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明細書 :滞留型飛翔体を用いた測位システム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3595834号 (P3595834)
公開番号 特開2004-037323 (P2004-037323A)
登録日 平成16年9月17日(2004.9.17)
発行日 平成16年12月2日(2004.12.2)
公開日 平成16年2月5日(2004.2.5)
発明の名称または考案の名称 滞留型飛翔体を用いた測位システム
国際特許分類 G01S  5/14      
G01C 21/00      
H04Q  7/34      
FI G01S 5/14
G01C 21/00 D
H04B 7/26 106A
請求項の数または発明の数 11
全頁数 13
出願番号 特願2002-196471 (P2002-196471)
出願日 平成14年7月4日(2002.7.4)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用申請有り 日本航空宇宙学会論文集 第50巻 576号、P.36-39,社団法人 日本航空宇宙学会、2002年1月5日発行
審査請求日 平成14年7月4日(2002.7.4)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503361400
【氏名又は名称】独立行政法人 宇宙航空研究開発機構
発明者または考案者 【氏名】辻井 利昭
【氏名】張替 正敏
個別代理人の代理人 【識別番号】100092200、【弁理士】、【氏名又は名称】大城 重信
【識別番号】100110515、【弁理士】、【氏名又は名称】山田 益男
【識別番号】100084607、【弁理士】、【氏名又は名称】佐藤 文男
審査官 【審査官】宮川 哲伸
参考文献・文献 特開平10-253741(JP,A)
特開2000-78069(JP,A)
特開平11-109015(JP,A)
特開平10-307179(JP,A)
特開2000-124726(JP,A)
特開2000-124848(JP,A)
特開2000-207700(JP,A)
特開2000-357986(JP,A)
調査した分野 G01S 5/14
G01C 21/00
H04Q 7/34
特許請求の範囲 【請求項1】
測距信号及び航法データ信号を発信する発信装置を備えた1機以上の滞留型飛翔体、前記滞留型飛翔体からの前記測距信号を受信する測距信号受信装置を備えた5局以上の固定観測局、前記各固定観測局から送信された前記測距信号に基づいて前記滞留型飛翔体の発信装置位置を推定し且つ前記発信装置位置に関するデータを含み前記航法データ信号の生成のための補助データ信号を前記滞留型飛翔体に向けて発信する基地局、並びに前記滞留型飛翔体からの前記測距信号と前記航法データ信号とをそれぞれ受信する受信装置及び受信した前記測距信号と前記航法データ信号とに基づいて自己の位置を推定するデータ処理装置を備えたユーザ端末から成る滞留型飛翔体を用いた測位システム。
【請求項2】
前記滞留型飛翔体は前記滞留型飛翔体の位置姿勢を推定する航法フィルタを備え、前記航法フィルタの出力は前記航法データ信号に含まれることから成る請求項1に記載の滞留型飛翔体を用いた測位システム。
【請求項3】
前記補助データ信号は、前記発信装置位置に加えて測位衛星に関するデータを含んでいることから成る請求項1に記載の滞留型飛翔体を用いた測位システム。
【請求項4】
前記各固定観測局は、インターネット等の高速通信回線を通じて前記基地局と接続されていることから成る請求項1に記載の滞留型飛翔体を用いた測位システム。
【請求項5】
前記固定観測局の前記測距信号受信装置及び前記ユーザ端末の前記測距信号受信装置は、GPS衛星からのGPS測距信号を受信可能であることから成る請求項1に記載の滞留型飛翔体を用いた測位システム。
【請求項6】
測距信号を発信する発信装置を備えた1機以上の滞留型飛翔体、前記滞留型飛翔体からの前記測距信号を受信する測距信号受信装置を備えた5局以上の固定観測局、前記各固定観測局から送信された前記測距信号に基づいて前記滞留型飛翔体の発信装置位置を推定し、前記発信装置位置に関するデータを含む航法データ信号を生成し、前記航法データ信号をユーザに向けて発信する基地局、並びに前記滞留型飛翔体からの前記測距信号と前記基地局からの前記航法データ信号とをそれぞれ受信する受信装置及び受信した前記測距信号と前記航法データ信号とに基づいて自己の位置を推定するデータ処理装置を備えたユーザ端末から成る滞留型飛翔体を用いた測位システム。
【請求項7】
前記基地局は前記滞留型飛翔体の位置姿勢を推定する航法フィルタを備え、前記航法フィルタの出力は前記航法データ信号に含まれることから成る請求項6に記載の滞留型飛翔体を用いた測位システム。
【請求項8】
