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明細書 :気化炉

発行国 日本国特許庁(JP)
公表番号 特表2014-507534 (P2014-507534A)
公報種別 特許公報(B2)
公表日 平成26年3月27日(2014.3.27)
特許番号 特許第5756534号 (P5756534)
登録日 平成27年6月5日(2015.6.5)
発行日 平成27年7月29日(2015.7.29)
発明の名称または考案の名称 気化炉
国際特許分類 C10J   3/48        (2006.01)
C10J   3/46        (2006.01)
FI C10J 3/48
C10J 3/46 M
請求項の数または発明の数 16
全頁数 13
出願番号 特願2013-554773 (P2013-554773)
出願日 平成23年2月24日(2011.2.24)
国際出願番号 PCT/CN2011/071278
国際公開番号 WO2012/113149
国際公開日 平成24年8月30日(2012.8.30)
審査請求日 平成25年9月17日(2013.9.17)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】506259634
【氏名又は名称】清華大学
【識別番号】513214022
【氏名又は名称】北京盈徳清大科技有限責任公司
発明者または考案者 【氏名】チャン、チエンション
【氏名】マー、ホンボー
【氏名】クー、ターティー
個別代理人の代理人 【識別番号】110000729、【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
審査官 【審査官】平塚 政宏
参考文献・文献 国際公開第2011/075878(WO,A1)
中国特許出願公開第102134511(CN,A)
中国特許出願公開第101245263(CN,A)
中国実用新案第2887834(CN,Y)
中国実用新案第2563158(CN,Y)
国際公開第2011/012232(WO,A1)
特開昭58-122986(JP,A)
特開2003-226883(JP,A)
特表2013-515789(JP,A)
調査した分野 C10J 3/46
C10J 3/48
特許請求の範囲 【請求項1】
頂部と底部にそれぞれ外殻入口と外殻出口が形成される外殻と、
前記外殻の中に前記外殻との間に間隔を開けて設けられる内殻であって、当該内殻の内部に気化室が形成され、頂部と底部にそれぞれ前記外殻入口と前記外殻出口に対応する内殻入口と内殻出口が形成され、且つ冷却水入口と冷却水出口を有する膜式壁により構成される内殻と、
前記外殻入口と前記内殻入口を通じて前記気化室内に差し入れるように前記外殻と前記内殻の頂部に設けられるノズルと、
前記外殻の下部に接続する下殻であって、当該下殻の内部に、前記外殻出口と内殻出口を通じて前記気化室と貫通するスラグタップ室が形成され、その底部にスラグタップ口が設けられ、その上部の側壁に排気口が設けられる下殻と、
前記外殻出口を取り囲むように前記外殻の外底壁に接続される冷却器であって、冷却器入水口と冷却器排水口を有し、その内部に冷却通路が形成される冷却器と、
前記外殻の内底壁と前記内殻の間に設置される位置決め部と、
上端が前記冷却器に接続され、かつ下端が前記スラグタップ室内において下方に向かって延伸するガスチューブであって、当該ガスチューブの壁内に冷却水通路が設けられ、それぞれ前記冷却水通路と貫通する入水口と排水口が形成され、前記排水口は内周壁に分布するガスチューブと、
を備えることを特徴とする気化炉。
【請求項2】
前記内殻は、
環形で前記内殻入口を定める上部ヘッダと、
環形で前記内殻出口を定める下部ヘッダと、
並置されて上下方向に沿って延伸する複数の冷却管であって、各冷却管の両端がそれぞれ前記上部ヘッダと前記下部ヘッダと接続する複数の冷却管と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の気化炉。
【請求項3】
前記上部ヘッダと下部ヘッダは、いずれも環形管であることを特徴とする請求項2に記載の気化炉。
【請求項4】
前記内殻の冷却水入口は、前記内殻の下部に位置し、前記内殻の冷却水出口は、前記内殻の上部に位置することを特徴とする請求項1に記載の気化炉。
【請求項5】
前記外殻は、上部ヒータ、下部ヒータ及び両端がそれぞれ前記上部ヘッダと下部ヘッダと接続した直筒段を含むことを特徴とする請求項1に記載の気化炉。
