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明細書 :放射線走査結像用設備及び方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公表番号 特表2014-510288 (P2014-510288A)
公報種別 特許公報(B2)
公表日 平成26年4月24日(2014.4.24)
特許番号 特許第5676049号 (P5676049)
登録日 平成27年1月9日(2015.1.9)
発行日 平成27年2月25日(2015.2.25)
発明の名称または考案の名称 放射線走査結像用設備及び方法
国際特許分類 G01N  23/04        (2006.01)
FI G01N 23/04
請求項の数または発明の数 14
全頁数 19
出願番号 特願2014-502986 (P2014-502986)
出願日 平成24年12月31日(2012.12.31)
国際出願番号 PCT/CN2012/088079
国際公開番号 WO2013/131402
国際公開日 平成25年9月12日(2013.9.12)
優先権出願番号 201210059992.6
優先日 平成24年3月9日(2012.3.9)
優先権主張国 中華人民共和国(CN)
審査請求日 平成25年5月13日(2013.5.13)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503414751
【氏名又は名称】同方威視技術股▲分▼有限公司
【識別番号】502192546
【氏名又は名称】清華大学
発明者または考案者 【氏名】陳 志強
【氏名】張 麗
【氏名】趙 自然
【氏名】刑 宇翔
【氏名】▲ハオ▼ 佳
【氏名】李 亮
個別代理人の代理人 【識別番号】100101454、【弁理士】、【氏名又は名称】山田 卓二
【識別番号】100081422、【弁理士】、【氏名又は名称】田中 光雄
【識別番号】100132241、【弁理士】、【氏名又は名称】岡部 博史
審査官 【審査官】藤田 都志行
参考文献・文献 特表2006-524548(JP,A)
特開2003-190143(JP,A)
特表2005-534009(JP,A)
特開2009-236541(JP,A)
米国特許第05909477(US,A)
藤井 正司,「4-5 CTの産業応用(<特集>産業における画像処理)」,画像情報工学と放送技術,社団法人テレビジョン学会,1987年10月20日,Vol. 41, No. 10,p. 915-919
調査した分野 G01N 23/04
JSTPlus(JDreamIII)
CiNii
特許請求の範囲 【請求項1】
1つの走査周期において、順に被検体へ放射線ビームを放出して一つの断層に対する走査を完成する、円弧に沿って均一に分布する複数の放射線発生器と、
前記複数の放射線発生器から放出された放射線ビームの放射線投影数値を採集するための放射線検知装置と
を含み、
前記放射線検知装置は複数の放射線検知器リニアアレイを含み、それぞれの前記放射線検知器リニアアレイは、直線に沿って配列される複数の放射線検知ユニットからなり、前記複数の放射線検知器リニアアレイは同一平面にあるとともに端部によって順に接続されており、且つ両端の2つの放射線検知器リニアアレイはつながっておらず、半封止フレームを構成することを特徴とする放射線走査結像用設備。
【請求項2】
前記複数の放射線発生器で構成される円弧の円心角は少なくともπ+2γであり、ただし、2γは前記放射線発生器から放出される扇形放射線ビームのファン角である、
ことを特徴とする請求項1に記載の設備。
【請求項3】
それぞれの前記放射線発生器は少なくとも1つの放射線発生ユニットを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の設備。
【請求項4】
前記放射線ビームは扇形放射線ビームである、又は複数の互いに平行である直線形放射線ビームからなる放射線ビーム群である、
ことを特徴とする請求項3に記載の設備。
【請求項5】
前記放射線検知器リニアアレイの数が3を超える場合、前記複数の放射線検知器リニアアレイは、
隣り合う2つの放射線検知器リニアアレイがなす角度がπ/2を超え、且つ前記複数の放射線検知器リニアアレイが全ての放射線発生器から放出される放射線ビームを検出し得るように配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の設備。
【請求項6】
前記放射線検知器リニアアレイの数が3である場合、前記3つの放射線検知器リニアアレイは、
