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明細書 :ラスタ画像処理方法及び装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公表番号 特表2010-506246 (P2010-506246A)
公報種別 特許公報(B2)
公表日 平成22年2月25日(2010.2.25)
特許番号 特許第5074503号 (P5074503)
登録日 平成24年8月31日(2012.8.31)
発行日 平成24年11月14日(2012.11.14)
発明の名称または考案の名称 ラスタ画像処理方法及び装置
国際特許分類 G06T  11/40        (2006.01)
G09G   5/36        (2006.01)
G09G   5/377       (2006.01)
G09G   5/00        (2006.01)
G09G   5/02        (2006.01)
FI G06T 11/40 200A
G09G 5/36 530X
G09G 5/36 520P
G09G 5/36 520N
G09G 5/00 530T
G09G 5/02 K
G09G 5/36 520A
G09G 5/00 510P
G09G 5/02 B
請求項の数または発明の数 14
全頁数 14
出願番号 特願2009-529496 (P2009-529496)
出願日 平成19年9月25日(2007.9.25)
国際出願番号 PCT/CN2007/002815
国際公開番号 WO2008/040185
国際公開日 平成20年4月10日(2008.4.10)
優先権出願番号 200610113561.8
優先日 平成18年9月30日(2006.9.30)
優先権主張国 中華人民共和国(CN)
審査請求日 平成22年7月15日(2010.7.15)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】507231932
【氏名又は名称】北大方正集▲団▼有限公司
【氏名又は名称】PEKING UNIVERSITY FOUNDER GROUP CO., LTD
【識別番号】507232456
【氏名又は名称】北京北大方正▲電▼子有限公司
【氏名又は名称】BEIJING FOUNDER ELECTRONICS CO., LTD.
【識別番号】507232478
【氏名又は名称】北京大学
【氏名又は名称】PEKING UNIVERSITY
発明者または考案者 【氏名】ワン チエン
【氏名】ヤオ レイ
個別代理人の代理人 【識別番号】100077481、【弁理士】、【氏名又は名称】谷 義一
【識別番号】100088915、【弁理士】、【氏名又は名称】阿部 和夫
審査官 【審査官】伊知地 和之
参考文献・文献 特開2002-254709(JP,A)
特開2006-235374(JP,A)
特開2004-112494(JP,A)
特開平11-161452(JP,A)
調査した分野 G06T 11/00 - 19/20
G06T 1/00 - 1/40
G06T 3/00 - 5/50
G09G 5/00 - 5/40
B41J 5/00 - 5/52
B41J 21/00 - 21/18
H04N 1/38 - 1/393
特許請求の範囲 【請求項1】
ラスタ画像を処理する方法であって、
構築モジュールが、前記ラスタ画像を構築し白色で前記ラスタ画像を塗りつぶすステップと、
フィルモジュールが、ページに記述された図形オブジェクト中の白色を変換し、当該図形オブジェクトを前記ラスタ画像に組み込むステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
表示モジュールが、前記ラスタ画像表示するとき、前記ラスタ画像中の白色を強制的に透明化させることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記白色は出力空間で定義される絶対白色であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記図形オブジェクトが前記ラスタ画像に組み込まれた後、現在定義されている白色を前記絶対白色に回復し、次のページの処理を待機させることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記構築モジュールが、前記ページ上のページ情報と出力色空間に従って前記ラスタ画像を構築することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ページに記述された図形オブジェクト中の前記白色を変換するステップは、
前記表示モジュールが、前記ページ上に記述された前記図形オブジェクトの位置及び入力色の値を識別するステップと、
前記表示モジュールが、階調変換曲線を用いて前記白色の値と同じ前記図形オブジェクトの入力色の値を変換し、これに対応する出力色の値を得るステップと
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記階調変換曲線を用いて入力色の値が変換され対応する出力色の値を得るとき、前記表示モジュールが、前記階調変換曲線を用いて他の図形オブジェクトの他の入力色の値も変換されてそれぞれ出力色の値を得ることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
