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明細書 :高温ガス冷却原子炉の蒸気発電システム及び方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公表番号 特表2013-515946 (P2013-515946A)
公報種別 特許公報(B2)
公表日 平成25年5月9日(2013.5.9)
特許番号 特許第5645283号 (P5645283)
登録日 平成26年11月14日(2014.11.14)
発行日 平成26年12月24日(2014.12.24)
発明の名称または考案の名称 高温ガス冷却原子炉の蒸気発電システム及び方法
国際特許分類 G21C   1/07        (2006.01)
G21D   1/00        (2006.01)
G21D   1/02        (2006.01)
G21C   5/00        (2006.01)
G21D   5/12        (2006.01)
FI G21C 1/07 GDTA
G21D 1/00 S
G21D 1/02 T
G21C 5/00 A
G21D 5/12
請求項の数または発明の数 10
全頁数 13
出願番号 特願2012-545049 (P2012-545049)
出願日 平成22年1月20日(2010.1.20)
国際出願番号 PCT/CN2010/000085
国際公開番号 WO2011/075923
国際公開日 平成23年6月30日(2011.6.30)
優先権出願番号 200910243721.4
優先日 平成21年12月23日(2009.12.23)
優先権主張国 中華人民共和国(CN)
審査請求日 平成24年6月26日(2012.6.26)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】502192546
【氏名又は名称】清華大学
発明者または考案者 【氏名】張 作義
【氏名】呉 宗▲しん▼
【氏名】王 大中
【氏名】徐 元輝
【氏名】孫 玉良
【氏名】李 富
【氏名】董 玉傑
個別代理人の代理人 【識別番号】100078776、【弁理士】、【氏名又は名称】安形 雄三
【識別番号】100121887、【弁理士】、【氏名又は名称】菅野 好章
審査官 【審査官】山口 敦司
参考文献・文献 特開昭52-085691(JP,A)
特開2003-074309(JP,A)
HTGR PROJECT IN CHINA,NUCLEAR ENGINEERING AND TECHNOLOGY,2007年 4月,VOL.39 NO.2,103-109
Design aspects of the Chinese modular high-temperature gas-cooled reactor HTR-PM,Nuclear Engineering and Design,2006年,236,485-490
Current status and technical description of Chinese 2×250MWth HTR-PM demonstration plant,Nuclear Engineering and Design,2009年 7月,Volume 239, Issue 7,Pages 1212-1219
調査した分野 G21C 1/07
G21C 5/00
G21D 1/00
G21D 1/02
G21D 3/00
G21D 5/12
F01D 17/00
特許請求の範囲 【請求項1】
閉鎖蒸気回路を形成するために首尾順次に接続されることにより、複数の原子力蒸気供給システムモジュール、高圧シリンダ(21)、低圧シリンダ(22)、復水器(23)、復水ポンプ(24)、低圧加熱器(25)、脱気器(26)、給水ポンプ(27)及び高圧加熱器(28)を具備し、前記原子力蒸気供給システムモジュールは、2台の圧力容器にそれぞれ設置される原子炉(1)と、蒸気発生器(9)とを含み、前記原子炉(1)と前記蒸気発生器(9)との間が熱気チューブ(32)により接続され、前記蒸気発生器(9)のハウジングの上部に主ヘリウム送風機が設置され、前記高圧シリンダ(21)は、再熱器(30)と中圧シリンダ(29)にそれぞれ接続し、前記中圧シリンダ(29)の出口は、前記再熱器(30)に接続し、並びに前記再熱器(30)は、前記低圧シリンダ(22)に接続することを特徴とする高温ガス冷却原子炉の蒸気発電システム。
