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明細書 :有害物質除去装置及びこれを用いて空気浄化を行う空気浄化装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5933182号 (P5933182)
公開番号 特開2011-194400 (P2011-194400A)
登録日 平成28年5月13日(2016.5.13)
発行日 平成28年6月8日(2016.6.8)
公開日 平成23年10月6日(2011.10.6)
発明の名称または考案の名称 有害物質除去装置及びこれを用いて空気浄化を行う空気浄化装置
国際特許分類 B01D  53/14        (2006.01)
A61L   9/16        (2006.01)
C02F   1/72        (2006.01)
C02F   1/32        (2006.01)
B01J  35/02        (2006.01)
FI B01D 53/14 220
A61L 9/16 Z
C02F 1/72 Z
C02F 1/72 101
C02F 1/32
B01J 35/02 J
請求項の数または発明の数 6
全頁数 17
出願番号 特願2011-055041 (P2011-055041)
出願日 平成23年3月14日(2011.3.14)
優先権出願番号 201010129244.1
優先日 平成22年3月18日(2010.3.18)
優先権主張国 中華人民共和国(CN)
審査請求日 平成26年3月7日(2014.3.7)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】506259634
【氏名又は名称】清華大学
【氏名又は名称】TSINGHUA UNIVERSITY
【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
発明者または考案者 【氏名】張 彭義
【氏名】王 娟
【氏名】野澤 康平
【氏名】中田 祐志
個別代理人の代理人 【識別番号】100109210、【弁理士】、【氏名又は名称】新居 広守
審査官 【審査官】山田 貴之
参考文献・文献 特開2003-190989(JP,A)
特開平08-024629(JP,A)
特開平11-099395(JP,A)
特開2008-119658(JP,A)
特開2000-015110(JP,A)
特開2009-262049(JP,A)
特開2010-029838(JP,A)
特開2005-313094(JP,A)
特開2006-175369(JP,A)
特開2003-200178(JP,A)
特開2001-162273(JP,A)
国際公開第00/078680(WO,A1)
調査した分野 A61L 9/00
B01D 53/02
B01D 53/14
B01D 53/34
B01J 10/00-12/02
B01J 14/00-19/32
C02F 1/32
C02F 1/70
C02F 1/72