【請求項6】
前記ガスチューブの下端は、前記下殻内の冷却水の液面下方まで延伸することを特徴とする請求項1に記載の気化炉。
【請求項7】
前記冷却器は、環形プレートであり、前記冷却器排水口は、前記環形プレートの円周方向に沿って延伸する環形の扁平スロットであることを特徴とする請求項1に記載の気化炉。
【請求項8】
前記冷却器は、環形プレートであり、前記冷却器排水口の開口方向は、水平方向において前記環形プレートの中心軸方向に向うまたはそれることを特徴とする請求項1に記載の気化炉。
【請求項9】
前記冷却器は、環形プレートであり、前記冷却器排水口の開口方向は、下に向けて傾斜し前記環形プレートの中心軸方向に向うまたはそれることを特徴とする請求項1に記載の気化炉。
【請求項10】
前記位置決め部は、
前記外殻出口を取り囲むように前記外殻の内底壁に取り付けられ、環形溝を定める環形トラフと、
上端が前記内殻の出口取り囲むように前記内殻の外底壁に取り付けられ、且つ下端が前記環形溝に挿し込んだ環形挿し板と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の気化炉。
【請求項11】
冷却スクリーンをさらに備え、前記冷却スクリーンは、冷却スクリーン通路と、それぞれ前記冷却スクリーン通路と貫通する冷却スクリーン入水口および冷却スクリーン排水口とを有し、前記冷却スクリーンの上端は、前記外殻の外底壁と接続し、前記ガスチューブの外面にセットされて前記ガスチューブとの間に排気空間を定め、前記排気口は、前記排気空間の上部と貫通することを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の気化炉。
【請求項12】
前記冷却スクリーンの下端が、前記下殻内の冷却水液面下方に位置し、前記ガスチューブの下端は、前記下殻内の冷却水液面上方に位置することを特徴とする請求項11に記載の気化炉。
【請求項13】
冷却スクリーンをさらに備え、前記冷却スクリーンは、冷却スクリーン通路とそれぞれ前記冷却スクリーン通路と貫通する冷却スクリーン入水口及び冷却スクリーン排水口を有し、前記冷却スクリーンの上端は、前記外殻の外底壁と接続し、且つ前記ガスチューブ内にセットされて前記ガスチューブとの間に排気空間を定め、前記排気口は、前記排気空間の上部と貫通することを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の気化炉。
【請求項14】
前記冷却スクリーンの下端は、前記下殻内の冷却水液面上方に位置し、前記ガスチューブの下端は、前記下殻内の冷却水液面下方に位置することを特徴とする請求項13に記載の気化炉。
【請求項15】
前記ガスチューブの内周壁に複数の前記排水口が形成され、当該複数の排水口は、上下方向および円周方向において分布されることを特徴とする請求項1に記載の気化炉。
【請求項16】
前記冷却器は、前記ガスチューブと一体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の気化炉。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、気化炉に関し、特に高灰融点の石炭を原料として用いられ、一酸化炭素と水素を含む粗製ガス(crude gas)を生産する石炭気化炉に関する。
【背景技術】
【0002】
伝統的な、石炭-水スラリーを原料とする気流層(entrained flow)石炭気化炉の内層は、通常に耐火煉瓦材料を使うため、原料の灰融点(FT)が1400℃を超えてはいけないので、石炭の種類の選択が限られた。例えば、GE会社の石炭-水スラリー用気化炉は、原料の灰融点(FT)が普通1350℃を超えはいけないと要求する。そのため、このような伝統的な気化炉は、使用する原料が限られ、安い石炭を広く利用することができなく、応用範囲が狭い。また、耐火煉瓦の製造、取り付け、メンテナンス及び交換がとても複雑で、時間と労力がかかる。また、伝統的な気化炉の冷却効果も悪く、コストが高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、上記の技術問題の少なくとも一つを解決することである。そのため、本発明の一つの目的は、石炭-水スラリーを原料とする従来の気化炉にある、燃料石炭の選択が灰融点に制限され、安い石炭を広く利用することができないとの問題を解決し、また、適応性が広く、環境にやさしい気化炉を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一つの実施例の気化炉は、頂部と底部にそれぞれ外殻入口と外殻出口が形成される外殻と、
