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明細書 :熱電変換モジュール

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第2884070号 (P2884070)
公開番号 特開平10-144970 (P1998-144970A)
登録日 平成11年2月12日(1999.2.12)
発行日 平成11年4月19日(1999.4.19)
公開日 平成10年5月29日(1998.5.29)
発明の名称または考案の名称 熱電変換モジュール
国際特許分類 H01L 35/32      
H01L 35/16      
H01L 35/30      
FI H01L 35/32 A
H01L 35/16
H01L 35/30
請求項の数または発明の数 1
全頁数 5
出願番号 特願平08-314249 (P1996-314249)
出願日 平成8年11月11日(1996.11.11)
審査請求日 平成8年12月6日(1996.12.6)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】391037397
【氏名又は名称】科学技術庁航空宇宙技術研究所長
発明者または考案者 【氏名】野田 泰稔
【氏名】康 燕生
【氏名】森谷 信一
【氏名】須藤 孝幸
【氏名】毛呂 明夫
個別代理人の代理人 、【弁理士】、【氏名又は名称】松隈 秀盛
審査官 【審査官】粟野 正明
参考文献・文献 特開 平8-255935(JP,A)
特開 昭63-110689(JP,A)
特開 平2-170558(JP,A)
特開 平7-326804(JP,A)
特開 昭64-37456(JP,A)
特開 平5-55640(JP,A)
実開 昭63-29966(JP,U)
調査した分野 H01L 35/32
H01L 35/16
H01L 35/30
H01L 35/14
特許請求の範囲 【請求項1】
熱電変換モジュールの熱電変換素子の熱電半導体が、PbTe系熱電半導体材料より成り、
上記熱電変換素子の電極がFe系電極材料より成り、
金属セグメントが、Feより成り、
熱伝達部が、アルミナ(Al)セラミック層をコーティングしたFeよりなる金属板もしくは金属層より成ることを特徴とする熱電変換モジュール。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【1】

【発明の属する技術分野】本発明は、熱エネルギーを電力に変換する熱電変換モジュールに係わる。

【10】
電極12を構成する金属板の厚さは、任意に選定し得るが、例えば最終的に得る熱電変換素子本体11の厚さが4mmとする場合、電極金属板の厚さは、3mm程度に選定し得る。また、電極12には、後述する固定ねじを螺入するねじ穴13が形成される。

【11】
このようにして熱電変換素子本体11の導電型が、それぞれn型およびp型の各熱電変換素子を構成する。

【12】
このような構成による熱電変換素子10は、図3に示すように、対のn型およびp型の各熱電変換素子10を、互いにその一方の電極12を、金属セグメント15Aに、電気的に接続し、各他方の電極12を互いに他の金属セグメント15Bに接続するいわゆるπ型熱電変換素子対を構成する。各電極12の各金属セグメント15Aおよび15Bに対する固定は、固定ねじ18を各金属セグメント15Aおよび15Bを貫通し、電極12に形成したねじ穴13に螺入することによって行うことができる。

【13】
そして、このπ型熱電変換素子対を、図1に示すように、この図1の紙面と直交する面に2次元的にそれぞれ複数個配列し、各π型熱電変換素子対の例えばセグメント15A側において、共通の熱エネルギーを与える高温側の熱伝達部26Hに結合し、他方のセグメント15Bを冷却側の熱伝達部26Lに結合する。この場合、それぞれ絶縁性のセラミック、テフロン等の固定ねじ18によって固定して熱電変換モジュールを構成することができる。

【14】
そして、本発明による熱電変換モジュールにおいては、高温側熱伝達部26Hおよび冷却側熱伝達部26Lを、セラミック特にアルミナコーティングがなされたFe金属板もしくは金属層によって構成する。すなわち、例えば金属板28の必要箇所にねじ穴等を貫通穿設して後、全表面に、厚さ10μm~50μmに熱伝動度の高いAの溶射してセラミック層27をコーティングすることによって構成する。このようにして、この熱伝達部26Hおよび26Lおいて、セラミック層27によって電気的絶縁の機能例えば熱電変換素子10の金属セグメント15Aおよび15Bに対する電気的絶縁の機能を持たしめ、金属板28によって主として熱伝達機能を持たしめる。

【15】
このように、セラミック層27を金属板28にコーティングした熱伝達部26Hおよび26Lは、セラミック層27と金属板28とが密着して一体化して構成されることによって、セラミックの欠点である脆性を内部の金属板28の靱性によって補償することができる。また、セラミック層27を、熱伝導度の高いアルミナ(Al2 3 )によって構成することによって、金属セグメントと金属板28との熱伝導、さらに金属板28と他部との熱伝導を効率良く行うことができると共に、電気的には確実に絶縁することができる。