【請求項2】
前記高圧シリンダ(21)と前記低圧シリンダ(22)との間に、蒸気再熱器(15)と中圧シリンダ(29)が順番に接続されることを特徴とする請求項1に記載の高温ガス冷却原子炉蒸気の発電システム。
【請求項3】
前記高圧加熱器(28)の出口は、前記蒸気再熱器(15)の初期加熱部に接続し、且つ前記蒸気発生器(9)の入口は、前記蒸気再熱器(15)の初期加熱部に接続することを特徴とする請求項2に記載の高温ガス冷却原子炉の蒸気発電システム。
【請求項4】
前記高圧シリンダ(21)の出口は、蒸気発生器(9)の再加熱部に接続することを特徴とする請求項1に記載の高温ガス冷却原子炉の蒸気発電システム。
【請求項5】
前記原子炉(1)は、流動可能なペブルベッド構造になって設計される炉心(2)を有し、燃料要素(33)は、前記炉心(2)の中に置かれ、且つ前記炉心(2)の頂部(5)から前記炉心(2)の底部(6)へ流すことを特徴とする請求項に記載の高温ガス冷却原子炉の蒸気発電システム。
【請求項6】
前記原子炉(1)は、固定配置される角柱状構造の炉心(2)を有し、燃料要素(33)は前記炉心(2)に置かれることを特徴とする請求項に記載の高温ガス冷却原子炉の蒸気発電システム。
【請求項7】
前記燃料要素(33)は、全セラミック型被覆粒子燃料要素を採用することを特徴とする請求項又はに記載の高温ガス冷却原子炉の蒸気発電システム。
【請求項8】
前記蒸気発生器(9)は、貫流式蒸気発生器であり、螺旋管の構造を用いることを特徴とする請求項に記載の高温ガス冷却原子炉の蒸気発電システム。
【請求項9】
前記熱気チューブ(32)は環状の構造を採用し、その外環はヘリウムガスを前記蒸気発生器(9)から前記原子炉(1)へ流入させるための冷ヘリウムガス流路(3)であり、内環はヘリウムガスを前記原子炉(1)から前記蒸気発生器(9)へ流入させる熱ヘリウムガス流路(4)であることを特徴とする請求項に記載の高温ガス冷却原子炉の蒸気発電システム。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の高温ガス冷却原子炉の蒸気発電システムを利用した高温ガス冷却原子炉の蒸気発電方法であって、
複数の原子力蒸気供給システムモジュールにより蒸気を生じるS1工程と、
前記蒸気を並列に連接した後、高圧シリンダ(21)と低圧シリンダ(22)に順番に送入し、仕事をさせることで、発電機(14)を駆動するS2工程と、
仕事をした湿り蒸気が復水器(23)に入り込んで放熱し、その後、復水ポンプ(24)、低圧加熱器(25)、脱気器(26)、給水ポンプ(27)と高圧加熱器(28)に順番に経てから、蒸気発生器(9)に入り込んで、1回の熱力循環を完成するS3工程と、
前記S1-S3工程を繰り返して施すS4工程とを具備し、
前記原子力蒸気供給システムモジュールは、2台の圧力容器にそれぞれ設置される原子炉(1)と、蒸気発生器(9)とを含み、前記原子炉(1)と前記蒸気発生器(9)との間が熱気チューブ(32)により接続され、前記蒸気発生器(9)のハウジングの上部に主ヘリウム送風機が設置され、
前記S2工程において、蒸気を前記高圧シリンダ(21)に送り込んで仕事をした後、前記高圧シリンダ(21)から流出した蒸気の一部が再熱器(30)に入り込んで直接に加熱され、前記高圧シリンダ(21)から流出したもう一部の蒸気がまず中圧シリンダ(29)に入り込んで仕事をしてから、前記再熱器(30)を用いてその出口蒸気を加熱し、最後、直接に加熱された蒸気、及び前記中圧シリンダを経て仕事をしてから加熱された蒸気を前記低圧シリンダ(22)に送入して仕事をすることを特徴とする高温ガス冷却原子炉の蒸気発電方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、原子力発電技術分野に関し、特に高温ガス冷却原子炉の蒸気発電システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電は、クリーンで安全且つ環境にやさしいエネルギー源として、エネルギー安全や地球の気候変動問題を緩和することに重要な意味を持つ。米国のスリーマイル島や旧ソビエト連邦のチェルノブイリ原子力発電所事故のような挫折があったが、相変わらずより安全的、より経済的な原子力発電技術の開発に力を積極的に入れた。そして現在、第3世代の原子力発電の技術が、基本的に成熟している。