特許請求の範囲 【請求項1】
有害ガス成分を溶解させた循環水を導入して、有害ガス成分を低減した循環水を排出する有害物質除去装置であって、
筒状の容器本体と、
前記容器本体の内部に配置された仕切体であって、前記仕切体の内部に気室を構成し、前記仕切体の外部であり前記容器本体の内側に光触媒保持室を構成すると共に、紫外線透過性を有する筒状の前記仕切体と、
前記仕切体内側の気室内に設けられた紫外線照射手段と、
前記光触媒保持室に、前記光触媒保持室の容積の1%以上40%以下の容積に充填された支持体担持光触媒と、
前記気室に空気を導入する空気導入手段と、
前記気室に導入された空気を前記光触媒保持室に導入する手段と、
前記有害ガス成分を溶解させた循環水を前記光触媒保持室の下部に導入し、前記空気と反応させる手段と、
前記空気と反応した循環水を容器本体の外部に排出する手段とを備え
前記光触媒保持室には、前記循環水によって、流動床が構成される、
有害物質除去装置。
【請求項2】
前記気室内の空気を前記容器本体と仕切体間に導出して曝気する曝気手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の有害物質除去装置。
【請求項3】
前記容器本体と仕切体間に酸化促進剤を供給する酸化促進剤供給手段と、
該酸化促進剤供給手段から供給される酸化促進剤の供給量を調整する酸化促進剤供給量調整手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の有害物質除去装置。
【請求項4】
前記酸化促進剤は、過硫酸塩であることを特徴とする請求項に記載の有害物質除去装置。
【請求項5】
前記支持体担持光触媒は、酸化チタンとチタンの混合物、ルテニウムと酸化チタンの混合物、金と酸化チタンの混合物、又は、金とルテニウムと酸化チタンの混合物であることを特徴とする請求項1に記載の有害物質除去装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項のうちの何れかに記載の有害物質除去装置と、
有害ガス成分を含む被処理空気と前記循環水とを接触させる気液接触手段とを備えたことを特徴とする空気浄化装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は循環水に捕集された有害ガス成分を分解除去する有害物質除去装置及びこれを用いて空気浄化を行う空気浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空気中の有害ガス成分、例えば揮発性有機化合物(例えばホルムアルデヒドやアセトアルデヒド)や窒素酸化物の浄化装置として、気液接触器を用いた空気浄化装置が知られている。この気液接触器を用いた空気浄化装置は、処理対象となる空気を水が循環するフィルタなどの気液接触器に吹き付け、当該循環水中に空気に含まれた有害ガス成分を溶解させる。そして、有害ガス成分が溶解された循環水は、溶解ガス濃度が高くなるとガスの捕集効率が低下するため、定期的に循環水の交換、或いは、循環水に溶解した溶解ガス成分の化学的分解が行われる。
【0003】
定期的に循環水を交換する方法では、メンテナンス作業性が煩雑となり、循環水の交換時には、装置の運転を一時休止する必要がある。また、使用水量が増加するため、ランニングコストの高騰を招く。また、有害ガス成分が高い空気の処理を行うと直ぐに循環水のガス捕集効率が低下してしまうという問題がある。
【0004】
そこで、特許文献1には、当該有害ガス成分が溶解された循環水に紫外線を照射し、これによって、有害ガス成分である有機化合物の分解処理を行っている。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特開2005-313094号公報
【特許文献2】中国特許第ZL03149785.3号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の有害ガス成分の分解方法では、循環水に捕集されたホルムアルデヒド等の揮発性有機化合物を確実に分解処理するためには、高出力の紫外線照射が必要となり、エネルギー効率が悪いという問題がある。また、装置自体が大型となり、生産コストの高騰も否めない。
【0007】
また、揮発性有機化合物は、紫外線の照射によって酸化分解処理されるが、この際に、例えばアセトアルデヒドなどの超揮発性有機化合物が中間的に生成される。そのため、紫外線照射による酸化分解処理が不足する場合には、この超揮発性有機化合物等の中間生成物が循環水と共に気液接触器に至った際に、空気中に再放出されてしまう問題がある。
一方、特許文献2においては、水と空気に含まれたの有害物質を処理するには、一般な紫外線と光触媒を結合する他に、185nmの真空紫外線を使用し、185nmの真空紫外線と光触媒の結合効果により、水中の有機化合物を分解処理する。
【0008】
本発明は、従来の技術的課題を解決するためになされたものであり、循環水に捕集された有害ガス成分を高効率にて酸化分解処理することを可能とし、有害な中間生成物の生成を著しく低減させることができる有害物質除去装置及びこれを用いた空気浄化装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る有害物質除去装置は、有害ガス成分を溶解させた循環水を導入して、有害ガス成分を低減した循環水を排出する有害物質除去装置であって、筒状の容器本体と、前記容器本体の内部に配置された仕切体であって、前記仕切体の内部に気室を構成し、前記仕切体の外部であり前記容器本体の内側に光触媒保持室を構成すると共に、紫外線透過性を有する筒状の前記仕切体と、前記仕切体内側の気室内に設けられた紫外線照射手段と、前記光触媒保持室に、前記光触媒保持室の容積の1%以上40%以下の容積に充填された支持体担持光触媒と、前記気室に空気を導入する空気導入手段と、前記気室に導入された空気を前記光触媒保持室に導入する手段と、前記有害ガス成分を溶解させた循環水を前記光触媒保持室の下部に導入し、前記空気と反応させる手段と、前記空気と反応した循環水を容器本体の外部に排出する手段とを備え、前記光触媒保持室には、前記循環水によって、流動床が構成される、ことを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明は、上記発明において、容器本体と仕切体間には、支持体担持光触媒が充填された流動床が構成されることを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、上記各発明において、気室内に空気を導入する空気導入手段を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明は、上記各発明において、気室内の空気を容器本体と仕切体間に導出して曝気する曝気手段を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明は、上記発明において、容器本体と仕切体間に酸化促進剤を供給する酸化促進剤供給手段と、この酸化促進剤供給手段から供給される酸化促進剤の供給量を調整する酸化促進剤供給量調整手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項6の発明は、上記発明において、酸化促進剤は、過硫酸塩であることを特徴とする。