両側にある放射線検知器リニアアレイがいずれも中間の放射線検知器リニアアレイに垂直し、且つ前記3つの放射線検知器リニアアレイが全ての放射線発生器から放出される放射線ビームを検出し得るように配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の設備。
【請求項7】
前記複数の放射線検知器リニアアレイが位置する平面と、前記複数の放射線発生器が位置する平面とは平行であり、且つ該2つの平面は被検体の運動方向に垂直する、
ことを特徴とする請求項1に記載の設備。
【請求項8】
前記設備は結像ユニットを更に含み、該結像ユニットは、前記放射線検知装置によって採集される放射線検出数値を処理することにより、被検体の画像を取得する、
ことを特徴とする請求項1に記載の設備。
【請求項9】
複数の放射線検知器リニアアレイからなる放射線検知装置において、少なくとも1つの放射線発生器に対応する複数の放射線検知ユニットは、該放射線発生器から放出される放射線ビームの中軸線に垂直する直線を形成しておらず、
前記結像ユニットは、前記少なくとも1つの放射線発生器毎に等距離型擬制検知器リニアアレイを設け、前記等距離型擬制検知器リニアアレイは、直線に沿って配列され且つ等距離に分布する複数の擬制検知ユニットを含み、それぞれの放射線発生器と相応する等距離型擬制検知器アレイとの距離が等しく、
前記結像ユニットは前記放射線発生器と前記放射線検知ユニットとの結線に基づき、前記擬制検知ユニットに対応する放射線検知ユニットを特定し、且つ放射線検知ユニットの放射線検出数値に基づいて該擬制検知ユニットの放射線検出数値を取得し、
全ての等距離型擬制検知器リニアアレイの放射線検出数値は等距離扇形ビーム投影数値を構成し、
円弧状放射線検知器アレイで構成される放射線検知装置において、該装置が取得する放射線検出数値は、等距離扇形ビーム投影数値または平行ビーム投影数値を構成する、
ことを特徴とする請求項8に記載の設備。
【請求項10】
前記放射線検知ユニットは偽二重エネルギー検知ユニットであり、
前記結像ユニットは、前記等距離扇形ビーム投影数値または平行ビーム投影数値に対して二重エネルギー分解処理を行うことにより、異なる基質材料の二重エネルギー分解係数を取得し、且つフィルタ逆投影アルゴリズムによって、前記異なる基質材料の二重エネルギー分解係数に対して二重エネルギー再建を行うことにより、被検体の画像を取得する、
ことを特徴とする請求項9に記載の設備。
【請求項11】
前記設備はデータベースをさらに含み、前記データベースに疑わしい物品の原子番号及び電子密度が記憶され、
前記結像ユニットは、前記二重エネルギー再建にて得られた被検体の原子番号及び電子密度分布を、前記データベースにおけるデータと比較することにより、被検体が疑わしい物品であるか否かを判断する、
ことを特徴とする請求項10に記載の設備。
【請求項12】
請求項1に記載の設備を用いて被検体を放射線走査して放射線検出数値を取得し、
複数の放射線検知器リニアアレイからなる放射線検知装置において、少なくとも1つの放射線発生器に対応する複数の放射線検知ユニットは、該放射線発生器から放出される放射線ビームの中軸線に垂直する直線を形成しておらず、前記少なくとも1つの放射線発生器毎に等距離型擬制検知器リニアアレイを設け、前記等距離型擬制検知器リニアアレイは、直線に沿って配列され且つ等距離に分布する複数の擬制検知ユニットを含み、それぞれの放射線発生器と相応の等距離型擬制検知器アレイとの距離が等しく、放射線発生器と放射線検知ユニットとの結線に基づき、前記擬制検知ユニットに対応する放射線検知ユニットを特定し、且つ該放射線検知ユニットの放射線検出数値に基づいて該擬制検知ユニットの放射線検出数値を取得し、全ての等距離型擬制検知器リニアアレイの放射線検出数値は等距離扇形ビーム投影数値を構成し、
円弧に沿って分布する複数の放射線検知ユニットで構成される放射線検知装置において、該装置が取得する放射線検出数値は、等距離扇形ビーム投影数値または平行ビーム投影数値を構成する;或いは
請求項1に記載の設備を用いて被検体を放射線走査して放射線検出数値を取得し、
円弧に沿って分布する複数の放射線検知ユニットで構成される放射線検知装置において、該装置が取得する放射線検出数値は平行ビーム投影数値を構成することを含む、
ことを特徴とする放射線走査結像用方法。
【請求項13】
前記等距離扇形ビーム投影数値または平行ビーム投影数値に対して二重エネルギー分解処理を行うことにより、異なる基質材料の二重エネルギー分解係数を取得し、
フィルタ逆投影アルゴリズムによって、前記異なる基質材料の二重エネルギー分解係数に対して二重エネルギー再建を行うことにより、被検体の画像を取得する、
ことを更に含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記被検体の原子番号及び電子密度分布を取得し、且つ前記被検体の原子番号及び電子密度分布を、前記データベースに記憶された疑わしい物品の原子番号及び電子密度分布と比較することにより、被検体が疑わしい物品であるか否かを判断する、