前記外殻の中に前記外殻との間に間隔を開けて設けられる内殻であって、当該内殻の内部に気化室が形成され、頂部と底部にそれぞれ前記外殻入口と前記外殻出口に対応する内殻入口と内殻出口が形成され、且つ冷却水入口と冷却水出口を有する膜式壁により構成される内殻と、
前記外殻入口と前記内殻入口を通じて前記気化室内に差し入れるように前記外殻と前記内殻の頂部に設けられるノズルと、
前記外殻の下部に接続する下殻であって、当該下殻の内部に、前記外殻出口と内殻出口を通じて前記気化室と貫通するスラグタップ室が形成され、その底部にスラグタップ口が設けられ、その上部の側壁に排気口が設けられる下殻と、
前記外殻出口を取り囲むように前記外殻の外底壁に接続される冷却器であって、冷却器入水口と冷却器排水口を有し、その内部に冷却通路が形成される冷却器と、
前記外殻の内底壁と前記内殻の間に設置される位置決め部と、
上端が前記冷却器に接続され、かつ下端が前記スラグタップ室内において下方に向かって延伸するガスチューブであって、当該ガスチューブの壁内に冷却水通路が設けられ、それぞれ前記冷却水通路と貫通する入水口と排水口が形成されるガスチューブと、
を備える。
【0005】
本発明の気化炉によれば、気化室は、専用の膜式壁で構成される内殻によって構成されるので、気化室内の温度を高めることができ、よって高灰融点の石炭を原料として使用してガスを生産することができる。また、本発明の実施例の気化炉によれば、外殻の内底壁と内殻の間に設置した位置決め部は、耐火煉瓦と比べて、耐ガス浸食の機能がより強く、また交換も便利である。また、気化室から落下したガス、スラグを冷却する冷却器を設置したので、冷却効果が高められ、気化炉の使用寿命も長くなった。
【0006】
本発明の一部実施例において、前記内殻は、環形で前記内殻入口を定める上部ヘッダと、環形で前記内殻出口を定める下部ヘッダと、並置されて上下方向に沿って延伸する複数の冷却管であって、各冷却管の両端がそれぞれ前記上部ヘッダと前記下部ヘッダと接続する複数の冷却管と、を備える。
【0007】
本発明の気化炉によれば、内殻は、環形の上部ヘッダ、下部ヘッダ、および上部ヘッダと下部ヘッダの間に並置されて上下方向に沿って延伸する複数の冷却管によって構成されているので、内殻の製造がより簡単になった。
【0008】
本発明の一部実施例において、前記上部ヘッダと下部ヘッダは環形管である。よって、複数の冷却管の両端は、例えば、それぞれ上部ヘッダと下部ヘッダを半田付けで一体に便利に接続することができ、内殻の製造の便利性をさらに向上させた。
【0009】
本発明の一部実施例において、前記内殻の冷却水入口は、前記内殻の下部に位置し、前記内殻の冷却水出口は、前記内殻の上部に位置する。
【0010】
内殻の冷却水入口は内殻の下部に位置し、内殻の冷却水出口は内殻の上部に位置することにより、冷却水は内殻におけるスラグ及びほかの固体物と逆流させ、自然循環原理を利用して熱交換を行った後の水と蒸気の混雑物を上に向かって移動させることができ、内殻に対する冷却効果をより一層高めることができる。
【0011】
本発明の一部実施例において、前記外殻は、上部ヒータ、下部ヒータ及び両端がそれぞれ前記上部ヘッダと下部ヘッダと接続した直筒段を含む。
【0012】
そのため、例えば上部ヘッダ、直筒段、及び下部ヘッダを一体に溶接することができ、外殻製造の便利性をさらに高めることができる。
【0013】
本発明の一部実施例において、前記ガスチューブの下端は、前記下殻内の冷却水の液面下方に位置している。そのため、気化室からの気体は、下殻内の冷却水の中に入り、その後冷却水から出て、排気口を通じて排出され、その温度をさらに降下させる。
【0014】
本発明の一部実施例において、冷却器は、環形プレートであり、前記冷却器排水口は、前記環形プレートの円周方向に沿って延伸する環形の扁平スロットである。
【0015】
気化室からの多くの未熔融の炭殻及び未燃焼の石炭が冷却器を通過する際に、その環形の出口が浸食されてしまう。冷却器排水口は環形の扁平スロットであるため、環形の出口が浸食されたとしても、扁平スロットの形状に変化がなく、排水形態も変化がないので、気化炉の正常な運転を保つことができる。
【0016】
本発明の一部実施例において、前記冷却器は、環形プレートであり、前記冷却器排水口の開口方向は、水平方向において前記環形プレートの中心軸方向に向うまたはそれる。
【0017】