【16】
そして、金属板28の表面にコーティングしたセラミック層27の表面を平滑にすることによって、これら熱伝達部26Hおよび26Lと、金属セグメント15Aおよび15Bとをより密着させることができ、熱的結合をより密に行うことができる。

【17】
また、上述の熱伝達部26Hおよび26Lにおいて、その厚さ方向に生じる温度勾配によって熱伝達部に反りが生じ、セラミック層27と金属板28との結合が充分でなくなるおそれがある場合は、セラミック層と金属層とをそれぞれ交互に溶射して積層した多層構造とすることによって、各層間の相互作用によって温度勾配による熱応力が熱伝達部内部で緩和され、セグメント15Aおよび15Bと熱伝達部26Hおよび26Lとの熱的結合および電気的絶縁を確実に行うことができるようにすることができる。また、このようなセラミックスと金属の溶射による積層の際、セラミックスと金属を混合するようにし、積層する際にセラミックスと金属の混合の割合を連続的または階段状にすることによって、熱伝達部に発生する熱応力を低減することができる。

【18】
また、本発明構成において、熱電変換素子本体11は、例えば、中温域用において高い熱電変換効率を示す熱電変換素子として知られているPbTe系熱電変換半導体材料によって構成す

【19】
この熱電変換素子本体11の熱電半導体が、PbTe系熱電半導体材料によって構成される場合は、電極12はFe系電極材料によって構成することによって、熱電変換素子本体11に対して電極12が良好にオーミックコンタクトされる。また、この場合には、金属セグメント15Aおよび15Bは、Feより成る構成とすることが電極12との電気的に安定にコンタクトすることができる。そして、この場合には、熱伝達部26は、Fe金属板28にアルミナ(Al)セラミック層27をコーティングした構成とすることが好ましい。

【2】

【従来の技術】従来の熱電変換モジュールにおける高温側および低温側の熱伝達がなされる熱伝達部は、熱伝導性にすぐれた金属板によって構成されていることから、この熱伝達部と、熱電変換素子の電極に接続されるあるいは電極を兼ねる金属セグメントとの結合は、熱伝達部と金属セグメントとの間に、セラミック板等の電気的絶縁薄板を介在させる必要があった。すなわち、熱電変換モジュールの低温側および高温側において、金属熱伝達部とセラミック薄板、セラミック薄板と金属セグメントとの間の2箇所、合計4箇所の接触部が存在する。

【20】


【21】


【22】
また、電極12についても、熱電変換素子の使用態様に応じて種々の形状を採ることができる。例えば図3に示すように、固定ねじを螺入させるねじ穴13や、凹部等が形成された電極構成とする場合には、上述したプラズマ活性化焼結工程で用いる電極材料の金属板として、予め上述したねじ穴13や、凹部等が形成された金属板を用いるとか、熱電変換素子本体11と一体に形成された電極12に対してねじ穴、凹部、透孔等を形成することもできる。

【23】
図1の構成においては、両熱伝達部16Hおよび16L側からそれぞれ固定ねじ18によって固定する構成としたが、或る場合は、熱伝導性の低い絶縁性の固定ねじを、例えば予め熱電変換素子本体11に形成した透孔を貫通させて固定する構成とすることができる。

【24】
また、上述した例では、熱電変換素子の電極12とは別体に金属セグメント15Aおよび15Bを設けた場合であるが、金属セグメント15Aおよび15Bを電極12を兼ねる構成とすることができる。また金属セグメントを熱伝達部26H,26Lのセラミック層27に所定のパターンに被着形成した金属層によって構成することもできる。

【25】
上述したように、本発明構成によれば、熱電変換モジュールの熱伝達部が、セラミック層をコーティングした金属板もしくは金属層によって構成するとか、セラミック層と金属層との繰り返し積層構造として、電気的絶縁を行う部材と良好な熱伝導を行う部材とが一体化された構成とされているので、両部材の相互の熱的結合を密にするために、熱電変換モジュールの組み立てに当たり、両部材をボルト締めや、大きな荷重を掛けて圧接する作業を回避でき、これに伴う各部材の破損を回避できる。また、部品点数の減少化がはかられることにより、これに伴う組み立て工数の低減化をはかることができる。

【26】

【発明の効果】上述したように、本発明構成によれば、熱電変換モジュールの熱伝達部が、電気的絶縁を行うセラミック層と熱的伝達を行う金属板もしくは金属層とが一体化された構成とされているので、熱電変換モジュールの組み立てに当たり、両部材の相互の熱的結合を密にするために、両部材をボルト締めや、大きな荷重を掛けて圧接する作業を回避でき、これに伴う各部材の破損を回避でき、熱電変換特性および信頼性にすぐれ、したがって長寿命化がはかられる熱電変換モジュールを構成することができる。

