰分析を行い、この分析結果と魚の個体数密度との関係式を用い、対象海域のバイアスを修正した浮魚資源密度を信頼区間とともに求める浮魚資源現存量の区間推定処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、コンピュータに請求項2記載の手順A、手順B、手順C、手順D、及び、手順Eを実行させるためのプログラム。
【請求項6】
集群性魚群に関する実測データが従う群れサイズ分布関数を用いて回帰分析を行い、この分析結果と魚の個体数密度との関係式を用い、対象海域のバイアスを修正した浮魚資源総量を信頼区間とともに求める浮魚資源現存量の区間推定処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、コンピュータに請求項3記載の手順A、手順B、手順C、手順D、手順E、手順F、及び、手順Gを実行させるためのプログラム。
【請求項7】
集群性魚群に関する実測データが従う群れサイズ分布関数を用いて回帰分析を行い、この分析結果と魚の個体数密度との関係式を用い、対象海域のバイアスを修正した浮魚資源現存量指標を信頼区間とともに求める浮魚資源現存量の区間推定処理プログラムを記録した記録媒体であって、コンピュータに請求項1記載の手順A、手順B、手順C、手順D、手順E、及び、手順Fを実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項8】
集群性魚群に関する実測データが従う群れサイズ分布関数を用いて回帰分析を行い、この分析結果と魚の個体数密度との関係式を用い、対象海域のバイアスを修正した浮魚資源密度を信頼区間とともに求める浮魚資源現存量の区間推定処理プログラムを記録した記録媒体であって、コンピュータに請求項2記載の手順A、手順B、手順C、手順D、及び、手順Eを実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項9】
集群性魚群に関する実測データが従う群れサイズ分布関数を用いて回帰分析を行い、この分析結果と魚の個体数密度との関係式を用い、対象海域のバイアスを修正した浮魚資源総量を信頼区間とともに求める浮魚資源現存量の区間推定処理プログラムを記録した記録媒体であって、コンピュータに請求項3記載の手順A、手順B、手順C、手順D、手順E、手順F、及び、手順Gを実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、任意の海域における上層の集群性魚類の量を推定するための浮魚資源現存量の区間推定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、魚群の観測データに基づいて漁業資源現存量あるいは資源密度の推定は行なわれているが、一般には点推定に留まり、その推定値の信頼区間を同時に評価する区間推定は通常行なわれていない。
【0003】
これは海洋調査手法からの制約で、ランダムサンプリングが行なわれないためである。
【0004】
調査船による通常の海洋観測では等間隔で平行に観測線を設定し、その定線に従って航走しながら魚群観測を行なっている(例えば、非特許文献1参照)。このため、ランダムサンプリング法による漁業資源現存量の区間推定を行なうことはできない。
【0005】
また、漁業統計(この場合は集群性浮魚類を対象とするまき網漁業による漁獲データ)を用いて資源現存量の推定が行なわれている(例えば、非特許文献2参照)。漁業統計による資源量推定ではそのオーダーに意味があり、これを資源現存量の指標とし、年毎の相対資源量水準を比較しているが、推定値の信頼性については評価できない。
【0006】
ところで、前記の観測あるいは漁業による魚群データ、ただ1組の標本に基づいて、ブートストラップ法に代表されるリサンプリング法を導入し、未知の母集団分布を経験分布で推定することにより、資源現存量の区間推定も可能である(例えば、非特許文献3参照)。欠点は、コンピュータによる計算処理時間が膨大なこと、リサンプリングの回数あるいはコンピュータが生成する乱数によって信頼区間が違ってくるということである。また、もし、母集団が従う分布関数形など特性を知っていれば、「母集団分布を経験分布で置き換える」という処方は全く必要ない。
一方、空間統計学、特にクリギングの手法を導入し、魚群の定線観測データから資源現存量の区間推定が行なわれている(例えば、非特許文献1参照)。この手法ではデータの空間的相関にある特定の関数形を仮定するが、これは経験的あるいは試行錯誤的になされている。したがって、相関関数の選び方は恣意性が入り込み易く、場合によっては、資源現存量推定値の信頼区間が異なってくるという重大な欠点を持つ。
さらに、調査船における計測においては魚群の調査船からの逃避・散逸など、漁業統計においては魚群サイズの人為的選択漁獲などに起因し、魚群サイズデータは母集団分布を正確に反映していないことが予想される。このようなデータの分布には歪みがあり、平均値にはその真値からのバイアスが存在する。データ計測時の不測の事態あるいは人為的操作によって生じたこのような系統的でないバイアスは、ブートストラップ法を含め、母集団が従う自然法則を利用しない、従来の漁業資源現存量推定のための統計学的処理では修正することができない。このため、ノンパラメトリックな統計学的処理によって行なった区間推定においては、その点推定値に取り除くことができないバイアスが繰り込まれてしまうという致命的な弱点を持つ。
【0007】
【非特許文献1】
本田聡, 資源研究の現場から(13): 新しい現存量の区間推定方法「Geostaistics」とは何か 水産の研究 16(2),50-53(1997)。
【0008】
【非特許文献2】
T.Wada & Y.Matsumiya,Abundance indexin purse seine fishery with searching time.日本水産学会誌56,725-728(1990).
【0009】
【非特許文献3】
平松一彦, Bootstrap法による信頼区間とバイアスの推定. 遠洋水研ニュース No.94,2-6(1994).
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
海洋上層を遊泳する魚種、いわゆる浮魚類の多くは集群性を有する。特に、漁業の対象とする有用魚種は全て群れを形成する。魚群の計測によってその海域に来遊してきた魚の数を推定することは、経済的に重要であるだけでなく、自然保護の観点からも重要である。
【0011】
しかし、バイアスを修正した浮魚資源現存量の推定とその現存量推定値の信頼区間を、経験的あるいは試行錯誤的手法ではなく、また、恣意性が入り込む余地なく正確に求めることは容易ではない。コンピュータによる計算処理に膨大な時間も要求される。
【0012】
本発明の目的は、ランダムサンプリングを必要とせず、また、経験的あるいは試行錯誤的な仮定を設けることなく、魚群が従うサイズ分布に関する自然法則に基づいてバイアスを修正した浮魚資源現存量の区間推定を行なう方法、通常のコンピュータを用い極めて短時間の内にその計算処理を行なうためのプログラム及び記録媒体を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を達成するために、以下の解決手段を採用する。
本発明は、浮魚の群れなど集群性魚群に関する実測データ、サイズNの魚群の計測度数Wが従う群れサイズ分布関数
【0014】
【式9】
JP0003831786B2_000002t.gif
【0015】
を用いて調査海域における平均群れサイズ〈N〉pの回帰分析を行なうことによってサイズ分布データの歪みを修正し、この分析結果と、浮魚の単位面積当り個体数、つまり個体数密度ρ、魚群の分裂確率p、及び、前記平均群れサイズ〈N〉pとの間に成り立つ関係式
【0016】
【式10】
JP0003831786B2_000003t.gif
【0017】
すなわち、平均群れサイズが浮魚資源密度に比例するという関係式を用い、対象海域の浮魚資源密度、現存総量、あるいは資源量指標のバイアスを修正した推定値を信頼区間とともに求める、浮魚資源現存量の区間推定方法に基本的な特徴を有する。
本発明は、取得データを特定しない解決手段として下記の方法を含む。
(1)浮魚資源現存量の区間推定方法において、
集群性を有する浮魚に関して、測定海域における予め設定した航路に沿って実測した魚群サイズの頻度分布など、魚群の数密度が算出できるデータに加え、まき網漁業など群れを漁獲の単位とする漁法による一投網毎の漁獲量より求めた群れサイズ等、魚群の数密度を算出できないデータを含め、実測した魚群サイズ(群れの構成尾数)の階級別に度数集計した頻度分布データ、すなわち、ΔNを階級幅とし階級値Niにおける群れの計測数をWi’ΔNとしたとき(i=1,2,...,n)、その1組{(N1,W1’), (N2,W2’),..., (Nn,Wn’)} 〔但し、Ni=(i-0.5)ΔNでnは頻度分布の階級数〕から、任意のある1つの魚が属する群れサイズの期待値となる平均群れサイズ〈N〉p
【0018】
【式11】
JP0003831786B2_000004t.gif
【0019】
により与える手順A、
(上記式11は、データが魚群サイズの階級別度数集計した頻度分布データ{(Ni,W’i) |i=1,2,...,n}として与えられていれば、式自体は平均値を求める式として普通の式である。)
実測した群れサイズの頻度分布データについて、平均群れサイズ〈N〉pで下記式
【0020】
【式12】
JP0003831786B2_000005t.gif
【0021】
により群れの計測総数から平均サイズへ規格化を変更し、群れサイズ分布データ{(N1,W1), (N2,W2),..., (Nn,Wn)}〔但し、WはサイズNの魚群数(規格化された相対度数)〕を取り込む手順B、
(上記式12は、データが魚群サイズの頻度分布データ{(Ni,Wi’)|i=1,2,…,n}として与えられていれば、式自体は群れの計測総数から平均サイズへ規格化を変更する式として普通の式である。)
前記、所定の海域で実測した群れの平均サイズ〈N〉pにより魚群サイズが従う母集団分布の規格化因子Pnorm
【0022】
【式13】
JP0003831786B2_000006t.gif
【0023】
により求め、
(上記式13は、適切な頻度分布を表すように、前記データ{(Ni,Wi) |i=1,2,...,n}の規格化、すなわち、平均群れサイズに一致するサイズ分布関数の規格化因子を求める式として自明の式である。)
浮魚資源特性を
【0024】
【式14】
JP0003831786B2_000007t.gif
【0025】
〔但し、積分式∫0 NW(N)dNは平均群れサイズに一致する。〕
という魚群サイズが従う分布関数で与える手順C、
前記群れサイズ分布の規格化データ{(Ni,Wi)|i=1,2,...,n}について、群れサイズ分布関数
【0026】
【式15】
JP0003831786B2_000008t.gif
【0027】
をパラメータθ2において非線形な回帰モデルとして、前記式14を推定すべき母集団の初期分布、すなわち、前記式13の規格化因子Pnorm及び前記式11の平均群れサイズ〈N〉pを、それぞれ、群れサイズ分布関数のパラメータθ1及びθ2の初期値に設定し回帰分析を行い、パラメータθ1として与えられる規格化因子の最小二乗推定値Θ1、及び、パラメータθ2として与えられる魚群の平均サイズの最小二乗推定値Θ2を標準偏差すなわち標準誤差se(Θ2)とともに求め、回帰分析による推定結果の精度評価として変動係数CV(%)[=標準誤差÷点推定値]
【0028】
【式16】
JP0003831786B2_000009t.gif
【0029】
(データが求まれば、式16自体は普通の変動係数(パーセント表示)を求める式である)を求める手順D、