【0003】
現在、研究開発中の第4世代の原子力システムにおいて、高温ガス冷却原子炉はごく高い出口温度ができることによって、高発電効率と質の高い熱供給力を有するため、広く注目されている。
【0004】
高温ガス冷却原子炉は、セラミック型被覆粒子燃料要素を採用し、ヘリウムガスを冷却剤とし、黒鉛を減速剤として用いることによって、炉心の出口温度が700℃~950℃に到達することが可能である。このような高温ガス冷却原子炉は、優れた安全性を有する形の炉であり、その理由としては、下記のようなことである。
(1)燃料要素の性能が優れること、
(2)黒鉛炉心の熱容量が大きいこと、
(3)全域的に反応度の温度係数がマイナスであること、そして
(4)冷却剤のヘリウムガスは不活性ガスであり、その化学安定性が優れるため、相転移を生じないこと。
【0005】
高温ガス冷却原子炉の開発は、20世紀1960年代初頭に諸国で始まり、イギリス、ドイツ及び米国では次々に実験炉3基が建設され、1970年代になると、米国とドイツはそれぞれ電気出力が330MWと300MWである原型炉2基を建設し、運転させた。早期の高温ガス冷却原子炉は、冷却材喪失の事故条件下において、特別な対策を施行しないと、炉心の最高温度が2000℃以上に達する可能性があるので、特定の緊急炉心冷却装置を設けて、過熱による燃料要素の損壊を防止した。
【0006】
原子炉の安全性を更に向上させるため、現状に応じて「モジュール型」高温ガス冷却原子炉という概念が出現した。モジュール型高温ガス冷却原子炉とは、固有の安全特性を備え、原子炉1基の出力規模が比較的に低い高温ガス冷却原子炉である。この原子炉は、いずれの事故条件下においても、原子炉の炉心の残留熱を受動方式で放出でき、炉心燃料の最高温度が許容限界値を超えないことを特徴とする。炉心溶融の可能性を避けるため、極めく低い確率で超設計基準事故が起こっても、原子力発電所外の放射線量はまだ限られた範囲であるので、技術的に発電所外の緊急時計画を行わなくてもよい。
【0007】
燃料要素の形状により、高温ガス冷却原子炉は、ペブルベッド型とブロック型の2種類がある。ペブルベッド型においては、被覆粒子燃料と黒鉛基体をともに直径6cm程度の燃料球になるようにプレスし、流動できるペブルベッド型炉心を構成することで、核燃料の運転中でのオンライン交換を実現する。ブロック型においては、被覆粒子燃料と黒鉛基体を、ともに円柱状のブロックになるようにプレスし、その後、六角柱型燃料集合体に装填し、固定型の角柱状炉心を形成する。
【0008】
ブロック型原子炉に対して、ペブルベッド型高温ガス冷却原子炉は、下記のような特徴がある。
(1)運転中に燃料を交換でき、発電所の稼働率が高い。
(2)炉心の過剰反応度が小さいので、反応度を制御しやすく、中性子の経済性が高い。
(3)取出燃料の燃焼度が均一であり、取出燃料の燃焼度が高く、燃料の利用率が高い。
(4)正常運転中においては、粒子燃料の温度が低く、原子炉の出口温度を更に向上させやすい。
【0009】
電力網に対しての送電を目的とする商業的な発電所は、十分な安全性を有するだけではなく、経済性においても十分な競争力を必要としなければならない。モジュール型高温ガス冷却原子炉における経済性での制限とは、主に安全性の考慮から来るものである。モジュール型高温ガス冷却原子炉の固有の安全性は、事故後に崩壊熱を受動方式で炉心から排出できることを要求し、燃料の最高温度が設計限界度を超えないことを確保し、そして原子炉1基の炉心の出力密度と総出力を技術的に制限する。
【0010】
いかに、より小さな原子炉1基における出力限界で、よりよい経済性を実現することが、高温ガス冷却原子炉発電所の設計と商業化推進のプロセスにおいて考えなければならない問題であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、従来の技術欠陥を克服することができ、安全性を確保するとともに、経済性を実現する高温ガス冷却原子炉の発電システム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するため、閉鎖蒸気回路を形成するために首尾順次に接続されることにより、複数の原子力蒸気供給システムモジュール、高圧シリンダ、低圧シリンダ、復水器、復水ポンプ、低圧加熱器、脱気器、給水ポンプ及び高圧加熱器を具備する本発明の実施形態による高温ガス冷却原子炉の蒸気発電システムを提供する。

