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明細書 :パターン形成体の製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4614631号 (P4614631)
公開番号 特開2004-006779 (P2004-006779A)
登録日 平成22年10月29日(2010.10.29)
発行日 平成23年1月19日(2011.1.19)
公開日 平成16年1月8日(2004.1.8)
発明の名称または考案の名称 パターン形成体の製造方法
国際特許分類 H01L  21/288       (2006.01)
H01L  21/285       (2006.01)
FI H01L 21/288 Z
H01L 21/285 Z
請求項の数または発明の数 6
全頁数 18
出願番号 特願2003-098617 (P2003-098617)
出願日 平成15年4月1日(2003.4.1)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 電気化学会第69回大会講演要旨集(平成14年3月25日発行)社団法人電気化学会発行第379頁に発表
優先権出願番号 2002100300
優先日 平成14年4月2日(2002.4.2)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成18年3月16日(2006.3.16)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】899000068
【氏名又は名称】学校法人早稲田大学
発明者または考案者 【氏名】本間 敬之
個別代理人の代理人 【識別番号】100101203、【弁理士】、【氏名又は名称】山下 昭彦
【識別番号】100104499、【弁理士】、【氏名又は名称】岸本 達人
審査官 【審査官】▲辻▼ 弘輔
参考文献・文献 特開平07-050281(JP,A)
特開2000-021883(JP,A)
P.Schmuki, L.E.Erickson,Selective High-Resolution Electrodeposition on Semiconductor Defect Patterns,Physical Review Letters,2000年10月 2日,Vol.85, No.14,pp.2985-2988
調査した分野 H01L 21/288
H01L 21/285
H01L 21/3205
H01L 21/3213
H01L 21/768
特許請求の範囲 【請求項1】
結晶性半導体表面の結晶格子に凹構造を導入し前記結晶性半導体表面の結晶構造に歪みを導入した歪み領域を前記結晶性半導体表面に所定のパターン状に有する電荷付与体を洗浄し、前記歪み領域にて局所的に表面ポテンシャルをシフトさせる工程と、
洗浄された前記電荷付与体を所定の物質を含有する雰囲気に曝し、外部からのエネルギーの供給を必要とすることなく、前記歪み領域から電荷が付与され、前記歪み領域上のみに前記物質を含有するパターンを形成する工程と
を有し、前記電荷付与体の洗浄では、前記電荷付与体の表面に酸化膜が形成されるように洗浄した後、前記酸化膜が除去されるように洗浄することを特徴とするパターン形成体の製造方法。
【請求項2】
導入される前記歪みの度合を調整し、前記表面ポテンシャルのシフト量を調整し、前記パターンの形成を制御することを特徴とする請求項に記載のパターン形成体の製造方法。
【請求項3】
前記歪み領域において付与される電荷により化学反応が生じ、前記歪み領域上に前記化学反応により生じる前記物質を含有する反応物が析出することを特徴とする請求項または請求項に記載のパターン形成体の製造方法。
【請求項4】
前記歪み領域において付与される電荷により吸着反応が生じ、前記歪み領域上に前記物質が吸着することを特徴とする請求項または請求項に記載のパターン形成体の製造方法。
【請求項5】
前記歪み領域を、前記結晶性半導体表面に加えられた機械的処理により形成することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載のパターン形成体の製造方法。
【請求項6】
前記歪み領域を、前記結晶性半導体表面に粒子線照射をすることにより形成することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載のパターン形成体の製造方法。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子デバイス等として主に用いられる半導体の表面の電荷付与体および半導体の表面のパターン形成体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体の表面のパターン形成体は、一般的に電子デバイス等としてダイオード、トランジスタ、集積回路(IC)等に使用することが可能である。
【0003】
従来、このような半導体の表面へのパターン形成は、一般的にフォトリソグラフィー技術により形成されている。フォトリソグラフィー技術とは、ガラスマスク基板等の表面に形成されているパターンを、Si等の半導体基板表面にレジストパターンとして転写する方法であり、半導体の表面に、レジストを塗布することにより形成後、露光、現像し、エッチング処理後、レジスト除去をする工程であることが知られている。
