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明細書 :ガントリーレスCT装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5925752号 (P5925752)
公開番号 特開2014-130139 (P2014-130139A)
登録日 平成28年4月28日(2016.4.28)
発行日 平成28年5月25日(2016.5.25)
公開日 平成26年7月10日(2014.7.10)
発明の名称または考案の名称 ガントリーレスCT装置
国際特許分類 G01N  23/04        (2006.01)
FI G01N 23/04 320
請求項の数または発明の数 19
全頁数 10
出願番号 特願2013-257140 (P2013-257140)
出願日 平成25年12月12日(2013.12.12)
優先権出願番号 201210581712.8
優先日 平成24年12月27日(2012.12.27)
優先権主張国 中華人民共和国(CN)
審査請求日 平成25年12月12日(2013.12.12)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503414751
【氏名又は名称】同方威視技術股▲分▼有限公司
【識別番号】502192546
【氏名又は名称】清華大学
【氏名又は名称】Tsinghua University
発明者または考案者 【氏名】張 金宇
【氏名】唐 虎
【氏名】段 占軍
【氏名】張 麗
【氏名】趙 自然
個別代理人の代理人 【識別番号】100101454、【弁理士】、【氏名又は名称】山田 卓二
【識別番号】100081422、【弁理士】、【氏名又は名称】田中 光雄
【識別番号】100132241、【弁理士】、【氏名又は名称】岡部 博史
審査官 【審査官】比嘉 翔一
参考文献・文献 特表平11-500229(JP,A)
特表2005-534009(JP,A)
特開2005-110722(JP,A)
特表2011-503584(JP,A)
特開2009-128363(JP,A)
調査した分野 G01N 23/00-23/227
JSTPlus(JDreamIII)
特許請求の範囲 【請求項1】
走査通路と、
複数の放射線射出点を含み、走査通路を囲んで配置される固定式X線源と、
走査通路を囲んで配置されるとともに、X線源に対向して配置される固定式の複数の探知器モジュールと、を含み、
走査通路と交差する平面において観察するとき、複数の探知器モジュールのうちの第1の探知器モジュール群は第1の方向に並べられ、第2の探知器モジュール群は第2の方向に並べられ、第1の方向および第2の方向は略L形に配置され、
第1の探知器モジュール群の放射線受信面の中点連結線は第1の直線を形成し、第2の探知器モジュール群の放射線受信面の中点連結線は第2の直線を形成し、走査通路と交差する平面において観察するとき、第1および第2の直線が一点で交差し、
第1の探知器モジュール群の放射線受信面は、第1の方向に対して傾斜するとともに、X線源に実質的に向いており、第2の探知器モジュール群の放射線受信面は、第2の方向に対して傾斜するとともに、X線源に実質的に向いている、ガントリーレスCT装置。
【請求項2】
走査通路と交差する平面において観察するとき、前記X線源の複数の放射線射出点のうちの少なくとも一部は、略直線形または折れ線形に配置される、請求項1に記載のガントリーレスCT装置。
【請求項3】
略直線形または折れ線形に配置される放射線射出点における始末端放射線射出点と走査通路中心との連結線のなす角と、略L形に配置される探知器モジュールにおける始末端探知器モジュールと走査通路中心との連結線のなす角の和は180度より大きい、請求項2に記載のガントリーレスCT装置。
【請求項4】
前記X線源の複数の放射線射出点から射出される放射線ビームは、被検体が走査通路に沿って進行する方向に垂直である、若しくは走査通路に垂直である、又は物体の前進方向若しくは走査通路に対して傾斜している、請求項1に記載のガントリーレスCT装置。
【請求項5】
前記X線源の複数の放射線射出点から射出される放射線ビームは、探知器モジュールの放射線受信面と同じ平面内にある、請求項1に記載のガントリーレスCT装置。
【請求項6】
複数の放射線射出点から射出された放射線が放射線受信面の間を通過しないように、探知器モジュールの放射線受信面は首尾隣接される、請求項1に記載のガントリーレスCT装置。
【請求項7】
