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明細書 :Si薄膜の作製方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3978494号 (P3978494)
公開番号 特開2005-001945 (P2005-001945A)
登録日 平成19年7月6日(2007.7.6)
発行日 平成19年9月19日(2007.9.19)
公開日 平成17年1月6日(2005.1.6)
発明の名称または考案の名称 Si薄膜の作製方法
国際特許分類 C30B  29/06        (2006.01)
C30B  19/10        (2006.01)
C30B  19/12        (2006.01)
H01L  21/208       (2006.01)
H01L  31/04        (2006.01)
FI C30B 29/06 501B
C30B 19/10
C30B 19/12
H01L 21/208 S
H01L 31/04 A
請求項の数または発明の数 13
全頁数 9
出願番号 特願2003-167493 (P2003-167493)
出願日 平成15年6月12日(2003.6.12)
審査請求日 平成15年6月12日(2003.6.12)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504157024
【氏名又は名称】国立大学法人東北大学
発明者または考案者 【氏名】中嶋 一雄
【氏名】宇佐美 徳隆
【氏名】宇治原 徹
【氏名】藤原 航三
個別代理人の代理人 【識別番号】100072051、【弁理士】、【氏名又は名称】杉村 興作
【識別番号】100107227、【弁理士】、【氏名又は名称】藤谷 史朗
【識別番号】100114292、【弁理士】、【氏名又は名称】来間 清志
審査官 【審査官】田中 則充
参考文献・文献 特開平04-372116(JP,A)
特開2004-277239(JP,A)
特開2003-095785(JP,A)
特開平08-301690(JP,A)
特開2003-048798(JP,A)
特開昭54-152466(JP,A)
調査した分野 C30B 1/00-35/00
H01L 21/208
C01B 33/00
特許請求の範囲 【請求項1】
融点近傍の温度に保持されたSi融液を準備する工程と、
Si単結晶又はSi多結晶からなるSi基板を準備する工程と、
前記Si基板の主面に対して前記Si融液を接触させ、Siの融点近傍で液相エピタキシャル成長を行い、前記Si基板の前記主面上に、Si結晶薄膜を形成する工程と、
を具えることを特徴とする、Si薄膜の作製方法。
【請求項2】
前記Si基板は、メタラジカルSi原料から構成することを特徴とする、請求項1に記載のSi薄膜の作製方法。
【請求項3】
前記液相エピタキシャル成長は、Siの融点より5℃高い温度からSiの融点より5℃低い温度の範囲で行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載のSi薄膜の作製方法。
【請求項4】
前記液相エピタキシャル成長は、前記Si融液をSiの融点乃至Siの融点より5℃高い温度の範囲に維持し、前記Si基板の一部を前記Si融液に接触させることにより融解させた後、前記Si融液の、前記Si基板近傍の温度をSiの融点以下に設定して行うことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一に記載のSi薄膜の作製方法。
【請求項5】
前記液相エピタキシャル成長は、
前記Si融液をスライディング式の第1の部材における融液保持部内に保持する工程と、
前記Si基板をスライディング式の第2の部材における基板保持部内に保持する工程と、
前記Si融液がSiの融点近傍の第1の温度に達した際に、前記第1の部材及び前記第2の部材の少なくとも一方をスライドさせ、前記融液保持部内に保持された前記Si融液と、前記基板保持部内に保持された前記Si基板の前記主面とを接触させ、液相エピタキシャル成長によって、前記Si基板の前記主面上に前記Si結晶薄膜の成長を開始する工程と、
前記Si融液が前記第1の温度以下の第2の温度に達した際に、前記第1の部材及び前記第2の部材の少なくとも一方をスライドさせ、前記Si融液と前記Si基板の前記主面とを離隔させて、前記Si結晶薄膜の成長を終了する工程と、
を具えることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一に記載のSi薄膜の作製方法。