前記滞留型飛翔体は航法センサを備えており、前記航法センサが検出した航法センサデータは、前記航法フィルタによる前記滞留型飛翔体の位置姿勢の推定のため、前記基地局に送信されることから成る請求項6に記載の滞留型飛翔体を用いた測位システム。
【請求項9】
前記航法データ信号は、無線インターネット等の高速通信回線を通じて前記ユーザに送信されることから成る請求項6に記載の滞留型飛翔体を用いた測位システム。
【請求項10】
前記各固定観測局は、インターネット等の高速通信回線を通じて前記基地局と接続されていることから成る請求項6に記載の滞留型飛翔体を用いた測位システム。
【請求項11】
前記固定観測局の前記測距信号受信装置及び前記ユーザ端末の前記測距信号受信装置は、GPS衛星からのGPS測距信号を受信可能であることから成る請求項6に記載の滞留型飛翔体を用いた測位システム。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、滞留型飛翔体を利用し、滞留型飛翔体が発信する測距信号を利用して、単独で又は他の測位システムと協働してユーザの位置を精密に測定可能にする滞留型飛翔体を用いた測位システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カーナビゲーションに代表されるように、地上、海上又は航空機等における自己の位置を測定する手段として、人工衛星であるGPS(Global
Positioning System)衛星からの時刻信号と位置信号とを利用することが広く行われている。GPS信号を利用した測位システムでは、車両のような移動体に搭載した測位器が、GPS衛星に搭載され発信時刻を記した電波(時刻信号)を発信している位置基準局を観測することにより、測位器がGPS衛星からの信号を受信した時刻から、GPS衛星の位置基準局と移動体の測位器との間の距離が算出される。また、測位器は、GPS衛星からの位置信号を受信することにより、GPS衛星の位置を知ることができる。測位器は、複数(多くの場合、4つ)の位置の判っているGPS衛星からの距離を知ることにより、移動体の位置を知ることができる。移動体の位置情報を、移動体に搭載した通信機から、通信衛星等に搭載した中継局を介して通信相手に情報を送信したり、或いはその逆方向の情報通信も可能である。
【0003】
上記のように、従来の人工衛星であるGPS衛星を利用した測位及び通信システムでは、位置基準局を搭載したプラットフォームとしてGPS衛星を利用しているので、衛星開発の費用、打上げ費用、維持費用等の各費用が膨大である。打ち上げ後の搭載機器の更新は事実上不可能であり、軌道変更等の運用法の変更も難しい。このように、従来実用化されてきた人工衛星による測位システムには、コスト、運用性の面で問題がある。また、通信状態が、大気圏外の電波状況に依存しているとう問題もある。そして、人工衛星以外の飛翔体に測距信号発信器を搭載して航法測地に利用する技術は、現在のところ実用化されていない。
【0004】
GPS衛星以外の飛翔体をプラットフォームとして利用することは、例えば、特開平10-307179号公報、特開平10-253741号公報に提案されている。これらの提案によれば、測位の基準となる位置基準局と通信の中継となる中継局とが同一の静止飛行船に配置されている。多数のプラットホームに関する処理を行う必要がなく、大気圏外の衛星との電波伝播の運用条件を緩和することが可能であるとされ、また、飛行船の位置や配置数も、自国の開発・運用として行うことができると共に、衛星と比較して変更容易であるとされている。
【0005】
特開2000-241523には、既知の位置に設置された地上局と滞空する飛翔体からの送信及び中継電波を用いて、移動体端末の位置を割り出す移動体電波測位システムが開示されている。この移動体電波測位システムでは、滞空する飛翔体に搭載された送信局から移動体に直接に送信される測位信号と、中継局としての複数の地上局を経由して移動体に送信される中継測位信号との到達時間差から、移動体の位置を決定することが提案されている。
【0006】
また、特開2000-357986には、地上の1局の管制局で、成層圏の定点に停留する複数の飛行船の管制と観測衛星の情報収集とを可能にした飛行無線システムが開示されている。この飛行無線システムでは、複数の飛行船に自機位置を測定するGPS受信装置と位置信号を補正するDGPS受信装置とを搭載し、管制局と飛行船との間での信号通信による位置測定機能を省略し、管制局、観測衛星及び飛行船間に設定された通信回線並びに飛行船間の通信回線を利用して、管制局、観測衛星と飛行船との間で管制情報の授受とデータ伝送とを行うことが提案されている。
【0007】
更に、特開2001-311769には、地上のどの位置でも、建物の影響を比較的に受けることがないリアルタイム且つ高精度な位置情報を得ることができる位置測定システムが開示されている。この位置測定システムでは、3つ以上の上空に存在する飛行体は、既知位置にある4つ以上の地上固定局から送信される位置・時刻情報を受信して、リアルタイムで自己の位置を測定し、その測定結果を時刻と共に地上に送信し、地上の移動局は、飛行体の自己位置・時刻情報を基に、自身の位置をリアルタイムで測定することが提案されている。
