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明細書 :自動トラッピング方法及びシステム

発行国 日本国特許庁(JP)
公表番号 特表2011-523311 (P2011-523311A)
公報種別 特許公報(B2)
公表日 平成23年8月4日(2011.8.4)
特許番号 特許第5112560号 (P5112560)
登録日 平成24年10月19日(2012.10.19)
発行日 平成25年1月9日(2013.1.9)
発明の名称または考案の名称 自動トラッピング方法及びシステム
国際特許分類 H04N   1/46        (2006.01)
H04N   1/60        (2006.01)
FI H04N 1/46 Z
H04N 1/40 D
請求項の数または発明の数 26
全頁数 17
出願番号 特願2011-512809 (P2011-512809)
出願日 平成20年12月25日(2008.12.25)
国際出願番号 PCT/CN2008/002078
国際公開番号 WO2009/152655
国際公開日 平成21年12月23日(2009.12.23)
優先権出願番号 200810114982.1
優先日 平成20年6月16日(2008.6.16)
優先権主張国 中華人民共和国(CN)
審査請求日 平成22年12月10日(2010.12.10)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】509352679
【氏名又は名称】方正国際軟件(北京)有限公司
【識別番号】507232478
【氏名又は名称】北京大学
【氏名又は名称】PEKING UNIVERSITY
発明者または考案者 【氏名】賈文華
【氏名】劉敏
【氏名】李平立
【氏名】姜建軍
個別代理人の代理人 【識別番号】110000165、【氏名又は名称】グローバル・アイピー東京特許業務法人
審査官 【審査官】秦野 孝一郎
参考文献・文献 特開2007-068048(JP,A)
米国特許出願公開第2006/0033960(US,A1)
特開2005-142791(JP,A)
調査した分野 H04N 1/46
H04N 1/40
特許請求の範囲 【請求項1】
(1)トラッピングオブジェクトをシンプル色ブロックに転化すること、
(2)すべての色ブロックをスキャンして、隣り合う色ブロックの共用の境界を得、トラッピング境界とすること、
(3)トラッピング境界の両側にある色ブロックがトラッピング条件を満たすか否かを判断し、トラッピング条件を満足しない場合は放棄すること、
(4)領域分析を行って1つの色ブロックを中心とし、その周囲のすべての色ブロックと関係を結びつけ、前記1つの色ブロックに対してトラッピング方向が同じであるトラッピング境界が隣接している場合、該隣接するトラッピング境界同士の連結を行うこと、
(5)トラッピング領域の形状を生成し、トラッピング領域のインクの充填及び減色を行うこと、
を備える自動トラッピング方法。
【請求項2】
ステップ(1)において、まずトラッピングオブジェクトに処理を施して平網、グラデーション及びイメージからなるシンプルオブジェクトを得、次いでシンプルオブジェクトに作用する混色パターン及び透明度情報をオーバープリント効果に転換し、最後に併合及び分割演算を行い、シンプル色ブロックを得ることを特徴とする、請求項1に記載の自動トラッピング方法。
【請求項3】
ステップ(3)において、インクのドットパーセンテージ及び輝度に基づきトラッピング条件について判断を行い、判断したトラッピング条件は、白抜け補修トラッピング発生条件とキープアウェイトラッピング発生条件を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の自動トラッピング方法。
【請求項4】
ステップ(3)においてトラッピング条件について判断する際、色ブロックのインクは、色ブロック内とトラッピング境界との距離が設定値Dより小さい又は等しい領域内のインクを指し、色ブロックのインクのドットパーセンテージは、色ブロック内部とトラッピング境界の距離が設定値Dより小さい又は等しい領域内のインクのドットパーセンテージの平均値であり、ここで設定値Dの値の範囲はトラップ幅より小さい又は等しいことを特徴とする、請求項3に記載の自動トラッピング方法。
【請求項5】
ステップ(3)においてトラッピング条件を判断する際、トラッピング境界の両側にある色の対で、1つの色ブロックのトラッピング境界に近い領域にインクがない場合は、キープアウェイトラッピング発生条件の判断を行い、そうでない場合は白抜け補修トラッピング発生条件の判断を行うことを特徴とする、請求項4に記載の自動トラッピング方法。
【請求項6】
前記白抜け補修トラッピング発生条件はインクのドットパーセンテージにより定められ、そのトラッピング方向はインクの輝度により定められることを特徴とする、請求項5に記載の自動トラッピング方法。
【請求項7】
2つの色ブロックが同じインクを含まない場合は、白抜け補修トラッピングが起き、白抜け補修トラッピングを行う場合は、インクの成分はLAB空間に転換され、その輝度値が得られ、輝度値が大きい色ブロックは輝度値の小さい色ブロックに向けてトラッピングを行い、ここで輝度値の大きいものは薄い色であり、輝度値が小さいものは濃い色であることを特徴とする、請求項6に記載の自動トラッピング方法。
【請求項8】
