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明細書 :錫と炭素の複合体及びその製造方法、並びに該複合体を含有する電池負極材、該負極材を備える電池

発行国 日本国特許庁(JP)
公表番号 特表2014-512635 (P2014-512635A)
公報種別 公表特許公報(A)
公表日 平成26年5月22日(2014.5.22)
発明の名称または考案の名称 錫と炭素の複合体及びその製造方法、並びに該複合体を含有する電池負極材、該負極材を備える電池
国際特許分類 H01M   4/38        (2006.01)
H01M   4/587       (2010.01)
H01M   4/36        (2006.01)
C01B  37/00        (2006.01)
C01B  31/02        (2006.01)
FI H01M 4/38 Z
H01M 4/587
H01M 4/36 E
H01M 4/36 A
H01M 4/36 C
C01B 37/00
C01B 31/02 101B
国際予備審査の請求 未請求
全頁数 16
翻訳文提出日 平成25年9月3日(2013.9.3)
出願番号 特願2013-555742 (P2013-555742)
出願日 平成24年3月8日(2012.3.8)
国際出願番号 PCT/CN2012/072098
国際公開番号 WO2012/119562
国際公開日 平成24年9月13日(2012.9.13)
優先権出願番号 201110068960.8
優先日 平成23年3月10日(2011.3.10)
優先権主張国 中華人民共和国(CN)
指定国 AP(BW , GH , GM , KE , LR , LS , MW , MZ , NA , RW , SD , SL , SZ , TZ , UG , ZM , ZW) , EA(AM , AZ , BY , KG , KZ , MD , RU , TJ , TM) , EP(AL , AT , BE , BG , CH , CY , CZ , DE , DK , EE , ES , FI , FR , GB , GR , HR , HU , IE , IS , IT , LT , LU , LV , MC , MK , MT , NL , NO , PL , PT , RO , RS , SE , SI , SK , SM , TR) , OA(BF , BJ , CF , CG , CI , CM , GA , GN , GQ , GW , ML , MR , NE , SN , TD , TG) , AE , AG , AL , AM , AO , AT , AU , AZ , BA , BB , BG , BH , BR , BW , BY , BZ , CA , CH , CL , CN , CO , CR , CU , CZ , DE , DK , DM , DO , DZ , EC , EE , EG , ES , FI , GB , GD , GE , GH , GM , GT , HN , HR , HU , ID , IL , IN , IS , JP , KE , KG , KM , KN , KP , KR , KZ , LA , LC , LK , LR , LS , LT , LU , LY , MA , MD , ME , MG , MK , MN , MW , MX , MY , MZ , NA , NG , NI , NO , NZ , OM , PE , PG , PH , PL , PT , QA , RO , RS , RU , RW , SC , SD , SE , SG , SK , SL , SM , ST , SV , SY , TH , TJ , TM , TN , TR , TT , TZ , UA , UG , US , UZ , VC , VN
発明者または考案者 【氏名】楊 立
【氏名】陳 継章
【氏名】房 少華
出願人 【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【識別番号】507190994
【氏名又は名称】上海交通大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100105957、【弁理士】、【氏名又は名称】恩田 誠
【識別番号】100068755、【弁理士】、【氏名又は名称】恩田 博宣
審査請求
テーマコード 4G073
4G146
5H050
Fターム 4G073BA62
4G073BA65
4G073BB71
4G073CZ53
4G073FB50
4G073GA03
4G073GA13
4G073UB60
4G146AA01
4G146AA16
4G146AB01
4G146AD12
4G146AD23
4G146AD25
4G146BA11
4G146BA18
4G146BC03
4G146BC23
4G146BC33B
4G146BC43
4G146CB11
4G146CB15
4G146CB26
4G146CB29
5H050AA07
5H050BA15
5H050CB07
5H050CB11
5H050CB29
5H050DA09
5H050DA10
5H050EA08
5H050FA13
5H050FA17
5H050FA18
5H050GA02
5H050GA11
5H050GA12
5H050GA14