【0004】
しかし、近年半導体デバイスの集積度を高めたり、動作を高速化するため、あるいは半導体の小型化のために、パターン形成加工の微細度を高めることが求められている。そのため、フォトリソグラフィー技術においては半導体の表面への微細なパターンの形成は、困難であった。
【0005】
そこで、マスクを必要とせず、電子線でレジスト膜を露光するEBリソグラフィー技術が利用されているが、この方法は、高精度である反面、描画速度が遅いという問題がある。
【0006】
また、どちらの方法においても、多くの工程が必要であり、そのための設備を必要とし、複雑であり、かつ高コストであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、半導体表面に簡易なプロセスで、微細な構造のパターン形成が可能な電荷付与体、および微細なパターン形成体の提供が望まれている。
【0008】
【課題が解決するための手段】
本発明は、結晶性半導体表面の結晶構造に歪みを導入した歪み領域を有し、前記歪み領域から電荷が付与されることを特徴とする電荷付与体を提供する。
【0009】
本発明によれば、結晶性半導体表面の結晶構造に歪みを導入した歪み領域を有することにより、前記歪み領域において表面ポテンシャルが、p型半導体の場合は負に、n型半導体の場合は正にシフトする。これにより、前記歪み領域において、他の物質に電荷を付与することが可能な電荷付与体となるのである。
【0010】
上記発明においては、前記結晶性半導体がn型半導体であり、付与される電荷が正の電荷であってもよい。前記結晶性半導体がn型であることにより、前記歪み領域では表面ポテンシャルが正にシフトし、正の電荷を付与することが可能となる。これにより、前記歪み領域に、例として酸化物やセラミックスのような物質を析出させることが可能となるからである。
【0011】
また、本発明においては、前記歪み領域が、前記結晶性半導体表面に加えられた機械的処理により形成されたものであってもよい。前記歪み領域を機械的処理により半導体表面に形成することにより、前記歪み領域を目的とするパターンの形状とすることが可能となるからである。また、形成可能なパターンを、歪み領域の形成手法によっては、数nm程度の微細なパターンとすることも可能となる。さらに、前記歪み領域における表面のポテンシャルシフトの大きさは、導入された歪みの度合に依存することから、機械的処理による歪みの大きさを調整することにより、表面のポテンシャルシフトの大きさを調整することが可能となり、被析出物の析出量や種類を選択することが可能となるからである。
【0012】
また、本発明においては、前記歪み領域が、前記結晶性半導体表面に粒子線照射をすることにより形成されたものであってもよい。粒子線は連続的に照射することが可能であることから、面状にも歪み領域を形成することが可能となり、様々な形状の歪み領域をすることができ、さらに歪みの大きさも調整することができる。
【0013】
また、本発明は、上述したいずれかの電荷付与体における歪み領域が、前記結晶性半導体表面にパターン状に形成されてなることを特徴とするパターン形成体を提供する。
【0014】
本発明によれば、前記電荷付与体における前記歪み領域が、パターン状に形成された電荷付与体を、被析出物を含有する雰囲気に曝すことにより、前記歪み領域上から電子が付与され、析出物により目的とするパターンが形成され、パターン形成体とすることが可能となる。また、本発明によれば外部からの給電等のエネルギーの供給を必要としないため、低コストでパターン形成体を形成することが可能となる。さらに、上記ポテンシャルシフトの量は、導入された歪みの量に依存することから、異なる量の歪みを導入することにより、異なる量の析出物が同時に析出するパターン形成体とすることができるのである。
【0015】
上記発明においては、前記歪み領域において付与される電荷により化学反応が生じ、前記歪み領域上に前記化学反応により生じる反応物が析出されてなるものであってもよい。前記歪み領域において表面ポテンシャルが、p型半導体の場合は負に、n型半導体の場合は正にシフトすることから、前記歪み領域において、電荷を付与することが可能となり、被析出物を含む雰囲気に曝すことにより化学反応が自発的に起こるため、前記歪み領域上に反応物が析出され、パターンを形成することが可能となるからである。
【0016】
また、前記歪み領域において付与される電荷により吸着し、前記歪み領域上に前記吸着物が吸着されてなるものであってもよい。前記歪み領域において表面ポテンシャルが、p型半導体の場合は負に、n型半導体の場合は正にシフトすることから、前記歪み領域において、被析出物を含む雰囲気に曝すことにより、反対の電荷を有する物質を吸着することが可能となり、パターンを形成することが可能となるからである。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明は、結晶性半導体表面の結晶構造に歪みを導入した歪み領域を有し、上記歪み領域から電荷が付与されることを特徴とする電荷付与体、および上記電荷付与体を用いたパターン形成体に関するものである。
【0018】