2つの色ブロックA及びBが同じインクを含み、いずれも|InkS(A)-InkS(B)|> Minimum Ink Differenceを満たす同じインクが少なくとも2種ある、上述の条件を満たす2種の同じインクのドットパーセンテージの差InkS(A)-InkS(B)をそれぞれ計算し、得られた2つの数値は一方が正数で他方が負数であるべきで、すべての条件を満たす場合は、白抜け補修トラッピングを行うことができ、ここでMinimum Ink Differenceは最小のインク差であり、InkS(A)-InkS(B)は同じインクSのドットパーセンテージの差であり、白抜け補修トラッピングを行う場合は、2つの色ブロックのインクの成分をLAB空間に転換し、輝度値を得、輝度値の大きい色ブロックは輝度値の小さい色ブロックに向けてトラッピングを行い、ここで輝度値が大きいものは薄い色であり、輝度値が小さい色は濃い色であることを特徴とする、請求項6に記載の自動トラッピング方法。
【請求項9】
前記キープアウェイトラッピング発生条件の判断方法が、トラッピング境界の両側にある色ブロック内でインクを有する色ブロックを取り出し、この色ブロックのインクの成分をLAB空間に転換し、総輝度L、最も濃いインク輝度L1及び薄いインクの輝度値L2を計算し、そのうち最も濃いインクは輝度値が最小のインクであり、最も濃いインク以外のインクは薄い色のインクといい、最も濃いインクのドットパーセンテージは45%より大きく、かつ最も濃いインクの輝度値は65%より小さいべきであり、薄い色のインクの輝度値L2と総輝度Lの差ΔLが所定範囲内にある場合、キープアウェイトラッピングを行う必要があり、トラッピング方向は、トラッピング境界のそばのインクのない色ブロックからトラッピング境界のそばのインクを有する色ブロックに向けてトラッピングを行うことであることを特徴とする、請求項5に記載の自動トラッピング方法。
【請求項10】
ステップ(4)における前記領域分析の方法は、
(a)所定の色ブロックに対して行われ、トラッピングが必要なすべての境界を得、その中から、当該色ブロックから外側へトラッピングを行う境界をすべて取り出し、2つの外側へトラッピングする境界が隣接している場合は、この2つのトラッピング境界を連結して1つの新たなトラッピング境界とし、
(b)所定の色ブロックに対して行われ、前記(a)のトラッピング境界の連結を行っていないトラッピング境界を得、当該色ブロックの内部へトラッピングを行う必要な境界をすべて取り出し、内側へトラッピングする境界の2つが隣接している場合は、この2つのトラッピング境界を連結して1つの新たなトラッピング境界とし、
(c)前記(a)及び前記(b)のトラッピング境界の連結が行われていない所定のトラッピング境界に対して行われ、それと隣り合うトラッピング境界を得、この2つのトラッピング境界のトラッピング方向が同じ場合は、この2つのトラッピング境界を連結して新たなトラッピング境界とし、連結できなくなるまで繰り返し実行する、方法である
請求項1又は2に記載の自動トラッピング方法。
【請求項11】
ステップ(5)において、トラッピング領域の形状を生成する過程で、まずトラッピング境界の連結が発生するトラッピング境界に対し、複数のスプレッドするブロックを併合して新たなスプレッドするブロックとし、複数のスプレッドされるブロックを併合して新たなスプレッドされるブロックとし、次いで平滑過渡トラッピング領域を生成するか否かを判断することを特徴とする、請求項1に記載の自動トラッピング方法。
【請求項12】
ステップ(5)において、平滑過渡トラッピング領域を生成する必要がある場合、まずトラッピング境界を識別し、トラッピング境界の両側の側線を生成し、次いでトラッピング境界上の識別点に沿って、識別点の両側の輝度に基づいてそれの両側の側線での対応する位置を調整し、調整後の両側の側線の形状を確定し、端点の形状のタイプとトリミング方法に従ってトラッピング領域の形状を生成することを特徴とする、請求項11に記載の自動トラッピング方法。
【請求項13】
平滑過渡トラッピング領域を生成する具体的な方法が、トラッピング境界上の所定の識別点Qの両側の色ブロックにおける輝度Lをそれぞれ計算し、輝度値の小さいものをL1とし、識別点Qのこの側の側線上にある対応点をQ1とし、輝度値の大きいものをL2とし、識別点Qのこの側の側線上にある対応点をQ2とし、Z=L1/L2を計算し、Z<=SlidingLimitである場合は、対応点Q1の位置を変えず、対応点Q2の位置を識別点Qと重なるよう調整し、Z>SlidingLimitである場合は、識別点Qと対応点Q1及びQ2がある直線に沿ってそれぞれ対応点Q1及びQ2を調整し、次の条件、|Q2Q|L2=|QQ1|L1,|Q1Q|+|QQ2|=トラップ幅、を同時に満たす、最後に調整後の両側の側線の形状を確定し、SlidingLimitを平滑過渡係数ということであることを特徴とする、請求項12に記載の自動トラッピング方法。
【請求項14】
ステップ(5)において、平滑過渡トラッピング領域を生成する必要がない場合は、まずトラッピングパラメータに従って、トラッピング境界がスプレッドされるブロックの一方にある平行線分を得て、側線を成し、次いで端点の形状のタイプ及びトリミング方法に従ってトラッピング領域の形状を生成することを特徴とする、請求項11に記載の自動トラッピング方法。
【請求項15】
前記端点の形状のタイプは方形及び自然延伸に分けられ、方形は、トラッピング境界と側線の対応する端点を連結して得られる形状をいい、自然延伸は、トラッピング境界の両端の、スプレッドするブロックの境界上にある2本の接線を確定後、側線の端点を調整して2本の接線上にそれぞれ重ねて、トラッピング境界と側線の対応する端点を連結して得られる形状をいうことを特徴とする、請求項12又は14に記載の自動トラッピング方法。
【請求項16】