5H050GA15
5H050GA23
5H050GA27
5H050HA01
5H050HA06
要約 本発明は、リチウムイオン電池の負極材料としての錫と炭素との複合体及びその製造方法に関するものである。メソ多孔性分子ふるいをテンプレートとし、錫及び炭素の前駆体をテンプレートのメソ孔に埋め込んだ後に、窒素雰囲気で炭化させることにより、二酸化錫に炭素が被覆された二酸化錫/炭素の複合体を得る。その後、水熱処理、炭化、エッチング、高温炭熱還元を行うことにより、リチウムイオン電池の負極材料としての錫/炭素メソ多孔性複合体を得る。本発明で合成されたリチウムイオン電池の負極材料としての錫/炭素メソ多孔性複合体は、500 mA・g-1の電流密度で100回サイクルした後の可逆的容量が550 mAh・g-1である。
【選択図】図4
特許請求の範囲 【請求項1】
メソ孔を有することを特徴とする錫と炭素の複合体。
【請求項2】
前記メソ孔がハニカム構造状に形成されることを特徴とする請求項1に記載の錫と炭素の複合体。
【請求項3】
前記メソ孔の孔サイズが30nm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の錫と炭素の複合体。
【請求項4】
錫の粒子径がメソ孔サイズの3倍以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の錫と炭素の複合体。
【請求項5】
請求項1に記載の錫と炭素の複合体を含有するリチウムイオン電池の負極材。
【請求項6】
請求項5に記載の負極材を備えるリチウムイオン電池。
【請求項7】
メソ多孔性分子ふるいをテンプレートとし、ハロゲン化第二錫及び分子量300-500の可溶性レゾール樹脂をテンプレートのメソ孔に埋め込んだ後に、不活性ガス雰囲気で炭化させることにより、二酸化錫に炭素が被覆された二酸化錫/炭素の複合体を得て、ポリヒドロキシアルデヒド溶液において水熱処理、分離、洗浄、乾燥した後に、再び炭化させるによって、メソ孔中で炭素の外部に露出した二酸化錫ナノ粒子を被覆し、メソ多孔性分子ふるいの外面に一層の炭素を被覆した後に、アルカリ性溶液でテンプレートを除去し、高温処理により二酸化錫を金属錫に還元させることによって、メソ孔を有する錫と炭素の複合体を得ることを特徴とする錫と炭素の複合体の製造方法。
【請求項8】
前記ハロゲン化第二錫、前記可溶性レゾール樹脂及び前記メソ多孔性分子ふるいは、1:0.5-5:0.5-5の重量比で混合されることを特徴とする請求項7に記載の製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、錫と炭素の複合体及びその製造方法、並びに該複合体を含有する電池負極材、該負極材を備える電池に関するものである。
【背景技術】
【0002】
金属錫は、高比容量(specific capacity)、高密度、安全、環境にやさしい、低価などの特性を有する、リチウムイオン電池の負極材料として知られている。現在、商品化された石墨負極材料の比容量は372 mAh・g-1、或いは833 mAh・cm-3であるが、錫の比容量は993 mAh・g-1或いは7313 mAh・cm-3まで高くなる。しかし、錫は充放電過程においてその体積が急激に膨張したり収縮したりすることにより粉化現象が起こるため、活性材料と集電体とが接触しなくなり、容量が激減される。現在、負極材料としての金属錫に対する研究は、以下の二つの点に着目している。一つ目は、他の金属を導入することによって不活性/活性金属合金材料を形成する。これらの不活性/活性金属合金材料としては、例えば、CuSn、CoSn、NiSn、FeSn等が挙げられる。二つ目は、錫ナノ粒子を炭基材料に分散させることにより、充放電過程における体積の変化を緩和する。
【0003】
現在、リチウムイオン電池の負極材料としての錫/炭素複合体の製造方法は、主に炭熱還元、エレクトロスピニング、電気メッキ、化学メッキ、液相還元法等が挙げられる。
CN101723315Aには、コア/シェル構造のSn/Cナノ複合材料として、2回の水熱法及び一段階炭熱還元法により得られた無定形炭素ボール被覆のナノ錫材料が開示されている。この製造方法は、高価で危険な還元剤を使わないというメリットがあるが、生成物の形状が不規則である。また、分散されたナノ粒子は、表面反応活性が高すぎで、熱力学的安定性が低く、凝集しやすいため、材料の適用に障害が与えられた。
【0004】
Journal of Power Sources 195 (2010) 1216-1220には、エレクトロスピニング法により製造された繊維状のSn/C薄膜が開示されている。この材料において、微細な錫ナノ粒子が無定形炭素に均一に分散されており、0.5 mA・cm?2の電流密度で20回サイクルした後の可逆的比容量は382mAh・g-1であった。しかし、この方法により得られた生成物は、一部の錫が炭素の外部に露出しているため、酸化されやすく、空気中で長期間に保存できない。
【0005】
Journal of Applied Electrochemistry 39 (2009) 1323-1330には、粗化銅箔から一段階電析法により製造されたCuSn合金材料が開示されている。この方法は、作業が簡単であるが、得られた生成物の粒径が大きく、充放電過程における金属錫の体積変化を緩和できないため、電気化学性能が低い。
【0006】