階調変換曲線を用いて前記図形オブジェクトの入力色の値を変換しこれに対応する出力色の値を得るステップは、前記表示モジュールが、夫々の階調変換曲線を用いて前記入力色の値の各コンポーネントを変換し、対応する出力色の値の各コンポーネントを得ることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の方法。
【請求項9】
何れかの入力値に対応する出力値の各コンポーネントは、前記出力色空間中の対応する白色値のコンポーネントと異なることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ページに記述された図形オブジェクト中の前記白色を変換するステップは、
前記表示モジュールが、前記ページの前記図形オブジェクトの位置及び入力色の値を識別するステップと、
前記表示モジュールが、設定された色の値を、前記白色に等しい前記入力色の値に対応する出力色の値にするステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記設定された色の値を前記白色に等しい前記入力色の値に対応する前記出力色の値にするときに、前記白色と異なる入力色の値を直接それぞれの出力色の値にすることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記設定された色の値の各コンポーネントが、白色が出力色空間の対応するコンポーネントと異なることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
ラスタ画像を処理する装置であって、
前記ラスタ画像を構築して白色で塗りつぶす構築モジュールと、
ページに記述された図形オブジェクト中の白色を変換し、且つ当該図形オブジェクトを前記構築モジュールによって構築された前記ラスタ画像に組み込むフィルモジュールと
を備えることを特徴とする装置。
【請求項14】
前記ラスタ画像が表示されるとき、前記ラスタ画像中の前記白色を強制的に透明化させるための表示モジュールを備えることを特徴とする請求項13に記載の装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明はコンピュータグラフィック又は画像処理技術の分野に関し、特に、ラスタ画像処理方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、プリプレス(Prepress)技術のデジタル化が実現されており、コンピュータグラフィックや画像処理用の様々なソフトウェアが広く使用されている。プリプレス工程、特に包装加工では、組版作業、特にイレギュラー組版作業が必要な場合が多い。組版作業とは、後続のプリプレス、プレス(Press)及びポストプレス(Postpress)処理のために、複数の非矩形の図形及び/又は画像を接合して1つのページで表示し、ロジカルやフィジカルのページ記述ファイルを生成することである。
【0003】
組版作業において、入力するのはPostscript(略してPS)とPortable Document Format(略してPDF)などのページ記述ファイル又はページ記述フローである場合が多い。上記のファイル形式で記述されたページはすべて矩形である。また、ラスタイメージプロセッサ(Raster Image Processor、略してRIP)を用いてこれらのページ記述ファイルに対する処理結果も矩形てある。
【0004】
現在、同じページ効果を得るためのページ記述方式は2種類あり、図1に示すページ効果を一例として説明する。第1のページ記述方式では、1つの図形オブジェクト、即ち、菱形のみを記述する。第2のページ記述方式では、2つの図形オブジェクトを記述する。具体的には、まず白色の背景矩形を記述し、次に背景矩形に組み込まれた菱形を記述する。図1に示すように、背景矩形はその菱形を包む矩形である。
【0005】
上記の2種類のページ記述方式について、RIPは、以下の擬似コードに基づき、受信したページ記述ファイルやページ記述フローに記述されたページのプレビューを生成する。
error = RIP ( PDLFileName, //ページ記述ファイル名
default, //デフォルト階調変換曲線を用いる
“all”, //全体のページをラスタ画像処理する
…) //ラスタ画像の他の入力パラメータ及び出力パラメータ
【0006】
デフォルト階調変換曲線(Default Gray-Scale Transferring Graph)は図2に示すように、デフォルト階調変換曲線を用いる場合、出力色の値の各コンポーネントは、これに対応する入力色の値の各コンポーネントと同じである。ラスタ画像処理では、デフォルト階調変換曲線がパラメーターとしてRIPへ転送される。
【0007】
RIPは、ページ記述ファイルやページ記述フローを受信すると、ラスタ画像処理を開始する。図3に示すように、当該ラスタ画像処理は以下のステップを含む。
【0008】
ステップS101において、ページ記述ファイルやページ記述フローには、未処理ページがあるかどうかを判断する。ある場合はステップS102に進み、そうでない場合は処理を終了する。
【0009】
ステップS102において、RIPは、受信したページ記述ファイルやページ記述フローにおける未処理ページのページ情報と出力用の色空間に基づきラスタ画像を構築し、現在定義されている白色で塗りつぶす。
【0010】
ページ情報にはページサイズとラスタ画像処理に必要な解像度が含まれる。
【0011】
