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明細書 :環境浄化循環型水電解装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B1)
特許番号 特許第3479950号 (P3479950)
登録日 平成15年10月10日(2003.10.10)
発行日 平成15年12月15日(2003.12.15)
発明の名称または考案の名称 環境浄化循環型水電解装置
国際特許分類 B64G  1/48      
B01D 53/04      
B01D 53/62      
C02F  1/46      
C07C  1/12      
C25B  1/10      
C25B 11/03      
C25B 13/08      
FI B64G 1/48
B01D 53/04
C02F 1/46
C07C 1/12
C25B 1/10
C25B 11/03
C25B 13/08
B01D 53/34
請求項の数または発明の数 4
全頁数 8
出願番号 特願2003-056632 (P2003-056632)
出願日 平成15年3月4日(2003.3.4)
審査請求日 平成15年3月7日(2003.3.7)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000107583
【氏名又は名称】スガ試験機株式会社
【識別番号】501137577
【氏名又は名称】独立行政法人航空宇宙技術研究所
発明者または考案者 【氏名】桜井 誠人
【氏名】星野 健
【氏名】小口 美津夫
【氏名】大西 充
【氏名】吉原 正一
【氏名】大森 克徳
【氏名】須賀 長市
【氏名】渡辺 洋二
早期審査対象出願または早期審理対象出願 早期審査対象出願
審査官 【審査官】加藤 幹
参考文献・文献 特開 平8-133200(JP,A)
特開 平5-262300(JP,A)
特開 平9-141040(JP,A)
特開 昭61-254220(JP,A)
特開 平3-107488(JP,A)
実開 平4-21563(JP,U)
FUNKE H,(DASA/Dornier GmbH) TAN G,(ESTEC),Air Revitalisation System Demonstrator Design and Test Results,SAE TECHNICAL PAPER SERIES,1999-01-1956
調査した分野 B64G 1/48
B01D 53/04
B01D 53/62
C02F 1/46
C25B 1/10
C25B 11/08
C25B 13/08
C07C 1/12
要約 【課題】 環境浄化循環型水電解装置に関するものであって、閉鎖空間において、無重力下でも、人間等の排出した二酸化炭素を含む空気から二酸化炭素を除去し、かつ、高純度の酸素と水素を、液体の水と混じらないように取り出し、空気を浄化するとともに、燃料である水素を供給できる環境浄化循環型水電解装置を提供すること。
【解決手段】 生活空間の空気中の二酸化炭素を回収して水の電気分解で得られた水素と反応させてメタンに変換させ、同時に得られる水を回収して電気分解に使用する。
特許請求の範囲 【請求項1】
閉鎖空間における環境を浄化し、循環させるための水電解装置であって、(ア)閉鎖された生活空間において排出される二酸化炭素を、ゼオライト若しくは活性炭を吸着剤としてPSA方式で又はアミンを吸着剤としてTSA方式で除去する、二酸化炭素除去手段、(イ)前記二酸化炭素除去手段で浄化した乾燥空気を、前記生活空間に供給する手段、(ウ)前記二酸化炭素除去手段で濃縮された湿潤二酸化炭素を、冷却して水分と二酸化炭素とに分離する第一の分離手段、(エ)前記第一の分離手段で分離された水分を、タンクに貯めて、ヒータで調温する貯水手段、(オ)前記貯水手段から水を供給して電解し、水素と酸素を別々に発生させる水電解手段、(カ)前記水電解手段から発生させた酸素を前記生活空間に供給する手段、(キ)前記水電解手段から発生させた水素の一部を燃料電池に燃料として供給する手段、(ク)前記水電解手段から発生させた水素の残分を、前記第一の分離手段で乾燥させた二酸化炭素とサバチエ第一反応をさせて、メタンと水蒸気を発生させるメタン発生手段、(ケ)前記メタン発生手段で発生した気体を冷却して、水分とメタンに分離する第二の分離手段、(コ)前記第二の分離手段で分離された水分を前記タンクに供給する手段、(サ)前記第二の分離手段で乾燥させたメタンを回収する手段を有することにより、生活空間の空気中の二酸化炭素を回収して水の電気分解で得られた水素と反応させてメタンに変換させ、同時に得られる水を回収して電気分解に使用することを特徴とする環境浄化循環型水電解装置。