【0013】
前記高温ガス冷却原子炉の蒸気発電システムは、前記高圧シリンダと前記低圧シリンダとの間に蒸気再熱器と中圧シリンダが順番に接続されることが好ましい。
【0014】
前記高圧加熱器の出口は、前記蒸気再熱器の初期加熱部に接続し、且つ前記蒸気発生器の入口は、前記蒸気再熱器の初期加熱部に接続することが好ましい。
【0015】
前記高圧シリンダの出口は、蒸気発生器の再加熱部に接続することが好ましい。
【0016】
前記高圧シリンダは再熱器と中圧シリンダにそれぞれ接続し、前記中圧シリンダの出口は前記再熱器に接続し、前記再熱器は前記低圧シリンダに接続することが好ましい。
【0017】
前記原子力蒸気供給システムは、2台の圧力容器にそれぞれ設置される原子炉と、蒸気発生器とを具備し、前記原子炉と前記蒸気発生器との間が熱気チューブにより接続され、前記蒸気発生器のハウジングの上部に主ヘリウム送風機が設置されることが好ましい。
【0018】
前記原子炉は、流動可能なペブルベッド構造のように設計される炉心を有し、燃料要素は、前記炉心の中に置かれ、且つ前記炉心の頂部から底部へ流すことができることが好ましい。
【0019】
前記原子炉は、固定配置される角柱状構造の炉心を有し、燃料要素が前記炉心の中に置かれることが好ましい。
【0020】
前記燃料要素は、全セラミック型被覆粒子燃料要素を採用することが好ましい。
【0021】
前記蒸気発生器は、貫流式蒸気発生器であり、螺旋管の構造を用いることが好ましい。
【0022】
前記熱気チューブは、環状の構造を採用し、その外環はヘリウムガスを蒸気発生器から原子炉へ流入させるための冷ヘリウムガス流路であり、内環はヘリウムガスを原子炉から蒸気発生器へ流入させる熱ヘリウムガス流路であることが好ましい。
【0023】
また、本発明は、複数の原子力蒸気供給システムにより、蒸気を生じさせるS1工程と、前記蒸気を並列に連接した後、高圧シリンダと低圧シリンダに順番に送入し、仕事をさせることで発電機を駆動するS2工程と、仕事をした湿り蒸気が、復水器に入り込んで放熱し、その後、復水ポンプ、低圧加熱器、脱気器、給水ポンプと高圧加熱器を順番に経てから、蒸気発生器に入り込んで、1回の熱力循環を完成するS3工程と、前記S1-S3工程を繰り返して施すS4工程とを具備する高温ガス冷却原子炉の蒸気発電方法を提供する。
【0024】
前記S2工程において、前記蒸気を前記高圧シリンダに送入して仕事をした後、前記高圧シリンダから流出した蒸気が蒸気再熱器に入り込んで加熱され、その後に中圧シリンダと前記低圧シリンダに順番に入り込んで仕事をすることが好ましい。
【0025】
前記S3工程において、仕事をした湿り蒸気は、蒸気発生器に入り込む前に、前記蒸気再熱器の初期加熱部に入り込んで加熱される必要があることが好ましい。
【0026】
前記S2工程において、蒸気を高圧シリンダに送入して仕事をした後、前記高圧シリンダから流出した蒸気が蒸気発生器の再加熱部に入り込んで加熱され、その後に中圧シリンダと前記低圧シリンダに順番に入り込んで仕事をすることが好ましい。
【0027】
前記S2工程において、蒸気を高圧シリンダに送入して仕事をした後、前記高圧シリンダから流出した蒸気の一部が再熱器に入り込んで直接に加熱され、高圧シリンダから流出したもう一部の蒸気がまず中圧シリンダに入り込んで仕事をしてから、再熱器を用いてその出口蒸気を加熱し、最後に直接に加熱された蒸気及び中圧シリンダを経て、仕事をしてから加熱された蒸気を低圧シリンダに送入して仕事をすることが好ましい。
【発明の効果】
【0028】
上記の技術案は、原子炉1基の炉心、単一の圧力容器と蒸気発生器1基から構造することを標準モジュールとし、原子力蒸気供給システム(NSSS)モジュールを形成する、という利点を有し、NSSSモジュールがコピーされ、共同で大型蒸気タービン発電システムに蒸気を提供する。即ち、複数のNSSSモジュールが1台のタービンに配備し、「複数のNSSSモジュール対1機」の配置モードを実現する。比較的に小さい規模の単一のモジュールは製造の難しさを減少でき、NSSSモジュールはバッチコピーのため、コストを低下させる。また、NSSSモジュールは、いくらかの補助システムを共有するから、補助システムの利用率を向上させ、コストを更に低下させる。一箇所の発電所内に、複数の「複数のNSSSモジュール対1機」の発電機セットを配置することもでき、発電所の補助施設をさらに共有し、建造と運営のコストを低下させる。このように、原子炉の固有の安全性を確保し、この固有の安全性によりシステムに対して簡素化を施す。その一方、バッチコピー、補助システムの共有、規模効果により、蒸気器システムと全発電所の他のシステムとの規模経済性を確保する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態に係る原子力蒸気供給システム(NSSS)モジュールを有する蒸気発電システムの図である。
【図2】本発明の実施形態に係る原子力蒸気供給システム(NSSS)モジュールの構造を示す図である。
【図3】本発明に係る高温ガス冷却原子炉の蒸気発電システムの実施例の一例の構造を示す図である。
【図4】本発明に係る高温ガス冷却原子炉の蒸気発電システムの実施例の別の一例の構造を示す図である。
【図5】本発明に係る高温ガス冷却原子炉の蒸気発電システムの実施例の別の一例の構造を示す図である。
【図6】本発明に係る高温ガス冷却原子炉の蒸気発電システムの実施例のもう一例の構造を示す図である。
【図7】本発明に係る高温ガス冷却原子炉の蒸気発電システムの実施例のもう一例の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面と実施例を参照して、本発明の具体的な実施形態を更に詳しく説明する。下記の実施例は本発明を説明するためのであるが、本発明の範囲を限定するものではない。