【0015】
請求項7の発明は、上記各発明において、支持体担持光触媒は、酸化チタンとチタンの合金、ルテニウムと酸化チタンの合金、金と酸化チタンの合金、又は、金とルテニウムと酸化チタンの合金であることを特徴とする。
【0016】
請求項8の発明は、上記各発明において、支持体担持光触媒の容積は、容器本体と仕切体間の容積の1%乃至40%であることを特徴とする。
【0017】
請求項9の発明の空気浄化装置は、請求項1乃至請求項8のうちの何れかに記載の有害物質除去装置と、有害ガス成分を含む被処理空気と循環水とを接触させる気液接触手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の有害物質除去装置によれば、筒状の容器本体と、この容器本体の内側に配置されてその内側に気室を構成すると共に、紫外線透過性を有する筒状の仕切体と、この仕切体内側の気室内に設けられた紫外線照射手段と、容器本体と仕切体間に充填された支持体担持光触媒とを備え、容器本体と仕切体間を通り有害ガス成分を捕集することが可能な循環水を循環させることにより、容器本体と仕切体間に充填された支持体担持光触媒は、仕切体を透過した紫外線照射手段からの紫外線によって励起され、これにより、容器本体と仕切体間に供給された循環水に捕集される有害ガス成分を、分解処理することができる。
【0019】
請求項2の発明によれば、上記に加えて、容器本体と仕切体間には、支持体担持光触媒が充填された流動床が構成されるので、当該容器本体と仕切体間に充填される支持体担持光触媒を供給される循環水によって流動させることができ、循環水捕集される有害ガス成分を励起された支持体担持光触媒によって効率的に処理することが可能となる。
【0020】
請求項3の発明によれば、上記各発明において、気室内に空気を導入する空気導入手段を備えることにより、気室内に導入された空気を、紫外線照射手段によってオゾナイズすることができ、請求項4の発明の如く気室内の空気を容器本体と仕切体間に導出して曝気する曝気手段によって当該気室内にてオゾナイズされたオゾンを含む空気を容器本体と仕切体間に曝気することができる。
【0021】
このように、容器本体と仕切体間に、オゾンを含む空気が曝気されているため、低出力の低圧紫外線ランプであっても、効率的に光触媒を励起させて、有害ガス成分及び分解時に生じる中間生成物をも効率的に分解処理することができる。
【0022】
請求項5の発明によれば、上記発明に加えて、容器本体と仕切体間に酸化促進剤を供給する酸化促進剤供給手段と、この酸化促進剤供給手段から供給される酸化促進剤の供給量を調整する酸化促進剤供給量調整手段とを備えたので、容器本体と仕切体間に所定量の酸化促進剤を供給することが可能となる。
【0023】
この際、酸化促進剤供給量調整手段によって、微量の酸化促進剤を容器本体と仕切体間に供給することが可能となり、これによって、容器本体と仕切体間における光触媒による有機化合物の分解処理効率を当該酸化促進剤の存在によってより高めることが可能となる。
【0024】
請求項6の発明によれば、上記発明に加えて、酸化促進剤は、過硫酸塩であるので、入手が容易な物質によって本願発明を実現することが可能となる。また、処理後の循環水が大気中に放出された場合であっても、微量の過硫酸塩であることから、人体への悪影響を回避することができる。
【0025】
請求項7の発明によれば、上記各発明に加えて、支持体担持光触媒は、酸化チタンとチタンの合金、ルテニウムと酸化チタンの合金、金と酸化チタンの合金、又は、金とルテニウムと酸化チタンの合金であるので、紫外線の照射によって容易に励起され、上述したように容器本体と仕切体間に導入された循環水に含まれる有害ガス等の有機化合物を効果的に分解処理することが可能となる。
【0026】
請求項8の発明によれば、上記各発明に加えて、支持体担持光触媒の容積は、容器本体と仕切体間の容積の1%乃至40%であるので、容器本体と仕切体間への循環水の送出による支持体担持光触媒の流動性を確保することができ、支持体担持光触媒と循環水に含まれる有害ガス等の有機化合物との接触効率の向上を図ることができる。
【0027】
請求項9の発明の空気浄化装置によれば、請求項1乃至請求項8のうちの何れかに記載の有害物質除去装置と、有害ガス成分を含む被処理空気と循環水とを接触させる気液接触手段とを備えたことにより、気液接触手段にて被処理空気と接触される循環水に含まれる有害物質を効果的に分解処理することができ、有害ガス成分や中間生成物が当該気液接触手段において大気中に再放出される不都合を効果的に解消することが可能となる。
【0028】
これにより、循環水補給タンクへの水の補充を除き、循環水の交換メンテナンス等を必要とすることなく、被処理空気との接触により循環水に溶解された有害ガス等の有機化合物の分解処理を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】空気浄化装置の概略構成図である。
【図2】反応容器の斜視図である。
【図3】反応容器の断面図である。
【図4】反応容器の上部キャップの斜視図である。
【図5】上部キャップ及び容器本体の後下方斜視図である。
【図6】反応容器の下部キャップの斜視図である。
【図7】下部キャップ及び仕切体の後上方斜視図である。
【図8】空気の流れを示す反応容器の断面図である。
【図9】流動床内に導入された空気の流れを示す反応容器の断面図である。
【図10】循環水の流れを示す反応容器の断面図である。
【図11】ホルムアルデヒドの分解処理効果を説明した図である。
【図12】酸化促進剤の添加によるホルムアルデヒドの分解処理効果を説明した図である。
【図13】酸化促進剤の添加濃度に対するホルムアルデヒドの分解処理効果を説明した図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の有害物質除去装置1は、循環水に捕集された有害ガス成分、例えば、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒドなどの揮発性有機化合物の分解処理を行う装置である。本実施例では、空気浄化装置Wに採用した例を挙げて説明する。図1は、本発明の有害物質除去装置1を備えた一実施例の空気浄化装置Wの概略構成図である。実施例の空気浄化装置Wは、室内を被処理空間とし、当該空間内の気体(空気。被処理空気)を処理する装置である。本実施例の空気浄化装置Wは、気液接触部10と、本発明の有害物質除去装置1等から構成されている。

