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明細書 :ロケットフェアリングの分割構造および分割方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3223171号 (P3223171)
公開番号 特開2000-185699 (P2000-185699A)
登録日 平成13年8月17日(2001.8.17)
発行日 平成13年10月29日(2001.10.29)
公開日 平成12年7月4日(2000.7.4)
発明の名称または考案の名称 ロケットフェアリングの分割構造および分割方法
国際特許分類 B64G  1/64      
FI B64G 1/64 C
請求項の数または発明の数 3
全頁数 13
出願番号 特願平10-367858 (P1998-367858)
出願日 平成10年12月24日(1998.12.24)
審査請求日 平成10年12月24日(1998.12.24)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000119933
【氏名又は名称】宇宙開発事業団
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
発明者または考案者 【氏名】福島 幸夫
【氏名】清水 隆三
【氏名】松永 浩史
【氏名】安永 芳文
【氏名】松田 豊
個別代理人の代理人 【識別番号】100075557、【弁理士】、【氏名又は名称】西教 圭一郎 (外3名)
審査官 【審査官】小山 卓志
参考文献・文献 特開 平8-164899(JP,A)
特開 平5-24598(JP,A)
調査した分野 B64G 1/64
特許請求の範囲 【請求項1】
推進用ロケット本体の先端部に、搭載物を収容する複数の収容空間が形成されるフェアリングが設けられ、このフェアリングは、各搭載物を支持する支持台と、各搭載物を外囲する周壁とを有し、各搭載物は、各収容空間内で支持台によって推進用ロケット本体側で支持され、各搭載物を支持台から分離するときに、各搭載物を外囲する周壁を分割して、その搭載物が収容される収容空間を開放するロケットフェアリングの分割構造において、
最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物を外囲する周壁は、その軸線を含む平面で相互に分割可能な各周壁部分から成り、各周壁部分を、推進用ロケット本体寄りの端部における周方向両端部間の中央位置で、最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物を支持する支持台に連結するためのヒンジ手段が設けられ、
最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物を外囲する各周壁部分に、推進用ロケット本体から離反する側の端部が相互に離反するようにヒンジ手段を中心にして角変位させる力を与える開頭手段が設けられ、
最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物を支持する支持台は、ロケット本体と一体に形成され、
最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物を外囲する各外周壁部分を、最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物の放てき時に干渉しない保持角度位置まで角変位された状態で、保持するための保持手段が設けられることを特徴とするロケットフェアリングの分割構造。

【請求項2】
最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物に対して推進用ロケット本体から離反する側において隣接して配置される搭載物を支持する支持台は、前記最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物を外囲する周壁の周壁部分に一体的に設けられることを特徴とする請求項1記載のロケットフェアリングの分割構造。

【請求項3】
推進用ロケット本体の先端部に、搭載物を収容する複数の収容空間が形成されるフェアリングが設けられ、このフェアリングは、各搭載物を支持する支持台と、各搭載物を外囲する周壁とを有し、各搭載物は、各収容空間内で支持台によって推進用ロケット本体側で支持され、各搭載物を支持台から分離するときに、各搭載物を外囲する周壁を分割して、その搭載物が収容される収容空間を開放するロケットフェアリングの分割方法において、
最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物を外囲する周壁は、その軸線を含む平面で相互に分割可能な各周壁部分から成り、各周壁部分を、ロケット本体寄りの端部における周方向両端部間の中央位置で、各周壁部分が外囲する搭載物を支持する支持台に、ヒンジ手段によって連結し、
最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物を支持する支持台を、ロケット本体と一体に形成し、
最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物に対して推進用ロケット本体から離反する側に配置される他の搭載物を、この他の搭載物を外囲する周壁を分割して、この他の搭載物が収容される収容空間を開放した後に放てきし、
前記他の搭載物を支持する支持台を放てきするとともに、最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物を外囲する周壁を、各周壁部分に分割し、これら各周壁部分を、推進用ロケット本体に離反する側の端部が相互に離反するように角変位させ、最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物の放てき時に干渉しない保持角度位置まで角変位させて、保持することを特徴とするロケットフェアリングの分割方法。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【1】

【発明の属する技術分野】本発明は、デュアルあるいはそれ以上の複数の衛星打上用のロケットフェアリングの分割構造および分割方法に関する。

【10】
本発明に従えば、推進用ロケット本体の先端部に設けられるフェアリングには、複数の搭載物が各収容空間に収容され、各搭載物は、各搭載物を外囲する周壁が分割されて開頭され、収容空間が開放された状態で、支持台から分離されて放てきされる。フェアリングは、各搭載物を支持する各支持台と、各搭載物を外囲する各周壁とを有する。最も推進用ロケット本体寄りの搭載物を外囲する周壁は、相互に分割可能な各周壁部分から成る。このような各周壁部分は、推進用ロケット本体寄りの端部における周方向の中央位置で、ヒンジ手段によって、支持台に連結される。最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物に対して推進用ロケット本体から離反する側に配置される他の搭載物が放てきされた後、最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物を放てきするにあたっては、他の搭載物を支持する支持台が分割され、さらに最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物を外囲する周壁が各周壁部分に分割される。最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物を外囲する各周壁部分は、開頭手段によってヒンジ手段を中心にして角変位させる力が与えられ、推進用ロケット本体寄りの端部が支持台に連結された状態で角変位され、搭載物を放てきする放てき方向前方が広く開放される。さらにこの各周壁部分は、搭載物の放てき時に干渉しない保持角度位置まで角変位された状態で保持手段によって保持される。最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物を外囲する各周壁部分を、支持台から分割して角変位させ保持することによって、この最も推進用ロケット本体寄りの搭載物を放てきするときに、各周壁部分は搭載物に近接しておらず、かつ放てき方向前方に広く開放領域が確実に確保され、この最も推進用ロケット本体寄りの搭載物が、分割前の周壁によって規定される収容空間よりもわずかに小さいだけの搭載物であって、しかもこの搭載物が、フェアリングの軸線から傾斜してずれた方向に、および/または角変位運動しながら放てきされても、各周壁部分が搭載物に干渉してしまうことを防ぐことができる。したがって収容空間に可及的に大きな搭載物の包絡領域を得ることができる。最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物を支持する支持台は、推進用ロケット本体に一体に形成されており、したがって上述のように最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物を外囲する各周壁部分を、支持台に係合される状態で保持することによって、これら各周壁部分が推進用ロケット本体から分離されてしまうことを防ぐことができる。さらに保持手段は、各周壁部分が搭載物に近づく方向に戻ることを防ぐことがきる。このように最も推進用ロケット本体寄りの搭載物のための可及的に大きな包絡領域を得ることができるとともに、さらに加えて最も推進用ロケット本体寄りの搭載物の支持台および周壁部分を、推進用ロケット本体に連結した状態を保ち、単独で分散される分割体の個数を少なくし、宇宙空間、軌道上に放てきされるコンタミネーションを減少することができる。