【0031】
図1は、本発明の原子力蒸気供給システム(NSSS)モジュールを有する蒸気発電システムを示す図である。原子炉1基の炉心、単一の圧力容器と蒸気発生器1基から構造することを標準モジュールとし、原子力蒸気供給システム(NSSS)モジュールを形成する。複数のNSSSモジュール11は、原子力発電所補助システム12を共有し、一緒に蒸気動力システム13に蒸気を提供し、発電機14を動かして発電する。原子力発電所補助システム12は、主に燃料積み卸し及び貯蔵システム、一次回路圧力放出システム、ヘリウム浄化及びヘリウム補助システム、ガスサンプリング及び分析システム、残留熱除去システム、蒸気発生器事故排出システム、設備冷却水システム、原子力発電所通風及びエアコンシステム、液体廃棄物処理システム、固体廃棄物処理及び貯蔵システム、原子炉建屋消防システムなどを具備する。

【0032】
図2は、本発明実施形態による原子力蒸気供給システム(NSSS)モジュールの構造を示す図である。NSSSモジュール11において、原子炉1と蒸気発生器9は、それぞれ2台の反応容器に設置され、その間に熱気チューブ32で接続し、「サイド・バイ・サイド」の配置方式のように構成される。原子炉1の圧力容器、蒸気発生器9のハウジングと熱気チューブ32のハウジングで一次回路圧力境界を組成し、コンクリート遮蔽チャンバ内に取り付けられる。熱気チューブ32は環状構造を採用し、内環が熱ヘリウムガス流路4であり、流動方向が原子炉1から蒸気発生器9への方向である。外環は冷ヘリウムガス流路3であり、流動方向とは蒸気発生器9から原子炉1への方向である。蒸気発生器9のハウジングの上部に主ヘリウム送風機10が配置される。原子炉1に加熱された高温ヘリウムガスは、蒸気発生器9の中に二次回路水8を加熱し、高温高圧蒸気7を生じ、蒸気動力システム13に送入する。蒸気発生器9は貫流式蒸気発生器であり、螺旋管構造を採用する。