前記トリミング方法はエッジトリミング及び中軸線トリミングに分けられ、エッジトリミングは、1つの色ブロックが他の1つの色ブロックに向けてトラッピングを行う際に、スプレッドされる色ブロックの境界を越えた場合、スプレッドされる色ブロックの境界を用いてトラッピング領域の形状のトリミングを行い、それをスプレッドされる色ブロックのトラッピング境界の形状を越えさせないことをいい、前記中軸線トリミングは、1つの色ブロックが他の1つの色ブロックに向けてトラッピングを行う際に、スプレッドされる色ブロックの中軸線を利用してトリミングを行い、トラッピング領域にスプレッドされる色ブロックの中間を越えないようにすることをいうことを特徴とする、請求項12又は14に記載の自動トラッピング方法。
【請求項17】
ステップ(5)において、トラッピングのインクの充填及び減色を行う際に、まずトラッピング境界の連結が生じているか否かを判断し、トラッピング境界の連結が生じた後に形成されるトラッピング領域について分割し、次いでそれぞれのトラッピングのタイプに基づいてトラッピング領域のインクの充填及び減色を行うことを特徴とする、請求項10に記載の自動トラッピング方法。
【請求項18】
ステップ(5)において、前記(a)のトラッピング境界の連結後に生成するトラッピング領域について分割し、スプレッドされるブロックの境界を利用して、形成されたトラッピング領域に対し分割を行うことを特徴とする、請求項17に記載の自動トラッピング方法。
【請求項19】
ステップ(5)において、前記(b)のトラッピング境界の連結後に生成するトラッピング領域について分割し、トラッピング境界の連結が生じるスプレッドされるブロックの点がある夾角の角等分線を利用してトラッピング領域を分割することを特徴とする、請求項17に記載の自動トラッピング方法。
【請求項20】
ステップ(5)において、前記(b)のトラッピング境界の連結後に生じるトラッピング領域について分割し、トラッピング境界の連結点で1つの小円を描き、この小円と2つのスプレッドするブロックが2つの小領域をなし、面積はそれぞれS1,S2であり、分割線の位置を定めてこのトラッピング境界の連結点がある夾角をS1/S2 = a/bに従って2つの角a,bに分割し、この分割線を利用してトラッピング領域に対し分割を行い、分割されたトラッピング領域を得ることを特徴とする、請求項17に記載の自動トラッピング方法。
【請求項21】
ステップ(5)において、前記(c)のトラッピング境界の連結後に生成するトラッピング領域について分割し、スプレッドされるブロックの境界を利用し、形成されるトラッピング領域に対し分割を行うことを特徴とする、請求項17に記載の自動トラッピング方法。
【請求項22】
ステップ(5)において、前記(c)のトラッピング境界の連結後に生成するトラッピング領域について分割し、トラッピング境界の連結点で1つの小円を描き、この小円と2つのスプレッドするブロックは2つの小領域をなし、面積はそれぞれS1,S2であり、分割線の位置を定めてこのトラッピング境界の連結点がある夾角をS1/S2 = a/bに従って2つの角a,bに分割し、この分割線を利用してトラッピング領域に対し分割を行い、分割されたトラッピング領域を得ることを特徴とする、請求項17に記載の自動トラッピング方法。
【請求項23】
前記対応する領域のインクの充填及び減色を行う方法において、キープアウェイトラッピング領域のインク充填の方法は、スプレッドされるブロックのインクの成分を取り出し、最も濃いインクをそのままにし、他のインクのドットパーセンテージを0.2%に設定することであり、白抜け補修のトラッピングの充填インクは、スプレッドするブロックのインクであり、そのインクのドットパーセンテージはトラッピングパラメータに基づいて調整され、白抜け補修トラッピング領域及びスプレッドされる領域が所定の同じインクを含み、トラッピング領域のインクのドットパーセンテージがスプレッドされる領域のインクのドットパーセンテージより小さい場合、減色、即ち、トラッピング領域中のこの種のインクを除去する必要があることを特徴とする、請求項17に記載の自動トラッピング方法。
【請求項24】
-トラッピングオブジェクトをシンプル色ブロックに転化するためのトラッピングオブジェクトの色ブロック化モジュール、
-すべての色ブロックをスキャンすることにより、隣り合う色ブロックの共用境界、すなわちトラッピング境界を得るためのトラッピング境界位置決めモジュール、
-トラッピング境界の両側の色ブロックがトラッピング条件を満足するか否かを判断するためのトラッピング判断モジュール、
-1つの色ブロックを中心としつつ、その周囲のすべての色ブロックと関係を結びつけ、前記1つの色ブロックに対してトラッピング方向が同じであるトラッピング境界が隣接している場合、該隣接するトラッピング境界同士の連結を行うための領域分析モジュール、
-トラッピング領域の形状を生成し、トラッピング領域のインクの充填及び減色を行うためのトラッピング操作モジュール、
を備える自動トラッピングシステム。
【請求項25】
前記トラッピング判断モジュールはインクのドットパーセンテージ及び輝度に基づいてトラッピング条件について判断を行い、判断されたトラッピング条件は、白抜け補修トラッピング発生条件及びキープアウェイトラッピング発生条件を含むことを特徴とする、請求項24に記載の自動トラッピングシステム
【請求項26】
前記領域分析モジュールは、
(a)所定の色ブロックに対して行われ、トラッピングが必要なすべての境界を得、その中から、当該色ブロックから外側へトラッピングを行う境界をすべて取り出し、2つの外側へトラッピングする境界が隣接している場合は、この2つのトラッピング境界を連結して1つの新たなトラッピング境界とし、
(b)所定の色ブロックに対して行われ、前記(a)のトラッピング境界の連結を行っていないトラッピング境界を得、当該色ブロックの内部へトラッピングを行う必要な境界をすべて取り出し、内側へトラッピングする境界の2つが隣接している場合は、この2つのトラッピング境界を連結して1つの新たなトラッピング境界とし、