【請求項2】
前記水電解手段が(ア)前記貯水手段からの水流入手段及び水回収手段を有する隔室A、(イ)フッ素樹脂系イオン交換膜、(ウ)水素排出手段を有し、かつ、スポンジ状陰極を充填した隔室B、(エ)白金、イリジウム、ロジウム又はイリジウム-ロジウム合金をメッキしたフッ素樹脂系イオン交換膜、(オ)多孔質チタンに白金メッキした陽極、(カ)酸素排出手段を有する隔室Cの順にサンドイッチした電解槽であることを特徴とする請求項1記載の環境浄化循環型水電解装置。

【請求項3】
さらに、前記第二の分離手段で回収したメタンを燃料として使用することを特徴とする請求項1又は2記載の環境浄化循環型水電解装置。

【請求項4】
さらに、前記第二の分離手段で回収したメタンからサバチエ第二反応により水素を発生させ、燃料として使用することを特徴とする請求項1又は2記載の環境浄化循環型水電解装置。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【1】

【発明の属する技術分野】本発明は、重力の有無に関係なく、水を電気分解して酸素と水素を取り出して、閉鎖空間における環境を浄化し、循環させるための環境浄化循環型水電解装置に関する。より詳細には、宇宙空間や宇宙船で生命を維持するための酸素や燃料としての水素を、人間等の排出した二酸化炭素を含む空気から供給する環境浄化循環型水電解装置に関するものである。

【10】
本発明は、かかる問題を鑑みてなされたものであり、したがって、本発明の目的は、閉鎖空間において、無重力下でも、人間等の排出した二酸化炭素を含む空気から二酸化炭素を除去し、かつ、高純度の酸素と水素を、液体の水と混じらないように取り出し、空気を浄化するとともに、燃料である水素を供給できる環境浄化循環型水電解装置を提供することにある。本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、試行錯誤の上、本発明を完成するに至った。

【11】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の環境浄化循環型水電解装置は、閉鎖空間における環境を浄化し、循環させるための水電解装置であって、(ア)閉鎖された生活空間において排出される二酸化炭素を、ゼオライト若しくは活性炭を吸着剤としてPSA方式で又はアミンを吸着剤としてTSA方式で除去する、二酸化炭素除去手段、(イ)前記二酸化炭素除去手段で浄化した乾燥空気を、前記生活空間に供給する手段、(ウ)前記二酸化炭素除去手段で濃縮された湿潤二酸化炭素を、冷却して水分と二酸化炭素とに分離する第一の分離手段、(エ)前記第一の分離手段で分離された水分を、タンクに貯めて、ヒータで調温する貯水手段、(オ)前記貯水手段から水を供給して電解し、水素と酸素を別々に発生させる水電解手段、(カ)前記水電解手段から発生させた酸素を前記生活空間に供給する手段、(キ)前記水電解手段から発生させた水素の一部を燃料電池に燃料として供給する手段、(ク)前記水電解手段から発生させた水素の残分を、前記第一の分離手段で乾燥させた二酸化炭素とサバチエ第一反応をさせて、メタンと水蒸気を発生させるメタン発生手段、(ケ)前記メタン発生手段で発生した気体を冷却して、水分とメタンに分離する第二の分離手段、(コ)前記第二の分離手段で分離された水分を前記タンクに供給する手段、(サ)前記第二の分離手段で乾燥させたメタンを回収する手段を有することにより、生活空間の空気中の二酸化炭素を回収して水の電気分解で得られた水素と反応させてメタンに変換させ、同時に得られる水を回収して電気分解に使用するものである。

