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明細書 :在宅者支援システム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4307177号 (P4307177)
公開番号 特開2005-064705 (P2005-064705A)
登録日 平成21年5月15日(2009.5.15)
発行日 平成21年8月5日(2009.8.5)
公開日 平成17年3月10日(2005.3.10)
発明の名称または考案の名称 在宅者支援システム
国際特許分類 H04M  11/00        (2006.01)
G06Q  50/00        (2006.01)
FI H04M 11/00 301
G06F 17/60 126U
請求項の数または発明の数 2
全頁数 8
出願番号 特願2003-290325 (P2003-290325)
出願日 平成15年8月8日(2003.8.8)
審査請求日 平成18年8月3日(2006.8.3)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503027931
【氏名又は名称】学校法人同志社
発明者または考案者 【氏名】藤井 透
個別代理人の代理人 【識別番号】100064584、【弁理士】、【氏名又は名称】江原 省吾
【識別番号】100093997、【弁理士】、【氏名又は名称】田中 秀佳
【識別番号】100101616、【弁理士】、【氏名又は名称】白石 吉之
【識別番号】100107423、【弁理士】、【氏名又は名称】城村 邦彦
【識別番号】100120949、【弁理士】、【氏名又は名称】熊野 剛
【識別番号】100121186、【弁理士】、【氏名又は名称】山根 広昭
審査官 【審査官】西脇 博志
参考文献・文献 特開2001-211437(JP,A)
特開2002-261966(JP,A)
特開2003-140688(JP,A)
特開2003-109159(JP,A)
特開2003-023501(JP,A)
調査した分野 H04M 11/00-11/10
特許請求の範囲 【請求項1】
被支援者宅に設置されたクライアント側コンピュータと、支援センターに設置され、前記クライアント側コンピュータと双方向通信可能に接続されたホスト側コンピュータと、前記被支援者宅に設置され、クライアント側コンピュータと接続された音声入出力装置および映像入出力装置とを備え、被支援者の発言と行動により音声入力装置および映像入力装置で取り込まれた被支援者の音声データおよび映像データをクライアント側コンピュータからホスト側コンピュータへ送信し、前記ホスト側コンピュータに蓄積されたデータベースから被支援者の発言と行動に対応させた音声データおよび映像データをホスト側コンピュータからクライアント側コンピュータへ返送して音声出力装置および映像出力装置に出力すると共に、前記音声入出力装置、映像入出力装置および人体感知センサを一組としてその組をなす音声入出力装置、映像入出力装置および人体感知センサを被支援者宅内の複数の部屋にそれぞれ設置し、人体感知センサにより被支援者の入退室を検出することにより、被支援者の入退室に応じて音声出力装置および映像出力装置の作動開始と作動停止を制御することを特徴とする在宅者支援システム。
【請求項2】
前記ホスト側コンピュータに蓄積されたデータベースは、被支援者の縁故者または愛玩動物による多種多様な音声パターンと行動パターンからなる音声データおよび映像データである請求項1に記載の在宅者支援システム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は在宅者支援システムに関し、例えば在宅高齢者などの被支援者宅と支援センターとを双方向通信可能に接続したシステムで、支援センターが保有する被支援者のデータベースに基づいて被支援者の精神的なケアを容易に実現する在宅者支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、高齢化社会の現状においては、配偶者を亡くした結果、高齢者の一人住まいが多くなっている。このような高齢者は外出の機会が少なく他者との会話が少ないことから、高齢者の精神的なケアが必要になってきている。また、高齢者では体力の衰えから自宅内での事故が多く、このような事故を未然に防止したり、万一事故が発生した場合に迅速に対処するために、高齢者宅を定期的に訪問するようにしている。
【0003】
高齢者の一人住まいが寂しい状況であることから、最近では、あたかも意思を持つかのように行動するペットロボット等が製品化されている。この種のロボットは、人の声の調子や表情、触れ方などを監視して学習することによって、刺激に対する応答がその状況に応じて変化することになり、成長しているかのように振る舞ったり、人とコミュニケーションをしているかのように錯覚させることが可能になり、一種の癒し機能を有するものになっている(例えば特許文献1)。

【特許文献1】特開2001-121455
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この種のペットロボットは、動物の動きを模倣してエンターテイメントを指向するものであり、高齢者とのコミュニケーションの支援を目的とするものではない。特に、高齢者は人との対話を好む傾向にあり、前述したように対話機能がないロボットでは、高齢者の話し相手となって高齢者の精神的なケアを行なって孤独感を軽減することが難しく、高齢者の快適な生活に貢献するものであるとはいいがたい。
【0005】
また、高齢者の独居生活の安全を確認するためには、高齢者宅を定期的に訪問する必要があるが、高齢者宅が遠隔地の場合、高齢者宅への定期的な訪問も困難であり、自宅内での事故を未然に防止したり、万一事故が発生した場合に迅速に対処することが難しい点が重大問題となっていた。
