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明細書 :超臨界流体測定用NMRセル及び超臨界流体NMR測定装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4342719号 (P4342719)
公開番号 特開2002-174672 (P2002-174672A)
登録日 平成21年7月17日(2009.7.17)
発行日 平成21年10月14日(2009.10.14)
公開日 平成14年6月21日(2002.6.21)
発明の名称または考案の名称 超臨界流体測定用NMRセル及び超臨界流体NMR測定装置
国際特許分類 G01R  33/30        (2006.01)
FI G01N 24/02 510A
請求項の数または発明の数 2
全頁数 6
出願番号 特願2000-372393 (P2000-372393)
出願日 平成12年12月7日(2000.12.7)
審査請求日 平成19年6月19日(2007.6.19)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
【識別番号】000004271
【氏名又は名称】日本電子株式会社
発明者または考案者 【氏名】榧木 啓人
【氏名】碇屋 隆雄
【氏名】江口 剛史
【氏名】櫻井 智司
【氏名】今成 司
個別代理人の代理人 【識別番号】100088041、【弁理士】、【氏名又は名称】阿部 龍吉
【識別番号】100092495、【弁理士】、【氏名又は名称】蛭川 昌信
【識別番号】100088041、【弁理士】、【氏名又は名称】阿部 龍吉
【識別番号】100092495、【弁理士】、【氏名又は名称】蛭川 昌信
【識別番号】100095120、【弁理士】、【氏名又は名称】内田 亘彦
【識別番号】100095980、【弁理士】、【氏名又は名称】菅井 英雄
【識別番号】100094787、【弁理士】、【氏名又は名称】青木 健二
【識別番号】100097777、【弁理士】、【氏名又は名称】韮澤 弘
【識別番号】100091971、【弁理士】、【氏名又は名称】米澤 明
審査官 【審査官】田中 洋介
参考文献・文献 特開2002-107437(JP,A)
特開昭62-095453(JP,A)
特開平08-194042(JP,A)
池田武義 他,超臨界水用高温NMRプローブの開発,第39回NMR討論会講演要旨集,2000年11月 8日,pp.380-381
Markus M.Hoffmann et al.,Nuclear magnetic resonance probe for supercritical water and aqueous solutions,Rev.Sci.Instrum.,1997年,Vol.68 No.1,pp.159-164
Scott L.Wallen et al.,A Polymer NMR Cell for the Study of High-Pressure and Supercritical Fluid Solutions,analytical chemistry,2000年 8月 1日,Vol.72 No.17,pp.4230-4234
調査した分野 G01N 24/00-24/14
G01R 33/20-33/64
JSTPlus/JST7580(JDreamII)
特許請求の範囲 【請求項1】
超臨界状態流体のNMR測定に使用する超臨界流体測定用NMRセルであって、先端が底近傍まで延び流体を導入してセル内の底近傍に流体溜まりを形成し上方を塞ぐ栓部を一体化したキャピラリを、2つの接続部を設けたセルホルダの一方の接続部に接続し、前記栓部の外周面とセルの内周面との隙間を介して前記流体溜まりと前記セルホルダの他方の接続部とを連通するように構成したことを特徴とする超臨界流体測定用NMRセル。
【請求項2】
超臨界状態流体のNMR測定に使用する超臨界流体NMR測定装置であって、2つの接続部を設けたセルホルダと、先端が底近傍まで延び流体を導入してセル内の底近傍に流体溜まりを形成し上方を塞ぐ栓部を一体化したキャピラリを前記セルホルダの一方の接続部に接続し前記栓部の外周面とセルの内周面との隙間を介して前記流体溜まりと前記セルホルダの他方の接続部とを連通するように構成した超臨界流体測定用NMRセルと、前記セルホルダの2つの接続部に接続される加圧器及び圧力レギュレータとを備え、圧力をかけた状態で流体を流せるように構成したことを特徴とする超臨界流体NMR測定装置。
発明の詳細な説明 【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、超臨界状態流体のNMR測定に使用する超臨界流体測定用NMRセル及び超臨界流体NMR測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