以下、このような本発明の電荷付与体、およびパターン形成体についてそれぞれ説明する。
【0019】
A.電荷付与体
本発明における電荷付与体は、結晶性半導体表面の結晶構造に歪みを導入することにより、その歪み領域から電荷が付与される電荷付与体とすることを特徴とするものである。以下、これらについて詳しく説明する。
【0020】
(結晶性半導体)
本発明に用いられる結晶性半導体とは、規則的に結晶が配列しており、かつ電荷を帯電することが可能である半導体であれば、特に限定されるものではなく、結晶性半導体には、Si半導体やGe半導体、化合物半導体やセラミックス半導体、または高分子半導体も含まれる。
【0021】
本発明は、半導体が結晶性であることから、後述する歪み領域を結晶性半導体表面に導入することによって、局所的に表面ポテンシャルが、p型半導体の場合は負に、n型半導体の場合は正にシフトする。また、半導体であることから、一時的に電荷を帯電させることが可能であるため、この表面ポテンシャルがシフトした領域から、他の物質に電荷を付与することが可能な電荷付与体とできるのである。
【0022】
本発明に用いられる結晶性半導体とは、p型およびn型のSi半導体、Si、Ge、Ga、In、Cdなどからなる群から選択される少なくともひとつの元素を含む化合物半導体、Znおよび/またはTi、Niを含む酸化物半導体、などが挙げられる。好ましくは、(100)配向、(110)配向および(111)配向を有するp型およびn型のSi結晶性半導体、およびSi、Ge、Ga、In、Cdなどからなる群から選択される少なくともひとつの元素を含む化合物半導体である。
【0023】
本発明においては、上記結晶性半導体がn型であってもよく、p型であってもよい。上記結晶性半導体が、n型であることにより、後述する結晶性半導体の表面の歪み領域では表面ポテンシャルが正にシフトする。これにより、他の物質に正の電荷を付与することが可能となることから、歪み領域に、例として酸化物やセラミックスのような物質を析出させることが可能となる。また、上記結晶性半導体が、p型であることにより、歪みを導入した領域のポテンシャルが負にシフトし、正の電荷を有する金属イオン等と還元反応を行うことが可能となることから、上記歪み上に金属等を容易に析出させることが可能となる。
【0024】
本発明に用いられるn型半導体およびp型半導体は、Si結晶性半導体、Ge結晶性半導体、およびSi、Ge、Ga、In、Cdなどからなる群から選択される少なくともひとつの元素を含む化合物半導体、Znおよび/またはTi、Niを含む酸化物半導体が挙げられる。これらはバルク結晶であっても、絶縁体あるいは他の下地上に存在する薄層状のものであってもよい。好ましくは、Si結晶性半導体、Ge結晶性半導体、およびSi、Ge、Ga、Inなどからなる群から選択される少なくともひとつの元素を含む化合物半導体、ZnまたはTiを含む酸化物半導体である。
【0025】
(歪み領域)
次に、本発明の電荷付与体における歪み領域について説明する。本発明の電荷付与体における歪み領域とは、上記結晶性半導体の表面に、局所的に歪みを導入した領域であり、歪みとは、上記結晶性半導体の表面の結晶格子に、凹構造を導入したものである。上記結晶性半導体の表面の結晶格子に形成された歪み領域であれば、深さや大きさ等は特に限定されるものではなく、上記結晶性半導体の表面全体に形成されたものであってもよい。
【0026】
本発明においては、この導入された歪みの大きさに、結晶性半導体の表面ポテンシャルシフトは依存し、例えば析出物の析出速度が決定される。歪みが小さい場合には、ポテンシャルシフトが小さく、例えば析出物を析出させた場合、析出物の析出速度が遅い。また印加負荷の大きい場合には歪みが大きく、析出物の析出速度が速いものとすることができる。これにより、例えば図1に示すように、異なる負荷を加え、析出物を析出させた場合、異なる析出量の析出物を析出させることができ、大きな負荷を与えた場合、析出物の析出量を多くすることができるのである。また、例えば幅の細い線状に大きな負荷をかけて歪みを形成することにより、幅が細く、かつ膜厚の高い析出物とすること等も可能である。従って、本発明においては、導入する歪みの形状や、歪みの量によって、様々な膜厚やパターンに析出物を析出させることが可能な電荷付与体とすることができるのである。
【0027】
またさらに、この歪みの導入度合を調整することにより、析出のために要するポテンシャルシフトの異なる複数種の物質に、選択的に電荷を付与し、析出させることも可能である。
【0028】
このような歪みの導入方法として、硬質プローブによる機械的処理や、スラリー等のジェット吹き付け、粒子線照射、溶液による化学的処理等が挙げられる。本発明においては、上記の中でも、例えばマイクロデバイスの微小配線等の、比較的小面積に歪みを導入する際には、硬質プローブによる機械的処理を用いることが好ましい。これにより、例えば図2に示すように、細かいピッチで、目的とする微小パターンの形成を行うことが可能となるからである。このような硬質プローブとしては、ダイヤモンド針、シリコンカーバイド、カーボンナノチューブ等の炭素骨格を有する硬質材料等が挙げられ、硬度等の面から、中でもダイヤモンド針であることが好ましい。また、機械的処理の方法としては、硬質プローブの押込み(インデント)や引掻き(スクラッチ)、予めパターンを形成した硬質鋳型(モールド)の押付け(エンボス加工)等が挙げられる。この際、歪みを導入する幅は、目的とするパターン形成体のパターンの形状にもよるが、通常1nm~10μmの範囲内、中でも10nm~1μmの範囲内で形成することができる。また、この歪みを導入するピッチとしては、通常100nm以下、中でも60nm以下、で形成することができる。また、下限としては、通常5nm以上で形成することができる。