【11】
本発明において、「開頭」は、搭載物を放てきするために、収容空間を開放することができるように、周壁部分などを変位させることを意味し、周壁部分などは、他の部分から完全に分離されてもよく、また他の部分とヒンジまたは索条などによって係合されていてもよい。

【12】


【13】


【14】
また本発明は、最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物に対して推進用ロケット本体から離反する側において隣接して配置される搭載物を支持する支持台は、前記最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物を外囲する周壁の周壁部分に一体的に設けられることを特徴とする。

【15】
本発明に従えば、推進用ロケット本体から離反する側において隣接する搭載物を支持する支持台は、最も推進用ロケット本体寄りの搭載物を外囲する周壁部分に一体的に設けられる。これによって分割されるフェアリングの分割数を少なくし、他の部分と分離されてしまい単独で分散される分割体の個数を少なくすることができる。

【16】


【17】


【18】


【19】


【2】

【従来の技術】図13は、従来技術のデュアル衛星打上用のロケットフェアリングの分割構造を示す正面図である。衛星を打ち上げるにあたって、打上効率を向上するために、1機の推進用ロケット本体(以下、単に「本体」という場合がある)1に、2つの衛星2,3が搭載され、これら2つの衛星2,3が同時に打ち上げられている。本体1の先端部11には、複数の収容空間4,5が形成されるフェアリング6が設けられている。フェアリング6は、各衛星2,3を支持する支持台7,8と、各衛星2,3を外囲する周壁9,10とを有する。フェアリング6の各収容空間4,5に、各衛星2,3がそれぞれ収容され、これらの衛星2,3は、フェアリング6内で、支持台7,8に本体1側でそれぞれ支持されている。

【20】
さらに本発明は、推進用ロケット本体の先端部に、搭載物を収容する複数の収容空間が形成されるフェアリングが設けられ、このフェアリングは、各搭載物を支持する支持台と、各搭載物を外囲する周壁とを有し、各搭載物は、各収容空間内で支持台によって推進用ロケット本体側で支持され、各搭載物を支持台から分離するときに、各搭載物を外囲する周壁を分割して、その搭載物が収容される収容空間を開放するロケットフェアリングの分割方法において、最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物を外囲する周壁は、その軸線を含む平面で相互に分割可能な各周壁部分から成り、各周壁部分を、ロケット本体寄りの端部における周方向両端部間の中央位置で、各周壁部分が外囲する搭載物を支持する支持台に、ヒンジ手段によって連結し、最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物を支持する支持台を、ロケット本体と一体に形成し、最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物に対して推進用ロケット本体から離反する側に配置される他の搭載物を、この他の搭載物を外囲する周壁を分割して、この他の搭載物が収容される収容空間を開放した後に放てきし、前記他の搭載物を支持する支持台を放てきするとともに、最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物を外囲する周壁を、各周壁部分に分割し、これら各周壁部分を、推進用ロケット本体に離反する側の端部が相互に離反するように角変位させ、最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物の放てき時に干渉しない保持角度位置まで角変位させて、保持することを特徴とするロケットフェアリングの分割方法である。

【21】
本発明に従えば、推進用ロケット本体の先端部に設けられるフェアリングには、複数の搭載物が各収容空間に収容され、各搭載物は、各搭載物を外囲する周壁が分割されて開頭され、収容空間が開放された状態で、支持台から分離されて放てきされる。フェアリングは、各搭載物を支持する各支持台と、各搭載物を外囲する各周壁とを有する。最も推進用ロケット本体寄りの搭載物を外囲する周壁は、相互に分割可能な各周壁部分から成る。このような各周壁部分は、推進用ロケット本体寄りの端部における周方向の中央位置で、ヒンジ手段によって、支持台に連結される。最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物に対して推進用ロケット本体から離反する側に配置される他の搭載物が放てきされた後、最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物を放てきするにあたっては、他の搭載物を支持する支持台が分割され、さらに最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物を外囲する周壁が各周壁部分に分割される。最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物を外囲する各周壁部分は、開頭手段によってヒンジ手段を中心にして角変位させる力が与えられ、推進用ロケット本体寄りの端部が支持台に連結された状態で角変位され、搭載物を放てきする放てき方向前方が広く開放される。さらにこの各周壁部分は、搭載物の放てき時に干渉しない保持角度位置まで角変位された状態で保持手段によって保持される。最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物を外囲する各周壁部分を、支持台から分割して角変位させ保持することによって、この最も推進用ロケット本体寄りの搭載物を放てきするときに、各周壁部分は搭載物に近接しておらず、かつ放てき方向前方に広く開放領域が確実に確保され、この最も推進用ロケット本体寄りの搭載物が、分割前の周壁によって規定される収容空間よりもわずかに小さいだけの搭載物であって、しかもこの搭載物が、フェアリングの軸線から傾斜してずれた方向に、および/または角変位運動しながら放てきされても、各周壁部分が搭載物に干渉してしまうことを防ぐことができる。したがって収容空間に可及的に大きな搭載物の包絡領域を得ることができる。最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物を支持する支持台は、推進用ロケット本体に一体に形成されており、したがって上述のように最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物を外囲する各周壁部分を、支持台に係合される状態で保持することによって、これら各周壁部分が推進用ロケット本体から分離されてしまうことを防ぐことができる。さらに保持手段は、各周壁部分が搭載物に近づく方向に戻ることを防ぐことがきる。このように最も推進用ロケット本体寄りの搭載物のための可及的に大きな包絡領域を得ることができるとともに、さらに加えて最も推進用ロケット本体寄りの搭載物の支持台および周壁部分を、推進用ロケット本体に連結した状態を保ち、単独で分散される分割体の個数を少なくし、宇宙空間、軌道上に放てきされるコンタミネーションを減少することができる。