オプションとして、前記冷却器は、環形プレートであり、前記冷却器排水口の開口方向は、下に向けて傾斜し、前記環形プレートの中心軸方向に向うまたはそれる。
【0018】
このように、本発明の気化炉は、冷却器排水口の開口方向を改変することによって、便利に冷却効果を調整することができる。
【0019】
本発明の一部実施例において、前記位置決め部は、前記外殻出口を取り囲むように前記外殻の内底壁に取り付けられ、環形溝を定める環形トラフと、上端が前記内殻の取り囲むように前記内殻の外底壁に取り付けられ、且つ下端が前記環形溝に挿し込んだ環形挿し板とを有する。
【0020】
本発明の位置決め部によれば、構成が簡単で、製造また取り付けも便利で、使用寿命が長い。
【0021】
本発明の実施例において、気化炉は、さらに冷却スクリーンを備え、前記冷却スクリーンは、冷却スクリーン通路と、それぞれ前記冷却スクリーン通路と貫通する冷却スクリーン入水口および冷却スクリーン排水口とを有し、前記冷却スクリーンの上端は、前記外殻の外底壁と接続し、前記ガスチューブの外面にセットされて前記ガスチューブとの間に排気空間を定め、前記排気口は、前記排気空間の上部と貫通する。
【0022】
本発明の一部実施例において、前記冷却スクリーンの下端が、前記下殻内の冷却水液面下方に位置し、前記ガスチューブの下端は、前記下殻内の冷却水の液面上方に位置する。
【0023】
冷却スクリーンを設置し、且つガスチューブの下端が冷却水の液面上方に位置するようにすることにより、前記気化室で発生したガスが、排気空間に入って、ガスの温度が低減した。また、ガスが上昇過程において、冷却スクリーンによってさらに冷却することができ、そして冷却スクリーンによってガスの熱量を回収することができ、気化炉の熱効率を向上させた。
【0024】
本発明のその他の実施例において、気化炉は、さらに冷却スクリーンを備え、前記冷却スクリーンは、冷却スクリーン通路、とそれぞれ前記冷却スクリーン通路と貫通する冷却スクリーン入水口及び冷却スクリーン排水口を有し、前記冷却スクリーンの上端は、前記外殻の外底壁と接続し、且つ前記ガスチューブ内にセットされて前記ガスチューブとの間に排気空間を定め、前記排気口は前記排気空間の上部と貫通する。
【0025】
本発明の一部実施例において、前記冷却スクリーンの下端は、前記下殻内の冷却水液面上方に位置し、前記ガスチューブの下端は、前記下殻内の冷却水の液面下方に位置する。
【0026】
冷却スクリーンをガスチューブの中に設置することによって、排気口は、冷却スクリーンを横切る必要がないので、構成がより簡単になった。
【0027】
本発明の一部実施例において、前記ガスチューブの内周壁に複数の前記排水口が形成され、当該複数の排水口は、上下方向および円周方向において分布される。
【0028】
ガスチューブの内周壁に上下方向と円周方向において複数の排水口を分布することによって、スラグ、ガス、およびその他の固体物に対する冷却効果をより一層高めることができ、また、気化炉の変形も減少し、気化炉の使用寿命を長くした。
【0029】
本発明の一部実施例において、前記冷却器は、前記ガスチューブと一体に形成されている。よって、冷却器とガスチューブの製造が、さらに簡単になった。
【0030】
本発明の付加的方面及びメリットは、下の説明において部分的に出され、他の部分は、下の説明でより明瞭になるか、または、本発明の実践によって了解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本発明の上述又/或いは付加的方面とメリットは、下記の図面を参考した実施例に対する説明において、より明瞭になり、理解することが容易となる。その中で、
【図1】本発明の一つの実施例の気化炉の模式図である;
【図2】本発明のほかの一つの実施例の気化炉の模式図である;
【図3】本発明のもう一つの実施例の気化炉の模式図である;
【図4】図1~3に丸みAで示す部分の拡大模式図である;と
【図5】図1~3に丸みBで示す部分の拡大模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に、本発明の実施例を詳細に説明する。実施例の例は、図に示され、一貫して同様または類似の参照番号は、同一または類似の要素および同一または類似の機能を有する要素を示す。ここで、図面を参照して記述される実施形態は、説明のためのものであり、例示的なものであって、一般に本発明を理解するために用いられる。前記実施形態は、本発明を限定するために構成されるものではない。