(c)前記(a)及び前記(b)のトラッピング境界の連結が行われていない所定のトラッピング境界に対して行われ、それと隣り合うトラッピング境界を得、この2つのトラッピング境界のトラッピング方向が同じ場合は、この2つのトラッピング境界を連結して新たなトラッピング境界とし、連結できなくなるまで繰り返し実行する、ことを特徴とする、請求項24に記載の自動トラッピングシステム
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、パッケージ印刷の技術領域に属し、特に自動トラッピングの方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷の過程において、重ね刷りは、1つ前の色版の対応する領域にノックアウト(Knockout)がある場合に行われる印刷をさし、複数色の重ね刷り時に、特にフレキソ印刷では、版ズレが頻繁に生じる。版ズレによって、隣り合う2つの色ブロックの境界部に微少な紙の白い色が見えて、美観が損なわれる。こうした紙の白い色が現れるのを防ぐために、各オブジェクトのエッジ同士の間に微少の、トラッピング領域とも呼ばれるオーバープリント領域を生成し、こうした紙の白い色が見えないようにする必要がある。
【0003】
トラッピングは、印刷業界では習慣的に、白抜け補修とも拡大縮小とも呼ばれるが、主に版ズレによって隣り合う2つの異なる色の間に生じる白抜けを補うためのものである。人が印刷された製品と向き合っている時、常に、濃い色が目から近く、薄い色が目から遠く感じる。そこで、原稿に対してトラッピング処理を行う場合は、常に、濃い色の下に薄い色が表れないよう、上側の濃い色を不変のままにする方法が講じられる。これにより、細かな偏移が生じても、オーバープリントされたインクにより、版ズレを隠すことができ、オブジェクトの形状に歪みが生じず、視覚効果に確実に影響しないようにする。
【0004】
従来技術において、トラッピング方法は主に2種ある。その1つは手動トラッピングで、この方法は、効率がよくなく、仕上がりも悪い。もう1つは、色の対に基づいて自動トラッピングを行うもので、このトラッピング方法では隣り合う2つの色ブロックのみが考慮される。トラッピング境界が隣接し、トラッピング方向も同じである場合、一から多に入るトラッピング領域の連結はあっても、多から一に入る及び多から多に入るトラッピング領域の連結の効果はない。米国特許US7123381B2には、単一のトラッピング境界に基づくトラッピング方法が示されているが、トラッピング領域の連結効果はまだ得られていない。このことから分かるように、色の対に基づいて行われた自動トラッピングにより得られるトラッピング領域の連結効果は芳しくなく、最終的な印刷の仕上がりに影響する場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術において存在する欠陥に対し、本発明の目的は、領域分析の方法に基づいて自動トラッピングを行う方法及びシステムを提供し、印刷において表れる白抜けの問題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、本発明が採用する技術は、自動トラッピングの方法であり、以下のステップを含む。
【0007】
(1)トラッピングオブジェクトをシンプル色ブロックに転化すること、
(2)すべての色ブロックをスキャンして、隣り合う色ブロックの共用境界を得、トラッピング境界とすること、
(3)トラッピング境界の両側にある色ブロックがトラッピング条件を満たすか否かを判断し、トラッピング条件を満足しない場合は放棄すること、
(4)領域分析を行って1つの色ブロックを中心とし、その周囲のすべての色ブロックの関係を結びつけ、前記1つの色ブロックに対してトラッピング方向が同じであるトラッピング境界が隣接している場合、該隣接するトラッピング境界同士の連結を行うこと、
(5)トラッピング領域の形状を生成し、トラッピング領域のインクの充填及び減色を行うこと。
【0008】
さらに、上述の自動トラッピングの方法は、ステップ(1)において、まずトラッピングオブジェクトに処理を施して平網、グラデーション及びイメージからなるシンプルオブジェクトを得る。次いでシンプルオブジェクトに作用する混色パターン及び透明度情報をオーバープリント効果に転換する。最後に併合及び分割演算を行い、シンプル色ブロックを得る。
【0009】
さらに、上述の自動トラッピングの方法は、ステップ(3)において、インクのドットパーセンテージ及び輝度に基づきトラッピング条件について判断を行い、判断したトラッピング条件は、白抜け補修トラッピング発生条件とキープアウェイトラッピング発生条件を含む。
【0010】
さらに、上述の自動トラッピングの方法は、ステップ(3)においてトラッピング条件を判断する際、トラッピング境界の両側の色の対のうちの1つの色ブロックは、トラッピング境界に近い領域にインクがない場合は、キープアウェイトラッピング発生条件の判断を行い、そうでない場合は白抜け補修トラッピング発生条件の判断を行う。
【0011】
さらに、上述の自動トラッピング方法のうち、ステップ(4)における前記領域分析の方法は、
(a)所定の色ブロックに対して行われ、トラッピングが必要なすべての境界を得、その中から、当該色ブロックから外側へトラッピングを行う境界をすべて取り出し、2つの外側へトラッピングする境界が隣接している場合は、この2つのトラッピング境界を連結して1つの新たなトラッピング境界とし、
(b)所定の色ブロックに対して行われ、前記(a)のトラッピング境界の連結を行っていないトラッピング境界を得、当該色ブロックの内部へトラッピングを行う必要な境界をすべて取り出し、内側へトラッピングする境界の2つが隣接している場合は、この2つのトラッピング境界を連結して1つの新たなトラッピング境界とし、