【0008】
ユーザが測位を行うためには、発信器からの距離情報と共に発信器の位置情報が必要である。GPS衛星等の人工衛星の運動は軌道運動であるので、衛星位置については高精度に予測可能であり、1時間に1度程度の頻度での更新で充分である。そのため、衛星の位置情報の伝達は搬送波を変調するのみで充分である(GPSの場合、50bpsのチップレート)。ところが、飛行船や飛行機等の飛翔体の場合、風や推進力によって軌道(位置)予測精度は低下するので、高い頻度でユーザに高精度な飛翔体の位置情報を送信する必要がある。従って、GPSのような方式ではなく、別途、高速なデータ送信の手法を用いる必要がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、滞留型飛翔体に搭載した測距信号発信装置からの信号をユーザのみならず固定観測局でも受信して、地上側において推定した測距信号発信装置の位置に関するデータを、直接又は滞留型飛翔体を介してユーザに供給することにより、ユーザ端末の位置を高精度に、更に必要であればリアルタイムにも航法測位可能にする点で解決すべき課題がある。
【0010】
この発明の目的は、滞留型飛翔体に搭載した測距信号発信装置からの信号を用いて、軌道予測が困難な滞留型飛翔体であっても、ユーザ端末の地理上の位置を高精度に、更に必要であればリアルタイムにも航法測位することを可能にする、滞留型飛翔体を用いた測位システムを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明による滞留型飛翔体を用いた測位システムは、測距信号及び航法データ信号を発信する発信装置を備えた1機以上の滞留型飛翔体、前記滞留型飛翔体からの前記測距信号を受信する測距信号受信装置を備えた5局以上の固定観測局、前記各固定観測局から送信された前記測距信号に基づいて前記滞留型飛翔体の発信装置位置を推定し且つ前記発信装置位置に関するデータを含み前記航法データ信号の生成のための補助データ信号を前記滞留型飛翔体に向けて発信する基地局、並びに前記滞留型飛翔体からの前記測距信号と前記航法データ信号とをそれぞれ受信する受信装置及び受信した前記測距信号と前記航法データ信号とに基づいて自己の位置を推定するデータ処理装置を備えたユーザ端末から成っている。
【0012】
この滞留型飛翔体を用いた測位システムによれば、1機以上の滞留型飛翔体の発信装置は、当該滞留型飛翔体に関する測距信号を発信する。5局以上の固定観測局にそれぞれ備わる測距信号受信装置は、滞留型飛翔体からの前記測距信号を受信する。基地局は、各固定観測局から送信された測距信号に基づいて滞留型飛翔体の発信装置位置を推定し、発信装置位置に関するデータを含み航法データ信号の生成のための補助データ信号を滞留型飛翔体に向けて発信する。滞留型飛翔体は、補助データ信号に基づいて航法データを生成して発信装置から発信する。ユーザ端末は、滞留型飛翔体からの測距信号と航法データ信号とをそれぞれ受信装置で受信し、受信した測距信号と航法データ信号とに基づいて行われるデータ処理装置によって、この測位システム単独で、又はGPS等の他の測位システムと協働して他の測位システムを増強する態様で、自己の位置を精度良く推定することが可能になる。
【0013】
このように、滞留型飛翔体は、地上の固定観測局とユーザとに提供すべき飛翔体識別番号及び時刻情報を持つ測距信号を、同じ発信装置を用いて発信しているので、固定観測局とユーザとで認識する滞留型飛翔体の部分は、共通する発信装置の位置であり、両者に対する位置情報が高度化される。また、航法データ信号は、測距信号とは別の回線(データ回線)にて生成される信号であって、リアルタイムでの測位に適したデータ信号である。更に、滞留型飛翔体が発信する信号は測距信号と航法データ信号とのみであり、滞留型飛翔体の位置に関する解析するための高度なデータ処理をする機器は滞留型飛翔体上でなく基地局に設けられているので、そうした機器の故障や不具合に対する高度な対策を予め飛翔体上に用意する必要もない。従って、滞留型飛翔体は、一度飛翔すれば中断なく長期に渡って運用可能である。更に、GPSによる測位システムを利用できない場合でも、本測位システムによって独立した測位システムを提供することができる。
【0014】
この滞留型飛翔体を用いた測位システムにおいて、前記滞留型飛翔体には前記滞留型飛翔体の位置姿勢を推定する航法フィルタを備え、前記航法フィルタの出力を前記航法データ信号に含めることができる。ユーザが滞留型飛翔体に備わる発信装置の精密位置を知るまでには時間遅れがあり、この時間遅れの期間内での滞留型飛翔体の移動や姿勢変化によって、発信装置位置には誤差が生じる。航法フィルタは、滞留型飛翔体の位置、速度、加速度、姿勢角、角速度、角加速度等の位置姿勢に関する情報を推定する機器であり、航法フィルタの出力は、滞留型飛翔体の位置姿勢の推定値とそれらを予測するためのパラメータである。滞留型飛翔体に航法フィルタを備えて、その出力と補助データとから生成した航法データ信号をユーザに送信することにより、ユーザは、このような時間遅れに起因した測距信号発信装置の位置の誤差を補正することが可能になる。
