TOP > 国内特許検索 > ガスタービン燃焼器 > 明細書

明細書 :ガスタービン燃焼器

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第2890033号 (P2890033)
公開番号 特開平10-141662 (P1998-141662A)
登録日 平成11年2月26日(1999.2.26)
発行日 平成11年5月10日(1999.5.10)
公開日 平成10年5月29日(1998.5.29)
発明の名称または考案の名称 ガスタービン燃焼器
国際特許分類 F23R  3/42      
F02K  1/82      
F23R  3/04      
FI F23R 3/42 C
F23R 3/42
F02K 1/82
F23R 3/04
請求項の数または発明の数 4
全頁数 6
出願番号 特願平08-307512 (P1996-307512)
出願日 平成8年11月5日(1996.11.5)
審査請求日 平成8年11月5日(1996.11.5)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】391037397
【氏名又は名称】科学技術庁航空宇宙技術研究所長
発明者または考案者 【氏名】田丸 卓
【氏名】下平 一雄
個別代理人の代理人 、【弁理士】、【氏名又は名称】大城 重信 (外1名)
審査官 【審査官】中村 則夫
参考文献・文献 特開 平1-95224(JP,A)
特開 昭61-228225(JP,A)
特開 平4-225725(JP,A)
特開 昭57-426(JP,A)
特開 昭56-108026(JP,A)
調査した分野 F23R 3/42
F23R 3/04
F02C 7/18
特許請求の範囲 【請求項1】
燃焼器外筒内面に燃焼室を包む壁面が非金属系耐熱材により形成されている耐熱材壁を備え、該耐熱材壁の内部に、燃焼室に向けて開口している空気流入口に連通している空気通路を複数有し、該空気通路から前記燃焼室内に所要空気を通過・分配する構造になっており、且つ前記耐熱材壁と燃焼器外筒との間に、前記耐熱材壁を冷却するための小隙間通路を形成してなるこを特徴とするガスタービン燃焼器。

【請求項2】
燃焼器外筒内面に、冷却空気が流通可能な繊維強化複合材により形成されている燃焼室を包む耐熱材壁を備え、該耐熱材壁は、燃焼室側に露出する壁面が該耐熱材壁の他の部分よりも緻密化された緻密構造層に形成され、該耐熱材壁を通過する冷却空気により該耐熱材壁を冷却すると共に、冷却空気が前記緻密構造層の間隙もしくは細孔から燃焼室内に滲み出し、前記緻密構造層の緻密度を選択することによって前記燃焼室内に所要空気を通過・分配する構造になっていることを特徴とするガスタービン燃焼器。

【請求項3】
燃焼室外筒内面に燃焼室を包む壁面が非金属系耐熱材により形成されている耐熱材壁を備え、該耐熱材壁が、燃焼器外筒内面の流れに沿って板状の支持体を適宜間隔で平行に設け、該支持体の先端部に耐熱材からなる長尺状の耐熱壁部材を燃焼器主軸と平行に燃焼室入口側からノズル部に延び且つ互いに近接させて取り付けて多板保持耐熱構造に形成され、前記板状支持体が前記燃焼器外筒と前記耐熱壁部材との間で、ガスタービンの回転軸又は燃焼器主軸と平行な空気通路を形成していることを特徴とするガスタービン燃焼器

【請求項4】
前記耐熱材壁が部分的に代替品と交換できるように着脱可能に形成された同一形状の多数の耐熱材壁部材で構成されている請求項記載のガスタービン燃焼器。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【1】

【発明の属する技術分野】本発明は、ガスタービン燃焼器、特に航空用又は産業用ガスタービン燃焼器における従来の金属ライナに代わる新規の燃焼室形成構造を有するガスタービン燃焼器に関する。

【10】
前記耐熱材壁としては、軽量で且つ1200K以上、望ましくは2000K以上の耐熱性があれば良く、例えばCC材(Carbon-Carbon系材料)を含むセラミック材や多孔もしくは繊維状複合材又は傾斜機能材等種々の耐熱材料が使用できる。または、燃焼火炎と接する燃焼室側壁面に化学蒸着法(CVD)等により例えばSiC材等で耐熱、耐酸化処理を行なったものが使用できる。