【0033】
原子炉炉心2には、流動可能なペブルベッド構造になるように設計され、球状の燃料要素33は上から下まで流動する。前記原子炉炉心2は、固定配置された角柱状構造であってもよく、燃料要素33は前記原子炉炉心2内に位置される。使用される全セラミック型被覆粒子球状燃料要素33は、炉心頂部5から取り付けられ、炉心底部6の放出管から取り出される。取り出された燃料要素33は、1個ずつ燃焼度を測定することにより、取出燃料の燃焼度に至った燃料要素33は、炉外に排出されて保管し、取出燃料の燃焼度に至らない燃料要素は、再び炉心2に取り付けられ、燃料要素の複数回循環を実現する。

【0034】
図3は、本発明に係る高温ガス冷却原子炉の蒸気発電システムの実施例の一例の構造を示す図である。蒸気動力システムに蒸気を提供する前記システムは、閉鎖蒸気回路を形成するために首尾順次に接続されることにより、原子力蒸気供給システム、高圧シリンダ21、低圧シリンダ22、復水器23、復水ポンプ24、低圧加熱器25、脱気器26、給水ポンプ27、及び高圧加熱器28を具備する。その中に、前記原子力蒸気供給システムは、上記のように、本発明の実施形態によるものである。

【0035】
本発明の前記実施例は、蒸気直接発電循環ソリューションである。複数のNSSSモジュール11により生じた蒸気は、並列(連接)を経て、高圧シリンダ21と低圧シリンダ22に順番に送入されて仕事をし、発電機14を駆動する。仕事をした湿り蒸気は、復水器23で放熱し、復水ポンプ24を経て、それから低圧加熱器25、脱気器26、給水ポンプ27と高圧加熱器28を経てから、蒸気発生器9に送入され、1回の熱力循環を完成する。

【0036】
図4は、本発明に係る高温ガス冷却原子炉の蒸気発電システムの実施例の別の一例の構造を示す図である。蒸気動力システムに蒸気を提供する前記システムは、閉鎖蒸気回路を形成するために首尾順次に接続されることにより、原子力蒸気供給システム、高圧シリンダ21、低圧シリンダ22、復水器23、復水ポンプ24、低圧加熱器25、脱気器26、給水ポンプ27及び高圧加熱器28を具備し、前記高圧シリンダ21と低圧シリンダ22との間に、蒸気再熱器15と中圧シリンダ29を順番に接続する。その中に、前記原子力蒸気供給システムは、上記のように、本発明の実施形態によるものである。

【0037】
本発明の前記実施例は、再熱原子力蒸気供給システムモジュールを専用して再熱蒸気を提供する発電循環の案である。特別に一個或は複数の再熱原子力蒸気供給システムモジュール11を設置し、蒸気再熱器15を配備して、蒸気に再熱を施す。複数のNSSSモジュール11により生じた蒸気は、並列(連接)を経て、高圧シリンダ21に入り込んで仕事をして、高圧シリンダ21から流出した蒸気は、特別に設置された蒸気再熱器15に入り込んで加熱され、その後、中圧シリンダ29と低圧シリンダ22に順番に入り込んで仕事をして、発電機14を駆動する。仕事をした湿り蒸気は、復水器23で放熱し、復水ポンプ24を経て、さらに低圧加熱器25、脱気器26、給水ポンプ27と高圧加熱器28を経てから、蒸気発生器9に送入され、1回の熱力循環を完成する。

【0038】
図5は、本発明に係る高温ガス冷却原子炉の蒸気発電システムの実施例の別の一例の構造を示す図である。蒸気動力システムに蒸気を提供する前記システムは、閉鎖蒸気回路を形成するために首尾順次に接続されることにより、原子力蒸気供給システム、高圧シリンダ21、低圧シリンダ22、復水器23、復水ポンプ24、低圧加熱器25、脱気器26、給水ポンプ27及び高圧加熱器28を具備し、前記高圧シリンダ21と低圧シリンダ22との間に、蒸気再熱器15と中圧シリンダ29を順番に接続する。前記高圧加熱器28の出口は前記蒸気再熱器15の初期加熱部に接続し、且つ前記発生器9の入口は前記蒸気再熱器15の初期加熱部に接続する。その中に、原子力蒸気供給システムは、上記のように、本発明の実施形態によるものである。