ACS Applied Materials & Interfaces 2 (2010) 1548-1551には、テトラエチレングリコール溶液においてNaBHを還元剤として製造された合金金属材料シリーズが開示されている。そのうち、FeSnは、最もよいサイクル性能を示しており、0.05C倍率で15回サイクルした後の容量が480 mAh・g-1に安定している。しかし、この方法を採用する場合、コストが高く、電気化学性能が悪い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、優れた電気化学サイクル性能を有する錫/炭素複合体及びその製造方法、並びに該複合体含有の電池負極材、電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1に、本発明は、メソ孔を有する錫と炭素の複合体を提供する。
好ましくは、メソ孔がハニカム構造状に形成される。
好ましくは、メソ孔の孔サイズが30nm以下である。
【0009】
好ましくは、錫の粒子径がメソ孔サイズの3倍以下である。
第2に、本発明は、メソ多孔性分子ふるいをテンプレートとし、ハロゲン化第二錫及び分子量300-500の可溶性レゾール樹脂をテンプレートのメソ孔に埋め込んだ後に、不活性ガス雰囲気で炭化させることにより、二酸化錫に炭素が被覆された二酸化錫/炭素の複合体を得て、ポリヒドロキシアルデヒド溶液において水熱処理、分離、洗浄、乾燥した後に、再び炭化させるによって、メソ孔中で炭素の外部に露出した二酸化錫ナノ粒子を被覆し、メソ多孔性分子ふるいの外面に一層の炭素を被覆した後に、アルカリ性溶液でテンプレートを除去し、高温処理により二酸化錫を金属錫に還元させることによって、メソ孔を有する錫と炭素の複合体を得ることを特徴とする錫と炭素の複合体の製造方法を提供する。
【0010】
好ましくは、ハロゲン化第二錫、可溶性レゾール樹脂及びメソ多孔性分子ふるいは、1:0.5-5:0.5-5の重量比で混合される。
第3に、本発明は、メソ孔を有する錫と炭素の複合体を含有するリチウムイオン電池の負極材を提供する。
【0011】
第4に、本発明は、上記第3の形態における負極材を備えるリチウムイオン電池を提供する。
本発明における錫と炭素の複合体の製造方法は、メソ多孔性分子ふるいをテンプレートとして使用することによって、低価の錫及び炭素の前駆体をテンプレートのメソ孔に制限する。そのため、前駆体が熱処理過程において凝集されることを回避でき、後処理によって、錫が炭素によって完全に被覆される錫/炭素メソ多孔性複合体が得られる。本発明によれば、微細な金属錫ナノ粒子を製造すること、炭素が錫を均一に被覆すること、及び比表面積の高い錫/炭素複合体を得ることが困難であるという、他の合成方法における問題を解決できる。また、本発明で製造されたメソ孔を有する錫と炭素の複合体は、ナノ/マイクロ階層構造(Nano/micro hierarchical structure)を有するため、ナノ粒子の界面反応活性が高く、熱力学的安定性が低く、凝集しやすいという欠点が存在しない。本発明におけるメソ孔を有する錫と炭素の複合体をリチウムイオン電池の負極材料として使用する場合、メソ孔及び微細な粒径がリチウムイオン及び電子の移送及び拡散に有利し、充放電過程における体積変化を効率的に緩和でき、粉化現象を抑制できる。そのため、電池サイクル性能が優れる。
【0012】
本発明の好ましい実施例によれば、粒径が僅か5-8nmである錫/炭素メソ多孔性複合体が得られる。また、本発明の錫/炭素メソ多孔性複合体をリチウムイオン電池の負極材料として使用する場合、500 mA・g-1の電流密度で100回サイクルした後の可逆的容量が550 mAh・g-1になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例1で得られたリチウムイオン電池の負極材料としての錫/炭素メソ多孔性複合体の透過電子顕微鏡写真である。
【図2】実施例1で得られたリチウムイオン電池の負極材料としての錫/炭素メソ多孔性複合体の広角及び小角X線回折図である。
【図3】実施例1で得られたリチウムイオン電池の負極材料としての錫/炭素メソ多孔性複合体の窒素吸着曲線を示す図である。
【図4】実施例1で得られたリチウムイオン電池の負極材料としての錫/炭素メソ多孔性複合体を電極材料として組み立てたリチウムイオン電池の循環特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明において、メソ孔を有する錫と炭素の複合体の具体的な製造方法は以下の通りである。
1重量部のハロゲン化第一錫及び分子量300-500の可溶性レゾール樹脂0.5-5重量部を有機溶剤5-20重量部に溶解した後に、メソ多孔性分子ふるいを0.5-5重量部加えて0.5-5h攪拌し、乾燥後に不活性ガス雰囲気において350-600oCで2-6h熱処理する。その後に、0.1-0.5mol/Lのポリヒドロキシアルデヒド水溶液10-50重量部に分散させて160-200oCで2-6h水熱処理し、分離、洗浄、乾燥を行ってから、不活性ガス雰囲気において350-600oCで2-6h熱処理した後に、0.5-5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液10-500重量部に分散させて6-24h攪拌し、遠心分離、洗浄、乾燥を行う。その後に、不活性ガス雰囲気において650oC以上で2-6h熱処理することにより、錫/炭素メソ多孔性複合体を得る。