【12】
ここで、PSA(Pressure Swing Adsorption)方式とは、圧力スイング吸着方式ともいう。PSA方式は、吸着剤を充填した吸着塔に加圧されたガスを供給し特定の気体を吸着剤に吸着させる吸着過程及び、吸着塔を減圧して吸着した気体を吸着剤から脱離し吸着剤を再生する脱離過程を繰り返して行う吸着方法である。吸着剤により加圧下で選択吸着された成分は減圧により脱離させる。

【13】
二酸化炭素をPSA方式で除去するCOPSAには、分子ふるいとして機能するゼオライトや活性炭を吸着剤とするものがある。吸着剤を充填した吸着塔を2本一組として、一方の吸着塔に空気を送り、加圧すると水分と二酸化炭素が優先的に吸着される。このとき、他方の吸着塔は減圧し、吸着した水分と二酸化炭素を脱離させる。この吸着、脱離動作を一定時間毎に交互に切り替えることにより連続的に空気中から水分と二酸化炭素を分離することができる。

【14】
また、TSA(Thermal Swing Adsorption)方式とは、温度スイング吸着方式ともいう。TSA方式は、吸着剤を充填した吸着塔に低温のガスを供給し特定の気体を吸着剤に吸着させる吸着過程及び、吸着塔を加熱して吸着した気体を吸着剤から脱離し吸着剤を再生する脱離過程を繰り返して行う吸着方法である。吸着剤により低温下で選択吸着された成分は加熱により脱離させる。

【15】
二酸化炭素をTSA方式で除去するCOTSAには、アミン類を吸着剤とするものがある。吸着剤を充填した吸着塔を2本一組として、一方の吸着塔に空気を送り、常温において空気中の水分と二酸化炭素がアミン類と化合して炭酸アミンを作る。このとき、化合の終了した他方の吸着塔はヒータで100℃程度に加熱することにより水分と二酸化炭素を脱離させる。化1に示す、この吸着、脱離動作を一定時間毎に交互に切り替えることにより連続的に空気中から水分と二酸化炭素を分離することができる。

【16】

【化1】
JP0003479950B1_000002t.gif【0017】本発明の環境浄化循環型水電解装置は、好ましくは、前記水電解手段が(ア)前記貯水手段からの水流入手段及び水回収手段を有する隔室A、(イ)フッ素樹脂系イオン交換膜、(ウ)水素排出手段を有し、かつ、スポンジ状陰極を充填した隔室B、(エ)白金、イリジウム、ロジウム又はイリジウム-ロジウム合金をメッキしたフッ素樹脂系イオン交換膜、(オ)多孔質チタンに白金メッキした陽極、(カ)酸素排出手段を有する隔室Cの順にサンドイッチした電解槽である。

【18】
また、本発明の環境浄化循環型水電解装置は、好ましくは、さらに、前記第二の分離手段で回収したメタンを燃料として使用する。

【19】
本発明の環境浄化循環型水電解装置は、より好ましくは、さらに、前記第二の分離手段で回収したメタンからサバチエ第二反応により水素を発生させ、燃料として使用する。

【2】

【従来の技術】有人宇宙船などの閉鎖環境において、生命を維持するには、酸素の供給及び人間等が排出する二酸化炭素の除去が問題となる。一定期間閉鎖される環境においては、生命体等から排出される二酸化炭素をリサイクルして酸素を作り出すことが必要となる。二酸化炭素から酸素を回収する方法としては、ボッシュ反応やサバチエ反応(第一反応と第二反応)がある。また、二酸化炭素を空気から分離する方法としては、水酸化リチウム等により吸収する方法やアミン類により吸収する方法がある。(例えば、非特許文献1参照)。

