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明細書 :ひずみ測定センサー

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3482468号 (P3482468)
公開番号 特開2002-303504 (P2002-303504A)
登録日 平成15年10月17日(2003.10.17)
発行日 平成15年12月22日(2003.12.22)
公開日 平成14年10月18日(2002.10.18)
発明の名称または考案の名称 ひずみ測定センサー
国際特許分類 G01B  7/16      
G01L  1/20      
FI G01L 1/20 Z
G01B 7/18
請求項の数または発明の数 5
全頁数 8
出願番号 特願2001-105971 (P2001-105971)
出願日 平成13年4月4日(2001.4.4)
審査請求日 平成13年4月4日(2001.4.4)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】501137577
【氏名又は名称】独立行政法人航空宇宙技術研究所
発明者または考案者 【氏名】小笠原 俊夫
【氏名】石川 隆司
個別代理人の代理人 【識別番号】100092200、【弁理士】、【氏名又は名称】大城 重信 (外2名)
審査官 【審査官】福田 裕司
参考文献・文献 特開 平7-72023(JP,A)
特開 平11-223565(JP,A)
特開 平9-5175(JP,A)
特開 平10-122985(JP,A)
特開 平7-201374(JP,A)
特開 平10-9905(JP,A)
特開 平8-178765(JP,A)
特開2000-55748(JP,A)
調査した分野 G01B 7/16
G01L 1/20
特許請求の範囲 【請求項1】
連続繊維を複数束ねた繊維束を、繊維強化複合材料、樹脂、金属、セラミックスなどの母材によって一体化、複合化した構造のひずみ測定センサーであって、前記連続繊維は、各々その表面に絶縁皮膜層が形成され、前記繊維束中の各繊維間を絶縁してなり、ひずみの増大に伴う前記連続繊維の逐次破断を、電気抵抗の変化により測定することによって、ひずみを、計測、且つ記憶することを特徴とするひずみ測定センサー。

【請求項2】
前記繊維束を母材となる繊維強化複合材料、樹脂、金属、セラミックスなどの材料中に、埋め込むことによって一体化したことを特徴とする請求項1記載のひずみ測定センサー。

【請求項3】
前記繊維束を母材となる繊維強化複合材料、樹脂、金属、セラミックスなどの材料で挟み込み、ホットプレスにより成形することにより一体化、複合化した特徴とする請求項1記載のひずみ測定センサー。

【請求項4】
前記連続繊維に、熱処理又は化学処理を施すことによって、短繊維の絶縁被覆及び繊維束の強度分布を調節し、且つ、該連続繊維を束ねた繊維束を、単数、もしくは複数組み合わせることによって、全体の連続繊維の強度分布を制御することを特徴とする請求項1~何れか記載のひずみ測定センサー。

【請求項5】
前記連続繊維が炭化ケイ素系繊維である請求項1~何れか記載のひずみ測定センサー。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【1】

【発明の属する技術分野】本発明は、構造物、もしくは材料のひずみを測定するためのひずみ測定センサーに関する。

【10】
また、繊維の強度分布を利用して、ひずみ履歴を計測するため、繊維数は、複数であることが必要であるが、具体的な繊維数についても限定されない。そして、本発明では、連続繊維の表面に、熱処理、化学処理、コーティング処理等を施すことによって表面層を形成し、これを繊維束中に存在する各々の繊維間の絶縁皮膜とすることによって、より分解能の高いセンサーを形成することが可能となる。繊維表面に絶縁皮膜を形成しない場合、繊維接触による導電パスが形成され、これらの導電パスはセンサーの測定精度、測定ばらつき、再現性、分解能を低下させる要因となるとともに、理論的な解析が複雑となる。

【11】
繊維表面に絶縁皮膜を形成することで、センサーの性能を著しく向上させることが可能となる。絶縁皮膜の形成方法としては、例えば、炭化ケイ素系セラミックス繊維であれば、表面の熱酸化、ゾルゲル法やCVD法などによる絶縁皮膜層の形成が、そして、炭素繊維であれば、表面の炭化珪素化と熱酸化の複合処理、表面の炭化硼素化と熱酸化の複合処理、ゾルゲル法やCVD法などによる絶縁皮膜膚の形成など様々な方法が考えられるが、具体的な方法については特定されない。