【請求項6】
前記第1の温度は、Siの融点より5℃高い温度からSiの融点より5℃低い温度の範囲であることを特徴とする、請求項5に記載のSi薄膜の作製方法。
【請求項7】
前記第2の温度は、Siの融点乃至Siの融点より5℃低い温度の範囲であることを特徴とする、請求項5又は6に記載のSi薄膜の作製方法。
【請求項8】
前記Si融液中に、In、Ga、Sn、Al、Au-Bi及びCuからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素を添加することを特徴とする、請求項1~7のいずれか一に記載のSi薄膜の作製方法。
【請求項9】
前記Si融液に対する前記元素の含有量が0.01原子%~10原子%であることを特徴とする、請求項7に記載のSi薄膜の作製方法。
【請求項10】
前記液相エピタキシャル成長は、
前記Si融液をスライディング式の第1の部材におけるSi融液保持部内に保持する工程と、
前記Si基板をスライディング式の第2の部材における基板保持部内に保持する工程と、
In、Ga、Sn、Al、Au-Bi及びCuからなる群より選ばれる前記少なくとも一つの元素からなる添加元素融液を、前記第2の部材における添加元素融液保持部内に保持する工程と、
前記第1の部材及び前記第2の部材の少なくとも一方をスライドさせて、前記Si融液と前記添加元素融液とを接触させ、前記Si融液内に前記元素を添加する工程と、
前記Si融液がSiの融点近傍の第1の温度に達した際に、前記第1の部材及び前記第2の部材の少なくとも一方をスライドさせ、前記融液保持部内に保持された前記Si融液と、前記基板保持部内に保持された前記Si基板の前記主面とを接触させ、液相エピタキシャル成長によって、前記Si基板の前記主面上に前記Si結晶薄膜の成長を開始する工程と、
前記Si融液が前記第1の温度以下の第2の温度に達した際に、前記第1の部材及び前記第2の部材の少なくとも一方をスライドさせ、前記Si融液と前記Si基板の前記主面とを離隔させて、前記Si結晶薄膜の成長を終了する工程と、
を具えることを特徴とする、請求項8又は9に記載のSi薄膜の作製方法。
【請求項11】
前記第1の温度は、Siの融点乃至Siの融点より50℃低い温度範囲であることを特徴とする、請求項10に記載のSi薄膜の作製方法。
【請求項12】
前記第2の温度は、Siの融点乃至Siの融点より60℃低い温度範囲であることを特徴とする、請求項10又は11に記載のSi薄膜の作製方法。
【請求項13】
前記液相エピタキシャル成長は、前記Si融液を所定の容器内に保持し、前記Si基板を前記Si融液中に所定時間浸漬させることによって実施することを特徴とする、請求項1~4又は8~9のいずれか一に記載のSi薄膜の作製方法。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、Si薄膜の作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
最も安全で環境にやさしいSi太陽電池を地球規模で本格的に普及させるためには、高効率の太陽電池を豊富に存在する資源を用い、低コストで安全に生産できる技術開発が必要である。現在、国内外では、Si融液からキャスト法を用いて太陽電池にデバイス化する方法が実用技術として主流を占めている。
【0003】
しかしながら、キャスト法は、固液界面における温度勾配を増大させた、融液の凝固法をベースにしているため、結晶品質を十分に上げることが本質的に困難であり、またSi多結晶を作製するための良質なSi原料は高価であり、使用できる資源にも制限があるなどの問題があった。かかる観点より、気相成長法を用いてSi薄膜をガラスなどの無機基板上の成長させる薄膜成長法の研究が並行して進められている。
【0004】
しかしながら、薄膜成長法においても、結晶基板を使用したエピタキシャル成長を利用しているものではなく、平衡条件から大きくずらして成長の駆動力を増大させた条件で成長しているため、良質な薄膜結晶を得るのが困難であるという問題があった。また、基板にガラスなどを用いるために、成長温度を高くすることができないため微結晶となり、大粒径の結晶を得ることが困難となり、太陽電池に使用した場合に高効率化が困難であるという問題があった。
【0005】
このような事情に鑑み、太陽電池の高効率化を実現できる、高価なSi原料を使用することなく、良質で低欠陥のSi結晶薄膜を得る技術の開発が渇望されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、太陽電池の高効率化を実現できる、高価なSi原料を多量に使用することなく、良質で低欠陥のSi結晶薄膜を得る技術を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく、本発明は、