【11】
耐熱材壁それ自体があまり通気性を有しない材料で構成されている場合は、該耐熱材壁と前記外筒との間に冷却空気が通過する僅かな隙間もしくは多孔を設けると共に、該耐熱材壁に前記燃焼室に通じる燃焼制御用空気通路を形成するのが望ましい。また、前記耐熱材壁が、繊維強化複合材等それ自体が通気性を有する構造である場合は、耐熱材壁構造内の空隙が空気通路となるので、別個に空気通路を形成しなくても良い。そして、前記耐熱材壁が、繊維強化複合材等それ自体が通気性を有する構造である場合は、燃焼室側壁面を緻密化層として、該繊維複合材を通過する冷却空気が前記緻密化層を介して該燃焼室内に僅かつづ滲み出すようにすることが望ましい。

【12】
また、他の冷却構造として、ガスタービンの回転軸又は燃焼器主軸と平行に構成された多数の板状支持体を取り付け、該支持体先端部に耐熱材壁部材が燃焼室壁面を形成するように取り付けた構造を採用し、外筒と燃焼室壁面を形成する耐熱材壁との間に板状の支持体で区画された空気通路を形成するようにすることも可能である。前記支持体もしくは該支持体の先端に取付けられた耐熱材壁部材を着脱可能に取付けることによって、部分的な損傷に対して簡単に補修する対応が出来、経済的である。さらに、請求項1~3記載の構造のガスタービン燃焼器においても、耐熱材壁を部分的に代替品と交換できるように着脱可能に形成された同一形状の多数の耐熱材壁部材で構成すると経済的である。

【13】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を基に詳細に説明する。図1は、本発明のガスタービン燃焼器の実施形態を示す。本実施形態では環状燃焼器について示すが、本発明は環状燃焼器に限らず筒型燃焼器についても適用できる。図中1、1’はそれぞれ環状の外筒であり、2、2’は従来のライナと外筒間の環状通路に相当する部分に設置されたセラミック系の耐熱材壁であり、例えば2000K以上の耐熱性及び断熱性を有している。該耐熱材壁の内側壁面が従来の金属ライナと同様に燃焼室3の壁面を構成している。4は燃焼室頭部壁であり、前記耐熱材壁と同様な材料又は従来のライナと同様な金属材で形成され、その中央部に図1(b)に示すように、所定間隔で燃料ノズル5及び空気旋回器6又は保炎器を有するバーナ7が1個又は複数個配置されている。

【14】
前記耐熱材壁2、2’は、外筒1、1’との間に僅かな小間隙通路8、8’を有するように外筒に取り付けられ、該隙間に僅かな空気を流すことにより外筒と耐熱材壁の温度上昇を防ぐようにしてある。また、11、11’は燃焼室3内に空気を送るための空気通路であり、その燃焼室に向けて開口している空気流入口12、12’に連通している。

【15】
本実施形態のガスタービン燃焼器は以上のように構成され、前記耐熱材壁はセラミック系で構成されているので、燃焼室壁面の高温化に耐えることができる。しかも、断熱性も高いので、燃焼室側壁面の温度は高くても外筒側の外壁が過熱することがない。

【16】
従来のガスタービン燃焼器50では、図7に示すように金属ライナ51、51’の冷却構造は、燃焼ガスからの対流熱伝達流束C1と輻射熱伝達流束R1を受け、環状通路52、52’を通る空気に対流熱伝達流束C2と主として外筒53、53’への輻射熱伝達流束R2とで熱平衡を維持している。従って、従来の金属ライナにおいては対流熱伝達流束C1を低下させるために、膜冷却や複合冷却等種々の冷却構造を適用して、金属ライナ表面に接触する燃焼ガスの温度を図6(a)に示すように、ライナの耐熱温度まで冷却している。

【17】
例えば、圧力比40のエンジンの場合には、燃焼器流入空気温度は1000K、火炎温度は2500Kとなる。従って、従来構造の金属ライナでは耐熱温度が1100~1300Kであるため、燃焼ガスからの対流熱伝達流束C1に1000K以上の温度差を作らねばならない。燃焼器流入空気の一部である冷却空気でこの温度差を作り出すには、ライナ燃焼室側壁面に沿う空気を多量に必要とし、それが低負荷では未燃焼ガスの排出の原因となっている。また、高負荷条件において従来のライナ構造の冷却では、例え今後金属材料の進歩によりライナの耐熱温度が上昇しても、その分外筒への輻射熱伝達流束R2が増加するため、外筒の高温化につながり安全上の問題が生じ、外筒冷却の対策が必要となってくる。