前記、実測した群れサイズ分布の規格化データ{(Ni,Wi)|i=1,2,...,n}により回帰分析を行なって求めたパラメータの最小二乗推定値Θ1、Θ2を代入し歪みを修正した群れサイズ分布関数Wre(N)
【0030】
【式17】
JP0003831786B2_000010t.gif
【0031】
(上記式17は、前記式13の規格化因子Pnorm及び前記式11の平均群れサイズ〈N〉pの代わりに、式15の回帰分析で求まる最小二乗推定値Θ1及びΘ2を代入したもので、回帰分析によりパラメータθ1及びθ2が既に求まっている場合、最小二乗推定Θ1及びΘ2を代入するだけで求まる。)
を用い、浮魚の資源現存量指標のバイアスを修正した点推定値S(これは魚の個体数密度に比例する)を
【0032】
【式18】
JP0003831786B2_000011t.gif
【0033】
により求め、バイアスの推定値を
【0034】
【式19】
JP0003831786B2_000012t.gif
【0035】
によって求める手順E、
ステューデントのt分布について、前記実測した魚群サイズ分布のデータ数となる階級数nと前記回帰モデルのパラメータ数2の差ν(=n-2)によって自由度νを与え、t分布の片側100×αパーセント点(したがって、両側200×αパーセント点)、tα(ν)を計算し、前記平均サイズの最小二乗推定値Θ2と標準誤差se(Θ2)からΘ2の信頼区間を構成し、また、浮魚の資源現存量指標と平均サイズとの間に成立する比例関係の比例係数をS/Θ2によって求め、前記式10によりSの信頼区間はΘ2のそれに比例するので、この比例計数をΘ2の信頼区間に乗ずることによって、資源現存量指標の任意パーセント信頼区間
【0036】
【式20】
JP0003831786B2_000013t.gif
【0037】
〔但し、バイアスを修正した真値の100×(1-2α)パーセント信頼区間〕
を求める手順F、
とからなることを特徴とする。
さらに、本発明は、取得データを特定する解決手段として下記の方法を含む。
(2)浮魚資源現存量の区間推定方法において、
集群性を有する浮魚に関して、測定海域における予め設定した航路に沿って実測した群れサイズ(群れの構成個体数)Nの階級別に度数集計した頻度分布データWについて、魚群の数密度により規格化し、実測した群れサイズ分布データを取り込む手順A、
前記、所定の海域で実測した群れサイズの階級別に度数集計した頻度分布を単位面積当り魚群数で規格化したデータ、すなわち、ΔNを階級幅とし階級値Niにおける群れの単位面積当り計測数をWiΔNとしたとき(i=1,2,...,n)、その1組{(N1,W1), (N2,W2),..., (Nn,Wn)}〔但し、Ni=(i-0.5)ΔNでnは頻度分布の階級数〕を用い、任意のある1つの魚が属する群れサイズの期待値となる平均群れサイズ〈N〉p、及び、魚群サイズが従う母集団分布の規格化因子Pnormを、それぞれ
【0038】
【式21】
JP0003831786B2_000014t.gif
【0039】
(上記式21は、データが魚群サイズの階級別度数集計した頻度分布データ{(Ni,Wi)|i=1,2,...,n}として与えられていれば式自体は平均値を求める式として普通の式である。)
および、
【0040】
【式22】
JP0003831786B2_000015t.gif
【0041】
(上記式22は、適切な頻度分布を表すように、前記データ[(Ni, Wi) |i=1,2,...,n]の規格化、すなわち、魚の個体数密度ρに一致するサイズ分布関数の規格化因子を求める式として自明の式である。)
によって求め、浮魚資源特性を
【0042】
【式23】
JP0003831786B2_000016t.gif
【0043】
〔但し、積分式∫0 NW(N)dNは魚の個体数密度に一致する。〕
という魚群サイズが従う分布関数で与える手順B、
前記実測した群れサイズ分布の規格化データ{(Ni,Wi)|i=1,2,...,n}について、群れサイズ分布関数
【0044】
【式24】
JP0003831786B2_000017t.gif
【0045】
をパラメータθ2において非線形な回帰モデルとして、前記式23を推定すべき母集団の初期分布、すなわち、前記式22の規格化因子Pnorm及び前記式21の平均群れサイズ〈N〉pを、それぞれ、群れサイズ分布関数のパラメータθ1及びθ2の初期値に設定し回帰分析を行い、パラメータθ1として与えられる規格化因子の最小二乗推定値Θ1、及び、パラメータθ2として与えられる魚群の平均サイズの最小二乗推定値Θ2を標準偏差すなわち標準誤差se(Θ2)とともに求め、回帰分析による推定結果の精度評価として変動係数CV(%)[= 標準誤差 ÷点推定値]
【0046】
【式25】
JP0003831786B2_000018t.gif
【0047】
(データが求まれば、式25自体は普通の変動係数(パーセント表示)を求める式である)を求める手順C、
前記、実測した群れサイズ分布の規格化データ{(Ni,Wi)|i=1,2,...,n}により回帰分析を行なって求めたパラメータの最小二乗推定値Θ1、Θ2を代入し歪みを修正した群れサイズ分布関数Wre(N)
【0048】
【式26】
JP0003831786B2_000019t.gif
【0049】
(上記式26は、前記式22の規格化因子Pnorm及び前記式21の平均群れサイズ〈N〉pの代わりに、式24の回帰分析で求まる最小二乗推定値Θ1及びΘ2を代入したもので、回帰分析によりパラメータθ1及びθ2が既に求まっている場合、最小二乗推定Θ1及びΘ2を代入するだけで求まる。)
を用い、浮魚の資源密度のバイアスを修正した点推定値S(単位領域における魚の総数を意味する)を
【0050】
【式27】
JP0003831786B2_000020t.gif
【0051】
により求め、バイアスの推定値を
【0052】
【式28】
JP0003831786B2_000021t.gif
【0053】
によって求める手順D、
ステューデントのt分布について、前記実測した魚群サイズ分布のデータ数となる階級数nと前記回帰モデルのパラメータ数2の差ν(=n-2)によって自由度νを与え、t分布の片側100×αパーセント点 (したがって、両側200×αパーセント点)、tα(ν)を計算し、前記平均サイズの最小二乗推定値Θ2と標準誤差se(Θ2)からΘ2の信頼区間を構成し、また、浮魚の資源密度と平均サイズとの間に成立する比例関係の比例係数をS/Θ2によって求め、前記式10によりSの信頼区間はΘ2のそれに比例するので、この比例計数をΘ2の信頼区間に乗ずることによって、資源密度の任意パーセント信頼区間
【0054】
【式29】
JP0003831786B2_000022t.gif
【0055】
〔但し、バイアスを修正した真値の100×(1-2α)パーセント信頼区間〕
を求める手順E、
とからなることを特徴とする。
本発明は、所定の漁場あるいは海域を対象とした解決手段として下記の方法を含む。
(3)前記(2)記載の浮魚資源現存総量の区間推定方法において、
上記(2)記載の手順A、手順B、手順C、手順D、及び、手順Eを実行させて求めた浮魚の資源密度のバイアスを修正した点推定値に、漁場の面積あるいは浮魚の調査海域の面積を掛けて所定の漁場あるいは海域の浮魚資源現存総量のバイアスを修正した点推定値Stotを求める手順F、
ステューデントのt分布について、前記魚群サイズ分布のデータ数となる階級別度数集計した頻度分布の階級数nと上記(2)記載の回帰モデルのパラメータ数2の差ν(=n-2)によって自由度νを与え、t分布の片側100×αパーセント点 (したがって、両側200×αパーセント点) 、tα(ν)を計算し、前記浮魚の資源現存総量の点推定値Stot、上記(2)記載の手順により求めた平均魚群サイズの最小二乗推定値Θ2と標準誤差se(Θ2)を用いて、バイアスを修正した浮魚資源現存総量の任意パーセント信頼区間
【0056】
【式30】
JP0003831786B2_000023t.gif
【0057】
〔但し、浮魚資源現存総量の真値の100×(1-2α)パーセント信頼区間〕
(上式30自体は前記(2)記載の手順Eの式29に与えた資源密度の信頼区間から自明の式となる。)
を求める手順G、
とからなることを特徴とする。
(4) 本発明は、前記(1)~(3)記載の浮魚資源現存量の区間推定方法を実行するために解決手段として下記のプログラムを含む。
集群性魚群に関する実測データが従う群れサイズ分布関数を用いて回帰分析を行い、この分析結果と魚の個体数密度との関係式を用い、対象海域の浮魚資源密度等を信頼区間とともに求める浮魚資源現存量の区間推定処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、コンピュータに上記(1)乃至(3)のいずれか1項記載の各手順をすべて実行させるプログラムを特徴とする。
(5)本発明は、前記(1)~(3)記載の浮魚資源現存量の区間推定方法を実行するために解決手段として下記のプログラムを記録した記録媒体を含む。
集群性魚群に関する実測データが従う群れサイズ分布関数を用いて回帰分析を行い、この分析結果と魚の個体数密度との関係式を用い、対象海域の浮魚資源密度等を信頼区間とともに求める浮魚資源現存量の区間推定処理プログラムを記録した記録媒体であって、コンピュータに上記(1)乃至(3)のいずれか1項記載の各手順をすべて実行させるためのプログラムを記録した記録媒体を特徴とする。
【0058】
【発明の実施の形態】
以下、まず、観測データの傾向を確認し、本発明に係る浮魚の群れが従うサイズ分布に関する自然法則を導出し、その魚群サイズに関する自然法則を応用し、魚群の実測データについて魚群サイズ分布関数を回帰モデルとする回帰分析を行なうことにより、浮魚資源現存量の区間推定を行なう方法を順次説明する。
〔1〕まず、観測(実測)データの特性を確認する。実測データの出典は(参考文献)として後に記す。
【0059】
図3は、両対数スケールの群れサイズ分布を表し、群れサイズは下記式のように階級別に度数集計してある。
【0060】
【式31】
JP0003831786B2_000024t.gif
【0061】
データは黒点で示す。実線はサイズ分布の理論曲線を示し、これは後述する。
【0062】
図3(a)は、マグロ類〔yellowfin tuna(Thunnus albacares),skipjack tuna(Katsuwonus pelamis),およびbigeye tuna(Thunnus obesus)〕を対象としている。データは漁業統計により、Bonabeau and Dagorn(1995)から引用した。マグロ魚群は旋網により漁獲され、一網で漁獲された量(トン数)を群れサイズとする。任意のある1つの魚が属する群れサイズの期待値となる平均群れサイズは〈N〉P=11.7である。
【0063】
図3(b)は、流木等、魚群の誘引体の近辺で漁獲されたマグロ類。データは漁業統計により、Bonabeau et al.(1999)から引用した。平均群れサイズは〈N〉P=4.80である。
【0064】
図3(c)は、カタクチイワシ Northern anchovy(Engraulis mordax)〔他に、jack mackerel(Trachurus symmetricus),Pacific bonito(Sarda chiliensis),Pacific mackerel(Scomber japonicus),および Pacific sardine (Sardinops sagax)を含む〕を対象とする。データは Anderson(1981)による。群れの個体数サイズはN=0~50の範囲にスケールし、階級幅ΔN=1で度数集計した。平均群れサイズは〈N〉P=15.7である。
【0065】
図3(d)は、マイワシ Japanese sardine(Sardinops melanosticta)を対象としている。データはHara(1983,1984,1986)による。ただし、魚群探知機により観測した魚群の寸法サイズRは、R∝N0.5の関係式により構成尾数Nに換算し、群れの尾数サイズをN=0~50の範囲にスケールし階級幅ΔN=2で度数集計した。換算式は参考文献記載のMisund(1993)、Niwa(1995)、及び、Misund & Coetzee(2000)によった。平均群れサイズは〈N〉P=10.6である。