【20】

【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照して詳細に説明する。

【21】
(実施例1)図1は、本発明の実施例1の構成図である。図1に示したように、本発明の実施例1の環境浄化循環型水電解装置(1)は、電解槽(11)、2台の吸着塔(22a、22b)、第一の除湿器(16)、第二の除湿器(17)、サバチエ第一反応器(18)、水タンク(15)及びそれらを接続する配管、ポンプ類を有する。本発明の実施例1の環境浄化循環型水電解装置(1)は、かかる構成により、生活空間の空気中の二酸化炭素を回収して水の電気分解で得られた水素と反応させてメタンに変換させ、同時に得られる水を回収して電気分解に使用するものである。

【22】
2台の吸着塔(22a、22b)は、閉鎖された生活空間において排出される二酸化炭素を、排気回収ポンプ(21)を介して、ゼオライトを吸着剤としてPSA方式で除去する二酸化炭素除去手段である。吸着塔(22a、22b)内には、ゼオライトが充填されている。一方の吸着塔が二酸化炭素の除去をしている間に、他方の吸着塔内のゼオライトが再生されるので、繰り返し使用することができる。

【23】
吸着塔(22a、22b)において二酸化炭素を除去した乾燥空気は、配管によって、生活空間に供給される。

【24】
吸着塔(22a、22b)において濃縮された湿潤二酸化炭素は、第一の除湿器(16)に送られて、冷却されて水分と二酸化炭素に分離される。

【25】
第一の除湿器(16)で除去された水分は、水回収ポンプ(20)によって、水タンク(15)に送られて貯められる。

【26】
水タンク(15)内の水は、電解槽(11)に供給されて、電解により、水素と酸素を別々に発生させる。

【27】
電解槽(11)の陽極側において発生した酸素は配管を介して生活空間に供給される。

【28】
電解槽(11)の陰極側において発生した水素の一部を、配管を通じて、燃料電池に燃料として供給できる。

【29】
電解槽(11)の陰極側において発生した水素の残分は、第一の除湿器(16)で乾燥させた二酸化炭素と、サバチエ第一反応器(18)において、化2のサバチエ第一反応をさせてメタンと水蒸気を発生させる。

【3】

【非特許文献1】「宇宙で生きる」新田慶治ほか、1994年、オーム社、p34-43

【30】

【化2】
JP0003479950B1_000003t.gif【0031】サバチエ第一反応器(18)は、ミキシングタンク及び反応管を有する。サバチエ第一反応器(18)は、熱電対やヒータにより温度調節できるようになっている。二酸化炭素の還元反応は高温ほど反応しやすくなるが、反応平衡では高温にすると進行が抑制されるため、300~350℃の温度条件下で反応させる。

【32】
まず、サバチエ第一反応器(18)のミキシングタンクにおいて、反応に先立って、水素と二酸化炭素を予め混合させる。

【33】
ミキシングタンクで混合させた水素と二酸化炭素は、サバチエ第一反応器(18)の反応管で反応させる。反応管には触媒が充填され、両端がシリカウールで留めてある。触媒としては、例えば、ルテニウムをアルミナに担持させたものを用いる。

【34】
さらに、反応により発生した気体、すなわちメタンと水蒸気は、第二の除湿器(17)において、冷却水で冷却される。ここで、水蒸気が凝縮して、水となり、よって水分とメタンに分離される。