ステップS103において、ページの全ての図形オブジェクトに対する塗りつぶし順序に基づいて、ページにおける1つの図形オブジェクトの位置及び入力色の値を識別する。塗りつぶし順序は、ページ記述ファイルやページ記述フローの中で定義されている。そして、入力色の値を変換して出力色の値が得られる。
【0012】
デフォルト階調変換曲線を用いるため、出力色の値の各コンポーネントは、対応する入力色の値の各コンポーネントと同じである。従って、図形オブジェクト中の白色の出力値は依然として白色を表示する。
【0013】
ステップS104において、図形オブジェクトの位置及び出力色の値に基づき当該図形オブジェクトでラスタ画像を塗りつぶす。
【0014】
ステップS105において、ページには未処理の図形オブジェクトが他にもあるかどうかを判断する。ある場合は、ステップS103に戻り、そうでない場合は、処理はステップS101に戻る。
【0015】
上記の点から、RIPは、図形オブジェクトでページを塗りつぶす前に、現在定義されている白色でラスタ画像の全体を塗りつぶす。そうすると、ページを塗りつぶした後、ラスタ画像を構築するときに塗りつぶされた白色と、後に塗りつぶされたページにおける図形オブジェクト中の白色とを区別できなくなる。なお、グラフィックや画像処理用のコンピュータソフトウェアでは、2つの表示方式のみを採用する。第1の表示方式では、ラスタ画像に塗りつぶされた色を直接表示する。即ち、ラスタ画像中の色で塗りつぶされた領域を非透明で直接に表示する。第2の表示方式では、ラスタ画像を表示するときに、当該ラスタ画像中の白色領域を強制的に透明化させる。即ち、画像中の白色領域を透明化させ透明で表示する。また、説明のために本実施形態では白色に設定するが、強制的に透明化させる色は白色以外に設定しても良い。しかしながら、組版作業において、あるページが他のページの内部に拡張する場合もある。このような場合、2つのページ記述方式いずれによっても、RIPから得られた実際の結果を正しく示することができない可能性がある。以下、上記の状況について詳しく説明する。
【0016】
第1表示方式について、例えば、組版作業のとき、上記の第1のページ記述方式で2つのページを記述する。RIPは、図形オブジェクトをページに組み込まる前に、現在定義されている白色でラスタ画像の全体を塗りつぶす。それぞれ2つのページに記述された図形オブジェクトが図1に示すような菱形である場合を例として、上層ラスタ画像が下層ラスタ画像中の菱形の内部に拡張した場合、表示される組版の結果は図4に示すようなものになる。つまり、上層ラスタ画像は白色で塗りつぶされるため、下層ラスタ画像中の菱形の一部をカバーすることになる。一方、RIPが実際に取得した組版結果としてのページ記述ファイルには、組版に関与する2つのページに記述された菱形の2つの図形オブジェクトのみが含まれる。即ち、RIPが実際に取得した組版結果は図5に示されるように、2つの菱形は互いに重なり合っていない。これから分かるように、表示された組版結果はRIPが実際に取得した組版結果と一致していない。
【0017】
また、第1の表示方式については、組版作業のとき、上層ラスタ画像が下層ラスタ画像をカバーする可能性があるので、ユーザーが組版作業中の図形オブジェクトの形状、ページの実際の状況及び自身の経験により図形オブジェクトの位置を決定することになり、表示結果に実際の結果を正しく反映することができない。
【0018】
第2の表示方式については、組版作業では上記の第2のページ記述方式を用いて2つのページを処理すると仮定する。それぞれ2つのページに記述された図形オブジェクトが図1に示すような菱形である場合を例とすると、RIPが実際に取得した組版結果としてのページ記述ファイルは、以下の4つの図形オブジェクトが含まれる。
1.第1のページにおける白色の背景矩形;
2.第1のページにおける菱形;
3.第2のページにおける白色の背景矩形;及び
4.第2のページにおける菱形。
【0019】
上層ラスタ画像が下層ラスタ画像中の菱形の内部に拡張した場合、表示される組版結果は図4に示すようなものである。つまり、上層ラスタ画像は下層ラスタ画像中の菱形の一部をカバーすることになる。それに対して、白色領域を強制的に透明化させた場合、表示される組版結果は図5に示すように、2つの菱形は互いに重なっておらず、表示された組版結果はRIPに実際に取得した組版結果と一致していない。
【0020】
さらに、第2の表示方式を採用する場合、菱形には白色領域が含まれると、この白色領域も強制的に透明化されるため、表示される結果は実際の結果を正しく表示することができない。
【0021】
以上の点から、従来技術では、ページをRIPによって表示するときに、ページの表示結果は、実際の結果を正しく示すことができない。そして、第1の表示方式を採用するか第2の表示方式を採用するかに関らず、表示された組版結果は、RIPが実際取得した組版結果と一致していない可能性がある。ラスタ画像を構築するときに当該ラスタ画像に塗りつぶされた白色と、後に上記のラスタ画像に組み込まれページに記述された図形オブジェクト中の白色とを区別できないことがその原因である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