【0015】
上記ハロゲン化第二錫として、塩化第二錫、臭化第二錫などを使用することができる。
上記メソ多孔性分子ふるいとして、メソ多孔性分子ふるいSBA-15、メソ多孔性分子ふるいKIT-6、メソ多孔性分子ふるいMCM-41などを使用することができる。

【0016】
上記有機溶剤として、アルコール、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテルなどを使用することができる。
上記不活性ガスとして、窒素、アルゴンなどを使用することができる。

【0017】
上記ポリヒドロキシアルデヒド水溶液として、グルコース水溶液、スクロース水溶液などを使用することができる。
上記アルカリ性溶液として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの溶液を使用することができる。

【0018】
得られる錫/炭素メソ多孔性複合体は、メソ細孔の孔サイズが、2nm以上50nm以下であって、好ましくは、30nm以下、さらに好ましくは、20nm以下、さらに好ましくは、15nm以下である。メソ孔の孔サイズが大きすぎると、構造が崩れやすくなる。

【0019】
得られる錫/炭素メソ多孔性複合体は、錫の粒子径がメソ孔サイズの3倍以下、好ましくは2倍以下、さらに好ましくは1.5倍以下である。錫の粒子径が大きすぎると、リチウムがはいって、膨張したときに、大きくなりすぎて、粉の構造が崩れてしまう。

【0020】
得られる錫/炭素メソ多孔性複合体は、規則的なメソ多孔性構造を有する。即ち、錫/炭素メソ多孔性複合体におけるメソ孔がハニカム状に形成される。
以下の実施例で使用される分子量300-500の可溶性レゾール樹脂の製造方法は、以下のとおりである。即ち、フェノール11g、水酸化ナトリウム0.46g、及び40wt.%のホルマリン溶液18.9gを混合して75oCで1h攪拌し、室温まで冷却した後に、pH=7になるまで1.0mol/Lの塩酸溶液を加え、真空雰囲気において50oCで12h乾燥させる。