融点近傍の温度に保持されたSi融液を準備する工程と、
Si単結晶又はSi多結晶からなるSi基板を準備する工程と、
前記Si基板の主面に対して前記Si融液を接触させ、Siの融点近傍で液相エピタキシャル成長を行い、前記Si基板の前記主面上に、Si結晶薄膜を形成する工程と、
を具えることを特徴とする、Si薄膜の作製方法に関する。
【0008】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を実施し、高品質な結晶薄膜を比較的容易に作製できることから、液相エピタキシャル(LPE)成長技術に着目した。当初においては、比較的融点の低い金属からなる融液を溶媒として用い、この溶媒中にSiを溶解させることにより、Siを溶解した金属溶液を作製し、このSi溶液を用いることによりLPE成長を実施していた。しかしながら、この場合においては、Siの融点よりもはるかに低い温度で成長を実施するため、前記金属溶液中の溶媒としての金属元素が得られたSi結晶薄膜中に多量に混入したり、成長温度が低いために平坦で良質なSi結晶薄膜を得ることができないという問題があった。
【0009】
そこで、本発明者らは、Siを溶媒中に溶解することなく、Si融液を直接的に用い、極めて固液平衡に近い条件でLPE成長を実施することを試みた。その結果、低欠陥で高純度の平坦なSi結晶薄膜が得られることを見出した。また、このようなSi融液を用いたLPE成長技術においては、Si結晶薄膜を形成すべきSi基板がさほど良質でなくとも、その結晶品質に影響を与えないことを見出した。したがって、前記Si基板を安価なメタラジカルSi原料から形成することができ、前記Si結晶薄膜の製造コストを大きく低減できる。
【0010】
結果として、上記作製方法によれば、低欠陥で高純度の結晶品質に優れたSi結晶薄膜を安価に作製することができるようになる。したがって、前記Si結晶薄膜を用いて太陽電池を作製した場合に、その変換効率を十分に向上できるとともに、その製造コストを低減することができる。
【0011】
なお、「メタラジカルSi」とは、例えば鉱石から精錬された後に十分に精製されていない、地球上に比較的多量に存在する安価なSi原料を意味するものである。
【0012】
また、本発明の好ましい態様においては、前記液相エピタキシャル成長は、Siの融点より5℃高い温度からSiの融点より5℃低い温度の範囲で行うことが好ましい。Siの融点(凝固点)は1414℃であるが、実際にはゆらぎなどの影響により、実際の融点は多少前後し、上記範囲の温度低下は過冷却域の範囲であるため、Si融液は固化することなく液体のまま保持される。したがって、良好なLPE成長を実現することができる。
【0013】
さらに、本発明の他の好ましい態様においては、前記液相エピタキシャル成長は、前記Si融液をSiの融点乃至Siの融点より5℃高い温度の範囲に維持し、前記Si基板の一部を前記Si融液に接触させることにより融解させた後、前記Si融液の、前記Si基板近傍の温度をSiの融点以下に設定して行う。これによって、さらに固液平衡に近い条件でLPE成長を実施することができ、低欠陥で高純度の平坦なSi結晶薄膜を得ることができる。
【0014】
さらに、本発明の好ましい態様においては、前記Si融液中に、In、Ga、Sn、Al、Au-Bi及びCuからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素を添加することができる。この場合、前記Si融液の融点(凝固点)を低減させることができるとともに、前記融点(凝固点)にある程度の幅を持たせることができるようになる。したがって、LPE成長させる際の前記Si融液の温度の制御性が容易になり、LPE成長を確実に行うことができるようになる。
【0015】
この場合、前記Si融液中の前記元素の含有量は、0.01原子%~10原子%とすることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を発明の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1~図3は、本発明のSi結晶薄膜の作製方法の一例として、平行スライディングボードを用いた場合の例を示す説明図である。図1に示すように、凹部状のSi融液保持部13を有する第1の部材11と、凹部状のSi基板保持部14を有する第2の部材12とを準備する。なお、Si融液保持部13とSi基板保持部14とは互いに対向するように配置する。また、第1の部材11及び第2の部材12は、図示しない例えば横型炉内に配置されている。平行スライディングボードの代わりに回転スライディングボードを用いることもできる。