図4は従来の超臨界流体測定用NMRセルの構成例を示す図であり、31はセルホルダ兼圧力伝達部、32は耐圧セル、33はパイプを示す。超臨界状態は、高圧・高温状態で実現できる。従来の超臨界流体測定用NMRセルでは、図4に示すように高温・高圧下で使用可能なNMRのセルホルダ兼圧力伝達部31にセラミックもしくはサファイヤ製の耐圧セル32が取り付けられ、セルホルダ兼圧力伝達部31がパイプ33を介して圧力発生器に接続される。
【0003】
上記のようにセルホルダ兼圧力伝達部31に耐圧セル32を取り付けてパイプ33を介して圧力発生器に接続されるため、その状態ではサンプル交換ができない。サンプル交換は、耐圧セル32をセルホルダ兼圧力伝達部31から外して行わなければならなかった。しかもこのような形のため、ストップアンドフローや連続測定などはできなかった。また、耐圧セル32をセットしたままの高圧下でサンプル混合をすることもできず、2成分以上の混合実験などを行うことも困難であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するものであって、セルをセットしたままサンプル交換可能にし、高圧下で複数のサンプルの混合を可能にするものである。
【0005】
そのために本発明は、超臨界状態流体のNMR測定に使用する超臨界流体測定用NMRセルであって、先端が底近傍まで延び流体を導入してセル内の底近傍に流体溜まりを形成し上方を塞ぐ栓部を一体化したキャピラリを、2つの接続部を設けたセルホルダの一方の接続部に接続し、前記栓部の外周面とセルの内周面との隙間を介して前記流体溜まりと前記セルホルダの他方の接続部とを連通するように構成したことを特徴とする。
【0006】
また、超臨界状態流体のNMR測定に使用する超臨界流体NMR測定装置であって、2つの接続部を設けたセルホルダと、先端が底近傍まで延び流体を導入してセル内の底近傍に流体溜まりを形成し上方を塞ぐ栓部を一体化したキャピラリを前記セルホルダの一方の接続部に接続し前記栓部の外周面とセルの内周面との隙間を介して前記流体溜まりと前記セルホルダの他方の接続部とを連通するように構成した超臨界流体測定用NMRセルと、前記セルホルダの2つの接続部に接続される加圧器及び圧力レギュレータとを備え、圧力をかけた状態で流体を流せるように構成したことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明に係る超臨界流体測定用NMRセルの実施の形態を説明するための図であり、1は入口パイプ、2は出口パイプ、3はセルホルダ兼圧力伝達部、4はキャピラリ・対流防止栓、5は耐圧セルを示す。
【0008】
図1において、セルホルダ兼圧力伝達部3は、セルのホルダと高圧の伝達部を兼ね耐圧セル5を取り付けるものであり、外部加圧器との2つの接続口として、入口パイプ1及び出口パイプ2を設ける。キャピラリ・対流防止栓4は、キャピラリ部とその外周に一体化された対流防止栓部からなり、キャピラリ部は、耐圧セル5の底近傍までの長さを有するものであり、対流防止栓部は、耐圧セル5の底部に超臨界流体が一定量溜まるようにキャピラリ部より下端部を短くして耐圧セル5の上部を塞ぐものである。
【0009】
入口パイプ1は、キャピラリ・対流防止栓4のキャピラリ部に接続することにより、流体をを耐圧セル5の底近傍まで導入し、出口パイプ2は、キャピラリ・対流防止栓4の対流防止栓部の外周面と耐圧セル5の内周面との隙間と連通させるようにする。このことにより、入口パイプ1からキャピラリ部、対流防止栓部の外周面と耐圧セル5の内周面との隙間、出口パイプ2へ流れる加圧フロー型セルを構成する。
【0010】
超臨界状態流体では、圧力・温度の条件により物性が非常に変化するが、一般に粘性が低くなるため、超臨界状態流体に若干の温度勾配があっても対流が生じやすい。そのためNMRの観測において、分解能が乱れてしまう。キャピラリ・対流防止栓4の対流防止栓部は、超臨界状態流体6のサンプル量を制限することにより、測定サンプル系内の温度勾配を小さくして対流が生じるのをできる限り抑制するためのものである。
【0011】
キャピラリ・対流防止栓4は、石英などの超臨界流体によって浸食されない材質でかつ非磁性で高周波を遮蔽しない材料であれば良い。つまり、キャピラリ・対流防止栓4は、その内と外の圧力は同じであるため、耐圧を考慮する必要はない。また、キャピラリ・対流防止栓4は、図1に示すようにその上部(対流防止栓部)を太くすることにより、超臨界流体の対流を防ぐ中栓の機能を備えるものである。耐圧セル5は、サファイヤの単結晶もしくはジルコニアやアルミナのようなセラミックで作られている。これは、超臨界流体の種類によって使い分けられる。
【0012】
図2は本発明に係る加圧フロー型セルを装備した超臨界流体NMR測定装置の系統図、図3はサンプルホルダと電磁弁の組み合わせによるサンプル切り換え装置の構成例を示す図である。図中、11、12は加圧器、13は系洗浄用ポンプ、14は混合器、15は耐圧セル、16は磁石、17は検出器、18はNMR分光計、19は系脱気用減圧ポンプ、20は圧力レギュレータ、21はサンプルホルダ、22、23は電磁バルブを示す。