【0029】
一方、例えばマイクロデバイスの接続パッド部等の、比較的大面積に歪みを導入する際には、粒子線照射を用いることができる。
【0030】
本発明によれば、例えば図3に示すように、例えば集束イオンビーム等の粒子線照射によっても、上記結晶性半導体表面に歪みを導入し、ポテンシャルシフトを発現させることができ、このような粒子線照射を用いた場合には、例えば図4に示すように、連続的に照射を行うことができ、目的とするパターン状に面で歪みを導入することが可能となる。この際に用いられる粒子線照射の種類としては、集束イオンビームや、アトム線照射等が挙げられ、中でも集束イオンビームであることが好ましい。この集束イオンビームに用いられるイオンの種類としては、Ga、Be、Si、W、Ar、Xe、Kr等が挙げられ、中でもGaを用いることが好ましい。
【0031】
ここで、本発明においては、この歪み領域が清浄な表面を有する領域であることが好ましい。上記結晶性半導体の表面に単に凹凸構造を形成するだけでは、電荷供与体とするための表面ポテンシャルはシフトせず、例として歪み表面が酸化膜で覆われている場合等においては、凹凸構造を有した結晶性半導体であっても、上記表面ポテンシャルはシフトしないからである。
【0032】
従って、上記歪みを導入する前に、上記結晶性半導体表面を通常知られた方法により、清浄表面とすることが好ましく、例えば上記結晶性半導体がシリコンである場合には、硫酸と過酸化水素水との混合液に浸漬した後水洗し、その後、フッ酸に浸漬する方法等が挙げられる。また、さらに表面を酸化膜や単分子膜(シリル基、アミノ基、カルボキシル基のうちひとつ以上を含み,炭素あるいはケイ素骨格からなる分子で形成された単分子膜)等で被覆してもよい。
【0033】
これらの工程後、上記方法により歪みを導入することにより、歪み領域のみポテンシャルがシフトした電荷付与体とすることができるのである。
【0034】
(電荷付与体)
次に、本発明の電荷付与体について説明する。本発明の電荷付与体は、上記結晶性半導体の表面に、上記歪みを導入した歪み領域を有し、上記歪み領域上から電荷が付与されることを特徴とするものである。本発明においては、上記結晶性半導体の表面に、上記歪み領域が存在することにより、歪み領域において局所的に表面ポテンシャルが、p型半導体の場合は負に、n型半導体の場合は正にシフトする。これにより、他の物質に電荷を付与することが可能な電荷付与体ととすることが可能となるのである。また、この電荷付与体の歪み領域を目的とするパターンとすることによって、後述するパターン形成体を形成することが可能となるのである。
【0035】
B.パターン形成体
次に、本発明のパターン形成体について説明する。本発明におけるパターン形成体とは、上述した電荷付与体における歪み領域が、上記結晶性半導体表面にパターン状に形成されていることを特徴とするものである。
【0036】
また、本発明において上記パターン形成体が、上記電荷付与体の歪み領域において付与される電荷により、吸着または化学反応が生じ、それらにより生じる反応物が析出されてパターンが形成されたものであることが好ましい。上記電荷付与体においては、歪み領域から電荷が付与されることから、反応物質の存在する雰囲気下において、上記歪み領域と反応物質の間で、自発的に吸着または酸化還元反応が行われ、上記結晶性半導体表面にパターンが形成されることが可能である。この酸化還元反応および吸着反応は、自発的に反応が進行するため、給電等の外部からのエネルギーの供給が必要なく、複雑な工程や装置を必要としないため、低コストであり、簡易な方法で形成されたパターン形成体とすることが可能である。またさらに、上記電荷付与体における歪み領域の歪みの量に、ポテンシャルシフトの量が依存することから、異なる歪みの量を導入した上記電荷付与体を用いることにより、析出物の量や種類が異なるパターンを一括して形成することが可能となるのである。以下、このようなパターン形成体の形成に用いられる酸化還元反応および吸着反応について説明する。
【0037】
(酸化還元反応)
本発明におけるパターン形成体は、上記電荷付与体の歪み領域において、酸化還元反応が生じ、上記歪み領域上に物質が析出したことにより形成されてもよい。上記電荷付与体における上記歪み領域においては、表面ポテンシャルが正または負にシフトしていることから、反応性の物質に電荷を付与することが可能である。これにより、上記電荷付与体を、被析出物を含有する雰囲気に曝すことにより、上記歪み領域では、酸化還元反応が自発的に行われる。またあらかじめ、上記結晶性半導体を、目的とするパターンの歪みを導入した電荷付与体とすることにより、目的とするパターン上に物質を析出させることが可能となり、パターン形成体とすることが可能となるのである。
【0038】