【0066】
図3(a)では、測定データと併せて示した実線が、群れサイズが10以下の部分で傾き-1近辺をとるが、群れサイズが10を越える部分では傾きが-1から外れてしまう。
この原因は資源量(魚の総個対数)が有限なので群れサイズが大きい部分で-1から外れてくるためと考えられている。
【0067】
この点を考慮すると、資源量の制約を外すと、測定データと併せて示した実線はその傾きが-1近辺の値をとるものといえる。
【0068】
図3(b)の特性も図3(a)の特性と同様のことがいえる。
【0069】
図3(c)の特性及び図3(d)の特性も、図3(a)の特性と同様のことがいえる。
【0070】
実測データは、群れサイズ分布特性が全てのデータセットにおいてほとんど同様の特性を表す。
【0071】
このことから、特性が同じようになる群れサイズ分布を導く魚群ダイナミクスが求められ、これにより普遍的な群れサイズ分布を自然法則として説明することが期待される。
〔2〕 上記の実測データの傾向を適切に表すように、即ち、極めてまとまって収束される特性を表すように、魚群ダイナミクスは単純なもの、「衝突すると合併し、一定の確率でランダムな大きさに二分裂する」魚群ダイナミクスを考える。
【0072】
まず、魚群の平均直径bを長さの単位とし、漁場領域を格子状に粗視化・分割し、格子間隔をbとして魚群の種々の行動パターンを表示する格子モデルにより魚群ダイナミクスを数値的に解析し、魚群サイズ分布のシミュレーションを行なう。
【0073】
図4は移動(回遊)-合併-分裂を行う前記格子モデルを示す。この格子モデルにおける魚群システムは、以下の要件を満足する。
(a) 各格子サイトには高々1つの群れ
(b) 単位時間ステップで群れは格子サイト間を移動する
(c) 同一サイトに移動した群れは合併する
(d) 群れは大きさによらず単位時間当たり確率pで二分裂する (ただしN≧2)
このモデルにおける群れの行動パターンは以下の回遊・合併・分裂の三つに大別される。
(1) 群れが異なる格子点へ移動する回遊
(2) 異なる格子点にいるサイズN(lthsite)の群れとサイズN(mthsite)の群れが同じ格子点(nthsite)に移動し合わさってサイズN(nthsite)[=N(lthsite)+N(mthsite)]の群れとなる合併
(3) サイズN(kthsite)の群れがN’とN(kthsite)-N’の群れに分離し、h番目の格子点(hthsite)にサイズN(hthsite)[=N’]の群れとk番目の格子点(kthsite)にサイズN(kthsite)-N’の群れの2つの群れに分裂
図5は、移動(回遊)-合併-分裂モデルを表し、魚の総数(ポピュレーション サイズ(pop.size):P=1200)は変わらないとし、単位時間ステップあたり分裂確率(breakup prob)pをp=0.02とした場合の、所定時間ステップ後の状態を表している。但し、空間構造は考えていない。
【0074】
図5の横軸X及び縦軸Yはある座標位置上の基準点すなわち原点(0,0)からの距離を表す。
【0075】
図5全体で、ある海域を四角に切り取った領域を格子状にs=200×200分割(図示していないが格子点数はs=40,000)し、その格子点における群れの大きさを(●)で表してある。
【0076】
魚群の来遊域(漁場)を空間的に粗視化した格子モデルでは魚の数密度ρは
【0077】
【式32】
JP0003831786B2_000025t.gif
【0078】
で与えられる。
【0079】
図5では粗視化された数密度はρ=0.03となる。
【0080】
前記格子モデルを用い、コンピュータ・シミュレーションを行なった時、所定時間ステップ後の群れサイズ分布は図6のようになる。
【0081】
図6は、魚群の行動する空間を粗視化した格子モデルを用いたシミュレーション結果を、両対数目盛のグラフで表したものである。図6において、シミュレーション結果は点で表してある。シミュレーションによる魚群サイズの頻度分布では整数のデータをそのまま集計してある(階級幅ΔN=1)。なお、破線は後で述べる確率微分方程式モデルによる魚群サイズの定常分布の理論曲線を表す。
【0082】
シミュレーション(a):図6(a)は、総個体数Pを変化させたときの群れサイズ分布W(N)の変化を表す。
シミュレーションの設定は、魚の総個体数P=214(◆)、215(□;但し、四角は黒く塗りつぶしてある)、216(▲)、217(●)、218(★)と変え、魚群の分裂確率p=0.02、格子モデルの格子点数s=218、シミュレーション回数=221時間ステップとした。
実線は傾き(slope)-1を示す。
シミュレーション結果としては、魚の総個体数Pが変わっても、群れサイズ分布は同じ傾向を示すといえる。群れサイズが大きくなると、サイズ分布は指数-1のベキ則から外れて、急激に減少する。このとき、ベキから急減少への分布のクロスオーバーの群れサイズは、魚の総個体数Pが大きくなるにつれ、大きくなる。
【0083】
シミュレーション(b):図6(b)は、分裂確率pを変化させたときの群れサイズ分布W(N)の変化を表す。
シミュレーションの設定は、魚の総個体数P=217、分裂確率p=0.01(◇)、0.02(●)、0.03(□)、0.04(△),0.1(☆)と変え、格子モデルの格子点数s=218、シミュレーション回数=221時間ステップとした。
【0084】
実線は傾き(slope)-1を示す。
【0085】
シミュレーション結果としては、分裂確率が変わっても、群れサイズ分布は同じ傾向を示すといえる。群れサイズが大きくなると、サイズ分布は指数-1のベキ則から外れて、急激に減少する。このとき、ベキから急減少への分布のクロスオーバーの群れサイズは、魚群の分裂確率pが小さくなるにつれ、大きくなる。
【0086】
このことから、上記シミュレーション方法の実施結果は、前記図3に示した実測データの特性に極めて良く似ている。従って、上記シミュレーション方法は実測データに則し、有効であることがわかる。
〔3〕次に、前記シミュレーション結果を理論的に示す関数式を求める。
すなわち、魚群ダイナミクスを理論的に定式化し、魚群サイズ分布の関数形を明らかにする。これは、前記格子モデルの変数(時間及び群れサイズ)を連続変数化して導出する。
【0087】
まず、前記格子モデルにおける数値シミュレーションで、ある特定の魚個体に注目し、その魚が属する群れの各時間ステップ毎のサイズ(群れサイズの時系列)を追う。図7はある魚Aが或る時刻tにサイズNA(t)の群れに所属する状態を表す説明図である。シミュレーション結果の時系列を示すと、例えば図8のようになる。
【0088】
図8は、魚総数(pop.size,P)をP=218、単位時間ステップあたり分裂確率(breakup prob,p)をp=0.02とした条件でのシミュレーションにおける群れサイズNの時系列を表している。
【0089】
この群れサイズの各離散時間ステップ毎の変化は平均場近似によると下記の確率ダイナミクスによって与えられる。
【0090】
【式33】
JP0003831786B2_000026t.gif
【0091】
この式33で右辺第1項は分裂による魚群サイズの減少を表し、右辺第2項は格子平面上の魚の数密度(ρ=P/s)であり合併による魚群サイズの増加を表す。式33の右辺第3項は群れサイズ変化の確率的変動(サイズゆらぎ)を表し、その平均は0である。
前記式33を以下により連続変数化する。
【0092】
【式34】
JP0003831786B2_000027t.gif
【0093】
こうして、以下の伊藤型確率微分方程式を得る。
【0094】
【式35】
JP0003831786B2_000028t.gif
【0095】
前記式35において「N(t)」は魚群サイズ(魚の数)、「p」は分裂確率(「2」は魚群が2分裂することによる)、「〈N〉P」は平均の魚群サイズ(任意のある1つの魚が属する群れサイズの期待値)、「dB(t)」は平均0、分散1の正規確率変数(1次元ブラウン運動過程)、「σ(N)」は魚群サイズゆらぎの標準偏差を表す。
【0096】
前記式35において、魚群サイズゆらぎの標準偏差項σ(N)をシミュレーションにより確定する。図9では群れサイズNに対し、シミュレーション1ステップ当りのサイズ変化の分散(Noise)が示してある。シミュレーションによると標準偏差項は、
【0097】
【式36】
JP0003831786B2_000029t.gif
【0098】
となり(図9の実線)、大きな群れほどサイズゆらぎが大きい。そして、ゆらぎの強度Dは次の揺動散逸関係に従う。
【0099】
【式37】
JP0003831786B2_000030t.gif
【0100】
魚群サイズの伊藤型確率微分方程式によると、群れサイズの定常分布は下記式38となる。
【0101】
【式38】
JP0003831786B2_000031t.gif
【0102】
また、魚群サイズ変化の確率ダイナミクスにおける離散変数を連続化して伊藤型確率微分方程式を導出する際、
【0103】
【式39】
JP0003831786B2_000032t.gif
【0104】
の関係を得る。すなわち、平均群れサイズ〈N〉Pは浮魚の数密度ρと魚群の分裂確率pの比に比例する。
【0105】
シミュレーションにおいても式39の比例関係は確認される。図10は、横軸が2ρ/pで目盛り、縦軸が平均群れサイズ(P-mean size)〈N〉Pで目盛られている。図10は、シミュレーション回数が221時間ステップ、分裂確率p=0.02一定で、ポピュレーション密度をρ=0.0625、0.125、0.25、0.5、1.0と変化させたときの特性、および、ポピュレーション密度ρ=0.5一定で、分裂確率をp=0.01、0.02、0.03、0.04、0.1と変化させたときの特性を示す。素視化された空間における魚群行動に対しては図の特性曲線の傾き(slope)√2になっている。
【0106】
ところで、群れサイズはベキ分布に従うことが観測されている。
これは図3に示した実測データに裏付けられている。
【0107】
以上の実測データにおいて階級別に度数集計した頻度分布を用いて、平均群れサイズ〈N〉Pを定義式
【0108】
【式40】
JP0003831786B2_000033t.gif
【0109】
により求め、サイズ分布の理論式(式38)に代入し実測データとともにプロットしたものが、図3各図の実線である。このとき、分布関数の規格化因子Pnormは実測データの規格化に合わせた。
【0110】
平均群れサイズ〈N〉Pは図中でP-mean sizeと表示してある。図3によるとサイズ分布の理論式は実測データに極めて良く一致していることがわかる。
【0111】
図6の両対数グラフに示したシミュレーションによる群れサイズ分布では、各シミュレーション結果から式40により計算した平均群れサイズ〈N〉Pをサイズ分布の理論式38に代入した理論分布曲線が破線で表してある。このとき各分布曲線は
【0112】
【式41】
JP0003831786B2_000034t.gif
【0113】
により規格化されている。
【0114】
図6(a)では破線の目が粗くなるに従い、シミュレーションで設定した魚の総個体数Pは大きくなる。また、図6(b)では破線の目が粗くなるに従い、シミュレーションで設定した群れの分裂確率pが小さくなる。両図とも実線は傾き(slope)-1の直線を示す。
【0115】
以上の実測データおよびシミュレーション結果と理論式との比較から、群れサイズ分布は厳密に指数-1のベキ則に従い、ベキ分布から指数関数的減少へのクロスオーバーは平均群れサイズ〈N〉Pで起こるといえる。
【0116】
下記の理論式の形から魚群サイズ分布は平均群れサイズ〈N〉Pでスケールできることがわかる。