【35】
第二の除湿器(17)で分離された水分は、水回収ポンプ(20)によって、水タンク(15)に送られて貯められる。

【36】
第二の除湿器(17)で乾燥させたメタンは配管を通じて回収する。

【37】
本発明の実施例1で用いる電解槽(11)は、隔室A(3)、イオン交換膜(4a)、隔室B(7)、イオン交換膜(4b)、陽極(8)、隔室C(10)の順にサンドイッチした電解槽(11)である。気液分離タンクは設けない。水タンク(15)は電解槽(11)の外側に設けてある。水タンク(15)と電解槽(11)は、水流入口(2)で繋がっており、さらに電解槽(11)で使用済みの水を、水排出口(14)から、再度水タンク(15)に戻す構成となっている。水タンク(15)内には水が満たしてあり、水はヒータ(12c)で温度調整されている。水タンク(15)から電解槽(11)へは水循環ポンプ(13)で水を供給する。なお、本発明の実施例1の環境浄化循環型水電解装置(1)は、電解槽(11)を並列又は直列に複数セル繋げて、より大量の酸素・水素を発生させることができる。隔室C(10)には、陽極(8)とイオン交換膜(4b)の接触性向上のために、スポンジ状のNi-Cr合金が充填してある。

【38】
隔室A(3)には、水流入口(2)が設けてある。隔室B(7)には、水素排出口(5)が設けてあり、かつ、スポンジ状の陰極(6)を充填してある。隔室C(10)には、酸素排出口(9)が設けてある。

【39】
陽極(8)には、多孔質チタンに白金をメッキした電極を用いた。陰極(6)には、白金をメッキした、スポンジ状の、ニッケル・クロム合金の多孔質電極を用いた。

【4】
また、従来、搭載した水から、酸素と水素を8:1の質量比で発生させる電解槽をそなえた宇宙船が知られている(例えば、特許文献2参照)。また、燃料電池と組み合わせた閉鎖移住空間システムが知られている(例えば、特許文献3参照)。

【40】
また、イオン交換膜(4)として、触媒を担持させたフッ素樹脂系のイオン交換膜(例えば、デュポン社製のフッ素化ポリオレフィンのスルホン化合物であるNAFION(R))を用いた。より具体的には、フッ素樹脂系のイオン交換膜に、触媒の白金を4~5mg/cm担持させた。その有効膜膜面積は、約200cmである。本発明の実施例1においては、フッ素樹脂系のイオン交換膜として、NAFION(R) 117(デュポン社製)を用いた。イオン交換膜にメッキする金属は、白金以外に、イリジウム、ロジウム又はイリジウム-ロジウム合金が適する。

【41】
隔室A(3)に供給された液体の水は、イオン交換膜(4a)でブロックされる。本発明に用いるイオン交換膜(4a)は液体を通過させず、気体のみ通過させるものである。したがって、水は、イオン交換膜(4a)を飽和水蒸気として通過し、さらに、スポンジ状の陰極(6)を通過して移動する。すなわち、イオン交換膜(4)が水蒸気のみを蒸気圧の高い方から低い方に移動させる性質を利用し、気体のHOをイオン交換膜(4)を隔てた陰極側に供給して電気分解を起こさせて水素と酸素を取り出す。

【42】
したがって、水を陽極側から供給せず、またイオン交換膜が液体の水を透過するということがないので、従来の環境浄化循環型水電解装置では必要であった、陽極から水素イオンと共に移動する液体の水の処理が不要である。また、従来の環境浄化循環型水電解装置では必要であった、気体である水素・酸素と液体状態の水を分離させるための装置も不要である。

【43】
また、適温の水を供給でき、また水をリサイクルできる。

【44】
さらに、電解用の水は、水蒸気として循環して電解されるので、純水でなくても、可能である。

【45】
水循環ポンプ(13)の循環量は1.5~2.0L/分で、水の温度を約70℃にしたときの電解電流は、約20A/セルであった。かかる条件におけるガス発生量は、酸素が約4L/時、水素が8L/時であった。

【46】
本発明の実施例1に用いる吸着塔(22)に充填されるゼオライトは、分子ふるい作用と静電気的作用の2つの吸着能力を備えている。

【47】
分子ふるい作用に関しては、本発明の実施例1に用いるゼオライトは、オングストロームオーダー、すなわち0.1nmオーダーの均一な超微細孔を有する。この孔は、ゼオライトの結晶表面から、吸着質の存在する空洞をつなぐ役割をする。したがって、その均一な超微細孔を通り得る小さい分子径を持つ物質だけが吸着質の存在する空洞に到達して吸着される。このようにして本発明に用いるゼオライトは、オングストロームオーダーの気体分子を選択的に分離することができる。

