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明細書 :超臨界流体測定用NMRセル

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4313513号 (P4313513)
公開番号 特開2002-174673 (P2002-174673A)
登録日 平成21年5月22日(2009.5.22)
発行日 平成21年8月12日(2009.8.12)
公開日 平成14年6月21日(2002.6.21)
発明の名称または考案の名称 超臨界流体測定用NMRセル
国際特許分類 G01R  33/30        (2006.01)
G01R  33/389       (2006.01)
FI G01N 24/02 510A
G01N 24/06 530C
請求項の数または発明の数 1
全頁数 5
出願番号 特願2000-372394 (P2000-372394)
出願日 平成12年12月7日(2000.12.7)
審査請求日 平成19年6月19日(2007.6.19)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
【識別番号】000004271
【氏名又は名称】日本電子株式会社
発明者または考案者 【氏名】榧木 啓人
【氏名】碇屋 隆雄
【氏名】櫻井 智司
【氏名】今成 司
個別代理人の代理人 【識別番号】100088041、【弁理士】、【氏名又は名称】阿部 龍吉
【識別番号】100092495、【弁理士】、【氏名又は名称】蛭川 昌信
【識別番号】100088041、【弁理士】、【氏名又は名称】阿部 龍吉
【識別番号】100092495、【弁理士】、【氏名又は名称】蛭川 昌信
【識別番号】100095120、【弁理士】、【氏名又は名称】内田 亘彦
【識別番号】100095980、【弁理士】、【氏名又は名称】菅井 英雄
【識別番号】100094787、【弁理士】、【氏名又は名称】青木 健二
【識別番号】100097777、【弁理士】、【氏名又は名称】韮澤 弘
【識別番号】100091971、【弁理士】、【氏名又は名称】米澤 明
審査官 【審査官】田中 洋介
参考文献・文献 特開2002-107436(JP,A)
特開平08-194042(JP,A)
特開昭62-095453(JP,A)
実開昭60-107755(JP,U)
特許第2542496(JP,B2)
Markus M.Hoffmann et al.,Nuclear magnetic resonance probe for supercritical water and aqueous solutions,Rev.Sci.Instrum.,1997年,Vol.68 No.1,pp.159-164
Scott L. Wallen et al.,A Polymer NMR Cell for the Study of High-Pressure and Supercritical Fluid Solutions,analytical chemistry,2000年 8月 1日,Vol.72 No.17,pp.4230-4234
池田武義 他,超臨界水用高温NMRプローブの開発,第39回NMR討論会講演要旨集,2000年11月 8日,pp.380-381
調査した分野 G01N 24/00-24/14
G01R 33/20-33/64
JSTPlus(JDream2)
特許請求の範囲 【請求項1】
超臨界状態流体のNMR測定に使用する超臨界流体測定用NMRセルであって、超臨界状態流体のサンプル量を制限し対流を抑制するための中栓と重水素化溶媒を封入したキャピラリとを一体化してセル内に入れたことを特徴とする超臨界流体測定用NMRセル。
発明の詳細な説明 【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、対流防止のための中栓を入れて超臨界状態流体のNMR測定に使用する超臨界流体測定用NMRセルに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
図2は中栓を入れた従来の超臨界流体測定用NMRセルの構成例を示す図である。超臨界状態は、高圧・高温状態で実現できる。超臨界状態流体では、圧力・温度の条件により物性が非常に変化するが、一般に粘性が低くなるため、超臨界状態流体に若干の温度勾配があっても対流が生じやすい。そのためNMRの観測において、分解能が乱れてしまう。
【0003】
そこで、図2に示すように対流を抑えるべくNMRサンプル用の耐圧セル3に中栓4を入れ、超臨界状態流体6のサンプル量を制限することにより、測定サンプル系内の温度勾配を小さくして対流が生じるのをできるだけ抑制していた。しかしながら、分解能を調整するモニターとして重水素化溶媒をしばし使用する必要がある。また、S/Nの悪い試料の観測においては、NMRロックの必要性も出てくる。
【0004】
しかし、従来の超臨界流体測定用NMRセル3では、図2に示すように対流止めの中栓4と分解能モニターおよびNMRロック用として重水素化溶媒を封入したキャピラリ5とはそれぞれが独立していた。そのため、超臨界状態流体6に若干の対流が生じると、キャピラリ5が動き分解能調整に支障をきたすという問題があった。またNMRロックをかけてもキャピラリ5が動くため、NMRスペクトルを安定に保つことが困難であった。