【0039】
本発明の前記実施例は、前の実施例の改良型である。特別に1個或いは複数の再熱原子力蒸気供給システムモジュール11を設置して、配備された蒸気再熱器15は、蒸気に再熱を施す以外、給水に初期加熱を施すこともできる。初期加熱された給水は、蒸発NSSSモジュール11に入り込んで、更に加熱される。複数のNSSSモジュール11により生じた蒸気は、並列(連接)を経て、高圧シリンダ21に入り込んで仕事をして、高圧シリンダ21から流出した蒸気は、特別に設置された蒸気再熱器15に入り込んで加熱され、その後、中圧シリンダ29と低圧シリンダ22に順番に入り込んで仕事をして、発電機14を駆動する。仕事をした湿り蒸気は、復水器23で放熱し、復水ポンプ24を経て、さらに低圧加熱器25、脱気器26、給水ポンプ27と高圧加熱器28を経てから、蒸気再熱器15の初期加熱部に送入され、1回の熱力循環を完成する。

【0040】
図6は、本発明に係る高温ガス冷却原子炉の蒸気発電システムの実施例のもう一例の構造を示す図である。蒸気動力システムに蒸気を提供する前記システムは、閉鎖蒸気回路を形成するために首尾順次に接続されることにより、原子力蒸気供給システム、高圧シリンダ21、低圧シリンダ22、復水器23、復水ポンプ24、低圧加熱器25、脱気器26、給水ポンプ27及び高圧加熱器28を具備し、前記高圧シリンダ21の出口は、蒸気発生器9の再加熱部に接続され、その中に、原子力蒸気供給システムは、上記のように、本発明の実施形態によるものである。

【0041】
本発明の前記実施例は、炉内再熱による蒸気発電循環ソリューションである。複数のNSSSモジュール11により生じた蒸気は、並列(連接)を経て、高圧シリンダ21に入り込んで仕事をして、高圧シリンダ21から流出した蒸気は、再び蒸気発生器9の再熱器部に入り込んで加熱され、その後、中圧シリンダ29と低圧シリンダ22に順番に入り込んで仕事をして、発電機14を駆動する。仕事をした湿り蒸気は、復水器23で放熱し、復水ポンプ24を経て、さらに低圧加熱器25、脱気器26、給水ポンプ27と高圧加熱器28を経て、蒸気発生器9に送入され、1回の熱力循環を完成する。

【0042】
図7は、本発明に係る高温ガス冷却原子炉の蒸気発電システムの実施例のもう一例の構造を示す図である。蒸気動力システムに蒸気を提供する前記システムは、閉鎖蒸気回路を形成するために首尾順次に接続されることにより、原子力蒸気供給システム、高圧シリンダ21、低圧シリンダ22、復水器23、復水ポンプ24、低圧加熱器25、脱気器26、給水ポンプ27及び高圧加熱器28を具備し、前記高圧シリンダ21は、再熱器30及び中圧シリンダ29にそれぞれ接続し、前記中圧シリンダ29の出口は再熱器30に接続し、前記再熱器30は前記低圧シリンダ22に接続する。その中に、原子力蒸気供給システムは、上記のように、本発明の実施形態によるものである。再熱器15はヘリウムガス‐蒸気再熱器であり、前記再熱器30は蒸気‐蒸気再熱器である。

【0043】
本発明の前記実施例は、炉外再熱蒸気による発電循環の案である。複数のNSSSモジュール11により生じた蒸気は、並列(連接)を経て、高圧シリンダ21に入り込んで仕事をして、高圧シリンダ21から流出した蒸気の一部は、中圧シリンダ29に入り込んで仕事をし、もう一部は再熱器30に入り込んで中圧シリンダ29の出口の蒸気に加熱を施す。加熱された蒸気は、再び低圧シリンダ22に入り込んで仕事をして、発電機14を駆動する。仕事をした湿り蒸気は、復水器23で放熱し、復水ポンプ24を経て、さらに低圧加熱器25、脱気器26、給水ポンプ27と高圧加熱器28を経て、蒸気発生器9に送入され、1回の熱力循環を完成する。