【0117】
【式42】
JP0003831786B2_000035t.gif
【0118】
すなわち、
【0119】
【式43】
JP0003831786B2_000036t.gif
【0120】
となるように群れサイズの観測頻度を規格化したとき、横軸座標に
【0121】
【式44】
JP0003831786B2_000037t.gif
【0122】
縦座標軸に
【0123】
【式45】
JP0003831786B2_000038t.gif
【0124】
をプロットすると、様々な条件の下で観測されたデータセットは、全てただ一つの曲線
【0125】
【式46】
JP0003831786B2_000039t.gif
【0126】
の上に乗る。
【0127】
このとき、スケールされた群れサイズ分布は次のように規格化される。
【0128】
【式47】
JP0003831786B2_000040t.gif
【0129】
但し、Δx=ΔN/〈N〉Pである。
【0130】
すなわち、図11および図12に示すように群れサイズを平均群れサイズ〈N〉Pでスケールして描いた魚群サイズ分布は、海洋環境、年、季節、海域、魚種、資源量が異なるデータセットの如何を問わず、全てただ一つの曲線で表される。
【0131】
図11は、図6(a)及び図6(b)に示した、前記シミュレーション方法によって様々なパラメータ条件を用いて求めた群れサイズ分布を、各平均群れサイズ〈N〉Pでスケールした分布を、理論式(式46)とともにプロットした図である。
【0132】
図12では、図3(a)、図3(b)及び図3(c)に示した「マグロ」及び「カタクチイワシ」とともに、実測された22のデータセットの「マイワシ」の群れサイズ分布データを、平均群れサイズ〈N〉Pでスケールし、理論分布式(式45)とともに両対数グラフにプロットしてある。
データセットは以下のとおりである。実測データの出典は(参考文献)として後に記す。
【0133】
(●):マイワシ。データは原(1990)による。(□):マグロ類。データは漁業統計により、Bonabeau and Dagorn(1995)から引用した。(◇):マグロ類。データは漁業統計により、Bonabeauet al.(1999)から引用した。(△):カタクチイワシ。データはAnderson(1981)による。
【0134】
図12の「マイワシ」の群れサイズ分布は、魚群探知機により計測した魚群の寸法サイズ(垂直厚さ)をR=0~20mの範囲で調査航海毎に階級別集計した頻度分布データセット(図13)を、R∝N0.5の関係式により1群当たりの構成尾数Nに換算し、個体数サイズはN=0~50の範囲にスケールし階級幅ΔN=2で整理した後、各データセット毎の平均群れサイズ〈N〉Pでスケールしたものである。また、図13に示したデータセットの、各航海毎の調査時期、魚群数、航走距離、密度(魚群との遭遇頻度)、魚群の平均水平切断長(m)は図14に示されている。魚群サイズの換算式は参考文献記載のMisund(1993)、Niwa(1995)、及び、Misund & Coetzee(2000)によった。
【0135】
また、(*1)、(*2)、(*3)については、原典において魚群数が異なる。
これは、群れ密度(群/海里)の計算に用いたデータを原典論文で取捨選択しているためと思われる。
【0136】
実測データの出典は(参考文献)として後に記す。
【0137】
図11および図12から、前記シミュレーション方法によって求めた群れサイズ分布と観測(実測)データとが極めてよく一致するといえる。
(第1実施例)
本発明に係る浮魚資源現存総量の区間推定方法の第1実施例を説明する。
(概要)
集群性を有する浮魚について、魚群の数密度が算出できるデータに加え、それができないデータを含め、サイズNの群れの観測頻度Wの実測データ、つまり、1組の無作為標本(N,W)=[(Ni,Wi)|i=1,2,...,n]が与えられたとき、〈N〉pを平均群れサイズとして、標本(N,W)が分布式
【0138】
【式48】
JP0003831786B2_000041t.gif
【0139】
に従うという母集団の特性と、魚群サイズ分布が平均群れサイズ〈N〉pでスケールできること、及び、浮魚の数密度ρが魚群の平均群れサイズ〈N〉pおよび魚群の分裂確率pに下記式のように比例すること
【0140】
【式49】
JP0003831786B2_000042t.gif
【0141】
を利用し、浮魚の資源量特性、すなわち、浮魚の資源現存量指標のバイアスを修正した値を推測し、併せてその信頼性を評価することを特徴とする。
(概要の説明)
集群性を有する浮魚に関して、測定海域における予め設定した航路に沿って実測した魚群サイズの頻度分布など、魚群の数密度が算出できるデータに加え、まき網漁業など群れを漁獲の単位とする漁法による一投網毎の漁獲量より求めた群れサイズ等、魚群の数密度を算出できないデータを含め、実測した魚群サイズの階級別に度数集計した頻度分布データ、すなわち、ΔNを階級幅とし階級値Niにおける群れの計測数をWi’ΔNとしたとき(i=1,2,...,n)、その1組{(N1,W1’), (N2,W2’),..., (Nn,Wn’)}[但し、Ni=(i-0.5)ΔNでnは頻度分布の階級数]、から任意のある1つの魚が属する群れサイズの期待値となる平均群れサイズ〈N〉p
【0142】
【式50】
JP0003831786B2_000043t.gif
【0143】
(上記式50は、データが魚群サイズの階級別度数集計した頻度分布データ{(Ni,W’i)|i=1,2,...,n}として与えられていれば式自体は平均値を求める式として普通の式である。)
により与える手順A、
実測した群れサイズの頻度分布データについて、平均群れサイズ〈N〉pで下記式
【0144】
【式51】
JP0003831786B2_000044t.gif
【0145】
により群れの計測総数から平均サイズへ規格化を変更し、群れサイズ分布データ{(N1,W1), (N2,W2),..., (Nn,Wn)}〔但し、WはサイズNの魚群数(規格化された相対度数)〕を取り込む手順B、
(上記式51は、データが魚群サイズの頻度分布データ{(Ni,Wi’)|i=1,2,…,n}として与えられていれば、式自体は群れの計測総数から平均サイズへ規格化を変更する式として普通の式である。)
前記、所定の海域で実測した魚群の平均サイズ〈N〉pにより、魚群サイズが従う母集団分布の規格化因子P norm
【0146】
【式52】
JP0003831786B2_000045t.gif
【0147】
(上記式52は、適切な頻度分布を表すように、前記データ{(Ni,Wi)|i=1,2,…,n}の規格化すなわち平均群れサイズに一致するサイズ分布関数の規格化因子を求める式として自明の式である。)
により求め、浮魚資源特性を
【0148】
【式53】
JP0003831786B2_000046t.gif
【0149】
〔但し、積分式∫0 NW(N)dNは平均群れサイズに一致する。〕
という魚群サイズが従う分布関数で与える手順C、
前記群れサイズ分布の規格化データ{(Ni,Wi)|i=1,2,...,n}について、群れサイズ分布関数
【0150】
【式54】
JP0003831786B2_000047t.gif
【0151】
をパラメータθ2において非線形な回帰モデルとして、前記式53を推定すべき母集団の初期分布、すなわち、前記式52の規格化因子P norm及び前記式50の平均群れサイズ〈N〉pを、それぞれ、群れサイズ分布関数のパラメータθ1及びθ2の初期値に設定し回帰分析を行い、パラメータθ1として与えられる規格化因子の最小二乗推定値Θ1、及び、パラメータθ2として与えられる魚群の平均サイズの最小二乗推定値Θ2を標準偏差すなわち標準誤差se(Θ2)とともに求め、回帰分析による推定結果の精度評価として変動係数CV(%)[=標準誤差÷点推定値]
【0152】
【式55】
JP0003831786B2_000048t.gif
【0153】
(但し、パーセント表示)を求める手順D、
前記、実測した群れサイズ分布の規格化データ{(Ni,Wi)|i=1,2,...,n}により回帰分析を行なって求めたパラメータの最小二乗推定値Θ1、Θ2を代入し歪みを修正した群れサイズ分布関数Wre(N)
【0154】
【式56】
JP0003831786B2_000049t.gif
【0155】
(上記式56は、前記式52の規格化因子Pnorm及び前記式50の平均群れサイズ〈N〉pの代わりに、式54の回帰分析で求まる最小二乗推定値Θ1及びΘ2を代入したもので、回帰分析によりパラメータθ1及びθ2が既に求まっている場合、最小二乗推定Θ1及びΘ2を代入するだけで求まる。)
を用い、浮魚の資源密度に比例する、資源現存量指標のバイアスを修正した点推定値Sを
【0156】
【式57】
JP0003831786B2_000050t.gif
【0157】
により求め、バイアスの推定値を
【0158】
【式58】
JP0003831786B2_000051t.gif
【0159】
によって求める手順E、
ステューデントのt分布について、前記実測した魚群サイズ分布のデータ数となる階級数nと前記回帰モデルのパラメータ数2の差ν(=n-2)によって自由度νを与え、t分布の片側100×αパーセント点 (したがって、両側200×αパーセント点)、tα(ν)を計算し、前記平均サイズの最小二乗推定値Θ2と標準誤差se(Θ2)からΘ2の信頼区間を構成し、また、浮魚の資源現存量指標と平均サイズとの間に成立する比例関係の比例係数をS/Θ2によって求め、前記式49によりSの信頼区間はΘ2のそれに比例するので、この比例係数をΘ2の信頼区間に乗ずることによって、資源現存量指標の任意パーセント信頼区間
【0160】
【式59】
JP0003831786B2_000052t.gif
【0161】
〔但し、バイアスを修正した真値の100×(1-2α)パーセント信頼区間〕
を求める手順F、
とからなる。
【0162】
本発明の第1実施例は、魚群の数密度が算出できないデータも含めたあらゆるデータが使用でき、また、前記式49により、漁場あるいは調査海域における浮魚資源現存密度に比例する平均群れサイズでデータを規格化するので、平均群れサイズを基準として資源量特性、すなわち、資源現存量指標および信頼性を評価できる。
(第2実施例)
本発明に係る浮魚資源現存量の区間推定方法の第2実施例を説明する。
(概要)
集群性を有する浮魚について、魚群の数密度が算出できるデータにおいて、サイズNの群れの観測頻度W、つまり、群れサイズ分布データが1組の無作為標本(N,W)={(Ni,Wi)|i=1,2,...,n}として与えられたとき、〈N〉pを平均群れサイズとして、標本(N,W)が分布
【0163】
【式60】
JP0003831786B2_000053t.gif
【0164】
に従うという特性により、母集団を推測することを特徴とする。
(概要の説明)
本発明の浮魚資源現存量の区間推定方法の第2実施例は以下の手順よりなる。
【0165】
測定海域における予め設定した航路に沿って調査船が魚群探知機等で実測した群れサイズNの階級別に度数集計した頻度分布データWについて、Lkmを単位長さとする海表面の単位面積L2km2当りの魚群の数φによって、
【0166】
【式61】
JP0003831786B2_000054t.gif
【0167】
〔但し、ΔNを階級幅とし階級値Ni=(i-0.5)ΔNにおける群れの単位面積当たり計測数をWiΔNとする(i=1,2,...,n;nは階級数)〕
と規格化し、その1組{(N1,W1), (N2,W2),..., (Nn,Wn) }を取り込む手順A、
前記、所定の海域で実測した群れサイズ分布を単位面積当り魚群数で規格化したデータ{(N1,W1), (N2,W2),..., (Nn,Wn) }〔但し、Wはサイズ階級値Nの魚群数密度(単位面積当り魚群サイズの度数密度)で、nは頻度分布の階級数〕を用い、任意のある1つの魚が属する群れサイズの期待となる平均群れサイズ〈N〉p、及び、魚群サイズが従う母集団分布の規格化因子Pnormを、それぞれ