ことを更に含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本願は、2012年3月9日に提出した、出願番号が201210059992.6であって発明名称が「放射線走査結像用設備及び方法」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容を援引によって本願に結合する。
【0002】
本発明は輻射結像分野に関し、特に、放射線走査結像用設備及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、安全検査が益々世界各国に重要視されるようになっているため、輻射結像設備は既に、空港、駅、税関、地下鉄、埠頭などの公共場所及び重要部門に広範に応用されるようになり、荷物、貨物などの物品に対して高効率で安定的な安全検査を行う。
【0004】
輻射結像設備は放射線の指数関数型減衰原理に基づき、放射線源から放出される放射線ビームによって被検体を走査し、放射線ビームが被検体を貫通した後に放射線採集装置によって受信される。放射線採集装置が受信した放射線検出数値に基づき、三次元画像を合成又は再建して表示することができる。
【0005】
図1は従来の輻射結像設備の構造模式図を示す。
【0006】
輻射結像設備は、スリップリング13と、スリップリング13に接続した放射線源11と、放射線源11に対向しスリップリング13に接続した検知装置12と、被検体を搬送する搬送装置14とを備える。検査過程において、スリップリング13が放射線源11及び検知装置12を回転させることにより、異なる角度における放射線投影数値を取得するとともに、再建方法によって被検体の断層画像を取得する。
【0007】
出願人は従来の輻射結像設備を鋭意研究し、従来の輻射結像設備において、スリップリング13によって放射線源11及び検知装置12を回転させる必要があるが、スリップリング13の回転速度が限られたため、検知効率が高くないことを見出した。例えば、民用航空の物品に要求される排除速度は0.5m/sであるが、従来の輻射結像設備はこの要求を満足し難い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の発明者は、従来の輻射結像設備の検知効率が高くない問題に対して、新たな技術案を提出している。
【0009】
本発明の目的の一つは、被検体の検査時間を効果的に短縮させる放射線走査結像用設備を提供することである。
【0010】
本発明の更なる目的は、放射線走査結像用設備によって放射線採集数値を取得するとともに、該数値を処理して被検体の画像を取得する放射線走査結像用方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の面では、放射線走査結像用設備を提供している。該設備は、複数の放射線発生器と放射線検知装置とを含む。複数の放射線発生器は円弧に沿って均一に分布する。1つの走査周期において、複数の放射線発生器は順に被検体へ放射線ビームを放出して、一つの断層に対する走査を完成する。放射線検知装置は、複数の放射線発生器から放出された放射線ビームの放射線投影数値を採集する。
【0012】
好ましくは、複数の放射線発生器で構成される円弧の円心角は少なくともπ+2γである。ただし、2γは放射線発生器から放出される扇形放射線ビームのファン角である。
【0013】
好ましくは、それぞれの放射線発生器は少なくとも1つの放射線発生ユニットを含む。
【0014】
選択的には、放射線ビームは扇形放射線ビームである、又は複数の互いに平行である直線形放射線ビームからなる放射線ビーム群である。
【0015】
選択的には、放射線検知装置は円弧状の放射線検知器アレイである。該放射線検知器アレイにおいて、複数の放射線検知ユニットは円弧に沿って均一に分布する。
【0016】
好ましくは、放射線検知装置は複数の放射線検知器リニアアレイを含む。それぞれの放射線検知器リニアアレイは、直線に沿って配列される複数の放射線検知ユニットからなる。複数の放射線検知器リニアアレイは同一平面にあるとともに端部によって順に接続されており、且つ両端の2つの放射線検知器リニアアレイはつながっておらず、半封止フレームを構成する。
【0017】
選択的には、放射線検知器リニアアレイの数は3を超えてもよい。このような場合、複数の放射線検知器リニアアレイは、隣り合う2つの放射線検知器リニアアレイがなす角度はπ/2を超え、且つ複数の放射線検知器リニアアレイは全ての放射線発生器から放出される放射線ビームを検出し得るように配置される。
【0018】