【12】
本発明では、上述したように、連続繊維が、ひずみが大きくなるのにつれて逐次破断する現象を、電気伝導度の変化によって測定している。そのため、測定可能なひずみ範囲は、センサーの中に含まれる繊維の体積率、および繊維の単繊維強度分布によって決定される。連続繊維の単繊維強度分布は、繊維に、例えば、熱処理や化学処理等を施すことによって制御することが可能である。また、このようにして制御された繊維束を複数組み合わせることによって、繊維の強度分布を高度に制御することも可能である。これによって、広いひずみ領域に対応したセンサーや、狭いひずみ領域で高感度なセンサーなど、様々な仕様を有するセンサーを設計することが可能となる。

【13】

【実施例】以下、本発明のひずみ測定センサーを実施例に基づきより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。表1は、本発明の実施例1~7及び比較例に係るひずみ測定センサーの諸特性を示す。

【14】
(実施例1~6、比較例
実施例1~6及び比較例に係るひずみ測定センサーは、構造物、もしくは材料に貼付して使用することを前提としたフィルム型センサーに関し、その構成は図1の概念図に示す通りとなっている。図中、1はひずみ測定センサーを示し、2は連続繊維を複数平板状に並べた繊維束で、3は絶縁ベース、4は平板状繊維束2の両端にスパッタリング等により設けられた電極である。これらの実施例において連続繊維としては、微量のTiを含むSi-C-O組成を有するセラミック繊維(宇部興産(株)製、商品名チラノLox-Mグレード、直径約11μm)を使用した。また、絶縁ベースとなる母材としては、ポリイミド樹脂を採用してある。

【15】
比較例は、炭化ケイ素系繊維を、そのまま使用したもので、実施例は、繊維に対して、空気中、1000℃で、1時間の酸化処理を行い、表面に酸化物皮膜を形成した例である。また、実施例2~5は、空気中、1000℃で、1時間の酸化処理を行った後、更に、アルゴンガス中で熱処理温度・熱処理時間を変えて熱処理を行って、表面を酸化させずに繊維の強度を制御した例である。表1中に、各実施例における繊維の強度分布をゲージ長さ5mmの場合における繊維のワイブル係数(尺度母数、形状母数)で示しているが、これらの熱処理によって、繊維の強度分布を詳細に制御することが可能となることが分かる。実施例は、表1中の実施例および実施例で作成した繊維を、同比率で使用し、一体化してセンサーとしたものである。

【16】

【表1】
JP0003482468B2_000002t.gif【0017】このようにして得られた繊維束(本数800本)を一方向に配列し、これを絶縁材料である熱可塑性ポリイミドフィルムで挟み込んだ後、370℃に加熱したホットプレスを用いて加圧成形した。このようにして作られた炭化ケイ素系繊維/ポリイミド複合材の繊維体積率は10%である。そして、得られた一方向の複合材を、幅2mm、長さ5mmに切断し、スパッタリングによる電極4を施して、図1に示すようなひずみ測定センサー1を試作した。得られたひずみ測定センサーの弾性率は、約22GPaであった。

【18】
以上のようにして得られたひずみ測定センサーの特性を、以下の方法によって評価した。試作したひずみ測定センサー、および比較のため市販の金属箔式ひずみゲージを、シアノアクリレート系接着剤を用いて、幅10mm、厚さ4mm、長さ200mmのステンレス(SUS304)製引張り試験片に接着し、油圧サーボ式材料試験機を用いて、引張り試験片に対して引張り荷重を印加しながら、実施例及び比較例のひずみ測定センサーの電極間の電気抵抗を、デジタルマルチメータを用いて計測した。

【19】
その結果、実施例1~3及び比較例に係るひずみ測定センサーにおいて得られたひずみ(%)と電気抵抗変化率の関係は、図2に示すような特性を示した。ここで、電気抵抗変化率とは、初期値の電気抵抗値(R0)に対する計測時のひずみ状態における電気抵抗値(R)の比(R/R0)である。炭化ケイ素系繊維は、破断前にも、ひずみの増大とともに電気抵抗が大きくなり、低ひずみ領域で、緩やかな電気抵抗変化率の増加が認められるが、繊維破断が開始すると、電気抵抗変化率は著しく増大する。