【22】

【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態のロケットフェアリングの分割構造が実施されるフェアリング30を示す正面図である。フェアリング30は、デュアル衛星打上用のフェアリングであって、衛星を打ち上げるときの効率を向上するために、1機の推進用ロケット本体(以下、単に「本体」という場合がある)31に、2つの人工衛星(以下、単に「衛星」という場合がある)32,33を搭載して、これら2つの衛星32,33を同時に打ち上げるために用いられる。フェアリング30は、ロケットエンジンによって推進力を発生する本体31の先端部35に設けられ、複数、本実施の形態では衛星と同数の2つの収容空間36,37が形成される。このフェアリング30は、各衛星32,33を支持する支持台51,54と、各衛星32,33を外囲する周壁43,44とを有する。各衛星32,33は、各収容空間36,37に個別に収容され、各収容空間36,37内で、各支持台51,54によって、本体31側でそれぞれ支持されている。

【23】
図2は、フェアリング30を分解して示す正面図である。図1をも併せて参照して、フェアリング30は、複数の分割体51~56に分割可能である。分割体51は、円錐台状の支持台51から成り、本実施の形態では、この分割体51は、本体31の先端部35に一体に形成されている。各分割体52,53は、直円筒状の周壁43を軸線を含む平面で分離した半直円筒状の周壁部分であり、直円筒状となるように、相互に結合解除可能に結合される。さらに各分割体52,53は直円筒状に結合された状態で、軸線方向一端部が、本体31の先端部35である分割体51の大径となる軸線方向一端部に、結合解除可能に結合されている。各分割体52,53が分割体51に結合された状態では、分割体51は、各分割体52,53から成る直円筒内に、突出して入り込んでいる。分割体54は、支持台54であって、円錐台状の支持部41と、直円筒状の外周部分60とを有し、支持部41は、外周部分60の軸線方向一端部に連なって、外周部分60から離反するように先細状に突出している。この分割体54は、外周部分60の軸線方向他端部で、各分割体52,53の軸線方向他端部に結合解除可能に結合されている。

【24】
各分割体55,56は、周壁部分であり、半直円筒状部分63,64と、半円錐状部分65,66とをそれぞれ有し、相互に結合解除可能に接続され、この結合された状態で、軸線方向一端部が先細状となって塞がれる有底筒状となる。各分割体55,56は、有底筒状となるように相互に結合された状態で、開放される軸線方向他端部側で、各半直円筒状部分63,64が分割体54の外周部分60の軸線方向一端部に、結合解除可能にそれぞれ結合されている。この状態で、支持部41は、各半直円筒状部分63,64から成る直円筒内に突出して入り込んでいる。

【25】
各分割体51~54によって収容空間36が規定され、この収容空間36内で分割体51によって支持される衛星32は、各分割体52,53から成る周壁43によって半径方向外方から外囲される。各分割体54~56によって収容空間37が規定され、この収容空間37内で分割体54に支持される衛星33は、各分割体55,56から成る周壁44によって半径方向外方から外囲される。また本実施の形態では、衛星33を支持する分割体54は、外周部60が、各周壁43,44と面一となるように設けられており、衛星32を外囲する周壁の一部として機能している。

【26】
このようなフェアリング30を用いて、各衛星32,33を打ち上げるときには、各衛星32,33は、フェアリング30の各収容空間36,37にそれぞれ収容された状態で、本体31の推進力によって衛星を放てきすべき軌道まで打ち上げられる。この軌道まで打ち上げられたとき、各衛星32,33は、各衛星32,33を外囲する周壁43,44が周壁部分である各分割体52,53,55,56に分割されて各収容空間36,37が開放され、支持台である各分割体51,54から分離されて放てきされる。

【27】
詳しく述べると、各衛星32,33は、まず本体31から離反する側に配置される衛星33から放てきされる。まず第1に、ロケットが所定の高度に達し、フェアリング30により空力加熱等の環境から衛星32,33を保護する必要がなくなった時点で、各分割体55,56が、相互にかつ分割体54から分割されて衛星33から離反するように開頭される。各分割体55,56は、各半直円筒状部分63,64の軸線方向他端部が、周方向両端部間の中央位置において、ヒンジ手段70,71によって連結されている。各ヒンジ手段70,71は、各分割体55,56が図1に示すように相互に結合された状態から第1の所定の角度未満の角度範囲で角変位しているときには、各分割体55,56と分割体54とを角変位可能にそれぞれ係合し、各分割体55,56が分割体54に対して第1の所定の角度以上角変位したときには、各分割体55,56が分割体54から離脱することができるように、各分割体55,56と分割体54とを連結する。