【0033】
なお、本発明の説明にいて、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」などが示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づいて、本発明を便利にまたは簡単に説明するために使用される用語であり、示した装置または部品が必ず特定な方位を有し、特定な方位で構造または操作することを指示又は暗示することではないので、本発明に対する限定と理解してはいけない。

【0034】
なお、本発明の説明において、明確な規定と限定がない限り、用語「取り付け」、「互いに接続」、「接続」の意味は広く理解されるべきである。例えば、固定接続や、一体的な接続や、あるいは着脱可能な接続でも可能である。二つの部品の内部が貫通することも可能である。直接的に接続することや、中間媒体を介して間接的に接続することも可能である。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記表現の本発明中の具体的な意味を理解することができる。

【0035】
以下に、図面を参照して、本発明の実施例の気化炉を説明する。

【0036】
図1及び図4~図5に示すように、本発明の気化炉は、外殻100、内殻200、ノズル1、下殻300、冷却器9、位置決め部11及びガスチューブ10を備える。

【0037】
外殻100は、圧力を受ける殻体であり、外殻100の頂部と底部にそれぞれ外殻入口と外殻出口が形成される。内殻200は、外殻100の中に外殻100との間に間隔を開けて設けられ、よって、内殻200と外殻100の間に一つの空間が定められる。内殻200が外殻100の中に設置される方式は特に限定されないが、例えば、内殻200は、気化炉の外面にあるホルダーに掛けることができる。

【0038】
内殻200中に気化室が定められ、気化室内の圧力は、通常約0.1~9.0MPaである。内殻200の頂部と底部に、それぞれ前記外殻入口と前記外殻出口に対応する内殻入口と内殻出口が形成されている。例えば、内殻入口と外殻入口は、上下方向に整列され、内殻出口と外殻出口は、上下方向に整列されてもいい。内殻200は、膜式壁で構成され、当該膜式壁が、冷却水入口N2と冷却水出口N3を有する。そのため、外殻100内の耐火煉瓦を替えて、水で内殻200を冷却することができ、気化室の耐えられる温度を高くし、例えば1400℃以上に至ることができる。そのため、高灰融点の石炭を原料として使用し、一酸化炭素と水素を含有する粗製ガスを生産することができる。

【0039】
有利なように、専用な管路で内殻200と外殻100の間に定めた空間内に不活性ガスを供給することによって、気化室内で反応して生成したガスが前記空間に入ることを防止し、前記空間と気化室内の気圧のバランスを維持することができる。

【0040】
前記外殻入口と前記内殻入口を通じて前記気化室内に差し入れるように、ノズル1は、外殻100と内殻200の頂部に設けられる。換言すれば、ノズル1は、前記外殻入口と前記内殻入口内に取り付けられ、上端は、外殻100から伸び出して、下端は気化室内に差し入れる。例えば、ノズル1は、三つの入口N1a、N1b、N1cを有し、それぞれ気化室内に、石炭-水スラリーと、酸化剤を噴入するのに用いる。

【0041】
下殻300は、外殻100の下部と接続され、下殻300の内部にスラグタップ室が定められ、下殻300の底部にスラグタップ口が設けられ、下殻300の下部は、テーー状に形成されもいい。下殻300の上部側に排気口N5が設けられ、前記気化室は、前記外殻出口と内殻出口を通じて前記スラグタップ室と貫通する。ノズル1を通じて気化室内に噴入した石炭-水スラリーと酸化剤が燃焼気化反応後に、発生した高温ガスがスラグ(熔融殻、未熔融殻およびその他の固体物)を持って、前記外殻出口及び内殻出口を通じて前記スラグタップ室に入る。