【48】
また、静電気的作用に関しては、本発明に用いるゼオライトは、空洞に強い電場が存在し、極性物質を優先的に強力に吸着する。よって、二酸化炭素の濃度が低い場合にも大きな吸着能力を有する。

【49】
二酸化炭素吸着は、吸着塔(22a、22b)において、吸着過程と脱離過程を交互に繰り返して行う。各電磁弁は電磁弁コントローラー及びタイマー回路によって制御される。

【5】

【特許文献2】特開平6—8893号公報(0006段落)
【特許文献3】特開平5—262300号公報(0020段落)

【50】
まず、三方電磁弁(23c)により、吸着塔(22a)に回収した生活空間の空気を流す。吸着塔(22a)を通して、ゼオライトにより水分と二酸化炭素を除去して形成した二酸化炭素減少空気は三方電磁弁(23b)を通って乾燥浄化空気として生活空間に戻される。一方、吸着塔(22b)は、三方電磁弁(23d)を通して、二酸化炭素減少空気の一部が供給される。吸着塔(22b)内を減圧して吸着塔(22b)中のゼオライトに吸着された二酸化炭素を脱離する。脱離した二酸化炭素は三方電磁弁(23a)を通して第一の除湿器(16)に送られる。

【51】
次に、三方電磁弁(23c)を切り替えて、吸着塔(22b)に回収した生活空間の空気を流す。吸着塔(22b)を通して、ゼオライトにより水分と二酸化炭素を除去して形成した二酸化炭素減少空気は三方電磁弁(23b)を通って乾燥浄化空気として生活空間に戻される。一方、吸着塔(22a)には、三方電磁弁(23d)を通して、二酸化炭素減少空気の一部が供給される。吸着塔(22a)内を減圧して、吸着塔(22a)中のゼオライトに吸着された二酸化炭素を脱離する。脱離した二酸化炭素は三方電磁弁(23a)を通して第一の除湿器(16)に送られる。

【52】
すなわち、取り入れた外気から、二酸化炭素を除去するために上記吸着過程と脱離過程を繰り返し、二酸化炭素減少空気を形成して生活空間に供給するとともに、二酸化炭素が濃縮された湿潤空気を第一の除湿器(16)に送ることになる。

【53】
本発明は上記に示した構成であり、資源は、生活空間から二酸化炭素を含む空気として、常に供給され、閉鎖空間であっても連続して長期利用ができる。したがって、宇宙空間や宇宙船で、排気を利用して、生命を維持するための酸素や燃料としての水素を供給したり、航空機内で酸素を供給したり、燃料電池にエネルギー源として酸素・水素を供給したりすることができる。

【54】
また、本発明によれば、無重力下において水を電気分解する場合においても、水素排出口及び酸素排出口からは気体のみ取り出すことができるので、取り出し時に気体に水が混入する恐れがない。したがって、本発明によれば、気液分離タンクがいらない。これは、コスト面のメリットのみならず、コンパクトで軽量であるというメリットがある。宇宙船においてはコンパクトであることが非常に重要なポイントとなる。

【55】
(実施例2)本発明の実施例2が、図1に示した本発明の実施例1と異なるのは、吸着剤としてゼオライトの代わりに、ゼオライトと同様に分子ふるい機能を有する活性炭を用いた点である。実施例2においても、二酸化炭素除去はPSA方式により行う。

【56】
(実施例3)本発明の実施例3が、図1に示した本発明の実施例1と異なるのは、吸着剤としてゼオライトの代わりにアミンを用い、二酸化炭素除去をPSA方式ではなくTSA方式で行う点である。本発明の実施例1と違い、吸着塔(22a、22b)それぞれに、ヒータが配置されている。