【0006】
そこで、本発明は前述の問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、高齢者の話し相手をヴァーチャル的に創生することにより高齢者の精神的なケアを容易に実現すると共に、高齢者の独居生活の安全を確保し得る在宅者支援システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明は、被支援者宅に設置されたクライアント側コンピュータと、支援センターに設置され、前記クライアント側コンピュータと双方向通信可能に接続されたホスト側コンピュータと、前記被支援者宅に設置され、クライアント側コンピュータと接続された音声入出力装置および映像入出力装置とを備え、被支援者の発言と行動により音声入力装置および映像入力装置で取り込まれた被支援者の音声データおよび映像データをクライアント側コンピュータからホスト側コンピュータへ送信し、前記ホスト側コンピュータに蓄積されたデータベースから被支援者の発言と行動に対応させた音声データおよび映像データをホスト側コンピュータからクライアント側コンピュータへ返送して音声出力装置および映像出力装置に出力すると共に、前記音声入出力装置、映像入出力装置および人体感知センサを一組としてその組をなす音声入出力装置、映像入出力装置および人体感知センサを被支援者宅内の複数の部屋にそれぞれ設置し、人体感知センサにより被支援者の入退室を検出することにより、被支援者の入退室に応じて音声出力装置および映像出力装置の作動開始と作動停止を制御することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る在宅者支援システムでは、被支援者宅に設置されたクライアント側コンピュータと、支援センターに設置されたホスト側コンピュータとを双方向通信可能に接続したことにより、被支援者の発言と行動による音声データおよび映像データをクライアント側コンピュータからホスト側コンピュータへ送信することができると共に、その被支援者の発言と行動に対応させた音声データおよび映像データをホスト側コンピュータからクライアント側コンピュータへ送信することができる。
【0009】
これにより、被支援者は、クライアント側コンピュータに接続された音声出力装置および映像出力装置により現出したヴァーチャルな対象を話し相手として、音声入力装置および映像入力装置を利用することで対話することができ、その対話から被支援者の行動を惹起させることもできる。また、これら音声入出力装置および映像入出力装置の稼動状況をホスト側コンピュータにより支援センターで掌握することにより、被支援者の宅内での現状を把握することができる。
【0010】
前述のホスト側コンピュータに蓄積されたデータベースとしては、被支援者の縁故者または愛玩動物による多種多様な音声パターンと行動パターンからなる音声データおよび映像データを利用することが、被支援者の精神的なケアを実現する上で望ましい。
【0011】
前記音声入出力装置、映像入出力装置および人体感知センサを被支援者宅内の部屋に設置し、人体感知センサにより被支援者の入退室を検出可能とすれば、被支援者の入退室に応じて、音声出力装置および映像出力装置の作動開始と作動停止を制御することができるので、被支援者の宅内での現状をより一層的確に把握することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、被支援者宅に設置されたクライアント側コンピュータと、支援センターに設置され、前記クライアント側コンピュータと双方向通信可能に接続されたホスト側コンピュータと、前記被支援者宅に設置され、クライアント側コンピュータと接続された音声入出力装置および映像入出力装置とを備え、被支援者の発言と行動により音声入力装置および映像入力装置で取り込まれた被支援者の音声データおよび映像データをクライアント側コンピュータからホスト側コンピュータへ送信し、前記ホスト側コンピュータに蓄積されたデータベースから被支援者の発言と行動に対応させた音声データおよび映像データをホスト側コンピュータからクライアント側コンピュータへ返送して音声出力装置および映像出力装置に出力するようにしたことから、被支援者の孤独感を軽減できて精神的なケアを行なう癒し機能を発揮でき、快適な生活の実現に貢献すると共に、自宅内での事故を未然に防止したり、万一事故が発生した場合に迅速に対処することができて被支援者の独居生活の安全を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明に係る在宅者支援システムの実施形態の一例を以下に詳述する。なお、以下の実施形態では、一人暮らしの高齢者について説明しているが、これ以外でも、支援を必要とする他の在宅者に適用可能である。
【0014】
この実施形態の在宅者支援システムは、図1に示すように被支援者宅、例えば一人暮らしの高齢者宅3に設置されたクライアント側コンピュータ1(以下、クライアントPCと称す)と、支援センター4に設置され、クライアントPC1と双方向通信可能に接続されたホスト側コンピュータ2(以下、ホストPCと称す)と、高齢者宅3の部屋に設置され、クライアントPC1と接続された音声入出力装置および映像入出力装置とでハードウェア構成がなされている。
【0015】
前述のクライアントPC1とホストPC2は、高齢者宅3と支援センター4との間を一般の公衆通信回線または専用通信回線5で接続することにより、支援センター4に設置されたホストPC2をサーバーとしてそのホストPC2からクライアントPC1へのデータのダウンロード、およびクライアントPC1からホストPC2へのデータのアップロードを可能とした双方向通信を実現している。なお、図中の12,13は高齢者宅3のクライアントPC1と通信回線5との間、支援センター4のホストPC2と通信回線5との間に接続されたモデムである。