【0042】
冷却器9は、前記外殻出口を取り囲むように外殻100の外底壁に接続される。有利なように、冷却器9は、環形プレートであってもよく、環形プレートの中に冷却通路が形成され、環形板に冷却通路と貫通する冷却器入水口と冷却器排水口91が形成され、水は、冷却器排水口91から噴出して気化室内から排出したガスとスラグを冷却する。有利なように、冷却器9の冷却器排水口91は、前記環形プレートの円周方向に沿って延伸する環形の扁平スロットであるよって、浸食された状態としても環形プレートの内径を拡大しただけで、冷却器排水口91に対する影響はなく、依然に、水の噴射流状態を保つことができ、高灰融点の石炭を使用するのに有利で、運の信頼性を向上させることができる。

【0043】
位置決め部11は、外殻100の内底壁と内殻200の間に設けられ、内殻200の下端の位置を決めるために用いる。

【0044】
ガスチューブ10の上端は冷却器9と接続され、ガスチューブ10の下端は、スラグタップ室において下に向かって延伸し、ガスチューブ10の壁に冷却水通路が設けられ、ガスチューブ10に、その冷却水通路と貫通する入水口N4a、N4b及び排水口101が設けられている。

【0045】
図1及び図4に示すように、ガスチューブ10の排水口は複数であり、該複数の排水口が、ガスチューブ10の内周壁に形成される。ガスチューブ10の入水口N4a、N4bは、下殻300の管路を通して外部の水源に接続される。よって、水は、管路と入水口N4a、N4bを通じて、ガスチューブ10に入った後に、排水口101を通じてガスチューブ10の内部に噴入して、ガスチューブ10の内を落下するガスとスラグを冷却する。

【0046】
理解に必要であれば、ガスチューブ10の排水口101と入水口N4a、N4bが、ガスチューブ10の外周壁に形成されもいい。この場合、冷却水は、ガスチューブ10の内周壁から噴出して、落下したガスおよびスラグと直接に接触することなく、ガスチューブ10を冷却することができる。

【0047】
説明が必要であれば、本発明において、例えばスラグタップ口、排気口、入水口の開口は、広く理解されるべきであり、例えば、一段の管であってもよく、また、これらの開口の開閉を制御するために、これらの管にイプを設置してもいい。例えば、排気口と排気管は同様な意味を有してもいい。

【0048】
本発明の一つの例示では、図1及び図4に示すように、ガスチューブ10は冷却器9と一体に形成され、例えば、上端面に円形の開口を有する円筒に形成されてもいい。これにより、冷却器9とガスチューブ10は、入水口N4a、N4bを共用することができ、冷却器9内部の冷却水通路はガスチューブ10内部の冷却水通路と貫通する。これにより、冷却器9とガスチューブ10の構成をより簡単にすることができる。

【0049】
図1に示すように、この実施例において、ガスチューブ10の下端は、下殻300内の冷却水液面の下方に差し入れ、気化室内のガスとスラグは、ガスチューブ10を通じて落下した際に、ガスは下殻300内の冷却水を通した後、下殻300上部の排気口N5を通じて気化炉から排出され、ガスの温度をさらに低減され、スラグは下殻300下部の冷却水の中に落として、スラグタップ口7を通じて排出される。

【0050】
本発明の気化炉によれば、気化室は、専用な膜式壁で構成された内殻200によって構成されているため、気化室内の温度を高めることができ、よって高灰融点の石炭を原料として使用して、ガスを生産することができる。また、内殻200の製造、交換とメンテナンスが簡単で便利になった。又、外殻100の内底壁と内殻200の間に設置した位置決め部11は、耐火煉瓦と比べて耐ガス浸食機能がより強く、また交換も便利である。

【0051】
図1及び図5に示すように、本発明の一部具体的実施例において、内殻200は、上部ヘッダ、下部ヘッダ及び複数の冷却管を備える。前記上部ヘッダは、環形で前記内殻入口を定め、同様に、前記下部ヘッダは環形で前記内殻出口を定めた。例えば、前記上部ヘッダと下部ヘッダは、ともに環形管であってもよく、製造がより簡単になる。