【18】
これに対し、上記実施形態における断熱構造では、例えば1900Kの耐熱材壁を用いれば、燃焼室側の表面温度T1を高くし、比較的小さい燃焼ガスからの対流熱伝達流束C1でも燃焼器設計が可能となり、図6(b)に示すように、耐熱材壁の熱伝導率の小さい特性から外筒側表面温度T0を低下させることができ、断熱材に接触する燃焼ガス温度を高くすることができ、未燃焼成分の排出を押えることができる。

【19】
本発明の上記断熱構造のガスタービン燃焼器における前記断熱壁面の温度勾配についてさらに検討すると、固体壁面内の壁単位面積あたりの熱伝導流束はλΔT/δで表される。ここで、λ、ΔT及びδは、それぞれ熱伝導率、断熱材表裏温度差、及び断熱材厚さである。従って、例えば従来の厚み2mmの金属ライナと厚さ10mmの本発明による断熱材ライナを通過する熱流束が同一であるとすると、金属ライナ壁で表裏5Kの温度差の場合、本実施形態の耐熱材壁では500Kの温度差を作ることが可能となる。即ち、本発明によれば、燃焼室側壁面温度をより高く、外筒側壁面をより低く保つことが可能である。

【2】

【従来の技術】従来の航空用又は産業用ガスタービン燃焼器は、一般に外筒の内側に金属ライナを設け、外筒と金属ライナとの間が環状の空気通路となっている。このようなガスタービン燃焼器において、ディフューザー入口部を経て流入する空気は、燃焼器入口部で環状通路と燃焼器頭部内に分流され、頭部内に流入する空気は空気旋回器等により再循環保炎流を形成して安定燃焼に寄与し、環状通路を流れる空気はライナ空気孔及びライナ冷却構造を経て燃焼室に流入する。一般に、ライナ前半部の空気孔から流入する空気は燃焼制御とライナ自身の冷却に寄与し、ライナ中・後半部の空気孔から流入する空気は燃焼の完結と燃焼器出口部でのタービン入口ガス温度分布調整に用いられている。そのほか、環状通路を流れる空気は、ライナを燃焼熱から保護するための冷却用に用いられる。ライナ冷却空気はライナ冷却構造によって流量が制限され、作動条件の変化の必要性に応じた流量の制御はできない。

【20】
図2は本発明の他の実施形態に係るガスタービン燃焼器20の要部を示し、前記実施形態と同様な構成については同じ引出符号を用いて表して説明を省略し、特徴点のみを詳細に説明する。

【21】
本実施形態では耐熱材壁21、21’には、耐熱温度が少なくとも900K以上の耐熱性のある炭素繊維やセラミック繊維等の非金属繊維を、冷却空気が流通可能に不織状又は編網状あるいは織布状に形成してなる非金属繊維複合材を採用し、燃焼室に面する側では耐熱1800K以上の非金属耐熱材で直接燃焼室壁面を構成してある。該耐熱材壁21は外筒に固着され、燃焼室壁面を構成する境界領域は緻密構造層22、22’にし、より耐熱性を高めるために、その表面を化学蒸着法(CVD)等によって耐熱・酸化処理を行なうのが好ましい。

【22】
上記実施形態によれば、耐熱材壁21、21’自体が繊維状構造で通気性を有するので、該耐熱材壁に冷却空気を流すことにより、空気は大きな圧力損失を生じることなく燃焼室内に滲み出して、燃焼のコントロールや燃焼室壁面の適度の冷却を行なうことができる。従って、緻密構造層22の緻密度を適宜選択することによって、燃焼室に滲みだす空気量を適宜コントロールすることができる。また、燃焼室壁の前部と後部の緻密度を適宜選択することによって、燃焼室の前部と後部に滲みだす空気量を適宜コントロールすることもできる。また、耐熱材壁を繊維状複合材は、軽量であり、且つ衝撃に強く剥がれや割れが生じにくいという利点がある。なお、燃焼室への空気噴射が必要な場合は、前記実施形態と同様に、耐熱材壁内に別個に空気通路を設けて空気を供給するようにすることも可能である。