【28】
また各分割体54~56は、結合および結合解除手段72~74によって、結合解除可能にそれぞれ結合されている。結合および結合解除手段72~74による結合が解除されると、各分割体54~56はそれぞれ分割される。このように各分割体54~56が相互に分割されると、図示しないばねなどによって実現される開頭手段によって各分割体55,56に、ヒンジ手段70,71を中心として、各分割体55,56の軸線方向一端部が相互に離反するように、すなわち先端部を開くように開頭する力、本実施の形態ではばね力が与えられ、各分割体55,56が矢符C1,C2の方向に角変位される。各分割体55,56が第1の所定の角度より小さい第2の所定の角度以上にばねなどの開頭手段の力によって角変位されると、以降において各分割体55,56は慣性およびロケットの推進力の反力によって角変位しながら開頭を続け、さらに第1の所定の角度になった時点で、各分割体55,56がヒンジ手段70,71から解放され、分割体54から離反するように、矢符D1,D2方向に開頭、すなわち分離されて放てきされる。このように衛星33を外囲する周壁44は、分割された後に、衛星から離反するように開頭される。各分割体55,56がこのように開頭された後に、衛星33が、分割体54から分離され、図示しないばね手段によって、分割体54から離反する方向、すなわち本体31から離反する方向Eに押圧され、放てきされる。

【29】
次に本体31寄りに配置される衛星32が放てきされる。衛星33が放てきされた後に、本体31によって衛星32を放てきすべき軌道まで移動し、衛星32が放てきされるべき軌道に達したときに、各分割体52~54が相互に分割されるとともに、各分割体52,53が分割体51から分割されて衛星32から離反するように開頭される。

【3】
図14は、従来技術のフェアリング6を分解して示す正面図である。フェアリング6は、複数の分割体12~15に分割可能である。分割体12は、円錐台状の支持台7と、円筒状の周壁部分16とを有し、支持台7は、周壁部分16の軸線方向一端部に連なり、周壁部分16に入り込んでいる。支持台7は、本体1の先端部11の一部によって構成され、この分割体12は、本体1の先端部11に一体的に固定されている。分割体13は、円錐台状の支持台8と、円筒状の周壁部分17とを有し、支持台8は、周壁部分17の軸線方向一端部に連なって、周壁部分17から先細状に突出している。この分割体13は、周壁部分17の軸線方向他端部で、分割体12の周壁部分16の軸線方向他端部に結合解除可能に結合されている。各分割体12,13によって収容空間4が規定され、この収容空間4内の衛星2を外囲する周壁9は、各周壁部分16,17から成る。

【30】
各分割体52,53は、軸線方向一端部が、周方向両端部間の中央位置において、ヒンジ手段75,76によって連結されている。各ヒンジ手段75,76は、前述のヒンジ手段70,71と同様の構成を有し、各分割体52,53が図1に示すように相互に結合された状態から第1の所定の角度未満の角度範囲で角変位しているときには、各分割体52,53と分割体51とを角変位可能に連結し、各分割体52,53が分割体51に対して、第1の所定の角度以上角変位したときには、各分割体52,53は、分割体51から離脱することができるように、各分割体52,53と分割体51とを連結する。

【31】
また各分割体51~54は、結合および結合解除手段150~153によって結合解除可能に結合されている。結合および結合解除手段150~153による結合が解除されると、各分割体51~54は分割される。このように各分割体51~54が相互に分割されると、図示しないばねなどによって実現される開頭手段によって分割体54が各分割体52,53から分離され、衛星33から離反する方向、すなわち本体から離反する方向Fに開頭、すなわち放てきされ、後述のばねなどによって実現される開頭手段87,88によって、各分割体52,53に、ヒンジ手段75,76を中心として、各分割体52,53の軸線方向他端部が相互に離反するように、すなわち先端部を開くように開頭する力、本実施の形態ではばね力が与えられ、各分割体52,53が矢符G1,G2の方向に角変位される。各分割体52,53が第1の所定角度よりも小さい第2の所定の角度以上に開頭手段87,88の力によって角変位されると、以降において各分割体52,53は、慣性およびロケットの推進力の反力によって角変位しながら開頭を続け、さらに第1の所定の角度よりも小さく、かつ第2の所定の角度よりも大きい第3の所定の角度まで角変位したとき、後述するように開頭手段87,88によって保持される。このように衛星32を外囲する周壁43は、分割された後に、衛星32から離反するように開頭される。各分割体52,53がこのように開頭された後に、衛星32が、分割体51から分離され、図示しないばね手段によって、分割体51から離反する方向、すなわち本体31から離反する方向Hに押圧され、放てきされる。

【32】
このように本発明は、本体31の先端部35に、衛星32,33を収容する複数の収容空間36,37が形成されるフェアリング30が設けられ、各衛星32,33は、各収容空間36,37内で分割体51,54によって本体31側で支持され、各衛星32,33をフェアリング30の一部である分割体51,54から分離するときに、各衛星32,33を外囲する周壁43,44を、周壁部分である分割体52,53,55,56に分割して、その衛星32,33が収容される収容空間36,37を開放する推進用ロケットフェアリングの分割構造において、複数の衛星32,33のうち、本体31寄りに配置される衛星32を外囲する周壁43は、周壁部分である各分割体52,53に分割されて衛星32から離反する方向に開頭される。

【33】
また各衛星32,33の放てきにあたっては、本体31寄りに配置される衛星32に対して本体31から離反する側において隣接して配置される他の衛星33を、この他の衛星33を外囲する領域の周壁44を分割して、この他の衛星33が収容される収容空間37を開放した後に、支持台54から分離して放てきし、衛星33を支持する分割体54と、本体31寄りに配置される衛星32を外囲する周壁43の分割体52,53とを、本体31寄りに配置される衛星32から離反する方向に開頭させ、本体31寄りに配置される衛星32が収容される収容空間36を開放する。