【0168】
【式62】
JP0003831786B2_000055t.gif
【0169】
(上記式62は、データが魚群サイズの階級別度数集計した頻度分布データ{(Ni,Wi)|i=1,2,...,n}として与えられていれば式自体は平均値を求める式として普通の式である。)
および、
【0170】
【式63】
JP0003831786B2_000056t.gif
【0171】
(上記式63は、適切な頻度分布を表すように、前記データ{(Ni, Wi) |i=1,2,...,n}の規格化、すなわち、魚の個体数密度ρに一致するサイズ分布関数の規格化因子を求める式として自明の式である。)
によって求め、浮魚資源特性を
【0172】
【式64】
JP0003831786B2_000057t.gif
【0173】
〔但し、積分式∫0 NW(N)dNは魚の個体数密度に一致する。〕
という魚群サイズが従う分布関数で与える手順B、
前記実測した群れサイズNの分布データWについて、群れサイズ分布関数
【0174】
【式65】
JP0003831786B2_000058t.gif
【0175】
をパラメータθ2において非線形な回帰モデルとして、前記式64を推定すべき母集団の初期分布、すなわち、前記式63の規格化因子Pnorm及び前記式62の平均群れサイズ〈N〉pを、それぞれ、群れサイズ分布関数のパラメータθ1及びθ2の初期値に設定し回帰分析を行い、パラメータθ1として与えられる規格化因子の最小二乗推定値Θ1、及び、パラメータθ2として与えられる魚群の平均サイズの最小二乗推定値Θ2を標準偏差すなわち標準誤差se(Θ2)とともに求め、回帰分析による推定結果の精度評価として変動係数CV(%)[=標準誤差÷点推定値]
【0176】
【式66】
JP0003831786B2_000059t.gif
【0177】
(但し、パーセント表示)を求める手順C、
前記、実測した群れサイズ分布の規格化データ{(Ni,Wi)|i=1,2,...,n} により回帰分析を行なって求めたパラメータの最小二乗推定値Θ1、Θ2を代入し歪みを修正した群れサイズ分布関数Wre(N)
【0178】
【式67】
JP0003831786B2_000060t.gif
【0179】
を用い、浮魚の資源密度のバイアスを修正した点推定値Sを
【0180】
【式68】
JP0003831786B2_000061t.gif
【0181】
により求め、バイアスの推定値を
【0182】
【式69】
JP0003831786B2_000062t.gif
【0183】
によって求める手順D、
ステューデントのt分布について、前記実測した魚群サイズ分布のデータ数となる階級数nと前記回帰モデルのパラメータ数2の差ν(=n-2)によって自由度νを与え、t分布の片側100×αパーセント点 (したがって、両側200×αパーセント点)、tα(ν)を計算し、前記平均サイズの最小二乗推定値Θ2と標準誤差se(Θ2)からΘ2の信頼区間を構成し、また、浮魚の資源密度と平均サイズとの間に成立する比例関係の比例係数をS/Θ2によって求め、前記式49により点推定値Sの信頼区間はΘ2のそれに比例するので、この比例係数をΘ2の信頼区間に乗ずることによって、資源密度の任意パーセント信頼区間
【0184】
【式70】
JP0003831786B2_000063t.gif
【0185】
[但し、バイアスを修正した真値の100×(1-2α)パーセント信頼区間]
を求める手順E、
とからなる。
【0186】
第2実施例では、実測データに基づいた、精度の高い、浮魚の資源密度のバイアスを修正した点推定値Sと、資源密度の任意パーセントの信頼区間を求めることが可能になる。
(第3実施例)
本発明の第3実施例となる所定の漁場あるいは海域における浮魚資源現存総量の区間推定方法を説明する。
(概要)
上記第2実施例記載の手順を実行させて求めた浮魚の資源密度のバイアスを修正した点推定値及び標準誤差に基づいて、漁場の面積あるいは浮魚の調査海域の面積を掛けて所定の漁場あるいは海域の浮魚資源現存総量のバイアスを修正した点推定値、および、その真値の任意パーセント信頼区間を求めることを特徴とする。
(概要の説明)
本発明の第3実施例の浮魚資源現存総量の区間推定方法は以下の手順よりなる。
【0187】
群れサイズの実測データより階級別に度数集計した頻度分布データの一組{(N1,W1), (N2,W2),..., (Nn,Wn)}〔但し、Niは頻度分布の階級値(i=1,2,...,n)でnは階級数〕から、上記(第2実施例)記載の手順A、手順B、手順C、手順D、及び、手順Eを実行させて求めた浮魚の資源密度のバイアスを修正した点推定値Sに、漁場の面積あるいは浮魚の調査海域の面積Γを掛けて所定の漁場あるいは海域の浮魚資源現存総量のバイアスを修正した点推定値Stot
【0188】
【式71】
JP0003831786B2_000064t.gif
【0189】
により求める手順F、
ステューデントのt分布について、前記階級別度数集計した魚群サイズの頻度分布のデータ数となる階級数nと上記(第2実施例)記載の回帰モデルのパラメータ数2の差ν(=n-2)によって自由度νを与え、t分布の片側100×αパーセント点 (したがって、両側200×αパーセント点)、tα(ν)を計算し、前記浮魚の資源現存総量の点推定値Stot、上記(第2実施例)記載の手順により求めた平均魚群サイズの最小二乗推定値Θ2と標準誤差se(Θ2)を用いて、バイアスを修正した浮魚資源現存総量の任意パーセント信頼区間
【0190】
【式72】
JP0003831786B2_000065t.gif
【0191】
〔但し、浮魚資源現存総量の真値の100×(1-2α)パーセント信頼区間〕
を求める手順G、
とからなる。
【0192】
第3実施例では、第2実施例で求めた実測データに基づいた、精度の高い、浮魚の資源密度のバイアスを修正した点推定値Sと、資源密度の任意パーセントの信頼区間を用いて、所定の漁場あるいは海域におけるバイアスを修正した浮魚資源現存総量を区間推定することが可能になる。
(第4実施例)
以下に、本発明の第4実施例の浮魚資源現存量の区間推定方法について、実施例を図13および図14に示したデータセット2に基づいて詳細に説明する。データは参考文献記載の原(1990)によるもので、北海道東沖海域へ回遊して来たマイワシ魚群を、1982年7月30日から8月6日の期間にかけて魚群探知機を用いて定線調査した結果である。但し、魚群探知機により観測した魚群の寸法サイズ(垂直厚さ)RのR=0~20mの範囲の階級別度数集計データ(図13)は、図15に示すように、R∝N0.5の関係式により群れの構成尾数Nに換算し、尾数サイズをN=0~50の範囲にスケールし階級幅ΔN=2で整理した。従って、群れサイズNは寸法R=2.8mの群れを構成する魚の数NR1を単位としている。換算式は参考文献記載のMisund(1993)、Niwa(1995)、及び、Misund & Coetzee(2000)によった。
【0193】
測定海域における予め設定された航路に沿って調査船が魚群探知機で実測した群れサイズの頻度分布データ{(Ni,Wi)|i=1,2,...,25}は、L=1kmを単位長さとする海表面の単位面積(L2=1km2)当りの魚群の数φに規格化した。すなわち、ΔNを階級幅とし階級値Niにおける群れの単位面積当たり計測数をWiΔNとしたとき〔但し、Ni=(i-0.5)ΔNでi=1,2,...,25(階級数は25)〕、下記式73のとおり規格化した。
【0194】
【式73】
JP0003831786B2_000066t.gif
【0195】
単位面積(L2km2)当り魚群の数φを実測データから計算する方法は参考文献記載の土井(1979)の方法を用いた。
【0196】
このとき、浮魚資源現存量は、垂直厚さR=2.8mの群れの構成個体数NR1を単位とし、1km2当りの魚の数、すなわち、1km2当りの個体数密度として計算される。
【0197】
定義式62により観測データから直接計算した平均群れサイズ、及び、魚群サイズが従う母集団分布の規格化因子は、それぞれ
【0198】
【式74】
JP0003831786B2_000067t.gif
【0199】
および、
【0200】
【式75】
JP0003831786B2_000068t.gif
【0201】
と計算され、浮魚資源特性は
【0202】
【式76】
JP0003831786B2_000069t.gif
【0203】
〔但し、積分式∫0 NW(N)dNは魚の個体数密度に一致する。〕
という魚群サイズが従う分布関数で与えられる。
【0204】
群れサイズ分布の観測データWと群れサイズNとの間の回帰モデル
【0205】
【式77】
JP0003831786B2_000070t.gif
【0206】
[但し、Wiは階級値Niにおける度数密度、θ1及びθ2はパラメータ、εiは残差、データ数となる階級数はn=25]
をパラメータθ2において非線形な回帰モデルとして、前記式76を推定すべき母集団の初期分布、すなわち、前記式75のP'norm = 4.572、及び、前記式74の〈N〉’p= 11.70を、それぞれ、群れサイズ分布関数のパラメータθ1及びθ2の初期値に設定し回帰分析を行うと、群れサイズ分布関数のパラメータθ2として与えられる平均群れサイズ〈N〉pの最小二乗推定値Θ2は標準誤差se(Θ2)とともに、以下のように計算される。
【0207】
【式78】
JP0003831786B2_000071t.gif
【0208】
回帰分析による推定結果は
【0209】
【式79】
JP0003831786B2_000072t.gif
【0210】
となり資源評価としてはかなり精度が高いといえる。
【0211】
前記実測した群れサイズの階級別集計した頻度分布{(Ni,Wi)|i=1,2,...,n}により回帰分析を行なって求めたパラメータの最小二乗推定値Θ1 = 3.880、Θ2 = 13.37を代入し、頻度分布データに存在する歪みを修正した群れサイズ分布関数Wre(N)
【0212】
【式80】
JP0003831786B2_000073t.gif
【0213】
を用いると、浮魚の資源密度のバイアスを修正した点推定値Sは
【0214】
【式81】
JP0003831786B2_000074t.gif
【0215】
と与えられる。
【0216】
ステューデントのt分布について、実測した魚群サイズ分布のデータ数となる階級数n=25と回帰モデルのパラメータ数2の差
【0217】
【式82】
JP0003831786B2_000075t.gif
【0218】
によって自由度νを与えると、t分布の片側確率α=0.025における値、すなわち片側2.5パーセント点(したがって、両側5パーセント点)が計算できる。
【0219】
【式83】
JP0003831786B2_000076t.gif
【0220】
平均群れサイズ〈N〉pの最小二乗推定値Θ2と標準誤差se(Θ2)、及び、ステューデントのt分布からtα(ν)を用いて、平均サイズの真値の95パーセント信頼区間は
【0221】
【式84】
JP0003831786B2_000077t.gif
【0222】
と求まる。
【0223】
式39により資源密度ρは平均群れサイズ〈N〉pに比例する(図10)。この比例係数を、浮魚の資源密度の点推定値Sと平均群れサイズの点推定値Θ2の比
【0224】
【式85】
JP0003831786B2_000078t.gif
【0225】
によって与え、同式39によりSの信頼区間はΘ2のそれに比例するので、この比例係数をΘ2の95パーセント信頼区間(式84)に乗ずることによって、バイアスを修正した資源密度の真値の95パーセント信頼区間は下記のように求まる。
【0226】
【式86】
JP0003831786B2_000079t.gif
【0227】