【0017】
第1の部材11及び第2の部材12はそれぞれ駆動シャフト15及び16に連結されている。駆動シャフト15及び16は図示しないモータに接続されており、第1の部材11及び第2の部材12を水平方向(左右方向)に駆動できるよに構成されている。なお、モータの代わりにシャフト15及び16を人力で駆動させることもできる。Si融液保持部13内にはSi融液Xが充填され保持されている。Si基板保持部14にはSi基板Sが保持されている。
【0018】
Si基板Sは、如何なるシリコン原料からも形成することができ、本発明の場合は、地球上に比較的多量に存在するメタラジカルSi原料から形成することができる。このようなメタラジカルSi原料は、安価であるため目的とするSi結晶薄膜の製造コストを低減することができる。
【0019】
図1に示す状態において、Si融液Xを所定の温度、すなわち第1の温度に設定する。この温度は、Si融液Xが凝固することなく、適度の過冷却されて良好なLPE成長が実現できる温度に設定する。具体的には、Siの融点より5℃高い温度からSiの融点より5℃低い温度の範囲に設定する。
【0020】
次いで、図示しないモータを駆動させて、第1の部材11を駆動シャフト15を介して左方へスライドさせ、図2に示すように、Si融液支持部13とSi基板支持部14とが対向するようにし、Si基板SとSi融液Xとを接触させて、Si基板S上にSi結晶薄膜をエピタキシャル成長させる。
【0021】
次いで、Si融液Xの温度が第2の温度に達した際に、同様にして第1の部材11を図3に示すように左方へスライドさけて、Si融液XをSi基板Sから離隔させ、エピタキシャル成長を終了する。前記第2の温度は特に限定されるものではないが、連続したエピタキシャル成長を実施している観点から、前記第1の温度と同じか、それ以下のSi融液が行としないような温度に設定することが好ましい。具体的には、Siの融点乃至Siの融点より5℃低い温度の範囲に設定する。
【0022】
以上のような工程を経ることにより、目的とするSi結晶薄膜をSi基板上にLPE成長させることができる。前記Si結晶薄膜の厚さは、Si融液XとSi基板Sとの接触時間や、Si融液Xの温度などを適宜に制御することによって変化させることができる。
【0023】
なお、Si融液X中には、In、Ga、Sn、Al、Au-Bi及びCuからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素を含有させることができる。また、前記元素の含有量は、0.01原子%~10原子%とすることが好ましい。これによって、Si融液Xの融点(凝固点)を低減させることができるとともに、前記融点(凝固点)にある程度の幅を持たせることができるようになる。したがって、LPE成長させる際のSi融液Xの温度の制御性が容易になり、LPE成長を確実に行うことができるようになる。
【0024】
Si融液X中に上述した元素を含有させると、得られるSi結晶薄膜中にも上述した元素が含有されるようになる。Si融液X中の前記元素の含有量を上述した範囲に限定した場合、Si結晶薄膜中の含有量は、例えば、前記添加元素としてGaなどの分配係数の小さいものを用いた場合、1×10-9原子%~1×10-2原子%となる。
【0025】
図4~図6は、本発明のSi結晶薄膜の作製方法におけるその他の例を示す説明図である。本例においても、スライディングボードを用いてSi結晶薄膜の作製を実施している。図4~図6においては、基本的に図1~図3に示すものと同様の部材を使用するが、第2の部材12において、基板支持部14に加えて添加元素融液保持部17を有する点で異なる。添加元素融液保持部17には、In、Ga、Sn、Al、Au-Bi及びCuからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素の融液Yが充填され保持されている。
【0026】
最初に、図4に示すように、Si融液保持部13と添加元素融液保持部17とを対向させて配置し、Si融液Xと添加元素融液Yとを接触させる。このとき、Si融液X中には添加元素融液Y中の添加元素が対流及び拡散して含有されるようになる。
【0027】