【34】
このように複数の衛星32,33のうち、本体31寄りに配置される衛星32を外囲する周壁43は、分割体52,53に分割されて衛星32から離反する方向に開頭される。これによって図3に示すように、本体31寄りの衛星32を分割体51から分離して放てきするときには、周壁43が衛星32を近接した位置で外囲せず、衛星32から退避しているので、分割前の周壁43によって規定される収容空間36よりもわずかに小さいだけの包絡領域83に配置される衛星32であっても、衛星32がフェアリング30の軸線方向から傾斜してずれた放てき方向に放てきされ、および/または衛星32が角変位運動をしながら放てきされても、衛星32に周壁43が干渉してしまうことがない。したがって衛星32の本体31寄りの部分を、先細となるテーパ状、たとえば円筒状であるフェアリング30に対応した円錐台状にして、干渉をさける必要がなく、円筒状とすることができ、収容空間36に可及的に大きな衛星32の包絡領域83を得ることができる。つまり従来技術では、本体31から離反する側の衛星33の包絡領域84と同一の外径を有する円筒状の包絡領域を得ることができなかったのに対して、本発明のように、衛星32を外囲する周壁43の全部分を、衛星32から離反するように開頭させて退避させることによって、衛星33の包絡領域84と同一の外径を有する円筒状の包絡領域83を得ることができる。この包絡領域83は、1機の本体で1つの衛星を打ち上げるシングル衛星打上用のフェアリングにおける包絡領域と同じ外径を確保している。

【35】
また衛星32を外囲する周壁43が分割される分割体52,53は、本体31寄りの一部でヒンジ手段75,76によって角変位可能に設けられており、さらに分割体52,53を衛星32から離反する方向に変位する力を、各分割体52,53に与える開頭手段87,88を含む。この開頭手段87,88は、たとえば図4に示すような、一端部が各分割体52,53に連結され、他端部が本体31の先端部35に連結される圧縮コイルばねを有するばね手段によって実現される。

【36】
このように各分割体52,53は、本体31寄りの一部でヒンジ手段75,76によって角変位可能に設けられている。これによって衛星32を分割体51から分離して放てきするときに、その放てき方向前方に広い開放領域を確保することができる。したがってさらに周壁43の衛星32への干渉を少なくすることができ、軸線方向の寸法が大きな衛星を搭載することが可能になる。また開頭手段87,88によって、衛星32から離反する方向に変位する力を、各分割体52,53に与えることができ、各分割体52,53を衛星32から離反するように確実に開頭することができる。

【37】
また前記開頭手段87,88は、前記分割される分割体52,53を所定位置に保持する保持手段としての機能も有する。この保持手段でもある開頭手段87,88は、各分割体52,53の分割体51に対する角変位角度が前記第3の所定の角度に選ばれ、ヒンジ手段75,76による係合状態が解除されない角度位置で、各分割体52,53を保持することができる。これによって衛星32から離反するように所定位置まで開頭された分割体52,53が、所定位置から衛星32に近づく方向に戻ることを確実に防ぐことができ、衛星32を放てきするときに分割体52,53が衛星32に干渉することを確実に防ぐことができる。

【38】
さらにこのように、最も本体31寄りに配置される衛星32を外囲する周壁43の各分割体52,53は、本体31寄りの一部が本体31にヒンジ手段75,76によって連結され、かつ開頭手段87,88によって前述のように所定位置に保持されて、本体31に係合されている。これによってフェアリング30の他の部分から完全に分離されてしまう分割体の個数を少なくし、しかも本実施の形態では、本体31と一体の分割体51に各分割体52,53が係合され、単独で分散される分割体の個数を少なくすることができる。したがって宇宙空間に、軌道上に放てきされて漂うコンタミネーションを少なくすることができる。

【39】
図5はヒンジ手段71の一部を示す斜視図であり、図6はヒンジ手段71付近を示す断面図である。ヒンジ手段71は、分割体56に固定されるヒンジ片90と、分割体54に固定されるヒンジ片91とを有している。ヒンジ片90は、相互に間隔をあけて配置される一対の板部材93a,93bを有し、各板部材93a,93b間にわたってヒンジピンが94が設けられるとともに、板部材93a,93bの端部に、ヒンジピン94から離反する方向に伸び、開放する切欠き95a,95bが形成されている。ヒンジ片91は、板部材98を有し、板部材の厚み方向両側に同一の直線に沿って突出するヒンジピン96a,96bが設けられるとともに、各ヒンジピン96a,96bの軸線を中心とする円弧にそって延び、開放する切欠き97が形成される。

【4】
各分割体14,15は、衛星3を外囲する周壁部分であり、半円筒状部分18,19と、半円錐状部分20,21とをそれぞれ有し、相互に結合解除可能に結合され、この結合された状態で、軸線方向一端部が先細状となって塞がれる有底筒状となる。各分割体14,15は、有底筒状となるように相互に結合された状態で、開放される軸線方向他端部側において、各半周壁部分18,19が各分割体13の周壁部分17の軸線方向一端部に、結合解除可能にそれぞれ結合されている。この状態で、支持台8は、各半円筒状部分18,19によって形成される円筒内に入り込んでいる。各分割体14,15および支持台8によって収容空間5が規定され、この収容空間5内の衛星3を外囲する周壁10は、各分割体14,15から成る。

【40】
このようなヒンジ手段76は、ヒンジ片90の各板部材93a,93b間にヒンジ片91の板部材98を配置し、ヒンジ片90の各切欠き95a,95b内にヒンジ片91各ヒンジピン96a,96bを嵌まり込ませるとともに、ヒンジ片91の切欠き97内にヒンジ片90のヒンジピン94を嵌まり込ませて連結される。このようなヒンジ手段76では、各ヒンジピン94;96a,96bが、各切欠き97;95a,95bにそれぞれ嵌まり込んだ状態では、各ヒンジ片90,91は、各ヒンジピン96a,96bの軸線L10まわりの角変位だけが可能であり、ヒンジピン94が切欠き97から抜け出た状態においては、各ヒンジピン96a,96bが各切欠き95a,95bから抜け出るように、相互に離反するように変位することができる。