(c)前記(a)及び前記(b)のトラッピング境界の連結が行われていない所定のトラッピング境界に対して行われ、それと隣り合うトラッピング境界を得、この2つのトラッピング境界のトラッピング方向が同じ場合は、この2つのトラッピング境界を連結して新たなトラッピング境界とし、連結できなくなるまで繰り返し実行する、方法である。
【0012】
さらに、上述の自動トラッピングの方法は、ステップ(5)において、トラッピング領域の形状を生成する過程で、まずトラッピング境界の連結が発生するトラッピング境界に対し、複数のスプレッドするブロックを併合して新たなスプレッドするブロックとし、複数のスプレッドされるブロックを併合して新たなスプレッドされるブロックとする。次いで平滑過渡トラッピング領域を生成するか否かを判断する。
【0013】
さらに、上述の自動トラッピングの方法は、ステップ(5)において、平滑過渡トラッピング領域を生成する必要がある場合、まずトラッピング境界を識別し、トラッピング境界の両側の側線を生成する。次いでトラッピング境界上の識別点に沿って、識別点の両側の輝度に基づいてそれの両側の側線での対応する位置を調整し、調整後の両側の側線の形状を確定し、端点の形状のタイプとトリミング方法に従ってトラッピング領域の形状を生成する。
【0014】
さらに、上述の自動トラッピングの方法は、ステップ(5)において、平滑過渡トラッピング領域を生成する必要がない場合は、まずトラッピングパラメータに従って、トラッピング境界がスプレッドされるブロックの一方にある平行線分を得て側線を構成する。次いで端点の形状のタイプ及びトリミング方法に従ってトラッピング領域の形状を生成する。
【0015】
さらに、上述の自動トラッピングの方法は、ステップ(5)において、トラッピングのインクの充填及び減色を行う際、まずトラッピング境界の連結が生じているか否かを判断し、トラッピング境界の連結が生じた後に形成されるトラッピング領域に対しトラッピング領域分割を行う。次いでそれぞれのトラッピングタイプに基づいて、トラッピング領域のインクの充填及び減色を行う。
【0016】
自動トラッピングのシステムは、
-トラッピングオブジェクトをシンプル色ブロックに転化するためのトラッピングオブジェクトの色ブロック化モジュール、
-すべての色ブロックをスキャンすることにより、隣り合う色ブロックの共用境界、すなわちトラッピング境界を得るためのトラッピング境界位置決めモジュール、
-トラッピング境界の両側の色ブロックがトラッピング条件を満足するか否かを判断するためのトラッピング判断モジュール、
-1つの色ブロックを中心としつつ、その周囲のすべての色ブロックと関係を結びつけ、前記1つの色ブロックに対してトラッピング方向が同じであるトラッピング境界が隣接している場合、該隣接するトラッピング境界同士の連結を行うための領域分析モジュール、
-トラッピング領域の形状を生成し、トラッピング領域のインクの充填及び減色を行うためのトラッピング操作モジュール、
を備える。
【0017】
さらに、上述の自動トラッピングのシステムにおいて、前記トラッピング判断モジュールはインクのドットパーセンテージ及び輝度に基づいてトラッピング条件について判断を行い、判断されたトラッピング条件は、白抜け補修トラッピング発生条件及びキープアウェイトラッピング発生条件を含む。
【0018】
さらに、上述の自動トラッピングのシステムにおいて、前記領域分析モジュールは、
(a)所定の色ブロックに対して行われ、トラッピングが必要なすべての境界を得、その中から、当該色ブロックから外側へトラッピングを行う境界をすべて取り出し、2つの外側へトラッピングする境界が隣接している場合は、この2つのトラッピング境界を連結して1つの新たなトラッピング境界とし、
(b)所定の色ブロックに対して行われ、前記(a)のトラッピング境界の連結を行っていないトラッピング境界を得、当該色ブロックの内部へトラッピングを行う必要な境界をすべて取り出し、内側へトラッピングする境界の2つが隣接している場合は、この2つのトラッピング境界を連結して1つの新たなトラッピング境界とし、
(c)前記(a)及び前記(b)のトラッピング境界の連結が行われていない所定のトラッピング境界に対して行われ、それと隣り合うトラッピング境界を得、この2つのトラッピング境界のトラッピング方向が同じ場合は、この2つのトラッピング境界を連結して新たなトラッピング境界とし、連結できなくなるまで繰り返し実行する。
【発明の効果】
【0019】
本発明の有益な効果は次のようになる。本発明の前記方法及びシステムはインクのドットパーセンテージ及び輝度に基づく方法を採用し、トラッピング境界の両側の色ブロックがトラッピング条件を満たすか否かについて判断を行い、トラッピング境界に対する領域分析を通じて連結を行う。トラッピング領域連結の効果により、従来技術におけるトラッピング領域の残存、連結効果不良の欠点を解消し、印刷全体の視覚効果を高める。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の前述の自動トラッピングの方法のフローチャート。
【図2】本発明の実施形態においてトラッピング領域の形状を生成する方法のフローチャート。
【図3】本発明の実施形態においてインクの充填及び減色を行う方法のフローチャート。
【図4】本発明の実施形態において各種端点の形状のタイプ及びトリミング方法に従って生成する領域の形状を示す図。
【図5】本発明のトラッピングオブジェクトの色ブロック化を示す図。
【図6】本発明の平滑過渡トラッピングを示す図。
【図7】本発明の実施形態において調整後に得られる平滑過渡トラッピング境界の両側の側線の仕上がり図。
【図8】本発明の前記自動トラッピングシステムの原理フレーム図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面及び具体的な実施形態を参照し、本発明をより詳細に説明する。

