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明細書 :食肉用家畜の肉質の生体検査方法および装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4122427号 (P4122427)
公開番号 特開2004-257880 (P2004-257880A)
登録日 平成20年5月16日(2008.5.16)
発行日 平成20年7月23日(2008.7.23)
公開日 平成16年9月16日(2004.9.16)
発明の名称または考案の名称 食肉用家畜の肉質の生体検査方法および装置
国際特許分類 G01N  24/00        (2006.01)
A61B   5/055       (2006.01)
G01R  33/32        (2006.01)
G01N  24/08        (2006.01)
FI G01N 24/00 D
A61B 5/05 382
G01N 24/04 510Z
G01N 24/08 510P
請求項の数または発明の数 7
全頁数 5
出願番号 特願2003-049454 (P2003-049454)
出願日 平成15年2月26日(2003.2.26)
審査請求日 平成16年11月24日(2004.11.24)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】301032942
【氏名又は名称】独立行政法人放射線医学総合研究所
発明者または考案者 【氏名】池平 博夫
【氏名】八巻 邦次
【氏名】吉留 英二
個別代理人の代理人 【識別番号】100077517、【弁理士】、【氏名又は名称】石田 敬
【識別番号】100092624、【弁理士】、【氏名又は名称】鶴田 準一
【識別番号】100080919、【弁理士】、【氏名又は名称】田崎 豪治
【識別番号】100082898、【弁理士】、【氏名又は名称】西山 雅也
【識別番号】100081330、【弁理士】、【氏名又は名称】樋口 外治
審査官 【審査官】田中 洋介
参考文献・文献 特開昭63-177844(JP,A)
特開平09-266893(JP,A)
特開昭63-260543(JP,A)
特開平02-110360(JP,A)
特開平02-036842(JP,A)
特開平04-132537(JP,A)
実開平03-054610(JP,U)
米国特許第05623241(US,A)
A.D.Mitchell et al.,Body composition analysis of the pig by magnetic resonance imaging,J.Anim.Sci.,2001年 7月,Vol.79 No.7,pp.1800-1813
Jean Pierre Renou,In Vivo NMR Studies of Animal Products; Body Composition. Qualitative Determination,MAGNETIC RESONANCE IN CHEMISTRY,1997年,Vol.35,S153-S158
小堤恭平 他,牛肉の非破壊的品質評価法,栄養生理研究会報,1991年,Vol.35 No.2,pp.155-166
調査した分野 G01N 24/00-24/14
G01R 33/20-33/64
A61B 5/055
JSTPlus(JDream2)
JST7580(JDream2)
特許請求の範囲 【請求項1】
肉質が測定される家畜を磁場内に移動させ、プローブを該家畜に装填もしくは近接状態とし、静止時に検査部位である背部についてMRIのMR画像およびNMRスペクトルの計測を行い、計測された情報の画像化および解析手段によりスペクトル解析を行い、モニター上に画像およびスペクトルデータを表示し、解析手段に連動した判定手段により脂肪交雑状態を判定することを特徴とする食肉用家畜の肉質の生体検査方法。
【請求項2】
磁場を形成するマグネットは、そのマグネットフレームは少なくとも下方がクリアになっている請求項1記載の生体検査方法。
【請求項3】
マグネットが、少なくとも家畜の背部を含む領域をイメージング可能である請求項2記載の生体検査方法。
【請求項4】
マグネットフレームは、上方から懸垂、地面から支える形の逆U字型、または家畜の両側面もしくは片側面に対設する形状のいずれかである請求項2記載の生体検査方法。
【請求項5】
プローブが、マグネットフレームへ固定されている請求項2記載の生体検査方法。
【請求項6】
コイルを配設した非磁性材料の布あるいは袋状のプローブを検査部位に接離可能に設け、プローブの検査部位への押接に流体圧を利用する請求項1記載の生体検査方法。
【請求項7】
磁場内を通過する通路もしくはコンベアと、磁場内で家畜を制止させるシャッターとを設けることで、撮像中に家畜を静止させる構造を有する請求項1記載の生体検査方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は食肉用家畜の肉質の生体検査方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
食肉用家畜は肉質検査を目視による検査員の主観的判定によっているが、目視法は枝肉処理した後に行うため、家畜は屠殺しなければならない。
【0003】
