TOP > 国内特許検索 > ディジタル移動無線通信方法 > 明細書

明細書 :ディジタル移動無線通信方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3066483号 (P3066483)
公開番号 特開平10-247955 (P1998-247955A)
登録日 平成12年5月19日(2000.5.19)
発行日 平成12年7月17日(2000.7.17)
公開日 平成10年9月14日(1998.9.14)
発明の名称または考案の名称 ディジタル移動無線通信方法
国際特許分類 H04L 27/36      
H04B  7/26      
H04L 27/18      
FI H04L 27/00 F
H04L 27/18
H04B 7/26
請求項の数または発明の数 1
全頁数 6
出願番号 特願平09-065360 (P1997-065360)
出願日 平成9年3月4日(1997.3.4)
審査請求日 平成9年3月4日(1997.3.4)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】391027413
【氏名又は名称】郵政省通信総合研究所長
発明者または考案者 【氏名】浜口 清
審査官 【審査官】内田 正和
参考文献・文献 特開 平6-224954(JP,A)
特開 平8-84162(JP,A)
特開 平5-268178(JP,A)
米国特許5479447(US,A)
調査した分野 H04L 27/36
H04B 7/26
H04L 27/18
特許請求の範囲 【請求項1】
周波数選択性フェージング環境において、複数のサブキャリアからなるマルチキャリア伝送方式を導入し、上記各サブキャリアに対応する複数の適応変調ブロックを設けると共に、該複数の適応変調ブロックと信号の送受信をおこなう1つの送信側一時記憶部と受信側一時記憶部並びに上記複数の適応変調ブロックに対応する伝送路推定部を備え、該伝送路推定部において伝送路状況の良いサブキャリアでは多くの情報を伝送し、伝送路状況の悪いサブキャリアでは少なく情報を伝送するように構成し、送信すべきデータが上記送信側一時記憶部に存在しない場合、上記伝送路推定部において変調度の大きい変調方式が選択された信号に対して中程度の変調度の変調方式を強制的に割り当てると共に、送信すべきデータが上記送信側一時記憶部を満杯にした場合、伝送路推定部にて変調度の小さい変調方式か若しくはダミーデータが選択された信号に対して、上記中程度の変調度の変調方式を強制的に割り当てる、ことを特徴とするディジタル移動無線通信方法。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【0001】

【発明の属する技術分野】本発明はディジタルデータを高速、高品質に伝送するためのディジタル移動無線通信方法に関するものである。

【0002】

【従来の技術】従来、ディジタルデータを高速、高品質に伝送するための技術として本願出願人はすでに特開平7-250116号を出願している。

【0003】
ここで開示された技術内容は、適応変調方式に一時記憶部を付加して、一定のデータ伝送速度を得る方法であり、伝送路を推定し、その変動に応じて最適な送信の帯域幅、変調方式を決定し、送信する適応変調方式において、推定した伝送路の情報及び送信用データが蓄積されている送信側一時記憶部の記憶容量の使用状況の情報に基づいて送信帯域幅、変調方式を決定し、送信側一時記憶部のデータを決定された帯域幅、変調方式に基づき送信し、受信側では、受信側一時記憶部で受信データを蓄積し、一定速度で出力するデータ伝送方法である。

【0004】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、移動通信では特有の周波数選択性フェージング環境では、符号間干渉のため伝送特性が劣化する。また、伝送速度を高めるためにシンボル速度を上げた場合、図5(a)のようにキャリアの占有周波数帯域が広くなるため、周波数選択性フェージング環境に対する耐性が低下し、伝送特性が劣化するという問題を有していた。