【0031】
気液接触部10は、被処理空間内の気体(以下、被処理空気とする)と、有害物質除去装置1の循環水とを接触させるための気液接触手段であり、本実施例では、一例としてハニカム構造を有するフィルタ部材から成る。尚、気液接触部10の構成は、これに限定されるものではない。

【0032】
気液接触部10の一側には、当該気液接触部10に被処理空間内の被処理空気を通風させるための図示しないファンが設置されている。そして、ファンの運転により、当該気液接触部10に被処理空気を通過させて、そこで循環水と接触させるよう構成されている。

【0033】
前記気液接触部10にて被処理空気と接触する液体は、有害物質除去装置1にて有害ガス成分が分解除去された後の循環水である。本実施例では、被処理空気中に水に可溶性の有害ガス成分、例えば、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒドなどの揮発性有機化合物や窒素酸化物などの化学物質は、当該気液接触部10にて循環水と効率的に接触されることによって、当該循環水に溶解されて捕集される。この循環水は、このような有害ガス成分を吸収し続けることで、有害ガス成分濃度が上昇していき、その濃度が高くなるにつれてガスの捕集効率が低下するが、本実施例では、循環水は、有害物質除去装置1にて処理され、有害ガス成分濃度の上昇が著しく抑えられ、気液接触部10におけるガス捕集効率の維持が図られている。尚、当該有害物質除去装置1の詳細については後述する。

【0034】
そして、この気液接触部10の下方には、気液接触部10を通過した循環水を受容する循環水トレイ11が配設されており、当該循環水トレイ11には、循環水ポンプ12が介設された配管13が接続されている。また、この循環水トレイ11には、有害物質除去装置1の循環水経路及び気液接触部10、当該循環水トレイ11により構成される一連の循環水経路内の循環水の水量を調整するための水量調節器14が接続されており、当該水量調節器14には、循環水補給タンク15が接続されている。これにより、主として気液接触部10にて蒸散により減少する当該循環水経路内の循環水の水量が一定に維持される。

【0035】
次に、本発明の有害物質除去装置1について上記図1に加えて図2乃至図7を参照して説明する。図2は反応容器20の斜視図、図3は反応容器20の断面図、図4は反応容器20の上部キャップ21の斜視図、図5は上部キャップ21及び容器本体23の後下方斜視図、図6は反応容器20の下部キャップ22の斜視図、図7は下部キャップ22及び仕切体24の後上方斜視図をそれぞれ示している。

【0036】
有害物質除去装置1は、反応容器20と、当該反応容器20に空気(外気)を導入する空気ポンプ(空気導入手段)38と、反応容器20に酸化促進剤を供給する酸化促進剤注入ポンプ4と、酸化促進剤タンク3とを備えている。

【0037】
反応容器20は、筒状の耐圧スチール、例えばステンレスにより構成される容器本体23と、当該容器本体23の上面開口を開閉自在に閉塞する上部キャップ21と、容器本体23の下面開口を開閉自在に閉塞する下部キャップ22とを備えている。そして、この容器本体23内には、同心円状に筒状の仕切体24が配設されている。

【0038】
仕切体24は、紫外線透過性を有するガラス管により構成されており、容器本体23の内壁面と所定間隔を存して配設されている。上部キャップ21及び下部キャップ22の内面には、容器本体23の上端面及び下端面が気密的に当接する容器本体用溝21A、22Aが形成されていると共に、仕切体24の上端面及び下端面が気密的に当接する仕切体用溝21B、22Bが形成されている。尚、各キャップ21、22と容器本体23又は仕切体24との間には、オーリング等のシール材27・・が介設されていても良い。

【0039】
そして、当該仕切体24と上部キャップ21、下部キャップ22にて囲繞される空間には、気室26が形成され、また、容器本体23と仕切体24との間、即ち、仕切体24と、容器本体23、上部キャップ21、下部キャップ22にて囲繞される空間には、流動床25が形成される。本実施例では、流動床25の容積と気室26の容積との比率は、5:1乃至30:1とすることが望ましい。

【0040】
そして、容器本体23と仕切体24との間に形成された流動床25には、支持体の表面に担持された光触媒(支持体担持光触媒)2が充填されている。本実施例では、支持体として活性炭を採用し、光触媒として、酸化チタンとチタンの合金、ルテニウムと酸化チタンの合金、金と酸化チタンの合金又は金とルテニウムと酸化チタンの合金を採用する。これ以外にも、光触媒活性を有する酸化チタン合金を粉末として採用しても良いし、更にイリジウムと白金の合金でも良い。尚、支持体は、これに限定されるものではなく、ゼオライトまたは金属シートなどであっても良い。また、光触媒は、紫外線や可視光線の吸収によって励起活性化されるものであればこれに限定されない。

【0041】
また、本実施例では、支持体担持光触媒2の容積は、流動床25の容積の1%乃至40%の範囲となるように当該流動床25内に充填されているものとする。

【0042】
尚、本実施例では、容器本体23と仕切体24との間に一例として流動床25を形成しているが、これに限定されるものではなく、例えば固定床を形成しても良い。固定床は、メッシュタイプのチタン金網に光触媒を担持させたもの、若しくは、光触媒を備えた粒子径が大きめの粒子を流動床25に詰めたもの、又は、光触媒がコーティングされた金属チタンの板、或いは塊によって構成したものがある。

