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明細書 :入射位置検出装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4178232号 (P4178232)
公開番号 特開2004-264078 (P2004-264078A)
登録日 平成20年9月5日(2008.9.5)
発行日 平成20年11月12日(2008.11.12)
公開日 平成16年9月24日(2004.9.24)
発明の名称または考案の名称 入射位置検出装置
国際特許分類 G01T   1/20        (2006.01)
G01T   1/17        (2006.01)
FI G01T 1/20 F
G01T 1/20 G
G01T 1/17 G
請求項の数または発明の数 3
全頁数 6
出願番号 特願2003-052652 (P2003-052652)
出願日 平成15年2月28日(2003.2.28)
審査請求日 平成17年8月22日(2005.8.22)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】301032942
【氏名又は名称】独立行政法人放射線医学総合研究所
発明者または考案者 【氏名】高橋 浩之
【氏名】村山 秀雄
【氏名】石津 崇章
個別代理人の代理人 【識別番号】100080458、【弁理士】、【氏名又は名称】高矢 諭
【識別番号】100076129、【弁理士】、【氏名又は名称】松山 圭佑
【識別番号】100089015、【弁理士】、【氏名又は名称】牧野 剛博
審査官 【審査官】木下 忠
参考文献・文献 特開昭55-074478(JP,A)
特開平07-049386(JP,A)
特開平04-270984(JP,A)
特開昭59-122987(JP,A)
特開昭64-046680(JP,A)
特開昭63-300986(JP,A)
調査した分野 G01T1/00-7/12
特許請求の範囲 【請求項1】
複数の検出セルに跨って入射するイベントの重心位置を検出するための入射位置検出装置であって、
各検出セルの入力信号のレベルを弁別するための波高弁別手段と、
弁別されたレベルに応じた波高を有する所定のパルスを発生するエンコーダと、
信号が入力したチャネルに対応する位置に該パルスが入力される抵抗ラダーと、
該抵抗ラダーの両端に接続された読取手段とを備え、
該読取手段の出力の大きさを比較してイベントの重心位置を検出することを特徴とする入射位置検出装置。
【請求項2】
前記波高弁別手段が、複数の閾値を持つディスクリミネータである請求項に記載の入射位置検出装置。
【請求項3】
前記抵抗ラダーが複数直列接続されている請求項又はに記載の入射位置検出装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の検出セルに跨って入力するイベントの重心位置を検出するための入射位置検出装置に係り、特に、イベントにより生じた荷電粒子や光の拡がりよりもピクセルのサイズを小さくとるオーバーサンプリングの手法を用いて放射線や光を検出する際に用いるのに好適な、入射位置検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ASIC等を用いた放射線検出器用フロントエンドエレクトロニクスで多数のピクセルを扱う場合には、低計数率用のチップでは、単にピクセル毎の信号を記録・保持し、後から読みにいくので問題はないが、一方、高計数率で動作させる場合には、同時に発生するイベントを抑制するために、図1に示す如く、例えばアンプ12を介して入力される放射線検出器(例えばシンチレータ)10からの信号を、プライオリティエンコーダ14を用いて処理し、入射したピクセルの番号Nをデジタル値として出力することが一般に行なわれている。
【0003】
従来は、主に検出器や回路等のハードウェアの制限から、ピクセルサイズをあまり小さくとることができず、個別の信号の読み取りを行なっても、イベントが1つのピクセル内に収まることが多く、このような方式で間に合う場合が多かった。
【0004】
しかしながら、最近、高分解能化の流れから、検出器10内で生じたイベントを、より詳細に観察するために、図2に示す如く、ピクセルのサイズをイベントにより生じた荷電粒子や光の拡がりよりも小さくとる、オーバーサンプリングの手法が行なわれつつある。更には、このようなオーバーサンプリングにより、2次元位置に対して3次元情報を投影する等、高位な情報を含ませることも行なわれつつある(特許文献1、2参照)。
【0005】
このような構成をとると、放射線等が1つのピクセル内のみで反応して信号を出力する場合だけでなく、図3に例示する如く、多数のピクセルが一つのイベントに対して略同時に反応する場合が出てくる。
【0006】
【特許文献1】
特開平11-142523号公報
【特許文献2】
特開平11-142524号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記プライオリティエンコーディングの方式では、プライオリティエンコーダ14に入射する順は、必ずしも強度が強い順ではなく、強度が弱くても閾値を超えれば検出されてしまうため、このような場合に対して対応できず、重心位置を的確に検出することができなかった。
【0008】
一方、ピクセル間の重心演算を行なうためには、通常、演算のためにハードウェアが必要となるだけでなく、これを後段で行なうためには、例えば各ピクセルの出力をコンデンサ等に蓄積して積分した後、シリアルで読み出す必要があるため、データのレートが高くなると、全体のスループットを損なうことになる。コンデンサに蓄積した信号をパラレルで呼び出すことも考えられるが、回路が大規模になり過ぎる。更に、ピクセルの番号をデジタル値として出力する際に、多数の信号線を必要とする等の問題点を有する。
【0009】