【0015】
この滞留型飛翔体を用いた測位システムにおいて、前記補助データ信号は、前記滞留型飛翔体における前記航法データ信号の生成のため、前記発信装置位置に加えて測位衛星に関するデータを含むことができる。測位衛星に関するデータとしては、例えば、測距信号発信装置の時計誤差、ドップラ周波数、基地局で生成又はインターネット等の高速通信回線を通じて取得したGPS衛星の精密予報暦、差分航法用補正量等が挙げられる。いずれも、ユーザが自身の位置を高精度に求めるために使用される。
【0016】
また、この発明による滞留型飛翔体を用いた測位システムは、測距信号を発信する発信装置を備えた1機以上の滞留型飛翔体、前記滞留型飛翔体からの前記測距信号を受信する測距信号受信装置を備えた5局以上の固定観測局、前記各固定観測局から送信された前記測距信号に基づいて前記滞留型飛翔体の発信装置位置を推定し、前記発信装置位置に関するデータを含む航法データ信号を生成し、前記航法データ信号をユーザに向けて発信する基地局、並びに前記滞留型飛翔体からの前記測距信号と前記基地局からの前記航法データ信号とをそれぞれ受信する受信装置及び受信した前記測距信号と前記航法データ信号とに基づいて自己の位置を推定するデータ処理装置を備えたユーザ端末から成っている。
【0017】
この滞留型飛翔体を用いた測位システムによれば、1機以上の滞留型飛翔体の発信装置から発信された当該滞留型飛翔体に関する測距信号は、5局以上の固定観測局にそれぞれ備わる測距信号受信装置によって受信される。基地局は、各固定観測局から送信された測距信号に基づいて滞留型飛翔体の発信装置位置を推定し、発信装置位置に関するデータを含む航法データ信号を生成し、航法データ信号をユーザに向けてする。ユーザ端末は、滞留型飛翔体からの測距信号と基地局からの航法データ信号とを受信し、両信号に基づいて行われるデータ処理装置によって、この測位システム単独で、又は他の測位システムと協働して他の測位システムを増強する態様で、自己の位置を精度良く推定することが可能になる。滞留型飛翔体から測距信号を発信する発信装置は、固定観測局とユーザとの認識において共通しており、両者に対する位置情報が高度化される。また、航法データ信号は、測距信号とは別の回線(データ回線)にて生成される信号であって、リアルタイムでの測位に適したデータ信号である。更に、発信装置位置に関するデータに基づいて作成される航法データは、滞留型飛翔体で作成する代わりに地上側の基地局で作成され、基地局から直接にユーザに送信されるので、滞留型飛翔体が発信する信号は測距信号となる。従って、高度なデータ処理をする機器は基地局に設けられ機器の故障や不具合に対する高度な対策を予め飛翔体上に用意する必要がなく、データ処理装置の設置や維持・保守等の管理をすべて地上側で行うことができ、それゆえ、滞留型飛翔体は一度飛翔すれば中断なく長期に渡って運用可能である。
【0018】
この滞留型飛翔体を用いた測位システムにおいて、前記基地局には前記滞留型飛翔体の位置姿勢を推定する航法フィルタを備え、前記航法フィルタの出力を前記航法データ信号に含めることができる。ユーザが滞留型飛翔体に備わる発信装置の精密位置を知るまでには時間遅れがあり、この時間遅れの期間内での滞留型飛翔体の移動や姿勢変化によって、発信装置位置には誤差が生じる。航法フィルタは、滞留型飛翔体の位置、速度、加速度、姿勢角、角速度、角加速度等の位置姿勢に関する情報を推定する機器であり、航法フィルタの出力は、滞留型飛翔体の位置姿勢の推定値とそれらを予測するためのパラメータである。基地局に航法フィルタを備えて、その出力から生成した航法データ信号をユーザに送信することにより、このような時間遅れに起因した発信装置位置の誤差を補正することが可能になる。なお、航法データ信号は、航法フィルタの出力と、時計誤差やドップラ周波数等の測位衛星に関するデータである補助データとから生成することができる。
【0019】
この滞留型飛翔体を用いた測位システムにおいて、前記滞留型飛翔体には航法センサを備え、前記航法センサが検出した航法センサデータを前記航法フィルタによる前記滞留型飛翔体の位置姿勢の推定のため、前記基地局に送信することができる。航法センサは、慣性航法センサや、気圧、気温、湿度、風向風速等を検出する気象センサなどである。航法センサが検出した航法センサデータは、滞留型飛翔体から基地局に送信されて、基地局において航法フィルタによる滞留型飛翔体の高精度な位置姿勢推定のために用いられる。
【0020】
この滞留型飛翔体を用いた測位システムにおいて、前記航法データ信号は、無線インターネット等の高速通信回線を通じて前記ユーザに送信することができる。地上の無線インターネット網は急速に整備されつつあり、航法データ信号を滞留型飛翔体からの電波よりも簡単な受信機器で受信することが可能になる可能性がある。