【0043】
この場合、筒状の容器本体23の内側の全面を乱反射するように加工したり、新たに乱反射層を設けることが好ましい。即ち、単純に固定床とした場合には、光触媒は、紫外線照射手段に対向する面しか励起活性化されないため、その反対側(裏側)、即ち、紫外線照射手段と離れた側が励起活性化されないこととなる。しかし、このように筒状の容器本体の内側に乱反射するような加工を施したり、乱反射層を設けることによって、光触媒全体の励起活性の効率を向上させることができる。

【0044】
そして、下部キャップ22の気室26に対応する位置には、図示しない気室連通用開口が形成され、当該開口は気室下面キャップ29にて開閉自在に閉塞される。この気室下面キャップ29には、気室26側に延在する紫外線照射ランプ(紫外線照射手段)30が設けられている。本実施例では、空気中の酸素をオゾナイズすることによりオゾンを生成可能とする紫外線照射ランプであって、照射される紫外線の波長を185nmとする紫外線照射ランプを採用する。

【0045】
当該気室下面キャップ29を下部キャップ22に取り付けることにより、紫外線照射ランプ30は、仕切体24内の気室26に配置される。尚、本実施例では、紫外線照射ランプ30と仕切体24との距離を1mm乃至10mmとする。図中31は、気室26内に位置する紫外線照射ランプ30の端子、32は気室下面キャップ29側に位置する紫外線照射ランプ30の給電用端子、33は当該紫外線照射ランプ30の配線、34は紫外線照射ランプ30の固定基材を示している。

【0046】
一方、上部キャップ21の気室26に対応する位置には、図示しない気室連通用開口が形成され、当該開口は気室上面キャップ28にて開閉自在に閉塞される。この気室上面キャップ28には、空気(外気)導入口28A及び空気(外気)送出口28Bがそれぞれ形成されている。空気導入口28Aには、空気導入管36が挿通されていると共に、空気送出口28Bには、空気送出管37が接続されている。

【0047】
空気導入管36の気室26内側の端部は、下部キャップ22の近傍に位置して開口していると共に、気室26外側には、外気を気室26内に送出するための空気ポンプ(外気導入用空気ポンプ)38及び除塵用のフィルター39が介設されている(図1参照)。尚、これら空気ポンプ38、除塵用フィルター39、空気導入管36は、いずれも気室26内への空気導入手段を構成する。

【0048】
また、上部キャップ21の流動床25に対応する位置には、気室上面キャップ28を挟んで略対向する位置に図示しない流動床連通用開口が2つ(複数)形成されており、一方の流動床連通用開口は、空気導入用キャップ40にて開閉自在に閉塞される。この空気導入用キャップ40には、空気導入口40Aが形成され、当該空気導入口40Aには、空気導入管41が挿通されている。流動床25外に位置する空気導入管41の端部は、連結ナット43により上記気室26と連通する空気送出管37の端部が着脱自在に接続される。

【0049】
流動床25内に位置する空気導入管41の端部には、仕切体24と容器本体23との間に位置して当該仕切体24を囲繞するように形成された略リング状の曝気管42が連通して一体に形成されている。この曝気管42には、所定間隔を存して複数の噴出孔42Aが形成されている。空気導入管41及び曝気管42はいずれも曝気手段を構成する。

【0050】
また、他方の流動床連通用開口は、フィルター46が内蔵された排出側キャップ47により開閉自在に閉塞される。この排出側キャップ47には、排出管45が接続されている。この排出管45には、図1に示すように気液分離装置48が接続されており、気液分離装置48にて分離された気体は大気に放出され、液体、即ち、循環水は、配管49を介して上記空気浄化装置Wを構成する気液接触部10に供給される。

【0051】
一方、下部キャップ22の流動床25に対応する位置には、水平面上、仕切体24を挟んで上記排出側キャップ47と略対向する位置に流動床連通用開口52(図7参照)が形成されている。この流動床連通用開口52は、フィルター51が内蔵された給水側キャップ50により開閉自在に閉塞される。この給水側キャップ50には、一端が、上記空気浄化装置Wを構成する循環水ポンプ12の吐出側に接続される配管53が接続されている。これにより、循環水ポンプ12の吐出側に接続される配管53と、流動床連通用開口52、流動床25、上部キャップ21に形成された流動床連通用開口、排出管45、気液分離装置48によって、一連の有害物質除去装置1の循環水経路が形成される。

【0052】
また、本実施例では、流動床25の給水側に位置する配管53には、一端が酸化促進剤タンク3に接続され、酸化促進剤供給量調整手段としての酸化促進剤注入ポンプ4が介設された酸化促進剤供給配管5が接続されている。本実施例では、酸化促進剤として例えば、過硫酸ナトリウムなどの過硫酸塩を採用する。詳細は、後述する如く当該過硫酸塩の濃度は、流動床25の循環水に添加された状態で、約0.2g/L程度の希薄濃度とすることが望ましい。また、酸化促進剤注入ポンプ4は、滴下制御用の精密ポンプ(例えばペリスタ型ポンプ)を採用することが望ましい。