従来技術の欠点を解決するために、本発明は、ラスタ画像処理方法及び装置を提供し、ラスタ画像を構築するときに当該ラスタ画像に塗りつぶされた白色と、後に上記のラスタ画像に組み込まれてページに記述された図形オブジェクト中の白色とを区別できようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記の目的を達成するために、本発明はラスタ画像処理方法を提供する。この方法は、ラスタ画像を構築して白色で塗りつぶすステップと、ページに記述された図形オブジェクト中の白色を変換し、図形オブジェクトを上記のラスタ画像に組み込むステップとを含む。
【0024】
さらに、上記の方法は、ラスタ画像が表示されるときに、当該ラスタ画像中の白色を強制的に透明化させることを特徴とする。
【0025】
さらに、上記の方法は、上記の白色は出力色空間で定義された絶対白色であることを特徴とする。
【0026】
さらに、上記の方法は、前記図形オブジェクトがラスタ画像に組み込まれた後、現在定義されている白色を前記絶対白色に回復し、次のページの処理を待機させることを特徴とする。
【0027】
さらに、上記の方法は、ページのページ情報と出力色空間に基づき上記のラスタ画像を構築することを特徴とする。
【0028】
さらに、上記の方法は、ページに記述された図形オブジェクト中の白色を透明化させるステップとして、ページに記述された図形オブジェクトの位置及び入力色の値を識別するステップと、階調変換曲線を用いて入力色の値を変換しこれに対応する出力色の値を得るステップとを含むことを特徴とする。
【0029】
さらに、上記の方法は、階調変換曲線を用いて白色の値と同じである入力色の値を変換しこれに対応する出力色の値を得ると同時に、階調変換曲線を用いて他の入力色の値を変換しこれらに対応する出力色の値を得ることを特徴とする。
【0030】
さらに、上記の方法は、階調変換曲線を用いて入力色の値を変換しこれに対応する出力色の値を得るステップとして、それぞれの階調変換曲線を用いて入力色の値の各コンポーネントを変換し、出力色の値の各コンポーネントを得ることを含むことを特徴とする。
【0031】
さらに、上記の方法には、前記各コンポーネントがそれぞれ対応する階調変換曲線において、何れかの入力値に対応する出力値も、白色が出力色空間中の対応するコンポーネントにおいて取る値と異なることを特徴とする。
【0032】
さらに、上記の方法には、ページに記述された図形オブジェクト中の白色を変換するステップとして、ページの図形オブジェクトの位置及び入力色の値を識別するステップと、予め設定された色の値を、白色の値に等しい入力色の値に対応する出力色の値にするステップとを含むことを特徴とする。
【0033】
さらに、上記の方法は、設定された色の値を白色の値に等しい入力色の値に対応する出力色の値にすると同時に、白色の値と異なる入力色の値を直接に出力色の値にすることを特徴とする。
【0034】
さらに、上記の方法は、前記設定された色の値の各コンポーネントの取る値が、白色が出力色空間の対応するコンポーネントにおいて取る値と異なることを特徴とする。
【0035】
なお、本発明はラスタ画像処理装置を提供する。この装置は、ラスタ画像を構築して白色で塗りつぶす構築モジュールと、ページに記述された図形オブジェクト中の白色を変換し、且つ当該図形オブジェクトを構築モジュールによって構築された当該ラスタ画像に組み込むフィルモジュールとを備えている。
【0036】
さらに、上記の装置は、ラスタ画像を表示するとき、上記ラスタ画像中の白色を強制的に透明化させるための表示モジュールを備えていることを特徴とする。
【0037】
本発明は、次のような効果がある。
【0038】
本発明によると、ラスタ画像を構築し白色で塗りつぶす。ページに記述された図形オブジェクト中の白色を変換し、且つ当該図形オブジェクトを上記のラスタ画像に組み込む。それによって、ラスタ画像を構築するときに塗りつぶされた白色と、後にラスタ画像に組み込まれページに記述された図形オブジェクト中の白色とを区別することができる。ラスタ画像を表示するとき、当該ラスタ画像中の白色を強制的に透明化させることで、ページ上の図形オブジェクトを正しく表示することができ、ページの組版作業が完了した後、表示された組版結果は、実際の組版結果と一致することが保証できる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】一つのページを示す概略図である。
【図2】デフォルト階調変換曲線を示す概略図である。
【図3】従来技術でラスタ画像を処理するフローチャートである。
【図4】組版効果を示す概略図である。
【図5】他の組版効果を示す概略図である。
【図6】本発明の第一実施形態においてページのプレビューを生成するフローチャートである。
【図7】本発明の第一実施形態においてラスタ画像を処理するフローチャートである。
【図8】本発明の第一実施形態において透明度階調変換曲線を示す概略図である。
【図9】本発明の第二実施形態においてラスタ画像を処理するフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態においてラスタ画像を処理するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明の基礎原理は、ラスタ画像を構築し、その後、構築されたラスタ画像を白色で塗りつぶし、次にページ上に記述される図形オブジェクト中の白色に対して変色処理を行い、最後に当該図形オブジェクトをラスタ画像に組み込むというものである。それにより、ラスタ画像を構築するときに当該ラスタ画像に塗りつぶされた白色と、後に当該ラスタ画像に組み込まれページに記述された図形オブジェクト中の白色とを区別することができる。