【0044】
モジュール型ペブルベッド高温ガス冷却原子炉は、経済性の面に次の利点がある。(1)炉心出口温度が高く、それに対応して、発電効率が比較的高い。(2)運転を行いながら燃料を交換でき、比較的高い発電所稼働率。(3)緊急炉心冷却装置を必要とせず、システムが簡素化になる。(4)モジュール化に製造。(5)本発明に推薦された「複数の原子力蒸気供給システム(NSSS)モジュール対1機」の提案を使用すると、発電機セットの出力規模を向上させ、経済性を更に向上させる。

【0045】
モジュール型高温ガス冷却原子炉の単一のNSSSモジュールの熱出力は、一般的に200-600MWの範囲であり、それに対応する電気出力は、一般的に十数万kWであるが、蒸気タービン発電機セットの電気出力は百万kWレベルに達する。蒸気タービンの入力仕事率の需要に応じて、複数のNSSSモジュールを並列して1台のタービンセットと配置し、すなわち「複数のNSSS対1機」を採用することにより、モジュール型高温ガス冷却原子炉と高出力蒸気器セットの協力を実現できる。NSSSモジュールのバッチコピーの形式で規模効果を実現する。

【0046】
高温ガス冷却原子炉の「高温」特性を十分に利用し、超臨界蒸気循環を実現し、発電効率を向上させる。高温ガス冷却原子炉技術と従来の普通に使われている蒸気出力循環超臨界発電技術とを結合するのは、最も実現の可能性がある超臨界循環原子力発電所である。高温ガス冷却原子炉は、高品質の「ボイラー」として、900℃を超える熱源を提供し、超臨界蒸気出力循環技術と協力することができ、他の炉型の発電効率を超えることを実現する。同じ容量の常規の化石燃料発電所と比べても、高温ガス冷却原子炉一次回路は、閉鎖式であるため、排気損失がなく、超臨界火力発電所より高い効率を達するポテンシャルがある。

【0047】
上記は、本発明の好ましい実施形態のみであり、当業者にとって、本発明の技術原理を逸脱しない場合、若干に改善と変形をすることが可能であり、またこれらの改善と変形も本発明の保護範囲と見なされるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、原子炉1基の炉心と単一の圧力容器が蒸気発生器1基とが協力することにより、標準モジュールとして、原子力蒸気供給システム(NSSS)モジュールを形成する。NSSSモジュールがコピーされ、共同で大型蒸気タービン発電システム1基に蒸気を提供する。すなわち、複数のNSSSモジュールがタービン1基に配備し、「複数のNSSSモジュール対1機」の配置モードを実現する。比較的に小さい規模の単一のモジュールは製造の難しさを減少でき、NSSSモジュールはバッチコピーのため、コストを低下させる。また、NSSSモジュールは、いくらかの補助システムを共有するから、補助システムの利用率を向上させ、コストを更に低下させる。一箇所の発電所内に、複数の「複数のNSSSモジュール対1機」の発電機セットを配置することもでき、発電所の補助施設をさらに共有し、建造と運営のコストを低下させる。このように、原子炉の固有の安全性を確保し、この固有の安全性によりシステムに対して簡素化を施す。その一方、バッチコピー、補助システムの共有、規模効果により、蒸気器システムと全発電所等他のシステムの規模経済性を確保する。
【符号の説明】
【0049】
1 原子炉
2 炉心
3 冷ヘリウムガス流路
4 熱ヘリウムガス流路
5 炉心頂部
6 炉心底部
7 高温高圧蒸気
8 二次回路水
9 蒸気発生器
10 主ヘリウム送風機
11 NSSSモジュール
12 原子力発電所補助システム
13 蒸気動力システム
14 発電機
15 蒸気再熱器
21 高圧シリンダ
22 低圧シリンダ
23 復水器
24 復水ポンプ
25 低圧加熱器
26 脱気器
27 給水ポンプ
28 高圧加熱器
29 中圧シリンダ
30 再熱器
32 熱気チューブ
33 燃料要素
図面
【図2】
0
【図3】
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【図4】
2
【図5】
3
【図6】
4
【図7】
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【図1】
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