好ましくは、放射線検知器リニアアレイの数は3であってもよい。このような場合、3つの放射線検知器リニアアレイは、両側にある放射線検知器リニアアレイのいずれも中間の放射線検知器リニアアレイに垂直し、且つ前記3つの放射線検知器リニアアレイが全ての放射線発生器から放出される放射線ビームを検出し得るように配置される。
【0019】
好ましくは、複数の放射線検知器リニアアレイが位置する平面と、複数の放射線発生器が位置する平面とは平行であり、且つ該2つの平面は被検体の運動方向に垂直する。
【0020】
好ましくは、該設備は結像ユニットを更に含む。該結像ユニットは、放射線検知装置によって採集される放射線検出数値を処理することにより、被検体の画像を取得する。
【0021】
好ましくは、1実施例において、複数の放射線検知器リニアアレイからなる放射線検知装置において、少なくとも1つの放射線発生器に対応する複数の放射線検知ユニットは、該放射線発生器から放出される放射線ビームの中軸線に垂直する直線を形成していない。結像ユニットは、少なくとも1つの放射線発生器毎に等距離型擬制検知器リニアアレイを設ける。該等距離型擬制検知器リニアアレイは、直線に沿って配列され且つ等距離に分布する複数の擬制検知ユニットを含む。それぞれの放射線発生器と相応の等距離型擬制検知器アレイとの距離は等しい。結像ユニットは放射線発生器と放射線検知ユニットとの結線に基づき、擬制検知ユニットに対応する放射線検知ユニットを確定し、且つ該放射線検知ユニットの放射線検出数値に基づいて該擬制検知ユニットの放射線検出数値を取得する。全ての等距離型擬制検知器リニアアレイの放射線検出数値は等距離扇形ビーム投影数値を構成することができる。
【0022】
別の実施例において、円弧状放射線検知器アレイで構成される放射線検知装置において、放射線ビームが扇形ビームであるなら、該装置が取得する放射線検出数値は等距離扇形ビーム投影数値を構成する;放射線ビームが、複数の互いに平行である直線形放射線ビームからなる放射線ビーム群であるなら、該装置が取得する放射線検出数値は平行ビーム投影数値を構成する。
【0023】
好ましくは、放射線検知ユニットは偽二重エネルギー検知ユニットであってもよい。結像ユニットは、等距離扇形ビーム投影数値または平行ビーム投影数値に対して二重エネルギー分解処理を行うことにより、異なる基質材料の二重エネルギー分解係数を取得し、且つフィルタ逆投影アルゴリズムによって、異なる基質材料の二重エネルギー分解係数に対して二重エネルギー再建を行うことにより、被検体の画像を取得する。
【0024】
好ましくは、該設備はデータベースをさらに含んでもよい。該データベースには、疑わしい物品の原子番号及び電子密度が記憶される。結像ユニットは、二重エネルギー再建にて得られた被検体の原子番号及び電子密度分布を、該データベースにおけるデータと比較することにより、被検体が疑わしい物品であるか否かを判断する。
【0025】
本発明の第1の面では、別の放射線走査結像用設備を更に提供している。該設備は、放射線検知装置と複数の放射線発生器とを含む。複数の放射線発生器は円弧に沿って均一に分布する。1つの走査周期において、複数の放射線発生器は被検体へ放射線ビームを同時に放出して、一つの断層に対する走査を完成する。放射線検知装置は、複数の放射線発生器から放出された放射線ビームの放射線投影数値を採集する。
【0026】
好ましくは、複数の放射線発生器で構成される円弧の円心角は少なくともπである。
【0027】
好ましくは、それぞれの前記放射線発生器は複数の放射線発生ユニットを含んでもよい。複数の放射線発生ユニットから放出される放射線ビームは互いに平行である直線ビームである。放射線検知装置は複数の放射線検知ユニットを含んでもよい。全ての放射線発生ユニットに対応する放射線検知ユニットは重ならない。
【0028】
好ましくは、複数の放射線検知ユニットは円弧に沿って均一に分布してもよい。放射線発生ユニットは放射線検知ユニットに逐一に対応してもよい。全ての放射線検知ユニットが取得する放射線検出数値は平行ビーム投影数値を構成することができる。
【0029】
好ましくは、複数の放射線検知ユニットが位置する平面と、複数の放射線発生器が位置する平面とは平行であり、且つ該2つの平面は被検体の運動方向に垂直する。
【0030】
好ましくは、該設備は結像ユニットを更に含む。該結像ユニットは、放射線検知装置によって採集される放射線検出数値を処理することにより、被検体の画像を取得する。
【0031】
好ましくは、放射線検知ユニットは偽二重エネルギー検知ユニットであってもよい。結像ユニットは、平行ビーム投影数値に対して二重エネルギー分解処理を行うことにより、異なる基質材料の二重エネルギー分解係数を取得し、且つフィルタ逆投影アルゴリズムによって、異なる基質材料の二重エネルギー分解係数に対して二重エネルギー再建を行うことにより、被検体の画像を取得する。