【0041】
ラスタ画像を表示するとき、当該ラスタ画像中の白色を強制的に透明化させることで、ページの図形オブジェクトを正しく表示できる。従って、ページの組版作業が完了した後、表示された組版結果が、実際の組版結果と一致することが保証できる。

【0042】
以下、図面及び実施形態を参考にして、本発明を詳細に説明する。

【0043】
[第一実施形態]
本実施形態では、透明度階調変換曲線(Transparency Gray-Scale Transferring Graph)に基づき、RIPに入力したページ記述ファイルやページ記述フローに含まれたページの全ての色の値を変換し、その後、変換された結果を出力して表示する。

【0044】
透明度階調変換曲線は、出力装置により画像を生成するときに発生したエラーを補償するための補償メカニズムである。従来の透明度階調変換曲線によれば、入力階調値を0%とする(即ち、白色)出力階調値を修正する必要はない。しかし本実施形態では、ページの出力色に白色がないことを保証する必要があるため、本実施形態の透明度階調変換曲線においては、入力階調値が対応する出力階調値はすべて0%であってはならず、それには入力階調値が0%の状況も含まれる。

【0045】
本実施形態において、RIPは、ページ記述ファイル或いはページ記述フローを受信すると、当該ページ記述ファイル或いはページ記述フローに記述されたページのプレビューを生成する。当該プレビューの生成する処理は図6に示すとおりで、以下のステップを含む。

【0046】
ステップS201において、ページ記述ファイル或いはページ記述フローに、未処理ページがあるかどかを判断する。ある場合は、ステップS202へ進み、そうでない場合には、処理を終了する。

【0047】
ステップS202において、未処理ページのラスタ画像処理を行う。

【0048】
ステップS203において、現在定義されている白色を絶対白色に回復し、S201に戻る。

【0049】
1つのラスタ画像処理が完了した後、RIPの実行環境の一部を回復する。例えば、現在定義されている白色を絶対白色に回復する。

【0050】
上記の未処理ページのラスタ画像処理は図7に示すとおりで、以下のステップを含む。

【0051】
ステップS301において、RIPは、未処理ページ上のページ情報と出力色空間に基ずきラスタ画像を構築し、当該ラスタ画像を現在定義されている白色で塗りつぶす。