【41】
詳しく述べると、図7(1)に示すように、ヒンジピン74が切欠き97の最深部に配置される位置と、図7(2)に示すように、ヒンジピン74が切欠き97の開放端に配置される位置、すなわち板部材98の各ヒンジピン96a,96bとは反対側から切欠き97に臨む部分99の先端99aと、各ヒンジピン96a,96bの軸線L10とを含む平面160よりも、切欠き97の最深部側に、ヒンジピン94の少なくとも一部が嵌まり込んでいる位置にあって、各ヒンジ片90,91は、各ヒンジピン96a,96bの軸線L10まわりに相互に角変位可能に連結される。図7(3)に示すように、ヒンジピン94が、切欠き97から抜け出てしまう、すなわちヒンジピン94が前記平面160よりも、切欠き97の最深部から離反する側に位置すると、各ヒンジピン96a,96bが各切欠き95a,95bから抜け出るように、各ヒンジ片90,91は、相互に離反する方向に変位することができる。

【42】
ヒンジ片90は、各切欠き75a,75bがヒンジピン74よりも相手方となる分割体54に近接する位置に配置される状態で、分割体56に固定される。また、ヒンジ片91は、切欠き77が各ヒンジピン76a,76bよりも相手方となる分割体56に近接する位置に配置され、かつ切欠き77が分割体56とは反対がわで開放する状態で、分割体54に固定される。このようなヒンジ手段71は、分割体56が、分割体54に結合された状態で、各ヒンジピン94;96a,96bが、各切欠き97;95a,95bの最深部にそれぞれ嵌まり込んだ状態となるように、各分割体54,56を連結する。このようなヒンジ手段71を用いることによって、各分割体55,56が図1に示すように相互に、かつ分割体54に結合される位置と、この位置から第1の所定の角度以上角変位して、ヒンジピン94が切欠き97から完全に抜け出てしまうまでの位置との間では、分割体56と分割体54とが角変位可能に連結され、第1の所定の角度以上角変位したとき、すなわちヒンジピン94が切欠き97から抜け出たときには、各分割体56は、分割体54から離脱することができる。

【43】
ヒンジ手段71について詳しく述べたけれども、他の各ヒンジ手段70,75,76もまた、ヒンジ手段71と同様の構成を有し、同様の動作をして同様の効果を達成することができる。

【44】
また各分割体52,53を分割体51に対して角変位させるための開頭手段87,88は、前述のように保持手段としての機能を有しており、この保持手段によって各分割体52,53が保持される位置は、ヒンジピン94の少なくとも一部が切欠き97内に嵌まり込んでいる第3の所定の角度に対応する位置に選ばれる。これによって、各分割体52,53と分割体51との係合状態が維持される。

【45】
図8は図4の上側からみた平面図であり、図9は図8の切断面線IX-IXからみた断面図である。衛星52を放てきするときに、この衛星52は、衛星52の放てき方向のずれなどが生じても、収容空間36の最も本体31寄りの最外周位置となる仮想円110を含み、フェアリング30の軸線に対する傾斜角度θ1が一例として述べると6.4度であり、本体31から離反するにつれて拡開する仮想円錐面115よりも外側にでないように放てきすることができる。分割体52が円錐面115の外側にある状態から、円錐面115に近づくように、分割体52を角変位させたときに、最初に円錐面115と交差する分割体52の部分は、分割体52の本体31寄りの端部の周方向両端部112であり、この部分112が円錐面115に交差しない位置に、分割体52を保持する保持位置を決定するばよい。これによって前述のように、衛星32の放てき時の分割体52の干渉を防ぐことができる。分割体53についても保持位置を同様に決定すればよい。

【46】
また図6に併せて示すように、結合および結合解除手段74は、各分割体54,56を結合するためのボルト101およびナット102と、各分割体54,56の結合を解除するための膨張型密封導爆線(以下、「ESMDC」(Expandable Shielded Mild Detonating Cord)と略記する場合がある)103とを有する。各分割体54,56には、相互に対向する対向壁部105,106がそれぞれ形成され、ボルト101は、周方向にほぼ等間隔をあけた複数箇所で、これらの対向壁部105,106を分割体56側から挿通し、このボルト101には、分割体54側でナット102が螺着される。またボルト101は、分割体56側でT形形状の押さえ部材108を挿通している。

【47】
ESMDC103は、金属被覆された管内に火薬が密封されて紐状に構成される。このESMDC103は、各分割体54,56が結合される領域全体にわたって、すなわち分割体56の周方向の全長にわたって延びて設けられている。またボルト101は、分割体56の周方向の全長にわたって、間隔をあけて設けられており、これらのボルト101が挿通する押さえ部材108と、対向壁部105とによってESMDC103を挟持した状態で、ナット102に締め付けられ、各分割体54,56が結合されるとともに、ESMDC103が保持される。ESMDC103は、2本設けられ、各ボルト101の両側を通るように配置される。

【48】
各ESMDC103には、それぞれ個別に起爆手段が接続されており、この起爆手段によって各ESMDCを爆発させることによって、各ボルト101を軸線方向一箇所でくびれた部分で分断し、これによって各分割体54,56の結合を解除し、各分割体54,56を結合解除することができる。またESMDC103を2本設け、起爆手段によって個別に起爆させる構成とすることによって、いずれか一方の起爆手段の故障などが発生して、一方のESMDC103が不発であっても、他方ESMDC103だけの爆発によって各ボルト101を分断することが可能であり、各分割体54,56を確実に結合解除することができる。