前記X線源の複数の放射線射出点と前記複数の探知器モジュールの受信面とは同一平面に配置され、且つ放射線ビームの方向が対応の探知器モジュールの受信面に略垂直である、請求項1に記載のガントリーレスCT装置。
【請求項8】
それぞれの探知器モジュールは、X線源の複数の放射線射出点のうちの少なくとも1つから射出される放射線を受信できる、請求項1に記載のガントリーレスCT装置。
【請求項9】
前記X線源の複数の放射線射出点と前記複数の探知器モジュールのうちの、対応する放射線射出点と探知器モジュールとは同一平面に配置される、請求項1に記載のガントリーレスCT装置。
【請求項10】
走査通路の方向において、前記複数の放射線射出点は少なくとも一列に配置される、請求項1に記載のガントリーレスCT装置。
【請求項11】
前記複数の放射線射出点と前記探知器モジュールの間に配置され、放射線ビームエネルギーを調整するフロントコリメータをさらに含む、請求項1に記載のガントリーレスCT装置。
【請求項12】
前記フロントコリメータは校正格子である、請求項11に記載のガントリーレスCT装置。
【請求項13】
前記フロントコリメータから探知器モジュールの受信面までの距離は、校正格子から放射線射出点までの距離より大きい、請求項11又は12に記載のガントリーレスCT装置。
【請求項14】
前記フロントコリメータから探知器モジュールの受信面までの距離は、校正格子から放射線射出点までの距離の5倍以上である、請求項11又は12に記載のガントリーレスCT装置。
【請求項15】
前記校正格子形状はフィッティング曲線状である、請求項12に記載のガントリーレスCT装置。
【請求項16】
前記X線源がカーボンナノチューブX線源である、請求項1に記載のガントリーレスCT装置。
【請求項17】
前記X線源が、X線を間隔順序で又は連続的に射出する複数の放射線射出点を含む、請求項1に記載のガントリーレスCT装置。
【請求項18】
前記X線源の放射線射出点は、L形、U形、半円形、円弧形、放物線形又は曲線形に配置される、請求項1に記載のガントリーレスCT装置。
【請求項19】
前記探知器モジュールは、エリアアレイ式探知器又はリニア探知器である、請求項1に記載のガントリーレスCT装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明はガントリーレスCT装置に関し、特に安全検査用のガントリーレスCT装置に関する。
【背景技術】
【0002】
CT技術が物質密度識別において優れた性能を有するため、安全検査システムにおけるCT技術の応用は広がっている。CT技術は、異なる角度のデータを採集してデータ再建を行なう必要がある。伝統的な解決方法としては、一定の速度で回転するスリップリングシステムを用い、異なる角度のX線透視データを採集して再建を行なう。回転部品の出現は、設備の構造が複雑であり、運転騒音が大きく、設備の体積が大きく、ランニング及びメンテナンスのコストが高いことを招来する。近年、X線源技術の発展につれて、特にカーボンナノ技術に基づく多点X線源の出現は、異なる角度からデータ再建を行なう新たな構想をCT技術に提供している。
【0003】
一定の時系列を介して、カーボンナノX線源の放射線射出点のトリガーシーケンスを制御する。X線源の放射線射出点が十分に多く、探知器受信面のレイアウトが有効であり、射出及び受信のシーケンス制御が合理であれば、CTデータ再建の需要を満たす十分なデータ量を得ることができるため、回転するスリップリングシステムによらずにCT技術の再建を実現することができる。ガントリーレスCT技術の登場により、従来のCT技術が当面している複雑なデータ伝送問題は解決されるとともに、ランニング費用はより低く、信頼性はより高い。しかしながら、ガントリーレスCT技術が回転部品を取り消したため、CT設備の放射線源及び探知器のレイアウトはより高く要求される。如何にレイアウトを合理にすることも、各ガントリーレスCTメーカが当面する難題になっている。
【0004】