こうして、本発明の浮魚資源現存量の区間推定方法によると、図13および図14に示したデータセット2に関して、マイワシの資源密度 [単位面積(1km2)当りの魚の数]の最小二乗推定値Sは、垂直厚さR=2.8mの群れの構成個体数N R1を単位として以下のように求まる。
【0228】
【式87】
JP0003831786B2_000080t.gif
【0229】
一方、観測データから直接求めたマイワシの資源密度 [単位面積(1km2)当りの魚の数]は
【0230】
【式88】
JP0003831786B2_000081t.gif
【0231】
と計算される。このとき資源密度のバイアスは
【0232】
【式89】
JP0003831786B2_000082t.gif
【0233】
と推定される。
【0234】
図16にデータセット2の魚群サイズ分布を示す[実測データを黒丸(●)で示す]。最小二乗法(回帰分析)により推定したパラメータを適用し歪みを修正した分布曲線Wre(N)は破線で表した。観測データから直接計算した平均群れサイズ〈N〉’p= 11.70、及び、観測データによる規格化因子P'norm = 4.572を代入した魚群サイズ分布曲線(式76)は実線で表した。
【0235】
これらの結果から、本発明の浮魚資源現存量の区間推定方法は、観測データに基づく結果に極めて近い値をとり、問題なく使用することができるものといえる。
(第5実施例)
さらに、必要に応じて、第4実施例における前記一連の手順を実行させて求めた浮魚の資源密度のバイアスを修正した点推定値Sに、漁場の面積あるいは浮魚の調査海域の面積を掛けて所定の漁場あるいは海域の浮魚資源現存総量のバイアスを修正した点推定値Stotを求める。
【0236】
平均魚群サイズは資源密度に比例するので、浮魚の資源密度の点推定値S、平均魚群サイズの最小二乗推定値Θ2と標準誤差se(Θ2)、及び、ステューデントのt分布からtα(ν)を用いて〔但し、自由度νはデータ数となる頻度分布の階級数nと上記(第4実施例)記載の回帰モデルのパラメータ数2の差〕、バイアスを修正した浮魚資源現存総量の任意パーセント信頼区間 [但し、浮魚資源現存総量の真値の100×(1-2α)パーセント信頼区間]を求める。
第4実施例(図13及び図14に示したデータセット2)においては、調査領域の面積はΓ=26,904(km2)であり、従って、この海域におけるマイワシ資源現存総量は
【0237】
【式90】
JP0003831786B2_000083t.gif
【0238】
と推定され、その95パーセント信頼区間CItotは下記式となる。
【0239】
【式91】
JP0003831786B2_000084t.gif
【0240】
また、この海域における群れの構成尾数の期待値Nmeanは図15に示した群れサイズの頻度分布データより
【0241】
【式92】
JP0003831786B2_000085t.gif
【0242】
と推定される。
1982年7月30日から8月6日の期間に北海道東沖海域へ回遊して来たマイワシ資源の現存総量の大まかな推定値は、参考文献記載の原 (1990)によると、1.1879×108~1.3430×108トンであった。実測したマイワシ1尾当たりの重量は55~80グラム(体長は16~18cm)であったので、寸法サイズ(垂直厚さ)R=2.8mの群れを構成する魚の数NR1
【0243】
【式93】
JP0003831786B2_000086t.gif
【0244】
また、群れの構成尾数(あるいはトン数)の期待値は
【0245】
【式94】
JP0003831786B2_000087t.gif
【0246】
さらに、第4実施例の式78より平均群れサイズは標準誤差とともに
【0247】
【式95】
JP0003831786B2_000088t.gif
【0248】
とそれぞれ評価される。従って、本発明によるマイワシ資源現存量の区間推定結果は、資源現存総量のバイアスを修正した点推定値は
【0249】
【式96】
JP0003831786B2_000089t.gif
【0250】
バイアスを修正した資源現存総量の95パーセント信頼区間は
【0251】
【式97】
JP0003831786B2_000090t.gif
【0252】
となる。このとき、資源現存総量のバイアスは、第4実施例における式89により
【0253】
【式98】
JP0003831786B2_000091t.gif
【0254】
と推定される。
【0255】
ところで、参考文献記載の原(1985)およびHara(1986)によると、夏期に北海道東沖海域へ回遊して来るマイワシ魚群の群れ当たり構成尾数は(あるいはトン数)は
【0256】
【式99】
JP0003831786B2_000092t.gif
【0257】
と評価されている。これは上記式94と極めてよく一致する。従って、本発明の浮魚資源現存量の区間推定方法は、従来の資源現存量の(点)推定方法と矛盾しないと言える。
(第6実施例)
以下に、本発明の浮魚資源現存量の区間推定方法について、第4実施例と同じ処理を図13および図14に示した全てのデータセットに施した実施例を図17に示す。データは参考文献記載の原 (1990)により、夏季、北海道東沖海域へ回遊して来たマイワシ魚群を、1981年から1987年の期間にかけて魚群探知機を用いて定線調査した結果である。但し、魚群探知機により観測した魚群の寸法サイズ(垂直厚さ)RのR=0~20mの範囲の階級別度数集計データ(図13)は、R∝N0.5の関係式により群れの構成尾数Nに換算し、尾数サイズをN=0~50の範囲にスケールし階級幅ΔN=2で整理した。従って、群れサイズNは寸法R=2.8mの群れを構成する魚の数NR1を単位としている。換算式は参考文献記載のMisund(1993)、Niwa(1995)、及び、Misund & Coetzee(2000)によった。また、単位面積(1km)当り魚群の数を実測データから計算する方法は参考文献記載の土井(1979)の方法を用いた。
【0258】
測定海域における予め設定した航路に沿って調査船が魚群探知機で実測した群れサイズの頻度分布データ{(Ni,Wi)|i=1,2,...,n}は、比較する各データセットにおいて、L=1kmを単位長さとする海表面の単位面積(L=1km)当りの魚群の数φに規格化した。
前記実測値データを用い、本発明の浮魚資源現存量の区間推定方法に基づいて推定したマイワシの現存資源密度(単位面積当りの魚の数)は黒丸(●)、95パーセント信頼区間は縦棒で表した。白丸(○)は前記データから直接求めたマイワシの資源密度(単位面積当りの魚の数)を表す。黒丸(●)と白丸(○)の数値の差が資源密度のバイアスの推定値を与える。横軸の数値はデータセット番号を示す。縦軸の数値は、寸法R=2.8mの群れの構成個体数NR1を単位として、単位面積(1km)当りの魚の数を示す。また、回帰分析による平均群れサイズの推定結果の変動係数CVは図17の中に埋め込んである。縦軸の数値はCV(%)を、横軸の数値はデータセット番号を示す。
図17から分かるように、本発明の浮魚資源現存量の区間推定方法に基づいて推定した値は、実測データに基づく値に極めて近い値を示し、本発明の浮魚資源現存量の区間推定方法が有効であることを明示している。
なお、データセット15では変動係数CVが49.6%と大きく、資源現存量の推定精度は悪い。この15番目のデータセットからはあまり積極的な結果は導けないと言える。また、データセット7では資源現存量のバイアスが、信頼区間に比べて大きいことがわかる。
(第7実施例)
以下に、本発明の浮魚資源現存量の区間推定方法について、図13および図14に示した全てのデータセットに基づいて、但し、魚群の数密度を計算しないで、すなわち、調査船の航走距離に関する図14のデータを使わないで、第3実施例における前記一連の手順を実行した例を図18に示す。データは参考文献記載の原 (1990)により、夏季、北海道東沖海域へ回遊して来たマイワシ魚群を、1981年から1987年の期間にかけて魚群探知機を用いて定線調査した結果である。但し、魚群探知機により観測した魚群の寸法サイズ(垂直厚さ)RのR=0~20mの範囲の階級別度数集計データ(図13)は、R∝N0.5の関係式により群れの構成尾数Nに換算し、尾数サイズをN=0~50の範囲にスケールし階級幅ΔN=2で整理した。従って、群れサイズNは寸法R=2.8mの群れを構成する魚の数NR1を単位としている。換算式は参考文献記載のMisund(1993)、Niwa(1995)、及び、Misund & Coetzee(2000)によった。
【0259】
実測した魚群サイズの階級別度数集計した頻度分布データから平均群れサイズを、第1実施例手順A(式50)により、それぞれのデータに関して求め、群れサイズの頻度分布のデータセットについて、それぞれ対応する魚群の平均サイズで、第1実施例手順B(式51)により、規格化する。
【0260】
前記、所定の海域で実測した群れサイズ分布を平均サイズで規格化したデータセットを用い、魚群サイズが従う母集団分布の規格化因子を、第1実施例手順C(式52)により、それぞれのデータについて求め、それぞれの浮魚資源特性を魚群サイズが従う分布関数(式53)により与える。
【0261】
全ての規格化データセットに関し、前記で求めた浮魚資源特性を初期値として、第1実施例手順Dにより、回帰分析を行い、魚群の平均サイズの最小二乗推定値を標準誤差とともに求め、推定結果の精度評価として変動係数CV(%)を式55より求める。
【0262】
平均魚群サイズは資源密度に比例するので、全ての規格化データセットに関し、前記によりそれぞれ回帰分析を行なって求めた規格化因子及び平均魚群サイズを与えるパラメータの最小二乗推定値を代入し歪みを修正した魚群サイズ分布(式56)を用い、第1実施例手順E(式57)により、浮魚のバイアスを修正した資源現存量指標を求める。さらに、ステューデントのt分布からtα(ν)を用いて〔但し、自由度νはデータ数となる頻度分布の階級数nと上記(第1実施例)記載の回帰モデルのパラメータ数2の差〕、第1実施例手順F(式59)より推定資源量特性の信頼性指標として魚群サイズの真値の100×(1-2α)パーセント信頼区間を求める。
こうして、前記実測データを用い、本発明の浮魚資源現存量の区間推定方法に基づいて推定したマイワシの現存資源量指標は黒丸(●)、その95パーセント信頼区間を信頼性指標として縦棒で表した。白丸(○)は前記データから直接求めたマイワシの資源量指標を表す。黒丸(●)と白丸(○)の数値の差が資源現存量指標のバイアスの推定値を与える。横軸の数値はデータセット番号を示す。縦軸の数値は資源現存量指標、すなわち、相対的な資源現存量を示す。また、また、回帰分析による平均群れサイズの推定結果の変動係数CVは図18の中に埋め込んである。縦軸の数値はCV(%)を、横軸の数値はデータセット番号を示す。
第6実施例の図17で示したマイワシの資源現存量の区間推定結果と、図18に示したマイワシの資源現存量指標の区間推定結果とはほぼ同じ傾向を示し、図18からバイアスを修正した資源量特性、すなわち、相対的な資源現存量を推定でき、変動係数CVからデータによる推定値の精度を評価できる。
以上のとおりであるから、前記(相対)資源密度を用いた浮魚資源現存量の区間推定方法は極めて実測データに近いものであり有効であることが確認できた。本発明は、さらに、情報処理装置、例えばコンピュータに読み込まれるプログラム、そのプログラムによって実行される浮魚資源現存量の区間推定方法、及びそのプログラムを記録した記録媒体に係る。
前記コンピュータには、直接又は間接に魚群探知機、ソナー等が接続され、測定海域に予め設定した航路に沿って調査船が航走し計測した群れサイズデータが取り込まれ、階級別に度数集計される。あるいは、前記コンピュータには、漁業統計などによる群れサイズの階級別度数集計した頻度分布データが取り込まれる。サイズ分布データは、ΔNを階級幅とし階級値Niにおける群れの計測数をWiΔNとしたとき〔但し、Ni=(i-0.5)ΔNでi=1,2,...,n(階級数はn)〕、その1組により構成される。
【0263】