【0053】
以上の構成により、本実施例の空気浄化装置Wの動作について説明する。本実施例の被処理空気には、例えば、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒドなどの揮発性有機化合物(有害ガス成分)が含まれているものとする。先ず、空気浄化装置Wの電源が投入されると、循環水ポンプ12、空気ポンプ38、図示しないファンが運転され、また、紫外線照射ランプ30が点灯される。

【0054】
これにより、循環水ポンプ12によって、循環水トレイ11内の循環水が吸い上げられ、配管13、53を介して反応容器20の流動床25内に供給される。そして、流動床25内を通過した循環水は、上部キャップ21に形成された流動床連通用開口、排出管45、気液分離装置48、配管49を介して気液接触部10に供給される。尚、この際、流動床25内に充填される支持体担持光触媒2は、流動床連通用開口に配設されるフィルター46、51によって、当該流動床25からの流出が阻止される。

【0055】
ファンが始動されていることから、気液接触部10には当該ファンで加速され、吹き出された被処理空間からの空気(被処理空気)が通風供給される。これにより、気液接触部10において、被処理空気と循環水とが高効率にて接触し、被処理空気に含まれる水に可溶性の揮発性有機化合物(有害ガス成分)が循環水に溶解され吸収される。有害ガス成分が吸収処理された被処理空気は、再び被処理空間に放出される。

【0056】
気液接触部10において揮発性有機化合物が吸収された循環水は、自重によって循環水トレイ11に受容される。当該循環水トレイ11では、蒸散により減少した循環水が水量調節器14によって循環水補給タンク15より適宜補給される。そして、循環水トレイ11に受容された循環水は、循環水ポンプ12によって配管13、53を介して反応容器20の流動床25に送出される。

【0057】
ここで、図8乃至図10を参照して、反応容器20における循環水及び空気の流れについて説明する。図8は空気の流れを示す反応容器20の断面図、図9は流動床25内に導入された空気の流れを示す反応容器20の断面図、図10は循環水の流れを示す反応容器20の断面図をそれぞれ示している。

【0058】
反応容器20の気室26内には、空気ポンプ38によって外気が所定流量、例えば、流動床25の容積に対し、0.5L/min/L乃至3L/min/Lの流量で送られる。当該流量とすることで、流動床25への安定した空気供給を実現できる。気室26内では、紫外線照射ランプ30が点灯されていることにより、当該気室26内に導入された外気に含まれる酸素がオゾナイズされてオゾンが生成される。空気導入管36は、下部キャップ22近傍において開口されているため、気室26内の気室連通用開口から最も離間した位置において気室26への外気導入が行われる(図8参照)。

【0059】
そして、気室26から気室連通用開口に至る過程において外気は、効率的にオゾナイズされる。そして、気室26内から空気送出管37に導出されたオゾンを含む空気は、空気導入管41を経て流動床25内に配置された曝気管42に至る。曝気管42に形成された噴出孔42Aよりオゾンを含む空気は流動床25内に曝気される(図9参照)。

【0060】
この流動床25には、活性炭に担持された光触媒(支持体担持光触媒)2が充填されており、また、略中央に位置する紫外線透過性のガラス管により構成される仕切体24内から紫外線照射ランプ30によって当該光触媒2に紫外線が照射されている。これにより、光触媒2は励起活性化される。そのため、流動床25内に送出された循環水に含まれる揮発性有機化合物は、当該励起活性化された光触媒2によって酸化還元作用を受け、分解処理される(図10参照)。

【0061】
この際、流動床25内には、紫外線照射ランプ30によってオゾナイズされた空気が曝気されているため、励起された光触媒2の周囲には、十分に酸化剤としてのオゾンが存在することとなり、効率的に循環水に含まれる有機化合物、本実施例では、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒドなどの揮発性有機化合物が分解処理される。

【0062】
特に、本実施例では、容器本体と仕切体間に流動床25が構成されているため、当該容器本体と仕切体間に充填される支持体担持光触媒を供給される循環水によって流動させることができ、循環水に含まれる有害ガス成分である有機化合物を励起された支持体担持光触媒によって効率的に処理することが可能となる。

【0063】
ここで、図11の実験結果を参照して、有害ガスの一例としてホルムアルデヒドの分解処理効果について説明する。当該実験条件は、光触媒として酸化チタンとチタンの合金が活性炭に担持されているものを採用し、紫外線照射ランプ30は10Wとした。反応容器20に供給される循環水は、1L/minの流量とし、被処理空気には、ホルムアルデヒドが2mg/hにて供給されている。

【0064】
本実験では、比較のため、循環水を電解水処理した場合(図中◇にて表示)と、光触媒に上記条件にて紫外線を照射した場合(図中□にて表示)と、光触媒に紫外線を照射し且つ上述した如く空気循環を行って流動床25にオゾンを供給した場合(図中△にて表示)した場合について示す。尚、空気循環においては、酸素を0.4L/minにて供給した。