【0005】
本発明は、適応変調方式を用いながらも、ディジタルデータを高速、高品質に伝送することを目的としている。

【0006】

【課題を解決するための手段】本発明は上記に鑑みて提案されたものであり、周波数選択性フェージング環境において、図5(b)に示すような複数のサブキャリアからなるマルチキャリア伝送方式を導入し、上記各サブキャリアに対応する複数の適応変調ブロックを設けると共に、該複数の適応変調ブロックと信号の送受信をおこなう1つの送信側一時記憶部と受信側一時記憶部並びに上記複数の適応変調ブロックに対応する伝送路推定部を備え、該伝送路推定部において伝送路状況の良いサブキャリアでは多くの情報を伝送し、伝送路状況の悪いサブキャリアでは少なく情報を伝送するように構成し、送信すべきデータが上記送信側一時記憶部に存在しない場合(良好な伝送路状況が続いた場合)、伝送路推定部において変調度の大きい変調方式が選択された信号に対して中程度の変調度の変調方式を強制的に割り当てると共に、送信すべきデータが上記送信側一時記憶部を満杯にした場合(悪い伝送路状況が続いた場合)、伝送路推定部にて変調度の小さい変調方式か若しくはダミーデータが選択された信号に対して、上記中程度の変調度の変調方式を強制的に割り当てるディジタル移動無線通信方法を提供するものである。

【0007】
すなわち、上記した手順によれば、データ伝送速度は、一時記憶部による時間遅延はあるものの、常に上記中程度の変調度の変調方式が選択された場合と等しくなる。

【0008】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の具体的な構成を図面に従い説明する。先ず、マルチキャリア伝送方式について説明する。マルチキャリア伝送方式は、周波数選択性フェージング対策及び高速伝送技術の1つであり、各サブチャネルの伝送速度を周波数選択性フェージングの影響を受けない程度に抑え、データを複数のサブキャリアを用いて並列に伝送することにより、全体として高速伝送を行うマルチキャリア伝送方式である。

【0009】
データ伝送方法にマルチキャリア伝送方式を導入することにより、高速かつ高品質な伝送特性が得られる。特にデータ伝送方法において、一時記憶部をただ1つとしたことにより、伝送路状況の異なる各サブキャリアに対してより繊細な適応制御が行え、その結果、伝送する信号のビット誤り率が改善でき、このため、これまで以上に高品質な伝送特性が得られる。

【0010】
また、後述するように、マルチキャリア伝送方式において(技術の単なる組み合わせとして考えればサブキャリア数分の一時記憶部を用意するところを)、一時記憶部をただ1つとして、各サブキャリアに対する帯域幅、変調方式を集中的に制御するものである。

【0011】
次に、本発明の原理を図1で説明する。

【0012】
本発明ではマルチキャリア伝送方式を採用し、各サブキャリアの伝送路状況を複数(本実施形態では4つ)の段階に分け、それぞれの状況で最良の変調方式の伝送をおこなうようにする。すなわち、閾値3以上の場合は、64QAMで信号の伝送をおこない、閾値2以上の場合は16QAMで信号の伝送をおこない、閾値1以上の場合はQPSKで信号の伝送をおこない、閾値1未満の場合にはダミー(DUMMY)として信号の伝送をおこなわないようにする。

【0013】
その結果、伝送路状況の良いサブキャリアでは多くの情報を伝送し、伝送路状況の悪いサブキャリアでは少なく情報を伝送するように構成したので、高品質の信号を高速に伝送できた。

【0014】
図2は本発明の一実施形態を示すブロック図であり、各構成を以下に説明する。

【0015】
2は送信側一時記憶部であり、通常、適応変調では送信する変調方式に依存してデータ伝送速度が変化する。これは一定の伝送速度を要求するデータ伝送サービスに対して不都合である。送信側一時記憶部2は受信側一時記憶部10と共に用いて、一定の伝送速度を得るために利用するバッファメモリの機能をする。

【0016】
3は直並列変換部であり、1つのデータのまとまりを、複数の適応変調ブロック1a~1cに対応した複数のデータのまとまりに分割する。

【0017】
変調部16は後述する送信変調方式決定部4からの信号(DUMMY,QPSK,16QAM,64QAMのいずれかを示す)により変調をおこなう。

【0018】
合成部5は複数の適応変調ブロック1a~1cに対応したサブキャリア数分の信号を合成する。尚、サブキャリア間の干渉を避けるため、各サブキャリアは変調部16において、互いに異なる高周波信号で変調されているものとする。