早期のガントリーレスCT技術が医療検査分野に多く応用されたため、検査の被走査対象は単一であり、且つ走査通路内における固定位置を保証し得る。したがって、最もよく見られるレイアウト方式としては、探知器のレイアウトが直線形または円弧形であり、複数点X線源の放射線射出点と探知器受信面との相対運動によって、異なる角度の方向におけるCT再建データを取得する。早期のガントリーレスCTシステムを比較すれば分かる通り、直線形レイアウトにしても円弧形レイアウトにしても、走査通路のX線源及び探知器のレイアウトに対する影響、即ち、如何に小寸法の条件で十分に大きい走査通路を保証するかを総合的に考慮していない。したがって、安全検査分野に応用される場合、ガントリーレスCT設備は全体の寸法が大きく、検査速度が遅く、安全検査分野における快速検査のガントリーレスCT設備の敷地面積に対する需要を満足することができない。安全検査分野において、走査通路の大きさと走査速度は、検査効果に影響する2つの重要要素である。したがって、安全検査CT設備の走査通路は、医療用CT設備より明らかに大きいとともに、速度は医療用CTシステムより明らかに高い。また、安全検査設備の多くは公共地域に配置されるため、設備自体の輻射防護に対して高く要求する。これらは、安全検査設備の設計に多くの厳しい要求をもたらした。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、例えば小さい体積を有することによって、敷地面積を減少することができるガントリーレスCT装置を提供することである。
【0006】
本発明の1つの面によると、本発明はガントリーレスCT装置を提供し、該ガントリーレスCT装置は、走査通路と、複数の放射線射出点を含み、走査通路を囲んで配置される固定式X線源と、走査通路を囲んで配置されるとともに、X線源に対向して配置される固定式の複数の探知器モジュールと、を含む。
【0007】
本発明の1つの面によると、走査通路と交差する平面において観察するとき、前記複数の探知器モジュールのうちの少なくとも一部の探知器モジュールは、略L形に配置される。前記平面は走査通路に略垂直である、又は前記平面は走査通路に対して傾斜している。
【0008】
本発明の1つの面によると、走査通路と交差する平面において観察するとき、前記X線源の複数の放射線射出点のうちの少なくとも一部は、略直線形または折れ線形に配置される。前記平面は走査通路に略垂直である、又は前記平面は走査通路に対して傾斜している。
【0009】
本発明の1つの面によると、略直線形または折れ線形に配置される放射線射出点における始末端放射線射出点と走査通路中心との連結線のなす角と、略L形に配置される探知器モジュールにおける始末端探知器モジュールと走査通路中心との連結線のなす角の和は180度より大きい。これにより、データ採集システムは十分な走査データを取得し得る。
【0010】
本発明の1つの面によると、前記X線源の複数の放射線射出点から射出される放射線ビームは、被検体が走査通路に沿って進行する方向に垂直である、若しくは走査通路に垂直である、又は物体の前進方向若しくは走査通路に対して傾斜している。
【0011】
本発明の1つの面によると、前記X線源の複数の放射線射出点から射出される放射線ビームは、探知器モジュールの放射線受信面と同じ平面内にある。
【0012】
本発明の1つの面によると、複数の放射線射出点から射出された放射線が放射線受信面の間を通過しないように、探知器モジュールの放射線受信面は首尾隣接される。
【0013】
本発明の1つの面によると、走査通路と交差する平面において観察するとき、探知器受信モジュールの放射線受信面の中点連結線は2本の直線を形成し、且つ2本の直線が一点で交差する。前記平面は走査通路に略垂直である、又は前記平面は走査通路に対して傾斜している。
【0014】
本発明の1つの面によると、前記X線源の複数の放射線射出点と前記複数の探知器モジュールの受信面とは同一平面に配置され、且つ放射線ビームの方向が対応の探知器モジュールの受信面に略垂直である。前記平面は走査通路に略垂直である、又は前記平面は走査通路に対して傾斜している。
【0015】
本発明の1つの面によると、それぞれの探知器モジュールは、X線源の複数の放射線射出点のうちの少なくとも1つから射出される放射線を受信できる。
【0016】
本発明の1つの面によると、前記X線源の複数の放射線射出点と前記複数の探知器モジュールのうちの、対応する放射線射出点と探知器モジュールとは同一平面に配置される。前記平面は走査通路に略垂直である、又は前記平面は走査通路に対して傾斜している。
【0017】
本発明の1つの面によると、走査通路の方向において、前記複数の放射線射出点は少なく一列に配置される。
【0018】
本発明の1つの面によると、前記ガントリーレスCT装置は、前記複数の放射線射出点と前記探知器モジュールの間に配置され、放射線ビームエネルギーを調整するフロントコリメータをさらに含む。
【0019】
本発明の1つの面によると、前記フロントコリメータは校正格子である。
【0020】
本発明の1つの面によると、前記フロントコリメータから探知器モジュールの受信面までの距離は、校正格子から放射線射出点までの距離より大きい。
【0021】