【0021】
上記両発明にかかる滞留型飛翔体を用いた測位システムにおいて、前記各固定観測局は、前記基地局とインターネット等の高速通信回線を通じて接続することができる。高速大容量のデータ通信を行うことができるインターネット等の高速通信回線は既設の通信回線であり、各固定観測局と基地局とを接続する通信手段として、そのまま利用することができ、システムの一部としての通信網を安価に構築することが可能である。
【0022】
また、上記両発明にかかる滞留型飛翔体を用いた測位システムにおいて、前記固定観測局の前記測距信号受信装置及び前記ユーザ端末の前記測距信号受信装置は、GPS衛星からのGPS測距信号を受信可能とすることができる。GPS衛星からのGPS測距信号を利用する場合、本測位システムは、充分観測可能なGPS衛星数が少ない時間帯や都市部又は山間部のような地域において、GPSを増強するシステムとして機能し、静止衛星や準天頂衛星等の高価な人工衛星システムを利用する場合とは異なり、GPS増強システムを安価に構築することができる。更に、GPSによる測位システムを利用できない場合でも、本測位システムによって独立した測位システムを提供することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、添付した図面に基づいて、この発明による滞留型飛翔体を用いた測位システムの実施例を説明する。図1はこの発明による滞留型飛翔体を用いた測位システムの一例を示す概念図である。
【0024】
図1に示す滞留型飛翔体を用いた測位システムによれば、成層圏等の上空に滞留する滞留型飛翔体(以下、「飛翔体」と略す)1に搭載した測距信号発信装置2は、測距信号17を発信する。測距信号17は、基本的にはGPSと同様の信号であり、自己の飛翔体認識番号と時刻情報を持つ信号である。少なくとも5つの固定観測局6は、GPS衛星20からのGPS信号21と測距信号17とを取得し、回線接続器8、インターネット等の高速通信回線9を通して基地局10にデータを送信する。基地局10のデータ処理装置11は発信装置位置、即ち、測距信号発信装置2のアンテナ位置を精密に測定する。精密に推定した測距信号発信装置2の位置情報は、測距信号発信装置2の精密暦と称され、GPSの放送暦(GPS衛星20の位置情報)に相当するものである。
【0025】
基地局10は、また、測距信号発信装置2の時計誤差、ドップラ周波数、基地局10で生成又はインターネット等の高速通信回線9を通じて取得したGPS衛星の精密予報暦、差分航法用補正量等の測位衛星に関するデータを生成する。各測距信号発信装置2と各測距信号受信装置7の時計の誤差は、各測距信号17に含まれる。これらの誤差は推定するか、異なる測距信号受信装置7又は測距信号発信装置2間で信号の差をとって相殺される(DGPSでは異なる測距信号受信装置7間で信号の差分をとることでGPS衛星の時計誤差を相殺している)。ドップラ周波数は、測距信号17の載っている電波(搬送波)の周波数のノミナル値からのずれであって、測距信号発信装置2の時計の精度や運動速度に依存する量である。これら時計誤差やドップラ周波数をユーザ端末13に送ることで、ユーザ端末13での測距信号17の高精度な測距と高速な捕捉を可能にしている。また、GPS衛星20からのGPS信号21を受信することでリアルタイムに放送暦(GPS衛星の位置情報)が得られるが、GPS信号21には誤差が大きいので、ユーザが測地測量等、精密測位を行いたい場合には、後処理で求められた精密暦が用いられる。一方、GPS衛星20の精密な予測位置が種々の機関から発表されており(但し、その予測位置はGPS信号21には含まれていない)、これがGPS衛星の精密予報暦と称され、ユーザに別途提供することにより、相当高精度な測位を可能にする。更に、差分航法用補正量は、差分航法(所謂DGPS)における補正量であり、GPS衛星20の時計誤差、信号が対流圏や電離層を伝搬する間に生じる遅延量等を足したもので、これを得れば、基準用受信機なしでDGPS航法と同等の精度を得ることができる。
【0026】
測距信号発信装置2の位置情報は、これらの測位衛星に関するデータと共に、補助データ信号18として補助データ送信装置12により飛翔体1に送信される。飛翔体1は補助データ受信装置4にて補助データ信号18を受信し、飛翔体1のデータ処理装置3は受信した補助データ信号18に基づいて航法フィルタにより飛翔体1の位置姿勢に関する推定値を出力する。即ち、地上の同定観測局6での観測データから飛翔体1の発信アンテナの位置は精密に決定されるが、ユーザがその精密な位置情報を受け取るまでの時間遅れのために飛翔体1の位置姿勢には誤差が生じる。航法フィルタは、飛翔体1の位置姿勢情報(位置、速度、加速度、姿勢角、姿勢角速度、角加速度等)を生成する機器(ハード及びソフトウエア)であって、慣性航法装置等のセンサや高精度なモデルを持つ運動方程式を用いて飛翔体1の位置姿勢情報を予測するのに必要な情報を出力して、上記発信アンテナ位置誤差を補正するために使用される。