【0022】
(1)トラッピングオブジェクトの色ブロック化
a.ユーザーが設定したトラッピングパラメータに基づいて、平網、グラデーション、イメージ、デザイン、グリッド、文字、符号、透明効果、クリッピングマスキング、不透明マスキング、多層オブジェクト、単一層オブジェクト、混合オブジェクト、特殊効果について処理等を施し、シンプルオブジェクト、すなわち平網、グラデーション及びイメージからなるシンプルオブジェクトを得る。

【0023】
これらの処理はいずれも公知技術に属し、描画及び充填分離、デザインを分離してシンプルオブジェクトとすること、外部オブジェクトを嵌め込むこと、文字をばらしてシンプルパスとすること等が含まれる。

【0024】
b.シンプルオブジェクトに作用する混色パターン及び透明度情報をオーバープリント仕上げに転換する。

【0025】
c.ステップ(b)の結果を併合及び分割演算し、シンプル色ブロックを得る。

【0026】
上述のステップを通じて、得られたシンプル色ブロックは隣接、不隣接の位置関係になる。図5に示すように、図中のaは色ブロック化の前の図形の実例であり、複数種の色彩効果が混合され、色ブロック化された後、bのような、シンプル色ブロックが隣り合う形式を形成する。色ブロック1はイエローであり、色ブロック2は赤であり、色ブロック3はマゼンタである。

【0027】
(2)トラッピング境界の位置決め
すべての色ブロックをスキャンすることにより、隣り合う色ブロックの共用境界、すなわちトラッピング境界を得る。

【0028】
(3)インクのドットパーセンテージ及び輝度に基づくトラッピング判断
インクのドットパーセンテージ及び輝度に基づいてトラッピング境界の両側の色ブロックがトラッピング条件を満たすか否かを判断し、トラッピング条件を満たさない場合は放棄する。トラッピング判断は、2種の方法についての条件判断、すなわち白抜け補修トラッピング及びキープアウェイトラッピングを含む。トラッピング条件判断時に、色の対の中の1つの色ブロックは、トラッピング境界に近い領域にインクがない場合、キープアウェイトラッピング発生条件判断を行う。そうでない場合は、白抜け補修トラッピング発生条件判断を行う。

【0029】
本実施形態において、トラッピング判断を行う場合、前述の色ブロックのインクは、色ブロック内部とトラッピング境界の距離が設定値Dより大きくない領域内のインクを指す。前述の色ブロックのインクのドットパーセンテージは、色ブロック内部とトラッピング境界の距離が設定値Dより大きくない領域内のインクのドットパーセンテージの平均値を指す。そのうちDの値の範囲はトラップ幅より小さい又は等しい。本実施形態においてDの値はトラップ幅である。

【0030】
a.白抜け補修トラッピング発生条件は、インクのドットパーセンテージにより定める。

【0031】
2つの色ブロックA及Bが同じインクを含まない場合、この2つの色ブロックの間でトラッピングが行える。2つの色ブロックA及びBが同じインクを含む場合、下記2つの条件を満たせばトラッピングが行える。

【0032】
I)色ブロックA及び色ブロックBの中で、少なくとも|InkS(A)-InkS(B)|> Minimum Ink Differenceを満たす同じインクを2種有すること。ここでMinimum Ink Differenceは最小インク差であり、ユーザーが0%~100%の任意の値を設定することができる。

【0033】
II)条件Iを満たす2種の同じインクのドットパーセンテージの差のInkS(A)-InkS(B)を計算し、得られた2つの数値が、一方が正数で、他方が負数であること。

【0034】
なお、InkS(A)-InkS(B)は同じインクSのドットパーセンテージの差であり、インクSについては、色ブロックAのインクSのドットパーセンテージを用いて、色ブロックBのインクSのドットパーセンテージを減じる。

【0035】
例えば、色ブロックAのインクのドットパーセンテージはC20%,M50%で、色ブロックBのインクのドットパーセンテージはC30%,M20%であり、ここでCはシアン、Mはマゼンタを示す。

【0036】
色ブロックA及び色ブロックBは同じインクを含む。そのうち、
同じインクのシアンCについては、InkC(A)-InkC(B)=20%-30%=-10%、この値は負数である。

【0037】
同じインクのマゼンタMについては、InkM(A)-InkM(B)=50%-20%=30%、この値は正数である。

【0038】
Minimum Ink Difference=5%なら、色ブロックA及びBは白抜け補修トラッピング条件を満たす。

【0039】
本実施形態において、色ブロックA及び色ブロックBが同種のインクを含んでいたら、なお条件I及びIIの判断を行い、色ブロックに含まれないインクの種類については、そインクのドットパーセンテージは0%とみなして判断を行う。

【0040】
トラッピング方向を輝度により決定する、具体的な方法は2つの色ブロックのインクの成分をLAB空間に転換し、その輝度値を得る。輝度値が大きい色ブロックは輝度値の小さい輝度ブロックに入りトラッピングを行い、そのうち輝度値が大きいものは薄い色であり、輝度値の小さいものは濃い色である。

【0041】
b.キープアウェイトラッピング発生条件判断、その手順は、以下を含む。

【0042】
I)トラッピング境界の両側の色ブロックにおいて、インクを有する色ブロックを取り出し、この色ブロックのインク成分をLAB空間に転換し、総輝度L、最も濃いインクの輝度値L1と薄い色のインクの輝度値L2を計算する。そのうち、輝度値が最小のインクは最も濃いインクであり、残った最も濃いインク以外のインクは薄い色のインクという。

【0043】
II)最も濃いインクのドットパーセンテージは45%より大きくなければならず、且つ、最も濃いインクの輝度値は65%より小さくなければならない。

【0044】
III)薄い色のインクの輝度値L2と総輝度Lとの差ΔLが所定の範囲内にある場合は、キープアウェイトラッピングを行う必要がある。この差値の所定範囲は、通常15<ΔL<90である
トラッピング方向は、トラッピング境界近傍にインクのない色ブロックから、トラッピング境界近傍にインクがある色ブロックへトラッピングを行う。

【0045】
(4)領域分析
領域分析は、1つの色ブロックを中心としつつ、その周囲のすべての色ブロックの関係と結びつけトラッピング境界の連結を行う。

【0046】
まず、一から多に入るトラッピング境界の連結を行う。ある色ブロックに対し、トラッピングを行う必要のあるすべての境界を得、この色ブロックから外側へトラッピングすべきの境界をすべて取り出す。外側へトラッピングする2つの境界が隣接している場合は、この2つのトラッピング境界は1つの新たなトラッピング境界として連結する。