本発明の1つの面によると、前記フロントコリメータから探知器モジュールの受信面までの距離は、校正格子から放射線射出点までの距離の5倍以上である。
【0022】
本発明の1つの面によると、前記校正格子形状はフィッティング曲線状である。
【0023】
本発明の1つの面によると、前記X線源はカーボンナノチューブX線源である。
【0024】
本発明はカーボンナノX線源を用いることができ、X線源と探知器モジュールのレイアウトを合理にすることにより、伝統的なガントリーレスCT装置の構造が複雑であり、体積が膨大である欠点を克服し、CT安全検査設備の小型化を実現し、敷地面積を減少し、安全検査現場におけるガントリーレスCTシステムの応用性を向上させた。
【0025】
本発明のカーボンナノX線源に基づくガントリーレスCTシステムは、カーボンナノ源の射出制御及び探知器アームフレームのレイアウト最適化によって、設備の幅寸法が小さい条件でガントリーレスCTに必要の十分なデータを取得することを保証し、ガントリーレスCT設備の敷地を小さくし、設備コストを低減する目的を達する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施例によるガントリーレスCT装置の模式図
【図2】本発明の実施例による放射線源、探知器及びフロントコリメータの配置模式図
【図3】本発明の実施例による放射線源及び探知器の配置模式図

【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、図面及び具体的な実施形態を結合しながら、本発明をさらに説明する。
【0028】
図1~3に示すように、本発明の実施例によると、ガントリーレスCT装置は、走査通路4と、複数の放射線射出点71を含む固定式X線源7と、探知器アームフレーム5に取付けられた固定式の複数の探知器モジュール10とを含み、探知器アームフレーム5はX線源7に対向して配置される。走査通路4と交差するにおいて(該平面は走査通路に略垂直である、又は該平面は走査通路に対して傾斜している)観察するとき、探知器モジュール10は略L形に配置され、即ち明らかな横アーム13と縦アーム11を有し、且つ横アーム13と縦アーム11が互いに切れずに接続している。X線源7の放射線射出点71と探知器アームフレーム5又は探知器モジュール10とで形成された平面は、走査通路4若しくは搬送装置1の進行方向に略垂直である、又は、走査通路4若しくは搬送装置1の進行方向に対して傾斜している。複数の放射線射出点71と探知器アームフレーム5又は探知器モジュール10は、走査通路4を囲んで配置される。図示のように、1種の好ましい実施例において、該ガントリーレスCT装置は、被検体が走査通路を進出することを探知するための光電センサーシステム3と、採集制御ユニット6と、コンピュータ再建ユニット8と、被検体2を搬送するための搬送装置1とをさらに含む。
【0029】
X線源7は、複数のX線射出点71を有するナノチューブX線源であってもよい。また、X線源7は、複数の制御可能な放射線射出点を含めば、ほかの適切なX線源であってもよい。X線源7の複数の放射線射出点はリニア配列を呈し、直線形(図1に示す)または折れ線形(図3に示す)に配置されてもよい。X線射出点71から射出される放射線の方向は、走査通路4又は搬送装置1の進行方向に略垂直である、或いは、走査通路4又は搬送装置1の進行方向に対して傾斜している。且つ、X線射出点71は探知器モジュール10の受信面と同一平面内にあってもよい。
【0030】
図2に示すように、X線源7から射出される全ての扇形X線ビームは走査通路4中の有効走査領域15を充満することができ、遮蔽死角がない。X線源7のそれぞれの放射線射出点71のX線射出ビームは採集制御ユニット6によって制御され、X線射出点71の射出時間、間隔及び強度は調整可能である。放射線射出点71は、間隔又は連続的に制御されて触発されることができる。X線源7の始端放射線射出点9及び末端放射線射出点17と走査通路4の(横断面の)中心Cとの連結線のなす角はβであり、複数の探知器モジュール10における始/末端探知器モジュール10と通路の(横断面の)中心Cとの連結線のなす角はαであり、且つβとαの和が180度より大きい。
【0031】
図2に示すように、探知器アームフレーム5は横アーム13と縦アーム11を含み、探知器横アームと探知器縦アームは切れずに交差している。探知器横アーム13上における探知器受信モジュール10の放射線受信面の中点は一直線に位置し、探知器縦アーム11上における探知器受信モジュール10の放射線受信面の中点は別の一直線に位置し、且つこの2つの直線が一点で交差している。複数の放射線射出点71から射出される放射線は、探知器アームフレーム5間を通過することができない。X線射出点71から射出される放射線の平面内において、探知器モジュール10は切れずに首尾接続されている。即ち、全てのX線点から射出される放射線は探知器の受信面を経過しなければならない。図示の探知器モジュール10はリニア探知器からなってもよく、エリアアレイ式探知器からなってもよい。