【0013】
上記加圧フロー型セルを装備した超臨界流体NMR測定装置では、図2に示すようにセルホルダ兼圧力伝達部の入口パイプ及び出口パイプを加圧器11及び圧力レギュレータ20にそれぞれ接続する。このような系を組むと、加圧器11から圧力をかけたまま流体を流すことができ、加圧下でのフローが可能になる。そして、加圧器12を混合器14を介して系に接続すれば、異なるサンプルの導入も可能になり、かつ2液混合の実験も可能になる。さらに、複数の加圧器を接続すれば加圧下で複数のサンプルの導入、混合も可能になり、ストップアンドフローの実験が可能になる。
【0014】
例えば加圧器12と混合器14との間、混合器14の前でバルブとの間の図示A部に図3に示すようなサンプルホルダ21と電磁弁22、23の組み合わせによるサンプル切り換え装置を接続し、サンプルホルダ21を電磁バルブ22、23で切り換えることができる仕組みにすると、耐圧セル15の取り外しなどの操作なしに複数のサンプルの測定を行うことができる。もちろん加圧しないで系に流体を満たし、それから加圧することも可能になり、常圧におけるチューブレスNMRと同様な実験が可能になる。
【0015】
また、図示のように系を洗浄するためのポンプとして系洗浄用ポンプ13を接続し、系の脱気用の減圧ポンプとして系脱気用減圧ポンプ19なども必要に応じて接続可能であり、耐圧セル15の取り外しなしに系の洗浄、脱気を適宜行えるようにすることができる。
【0016】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば上記実施の形態では、加圧フロー型セルの中央に入口パイプ11を接続したが、入口パイプ11と出口パイプ12とを逆に接続して耐圧セルの出入口を逆にしてもよい。また、キャピラリに対流防止栓を一体化したが、フロー型セルとして、特に対流防止が必要でない場合には対流防止栓のないキャピラリだけをパイプに接続してセル内の底近傍まで導入するものであってもよいし、対流防止を目的とすることから、対流防止栓部としては、キャピラリの上部を太くしてセルの内径との隙間を必要最小限にするものであればよい。さらに、キャピラリを取り外し、対流防止用の中栓を入れることにより、フローのない定常状態での超臨界流体用圧力セルとして使用することも可能である。
【0017】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、超臨界状態流体のNMR測定に使用する超臨界流体測定用NMRセルとして、先端が底近傍まで延び流体を導入してセル内の底近傍に流体溜まりを形成し上方を塞ぐ栓部を一体化したキャピラリを、2つの接続部を設けたセルホルダの一方の接続部に接続し、栓部の外周面とセルの内周面との隙間を介して流体溜まりとセルホルダの他方の接続部とを連通するように構成したので、フロータイプのセルとし、セルを取り外すことなしに、サンプルの交換を可能にし、しかも、超臨界流体のNMR測定を行う場合に測定サンプル系内の温度勾配を小さくして対流が生じるのをできる限り抑制することができる。
【0018】
また、超臨界状態流体のNMR測定に使用する超臨界流体NMR測定装置として、2つの接続部を設けたセルホルダと、先端が底近傍まで延び流体を導入してセル内の底近傍に流体溜まりを形成し上方を塞ぐ栓部を一体化したキャピラリをセルホルダの一方の接続部に接続し栓部の外周面とセルの内周面との隙間を介して流体溜まりとセルホルダの他方の接続部とを連通するように構成した超臨界流体測定用NMRセルと、セルホルダの2つの接続部に接続される加圧器及び圧力レギュレータとを備え、圧力をかけた状態で流体を流せるように構成したので、サンプルをセットしたままサンプル交換が可能になり、しかも、NMRの分解能の条件が変わらずに、維持できるようになった。さらに、フロー型セルとすることにより、高圧下で複数のサンプルの混合が可能になり、そのことにより、超臨界状態流体内での反応状況の追求が可能になり、さらに、高圧下でのストップアンドフローの実験が容易に行えるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る超臨界流体測定用NMRセルの実施の形態を説明するための図である。
【図2】 本発明に係る加圧フロー型セルを装備した超臨界流体NMR測定装置の系統図である。
【図3】 サンプルホルダと電磁弁の組み合わせによるサンプル切り換え装置の構成例を示す図である。
【図4】 従来の超臨界流体測定用NMRセルの構成例を示す図である。
【符号の説明】
1…入口パイプ、2…出口パイプ、3…セルホルダ兼圧力伝達部、4…キャピラリ・対流防止栓、5…耐圧セル、11、12…加圧器、13…系洗浄用ポンプ、14…混合器、15…耐圧セル、16…磁石、17…検出器、18…NMR分光計、19…系脱気用減圧ポンプ、20…圧力レギュレータ
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3