【0047】
次に、多から一に入るトラッピング連結を行う。ある色ブロックに対し、上述の一から多に入るトラッピング境界の連結をまだ行っていないトラッピング境界を得、この色ブロック内に向けてトラッピングすべきすべての境界を取り出す。内側へトラッピングする2つの境界が隣接している場合は、この2つのトラッピング境界は1つの新たなトラッピング境界として連結する。

【0048】
最後に、多から多に入るトラッピング連結を行う。上述の一から多に入る及び多から一に入るトラッピング連結をまだ行っていないあるトラッピング境界について、このトラッピング境界と共用の点を有するトラッピング境界を得る。この2つのトラッピング境界のトラッピング方向が同じ場合、この2つのトラッピング境界を連結して新たなトラッピング境界とする。このステップを、連結できなくなるまで繰り返し実行する。

【0049】
(5)トラッピングを行う
まず、トラッピング領域の形状を生成し、フローチャートは図2に示す通りである。

【0050】
S21:トラッピング境界の連結が生じているか否かを判断し、生じていればS22を実行し、そうでなければS23を実行する。

【0051】
S22:複数のスプレッドするブロックを併合して新たなスプレッドするブロックとし、複数のスプレッドされるブロックを併合して新たなスプレッドされるブロックとする。

【0052】
S23:スプレッドするブロック及びスプレッドされるブロックを確定する。

【0053】
S24:平滑過渡トラッピング領域を生成する必要があるか否かを判断し、必要であればS25を実行し、そうでなければS28を実行する。

【0054】
S25:トラッピング境界上にN個の識別点の位置を定め、トラッピング境界を識別する。識別点がトラッピング境界を等分する。

【0055】
S26:トラッピングパラメータに基づいて、トラッピング境界と平行なトラッピング境界の両側にある平行線分を生成する。2本の平行線分が2本の初期側線をなし、トラッピング境界上の各識別点は1対1で側線上の点に対応し、且つ、識別点及びその2つの対応点が同じ直線上に位置する。前述の平行線分はトラッピング境界とは、形状が同じで距離がトラップ幅である。

【0056】
S27:トラッピング境界上の識別点に沿って、両側の輝度に基づいてその両側の側線上にある対応する点の位置を調整し、最後に両側の側線の形状を確定し、S29を実行する。

【0057】
前述の平滑過渡トラッピングは、ユーザーが、グラデーションに対し平滑過渡トラッピングを行う必要があるか否かを確定する。グラデーションを生成したトラッピングの領域は、具体的に図6に示すように達成され、両側の側線はそれぞれ62及び63であり、具体的な方法は以下の通りである。

【0058】
トラッピング境界61上のある識別点Q64がある両側の色ブロックの輝度Lをそれぞれ計算し、輝度値がより小さいものをL1と、この側の側線上にある識別点の対応点をQ1と定める。輝度値がより大きいものをL2と、この側の側線上にある識別点の対応点をQ2と定める。

【0059】
Z=L1/L2を計算し、Z<=SlidingLimitである場合は、Q65は変わらず、Q66は直線67に沿って識別点Qと重なるまで調整され、前述の直線は識別点Q及びその側線上の対応点Q1及びQ2を通る。

【0060】
Z>SlidingLimitである場合は、直線67に沿って両側の側線の識別点の対応点のQ1及びQ2をそれぞれ調整し、Q1Q2が同時に下記条件を満たすようにする。
|Q2Q|L2=|QQ1|L1,|Q1Q|+|QQ2|=トラップ幅
なお、SlidingLimitは平滑過渡係数とし、ユーザーにより設定され、0%から100%までの任意の値を設定することができる。

【0061】
最後に、調整後の両側の側線の形状を確定する。図7は本発明の実施形態において調整後得られるトラッピング境界の両側の側線の形状の仕上がり図である。

【0062】
S28:トラッピングパラメータに従ってトラッピング境界を得、スプレッドされるブロックの側の平行線分が側線をなし、前述の平行線分はトラッピング境界とは、形状が同じで平行であり、距離がトラップ幅である。

【0063】
S29:端点の形状のタイプ及びトリミング方法に従って、トラッピング領域の形状を生成し、終了する。

【0064】
端点の形状のタイプは方形及び自然延伸である。前述の方形は、トラッピング境界及び側線の対応する端点を連結して得られる形状をいい。自然延伸は、トラッピング境界の両側がスプレッドするブロックの境界上にある2本の接線を確定後、側線の端点を調整してそれぞれ2本の接線上に位置させて、トラッピング境界と側線の対応する点を連結して得られる形状をいう。

【0065】
トリミング方法は、エッジトリミング及び中軸線トリミングに分けられる。前述のエッジトリミングは、色ブロックが他の色ブロックに向けてトラッピングを行う際、スプレッドされるブロックの境界を越えた場合、スプレッドされるブロック境界のトラッピング領域の形状を用いてトリミングを行い、スプレッドされるブロックのトラッピング領域の形状を越えないようにする。前述の中軸線トリミングは、1つの色ブロックが他の色ブロックに向けてトラッピングを行う時に、スプレッドされるブロックの中軸線を利用してトリミングを行い、トラッピング領域がスプレッドされるブロックの中間を越えないようにする。

【0066】
イエロー及びシアンの2つの色ブロックを例にすると、イエローはスプレッドするブロックであり、シアンはスプレッドされるブロックである。図4に示すように、aは自然延伸及びエッジトリミング後に得られるトラッピングの輪郭であり、bは自然延伸及び中軸線トリミング後に得られるトラッピングの輪郭であり、cは方形及びエッジトリミング後に得られるトラッピングの輪郭であり、dは方形及び中軸線トリミング後に得られるトラッピングの輪郭である。

