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明細書 :非分光光をファインダ系に用いた音響光学フィルタ型分光カメラ

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3278688号 (P3278688)
公開番号 特開2001-074555 (P2001-074555A)
登録日 平成14年2月22日(2002.2.22)
発行日 平成14年4月30日(2002.4.30)
公開日 平成13年3月23日(2001.3.23)
発明の名称または考案の名称 非分光光をファインダ系に用いた音響光学フィルタ型分光カメラ
国際特許分類 G01J  3/447     
G01J  3/51      
G02B  5/20      
G03B 13/06      
G03B 15/00      
H04N  5/225     
FI G01J 3/447
G01J 3/51
G02B 5/20
G03B 13/06
G03B 15/00
H04N 5/225
請求項の数または発明の数 3
全頁数 5
出願番号 特願平11-250202 (P1999-250202)
出願日 平成11年9月3日(1999.9.3)
審査請求日 平成11年9月3日(1999.9.3)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】501137577
【氏名又は名称】独立行政法人 航空宇宙技術研究所
発明者または考案者 【氏名】鈴木 孝雄
個別代理人の代理人 【識別番号】100110515、【弁理士】、【氏名又は名称】山田 益男 (外2名)
審査官 【審査官】藤原 伸二
参考文献・文献 特開 平9-210784(JP,A)
特開 平1-265131(JP,A)
特開 昭59-51314(JP,A)
特開 昭58-214129(JP,A)
実開 昭53-95846(JP,U)
調査した分野 G01J 3/447
G01J 3/51
G02B 5/20
G03B 13/06
G03B 15/00
H04N 5/225
特許請求の範囲 【請求項1】
対物レンズと、該対物レンズを介して入射された被写体からの光を平行光線にするコリメートレンズと、該コリメートレンズからの平行光線を揃った直線偏光光とする偏光子と、該偏光子からの光を受光する位置に配置された超音波駆動部を有する音響光学素子と、該音響光学素子からの出射光を受光する位置に配置され前記音響光学素子によって偏光面が変えられた特定波長域の光を透過光として分離し、それ以外の光を偏光面の違いにより反射光として分離する偏光プリズムと、分離した単色光を用いて分光像を結像させる分光画像光学系とからなる分光カメラであって、前記偏光プリズムによって反射光として分離されたそれ以外の光を再度反射させる手段を介してファインダー光学系に導きモニター像を提供することを特徴とする分光カメラ。

【請求項2】
分光画像光学系とファインダー光学系の結像部にCCD撮像素子を夫々配置し、両光学系の画像をディスプレイ画面上に位置関係の対応が取れた形で常時リアルタイムで表示できるものであって、更にそれぞれの画像を撮影時刻を対応させて記録する手段を備えている請求項1に記載の分光カメラ。

【請求項3】
超音波駆動部は可変周波数の高周波電圧が印加されて駆動されるものであって、駆動周波数に対応した周波数帯域の分光成分を撮像した複数画像を一連の画像情報として記憶する手段と、再生画像処理手段とを備え、ディスプレイ上に分割して並列表示したり、時系列的に順次表示したり、色を変えて重ねて表示したりできることを特徴とする請求項2に記載の分光カメラ。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【1】

【発明の属する技術分野】本発明は、航空機や衛星に載置されて地球環境の遠隔探査などに用いられる分光カメラのファインダに関するものである。

【10】

【発明の効果】音響光学フィルタタイプの分光カメラにおいては、従来被写体からの分光成分以外の光は分離されるだけで使用されることはなかったが、本発明ではこの光は着目画像域の光が一部欠落しているものの、当初の被写体光がほぼ揃った光であることから、これをファインダー系に使用したもので、一眼レフのファインダー同様撮像光と同一の光学系を経て得た画像光であるため、視差が少なくファインダーで見たとうりの撮像画像が得られる上、一眼レフと異なり撮影期間中も断続することなく、リアルタイムでスペクトルに影響を受けない明るいモニター画像が得られるものである。そしてこのファインダー光学系は偏光プリズムでの反射光を用いているため、画像はその際の反射によって反転されているがファインダー光学系でプリズム又は平面鏡を用いて再度反射を行わせる構成を採用したことによって、ファインダーの画像は撮像画像と位置関係が一致したものとなり、モニター画像に対応した分光画像を得ることができる。