【27】
また、部品点数の減少化がはかられることにより、これに伴う組み立て工数の低減化をはかることができ、量産性の向上、したがって、コストの低廉化をはかることができる。

【3】

【発明が解決しようとする課題】図4は、既に提案されている熱電変換モジュールの要部の概略断面図で、この熱電変換モジュールは、図3にその概略断面図を示すように、対のn型およびp型の各熱電変換素子10を、互いにその一方の電極12を、金属セグメント15Aに電気的に接続し、各他方の電極12を互いに他の金属セグメント15Bに接続し、これら金属セグメント15Bを発電出力端子とするいわゆるπ型熱電変換素子対によって構成される。このπ型熱電変換素子の、各電極12の各金属セグメント15Aおよび15Bに対する固定は、固定ねじ18を各金属セグメント15Aおよび15Bを貫通し、電極12に形成したねじ穴13に螺入することによって行うことができる。

【4】
そして、この構成によるπ型熱電変換素子対を、図の紙面と直交する面に2次元的にそれぞれ複数個配列し、各π型熱電変換素子対の例えば金属セグメント15A側において、共通の熱エネルギーを与える高温側の熱伝達部16Hに、例えばセラミック薄板等による絶縁性薄板17Aを介して電気的に絶縁して熱的に結合し、また、他方の金属セグメント15Bを冷却側の熱伝達部16Lに同様の例えばセラミック薄板等による絶縁性薄板17Aを介して電気的に絶縁して熱的に結合して、それぞれ絶縁性のセラミック、テフロン等の固定ねじ18によって固定する。また、各熱伝達部の各外側面にもセラミック薄板等よりなる絶縁性薄板17Bを配置する。

【5】
このように、各熱伝達部と、金属セグメントとの間、更にその表面にセラミック薄板による絶縁性薄板を配置した構成とする場合、各重ね合わせ面の熱的結合を密に行う必要があることから、各重ね合わせは、ボルト締めや、大きな荷重を掛けてることによって、互いに圧接させる必要があり、この圧接や、ボルト締めのための加工によって、セラミック薄板に破損を来すなど、不良品の発生、信頼性の低下を来し易く、また部品点数が多いことに伴う組み立て工数が多いなど量産性に問題がある。

【6】
本発明は、熱電変換モジュールにおいて、上述した組み立て時の破損の問題、すなわち不良品の発生、信頼性の低下の問題、さらに部品点数が多いことに伴う組み立て工数が多く量産性を阻害する問題の解決をはかるものである。

【7】

【課題を解決するための手段】本発明は、熱電変換モジュールの熱伝達部が、セラミック層がコーティングされた金属板もしくは金属層より構成するか、あるいはセラミック層と金属層との積層体より成り、熱電変換素子の金属セグメントと熱伝達部との間の電気絶縁をはかり、かつ良好な熱伝導をはかる。特に本発明においては、熱電変換モジュールの熱電変換素子の熱電半導体が、PbTe系熱電半導体材料より成り、電極がFe系電極材料より成り、金属セグメントが、Feより成り、熱伝達部が、アルミナ(Al)セラミック層をコーティングしたFeよりなる金属板もしくは金属層より成る構成とする。

【8】
上述したように、本発明構成によれば、熱電変換モジュールの熱伝達部が、セラミック層をコーティングした金属板、あるいはセラミック層と金属層が積層された構造、すなわち電気的絶縁を行う部材と良好な熱伝導を行う部材とが一体化された構成とされているので、従来におけるような両部材の相互の熱的結合を密にするために、熱電変換モジュールの組み立てに当たって両部材をボルト締めや、大きな荷重を掛けて圧接する作業を回避でき、これに伴う各部の破損を回避できる。また、部品点数の減少化がはかられることにより、これに伴う組み立て工数の低減化をはかることができる。

【9】

【発明の実施の形態】図1は、本発明による熱電変換モジュールの一実施例の要部の概略断面図を示す。まず、図2に、その一例の概略断面図を示すように、熱電変換モジュールを構成するPbTe系熱電変換素子10を構成する。この場合、熱電変換素子本体11の作製と同時にこれと一体にこの熱電変換素子本体11に対するFe電極12を形成することができる。この熱電変換素子本体11と電極12とを一体に形成する方法としては、カーボンダイスの中空内に、熱電変換素子本体11の構成材料とその上下に電極12を構成する金属板を配置して、その上下からカーボンパンチを押圧し、大電流の通電によってプラズマアークを発生させて焼結ないしは接合を行うことができる。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3