【0027】
航法データ送信装置5は、受信した補助データ信号18及びデータ処理装置3からの航法フィルタの出力を合わせて航法データを作成し、航法データ信号19としてユーザ端末13に送信する。航法データは、具体的には、地上の固定観測局6で推定した飛翔体1の位置情報と航法フィルタの出力、及び上記の補助データ信号18が持つ補助データ(GPSの精密予報暦、DGPS補正量、GPS及び測距信号発信装置の時計誤差、ドップラ周波数等)を含むデータである。ユーザ端末13において、データ処理装置16は、測距信号受信装置14で受信した測距信号17及びGPS信号21(本測位システムをGPSの増強として用いる場合)と、航法データ受信装置15で受信した航法データ信号19とを用いてユーザの位置を精密に推定して出力する。このように、飛翔体1から、ユーザ端末13には、測距信号17以外にも、航法データ信号19として高精度な位置計算に必要な航法データが提供される。
【0028】
飛翔体1の位置精度についてより詳細に説明すると、地上に設置された5局以上の固定観測局6において飛翔体1からの測距信号17を受信するので、測距信号17について飛翔体1からの送信時刻と各固定観測局6での受信時刻の差から、飛翔体1と各固定観測局6との間の距離を求めることができる。こうして求められた各固定観測局6からの距離から、飛翔体1の発信装置位置、即ち、発信装置2の送信アンテナ位置を直接に高精度で推定することができる(所謂、逆GPS手法)。更に、ユーザがアンテナの位置情報を受信するまでの時間遅れに起因して生じる誤差を補正するため、飛翔体1のデータ処理装置3に航法フィルタを装備して飛翔体1の位置姿勢に関する推定値を出力するので、この航法フィルタ出力は、基地局10で生成された補助データと共に、飛翔体1から測距信号17とは別回線で航法データ送信装置5から航法データ信号19としてユーザ端末13に送信される。従って、ユーザは、飛翔体1についての非常に高精度な位置情報を入手することができる。
【0029】
飛翔体1の位置のリアルタイム性についてより詳細に説明すると、飛翔体1は風やエンジン出力等の影響で頻繁に位置を変える可能性があるので、飛翔体1の位置情報は逐次更新されねばならない。そのため、航法フィルタ出力、即ち、飛翔体1の位置姿勢及びそれらを予測するためのパラメータは、補助データと共に航法データ信号19として航法データ送信装置5からユーザ端末13に測距信号17とは別回路にて高頻度で送信される。飛翔体1の位置情報の更新頻度を高めるために、固定観測局6での測距信号17の観測頻度は10Hz以上の高頻度とし、基地局10と結ぶ通信回線は光ファイバ等から構成された高速インターネット等の高速通信回線9とされている。なお、GPSではGPS衛星の軌道暦は搬送波を変調することで提供しているが、その方法では大量の情報を提供できない。そのため、この測位システムでは、測距信号発信装置2の位置等を含む航法データは、測距信号を変調して送信するのではなく、高速インターネット等の高速大容量のデータ通信が可能な高速通信回線で送信している。従って、ユーザは、測距信号発信装置2の精密暦、即ち、飛翔体1の発信装置2のアンテナ位置に関する高精度位置情報と、補助データとを高い頻度で最新情報として受信し、測距信号発信装置2からのユーザ端末までの距離とに基づいて、ユーザ位置を高精度で且つリアルタイムで推定することができる。
【0030】
上記の滞留型飛翔体を用いた測位システムの実施例は、以下の一連の作用を有する。即ち、1機以上の飛翔体1に搭載した測距信号発信装置2はGPSと同様の測距信号(擬似距離、搬送波)17を送信する。5局以上の固定観測局6では、各測距信号受信装置7が飛翔体1からの測距信号17を受信し、10Hz以上の高頻度で観測データ(擬似距離、搬送波、ドップラ周波数等)が高速通信回線9で基地局10に送信される。基地局10のデータ処理装置11は、5局以上の固定観測局6のデータを用いることにより、飛翔体1上の測距信号発信装置2の位置(即ち、発信アンテナの位置)を誤差数cm以内の高精度で推定することができる。この推定には、測距信号17に対する主要な誤差源は対流圏遅延誤差なので、高精度な対流圏遅延モデルが使用される。
【0031】