【11】
さらに、本発明では分光画像とファインダ画像を撮像時期の対応を担保した形で記録する手段と共に、記録画像編集手段を備えたことによって、ファインダ画像と分光画像、また同一被検体に対する異なる帯域の分光画像を一連の画像データとして記憶し、再生するに当たっては同一ディスプレイ上に分割表示したり、順次時系列的に表示したり、色を変えて重ねて表示したり、所望に応じた様々な表示形態が可能である。

【2】

【従来の技術】航空機や衛星からの地球環境などの遠隔探査に用いる高機能光学センサとして音響光学フィルタを用いた分光カメラを開発し使用している。一般に分光カメラは観測対象物から放出される特定波長域の光を検出し画像として捉えるものであるが、この音響光学フィルタを用いた分光カメラにおける分光動作の原理を図1を用いて説明する。図1において、(e)が音響光学素子であって、高周波発振器(b)から特定の周波数の印加電圧を音響振動子(c)に供給すると、該圧電振動素子は印加電圧の高周波の振動数で振動している音響振動子(c)から吸音素子(d)に接している面に向かって超音波が伝搬される。この波動が加えられた状態で白色光を偏光子(a)を通すことで偏光面の揃った光として音響光学素子(e)に入射させると、出射側からは超音波により偏光面が変化した特定波長域の光(単色光)と共に、超音波による影響を受けないため偏光面の変わらないそれ以外の波長域の光(ほぼ白色光とみてよい。)が混合されて得られる。この光を偏光ビームスプリッタ(f)に入射すると、偏光面が変化させられた単色光と偏光面の変わっていないそれ以外の光とを分離して取りだすことができる。この原理によって音響振動子(c)に供給する周波数を適宜設定することで特定の波長領域の光の偏光を変えて取り出すこと、すなわち音響光学フィルタとしての機能を果たすことが出来るものである。そしてこの音響光学素子の駆動部の音響振動子に印加する高周波の周波数を所望値に設定すれば分光したい光の波長域を特定することが可能である。ところで、その特定領域の波長の画像を撮影する際には、実画像(非分光画像)をもとにその撮影位置を特定するためのファインダを必要とするものであるが、特に航空機や衛星から送られてくる遠隔探査画像に基づく分光データを得る場合など、被検体が静止していない場合には時々刻々位置関係が変化するためリアルタイムのモニターが求められる。

【3】
ー般のカメラファインダの中では視差(パララックス)が少なく、見たとおりの画像が得られるということで、図2に示したような一眼レフ型のファインダが最も優れている。これはレンズLから入射した光を可動ミラーMで上方に反射させ,さらにペンタプリズムPで反射させた後アイピースEを介し観察(モニター)するものである。しかし撮影時すなわちフィルム面Fに感光させている間上記可動ミラーMは、図示した位置からはねあげ状態に回動させられて被写体光がファインダ系にはいかないため、その間はモニターできないという欠点がある。また、一眼レフのファインダ系に上記のような可動ミラーを使わずにハーフミラーを用いて常時モニター可能とすることもできるが、この場合は撮像光がファインダー系にも分けられるため、観測光のエネルギーが低くなってしまうという問題やスペクトルにも影響を与えてしまうため正しい分光観測ができないという問題がある。従って、観測光に影響を与えずかつ常時リアルタイムで対象のモニター画像が得られるファインダの実現が課題となる。

【4】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の課題を解決すること、すなわち音響光学フィルタ機能を用いた分光カメラによって分光画像を撮影する際の、観測対象の位置を特定したり分光画像と実画像すなわち非分光画像とを比較したいという要望に対し、リアルタイムで撮影期間中も中断することなく、視差が少なく撮影画像とおり観察像が得られ、しかも明るく観測光に影響を与えることのないファインダ光学系を提供することを目的課題とする。

【5】

【課題を解決するための手段】被写体からの光を偏光子を介して偏光面が揃った光となし、音響光学素子中を伝搬されている超音波によって偏光面が変化された特定波長域の単色光と該超音波によって偏光面が変えられることのないそれ以外の波長の混合光をつくり、その混合光を偏光プリズムによって単色光を透過光として他方のそれ以外の波長の光を反射光として分離し、一方の単色光を用いて分光画像を撮影すると共に、それ以外の波長の光をファインダ系に用い、その光を再度反射させて画像反転させ撮影画像と対応のとれたリアルタイムのモニター画像を得るものである。