【0032】
好ましくは、該設備はデータベースをさらに含んでもよい。該データベースには疑わしい物品の原子番号及び電子密度が記憶される。結像ユニットは、二重エネルギー再建にて得られた被検体の原子番号及び電子密度分布を、データベースにおけるデータと比較することにより、被検体が疑わしい物品であるか否かを判断する。
【0033】
本発明の第2の面では、放射線走査結像用方法を提供している。該方法は、上記2種の設備のうちの何れか1種を用いて、被検体を放射線走査して放射線検出数値を取得することを含む。
【0034】
前記第1種の設備を用いる場合、複数の放射線検知器リニアアレイからなる放射線検知装置において、少なくとも1つの放射線発生器に対応する複数の放射線検知ユニットは、該放射線発生器から放出される放射線ビームの中軸線に垂直する直線を形成しておらず、前記少なくとも1つの放射線発生器毎にに等距離型擬制検知器リニアアレイを設ける。該等距離型擬制検知器リニアアレイは、直線に沿って配列され且つ等距離に分布する複数の擬制検知ユニットを含んでもよい。それぞれの放射線発生器と相応の等距離型擬制検知器アレイとの距離は等しい。そして、放射線発生器と放射線検知ユニットとの結線に基づき、擬制検知ユニットに対応する放射線検知ユニットを特定し、且つ該放射線検知ユニットの放射線検出数値に基づいて該擬制検知ユニットの放射線検出数値を取得する。全ての等距離型擬制検知器リニアアレイの放射線検出数値は、等距離扇形ビーム投影数値を構成する。
【0035】
円弧に沿って分布する複数の放射線検知ユニットで構成される放射線検知装置において、該装置が取得する放射線検出数値は、等距離扇形ビーム投影数値または平行ビーム投影数値を構成する。
【0036】
前記第2種の設備を用いる場合、円弧に沿って分布する複数の放射線検知ユニットで構成される放射線検知装置において、該装置が取得する放射線検出数値は平行ビーム投影数値を構成する。
【0037】
好ましくは、等距離扇形ビーム投影数値または平行ビーム投影数値に対して二重エネルギー分解処理を行うことにより、異なる基質材料の二重エネルギー分解係数を取得する。フィルタ逆投影アルゴリズムによって、異なる基質材料の二重エネルギー分解係数に対して二重エネルギー再建を行うことにより、被検体の画像を取得することができる。
【0038】
好ましくは、該方法はさらに、前記被検体の原子番号及び電子密度分布を取得し、且つ前記被検体の原子番号及び電子密度分布を、前記データベースに記憶された疑わしい物品の原子番号及び電子密度分布と比較することにより、被検体が疑わしい物品であるか否かを判断することを含む。
【0039】
本発明による設備は、セットである複数の放射線発生器と放射線検知装置とを含む。複数の放射線発生器は円弧に沿って均一に分布してもよく、放射線検知装置は複数の放射線検知器リニアアレイで構成される多段式半封止フレーム、又は楕円形を呈する放射線検知アレイである。このような構造設定を採用することにより、伝統的な放射線走査結像設備における回転スリップリング装置を省略した。実際の検知において、複数の放射線発生器が順に被検体へ放射線ビームを放出し、放射線検知装置が放射線投影数値を採集することにより一つの断層に対する走査を完成する。検査の全過程において、複数の放射線発生器及び放射線検知装置は回動する必要がなく、完全な放射線投影数値を迅速に取得することができ、検査用時間を効果的に減少した。
【0040】
明細書の一部を構成する図面は本発明の実施例を示し、且つ明細書とともに本発明の原理を説明する。図面を参照しながら下記の詳しい記載に基づき、本発明を更に明瞭に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】従来の放射線走査結像用設備の構造模式図
【図2】本発明による放射線走査結像用設備の1実施例の構造模式図
【図3】該実施例における放射線発生器と放射線検知器リニアアレイとの位置関係模式図
【図4A】異なる領域における放射線発生器、放射線検知器及び擬制放射線検知器の位置関係模式図
【図4B】異なる領域における放射線発生器、放射線検知器及び擬制放射線検知器の位置関係模式図
【図5】本発明による放射線走査結像用設備の別の実施例の構造模式図
【図6】本発明による放射線検出数値を処理する方法の1実施例のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0042】
図面を参照しながら、本発明の各種例示的な実施例を詳しく説明する。なお、別に具体的に説明する場合を除き、これら実施例で述べられる部品及びステップの相対的配置、数式及び数値は、本発明の範囲に対する制限ではない。