【2】

【従来の技術】従来の金属箔式ひずみゲージや、光ファイバを用いたひずみ測定センサーは、構造物、もしくは材料にセンサーを貼付、あるいは埋め込んで、特殊な計測器を用いて、ひずみをリアルタイムで計測するものである。このようなひずみ測定センサーは、過渡的なひずみの履歴を計測するのに適しており、広く産業に供されている。しかしながら、これらのセンサーは、リアルタイム計測が基本であり、構造物、もしくは材料が、実際の使用環境下で受けた最大ひずみの履歴を測定することが困難であるという課題があった。また、従来の金属箔式ひずみゲージや、光ファィバ式ひずみ測定センサーは、FRPのような材料に埋め込むためには、寸法が大きく、且つ機械的な特性や、製造加工性を阻害する可能性があるという問題があった。

【20】
比較例では、繊維が完全に破断しても電気抵抗変化率は、3~4程度であり、センサーとしての測定感度が低い。また、繊維破断に伴う抵抗変化も少なく、分解能も低い。それは繊維が完全に破断しても繊維間の接触による導電パスが形成されてしまうためである。このように、繊維間の導電パス形成は、センサーの測定精度、測定ばらつき、再現性、分解能が低下する原因となる。

【21】
これに対して、実施例に示すように、繊維表面に絶縁皮膜を形成することで、ひずみの増大に伴う電気抵抗率変化は著しく大きくなり、結果として、センサーの感度と分解能を著しく向上させることが可能となる。実施例では、絶縁皮膜の形成方法として熱酸化処理を行っているが、当然のことながら、表面絶縁被膜の形成方法としては、これに限定されるものではなく、ゾルゲル法やCVD法などによる酸化物コーティングなど様々な方法を適用することができる。

【22】
電気抵抗の増大が、繊維破断のみによって引き起こされると考えると、電気抵抗変化率の逆数(R0/R)と、対象とするゲージ長さに対する繊維の累積破断確率F(σ)の間には、以下の関係が成り立つ。
F(σ)=1-R0/R
多くの炭素繊維、およびセラミックス繊維では、対象とするゲージ長さ(L)に対する繊維の累積破断確率F(σ)は、2母数のワイブル分布によって表すことができる。このとき、繊維の累積破断確率F(σ)は、繊維のワイブル係数(尺度母数:σ0、形状母数:m)を用いて、数式1で表すことができる。

【23】

【数1】
JP0003482468B2_000003t.gif【0024】図3は、以上の観点から、実施例1~5及び比較例に係るひずみ測定センサーにより得られたひずみ(%)と(1-R0/R)の関係を、プロットした図である。なお、図3では、破断前に生じるひずみの増大に伴う繊維の電気抵抗の変化については差し引いて示してある。この図からも明らかなように、(1-R0/R)の値が、0.05以下、および0.95以上では、ひずみの変化に伴う(1-R0/R)の値の変化が小さく、センサーの精度が低下する。そのため、ここで試作したセンサーについては、(1-R0/R)の値が、0.05~0.95の範囲を、センサーの保証範囲とした。

【25】
繊維破断検出型のセンサーでは、繊維の強度分布が、センサーの測定範囲を決定する。そのため、市販の炭化ケイ素系繊維を、そのまま使用した場合では、ひずみ測定範囲が、高ひずみ領域で、且つ狭い範囲に限定される欠点がある。この欠点を解消するため、実施例は、表面に酸化皮膜を形成した炭化ケイ素系繊維に対して、更に、アルゴンガス中で高温熱処理を行うことにより、繊維の強度を制御しながら低下させてセンサー化したものであり、これによってセンサーの測定ひずみ範囲が制御可能となり、広範囲のひずみ測定が可能なひずみ測定センサーを得ることができた。

【26】
実施例では、強度分布の異なる2種類の繊維束を用いることにより、幅広いひずみ領域で適用可能なひずみ測定センサーとしたものである。図4に、実施例7に係るひずみ測定センサーにより得られたひずみ(%)と電気抵抗変化率(R/R0)の特性を示している。この実施例のような繊維強度分布の異なるk種類の繊維束を用いたセンサーにおける繊維の累積破断確率は、次の数式2で表すことができる。