【6】

【発明の実施の形態】本発明の基本構成を図3を参照して説明する。対物レンズ1を介して入射された被写体からの光を平行光線にするコリメートレンズ2と、該コリメートレンズ2からの平行光線を偏光面の揃った光にする偏光子3と、該偏光子からの光を受光する位置に配置された超音波駆動部41を有する音響光学素子4と、該音響光学素子4からの出射光を受光する位置に配置され前記音響光学素子4によって偏光面が変えられた特定波長の光を透過光として、それ以外の光とを反射光として偏光面の違いにより分離する偏光プリズム5と、分離した単色光を用いて分光像を結像させる分光画像光学系Iと、前記偏光プリズム5によって分離されたそれ以外の光をプリズム若しくは平面鏡6によって再度反転させ、撮像画像に一致させたモニター像を提供するファインダー光学系IIとからなる分光カメラである。

【7】
従来被写体からの分光成分(着目波長域の光)以外の光は分離されるだけで使用されることはなかったが、本発明ではこの光は着目画像域の光が一部欠落しているものの、当初の被写体光がほぼ揃った光であることから、これをファインダー系に使用しリアルタイムのモニタ画像を分光画像撮影時にも連続して観測できるようにした。そしてこの画像は偏光プリズムによって反転されているためファインダー光学系でプリズムなり平面鏡によって再度反射を行わせる手段を備えることでファインダ画像を分光画像と位置関係を一致させるようにしている。

【8】

【実施例1】本発明の実施例は上記の基本構成において、偏光プリズム5によって分離した単色光を用いて分光像を結像させる分光画像光学系Iは結像レンズ8と結像位置に配置されたCCD撮像素子10と撮像画像を表示する液晶ディスプレイ11とからなる構成を採用し、撮像画像に一致させたモニター像を提供するファインダー光学系IIは偏光プリズム5によって分離されたそれ以外の光をプリズム6によって再度反転させてから結像レンズ9とアイピース12からなる構成を採用した分光カメラである。アイピースを介し観察されるファインダー画像は分光画像と位置的に対応がとれており、リアルタイムでモニターできる。分光画像光学系IのCCD撮像素子10の撮像信号はラスター状に出力され設置されたディスプレイ11上にこれもリアルタイムで表示されるようになっている。撮影者はファインダーを覗きながら被写体の適正な位置を決め、所望タイミングで撮像しビデオ記録することができる上、撮影中もモニターが中断されることがないため、連続しての撮影に極めて便利である。

【9】

【実施例2】ファインダー系IIにアイピースに替えて結像位置にCCD撮像素子13を配置しディスプレイ14上でモニターするようにしてもよい。その場合は撮影者はこのモニター用のディスプレイ14を見ながら作業を行うのであるが、このディスプレイ14は必ずしもカメラ本体に設置する必要はないので、遠隔に配置して衛星にカメラを載置した場合などの地上からの遠隔操作形態で用いることが可能である。第2の実施例ではアイピースに替えて結像位置にCCD撮像素子13を配置して、分光画像光学系Iの画像を映すディスプレイ11をこのファインダー系IIのディスプレイ14と並べて遠隔地に設置する。また、記録手段15が備えられておりCCD撮像素子10,13夫々で撮られた画像は適宜記録手段15に記録することが出来るが、その際両画像は対応関係を担保して記録する必要がある。そのためこの実施例では、夫々の画像情報を一旦メモリ20に記憶し、撮影時刻若しくは撮影対象である被検体が同じときにそれらを記録担体の同じ記憶領域に一連のデータとして記録させ、再生に際しては表示編集機能を有しているコントローラ21を備えていて、一つのディスプレイ22上に画面分割等で比較表示することができる。この機能は分光画像とファインダー画像との対応表示にだけでなく、同一被検体についての周波数領域の異なる分光画像を複数の分割画面に表示比較することも可能である。これによってファインダー光学系IIと分光画像光学系Iで撮像された両画像は、一眼レフではできなかった全く同時点の映像を対応が担保された形で記録されることになるが、このような形で記録された画像は再生に際しては前記のコントローラ21によって周知の画像処理技術を駆使することでディスプレイ上に並べて表示したり、時系列的に交互に表示したり、色を変えて重ねて表示したりするなど所望の表示が可能である。なお、この実施例においてはディスプレイ22は分光画像光学系Iのディスプレイ11,ファインダー光学系IIのディスプレイ14と別個に設けたが、分光画像光学系Iのディスプレイ11と兼用してもよいし、ディスプレイ22を分割画面としてこれが分光画像光学系Iのディスプレイ11とファインダー光学系IIのディスプレイ14を兼用するものであってもよい。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3