飛翔体1上の測距信号発信装置2の位置情報、時計誤差、ドップラ周波数等は、基地局10で生成又はインターネットで取得したGPS衛星の精密予報暦、差分航法用補正量等と共に、補助データ信号18として補助データ送信装置12により飛翔体1に送信される。飛翔体1のデータ処理装置3は航法フィルタにより飛翔体1の位置姿勢情報の各推定値等を出力する。航法データ発信装置5は航法フィルタ出力を補助データ信号18と合わせて航法データ信号19として送信し、ユーザ端末13は航法データ受信装置15にて航法データ信号19を受信する。ユーザ端末13に備わる測距信号受信装置14は、飛翔体1からの測距信号17及びGPS20からの測距信号(GPS信号)21を受信する。同じくユーザ端末13に備わるデータ処理装置16は、測距信号受信装置14が受信した測距信号17,21と、航法データ受信装置15で受信した航法データ信号19とを用いてユーザの位置を推定して出力する。固定観測局6が受信したGPS信号21は、本測位システムがGPSを増強する場合には、DGPS補正信号を生成するために使用される。GPS信号21は、その他、GPS衛星20の捕捉の高速化、受信機の高感度化のためのドップラ周波数等、GPSレシーバの機能をアシストする情報をユーザに提供するために便用される。なお、本測位システムは、GPSが使用できない等の非常時には、4機以上の滞留型飛翔体1によりGPSとは独立の航法測位システムとして用いることができる。
【0032】
図2は、図1に示す測位システムの使用例を示したものである。図2は、首都圏上空、高度20kmに0.5度(約55km)間隔で飛翔体として9機の飛行船を配置した例である。●印は飛行船、×印はユーザの位置を示す。本実施例の航法測位システムにおける測位精度を与える指標としてGDOP(geometrical Dilution of Precision)の値を図3に示す。GDOPの値が小さいほど高い精度が得られる。上図は10度以上の仰角の衛星及び飛行船のみを観測した場合、下図は20度の場合である。本実施例(太線)では常時安定した精度が得られることが明らかで、その傾向は仰角を20度以上とした場合に顕著である。比較のためにGPSのみ、GPSとGLONASS(ロシアの測地衛星システム)を使用した場合も示す。GPSのみ(中太線)の場合と比較しても、本測位システムでは時間的な変動の改善が見られ、GPS/GLONASSの場合(細線)と比較しても明らかに本発明の実施例に改善が見受けられる。
【0033】
この滞留型飛翔体を用いた測位システムによれば、GPSと併用することによって、GPS信号21に加えて飛翔体1からの測距信号17が加わり、測位精度や信頼性が向上し、GPSによる測位性能を大幅に増強し、ユーザの位置を高精度に測定することができる。また、GPS衛星20が十分な数観測ができない山間部や都市部、観測できるGPS衛星20が少ない時間帯等、GPSが使用できない非常時であっても、4機以上の飛翔体1により測距信号発信装置の位置姿勢情報を得ることができ、GPSとは独立の航法測位システムとして位置姿勢情報を提供することもできる。そして、この測位システムは、現在GPSが利用されているあらゆる分野(航法、測地測量、建築土木における機械制御、人や移動体などの位置モニタ等)に利用することができる。飛翔体1に搭載した測距信号発信装置2、測距信号発信装置2の精密位置推定法、及び飛翔体1からの航法データ信号19の送信と類似の作用を持つ測位システムは、そのことによりGPSの機能を増強するか、若しくはGPSを使わないで航法測位を行う一切の発明は、本測位システムの発明に帰属するものである。
【0034】
図4は、この発明による滞留型飛翔体を用いた測位システムの別の例を示す概念図である。図4に示す測位システムは、図1に示す測位システムと比較して、基地局10から航法データを直接にユーザに送信していることと、それに関連する構成で異なっているが、その他の構成に変更はないので、同じ構成要素には同じ符号を用いることによって、再度の説明を省略する。図4に示す滞留型飛翔体を用いた測位システムによれば、1機以上の飛翔体1の測距信号発信装置2から発信された当該飛翔体1に関する測距信号17は、5局以上の固定観測局6にそれぞれ備わる測距信号受信装置7によって受信され、固定観測局6から基地局10に送信される。基地局10は、各固定観測局6から送信された測距信号のデータに基づいて飛翔体1の発信装置位置を推定し、更に、データ処理装置11において、発信装置位置に関するデータを含む航法データを生成し、航法データ送信装置26によって航法データ信号19をユーザ端末13に向けて発信する。ユーザ端末13は、飛翔体1からの測距信号17と基地局10からの航法データ信号19とを受信し、両信号に基づいて行われるデータ処理装置によって、この測位システム単独で、又は他の測位システムと協働して他の測位システムを増強する態様で、自己の位置を精度良く推定することが可能になる。
【0035】
飛翔体1から測距信号17を発信する測距信号発信装置2は、固定観測局6とユーザ端末13とに対して共通しており、両者に対する位置情報が高度化される。また、航法データ信号19は、測距信号17とは別の回線(データ回線)にて生成される信号であって、リアルタイムでの測位に適したデータ信号である。更に、航法データ19は、飛翔体1で作成するのではなく地上側の基地局10で作成され、基地局10から直接にユーザ端末13に向かって送信されるので、飛翔体1が発信する信号は測距信号17のみとなる。従って、高度なデータ処理をする機器は基地局10に設けられるので、機器の故障や不具合に対する高度な対策を予め飛翔体1上に用意する必要がなく、データ処理装置の設置や維持・保守等の管理をすべて地上側で行うことができ、それゆえ、飛翔体1は一度飛翔すれば中断なく長期に渡って運用可能である。