【0052】
各冷却管の両端がそれぞれ前記上部ヘッダと前記下部ヘッダと接続され、また前記複数の冷却管が並置して上下方向に沿って延伸する。なお、冷却管が上下方向に沿って延伸するとは各冷却管が必ずしも垂直に延伸する直管であると理解してはならなく、図1に示すように、各冷却管は局部に径方向において外に向けて曲げているが、全体として上下方向に沿って延伸してもいい。そうすることによって、内殻200の製造がより簡単で便利になり、現場で施工するに便利になり、コストを低減した。

【0053】
図1に示すように、内殻200の冷却水入口N2は、内殻200の下部に位置し、冷却水出口N3は、内殻200の上部に位置する。上述したように、下部の冷却水入口N2から進入した冷却水は、熱交換により蒸気と水の混雑物になって、自然水循環原理により上部の冷却水出口N3を通じて内殻200から排出されるため、水循環をよく実現した。

【0054】
本発明の一つの具体的に示例において、図1に示すように、外殻100は、上部ヒータ2、下部ヒータ4及び直筒段3との三段を含め、直筒段3の両端は、それぞれ上部ヒータ2及び下部ヒータ4に接続した。例えば、上部ヒータ2、下部ヒータ4と直筒段3は別々に製造した後、一体に溶接され接続、長円形状の外殻に成してもいい。

【0055】
図1に示すように、位置決め部11は、環形トラフ112と環形挿し板111を含。環形トラフ112は、外殻出口を取り囲むように外殻100の内底壁に取り付けられ、環形溝を定める。環形挿し板111の上端は、前記内殻出口を取り囲むように内殻200の外底壁に取り付けられ、環形挿し板111の下端は前記環形溝の中に挿入することで、内殻200の下端200の位置を決める。

【0056】
図1及び図4に示すように、本発明の一部実施例において、有利なように、ガスチューブ10の排水口101は複数で、複数の排水口101は、ガスチューブ10の内周壁において、上下方向及び円周方向において分布される。そうすることによって、気化室から落下したガスとスラグが落下する過程において、まず冷却器9によって冷却され、そしてガスチューブ10において落下し、ガスチューブ10の上下方向の全長におよび円周方向において分布した排水口101から噴出した水によって冷却され、冷却効果が高められた。

【0057】
本発明の一部実施例において、冷却器9は、環形プレートであり、冷却器の排水口91の開口方向は、水平方向において、前記環形プレートの中心軸方向に向うまたはそれる。冷却器の排水口91の開口方向は、水平方向において前記環形プレートの中心軸方向にそれる場合、冷却器の排水口91から噴射出した水は還流を形成することができ、冷却効果をさらに高める。オプションとして、冷却器の排水口91の開口方向は、下に向けて傾斜し、前記環形プレートの中心軸方向に向うまたはそれる。

【0058】
したがって、本発明の実施例によれば、冷却器の排水口91の開口の方向を改変することによって、異なる噴射水流を実現することができ、ガスとスラグに対する冷却効果を調整することができる。

【0059】
以下に、図1に示される実施例の気化炉の操作について簡単に説明する。

【0060】
石炭-水スラリーおよび酸化剤は、ノズル1から気化室内に噴入されて、気化室内で気化反応を行い、反応産生物にガス(CO、H、HO、CO、CHを含み)、熔融したと熔融しなかった石炭を含むスラグ、および原燃料に連れて導入された微量のその他の成分を含む。産生した高温ガスがスラグを持って、下に向けて冷却器9とガスチューブ10を通して冷却され、温度が下がり、例えば、温度が1300℃以上からすばやく下がり、大部分の熔融スラグを固化させ、固化した熔融スラグ、熔融しなかった固体物及びガスは、スラグタップ室内の水に入って、スラグがスラグタップ口7から排出され、ガスが水から出で、排気空間と連通する下排気口N5から排出する。

【0061】
下に、図2を参照して、本発明による気化炉のほかの実施例を説明する。

【0062】
図2に示すように、本発明のほかの実施例の気化炉は、冷却スクリーン8をさらに備える。冷却スクリーン8は円筒状であり、冷却スクリーン8は、冷却スクリーン入水口N7と、冷却スクリーン排水口N8と、冷却スクリーン入水口N7及び冷却スクリーン排水口N8と貫通する冷却スクリーン通路とを有し、冷却スクリーン8の上端は、外殻の外底壁と接続してガスチューブ10の外面にセットされ、ガスチューブ10との間に排気空間を定め、排気口N5は前記排気空間の上部と貫通する。例えば、排気口N5は冷却スクリーン8を通して、排気空間の上部と貫通する。