【0032】
図2に示すように、走査通路4に交差する平面において観察するとき、放射線射出点71はリニア配列を呈し、直線形(図2に示す)または折れ線形(図3に示す)に配置されてもよい。十分な断層走査データを得て再建を行なうために、放射線射出点における始末端放射線射出点9、17と通路中心C(通路横断面の中心)との連結線のなす角βと、探知器モジュールにおける始末端探知器モジュールと通路中心Cとの連結線のなす角αの和は180度より大きい。図3において、X線源から射出される放射線方向は、走査通路4又は搬送装置1の進行方向に略垂直である、或いは、走査通路4又は搬送装置1の搬送方向に対して傾斜している。且つ、放射線方向は探知器受信平面の方向と一致している。
【0033】
探知器アームフレーム5において、探知器モジュール10は、X線源7の複数の放射線射出点71における少なくとも一部からの放射線を受信することができる。これら放射線において、受信面に垂直であるものもあるし、受信面に対して傾斜するものもある。
【0034】
図2に示すように、走査通路4に交差する平面において観察するとき、放射線射出点71は一列に配列され、探知器モジュール10は一列に配置され、放射線の射出ビーム方向は、走査通路4又は搬送装置1の搬送方向に略垂直である、或いは、走査通路4又は搬送装置1の搬送方向に対して傾斜している。荷物搬送システムの進行方向において、探知器受信面は一列又は複数列に配列されてもよい。複数列に配列された場合、相応のフロントコリメータは複数列構造である必要がある。
【0035】
図2に示すように、本発明によるガントリーレスCT装置は、放射線ビームの量を制御するフロントコリメータ16をさらに含み、該フロントコリメータ16は複数の放射線射出点71と複数の探知器モジュール10との間に配置される。フロントコリメータ16は、フィッティング曲線状の校正格子又はほかの適切な校正格子であってもよい。フロントコリメータ16から探知器モジュール10の受信面までの距離は、放射線射出点71からフロントコリメータ16までの距離の5倍以上である。
【0036】
図3に示すガントリーレスCT装置において、探知器アームフレーム5はL形構造であり、又は探知器モジュール10は略L形に配置され、X線源7の放射線射出点71は折れ線形配置であってもよく、且つ放射線射出点71における始末端放射線射出点9、17と通路中心Cとの連結線のなす角βと、探知器モジュール10における始末端探知器モジュール10と通路中心Cとの連結線のなす角αの和は180度より大きい。選択的には、探知器モジュール10は、例えば半円形、U形、円弧形、放物線形、曲線形などのようなほかの形状に配置されてもよい。X線源7の放射線射出点71も、L形、U形、半円形、円弧形、放物線形、曲線形などに配置されてもよい。
【0037】
一定の時間帯内において、探知器アームフレーム5上の探知器モジュール10に到達したX線エネルギーは、X線源7の単一放射線射出点71からきてもよく、X線源7のいくつかの放射線射出点71の組み合わせからきてもよい。X線源7の異なる放射線射出点71から射出されるX線の強度を、プログラムによって制御することができる。X線源7の放射線射出点の数量、探知器横アーム及び縦アームの大きさは、走査通路4内の有効走査領域15の大きさと関係がある。全ての放射線射出点71から射出されるX線ビームは走査通路4をカバーする。
【0038】
X線射出点71のトリガー方式は、ガントリーレスCT装置の採集制御方式と関係がある。単一放射線射出点71のトリガーは、ガントリーレスCT装置の採集制御ユニット6によって制御される。採集制御ユニット6のコマンドでは、X線源7の放射線射出点71はX線を順に射出することができ、放射線射出点の射出間隔、周波数は採集制御ユニット6のコマンドに支配される。
【0039】
本発明のガントリーレスシステムにおいて、採集制御ユニット6はCanバスを介して制御し、X線源7に対する制御及び探知器モジュール10に対する制御を含む。被検荷物2が光電センサーシステム3を触発した場合、コンピュータシステム8は制御コマンドをプロトコルを介して採集制御ユニット6に伝達し、探知器モジュール10の採集開始を要求し、制御ユニットは採集制御ユニット6のコマンドを解析することにより、採集開始のコマンドを発布し、採集データに対して伝送及びミス訂正を行い、探知器モジュール10の採集したデータをコンピュータ再建ユニット8に伝送する。
