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明細書 :草食家畜の採食行動検出方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第2896505号 (P2896505)
公開番号 特開平10-262498 (P1998-262498A)
登録日 平成11年3月12日(1999.3.12)
発行日 平成11年5月31日(1999.5.31)
公開日 平成10年10月6日(1998.10.6)
発明の名称または考案の名称 草食家畜の採食行動検出方法
国際特許分類 A01K  3/00      
G06M  7/00      
FI A01K 3/00
G06M 7/00
請求項の数または発明の数 1
全頁数 4
出願番号 特願平09-071378 (P1997-071378)
出願日 平成9年3月25日(1997.3.25)
審査請求日 平成9年3月25日(1997.3.25)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】591075364
【氏名又は名称】農林水産省北海道農業試験場長
発明者または考案者 【氏名】落合 一彦
【氏名】池田 哲也
【氏名】須藤 賢司
【氏名】本間 毅郎
個別代理人の代理人 、【弁理士】、【氏名又は名称】小橋 信淳
審査官 【審査官】関根 裕
参考文献・文献 特開 昭60-160826(JP,A)
特開 平6-237668(JP,A)
特開 平4-252127(JP,A)
実開 平7-44567(JP,U)
調査した分野 A01K 1/00 - 11/00
特許請求の範囲 【請求項1】
草食家畜の下顎部に該草食家畜が喫食することによって生じる上下動を感知し、その回数をカウントする度数計を取付け、その度数計からの信号を経時的に記録し、草食家畜の採食時間、採食時間帯、採食量などの採食行動を検出できるようにしたことを特徴とする草食家畜の採食行動検出方法。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【01】

【発明の属する技術分野】本発明は、自由に行動する放牧家畜、あるいはフリーストール、フリーバーン飼養牛の採食時間、採食時間帯、採食量などの採食に関する情報を自動的に収集する草食家畜の採食行動検出方法に関するものである。

【02】

【従来の技術】自由に行動する放牧家畜、あるいはフリーストール、フリーバーン飼養牛の採食時間、採食時間帯、採食量などの採食に関する情報の収集は、従来、主として人間による行動観察によって行われてきたが、非常に多労であった。また、機器による自動計測については、動物の口に口輪および感圧センサーを取付け、口の開閉回数をカウントすることによって、採食に関する情報を得る試みがなされてきた。しかし、この方法では反芻動物に特有に見られる反芻行動を識別することが困難であった。しかも、口輪の締め具合によって感圧センサーの反応が過敏すぎたり、逆に鈍すぎたりするなど、計測に不安定性があった。それゆえ、採食行動のみを安定的に検出、記録できる方式の開発が求められていた。

【03】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、放牧家畜などの採食行動に関する情報の自動計測における上記問題点の解決を目的とし、放牧家畜の採食行動の自動検出と識別を安定的に行う方法を提供しようとするものである。

【04】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために本発明は、草食家畜の下顎部に該草食家畜が喫食することによって生じる上下動を感知し、その回数をカウントする度数計を取付け、その度数計からの信号を経時的に記録し、草食家畜の採食時間、採食時間帯、採食量などの採食行動を検出できるようにしたことを特徴としている。

【05】

【作用】上記の手段により本発明の草食家畜の採食行動検出方法は、従来の感圧センサーを用いて口の開閉を検知する方式では、口輪の締め具合によってセンサーが作動したりしなかったりして不安定であり、また、反芻と採食の識別が難しいことから、本発明では採食時の顎の上下動を確実に検出するセンサーを用いることとし、反芻時にも顎の上下動は発生するが、放牧家畜は採食時に頭部を下に下げ、反芻時には頭部を水平方向に保つ習性から、上下動センサーの角度による感度の差(垂直に近い角度で上下動を検出するが、水平方向では検出しない)を利用して、センサーの取付け角度を設定することにより、採食時の上下動のみを検出し、記録する。

【06】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を、図面を参照して具体的に説明する。

【07】
.採食行動検出記録装置の概要
図1に示すように採食行動検出記録装置1(以下、GMと略称)は、上下動センサー(市販の万歩計の振動子を利用)2、パルスカウンター及びメモリー3、電池4等を小形のケース5に収納したものであり、重量が約90gと軽量のものである。

【08】
.GMの牛への装着法ならびに採食行動検出の原理
図3に示すように牛Cに対し、図2に示す頭絡6を装着して、この頭絡6の下顎部べルト7の下側にケース8を設け、このケース8内にGMを収容する。

【09】
そして、図3(a)に示すように、牛Cが採食しているときは頭部を下げるので、上下動センサ一2の向きはほぼ垂直状態となる。この状態で上下動センサー2は牛の顎の上下動を検知して信号を発し、その信号をパルスカウンター及びメモリー3に送り、パルスカウンターでカウントされ、メモリーに記録される。一方、牛Cが反芻動作をするときは、図3(b)に示すように、頭部を水平に近い角度に保つので、上下動センサー2はほぼ横状態となり、反芻による顎の上下動を検知しない。よって、牛Cの採食時のみ顎の上下動の回数がパルスカウンター及びメモリー3によりカウントされ、記録される。

【10】
.放牧牛の採食行動の、GMによるデータと人間の観察によるデータとの比較
試験例1) GMによる放牧牛の顎の上下動のカウント数と、人間の観察による草の噛みちぎり回数との比較
牛Cに図3に示すようにGMを取付けて、草地に放牧し、GMが検出する牛Cの顎の上下動の回数と、人間の観察による牛Cが草を噛みちぎる回数を比較した。GMによる牛Cの顎の上下動の計数は人間の観察による噛みちぎり回数よりも多い傾向にあったが、牛Cが草を採食していないときはGMのカウント数はほぼゼロであった(図4参照)。GMの1分あたりカウント数が15以上の時を採食とみなすと、誤りの少ない判定ができると判断された。

【11】
試験例2) GMによる採食行動判定と人間による採食行動観察の比較
搾乳時間を除く24時間、放牧牛CにGMを取付け、同時に人間が牛Cの行動を観察して、GMによる採食行動判定と人間による採食行動観察の比較を行った。GMの1分あたりカウント数が15以上の時をGMによる採食行動の判定として、観察による採食行動時間と比較した(図5参照)。両者による採食行動の判定は良く一致し、24時間中、GMによる採食行動時間は449分、観察による採食行動時間は478分であった。

【12】

【発明の効果】以上説明したように本発明の草食家畜の採食行動検出方法によれば、草食家畜の下顎部に該草食家畜が喫食することによって生じる上下動を感知し、その回数をカウントする度数計を取付け、その度数計からの信号を経時的に記録し、草食家畜の採食時間、採食時間帯、採食量などの採食行動を検出するので、これまで放牧家畜の研究に必要な採食行動の調査は、人間による多労な行動観察か、安定性に欠け、高価な感圧センサーを利用した機器計測によって行われてきたものを、本発明の方法(装置)においては、牛の採食行動のみを簡易に、安定して検知し、解析できるものであり、放牧家畜の採食行動に関する研究の大幅な促進が期待される。

【13】
また、本発明で用いられる装置は構造が簡単で安価なものであり、酪農家等が放牧搾乳牛に適用して、より精密な捕助飼料給与、栄養管理を可能にするものである。

【14】
さらに、フリーストールなどで繋養されている乳牛にも適用でき、これまで十分ではなかったフリーストール飼養牛の個体管理を可能にするものである。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
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【図4】
3
【図5】
4