【23】
図3は本発明に係るガスタービン燃焼器のさらに他の実施形態を示している。本実施形態のガスタービン燃焼器30では、外筒31、31’に流れに沿って板状の支持体32、32’を適宜間隔で平行に設け、該支持体の先端部にセラミック等の耐熱材からなる同一形状の長尺状の耐熱壁部材33、33’を燃焼器主軸と平行に燃焼室入口側からノズル部に延び且つ互いに近接させて取り付けて、多板保持耐熱構造の耐熱材壁35、35’を構成している。支持体32、32’の取付構造としては、例えば図4に示すように、外筒31、31’の内面に軸線方向に沿って蟻溝状の取付溝36を形成し、支持体の基部37を該蟻溝状の取付孔に嵌合する形状に形成することにより、耐熱材壁を外筒31に着脱可能に取り付けることができる。

【24】
該実施形態において、支持体32、32’間に沿って空気を流すことにより、空気は燃焼ガスによって過熱される断熱部材33、33’から熱伝導を外筒に伝えることを防ぐことができ、かつ耐熱壁部材33、33’の隙間あるいは小孔より適宜燃焼室内に冷却空気を滲みださせることができる。また、この構造は燃焼器の高温化に伴って外筒等が熱膨張変形した場合、図5(a)に示すように、耐熱壁部材33、33’の間隔が開いて燃焼室内へ流入する壁面冷却用空気の増加をもたらし、熱膨張変形を補償する自動冷却空気調整機能を合わせもつ。また、断熱ライナを構成する耐熱壁部材等に部分的な割れや損傷が発生した場合にはその耐熱壁部材部分だけ取り替える互換性をもたすことができる。

【25】
以上、本発明のガスタービン燃焼器の種々の実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限るものでなく、その技術的思想の範囲内で種々の設計変更が可能である。

【26】

【発明の効果】以上のように、本願発明のガスタービン燃焼器は、従来の金属ライナに代えて非金属耐熱材によって耐熱材壁を構成しているため、燃焼室壁の耐熱性を従来の金属ライナの1000K~1200Kに比べ飛躍的に向上させることができる。その結果、燃焼室壁面温度を1200K以上、望ましくは1800~2050Kに保つことができ、壁面近傍での燃焼反応を遅延させることがない。したがって、炭化水素や一酸化炭素等の未燃焼排出物を飛躍的に低減することができる。さらに、冷却空気量を削減できるので、その分の空気を希薄燃焼に使うことができ、窒素酸化物NOxの発生も低減することができる。

【27】
そして、必要な空気量のみを耐熱材壁そのものから、あるいは内部に特別に設けた空気通路により燃焼器の必要部分に必要量だけ供給することができ、燃焼効率の向上が図られ、且つ燃焼器の小型化と軽量化を図ることができる。また、従来ガスタービンの部材の中で最も耐久性に懸念のあった金属ライナを用いずに非金属系の耐熱材を用いるので、変形や損傷が少なく、且つ熱膨張係数も金属に比べて格段に小さいので変形による疲労も考慮する必要がない。

【28】
さらに、非金属系耐熱材壁の熱伝導率が金属と比べて格段に小さいので、燃焼室壁面側が高温になっても外筒壁面側は低温を維持することができ、燃焼室壁面側の高温化に伴う外筒の輻射過熱を防止することができる。燃焼ガスは耐熱材壁面での過度の冷却がないため、タービン入口ガス温度分布の半径方向均等化がはかり易い。

【3】
従来の金属ライナの耐熱温度は1000K~1200K程度であるため、ライナがその温度以上に加熱されるのを防止するのに、燃焼器に供給される空気量の通常20~40%を冷却用に用いている。しかしながら、近時のガスタービン燃焼器は燃料消費率向上を目指して設計圧力比の上昇、再生サイクルの採用等により流入空気温度の高温化が著しく、それに伴い燃焼ガス温度が上昇しているため、金属ライナを上記耐熱温度以下に保つにはより多くの冷却空気量が必要となってきている。反面、最近排出ガスの清浄化の要求から燃焼器上流部分の燃料/空気混合気の希薄化を図る等、燃焼制御に利用する空気の割合が増大し、その結果タービン入口ガス温度分布調整用空気(希釈空気)量が減少し、したがって環状通路を流れる冷却空気流速が低減し、ライナ及び外筒内面を対流冷却する能力が低下している。