【0052】
ページ情報には、このページのサイズと、ラスタ画像処理に必要な解像度が含まれる。

【0053】
ステップS302において、ページの全ての図形オブジェクトに対する塗りつぶし順序に基づいて、ページにおける1つの図形オブジェクトの位置及び入力色の値を識別する。塗りつぶし順序は、ページ記述ファイルやページ記述フローの中で定義されている。そして、透明度階調変換曲線を用い、入力色の値を変換して出力色の値を得る。

【0054】
入力色の値の各コンポーネントは、それぞれの透明度階調変換曲線によって、対応する出力色の値の各コンポーネントに変換される。

【0055】
ステップS303において、図形オブジェクトの位置及び出力色の値に基づき当該図形オブジェクトでラスタ画像を塗りつぶす。

【0056】
ステップS304において、ページには未処理の図形オブジェクトがあるかどうかを判断する。ある場合はステップS302に戻り、そうでない場合は、処理を終了する。

【0057】
上記の処理によって得られたラスタ画像を上記の第2表示方式で表示し、ラスタ画像の絶対白色を強制的に透明化処理すると、ページにおいて図形オブジェクトを正しく表示することができる。

【0058】
本実施形態において、ラスタ画像処理中のRIPは、ラスタ画像を構築した後に現在定義されている白色で塗りつぶすため、ラスタ画像処理ごとに1つのフィジカルページだけを処理する。塗りつぶすとき、ページ記述ファイルやページ記述フローの第1ページについて、透明度階調変換曲線は作用しておらず、現在定義されている白色を絶対白色とする。従って、ラスタ画像に塗りつぶされた白色と、透明度階調変換曲線を用いて得られる出力図形オブジェクト中の白色とを区別できる。しかし、透明度階調変換曲線が作用し始めると、現在定義されている白色が、透明度階調変換曲線で定義されたものになり、これは絶対白色とは異なる。その結果、第1ページ以外のページにとっては、それぞれのラスタ画像で塗りつぶされた白色と、透明度階調変換曲線によって得られた出力図形オブジェクト中の白色はともに透明度階調変換曲線で定義されるので、お互いに区別することができなくなる。従って、本実施形態において、RIPはラスタ画像処理ごとに1つのフィジカルページだけを処理する。

【0059】
本実施形態の透明度階調変換曲線では、いずれの入力階調値に対応する出力階調値も0%にはならないので、2つのページ記述方式のうち何れかにとって、白色は図形オブジェクトの出力色に含まれることはない。

【0060】
以下、再び図1に示すページを例に説明する。

【0061】
第1のページ記述方式について、菱形中の色の値は透明度階調変換曲線の作用により変化する。菱形には白色領域が含まれる場合、当該白色領域はグレーに変換される。一方で、他の色が白色領域に変換されることはないため、菱形と、この菱形が対応するラスタ画像に塗りつぶされる前に当該ラスタ画像に塗りつぶされた白色領域とを区別することができる。

【0062】
第2のページ記述方式について、白い背景矩形は、透明度階調変換曲線の作用によりグレーに変化する。菱形には白色領域が含まれる場合、当該白色領域もグレーになる。一方では、他の色も透明度階調変換曲線の働きにより変化するが、白色になることはないため、背景矩形及び菱形は、菱形が対応するラスタ画像に塗りつぶされる前に当該ラスタ画像に塗りつぶされた白色領域と区別することができる。

【0063】
その結果、2つのページ記述方式は、ページ記述ファイル上に記述された図形オブジェクト中の白色領域と、当該図形オブジェクトがRIPによってラスタ画像に塗りつぶされる前に当該ラスタ画像に塗りつぶされた白色領域とを区別することができる。コンピューターグラフィックや画像処理ソフトウエアでは、第2の表示方式によりラスタ画像を表示する。これによって、ラスタ画像中の白色領域が強制的に透明化される。強制的に透明化される白色領域とは、ページに図形オブジェクトが組み込まれる前に白色で塗りつぶされる領域である。しかしながら、ページ上の図形オブジェクト中の白色領域はグレーに変換されるため、強制的に透明化されることはなく、表示されるページはページ記述ファイルやページ記述フローに記述されたものと一致する。組版作業のとき、表示されるページはこれに対応したページ記述ファイルやページ記述フローに記述されたページと一致するため、表示される結果は、RIPにより実際に得られる結果と一致する。