また、析出のために要するポテンシャルシフトの異なる複数種の物質を含有する雰囲気に、上記歪み領域のポテンシャルシフトを調整した上記電荷付与体を、曝すことにより、選択的に目的とするパターン上に電荷を付与することが可能となる。
【0039】
ここで、被析出物を含有する雰囲気とは、液相または気相のどちらでもよい。
【0040】
上記結晶性半導体がp型の場合は、上記歪み領域の表面ポテンシャルが負にシフトしていることから、正の電荷を有する金属イオンや有機分子と還元反応を行うことが可能であり、例えば図5に示すように、上記歪み領域上に析出させることが可能となる。
【0041】
ここで、本発明において、析出物は金属であることが好ましい。このような金属としては、Cu、Ag、Au、Ni、Co、W、Pd、Pt、Fe、Sn、Ru、Rh、Ir、Re、Zn等が挙げられる。これにより、上記歪み領域のパターンの形状により、例えば配線や抵抗等の機能を有する微細素子の形成が可能となり、具体的には、Cu、Ag、Au、やそれらの合金の析出による微細配線、Niやその合金の析出による抵抗体、Co、Niやその合金の析出による磁性体、またCoやNi、W、Pdを析出した後表面近傍のSiと反応させて形成したシリサイド等とすることが可能となるからである。
【0042】
また、このような析出物の析出量としては、上記結晶性半導体表面における歪み量や、析出を行う時間により適宜選択されるものであるが、通常1nm~10μm程度析出させることが可能である。
【0043】
また、上記結晶性半導体がn型の場合は、上記歪み領域の表面ポテンシャルが正にシフトしていることから、負の電荷を有する磁性体や、セラミックス等の酸化物を酸化反応により析出させることが可能となる。これにより、上記歪み領域のパターンの形状により、例えば絶縁層や半導体等を形成することが可能となり、具体的には、Si酸化物による絶縁層や誘電層、Fe酸化物による磁性体、酸化亜鉛や酸化チタンによる半導体や光機能体および触媒機能体等が挙げられる。
【0044】
(吸着)
また、本発明におけるパターン形成体は、上記電荷付与体における歪み領域で吸着反応が行われ、上記歪み領域上に吸着された物質が析出することにより形成されたものであってもよい。上記電荷付与体において、上記歪み領域は、表面ポテンシャルがシフトしていることから、逆の電荷をもった物質をクーロン力により吸着することが可能である。これにより、電荷を有する物質を含有する雰囲気に、上記電荷付与体を曝すことにより、上記歪み領域では、吸着反応が自発的に行われる。またあらかじめ、上記結晶性半導体を、目的とするパターンの歪みを導入した電荷付与体とすることにより、目的とするパターン上に物質を吸着させることが可能となり、パターン形成体とすることが可能となるのである。ここで、吸着を行う雰囲気とは、液相または気相のどちらでもよい。吸着可能な物質として、金属イオン、イオウや窒素を含む無機イオン、水酸基、カルボニル基、アミン基、チオール基のうちひとつ以上を有する有機化合物および高分子化合物などが挙げられる。
【0045】
(パターン形成体の製造方法)
次に、本発明のパターン形成体の製造方法について説明する。上述したような酸化還元および吸着のどちらの場合においても、上記電荷付与体表面に酸化膜や不純物が存在する場合には、表面ポテンシャルシフトが発現しないことから、本発明のパターン形成体は、上記電荷付与体を洗浄する洗浄工程および、前記歪み領域に反応物を析出または吸着させる反応工程とを行うことにより製造することができる。以下これらについて説明する。
【0046】
a.洗浄工程
上述したように、本発明における電荷付与体の歪み領域における、表面ポテンシャルシフトは、酸化膜や不純物が表面に存在する場合には発現せず、清浄な表面でのみ発現することから、歪みを導入した電荷付与体の洗浄工程が必要とされる。しかし、清浄表面を得るための洗浄工程において、表面をアルカリ溶液等の結晶を溶解する作用のある溶液によって洗浄すること等は、最表層にある歪み領域が消滅してしまい、ポテンシャルシフトが発現しなくなることから、パターン形成を行うことが不可能となる。また、フッ酸等による洗浄においては、洗浄により表面全体の活性が過剰に上がると、目的とするパターン以外の部分も活性化されてしまうため、目的とするパターンを形成することができない。
【0047】
そこで、本発明における洗浄工程は、まず超純水により上記電荷付与体を大気中で洗浄することにより、表面に酸化膜を形成させる。これにより、表面全体の活性を減少させた後、上記電荷付与体を例としてフッ酸溶液に浸漬すること等で表面を洗浄する。これにより、上記電荷付与体の表面が活性化を向上させ、目的とするパターンのみを形成することが可能となるのである。
【0048】
具体的な洗浄方法としては、洗浄液への浸漬や洗浄液のスプレー噴霧、イオンビームやプラズマへの曝露などが挙げられる。
【0049】
この場合のフッ酸溶液の濃度は、0.001%~20%,特に0.5%~5%の範囲内であることが好ましい。
【0050】
b.反応工程
本発明における反応工程は、反応物を含有する液相または気相の雰囲気に、上記洗浄工程において処理を行った電荷付与体を曝すことにより、上記歪み領域において、反応が自発的に行われる。これは、上記洗浄工程により上記電荷付与体表面における歪み領域の表面ポテンシャルが活性化されており、歪み領域以外の部分の活性が減少されていることにより、上記歪み部分でのみ反応が行われ、目的とするパターンが形成されることが可能となる。