【0019】
アンテナ共用器6は1本のアンテナ7で送信、受信を共用できるように機能する。また、分配部8は受信信号を適応変調ブロック1a~1cに対応した分配する。

【0020】
準同期検波部11は高周波信号を扱いの容易な低周波信号に変換する。

【0021】
フェージング歪推定・補償部12は送信信号中に挿入された既知の信号Pにより歪んだ信号を補償する。

【0022】
伝送路推定部13は受信信号及びフェージング歪推定・補償部12からの受信信号の状況を示す信号より、伝送路の状況(例えば受信信号対雑音電力比)を求め、次の送信タイミングにおける最適な変調方式を(受信から送信までに時間差があるため、受信信号の状況がその間に変わることを考慮して、受信信号の最初及び最後における状況から、伝送路状況を示すパラメータを外挿して)、選択出力する。

【0023】
変調方式推定部14は送信信号中に挿入された送信変調方式情報シンボル(I)から、送信変調方式が何であるかを推定する。

【0024】
復調部15は変調方式推定部14からの信号により、対応する変調方式で復調する。

【0025】
並直列変換部9は適応変調ブロック1a~1cに対応した複数のデータのまとまりを、1つのデータにまとめる。

【0026】
受信側一時記憶部10は送信側一時記憶部2と共に用いて、一定の伝送速度を得るために利用するためのバッファメモリからなる。

【0027】
送信変調方式決定部4は適応変調ブロック1a~1cに対応した各伝送路推定部13からの情報に基づき、各サブキャリアにおける変調方式を決定する。

【0028】
図3において本発明に用いられる伝送信号について説明する。本実施形態においては、送信及び受信の各フレームが交互に繋がって伝送信号を構成しており、RUはランプアップシンボル(立ち上がり用シンボル)であり、RDはランプダウンシンボル(立ち下がり用シンボル)であり、Pはパイロットシンボルであり、Iは送信変調方式情報シンボルであり、DATAはデータシンボルである。

【0029】
次に本発明の一実施形態における動作を説明する。送信変調方式決定部4では、受信信号の強度情報、フェージング変動情報、送信側一時記憶部2の使用状況をもとにして、送信変調方式(例えば直交振幅変調の多値数:以下これを変調レベルと呼ぶ)を決定する。この変調レベルの決定は、送信側一時記憶部の使用状況に余裕がある場合は、受信状況が良好なときには例えば64QAMのように変調レベルを大きくし、受信状況が悪いときには変調レベルを小さくして制御する。

【0030】
また、送信側一時記憶部2の容量が満杯になりそうな場合(例えば小さい変調レベルによる送信が続いた場合)には、送信変調方式決定部4により変調レベルを強制的に大きくして伝送速度を保つ。逆に空になりそうな場合(例えば大きい変調レベルによる送信が続いた場合)には、変調レベルを強制的に小さくして伝送速度を保つ。具体的な手順例は以下の通りである。

【0031】
(1) 送信すべきデータが送信側一時記憶部2に存在しない場合(良好な伝送路状況が続いた場合)、伝送路推定部13において64QAMが選択された信号に対して16QAMを強制的に割り当てる。

【0032】
(2) 送信すべきデータが送信側一時記憶部2を満杯にした場合(悪い伝送路状況が続いた場合)、伝送路推定部13においてDUMMYあるいはQPSKが選択された信号に対して16QAMを強制的に割り当てる。

【0033】
すなわち、(1)、(2)の手順によれば、 データ伝送速度は、一時記憶部による時間遅延はあるものの、常に16QAMが選択された場合と等しくなる。

【0034】
図4は本実施形態のシミュレーション結果を表す特性図であり、シミュレーション評価の容易性から、帯域幅を固定としたシステムを仮定している。

【0035】
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した構成を変更しない限り、どのようにでも実施できる。

【0036】

【発明の効果】以上に示したように本発明に係るディジタル移動無線通信方法にあっては、高品質伝送が可能なデータ伝送方法において、マルチキャリア伝送方法を導入することにより、移動無線通信では一般的な周波数選択性フェージング環境において高品質かつ高速伝送が可能となる。

【0037】
また、複数の適応変調ブロック及び該適応変調ブロックに対応する送信変調方式決定部を用いることにより、伝送路状況の良いサブキャリアでは多くの情報を送り、伝送路状況の悪いサブキャリアでは少なく情報を送るといった、情報の配分に関する繊細な制御が可能となったため、伝送能率の改善が図れる等、多大な効果を奏する。
図面
【図3】
0
【図1】
1
【図4】
2
【図5】
3
【図2】
4