【49】
結合および結合解除手段74についてだけ詳しく説明したけれども、他の結合および結合解除手段72,73,150~153もまた、同様の構成を有し、同様に動作し、同様の効果を達成することができる。

【5】
このようなフェアリング6に収容される各衛星2,3は、周壁9,10が分割されることによって、各収容空間4,5が開放され、各支持台7,8から分離されて放てきされる。詳しく述べると、まず各分割体14,15が、相互にかつ分割体13から結合解除されて、周壁10が軸線を含む分割面で、いわば縦割りで分割されて、衛星3から離反するように開頭され、収容空間5が開放され、衛星3が支持台8から分離されて放てきされる。次に分割体13が、分割体12から結合解除されて、周壁9が軸線に垂直な分割面で、いわば横割りで分割されて、衛星2から離反するように開頭され、収容空間4が開放され、衛星2が支持台7から分離されて放てきされる。

【50】
図10は、本発明の実施の他の形態のロケットフェアリングの分割構造が実施されるフェアリング30Aの一部を示す正面図である。本実施の形態は、上述の実施の形態と類似しており、同一の構成を有する部分には、同一の参照符号を付して説明を省略し、異なる構成についてだけ説明する。上述の実施の形態では、各分割体52,53を角変位させるためのばね手段として、開頭手段87,88を用いられ、本実施の形態では、これに代えて、両端部が各分割体52,53にそれぞれ固定される圧縮コイルばねを有する開頭手段89が用いられる。このばね手段89もまた、各分割体52,53を開頭する力を与えるとともに、各分割体52,53が所定位置まで角変位したときには、この所定位置で保持する保持手段としての機能を有している。このようなばね手段89を用いた本実施の形態も上述の実施の形態と同様の効果を達成することができる。

【51】
図11は本発明の実施の他の形態のロケットフェアリングの分割構造が実施されるフェアリング30Bを示す正面図であり、図12はフェアリング30Bを分解して示す正面図である。本実施の形態は、上述の実施の形態と類似しており、同一の構成を有する部分には、同一の参照符号を付して説明を省略し、異なる構成についてだけ説明する。上述の各実施の形態では、分割体である支持台54が、各分割体52,53と分割され、個別に分離されたけれども、本発明の実施の形態では、支持台54は、半円錐台状の2つの部分170,171に分割され、各部分170,171が各周壁部分52,53に一体化されている。つまり上述の形態では、各分割体52~54の3つの部分に分割されたフェアリング30の領域が、本実施の形態では2つの分割体52B,53Bに分割される。これによって前記効果に加えて、分割される分割体の個数をさらに少なくし、単独で分散される分割体の個数をさらに少なくすることができ、宇宙空間、軌道上に放てきされるコンタミネーションを減少することができる。

【52】
本発明は、上述の各実施の形態に限定されることはなく、形状などの変更をすることが可能である。たとえば支持部41は、分割体52にだけ一体的に設けられるようにしてもよい。また衛星の個数は、2つに限ることはなく、3つ以上でもよい。また搭載物は、衛星に限らず、探査機などの宇宙機、その他の機器であってもよい。

【53】


【54】

【発明の効果】本発明によれば、推進用ロケット本体の先端部に設けられるフェアリングには、複数の搭載物が各収容空間に収容され、各搭載物は、各搭載物を外囲する周壁が分割されて開頭され、収容空間が開放された状態で、支持台から分離されて放てきされる。フェアリングは、各搭載物を支持する各支持台と、各搭載物を外囲する各周壁とを有する。最も推進用ロケット本体寄りの搭載物を外囲する周壁は、相互に分割可能な各周壁部分から成る。このような各周壁部分は、推進用ロケット本体寄りの端部における周方向の中央位置で、ヒンジ手段によって、支持台に連結される。最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物に対して推進用ロケット本体から離反する側に配置される他の搭載物が放てきされた後、最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物を放てきするにあたっては、他の搭載物を支持する支持台が分割され、さらに最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物を外囲する周壁が各周壁部分に分割される。最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物を外囲する各周壁部分は、開頭手段によってヒンジ手段を中心にして角変位させる力が与えられ、推進用ロケット本体寄りの端部が支持台に連結された状態で角変位され、搭載物を放てきする放てき方向前方が広く開放される。さらにこの各周壁部分は、搭載物の放てき時に干渉しない保持角度位置まで角変位された状態で保持手段によって保持される。最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物を外囲する各周壁部分を、支持台から分割して角変位させ保持することによって、この最も推進用ロケット本体寄りの搭載物を放てきするときに、各周壁部分は搭載物に近接しておらず、かつ放てき方向前方に広く開放領域が確実に確保され、この最も推進用ロケット本体寄りの搭載物が、分割前の周壁によって規定される収容空間よりもわずかに小さいだけの搭載物であって、しかもこの搭載物が、フェアリングの軸線から傾斜してずれた方向に、および/または角変位運動しながら放てきされても、各周壁部分が搭載物に干渉してしまうことを防ぐことができる。したがって収容空間に可及的に大きな搭載物の包絡領域を得ることができる。最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物を支持する支持台は、推進用ロケット本体に一体に形成されており、したがって上述のように最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物を外囲する各周壁部分を、支持台に係合される状態で保持することによって、これら各周壁部分が推進用ロケット本体から分離されてしまうことを防ぐことができる。さらに保持手段は、各周壁部分が搭載物に近づく方向に戻ることを防ぐことがきる。このように最も推進用ロケット本体寄りの搭載物のための可及的に大きな包絡領域を得ることができるとともに、さらに加えて最も推進用ロケット本体寄りの搭載物の支持台および周壁部分を、推進用ロケット本体に連結した状態を保ち、単独で分散される分割体の個数を少なくし、宇宙空間、軌道上に放てきされるコンタミネーションを減少することができる。