【0063】
本発明の一つの具体的示例において、図2に示すように、冷却スクリーン8の下端は下殻300内の冷却水液面の下方に差し入れて、ガスチューブ10の下端は冷却水液面の上方に位置するので、ガスが冷却スクリーン8と下殻300の間の空間に進入することを防止することができる。

【0064】
図2に示すように、上述したように、自然水循環原理により、冷却スクリーン入水口N7は、冷却スクリーン8の下部に位置し、冷却スクリーン排水口N8は冷却スクリーン8の上部に位置することが有利である。

【0065】
本発明の他の実施例の気化炉のほかの構成は、図1に示す上記実施例と同じので、ここで重複説明を省略とする。

【0066】
本発明の該実施例によれば、気化室から来たスラグは外殻300中の冷却水に落下して、生成したガスは、ガスチューブ10から離れた後に排気空間に入って、排気空間において上昇し、上昇する過程において、冷却スクリーン8によりさらに冷却されてから、排気口N5を通じて排出される。

【0067】
以下に、図2に示される実施例の気化炉の操作について簡単に説明する。

【0068】
石炭-水スラリーと酸化剤は、ノズル1から気化室内に噴入して、産生した高温ガスがスラグを持って下に向けて冷却器9とガスチューブ10を通して冷却され、温度が下がり、例えば、温度が1300℃以上からすばやく下がり、大部分の熔融スラグを固化させ、固化した熔融スラグ、熔融しなかった固体物及びガスがスラグタップ室内の水に入った後、スラグがスラグタップ口7を通して排出され、ガスがガスチューブ10から出て排気空間に入り、冷却スクリーン8により冷却された後、排気口N5を通して排出される。

【0069】
下に、図3を参照して、本発明の又一つの実施例の気化炉について説明する。

【0070】
図3に示すように、本発明の又一つの実施例の気化炉は、冷却スクリーン8をさらに備え、当該冷却スクリーン8は例えば円筒状であってもよく、冷却スクリーン8は、冷却スクリーン入水口N7、冷却スクリーン排水口N8及び冷却スクリーン入水口N7および冷却スクリーン排水口N8と貫通する冷却スクリーン通路を有し、冷却スクリーン8の上端は外殻の外底壁と接続してガスチューブ10内にセットされ、ガスチューブ10との間に排気空間を定め、排気口N5は前記排気空間の上部と貫通する。例えば、一段の排気管は、ガスチューブ10を通して、排気空間の上部と貫通する。なお、冷却スクリーン8はガスチューブ10にセットされるため、冷却スクリーン8の上端は例えば、冷却器9を通すレバーを介して外底壁と接続してもいい。

【0071】
本発明の一つの具体示例において、図3に示すように、ガスチューブ10の下端は、下殻300内の冷却水液面の下方まで差し入れ、冷却スクリーン8の下端は、前記冷却水液面の上方に位置する。

【0072】
本発明の該実施例において、ガスチューブ10の排水口101は、ガスチューブ10の内壁に形成されでもよく、外壁に形成されでもいい。

【0073】
図3に示す気化炉のほかの構成は、図1及び図2に示す実施例と同じなので、ここで重複説明を省略とする。

【0074】
本発明の説明において、「一つの実施例」、「一部の実施例」、「示例」、「具体示例」或いは「一部の示例」など用語を参考した説明は、該実施例或いは示例に結合して説明した具体的特徴、構成、材料または特徴が、本発明の少なくとも一つの実施例或いは示例に含む。本明細書において、上記用語に対する模式的な表述は、必ずしも同じ実施例或いは示例を示すことではない。又、説明した具体的特徴、構成、材料または特徴は、いずれかの一つ或いは複数の実施例又は示例において適切に結合することができる。

【0075】
本発明の実施例を示して説明したが、当業者は、本発明の原理及び主旨から逸脱しない限りこれらの実施例に対して複種の変化、修正、切り替え及び変形を行うことができる。
図面
【図1】
0
【図2】
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【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4