【0065】
これによると、1時間で2mgのホルムアルデヒドが供給される被処理空間の空気は、一時間後、循環水が電解水処理された場合、ホルムアルデヒド濃度が1.25mg/Lに低減されており、循環水が光触媒によって処理された場合及び更に流動床25にオゾン供給が行われた場合は、ホルムアルデヒド濃度は1.1mg/Lにまで低減されていた。これにより、循環水に吸収されたホルムアルデヒドの処理効率は、電解水によるものに比べて光触媒を採用した場合の方が高いことが分かる。これは、循環水に吸収されたホルムアルデヒドは、電解水による分解処理よりも光触媒による分解処理の方が処理能力が高く、循環水に吸収されたホルムアルデヒド濃度を低く維持することができることから、当該循環水との接触による被処理空気のホルムアルデヒドの処理効率が高くなるためである。更に時間が経過した場合、当該処理効率の違いがより顕著となる。

【0066】
また、紫外線が照射された光触媒に加えて、当該光触媒の周囲にオゾナイズされた空気が供給された場合には、時間が経過するにつれて、被処理空気のホルムアルデヒド濃度が更に低くなる。これは、励起された光触媒の周囲に十分に酸化剤となるオゾンが供給されることによって、効率的に循環水に含まれる有機化合物が分解処理されるためである。尚、ホルムアルデヒド濃度が1.0mg/L以下に低減されないのは、ホルムアルデヒドが循環水へ続けて補充されるためである。

【0067】
これにより、光触媒に紫外線が照射される流動床25内に供給される循環水は、本実施例の如く更に気室26においてオゾナイズされた空気が流動床25に供給されることによって、当該循環水に溶存するホルムアルデヒドやアセトアルデヒドなどの揮発性有機化合物は、低出力の低圧紫外線ランプ30であっても、効率的に光触媒を励起させて、有害ガス成分及び分解時に生じる中間生成物をも効率的に分解処理することができる。

【0068】
更に、本実施例では、反応容器20の流動床25には、循環水と共に酸化促進剤タンク3から酸化促進剤注入ポンプ4によって所定量、例えば、循環水の酸化促進剤濃度が0.2%程度となる量(微量)の酸化促進剤、ここでは過硫酸ナトリウムが添加されている。

【0069】
ここで、図12の実験結果を参照して、酸化促進剤の添加による有害ガスの一例としてホルムアルデヒドの分解処理効果について説明する。当該実験条件は、光触媒として酸化チタンとチタンの合金が活性炭に担持されているものを採用し、紫外線照射ランプ30は185nm、10Wとした。反応容器20に供給される循環水は、ホルムアルデヒド濃度が10mg/Lの300mlとし、気室26には、0.4L/minの空気が供給されている。

【0070】
本実験では、酸化促進剤を添加していない場合(図中◆にて表示)と、0.2g/Lの酸化促進剤(過硫酸塩)を添加した場合(図中▲にて表示)について示す。

【0071】
これによると、酸化促進剤を添加していない場合には、実験当初10mg/L程度であったホルムアルデヒドは、徐々に減少していき、20分経過後には、3.2mg/L程度にまで低減している。これに対し、酸化促進剤を添加した場合には、5分経過した時点で、4.2mg/L程度にまでホルムアルデヒドが低減され、10分経過した時点では、1.5mg/L程度にまで低下している。そして、20分経過後には殆どのホルムアルデヒドが分解処理されている。

【0072】
このように、本実施例の如く、反応容器20の流動床25に酸化促進剤を添加することによって、流動床25における光触媒による有機化合物の分解処理や当該分解処理に伴って生成される中間生成物の分解処理の効率をより顕著に高めることが可能となる。

【0073】
上記に加えて図13の実験結果を参照して、酸化促進剤の添加濃度に対する有害ガスの一例としてホルムアルデヒドの分解処理効果について説明する。当該実験条件は、光触媒として酸化チタンとチタンの合金が活性炭に担持されているものを採用し、紫外線照射ランプ30は185nm、10Wとした。反応容器20に供給される循環水は、1L/minの流量とし、被処理空気には、ホルムアルデヒドが12.5mg/hにて供給されている。

【0074】
本実験では、当該循環水に添加される酸化促進剤、ここでは、過硫酸ナトリウムの濃度を変化させる。酸化促進剤を添加していない場合(図中×にて表示)と、酸化促進剤の濃度が0.2g/Lの場合(図中◆にて表示)、0.5g/Lの場合(図中※にて表示)、1.0g/Lの場合(図中■にて表示)、1.2g/Lの場合(図中▲にて表示)について示す。尚、この場合、上述したような空気循環は行わない。

【0075】
これによると、1時間で12.5mgのホルムアルデヒドが供給される被処理空間の空気は、30分後、酸化促進剤が添加されていない場合、循環水中のホルムアルデヒド濃度が5.5mg/L程度に低減されており、酸化促進剤が0.2g/Lの場合、3.0mg/L程度、0.5g/Lの場合、1.4mg/L程度にまで低減されており、1.0g/L及び1.2g/Lの場合、殆ど分解処理されていた。