このような、屠殺検査方法は確実正確ではあるが、良質な肉質の家畜の種を保存改良するという育種学的には非常な不利益を生じている。そのため、目視法に変わる非破壊検査法の開発が非常に望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は屠殺しないで生体のまま家畜の肉質を評価することにより、育種学上良質な家畜種の維持育成をはかることができ、また、家畜の健康管理上の画像診断にも資する肉質の非破壊検査法を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、肉質が測定される家畜を磁場内に移動させ、プローブを該家畜に装填もしくは近接状態とし、静止時に検査部位である背部についてMRIのMR画像およびNMR(核磁気共鳴)スペクトルの計測を行うことを特徴とする食肉用家畜の肉質の生体検査方法にある。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に係る食肉用家畜の肉質の生体検査方法においては、肉質が測定される家畜を磁場内に移動させ、プローブを該家畜に装填もしくは近接状態とし、静止時に検査部位である背部についてMRIのMR画像およびNMRスペクトルの計測が行なわれる。計測は、コンベア上もしくは歩行通路上に磁場を形成するように、マグネットを設け、自動もしくは自力歩行により家畜を移動させ、その所望の部位が該磁場内に入ると静止させ、画像とNMRスペクトルの高速計測(1~数秒以下)を行うことによりなされる。マグネットは、そのマグネットフレームコストおよび軽量化の点から少なくとも下方(地面の側)がクリアになっているのが好適であり、たとえば上方から懸垂、地面から支える形の逆U字型、または家畜の両側面もしくは片側面に対設する形状、のいずれかであるのが好適である。マグネットはその下部に設けられた支柱により支えられるのが好適である。そして、このようなマグネットは、少なくとも家畜の背部(第6,7肋間)を含む領域をイメージング可能であるのが好ましい。
【0007】
上記のプローブ(すなわち測定用コイル)の装着は、家畜の計測に支障を来たさないように、マグネットフレームへ固定されるか、またはコイルを配設した非磁性材料の布あるいは袋状のプローブを検査部位に接離可能に設け、プローブの検査部位への押接に流体圧を利用するように構成するのが好適である。
【0008】
すなわち、非磁性材料からなる袋の面に測定用アンテナを配設したプローブに流体を導入し、このプローブをシリンダ等で直接もしくはリンク機構等を介して進退させて家畜の検査部位へ押接/離設する。あるいは、前記プローブに流体を流通可能にし、該流体を供給/吸引等により膨張/収縮させることにより検査部位へ押接/離設する。これらの方法によりプローブを検査部位へ押接すると、内部の流体圧により検査部位に適切に密着させて装填することができる。また、このプローブは家畜を固定させる効果もある。用いる流体としては、環境を汚さない点では空気が好ましい。
【0009】
測定に際しては、たとえば磁場内を通過する通路もしくはコンベア、たとえばベルトコンベアと、磁場で家畜を制止させるシャッター(好ましくは前後)とを設けることで、撮像中に家畜を静止させる構造を有するのが好適である。あるいは、家畜を搭載し、前後に静止させうるような上記のシャッター機能を備えた搬送車を用いることもできるし、家畜を収容し得る、シャッター機能を備えた箱型バケットコンベア(必要に応じ仕切り板を設けることができる)を用いることもできる。そして、解析手段により計測された情報の画像化およびスペクトル解析を行い、モニター上に画像およびスペクトルデータを表示し、解析手段に連動した判定手段により肉質の判定を行うことができる。さらに具体的には、MRI(磁気共鳴イメージング装置;断層撮影装置)のMR(磁気共鳴)画像から脂肪組織混入割合を計算して解析し、この解析結果を基に、肉質規格(たとえば、日本家畜枝肉格付協会が定めた肉質規格)の自動ランク表示、そして不飽和脂肪酸の含有割合(脂肪融点)の自動表示を行うことで肉質を判定することができる。従来、この種の判定は、画像、スペクトルデータ等を検査員が目視判定して行なっていたが、上記のように、予め作成された判定基準に従って自動的に、たとえば脂肪交雑状態(赤身の中に脂肪組織がどのような割合で、かつどのくらい小さな顆粒として分布しているかを表す。)を判定することができる。
【0010】
以下、図面とともに本発明をさらに詳細に説明する。
【0011】
図1は本発明の実施態様の一例を示す概略図であり、肉質が測定される家畜(牛)1を逆U字形のマグネットフレームに設けられたマグネット2による磁場内にコンベア3で移動させて、密閉式のエアバッグプローブ4を家畜1の検査部位の背部両側面にシリンダ5を用いて装填し、静止させた状態を示す。6は家畜1の前後に設けられたシャッターであり、7はマグネットフレームの補強ブリッジ、そして8はマグネット支柱である。この静止時に検査部位についてMR画像およびスペクトルの計測が行なわれ、計測された情報の画像化および解析手段によりスペクトル解析を行い、モニター上に画像およびスペクトルデータを表示し、解析手段に連動した判定手段により肉質、たとえば脂肪交雑状態を判定することができる。
【0012】
図2は、図1におけるエアバッグプローブ4の詳細を示す概略図であり、このエアバッグプローブ4には導線9およびアンテナ10が配設されている。アンテナの配設方法は、接着、溶着、塗装する方法、あるいは二重部を設けてその中に通す方法等が好適であるが、これらに限定されるものではない。さらに、アンテナの配設形状は代表的にはループ型、鞍型、ヘルムホルツ型が挙げられるが、これも限定されない。
【0013】
図3は、MR画像による格付けごとのロース芯内脂肪交雑割合の比較を示すものであり、A-3からA-5は目視検査員の規格に準拠する規格である。横軸は1頭の測定数を示す。
【0014】
ロース芯内脂肪交雑割合に関し、MR画像と写真画像とを比較したところ、きわめて良好な相同性がみられた。
【0015】
【発明の効果】
本発明によれば、生体のまま家畜の肉質を評価することにより、育種学上良質な家畜種の維持育成を図ることができ、また、家畜の健康管理上の画像診断にも資する肉質の非破壊検査法を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様の一例を示す概略図。
【図2】図1におけるエアバッグプローブ4の詳細を示す概略図。
【図3】MR画像による格付けごとのロース芯内脂肪交雑割合の比較を示す。
【符号の説明】
1…家畜(牛)
2…マグネット
3…コンベア
4…エアバッグプローブ
5…シリンダ
6…シャッター
8…マグネット支柱
10…ループアンテナ
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2