【0040】
コンピュータ再建ユニット8は、ガントリーレスCT装置のデータの解析、再構築及び特徴識別を実現する重要なデバイスである。採集されたデータがコンピュータ再建ユニット8に伝送された場合、コンピュータ再建ユニット8はまずデータパッケージのフォーマットに基づいてデータを分類し、データの由来を確定し、走査領域内の被走査荷物に基づく特徴マトリックスを建ててから、特徴マトリックスにおける対応の特徴値を求め、データベースにおける特異物質の特徴値と対比することにより、該物質が特別に注意すべく物質であるか否かを取得し、さらに警報するか否かのヒントを与える。
【0041】
走査通路4は、被走査荷物2を搬送して進行させる通路を提供するとともに、余計X線の遮蔽壁として作用する。遮蔽壁は輻射防止の材料からなり、該輻射防止の材料は鉛又は鋼材のような重金属であってもよい。
【0042】
検査過程において、被検荷物2は一定の速度で搬送装置1のコンベアを介して走査通路4内に運送させる。被検荷物2が光電センサーシステム3又は光電センサ3を触発した時、X線源7は射出ビーム準備の状態に入り、荷物2が走査有効領域15内に入った場合、採集制御ユニット6はX線源7の放射線射出点71を操縦制御して予定の時系列に従って電子ビームを射出し、X線を連続的に又は間隔を持って発生させる。同時に、採集制御ユニット6は採集開始のコマンドを発布し、探知器モジュール10の対応位置はデータ採集を開始するとともに、採集されるデータの時間点及び探知器モジュール10の位置点を記録する。採集されたデータを専用ケーブル(例えば光ファイバー)を介してコンピュータ再建ユニット8に伝送し、コンピュータ再建ユニット8によって、同一時間内の放射線射出点を制御する指令情報と採集されたデータ情報を比較することにより、校正及びデータ処理を行ってから、相応位置のデータを再建し、被走査荷物2の物質特性に基づくマトリックスを建てる。コンピュータ再建ユニット8における計算モジュールによって逆向きに解を求め、対応位置における被走査荷物2の物質の1種以上の物質特性を取得し、断層位置内における物質特性データを建てる。荷物2が一定の速度で移動することにつれて、コンピュータ再建ユニット8は荷物全体の物質特性データを逐層に取得し、専用の識別算法によって断層データ特性を集中分析して判定し、従来データベースにおける物質特性表と比較し、被走査荷物2にユーザの関心を持つ特異物質が含まれるか否かという結論を取得し、且つコンピュータシステムに接続されたディスプレイを介して表示させる。
【0043】
本発明において、X線源7の放射線射出点71の位置変換を用い、放射線射出点と走査採集領域を変換することにより、異なるシーケンスでの被走査荷物の採集データを取得する。さらに、伝統的なコンピュータ断層走査技術(即ちCT技術)を用い、被走査物体、又は探知器やX線源を回転させずに、被走査荷物に対する断層走査を実現する。
【0044】
コンピュータ再建の過程において、コンピュータの断層データを再建する精度は、被走査荷物を観察した角度と関係がある。本発明は、カーボンナノ材料に基づくX線源を用いることができる。一定の長さ範囲内において、放射線射出点間の間隔は同じであってもよい。採集制御ユニット6によってプログラム制御を行なうことができる。放射線射出点が放射線を射出する順序は、直線に沿って配列されてもよく、折れ線に沿って配列されてもよい。探知器はリニア探知器とエリアアレイ式探知器に分けられることができ、コストとシステム識別精度の問題を最大限に解決することができる。
【0045】
一般の場合、被走査荷物は、一定の速度で走査領域を通過する。走査に対する要求が高い場合、被走査物質は走査領域内において静止を保持し、そして一旦移動し、走査が完成するまで静態走査を継続することもできる。コンピュータシステムは、荷物断層の物質特性を識別することにより物質を区分する。物質を識別する過程において、システムは、密度や原子番号のような少なくとも1種の物質特性を含むべきである。
【0046】
本発明のガントリーレスCT装置は、安全検査分野内におけるCT技術の応用を十分に考慮し、走査通路、カーボンナノ放射線源及び探知器システムを総合的に考慮することにより、ガントリーレスCTシステムの設備が膨大であり、採集精度が低い問題を解決し、CT技術の快速化及び小型化を実現した。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2