コンピュータは、前記プログラムを読み込み、実行し、以下に示すフローに沿って必要な演算を行い、所定海域の資源現存量の推定値等を計算する。
【0264】
浮魚資源現存量の区間推定方法のコンピュータ・プログラムは所定の海域で実測された魚群サイズの頻度分布データに基づき、以下の処理を行なう。
図1は、図1(a)及び図1(b)からなり、本発明の浮魚資源現存量の区間推定法法の下記処理(1)のフローチャートを示す図である。図1(a)は前記フローチャートの前半を示し、図1(b)は前記フローチャートの後半を示す図である。
● 処理(1)スタート
(1.1) 所定の海域で観測された魚群において、魚群サイズの階級別度数集計した頻度分布データ{(N1,W’1), (N2,W’2),..., (Nn,W’n)}をコンピュータに取り込む(ステップS11)。
(1.2) ステューデントのt分布について、片側確率αを決め、求める信頼度100×(1-2α)%を定める(ステップS12)。
(1.3)平均群れサイズ〈N〉pを下記式により計算する(ステップS13)。
【0265】
【式100】
JP0003831786B2_000093t.gif
【0266】
(1.4) 魚群サイズの頻度分布データ{(Ni,W’i)| i=1,2,...,n}について、下記式に基づき平均群れサイズ〈N〉pにより規格化する(ステップS14)。
【0267】
【式101】
JP0003831786B2_000094t.gif
【0268】
(1.5) 規格化データ{(Ni,Wi)|i=1,2,...,n}(実測魚群サイズの規格化された相対度数) より、下記式によって魚群サイズが従う母集団分布の規格化因子Pnormを計算する(ステップS15)。
【0269】
【式102】
JP0003831786B2_000095t.gif
【0270】
(1.6) 群れサイズ分布の観測データWと群れサイズNとの間の回帰モデルを
【0271】
【式103】
JP0003831786B2_000096t.gif
【0272】
〔但し、θ1及びθ2はパラメータ、εiは残差〕
によって構成し、規格化因子Pnorm及び平均群れサイズ〈N〉pを、それぞれ、群れサイズ分布関数のパラメータθ1及びθ2の初期値に設定し回帰分析を行なう(ステップS16)。
【0273】
こうして、群れサイズ分布関数の規格化のパラメータとして与えられるθ1の最小二乗推定値Θ1を求める。
【0274】
また、群れサイズ分布関数のパラメータθ2として与えられる平均群れサイズ〈N〉pの最小二乗推定値Θ2を標準誤差se(Θ2)とともに求める。
(1.7)回帰分析による推定結果の精度評価として下記式によって変動係数CV(%)を計算する(ステップS17)。
【0275】
【式104】
JP0003831786B2_000097t.gif
【0276】
(1.8)回帰分析を行なって求めたパラメータの最小二乗推定値Θ1、及び、Θ2を代入し、歪みを修正した群れサイズ分布関数Wre(N)
【0277】
【式105】
JP0003831786B2_000098t.gif
【0278】
を用い、浮魚の資源現存量指標のバイアスを修正した点推定値Sを資源密度に比例する相対値として、下記式
【0279】
【式106】
JP0003831786B2_000099t.gif
【0280】
(1.9)により求め、バイアスの推定値を
【0281】
【式107】
JP0003831786B2_000100t.gif
【0282】
によって求める(ステップS18)。
(1.10) ステューデントのt分布について、実測した魚群サイズ分布のデータ数となる階級数nと回帰モデルのパラメータ数2の差ν=n-2によって自由度νを与え、t分布の片側100αパーセント点 (したがって、両側200αパーセント点)、tα(ν)を求める(ステップS19)。
(1.11) 浮魚の資源現存量指標のバイアスを修正した点推定値S、平均群れサイズ〈N〉pの最小二乗推定値Θ2と標準誤差se(Θ2)、及び、ステューデントのt分布からtα(ν)を用いて、下記式によって浮魚の資源現存量指標の真値の100×(1-2α)パーセント信頼区間を
求める(ステップS20)。
【0283】
【式108】
JP0003831786B2_000101t.gif
【0284】
● 処理(1)終了
図2は、図2(a)及び図2(b)からなり、本発明の浮魚資源現存量の区間推定方法の下記処理(2)のフローチャートを示す図である。図2(a)は前記フローチャートの前半を示し、図2(b)は前記フローチャートの後半を示す図である。
● 処理(2)スタート
(2.1) 所定の海域で観測された魚群において、魚群サイズの階級別度数集計した頻度分布データ{(N1,W’1), (N2,W’2),..., (Nn,W’n)}をコンピュータに取り込む(ステップS21)。
(2.2) 単位長さLkmを決め、海表面の単位面積(L2km2)当りの魚群の数φをコンピュータに与える(ステップS22)。
(2.3)ステューデントのt分布について、片側確率αを決め、求める信頼度100×(1-2α)を定める(ステップS23)。
(2.4) 魚群サイズの頻度分布データ{(Ni,W’i)|i=1,2,...,n}を、Lkmを単位長さとする単位面積(L2km2)当りの魚群の数φに下記式によって規格化して、規格化データ{(Ni,Wi)|i=1,2,...,n}を得る(ステップS24)。
【0285】
【式109】
JP0003831786B2_000102t.gif
【0286】
(2.5) 規格化データ{(Ni,Wi)|i=1,2,...,n} (単位面 積当り魚群サイズの度数) より、平均群れサイズ〈N〉pを計算する(ステップS25)。
【0287】
【式110】
JP0003831786B2_000103t.gif
【0288】
(2.6) 規格化データ{(Ni,Wi)|i=1,2,...,n}(単位面積当り魚群サイズの度数) より、魚群サイズが従う母集団分布の規格化因子Pnormを計算する(ステップS26)。
【0289】
【式111】
JP0003831786B2_000104t.gif
【0290】
(2.7) 群れサイズ分布の観測データWと群れサイズNとの間の回帰モデルを
【0291】
【式112】
JP0003831786B2_000105t.gif
【0292】
〔但し、θ1及びθ2はパラメータ、εiは残差〕
によって構成し、規格化因子Pnorm及び平均群れサイズ〈N〉pを、それぞれ、群れサイズ分布関数のパラメータθ1及びθ2の初期値に設定し回帰分析を行なう(ステップS27)。
【0293】
こうして、群れサイズ分布関数の規格化のパラメータとして与えられるθ1の最小二乗推定値Θ1を求める。
【0294】
また、群れサイズ分布関数のパラメータθ2として与えられる平均群れサイズ〈N〉pの最小二乗推定値Θ2を標準誤差se(Θ2)とともに求める。
(2.8)回帰分析による推定結果の精度評価として下記式によって変動係数CV(%)を計算する(ステップS28)。
【0295】
【式113】
JP0003831786B2_000106t.gif
【0296】
(2.9)回帰分析を行なって求めたパラメータの最小二乗推定値Θ1、及び、Θ2を代入し、歪みを修正した群れサイズ分布関数Wre(N)
【0297】
【式114】
JP0003831786B2_000107t.gif
【0298】
を用い、浮魚の資源密度のバイアスを修正した点推定値S、すなわち、単位面積(L2km2)当りの魚の数の点推定値Sを、下記式
【0299】
【式115】
JP0003831786B2_000108t.gif
【0300】
により求め、バイアスの推定値を
【0301】
【式116】
JP0003831786B2_000109t.gif
【0302】
によって求める(ステップS29)。
(2.10) ステューデントのt分布について、実測した魚群サイズ分布のデータ数となる階級数nと回帰モデルのパラメータ数2の差ν=n-2によって自由度νを与え、t分布の片側100αパーセント点 (したがって、両側200αパーセント点)、tα(ν)を求める(ステップS30)。
(2.11) 浮魚の資源密度のバイアスを修正した点推定値S、平均群れサイズ〈N〉pの最小二乗推定値Θ2と標準誤差se(Θ2)、及び、ステューデントのt分布からtα(ν)を用いて、下記式によって浮魚の資源密度の真値の100×(1-2α)パーセント信頼区間を求める(ステップS31)。
【0303】
【式117】
JP0003831786B2_000110t.gif
【0304】
● 処理(2)終了
(プログラム1)
本発明のプログラム1は、集群性魚群に関する実測データが従う群れサイズ分布関数を用いて回帰分析を行い、この分析結果と魚の個体数密度との関係式を用い、対象海域のバイアスを修正した浮魚資源現存量指標を信頼区間とともに求める浮魚資源現存量の区間推定処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記コンピュータに前記第1実施例の手順A、手順B、手順C、手順D、手順E、及び、手順Fを実行させるためのプログラムからなる。
(プログラム2)
本発明のプログラム2は、集群性魚群に関する実測データが従う群れサイズ分布関数を用いて回帰分析を行い、この分析結果と魚の個体数密度との関係式を用い、対象海域のバイアスを修正した浮魚資源密度を信頼区間とともに求める浮魚資源現存量の区間推定処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記コンピュータに前記第2実施例の手順A、手順B、手順C、手順D、及び、手順Eを実行させるためのプログラムからなる。
(プログラム3)
本発明のプログラム3は、集群性魚群に関する実測データが従う群れサイズ分布関数を用いて回帰分析を行い、この分析結果と魚の個体数密度との関係式を用い、対象海域のバイアスを修正した浮魚資源総量を信頼区間とともに求める浮魚資源現存量の区間推定処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記コンピュータに前記第3実施例の手順F、及び、手順Gを実行させるためのプログラムからなる。
(記録媒体1)
本発明の記録媒体1は、集群性魚群に関する実測データが従う群れサイズ分布関数を用いて回帰分析を行い、この分析結果と魚の個体数密度との関係式を用い、対象海域のバイアスを修正した浮魚資源現存量指標を信頼区間とともに求める浮魚資源現存量の区間推定処理プログラムを記録した記録媒体であって、
前記コンピュータに前記第1実施例の手順A、手順B、手順C、手順D、手順E、及び、手順Fを実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体からなる。
(記録媒体2)
本発明の記録媒体2は、集群性魚群に関する実測データが従う群れサイズ分布関数を用いて回帰分析を行い、この分析結果と魚の個体数密度との関係式を用い、対象海域のバイアスを修正した浮魚資源密度を信頼区間とともに求める浮魚資源現存量の区間推定処理プログラムを記録した記録媒体であって、
前記コンピュータに前記第2実施例の手順A、手順B、手順C、手順D、及び、手順Eを実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体からなる。
(記録媒体3)
本発明の記録媒体3は、集群性魚群に関する実測データが従う群れサイズ分布関数を用いて回帰分析を行い、この分析結果と魚の個体数密度との関係式を用い、対象海域のバイアスを修正した浮魚資源総量を信頼区間とともに求める浮魚資源現存量の区間推定処理プログラムを記録した記録媒体であって、
前記コンピュータに前記第3実施例の手順F、及び、手順Gを実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体からなる。
(参考文献)
土井長之,群集生態と推定理論. 数理科学 No.198,7-12(December,1979).