【0064】
具体的には、RIPは、以下の擬似コードに基づき受信したページ記述ファイルやページ記述フロー上に記述されたページのプレビューを生成する。
int pageNo = 0; //第1ページ処理準備
do{
error = RIP ( PDLFileName, //ページ記述ファイル名
transparency, //透明度階調変換曲線
pageNo, //ラスタ画像処理指定のページ
…); //他のRIPパラメーター
pageNo ++; //次のページ処理準備
while ( error != NO_PAGE)} //未処理ページなし

【0065】
本実施形態の一例として、出力色空間はCMYK(Cyan、Magenta、Yellow、blacK、即ち、シアン、マゼンタ、黄、及び黒)である。色空間のCMYKにおける各コンポーネントの透明度階調変換曲線は同じであり、図8に示さすとおりである。図8に示すように、入力色の値のコンポーネントが0の場合、これに対応する出力色の値のコンポーネントのドットパーセントは0ではなく、0.1である。以下、色の値のコンポーネントは、コンポーネントのドットパーセントを指すものとする。結果として、入力色の値が(C=0、M=0、Y=0、K=0)の場合(即ち、入力色が絶対白色)、出力色の値は(C=0.1、M=0.1、Y=0.1、K=0.1)である(即ち、絶対白色はグレーに変換される)。図8に示すような透明度階調変換曲線から見れば、出力色の値の各コンポーネントは、これに対応する入力色の値のコンポーネントに関らず、0にはならないため、出力色に白色が含まれることはない。また、RIPは、ラスタ画像処理ごとに1つのフィジカルページだけを処理すし、構築されたラスタ画像を色の値が(C=0、M=0、Y=0、K=0)である絶対白色で塗りつぶすため、ページ上に記述された図形オブジェクト中の白色領域と、図形オブジェクトがページに塗りつぶされる前にラスタ画像に塗りつぶされた白色領域とを区別することができる。

【0066】
コンピュータグラフィックや画像処理ソフトウエアでは、第2の表示方式によりラスタ画像を表示する。ラスタ画像中の白色領域を強制的に透明化させた後、ページ上の全ての図形オブジェクトを正しく表示することで、表示された組版結果が、RIPによって実際に得られた結果と一致しないことを防止できる。

【0067】
再び色空間CMYKを例として説明する。ページを表示するとき、CMYKにおける各コンポーネントを透明度階調変換曲線により変換するべきため、入力色が絶対白色(C=0、M=0、Y=0、K=0)の場合に対応する出力色の値の各コンポーネントが0になることはない。即ち、各コンポーネントの階調変換曲線によれば、何れの入力値に対応する出力値の各コンポーネントも、対応する絶対白色の出力色空間中のコンポーネントと異なっている。なぜならば、ページ記述ファイルやページ記述フローには、色の値の1つのコンポーネントだけを記述するものがあり、例えば、黒コンポーネントのみが記述された場合、RIPは、ページ記述ファイルやページ記述フローを処理するとき、黒コンポーネントだけを処理し、シアン、マゼンタ及び黄コンポーネントを処理しない。この場合、色の値が(K=0)である絶対白色がページ記述ファイルやページ記述フローに記述されたページに含まれるとき、RIPは、透明度階調変換曲線を用いてシアンコンポーネントだけを変換するが(即ち、透明度階調変換曲線により変換されるコンポーネントはCMYKの全てのコンポーネントではない)、実際の処理中で、RIPはシアンコンポーネントを変換しないため、色の値は(K=0)に維持され依然として絶対白色である。その結果、ラスタ画像を構築するときに塗りつぶされた白色と、その後当該ラスタ画像に塗りつぶされた図形オブジェクト中の白色とを区別できない。従って、ページに記述された図形オブジェクト中の白色領域と、当該図形オブジェクトがページに塗りつぶされる前に、ラスタ画像に塗りつぶされた白色領域とを区別できように、出力色空間内の各コンポーネントに対して変換処理をするべきである。そうすると、図形オブジェクト中の白色領域が絶対白色として表示されるときに当該領域が強制的に透明化されることを避けられる。