次いで、Si融液Xを所定の温度、すなわち第1の温度に設定する。この場合は、Si融液X中には上述した元素が含有されているので、良好なLPE成長を実現すべく、前記第1の温度はSiの融点乃至Siの融点より50℃低い温度範囲に設定する。
【0028】
次いで、図示しないモータを駆動させて、第1の部材11を駆動シャフト15を介して左方へスライドさせ、図5に示すように、Si融液支持部13とSi基板支持部14とが対向するようにし、Si基板SとSi融液Xとを接触させて、Si基板S上にSi結晶薄膜をエピタキシャル成長させる。
【0029】
次いで、Si融液Xの温度が第2の温度に達した際に、同様にして第1の部材11を図6に示すように左方へスライドさせて、Si融液XをSi基板Sから離隔させ、エピタキシャル成長を終了する。前記第2の温度は好ましくは、Siの融点乃至Siの融点より60℃低い温度範囲に設定する。
【0030】
以上のような工程を経ることによっても、目的とするSi結晶薄膜をSi基板上にLPE成長させることができる。この場合も、前記Si結晶薄膜の厚さは、Si融液XとSi基板Sとの接触時間や、Si融液Xの温度などを適宜に制御することによって変化させることができる。なお、前記Si結晶薄膜中には、上述した元素が、例えば、添加元素としてGaなどを用いた場合は、1×10-9原子%~1×10-2原子%の割合で含有される。
【0031】
図7は、本発明のSi結晶薄膜のさらにその他の例を示す説明図である。図7においては、所定の容器31内にSi融液Xが充填されており、このSi融液Xに対してSi基板Sを所定時間浸漬させる。すると、Si基板S上にはSi融液Xからのエピタキシャル成長を介して、所定のSi結晶薄膜を作製することができる。
【0032】
前記Si結晶薄膜の厚さは、Si融液Xの温度や浸漬時間を制御することによって変化させることができる。なお、Si融液X中に上述したような元素を添加することもできる。この場合も、融点(凝固点)にある程度の幅を持たせることができ、LPE成長させる際のSi融液Xの温度の制御性を容易にして、LPE成長を確実に行うことができるようになる。
【0033】
【実施例】
本例においては、図1~図3に示す手順にしたがってSi結晶薄膜を作製した。最初に、高純度のSi原料を準備し、これを1450℃に加熱することによってSi融液Xを作製した。一方、メタラジカルSi原料からSi基板Sを作製し、Si融液Xを1413℃に保持した後、図2に示すように、Si融液XとSi基板Sとを接触させ、約1~2分間保持して、Si結晶薄膜をLPE成長させた。次いで、Si融液Xが1411℃になった時点で、図3に示すように、Si融液XとSi基板Sとを離隔させ、LPE成長を終了させる。
【0034】
得られたSi結晶薄膜は約50μmの厚さを有し、ライフタイムは5μsであった。また、このSi結晶薄膜を用いて太陽電池を作製したところ、研究所レベルのプロセスにおいて、約8%の変換効率を実現することができた。
【0035】
以上、具体例を示しながら発明の実施の形態に則して本発明を説明してきたが、本発明は上記内容に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない範囲において、あらゆる変形や変更が可能である。例えば、本発明ではSi結晶薄膜の作製を中心に述べているが、Si融液とゲルマニウム融液とを混合して用いれば、SiGe結晶薄膜の作製にも用いることができる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、太陽電池の高効率化を実現できる、高価なSi原料を使用することなく、良質で低欠陥のSi結晶薄膜を得る技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のSi結晶薄膜の作製方法の一例を示す説明図である。
【図2】 同じく、本発明のSi結晶薄膜の作製方法の一例を示す説明図である。
【図3】 同じく、本発明のSi結晶薄膜の作製方法の一例を示す説明図である。
【図4】 本発明のSi結晶薄膜の作製方法におけるその他の例を示す説明図である。
【図5】 同じく、本発明のSi結晶薄膜の作製方法におけるその他の例を示す説明図である。
【図6】 同じく、本発明のSi結晶薄膜の作製方法におけるその他の例を示す説明図である。
【図7】 本発明のSi結晶薄膜のさらにその他の例を示す説明図である。
【符号の説明】
11 第1の部材
12 第2の部材
13 Si融液保持部
14 Si基板保持部
15、16 駆動シャフト
17 添加元素融液保持部
S Si基板
X Si融液
Y 添加元素融液
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6