【0016】
なお、ホストPC2には、高齢者に関するデータベース6が予め蓄積されている。このデータベース6としては、高齢者の縁故者、例えば亡くなった配偶者や親族、またはペット犬猫などの愛玩動物による多種多様な音声パターンと行動パターンからなる音声データおよび映像データで構成されている。なお、音声データとしては、コンピュータ処理による音声合成により製作されたもの等を利用し、また、映像データとしては、コンピュータグラフィックスにより製作されたもの等を利用する。また、音声パターンおよび映像パターンは、高齢者の様々な発言および行動を想定してそれらに対応することができるように製作しておく。
【0017】
また、高齢者宅3に設置された音声入出力装置および映像入出力装置としては、以下のものを使用することが望ましい。例えば、音声入力装置としてマイクロフォン7a,7b,…、音声出力装置としてスピーカ8a,8b,…、映像入力装置としては撮像装置であるCCDカメラ9a,9b,…、映像出力装置としてはモニタ10a,10b,…をそれぞれ使用することが可能である。このように音声入出力装置を設置することにより、配偶者からの話し掛けや、高齢者の発言に基づく配偶者の返答などのように音声による対話を実現することができ、また、映像入出力装置を設置することにより、配偶者の行動や、高齢者の行動に基づく配偶者の反応を映像によってヴァーチャル的に表現することが可能となる。
【0018】
前述した音声入出力装置、映像入出力装置の他に、人体感知センサを高齢者宅3の部屋に設置する。例えば、人体感知センサとして赤外線センサ11a,11b,…を使用し、その赤外線センサ11a,11b,…を居間、寝室および食堂などの各部屋の所定箇所、例えば天井などに設置する。このように赤外線センサ11a,11b,…を各部屋に設置すれば、その赤外線センサ11a,11b,…により高齢者の入退室を検出することができ、高齢者の入退室に応じて、音声出力装置および映像出力装置の作動開始と作動停止を制御することができるので、高齢者の現況をより一層的確に把握することができる。
【0019】
この在宅者支援システムでは、以下のような利用形態が可能となる。
【0020】
高齢者宅3に設置されたクライアントPC1と、支援センター4に設置されたホストPC2とを双方向通信可能に接続したことにより、高齢者の発言と行動による音声データおよび映像データをクライアントPC1からホストPC2へ送信する。つまり、高齢者が一つの部屋に入ってきた場合、その高齢者の入室を赤外線センサ11a,11b,…により検出し、その検出信号に基づいて、クライアントPC1ではマイクロフォン7a,7b,…およびCCDカメラ9a,9b,…を動作開始させ、高齢者の発言をマイクロフォン7a,7b,…で音声取りすると共に高齢者の行動をCCDカメラ9a,9b,…で撮影する。
【0021】
これらマイクロフォン7a,7b,…およびCCDカメラ9a,9b,…で取り込んだ高齢者の発言と行動からなる音声データおよび映像データをクライアントPC1からホストPC2へ通信回線5を介して送信する。そのホストPC2では、データベース6として蓄積された、例えば亡き配偶者の音声データおよび映像データから、高齢者の発言と行動に対応した音声データおよび映像データを抽出し、その音声データおよび映像データをホストPC2からクライアントPC1へ返送する。
【0022】
このようにして配偶者の音声データおよび映像データが返送されてきたクライアントPC1では、その音声データおよび映像データをスピーカ8a,8b,…およびモニタ10a,10b,…に出力し、そのスピーカ8a,8b,…で配偶者の発言を再生し、モニタ10a,10b,…で配偶者の行動を映し出す。このスピーカ8a,8b,…から出る配偶者の発言は高齢者の発言に基づくものであり、また、モニタ10a,10b,…に映し出される配偶者の行動も高齢者の行動に基づくものであることから、高齢者とその配偶者の対話が可能であり、その対話から高齢者の次の発言および行動を惹起させることができる。
【0023】
このようにして、高齢者の発言および行動と、スピーカ8a,8b,…およびモニタ10a,10b,…による配偶者の発言および行動とを、クライアントPC1とホストPC2間で音声データおよび映像データによりやり取りすることでもって、高齢者は、スピーカ8a,8b,…およびモニタ10a,10b,…により現出したヴァーチャルな対象である配偶者を話し相手として対話することができる。
【0024】
また、支援センター4では、ホストPC2により、マイクロフォン7a,7b,…およびCCDカメラ9a,9b,…で取り込んでクライアントPC1から送信されてきた高齢者の発言と行動からなる音声データおよび映像データに基づいて、高齢者の現在状況をリアルタイムで掌握することができるので、宅内での事故を未然に防止したり、万一事故が発生した場合に迅速に対処することができる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、福祉事業などにおける介護システムの一つとして利用でき、一人住まいの高齢者を精神的な面でケアする支援システムである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る在宅者支援システムの実施形態のハードウェア構成図である。
【図2】在宅者支援システムの利用形態を示す構成図である。
【符号の説明】
【0027】
1 クライアント側コンピュータ
2 ホスト側コンピュータ
3 被支援者宅
4 支援センター
5 通信回線
6 データベース
7a,7b,… 音声入力装置(マイクロフォン)
8a,8b,… 音声出力装置(スピーカ)
9a,9b,… 映像入力装置(CCDカメラ)
10a,10b,… 映像出力装置(モニタ)
11a,11b,… 人体感知センサ(赤外線センサ)
図面
【図1】
0
【図2】
1