【0036】
基地局10には飛翔体1の位置姿勢を予測する航法フィルタを備え、航法フィルタの出力を航法データ信号19に含めることができる。ユーザが飛翔体1に備わる測距信号発信装置2の精密位置を知るまでに存在する時間遅れによって飛翔体1の発信装置位置には誤差が生じる。航法フィルタは、飛翔体1の位置、速度、加速度、姿勢角、角速度、角加速度等の位置姿勢に関する情報を推定する機器であり、基地局10に備わる航法フィルタの出力を航法データ信号19に含め、ユーザ端末13に直接送信することにより、このような時間遅れに起因した測距信号発信装置2の位置誤差を補正することができる。なお、先の実施例と同様、航法データは、航法フィルタの出力に、発信装置位置と時計誤差やドップラ周波数等の測位衛星に関するデータとから成る補助データを加えることで得られる。
【0037】
滞留型飛翔体には、慣性航法センサや、気圧、気温、湿度、風向風速等を検出する気象センサなどの航法センサ22を備えられる。航法センサ22が検出した航法センサデータが載せられた航法センサデータ信号24は、航法フィルタによる飛翔体1の位置姿勢の予測のため、航法センサデータ送信装置23から基地局10に送信される。航法センサデータ信号24は、基地局10において航法センサデータ受信装置25によって受信される。基地局において航法フィルタによる滞留型飛翔体の高精度な位置姿勢推定のために用いられる。航法データ信号19は、無線インターネット等の高速通信回線を通じてユーザに送信される。地上の無線インターネット網は急速に整備されつつあり、航法データ信号19を飛翔体1からの電波よりも簡単な受信機器で受信することが可能になる可能性がある。
【0038】
【発明の効果】
この発明による滞留型飛翔体を用いた測位システムは、上記のように構成されているので、上空に滞留するプラットフォームとしての飛翔体に備わる測距信号発信装置から発信される測距信号を、地上に5局以上設置される固定観測局によって受信し、受信したこれらの測距信号に基づいて、測距信号発信装置としての送信アンテナの位置を所謂逆GPS法を採用して精密に推定している。精密推定された発信装置の位置姿勢情報は滞留型飛翔体に送信され滞留型飛翔体から航法データ信号としてユーザに送信されるので、ユーザは、滞留型飛翔体の位置姿勢情報を高精度で入手することができ、自己位置をリアルタイムに高精度で推定することができる。
【0039】
また、この滞留型飛翔体を用いた測位システムは、飛翔体として人工衛星ではなく狭域滞留型の飛行船や航空機を採用しているので、機器やソフトウエア、システムの更新、運用位置の変更を容易に行うときに、システムとして硬直化することなく、柔軟な運用が可能である。更に、この滞留型飛翔体を用いた測位システムは、開発費、打ち上げ費用、維持費用が膨大な人工衛星ではなく、飛行船等の滞留型飛翔体に測距信号発信機等の比較的安価な機器を搭載し、地上側の設備も利用する方法を採用しているので、システム構築に要する費用が少なくて済む。また、この滞留型飛翔体を用いた測位システムによれば、滞留型飛翔体は測距信号以外に、差分航法用GPS補正データ、GPS精密暦、対流圏遅延データ、電離層遅延データ等の補助データも送信するので、位置推定精度の向上、GPS受信機の感度向上のためにも利用できる。また、本測位システムとGPSとを併用すると、測位精度や信頼性が向上し、GPSによる測位性能を大幅に増強することができる。更に、飛翔体を4機以上用いれば、GPSを使用しない航法測位システムも構築でき、GPSが利用できない等の非常時でも位置情報をユーザに提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による滞留型飛翔体を用いた航法測位システムの一実施例の構成を示す概念図である。
【図2】図1に示す滞留型飛翔体を用いた航法測位システムにおける、滞留型飛翔体としての飛行船の配置図である。
【図3】図1に示す滞留型飛翔体を用いた航法測位システムにおけるGDOP(測位精度の指標)の変化を示す図である。
【図4】この発明による滞留型飛翔体を用いた航法測位システムの別の実施例の構成を示す概念図である。
【符号の説明】
1 滞留型飛翔体 2 測距信号発信装置
3 データ記録装置 4 補助データ受信装置
5 航法データ送信装置 6 固定観測局
7 測距信号受信装置 8 回線接続器
9 高速通信回線 10 基地局
11 データ処理装置 12 補助データ送信装置
13 ユーザ端末 14 測距信号受信装置
15 航法データ受信装置 16 データ処理装置
17 測距信号 18 補助データ
19 航法データ 20 GPS衛星
21 GPS信号 22 航法センサ
23 航法センサデータ送信装置 24 航法センサデータ
25 航法センサデータ受信装置 26 航法データ送信装置
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3