【0051】
また、本発明におけるパターン形成体の反応工程は、液相または気相のどちらで行っても良い。
【0052】
ここで、パターン形成の反応条件として、反応雰囲気中の温度が0℃から90℃、特に5℃~80℃の範囲内であることが好ましい。反応雰囲気中の温度が上記範囲内であることにより、上記酸化還元反応または吸着反応が自発的かつ効率的に進行するからである。
【0053】
また、反応雰囲気中における反応物の濃度が0.1ppb~1000ppm、特に10ppb~100ppmの範囲内であることが好ましい。被析出物の濃度が上記範囲内であることにより、目的とするパターンの歪み領域において、被析出物の酸化還元反応または吸着を行うことが可能となり、歪み領域以外の反応を抑えることが可能となるからである。
【0054】
また、反応物は一種類に限定されるものではなく、数種類の反応物を含有させることにより、上記歪み領域におけるポテンシャルシフトの大きさにより、選択的に目的とするパターンに析出または吸着させることが可能となる。
【0055】
また、本発明においては、反応溶液中に反応阻害物質等を添加してもよい。反応阻害物質等の添加により、数種類の反応物質を含有する系において、選択的に物質を反応させることが可能となるからである。一方、特定の反応物質の反応を促進する物質等を添加してもよい。この反応物質は、それ自体も反応し析出または吸着するものでも、触媒的に作用するものでもよい。反応促進物質の添加により、数種類の反応物質を含有する系において、選択的に物質を反応させることが可能となるからである。
【0056】
さらに、これらの反応阻害物質や反応促進物質は、複数を同時に添加してもよい。また反応中に逐次添加してもよい。添加濃度を経時的に変化させてもよい。これにより、析出または吸着する物質を連続的に制御し、複数の機能をもつパターンを一括形成することができるからである。
【0057】
(パターン形成体の用途)
次に、本発明のパターン形成体の用途について説明する。本発明のパターン形成体は、上述したように、表面に異なる量の析出物が析出したパターンや、異なる種類の析出物が析出したパターン等が形成されたものとすることができ、これを利用して、様々な用途に用いることが可能である。
【0058】
本発明のパターン形成体の具体的な用途としては、例えば微小磁石や、微小配線、マイクロ化学システム等の流路、触媒等が挙げられる。以下、それぞれについて説明する。
【0059】
(1)微小磁石(Co、Ni、Fe系金属)
本発明のパターン形成体として、Co、Ni、Fe系金属をパターン状に析出させた場合には、微小磁石として用いることが可能である。Coは室温で強磁性であり、例えば図6に示すように、本発明のパターン形成体としてCoがパターン状に析出した場合には、そのCoが析出したパターン状に、磁性を確認することができる。
【0060】
従って、本発明のパターン形成体を、例えば磁性ナノドットのパターンによる超高密度メモリデバイスや微小駆動機械の位置決め用エンコーダや、各種MEMS(Micro Electro Mechanical System)用微小マグネット、また例えばバルブ開閉や有用物質(生体分子や有機分子,蛍光色素でラベルされた分子)を固定化した磁性微粒子の捕捉や誘導(例えば薬理活性種などの有用物質を固定化した磁性微粒子を、微小磁石を形成した微小駆動機構で所望の部位まで誘導する)等へ用いることが可能となる。また、MEMS技術により形成された超小型モーター用の回転子等にも用いることが可能である。
【0061】
(2)微小配線(Cu、Ag、Au、Ni、Rh、Ru、W、Re系金属)
また、本発明のパターン形成体として、Cu、Ag、Au、Ni、Rh、Ru、W、Re系の金属をパターン状に形成することにより、電子回路用の微小配線にも用いることが可能である。本発明によれば、上述したように、析出する金属の種類や析出量、形状等を、導入する歪みの量や形状によって調整することが可能となる。これにより、目的とする様々なパターンの配線を一括して形成することが可能となるのである。このような配線としては、例えばマイクロデバイス、またはナノデバイス等の信号線、給電線やグラウンド線、また三次元配線のための上下層接続配線、外部システムと接続するための端子パッド部等が挙げられる。
【0062】
また、Ni、W、Re系合金を用いた場合には、回路内の埋込型受動素子(抵抗など)とすることも可能である。
【0063】
(3)マイクロ化学システム等の流路(Ni、Co、Cu、Au、Pt系金属等)
また、本発明のパターン形成体として、Ni、Co、Cu、Au、Pt系金属等をパターン状に形成した場合には、例えば微小な化学反応システム(マイクロリアクター)や分析システムにおいて、薬液を流す流路等の、微小構造を形成するための部材として用いることが可能である。また、この場合、上記微小配線と組み合わせたものとすることも可能である。
【0064】
(4)触媒(Ni、Co、Ag、Au、Pd、Pt系金属)
またさらに、本発明のパターン形成体として、Ni、Co、Ag、Au、Pd、Pt系金属をパターン状に形成した場合には、例えばマイクロ化学反応システム内の反応部位等の触媒として用いることが可能である。通常、ナノサイズの金属粒子は有機分子、無機分子、生体分子の反応に対し触媒活性を示すことが知られており、本発明のパターン形成体を、マイクロ化学反応システム内の反応部位に設置することにより、触媒として用いることが可能となるのである。