【0076】
これによると、酸化促進剤の濃度が高くなるほど、ホルムアルデヒドの分解処理能力が高くなることが分かる。また、酸化促進剤が添加されない場合に比して、例えば、0.2g/Lの濃度等の希薄濃度であっても、効果的にホルムアルデヒドの分解処理能力を向上させていることが分かる。

【0077】
そのため、酸化促進剤タンク3には、濃度の低い酸化促進剤を貯留しておき、また、酸化促進剤注入ポンプ4によって、流動床25に流入する循環水への微量ずつの添加を可能とすることにより、使用者による酸化促進剤の取扱の安全性が高くなり、また、酸化促進剤の補充やタンクの交換作業を著しく低減することができるため、メンテナンス作業性を向上することができる。これにより、安全な使用を実現できる。

【0078】
また、本実施例では、酸化促進剤として、過硫酸塩を採用しているため、入手が容易な物質によって本願発明を実現することが可能となる。また、処理後の循環水が大気中に放出された場合であっても、微量の過硫酸塩であることから、人体への悪影響を回避することができる。

【0079】
更に、本実施例では、流動床25内に充填される支持体担持光触媒2は、上述したように、当該流動床25の容積の1%乃至40%とされているため、流動床25への循環水の送出による支持体担持光触媒2の流動性を確保することができる。これにより、支持体担持光触媒2と循環水に含まれる有害ガス等の有機化合物との接触効率の向上を図ることができる。

【0080】
また、本実施例では、紫外線照射ランプ30から仕切体24までの距離を1mm乃至10mmとされているため、紫外線照射ランプ30から流動床25間での距離をより近づけることができ、気室26内に導入された外気が紫外線照射ランプ30によってオゾナイズされた空気の流動床25内への供給を確保しつつ、仕切体24を透過した紫外線による流動床25内の支持体担持光触媒2への紫外線照射効率を向上させることができる。

【0081】
このようにして、循環水が反応容器20の流動床25を通過する過程において、当該循環水に吸収されたホルムアルデヒドやアセトアルデヒドなどの揮発性有機化合物が分解処理され、また、当該分解処理時に生成される中間生成物をも分解処理される。

【0082】
そして、分解処理後の循環水及び流動床25内の気体は、上部キャップ21に形成された流動床連通用開口から排出管45に送出され、当該排出管45を介して気液分離装置48に至る。

【0083】
当該気液分離装置48において、循環水と共に流出された気体は、循環水から分離されて大気に放出され、循環水は、配管49を介して気液接触部10に供給される。当該循環水は、再び被処理空気と効率的に接触されて、水に可溶性な有害ガス成分(揮発性有機化合物)が吸収される。

【0084】
本実施例によれば、空気浄化装置Wの気液接触部10に供給される循環水は、有害物質除去装置1によって中間生成物を含む有害な有機化合物を循環水から分解除去することが可能となるため、かかる循環水に溶存する有機化合物濃度を低濃度に維持できる。

【0085】
そのため、循環水補給タンクへの水の補充を除き、当該循環水の交換等のメンテナンス作業性を不要とすることができ、繰り返し同一の循環水を用いて高い捕集効率にて被処理空気中に含まれる有害ガスの除去処理を実現できる。また、本発明における有害物質除去装置1は、紫外線によって励起活性化された光触媒2、更に、当該光触媒2の周囲に供給されたオゾンや酸化促進剤により揮発しやすい低分子量となった中間生成物をも分解除去可能となる。そのため、気液分離器48において、有害ガスや係る中間生成物が大気中に再放出されてしまう不都合を解消することができる。

【0086】
更に、本実施例によれば、オゾンや酸化促進剤の供給によって、光触媒による高い分解処理能力を発揮することが可能となるため、紫外線照射ランプ30の出力を抑えることができ、装置全体の小型化を実現できる。また、流動床25に供給されるオゾンは、光触媒2に紫外線を照射する紫外線照射ランプ30を用いることで生成することができるため、別途オゾンを生成するための手段を設ける必要が無い。
【符号の説明】
【0087】
W 空気浄化装置
1 有害物質除去装置
2 支持体担持光触媒
3 酸化促進剤タンク(酸化促進剤供給手段)
4 酸化促進剤注入ポンプ(酸化促進剤供給量調整手段)
5 酸化促進剤供給配管(酸化促進剤供給手段)
10 気液接触部(気液接触手段)
11 循環水トレイ
12 循環水ポンプ
14 水量調節器
15 循環水補給タンク
20 反応容器
21 上部キャップ
22 下部キャップ
23 容器本体
24 仕切体
25 流動床
26 気室
30 紫外線照射ランプ(紫外線照射手段)
38 空気ポンプ(外気導入用空気ポンプ)
42 曝気管
42A 噴出孔
45 排出管
46、51 フィルター
48 気液分離装置
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12