【27】

【数2】
JP0003482468B2_000004t.gifこの関係式を用いることで、ひずみ測定範囲の異なるセンサーを設計することができる。

【28】
(実施例
図5は、本発明の実施例8を模式的に示したものであり、ひずみ測定センサーを埋込型センサーとして適用した場合を示す。本実施例に係るひずみ測定センサー5は、該測定センサーを構成する繊維束9を構造物、もしくは材料に埋め込んで使用する埋込型センサーに関し、図中6は、センサーとしての連続繊維を複数束ねた繊維束9が埋め込まれた材料であり、本例では炭素繊維強化複合材料(東レT800H/3631)の積層板で構成されている。複合材料の積層構成は、(0°/90°/0°)の対称積層であり、図5に示すように、中央の90°層8に、本例では実施例1~7と同様、炭化ケイ素系繊維からなる連続繊維を複数束ねた繊維束9を埋め込み、両端に電極10を形成してひずみ測定センサー5とした。なお、複合材料の両側の積層7は、0°層である。作成した実施例のひずみ測定センサーの仕様は、表1に記載した通りである。

【29】
実施例のひずみ測定センサーは、表1に示す他のひずみ測定センサーと異なり、このひずみ測定センサーにおけるゲージ長さは、後述する引張り試験においては、100mmとなり、これに対応して同じ熱処理条件の繊維と比較すると、体積効果により平均強度(ワイブル尺度母数)が小さくなっている。また、ひずみ測定センサーの繊維体積率は、ひずみ測定センサーの弾性率が、複合材90°層の弾性率に近い値となるように、2%とした。

【3】
一方、複合材料が、実際の使用環境下で受けた最大ひずみ履歴を測定するための方法として、例えば、繊維強化複合材料における微視的損傷進展に伴う繊維破断と電気抵抗変化を利用した測定方法に関する研究が報告されている。(例えば、特開平11-217893号公報、N.Mutoetal.,J.Am.Cream.Soc.,76[4],875—79(1993),朴 宰範他、日本機械学会第8回機械材料・材料加工技術講演会講演論文集 p.2l9—220 等参照)

【30】
炭化ケイ素系繊維を埋め込んだ複合材から、厚さ2mm、幅12.5mm、長さ200mmの引張り試験片を得た。この試験片の両端50mmの位置にガラス繊維複合材料のタブを接着し、この部分を油圧チャックで固定して引張り試験を実施した。そのため、試験片の平行部長さ、すなわちひずみ測定センサーのゲージ長さは100mmとなる。

【31】
本実施例に係るひずみ測定センサーの引張り荷重を負荷した際の、複合材の公称ひずみ(%)と、ひずみ測定センサーによるひずみ測定値(%)の関係を図6に示す。この図に示すように、ひずみ測定センサーの特性を反映して、ひずみ0.1%前後から、ひずみ測定センサーを形成する炭化ケイ素系繊維の破断が始まり、電気抵抗の増大が認められた。そして、図に示されるように、ひずみ測定センサーで測定されるひずみは、途中までは複合材の公称ひずみと一致するが、ひずみが0.55%を越えると、ひずみ測定センサーで測定されたひずみ値が、公称ひずみよりも著しく大きくなる。これは、複合材の90°層に発生したマトリクスクラックの開口による部分的なひずみ増大により、炭化ケイ素系繊維の破断数が増大したことによる。このように、本実施例に係るひずみ測定センサーは、単なるひずみ測定センサーとしての機能に加えて、損傷センシングセンサーとしての機能も有している。

【32】
また、実施例では、センサー化したものを複合材中に埋め込んでいるが、ひずみ測定センサーの繊維を直接複合材中に埋め込んで一体成形することも可能である。この場合には、ひずみ測定センサーによる機械的特性への影響がほとんど無視できるため、損傷センシング、もしくはひずみ測定機能を有するスマート複合材料を実現することが可能となる。

【33】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、連続繊維を複数束ねた繊維束を、樹脂、金属、セラミックスなどの母材によって一体化、複合化した構造とし、ひずみの増大に伴う繊維の逐次破断を電気抵抗の変化を測定することによって、ひずみを計測且つ記憶させることが可能な、小型・軽量で取り扱い性に優れたひずみ測定センサーを得ることができる。また、本発明に係わるひずみ測定センサーは、連続繊維を複数束ねた繊維束を、一体化、複合化する際に、繊維強化複合材料、樹脂、金属、セラミックスなどの材料中に、これらの連続繊維を埋め込むことによって一体化し、これらの繊維にひずみ測定センサーとしての機能をもたせることもできる。