【55】


【56】


【57】


【58】


【59】
さらに本発明によれば、推進用ロケット本体の先端部に設けられるフェアリングには、複数の搭載物が各収容空間に収容され、各搭載物は、各搭載物を外囲する周壁が分割されて開頭され、収容空間が開放された状態で、支持台から分離されて放てきされる。フェアリングは、各搭載物を支持する各支持台と、各搭載物を外囲する各周壁とを有する。最も推進用ロケット本体寄りの搭載物を外囲する周壁は、相互に分割可能な各周壁部分から成る。このような各周壁部分は、推進用ロケット本体寄りの端部における周方向の中央位置で、ヒンジ手段によって、支持台に連結される。最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物に対して推進用ロケット本体から離反する側に配置される他の搭載物が放てきされた後、最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物を放てきするにあたっては、他の搭載物を支持する支持台が分割され、さらに最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物を外囲する周壁が各周壁部分に分割される。最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物を外囲する各周壁部分は、開頭手段によってヒンジ手段を中心にして角変位させる力が与えられ、推進用ロケット本体寄りの端部が支持台に連結された状態で角変位され、搭載物を放てきする放てき方向前方が広く開放される。さらにこの各周壁部分は、搭載物の放てき時に干渉しない保持角度位置まで角変位された状態で保持手段によって保持される。最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物を外囲する各周壁部分を、支持台から分割して角変位させ保持することによって、この最も推進用ロケット本体寄りの搭載物を放てきするときに、各周壁部分は搭載物に近接しておらず、かつ放てき方向前方に広く開放領域が確実に確保され、この最も推進用ロケット本体寄りの搭載物が、分割前の周壁によって規定される収容空間よりもわずかに小さいだけの搭載物であって、しかもこの搭載物が、フェアリングの軸線から傾斜してずれた方向に、および/または角変位運動しながら放てきされても、各周壁部分が搭載物に干渉してしまうことを防ぐことができる。したがって収容空間に可及的に大きな搭載物の包絡領域を得ることができる。最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物を支持する支持台は、推進用ロケット本体に一体に形成されており、したがって上述のように最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物を外囲する各周壁部分を、支持台に係合される状態で保持することによって、これら各周壁部分が推進用ロケット本体から分離されてしまうことを防ぐことができる。さらに保持手段は、各周壁部分が搭載物に近づく方向に戻ることを防ぐことがきる。このように最も推進用ロケット本体寄りの搭載物のための可及的に大きな包絡領域を得ることができるとともに、さらに加えて最も推進用ロケット本体寄りの搭載物の支持台および周壁部分を、推進用ロケット本体に連結した状態を保ち、単独で分散される分割体の個数を少なくし、宇宙空間、軌道上に放てきされるコンタミネーションを減少することができる。

【6】

【発明が解決しようとする課題】図15は、フェアリング6を示す断面図である。この従来技術のフェアリング6では、本体1寄りに配置される衛星2が収容される収容空間4は、前述のように周壁9が横割りに分離されて開放され、さらに周壁9の一部を構成する周壁部分16は、衛星2の本体1寄りの部分を外囲した状態で保持されている。また衛星2は、フェアリング6の軸線方向に平行に、かつ衛星2が角変位することなく、支持台7から分離して放てきすることが困難であり、衛星2の放てき方向の誤差、すなわちフェアリング6の軸線方向からのずれ、および衛星2の角変位動作が生じてしまう場合がある。したがって衛星2の本体1寄りの部分を、外周面が周壁部分16と同様に円筒状となるように形成すると、衛星2の放てき方向の誤差、および衛星2の角変位などによって、衛星2の放てき時に、衛星2の本体1寄りの部分に、周壁部分16が干渉するおそれがある。

【7】
このうな干渉を防ぐためには、衛星2の包絡領域27、すなわち搭載できる衛星の形状が、小さくなってしまう。つまり本体1から離反する側の衛星3の包絡領域28は、本体1寄りの部分を円筒状とすることができるのに対して、衛星2の包絡領域27は、本体1寄りの部分を先細の円錐台状にしなければならない。したがって衛星2の包絡領域27は、衛星3の包絡領域28と、同一の外径の円筒状の領域を確保ることができず、小さくなってしまう。

【8】
したがって本発明の目的は、1機の推進用ロケット本体に複数の搭載物を搭載するときに、本体寄りに配置される搭載物の広い包絡領域を得ることができるロケットフェアリングの分割構造および分割方法を提供することである。

【9】

【課題を解決するための手段】本発明は、推進用ロケット本体の先端部に、搭載物を収容する複数の収容空間が形成されるフェアリングが設けられ、このフェアリングは、各搭載物を支持する支持台と、各搭載物を外囲する周壁とを有し、各搭載物は、各収容空間内で支持台によって推進用ロケット本体側で支持され、各搭載物を支持台から分離するときに、各搭載物を外囲する周壁を分割して、その搭載物が収容される収容空間を開放するロケットフェアリングの分割構造において、最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物を外囲する周壁は、その軸線を含む平面で相互に分割可能な各周壁部分から成り、各周壁部分を、推進用ロケット本体寄りの端部における周方向両端部間の中央位置で、最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物を支持する支持台に連結するためのヒンジ手段が設けられ、最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物を外囲する各周壁部分に、推進用ロケット本体から離反する側の端部が相互に離反するようにヒンジ手段を中心にして角変位させる力を与える開頭手段が設けられ、最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物を支持する支持台は、ロケット本体と一体に形成され、最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物を外囲する各外周壁部分を、最も推進用ロケット本体寄りに配置される搭載物の放てき時に干渉しない保持角度位置まで角変位された状態で、保持するための保持手段が設けられることを特徴とするロケットフェアリングの分割構造である。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図4】
2
【図5】
3
【図10】
4
【図13】
5
【図3】
6
【図6】
7
【図7】
8
【図8】
9
【図9】
10
【図11】
11
【図12】
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【図14】
13
【図15】
14