【0021】
以下の実施例で使用されるメソ多孔性分子ふるいSBA-15の製造方法は、以下のとおりである。即ち、非イオン系界面活性剤P123 (EO20PO70EO20, Mw=5800, Aldrich)4g、脱イオン水125mL、35wt.%の濃塩酸17mL及びオルトケイ酸テトラエチル9mLを混合して40oCで24h攪拌した後に、100oCで24h水熱処理し、遠心分離、乾燥を行った後に、550oCで6h熱処理する。

【0022】
ただし、本発明で使用される可溶性レゾール樹脂及びメソ多孔性分子ふるいSBA-15の製造方法は、これに限られず、従来知られたいずれの方法で製造することができ、また市販品を使用することもできる。
【実施例1】
【0023】
塩化第一錫0.6g及び分子量300-500の可溶性レゾール樹脂0.6gをテトラヒドロフラン6gに溶解した後に、メソ多孔性分子ふるいSBA-15を0.4g加えて1h攪拌し、乾燥後に窒素ガス雰囲気において500oCで4h熱処理した後に、これを0.2mol/Lのグルコース水溶液20mLに分散させて180oCで4h水熱処理し、遠心分離、洗浄、乾燥を行ってから、窒素ガス雰囲気において500oCで4h熱処理した後に、2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液80mLに分散させて12h攪拌し、遠心分離、洗浄、乾燥を行った後に、窒素ガス雰囲気において700oCで4h熱処理することにより、リチウムイオン電池の負極材料としての錫/炭素メソ多孔性複合体が得られた。プラズマ発光分光分析から分かるように、得られたリチウムイオン電池の負極材料としての錫/炭素メソ多孔性複合体において錫の含有量が37.2 wt.%であった。図1は、得られたリチウムイオン電池の負極材料としての錫/炭素メソ多孔性複合体の透過電子顕微鏡写真を示す。同図に示すように、このリチウムイオン電池の負極材料としての錫/炭素メソ多孔性複合体は、2次元ヘキサゴナルの規則的なメソ多孔性構造を有し、その粒径が約6nmである。図2はX線回折図であり、分析により分かるように、得られたリチウムイオン電池の負極材料としての錫/炭素メソ多孔性複合体は、SnO又はSnO等の不純物を含有しない純β-Snであり、このリチウムイオン電池の負極材料としての錫/炭素メソ多孔性複合体は規則的なメソ多孔性構造を有する。図3は、窒素吸着曲線を示しており、分析により分かるように、得られたリチウムイオン電池の負極材料としての錫/炭素メソ多孔性複合体は、平均孔径が6.3nmで、比表面積が583m・g-1であった。
【実施例1】
【0024】
活性材料としての錫/炭素メソ多孔性複合体粉末、導電剤としてのアセチレンブラック、及び結着剤としてのポリフッ化ビニリデンを8:1:1の重量比で混合した後に、銅箔に均一に塗布することで、電極片を作製した。アルゴンガス雰囲気の乾燥グローブ・ボックスにおいて、金属リチウム片を対電極とし、GF/A膜を隔膜とし、炭酸エチレン(EC)+炭酸ジメチル(DMC)+ LiPFを電解液として、2016型ボタン式電池を組み立て、性能を測定した。電池測定の電圧範囲は0.01V-3.0 Vで、電解液は1mol/LのLiPF/EC:DMC(体積比1:1)で、対電極は金属リチウム片で、定電流充放電測定の電流密度は500 mA・g-1で、測定温度は25±2℃であった。図4は、得られたリチウムイオン電池の負極材料としての錫/炭素メソ多孔性複合体を電極材として組み立てたリチウムイオン電池のサイクル特性を示す図である。同図から分かるように、組み立てられたリチウムイオン電池は、放電比容量が550mAh・g-1に維持されており、優れた電気化学サイクル性能を示した。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3