【34】
更に、本発明に係わるひずみ測定センサーは、連続繊維の表面に、熱処理、化学処理、コーティング処理等を用いることによって表面層を形成し、これを繊維束中に存在する各々の繊維間の絶縁皮膜とすることによって、繊維間の導電パスの形成を防ぎ、より分解能の高いひずみ測定センサーを形成することができる。更に、本発明に係わるひずみ測定センサーは、連続繊維に熱処理や化学処理等を施すことによって単繊維強度分布を調節し、且つこれらの繊維束を単数、もしくは複数組み合わせることによって、繊維の強度分布を高度に制御することで、広いひずみ領域に適用可能なひずみ測定センサーなど、様々な仕様を有するひずみ測定センサーを任意に設計することが可能となる。

【4】
これは、応力の増大に伴う炭素繊維の電気抵抗増大と、繊維の逐次破断に伴う電気抵抗の変化から、ひずみ、もしくは微視的損傷を測定する方法である。ところが、この方法では、炭素繊維間の接触による導電パス形成により、センサーの測定精度、測定ばらつき、再現性、分解能が低く、且つ、電気抵抗と繊維破断率との関係を決定付けるための理論的な解析が複雑であるという問題があった。また、炭素繊維の破断が発生するのは、高ひずみ領域であることから、ひずみの測定可能な範囲が、高ひずみ領域に限定されてしまうという問題があった。

【5】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、そのような状況に鑑みてなされたもので、小型、軽量で、取り扱い性に優れた高性能なひずみ測定ができ、かつ最大ひずみの履歴が測定可能なひずみ測定センサーを提供することを目的とするものである。

【6】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発明のひずみ測定センサーは、連続繊維を複数束ねた繊維束を、繊維強化複合材料、樹脂、金属、セラミックスなどの母材によって一体化、複合化した構造のひずみ測定センサーであって、前記連続繊維は、各々その表面に絶縁皮膜層が形成され、前記繊維束中の各繊維間を絶縁してなり、ひずみの増大に伴う前記連続繊維の逐次破断を、電気抵抗の変化により測定することによって、ひずみを、計測、且つ記憶することを特徴とするものである。

【7】
前記連続繊維を複数束ねた繊維束を一体化・複合化する方法としては、繊維束を母材となる繊維強化複合材料、樹脂、金属、セラミックスなどの材料中に、埋め込むことによって一体化する方法、あるいは前記繊維束を母材となる繊維強化複合材料、樹脂、金属、セラミックスなどの材料で挟み込み、ホットプレスにより加圧成形することにより一体化・複合化する方法などが採用できる。また、前記連続繊維の表面に、熱処理、化学処理、コーティング処理等を施すことによって表面層を形成し、これを繊維束中に存在する各々の繊維間の絶縁皮膜とすることにより、繊維接触がなくなり、繊維破断後の導電パスが形成されることがなくなり、測定精度の高いひずみ測定センサーを得ることができる。

【8】
さらに、前記連続繊維に、熱処理又は化学処理を施すことによって、単繊維強度分布を調節し、且つ、該連続繊維を束ねた繊維束を、単数、もしくは複数組み合わせることによって、全体の連続繊維の強度分布を制御することができるので望ましい。その際、強度分布の異なる2種類以上の繊維束を用いることによって、幅広いひずみ領域で適用可能なひずみ測定センサーを用いることができる。また、本発明に用いる連続繊維は、特に限定されないがある程度の導電性を有しているのが望ましく、炭化ケイ素系繊維等が好適に適用できる。

【9】

【発明の実施の形態】本発明のひずみ測定センサーは、連続繊維を複数束ねた繊維束を、樹脂、金属、セラミックスなどの母材によって一体化、複合化した構造とし、ひずみの増大に伴う連続繊維の逐次破断を該構造体の電気抵抗の変化として測定するもので、連続繊維の導電性を利用するため、繊維としては、ある程度の導電率を有していることが望ましいが、計測可能な範囲であれば、導電率の値については、特に限定されない。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5