【0067】
次に、トラッピング領域のインクの充填及び減色を行い、フローチャートは図3に示す通りである。

【0068】
S31:トラッピング境界の連結が生じているか否かを判断し、生じていれば、S32を実行し、そうでなければS33を実行する。

【0069】
S32:トラッピング境界の連結のそれぞれのタイプに合わせて、形成されたトラッピング領域に対し分割を行う。

【0070】
一から多に入るトラッピング境界の連結後に生成するトラッピング領域について、スプレッドされるブロックの境界を利用して分割を行う。1つの色ブロックを用いてこの完全なトラッピング領域を分割し、分割されたトラッピング領域を得る。次いで同じ方法によりその他の色ブロックの分割されたトラッピング領域を得る。

【0071】
多から一に入るトラッピング境界の連結後に生成するトラッピング領域について、トラッピング領域の分割を行う方法は2種ある。各等分線を利用する方法:トラッピング境界の連結が生じるスプレッドされるブロックの点がある夾角の角等分線を利用してトラッピング領域を分割する。面積比を用いる方法:トラッピング境界の連結点において1つの小円を描き、この小円と2つのスプレッドするブロックが2つの小領域をなし、面積はそれぞれS1,S2である。分割線の位置を定めこのトラッピング領域の連結点がある夾角をS1/S2 = a/bに従ってa,bに分割し、この分割線を利用してトラッピング領域について分割を行い、分割されたトラッピング領域を得る。

【0072】
多から多に入るトラッピング境界の連結後に生成するトラッピング領域について、スプレッドされるブロックを利用して分割を行う又は面積比の方法を利用して行う。

【0073】
本実施形態においてトラッピング境界の連結後に形成されるトラッピング領域について分割を行う方法の手順において、前述のスプレッドするブロック及びスプレッドされるブロックはいずれもステップ(3)において確定されたスプレッドするブロック及びスプレッドされるブロックである。

【0074】
S33:キープアウェイトラッピングが生じているか否かを判断し、生じていればS34を実行し、そうでなければS35を実行する。

【0075】
S34:キープアウェイトラッピングインクを充填し、終了する。その充填されたトラッピングインクはスプレッドされるブロックを取り出すインク成分であり、最も濃いインクのままであり、その他のインクのドットパーセンテージを0.2%に設定して、終了する。

【0076】
S35:白抜け補修トラッピングインクを充填し、その充填されたトラッピングインクはスプレッドするブロックのインクであり、そのインクのドットパーセンテージはトラッピングパラメータに基づいて調整する。

【0077】
充填方法は次の通りである。色ブロックが平網である場合は、平網インクをそのまま取り出しトラッピング領域まで充填し色ブロックがグラデーションである場合は、グラデーションを取り出しトラッピング領域まで充填する。イメージである場合は、イメージ画素成分を取り出し、平網として充填して、複数の小さい平網がトラッピング領域をなす。

【0078】
S36:減色を行う。トラッピング領域及びスプレッドされる領域には、ある同じインクを含む場合、トラッピング領域のドットパーセンテージはスプレッドされる領域のインクのドットパーセンテージより小さく、減色を行う必要があり、トラッピング領域におけるこのインクを除去し、終了する。

【0079】
本実施形態では、各トラッピング境界に合わせて、トラッピング領域の形状がそれぞれ生成され、トラッピングのインクの充填及び減色を行う必要がある。

【0080】
図8に示すように、本発明の前述の方法のシステムは下記ソフトウェアモジュールにより構成される。

【0081】
(1)トラッピングオブジェクトの色ブロック化モジュール
トラッピングオブジェクトをシンプル色ブロックに転化し、得られたシンプル色ブロックは隣り合う又は隣接しない位置関係を呈する。

【0082】
(2)トラッピング境界位置決めモジュール
すべての色ブロックをスキャンすることにより、隣り合う色ブロックの共用境界、すなわちトラッピング境界を得る。

【0083】
(3)トラッピング判断モジュール
インクのドットパーセンテージ及び輝度に基づいてトラッピング境界の両側の色ブロックがトラッピング条件を満たすか否かを判断し。判断されるトラッピング条件は、白抜け補修トラッピング発生条件及びキープアウェイトラッピング発生条件を含む。

【0084】
(4)領域分析モジュール
1つの色ブロックを中心としつつ、その周囲のすべての色ブロックと関係を結びつけ領域の境界の連結を行う。まず一から多に入るトラッピング境界の連結を行い、次いで多から一に入るトラッピング境界の連結を行い、最後に多から多に入るトラッピング境界の連結を行う。

【0085】
(5)トラッピング操作モジュール
トラッピング領域の形状を生成し、トラッピング領域のインクの充填及び減色を行う。

【0086】
本発明の前述の方法及びシステムは、インクのドットパーセンテージ及び輝度に基づく方法を採用して、トラッピング境界の両側の色ブロックがトラッピング条件を満たすか否かについて判断を行い、トラッピング境界の連結分析を通じてトラッピング領域の境界に対し連結を行う。これにより、従来技術におけるトラッピング領域の孤立、連結の仕上がり不良の欠陥を克服し、印刷全体の視覚効果を向上させる。

【0087】
ここで開示する本発明についての記述及び特別の実施形態を考慮すれば、本発明の他の実施形態は当業者にとって明らかに理解できる。これらの説明及び実施形態は、例として考慮されるだけでなく、いずれも請求の範囲が示す本発明の保護範囲及び主旨の内に属する。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7