I.Hara,Estimation of fish density using the line intercept method.日本水産学会誌 49,1619-1625(1983).
I. Hara, Distribution and school size of Japanese sardine in the waters off the southeastern coast of Hokkaido on the basis of echo sounder surveys.東海区水産研究所研究報告 No.113,67-78(1984).原一郎,マイワシ現存量を直接推定する.さかな No.35,9-20(1985)。
I.Hara,Stock assessment of Japanese sardine in the waters off the southeast coast of Hokkaido using line transect method.日本水産学会誌 52,69-73(1986).原一郎,索餌期におけるマイワシ魚群の移動と資源量推定に関する研究. 京都大学審査学位論文 (1990).
E. Bonabeau L.Dagorn,Possible universality in the size distribution offish schools.Phys.Rev.E51,R5220-R5223 (1995).
E.Bonabeau,L.Dagorn & P.Freon,Scaling in animal group-size distributions.Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.96,4472-4477(1999).
J.J.Anderson,A stochastic model for the size of fish schools.FisheryBull.79,315-323(1981).
魚群の寸法サイズの構成尾数への変換については以下を参照。
O. A. Misund, Abundance estimation of fish schools based on a relationship between school area and school biomass.Aquat.Living Resour.6,235-241 (1993).
H.-S.Niwa,Configurational statisticsof fish schools with reference to collective motion. 統計数理研究所共同研究リポート76,数理生物学における決定論・確率モデルの基礎理論的研究,132-143(1995).
O.A.Misund & J.Coetzee,Recording fish schools by multi-beam sonar: potential for validating and supplementing echo integration recordings of schooling fish.Fisheries Research 47,149-159(2000).
【0305】
【発明の効果】
本発明は、浮魚の群れなど集群性魚群が従う群れサイズ分布関数
【0306】
【式118】
JP0003831786B2_000111t.gif
【0307】
を用いて調査海域における魚群の平均群れサイズ〈N〉Pの回帰分析を行ない、この分析結果と、浮魚の単位面積当り個体数、つまり個体数密度ρ、魚群の分裂確率p、及び、前記平均群れサイズ〈N〉Pとの間に成り立つ関係式
【0308】
【式119】
JP0003831786B2_000112t.gif
【0309】
を用い、対象海域の浮魚資源密度あるいは現存量のバイアスを修正した推定値を信頼区間とともに計算する、浮魚資源現存量の区間推定方法であり、以下の効果を奏する。
(1)シミュレーションおよび実験データによって検証された魚群サイズ分布関数は、極めて少ないパラメータ数によって実測データの特性を極めて良く示すことができるので、極めて正確な回帰分析が可能であり、従って、極めて正確な現存量の推定を行うことができる。
(2)魚群サイズ分布モデルに基づく浮魚資源現存量の区間推定方法は、困難なランダム・サンプリングを必要とせず、経験的にあるいは試行錯誤的に仮定された資源分布の空間構造モデルによらずに、浮魚資源現存量の区間推定を行なうことができる。
(3)魚群サイズ分布モデルに基づく浮魚資源現存量の区間推定方法は、リサンプリング法による計算処理と異なり、確率的手法を用いないので信頼区間が確定できる。
(4)魚群サイズ分布モデルに基づく浮魚資源現存量の区間推定方法は、集群性を有する浮魚に関して、測定海域における予め設定された航路に沿って調査船が魚群探知機等で計測した魚群データなど、魚群の数密度が算出できるデータに加え、漁業統計、例えば、まき網漁業による漁獲データなど、魚群密度の算出が困難なデータを含め、実測した群れサイズの頻度分布データを用い、資源量特性 (現存量指標)の評価とともに、その信頼性を推定できる。
(5)リサンプリング法などノンパラメトリックな統計学的処理では修正できない、実測データの歪みに基づく推定値のバイアスを、本発明の浮魚資源現存量の区間推定方法では、魚群が従うサイズ分布に関する自然法則に基づいた回帰分析により修正することができる。
(6)魚群サイズ分布モデルに基づく浮魚資源現存量の区間推定方法は、コンピュータによる区間推定の計算処理を極めて短時間の内に行なうことができる。
(7)本発明は、前記浮魚資源現存量の区間推定方法を実行するようにプログラムを構成するので、このプログラムを実行することにより、極めて正確な現存量の推定を行うことができる。
(8)本発明は、前記浮魚資源現存量の区間推定方法を実行するプログラムを記憶する記憶媒体を構成するので、この記憶媒体から読み出してプログラムを実行することにより、極めて正確な現存量の推定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1(a)】本発明の浮魚資源現存量の区間推定方法における第1実施例のフローチャートの前半を示す図である。
【図1(b)】本発明の浮魚資源現存量の区間推定方法における第1実施例のフローチャートの後半を示す図である。
【図2(a)】本発明の浮魚資源現存量の区間推定方法における第2実施例のフローチャートの前半を示す図である。
【図2(b)】本発明の浮魚資源現存量の区間推定方法における第2実施例のフローチャートの後半を示す図である。
【図3(a)】観測(実測)データによる旋網により漁獲されたマグロ類の群れサイズ分布を説明する図である。
【図3(b)】観測(実測)データによる誘引体の近傍で漁獲されたマグロ類の群れサイズ分布を説明する図である。
【図3(c)】観測(実測)データによるカタクチイワシの群れサイズ分布を説明する図である。
【図3(d)】観測(実測)データによるマイワシの群れサイズ分布を説明する図である。
【図4】群れサイズ分布をシミュレーションするための格子モデルの説明図である。
【図5】移動(回遊)-合併-分裂を行う前記格子モデルを示す図である。
【図6(a)】総個体数を変化させたときの群れサイズ分布のシミュレーション結果を表す図である。
【図6(b)】分裂確率を変化させたときの群れサイズ分布のシミュレーション結果を表す図である。
【図7】ある魚Aが或る時刻tにサイズNA(t)の群れに所属する状態を表す説明図である。
【図8】群れのサイズ変化の時系列を表す図である。
【図9】魚群サイズの指数関数ゆらぎを説明する図である(片対数スケール)。
【図10】魚群の平均サイズのポピュレーション密度および魚群分裂確率への依存性を示し、〈N〉P対2ρ/pの特性図である(シミュレーション結果)。
【図11】群れサイズ分布のシミュレーション結果を表す図である。
【図12】観測(実測)データによる各魚種毎の群れサイズ分布を表す図である。
【図13】図12の観測データ(階級別度数集計表)を示す図である。
【図14】図13の付属データを示す図である。
【図15】図13および図14に示したデータセット2の寸法サイズRを構成尾数Nに換算し、階級別度数集計した図である。
【図16】図13および図14に示したデータセット2のマイワシ魚群のサイズ分布を示す図である。
【図17】図13および図14に示した全てのデータセットについてのマイワシ資源現存量の区間推定特性図である。推定結果の変動係数は図中に埋め込んである。
【図18】図13および図14に示した全てのデータセットについてのマイワシ資源現存量指標の区間推定特性図である。推定結果の変動係数は図中に埋め込んである。
【符号の説明】
b 格子間隔
s 格子点の総数
N 群れサイズ
N(t) 時刻tにおける群れサイズ
p 分裂確率
P シミュレーションで設定する魚の総数(P=ρ×s)
W(N) 群れサイズの(定常)分布
sc(N) 〈N〉P=1にスケールされた群れサイズの(定常)分布
L 単位長さ
φ 単位面積(L2)あたり魚群の数
ρ 単位面積(L2)あたり魚の数(個体数密度)
S 浮魚の資源密度の最小二乗法による点推定値
i 群れサイズの階級値
ΔN 群れサイズの頻度分布データの階級幅
i i番目のサイズ階級の群れの相対度数
i(sc 平均群れサイズでスケールされた群れサイズの階級別度数集計した頻度分布データ
n 群れサイズの階級別度数集計した頻度分布データの階級数
〈N〉P 任意のある1つの魚が属する群れサイズの期待値となる平均群れサイズ
re(N) 最小二乗法によりデータに当てはめた群れサイズ分布関数
α(ν) 自由度νのステューデントt分布の片側確率αの点
θ 回帰モデルのパラメータ
Θ 回帰分析によるパラメータの最小二乗推定値
se(Θ) 最小二乗推定値Θの標準誤差
Γ 漁場の面積あるいは浮魚の調査海域の面積
tot 所定の漁場あるいは海域における浮魚資源現存総量の点推定値
図面
【図1(a)】
0
【図1(b)】
1
【図2(a)】
2
【図2(b)】
3
【図3(a)】
4
【図3(b)】
5
【図3(c)】
6
【図3(d)】
7
【図4】
8
【図5】
9
【図6(a)】
10
【図6(b)】
11
【図7】
12
【図8】
13
【図9】
14
【図10】
15
【図11】
16
【図12】
17
【図13】
18
【図14】
19
【図15】
20
【図16】
21
【図17】
22
【図18】
23