【57】
二酸化炭素吸着は、吸着塔(22a、22b)において、吸着過程と脱離過程を交互に繰り返して行う。各電磁弁は電磁弁コントローラー及びタイマー回路によって制御される。

【58】
まず、三方電磁弁(23c)により、吸着塔(22a)に回収した排気を流す。吸着塔(22a)において常温でアミンにより二酸化炭素と水分を除去して形成した二酸化炭素減少空気は、三方電磁弁(23b)を通って乾燥浄化空気として生活空間に戻される。一方、吸着塔(22b)は、三方電磁弁(23d)を通して、二酸化炭素減少空気の一部が供給される。吸着塔(22b)内を加熱して吸着塔(22b)中のアミンに吸着された二酸化炭素を脱離する。脱離した二酸化炭素は三方電磁弁(23a)を通して第一の除湿器(16)に送られる。

【59】
次に、三方電磁弁(22c)の切り替えにより、吸着塔(22b)に常温の空気を流す。吸着塔(22b)において常温でアミンにより二酸化炭素と水分を除去して形成した二酸化炭素減少空気は、三方電磁弁(23b)を通って乾燥浄化空気として生活空間に戻される。一方、吸着塔(22a)には、三方電磁弁(23d)を通して、二酸化炭素減少空気の一部が供給される。吸着塔(22a)内を加熱して、吸着塔(22a)中のアミンに吸着された二酸化炭素を脱離する。脱離した二酸化炭素は三方電磁弁(23a)を通して第一の除湿器(16)に送られる。

【6】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の、搭載した水を電気分解する方法では、資源に限りがあり、閉鎖空間での利用に限界があるという問題があった。燃料電池との組み合わせにおいても、エントロピーの増大により効率が減衰する。

【60】
すなわち、取り入れた外気から、二酸化炭素を除去するために上記吸着過程と脱離過程を繰り返し、二酸化炭素減少空気を形成して生活空間に供給するとともに、二酸化炭が濃縮された湿潤空気を第一の除湿器(16)に送ることになる。

【61】
(実施例4)本発明の実施例4が、図1に示した本発明の実施例1と異なるのは、第二の除湿器(17)において冷却して水分を除去した後のメタンを燃料として用いる点である。

【62】
(実施例5)図2は、本発明の実施例5の構成図である。本発明の実施例5が、本発明の実施例3と異なるのは、第二の除湿器(17)において冷却して水分を除去した後のメタンをサバチエ第二反応器(19)において、化3のサバチエ反応(第二反応)により、炭素と水素を取り出す点である。取り出した水素はさらに燃料電池等に供給することができる。本発明の実施例5においては、アミンによりTSA方式で二酸化炭素を除去する。本発明の実施例1と違い、吸着塔(22a、22b)それぞれに、ヒータ(12a、12b)が配置されている。

【63】

【化3】
JP0003479950B1_000004t.gif【0064】
【発明の効果】本発明の環境浄化循環型水電解装置は、上述したとおりであるので、閉鎖空間において、無重力下でも、人間等の排出した二酸化炭素を含む空気から二酸化炭素を除去し、かつ、高純度の酸素と水素を、液体の水と混じらないように取り出し、空気を浄化するとともに、燃料である水素を供給できる。

【7】
さらに、電極に電解液である水を接触させて電解すると、陽極及び陰極から泡となって酸素及び水素が発生するために気体と液体を分離するための気液分離タンクが必要であるが、無重力状態では液体の中にガスが泡となってとどまり、分離することができないという問題があった。

【8】
また、電解質となるイオン交換膜の電気抵抗を常に低く保つためには、不純物のない高純度の水を必要とするという問題があった。

【9】
さらに、陽極で発生したHイオンは水と共に陰極に移動し、その水を回収して陽極に戻すため、水循環回路が複雑になるという問題があった。
図面
【図1】
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【図2】
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