【4】
従来のガスタービン燃焼器においては、圧力噴射弁を採用していたため、燃料粒径が大きく長い火炎となっており、希釈空気孔からの多量の空気により燃焼器出口でガス温度分布調整を行なっていた。しかしながら、近時は気流微粒化噴射弁の採用により火炎を短くすることが可能となり、燃焼器出口ガス温度分布は主として燃焼器上流側の燃焼制御によりほぼ決定される状況となっている。そのため、最近のガスタービン燃焼器においては下流側での希釈空気量が極端に少なくなってきている状況にある。

【5】
また、排出ガス清浄化のため燃料分配供給法(フューエルステージング)を採用すると、燃料供給箇所が増すことにより燃焼室断面や長さが増大し、被冷却ライナー面積が大きくなる。それに伴い必然的に冷却空気量も多くしなければならない。この壁面近傍の冷却空気に燃料が混入すると燃焼反応が不完全となり未燃焼成分排出の原因となる。特に、APU(補助動力装置)など小型のガスタービンエンジンでは燃焼器ライナの比表面積(燃焼室容積あたりのライナ面積)が大きいため、燃焼ガス量の割に多くの冷却空気を必要とし、未燃焼成分が排出し易いという問題がある。このAPUは最近の空港混雑に伴い地上での使用時間が長くなっているため、未燃焼の炭化水素や一酸化炭素の排出が各空港で大きな問題となっている。

【6】

【発明が解決しようとする課題】上記のように、近時の高圧力比を採用したガスタービン燃焼器では燃焼ガス温度が高く、ライナ冷却のための多くの冷却空気量を必要とする反面、有害排出ガス低減対策のため希釈空気が減少し、かつ冷却空気量の低減が求められている。そのため、環状通路を流れる空気流速が低下し、ライナ及び外筒冷却能力が低下している。換言すれば、高負荷条件ではライナに高い断熱性が要求されている。また、低負荷条件での未燃焼排出物の低減にはライナ冷却空気の低減、即ち燃焼室壁面の高温化が最も効果があるが、金属ライナを設けた従来のガスタービン燃焼器では、金属ライナの耐熱温度により制限されるという問題点があった。

【7】
本発明は、上記実情に鑑み創案されたものであって、燃焼室壁面の温度を従来の金属ライナを用いたものに比べて格段に上昇させて、燃焼室壁面近傍の燃焼反応遅延防止が可能となり、未燃焼排出物の低減と燃焼効率の向上を図ることができ、さらに外筒と燃焼室壁面間に送給する空気量を従来と比較して格段に低減することができ、燃焼器の小型化と軽量化を図ることができる新規な耐熱材壁構造を有するガスタービン燃焼器を提供することを目的とするものである。

【8】

【課題を解決するための手段】本発明者は、燃焼効率の向上及び未燃焼排出物の低減にはライナ冷却空気の低減、又は燃焼室壁面の高温化が最も効果があることに鑑み、上記問題点を解決するために種々研究した結果、従来の金属ライナに代えて1000℃以上、望ましくは1600~1800℃の壁面温度に上昇可能な耐熱・断熱構造を有し、且つ外筒を過熱させることのない新たな耐熱・冷却構造を着想し、本発明に到達したものである。

【9】
即ち、本発明のガスタービン燃焼器は、燃焼器外筒内面に燃焼室を包む壁面が非金属系耐熱材により形成されている耐熱材壁を備え、該耐熱材壁内に空気通路を有し、該空気通路から前記燃焼室内に所要空気を通過・分配する構造になっていることを特徴とするものである。なお、非金属系耐熱材としては、必ずしも非金属に限らず、耐熱性があり且つ熱伝導率が低く全体として非金属的であればよく、例えば傾斜機能材のように一部金属を含むものであっても良い。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6