【0065】
このような触媒として本発明のパターン形成体を用いることにより、例えば各種有機分子における官能基の置換・付加反応や酸化反応(脱水反応)等を行うことができる。またさらに、上述した磁性ナノ領域を形成することにより、磁気微粒子に付着させた各種触媒(例えば酵素やセラミックス系触媒など)を担持させるための領域を形成することも可能であり、マイクロ化学反応システムの反応器部分、あるいは化学・生化学センサーのセンシング部分等に用いることも可能である。
【0066】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではない。前記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0067】
【実施例】
以下に実施例および比較例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。
【0068】
[実施例1]
(A)前処理およびパターン形成
p型シリコンウェハ表面を以下の方法で前洗浄する。
【0069】
(1)96%硫酸:40%過酸化水素水=4:1(体積比)の混合溶液に浸漬(120℃、10min)
(2)超純水洗浄
(3)希フッ酸水溶液(例えば0.5%)に浸漬(常温、1min程度)
上記洗浄工程により得られた清浄表面に局所歪みパターンを導入する。例えばダイヤモンド製プローブによる表面のスクラッチあるいはインデントにより、図7に示すパターンを形成する。その後上記と同じ手法で洗浄を行い、パターン部位を活性化させる。
【0070】
(B)溶液組成の最適化
パターン形成された箇所には負側へ表面ポテンシャルがシフトされる。この状態でウェハを金属イオンを含む溶液中に浸漬すると、パターン形成箇所では金属イオンの自発的な還元析出反応が起こり、図8に示したような金属微小核の形成が起こる。このような箇所では、金属が析出した後も図9に示すような負側へのポテンシャルシフトを保ち続けるため、連続して優先析出が起こる。ここで、電子は析出箇所近傍のシリコンの自発的酸化により供給される。従って、析出箇所の周囲には図10に示すようなシリコン酸化層が形成される。
【0071】
ここで注意すべき点は、清浄なシリコン表面は、それ自体金属イオンの還元析出に対してある程度の活性を示す、という事実である。パターン形成箇所の方がより活性であることは間違いないが、溶液側の条件により、金属イオンが充分(過ぎるほど)に析出しやすい状態(例えばイオン濃度が比較的高いなど)であると、歪み導入箇所以外からの析出も起こってしまう。そこで、析出のための溶液組成の最適化を行った。その例を示す。
【0072】
まず、図7に示したパターンを導入したウェハを、200ppbのCuイオンを含む0.5%フッ酸溶液に1min浸漬した場合のCu微小構造形成の様子を図11に示す。図より明らかなように、パターン導入箇所以外にもCu析出がみられる。
【0073】
フッ酸は表面清浄化(換言すれば「活性化」)作用があることから、ウェハ表面全体の過剰な活性化により、歪み導入部以外にも析出が起こってしまったと考えられる。一方、空気飽和した室温超純水中にシリコンウェハを浸漬すると、ウェハ表面に酸化層が形成されることが知られている。これはすなわち表面の不活性化ともいえる。そこで、フッ酸の作用による活性化と超純水の作用による不活性化のバランス、および金属イオンの濃度を最適化することにより、歪み導入箇所のみで選択性良く析出が起こるような条件を探索した。
【0074】
フッ酸濃度0.25%、Cuイオン濃度200ppb、1min浸漬条件で検討を行った結果を図12に示す。この条件でも未だ析出活性が高すぎることがわかる。
そこで、フッ酸濃度を0.025%とした。その結果を図13に示すが、この場合パターン箇所への選択析出は起こるものの、析出量が不足である。従って、浸漬時間を長くする、もしくは金属イオン濃度を高くする必要がある。前者のアプローチではパターン箇所の不活性化を促進することにもなるため、後者を選択した。
【0075】
その結果、図14に示したように、パターン箇所のみへの選択析出を実現した。この場合の条件は、フッ酸濃度0.025%、Cuイオン濃度500ppb、浸漬時間1minである。
【0076】
次に,図15に示した知見を元に,歪み導入度合の差による析出制御について検討した。図16に負荷を変化させてインデント形成した歪み箇所へのCu析出物形成状態を示す。図より、左側列の歪み導入箇所の方が析出物の径が大きくなっていることがわかる。歪み導入の際のインデンテーション負荷は、左から14.1μN、9.8μN、5.4μNである。図15に示したように、歪みの大きいものほどポテンシャルシフトが大きく、これはより析出活性が高いことを示しているが、図16は、これを裏付けるものである。
【0077】