【0068】
本実施形態では、ページの表示結果にページにおける図形オブジェクトだけを含み、ページを正しく表示することができる。しかし、RIPに入力されたページ記述ファイルやページ記述フローに記述されたページの色の値は、透明度階調変換曲線により変換された後に出力されるため、表示結果と実際のページと比べると、ページ全体の色の値は変わり、特にグレーに変わる。しがし、色についての表示結果は実際のページと多少に異なるが、ユーザーにとって、これはわずかな差別であり、本実施形態によれば、組版作業などの作業の便利性を向上させることがきる。

【0069】
[実施形態2]
本発明の重要な概念は、ページの図形オブジェクト中の白色領域を非白色領域に変換することで、これらの領域が透明領域で表示されないようにすることである。従って、本実施形態では、ページ上の全ての入力色を変換するのではなく、白色領域の色だけを変換する。

【0070】
本実施形態では、RIPは、ページ記述ファイルやページ記述フローを受信すると、当該ページ記述ファイルやページ記述フローに記述されたページのプレビューを生成する。図3に示すように、この処理について、本実施形態は実施形態1と同じである。しかし、未処理ページに対する処理については、本実施形態は実施形態1と異なり、図9に示すように、以下のステップを含む。

【0071】
ステップS401において、RIPは、未処理ページのページ情報と出力色空間に基づきラスタ画像を構築し、当該ラスタ画像を現在定義されている白色で塗りつぶす。

【0072】
ステップS402において、ページ上の全ての図形オブジェクトに対する塗りつぶし順序に基づき、ページ上の1つの図形オブジェクトの位置及び入力色の値を識別する。塗りつぶし順序は、ページ記述ファイルやページ記述フローの中で定義されている。予め設定された色の値を、絶対白色に等しいの入力色の値に対応する出力色の値にする。白色と異なる入力色の値については、それを直接対応する出力色の値にする。

【0073】
絶対白色の値に等しい色の値としては、当該色の値の各コンポーネントの値が、それぞれに対応する絶対白色のコンポーネントの値に等しいことである。

【0074】
設定する色の値の各コンポーネント内の値は0でなければよい。例えば、出力色空間はCMYKの場合、設定する色の値は(C=0.1、M=0.2、Y=0.3、K=0.2)である。

【0075】
特に、ユーザーがより直観的に感られるように、設定する色の値は白色の値に近いもので良い。また、白色の値と著しく異なり、稀な色の値でも良い。その場合、この稀な色の領域が実際に白色領域であることが分かりやすくなる。

【0076】
ステップS403において、図形オブジェクトの位置及び出力色の値に基づき当該図形オブジェクトを使用してラスタ画像を塗りつぶす。

【0077】
ステップS404において、ページには未処理の図形オブジェクトが含まれているかどうかを判断する。含まれている場合は、ステップS402に戻り、そうでない場合は、処理を終了する。

【0078】
上記の実施形態によれば、ページの表示結果にページ上の図形オブジェクトだけを含むため、ページを正しく表示することができる。色についての表示結果は実際のページと多少異なるが、本実施形態によれば、組版作業などの作業の便利性を向上させることができる。

【0079】
本発明の実施形態に基づくラスタ画像処理装置は、図10に示すように、構築モジュール101とフィルモジュール102を備える。

【0080】
構築モジュール101は、ラスタ画像を構築し白色で塗りつぶす。

【0081】
フィルモジュール102は、ページに記述された図形オブジェクト中の白色を変換するとともに、当該図形オブジェクトを構築モジュール101によって構築されたラスタ画像に組み込む。

【0082】
さらに、ラスタ画像処理装置には、ラスタ画像を表示するとき、当該ラスタ画像中の白色を強制的に透明化させるための表示モジュール103を備える。

【0083】
本発明は以上の説明及び実施形態には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において各種の改良や変形を行っても良いのはもちろんである。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
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【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
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【図9】
8
【図10】
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