【0005】
また、サンプルを交換するためには耐圧セル3を取り外さなければならないため、サンプル交換後に耐圧セル3をセットしなおすと、キャピラリ5の挿入位置が変わり、分解能の再現性が全くないなどの問題も含んでいた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するものであって、キャピラリを固定して保持し分解能の向上、NMRロックの安定化を図るものである。
【0007】
そのために本発明は、超臨界状態流体のNMR測定に使用する超臨界流体測定用NMRセルであって、超臨界状態流体のサンプル量を制限し対流を抑制するための中栓と重水素化溶媒を封入したキャピラリとを一体化してセル内に入れたことを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明に係る超臨界流体測定用NMRセルの実施の形態を示す図であり、1はパイプ、2はセルホルダ、3は耐圧セル、4は中栓、5はキャピラリ、6は超臨界状態流体を示す。
【0009】
図1において、パイプ1は、ステンレス製のパイプであり、高圧発生器を有する加圧器を耐圧セル3に接続している。セルホルダ2は、チタン合金製の非磁性高耐圧のホルダ兼圧力媒体接続部となっている。耐圧セル3は、サファイヤやジルコニアなどのセラミックで作られた高耐圧セルである。中栓4は、水晶やパイレックスガラス、その他のガラス、石英などで作られ、超臨界状態流体6のサンプル量を制限することにより温度勾配を小さくして対流を防ぐために耐圧セル3の中に入れられるものである。キャピラリ5は、中栓4と同一材料で作られ、分解能調整用モニタとNMRロック用の重水素化溶媒を封入したものである。中栓4とキャピラリ5の関係は、両者が一体となってつながっていてもよいし、中栓4に重水素化溶媒を封入したキャピラリ5を取り付ける方式であってもよい。超臨界状態流体6は、中栓4によりサンプル量を制限して耐圧セル3の底近傍にキャピラリ5と共に収容される。
【0010】
上記のように本発明に係る超臨界流体測定用NMRセルは、パイプ1、セルホルダ2、耐圧セル3、中栓4、キャピラリ5からなり、温度可変可能なNMRプローブに挿入して適当な圧力と温度をかけることにより、超臨界状態流体を作りNMRで観測する。そのため超臨界流体測定用NMRセルは、セルホルダ2の上部からステンレス製パイプ1を介して接続された圧力発生器により、媒体を通して任意の圧力に加圧される。
【0011】
任意の圧力に加圧されたセルは、必要な温度まで加温可能なプローブを備えたNMR観測装置の検出部に上部から挿入されて、適当な温度に加温されてセル内に超臨界状態流体が作られる。このとき、中栓4は、セル内のサンプル量を制限することにより、サンプル全体の温度勾配(温度差)による対流を抑える役割をする。分解能モニタとNMRロックのための重水素化溶媒を封入したキャピラリ5は、この中栓4と一体化されている。
【0012】
従来の図2に示す超臨界流体測定用NMRセルのようにそれぞれが独立した中栓4とキャピラリ5とを内部に入れると、キャピラリ5は超臨界状態流体の対流があるとその対流によって動いてしまう。そのため、分解能の調整に支障をきたし、かつNMRのロックが安定しない。
【0013】
しかし、図1に示す本発明に係る超臨界流体測定用NMRセルのようにキャピラリ5と中栓4とを一体化することにより、キャピラリ5の微動を押さえると同時に、NMRロックの安定性を向上させることができる。また、キャピラリ5は、中栓4と一体化しているため再現性良く常にセルの中心に設定され、分解能調整の再現性も良くなる。
【0014】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば上記実施の形態では、キャピラリ一体型中栓が水晶やパイレックスガラスで作られているが、耐圧セルの磁化率と同じ磁化率に合わせたガラスを用いることも可能であり、このことにより更なる分解能の向上を必要とする場合に対応が可能となる。
【0015】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、超臨界状態流体のNMR測定に使用する超臨界流体測定用NMRセルであって、超臨界状態流体のサンプル量を制限し対流を抑制するための中栓と重水素化溶媒を封入したキャピラリとを一体化してセル内に入れたので、中栓にキャピラリを固定して保持することができ、耐圧セル内に中栓を入れたときにキャピラリが動かなくなり、分解能を向上させ、NMRロックの安定化を図ることができる。さらには、キャピラリ挿入の再現性が良くなるので、サンプル設定毎の分解能の再現性が良くなり、分解能調整も容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る超臨界流体測定用NMRセルの実施の形態を示す図である。
【図2】 中栓を入れた従来の超臨界流体測定用NMRセルの構成例を示す図である。
【符号の説明】
1…パイプ、2…セルホルダ、3…耐圧セル、4…中栓、5…キャピラリ、6…超臨界状態流体
図面
【図1】
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【図2】
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