図16の結果は、ポテンシャルのシフト量から、同一金属イオン種の析出量を制御できることを示したものであるが、さらに、複数イオン種に対する選択析出性の制御も可能と思われる。金属種は各々イオン化傾向が異なることから、Au、Cuなどの低イオン化傾向種(還元析出しやすい種)は比較的低いポテンシャルシフト(活性)でも析出するのに対し、それよりイオン化傾向の高い種、例えばNiなどの析出には、より高い活性が必要となる。そこで、例えば溶液中にこれらのイオン種が混在している場合、図16のような系を考えれば、歪みの大きい箇所には高イオン化傾向種と低イオン化傾向種が混在して析出し、歪みの小さい箇所には低イオン化傾向種のみが析出する、という現象が起こることが予想される。これを用いれば、例えばCu微細配線中にNi系抵抗体やCo系磁性体が埋め込まれたような、機能をもったパターンの自発的一括形成が可能と考えられる。なおこの場合、イオン化傾向に加え、溶液のpHなど他の因子の最適化も重要となる。
【0078】
[実施例2]
上述した実施例1と同様に、p型シリコンウェハ表面を前洗浄した後、3μm四方の領域に、図4に示すように、集束イオンビームにより歪みを導入した。この際、走査表面電位顕微鏡(SPoM)により観察することにより、表面が上記パターン状に、ポテンシャルシフト(マイナス側へのシフト)を発現していることが確認された。
【0079】
[実施例3]
上述した実施例1と同様に、p型シリコンウェハ表面を前洗浄した後、5×5個のナノ欠陥をダイヤモンド製プローブにより導入し、その後Cuイオン濃度が500ppbである0.05%フッ酸水溶液に、45秒間浸漬させた。これにより、図2に示すように、50nm系のナノドットを規則的に形成することができた。
【0080】
[実施例4]
上述した実施例1と同様に、p型シリコンウェハ表面を前洗浄した後、5×5個のナノ欠陥をダイヤモンド製プローブにより導入し、その後Auイオン濃度が500ppbである0.05%フッ酸水溶液に、45秒間浸漬させた。これにより、図5に示すように、ナノドットを規則的に形成することができた。
【0081】
[実施例5]
上述した実施例1と同様に、p型シリコンウェハ表面を前洗浄した後、5×5個のナノ欠陥をダイヤモンド製プローブにより導入し、その後Agイオン濃度が50ppbである0.025%フッ酸水溶液に、30秒間浸漬させた。これにより、図5に示すように、ナノドットを規則的に形成することができた。
【0082】
[実施例6]
上述した実施例1と同様に、p型シリコンウェハ表面を前洗浄した後、3×3個のナノ欠陥をダイヤモンド製プローブにより導入し、その後Coイオン濃度が1100ppbである0.50%フッ酸水溶液に、60秒間浸漬させた。これにより、図6に示すように、ナノドットを規則的に形成することができた。この際、磁気力顕微鏡により観察したところ、上記ナノドットと同様の磁気信号が確認されたことから、上記ナノドットは磁性を有していることが確認された。
【0083】
【発明の効果】
本発明によれば、結晶性半導体表面の結晶構造に歪みを導入した歪み領域を有することにより、前記歪み領域において表面ポテンシャルが、p型半導体の場合は負に、n型半導体の場合は正にシフトする。これにより、前記歪み領域において、他の物質に電荷を付与することが可能な電荷付与体となる。また、上記電荷付与体における前記歪み領域が、パターン状に形成された電荷付与体を、被析出物を含有する雰囲気に曝すことにより、前記歪み領域上から電子が付与され、析出物により目的とするパターンが形成され、パターン形成体とすることが可能となる。また、本発明によれば外部からの給電等のエネルギーの供給を必要としないため、低コストでパターン形成体を形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパターン形成体の一例を示した原子間力顕微鏡による写真および、断面の高さを表すグラフである。
【図2】本発明のパターン形成体の他の例を示した原子間力顕微鏡による写真である。
【図3】本発明のパターン形成体の他の例を示した原子間力顕微鏡および走査表面電位顕微鏡による写真である。
【図4】本発明のパターン形成体の他の例を示した原子間力顕微鏡および走査表面電位顕微鏡による写真である。
【図5】本発明のパターン形成体の他の例を示した原子間力顕微鏡による写真である。
【図6】本発明のパターン形成体の他の例を示した原子間力顕微鏡および磁気力顕微鏡による写真である。
【図7】本発明の局所歪み領域のパターンの一例を示した走査プローブ顕微鏡による写真である。
【図8】本発明のパターン形成体の一例を示した走査プローブ顕微鏡による写真である。
【図9】本発明のパターン形成体および、そのポテンシャルシフトの一例を示した走査プローブ顕微鏡による写真である。
【図10】本発明のパターン形成体の一例を示した走査オージェ顕微鏡による写真である。
【図11】本発明のパターン形成体の一例を示した走査プローブ顕微鏡による写真である。
【図12】本発明のパターン形成体の一例を示した走査プローブ顕微鏡による写真である。
【図13】本発明のパターン形成体の一例を示した走査プローブ顕微鏡による写真である。
【図14】本発明のパターン形成体の一例を示した走査プローブ顕微鏡による写真である。
【図15】本発明の歪み量とポテンシャルシフト量の関係を示したグラフである。
【図16】本発明のパターン形成体の一例を示した走査プローブ顕微鏡による写真である。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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