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、比較的簡単な回路構成で、複数の検出セルに跨って入射するイベントの重心位置を的確に検出することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数の検出セルに跨って入射するイベントの重心位置を検出するための入射位置検出装置において、各検出セルの入力信号のレベルを弁別するための波高弁別手段と、弁別されたレベルに応じた波高を有する所定幅のパルスを発生するエンコーダと、信号が入力したチャネルに対応する位置に該パルスが入力される抵抗ラダーと、該抵抗ラダーの両端に接続された読取手段とを備え、該読取手段の出力の大きさを比較してイベントの重心位置を検出するようにして、前記課題を解決したものである。
【0013】
又、前記波高弁別手段を複数の閾値を持つディスクリミネータとしたものである。
【0014】
又、前記抵抗ラダーを複数直列接続してスケーラブルとし、より大規模な位置検出システムを構築できるようにしたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0016】
本発明の第1実施形態は、図4に示すように、検出器に多数の検出セルを備えるシンチレータを用い、各検出セルに対応する各チャネルに対して、個別の前置増幅器20、並びに、整形増幅器22、可変増幅度増幅器24、複数(図では3個)のコンパレータ28A、28B、28Cを備えた波高弁別器(ディスクリミネータ)26を用意する。
【0017】
前記コンパレータ26A、26B、26Cの出力は、共通のエンコーダ30に接続する。
【0018】
このエンコーダ30は、各チャネルに対して1つずつ用意する。このエンコーダ30は、信号出力の大きさを判断し、図5に示す如く、その大きさに対応した数種類(実施形態では4種類)の異なる電圧値h1~h4を持つ幅tの短い(例えば100nsec以下)パルスPを発生する。このパルス出力は、アンプ32を介して、チェーン状の抵抗ラダー34に接続される。
【0019】
従って、各チップ当りの出力は、図6に示す如く、A、Bの2つとなるが、例えば読取用の増幅器36A、36Bを介して接続された割算器38により、増幅器36A、36Bの出力の大きさを比較することで、どのチャネルから信号が出力されたかの情報を得ることができる。具体的には、前記出力A、B間で、電荷分割法によりA/(A+B)等のアナログ値の割算を行なうことで、入射放射線の重心位置が求まり、信号が入力したチャネルの番号をアナログ信号にエンコードして出力することができる。
【0020】
この方法のスループットは、入力信号の立上り部分のみを用いているので、蛍光の減衰時間等の影響を受けず、高いスループットが期待できる。更に、電荷分割法でのS/N比に関しては、一旦、コンパレータでパルス化して、デジタル化を行なっているため、極めて高く、10000チャネル程度までのエンコードが可能である。
【0021】
又、信号電荷が多数のチャネルにわたっている場合、検出器から出力されるパルスに時間差が生じる場合があるが、これについては、パルス幅を十分広くとることで対処する以外にも、近接したチャネル間に一定時間の同期回路を設けて、エンコードしたパルスの発生のタイミングを同期させることでも回避できる。
【0022】
更に、多数のチャネルに対してエンコードを行なう場合には、各チップの出力を直列に接続すればよい。例えば図7に示す第2実施形態の如く、チップ1の出力がA1とB1、チップ2の出力がA2とB2であるとすれば、B1とA2を直列接続し、A1とB2から信号を読み出せばよい。このようにして、通常1チップ当り100~200のチャネル数を、チップの数だけ増やすことができる。このような特徴は、スペースの限られたフロントエンドエレクトロニクスでの利用に適している。
【0023】
なお、前記実施形態においては、コンパレータが3つとされ、エンコーダ30の出力の波高が高、中、低、零の4種類とされていたが、コンパレータの数や波高の種類数は、これに限定されない。
【0024】
又、前記実施形態においては、整形増幅器22及び可変増幅度増幅器24が設けられていたが、これらの増幅器を省略することも可能である。
【0025】
なお、前記実施形態では、検出器としてシンチレータが用いられていたが、検出器の種類はこれに限定されず、ゲルマニウム、化合物半導体等の半導体センサを用いた放射線検出器、マルチワイヤ比例計数管(ガスカウンタ)、ダイノードがファインメッシュで作られたマルチアノード型の光電子増倍管にも同様に適用できる
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、複数のチャネルが同時に反応した場合においても、DA変換に基づき、抵抗ラダーがハードウェア的に演算を行なうため、重心位置を簡便に求めることができる。又、反応していないチャネルは信号を出力しないし、既に信号パルスを出力したチャネルは、しばらくの間は信号を出さないので、単位時間当りに処理することが可能なパルス数としてのスループットを損なうことがない。更に、多数の検出セルの読み取りに必要な信号線の数は、アナログ情報へのエンコーディングを行なっているため、僅かに2本と極端に少なくてよい等の優れた効果を有する。
【0027】
本発明の適用対象は検出セルの一次元配列に限定されず、2次元配列以上にも、同様に適用でき、次元数が多い時、効果が高い。特に、特許文献1や2の技術と組合せるのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のプライオリティエンコーダを用いた入射位置検出装置の構成例を示すブロック図
【図2】オーバーサンプリングの様子を示す説明図
【図3】オーバーサンプリング時のプライオリティエンコーダの問題を示すタイムチャート
【図4】本発明の第1実施形態の構成を示す回路図
【図5】第1実施形態におけるエンコーダから出力されるパルスの形状の例を示すタイムチャート
【図6】前記パルスの抵抗ラダーへの入力の様子を示す回路図
【図7】本発明の第2実施形態の全体構成を示すブロック図
【符号の説明】
10…放射線検出器
20…前置増幅器
22…整形増幅器
24…可変増幅度増幅器
26…波高弁別器
28A、28B、28C…コンパレータ
30…エンコーダ
P…パルス
34…抵抗ラダー
38…割算器
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6