【0043】
同時に、説明のために、図示の各部分の寸法は実際の比例関係に従って描かれたものではない。

【0044】
下記少なくとも1つの例示的な実施例に対する記載は、実際に説明的なものに過ぎず、本発明及びその応用又は使用の如何なる制限も構成しない。

【0045】
当業者に既知の技術、方法及び設備を詳しく討論しない場合があるが、適当の状況においては、前記技術、方法及び設備は授権明細書の一部と見なされるべきである。

【0046】
ここに示される又は討論される全ての実施例において、如何なる具体的な値も例示的なものに過ぎず、制限するものではない。したがって、例示的な実施例以外の例は、異なる値を有することができる。

【0047】
なお、類似の符号及びアルファベットは下記の図面において類似の項目を表す。したがって、ある項目は1つの図面において定義されると、後記の図面においてさらに討論される必要がない。

【0048】
図2は本発明による放射線走査結像用設備の1実施例の構造模式図を示す。

【0049】
放射線走査結像設備は、放射線検知装置及び複数の放射線発生器21を含んでもよい。

【0050】
被検体が走査領域に入ると、複数の放射線発生器21は順に被検体へ放射線ビームを放出し、被検体の一つの断層を走査することができる。

【0051】
全ての放射線ビームは被検体を貫通した後に、放射線検知装置によって採集される。

【0052】
放射線検知装置は任意の形状であってもよく、例えば多段式半封止構造又は円弧構造であってもよい。本実施例において、複数の放射線検知器リニアアレイで構成される多段式半封止接続構造を例として説明する。

【0053】
複数の放射線発生器21は特定形状に沿って分布し、被検体を該特定形状で構成される空間に通過させることができる。例えば、複数の放射線発生器21は矩形枠、多辺形枠又は他の幾何形状の枠に沿って配置されることができ、被検体は上記枠から構成される内部空間を通過する。本実施例において、複数の放射線発生器21は円弧に沿って均一に分布する。該円弧の円心角は少なくともπ+2γであり、ただし、2γは扇形ビームの完全ファン角の大きさである。

【0054】
本実施例において、複数の放射線検知器リニアアレイは分段式構造で接続されている。具体的には、放射線検知器リニアアレイ22、放射線検知器リニアアレイ23及び放射線検知器リニアアレイ24は同一平面にあるとともに、端部によって順に接続されている。且つ、放射線検知器リニアアレイ22と放射線検知器リニアアレイ24とはつながっておらず、逆戸枠式の半封止フレームを構成する。そのうち、それぞれの放射線検知器リニアアレイは、直線に沿って配列される複数の放射線検知ユニットを含むことができる。

【0055】
被検体は搬送装置25に担持されて走査領域を経過することができる。1つの走査周期において、複数の放射線発生器21は順に被検体へ放射線ビームを放出し、一つの断層に対する走査を完成する。放射線発生器21から放出された放射線ビームは被検体を貫通した後、放射線検知器リニアアレイによって採集される。採集された放射線数値を処理することにより、被検体の再建画像を取得することができる。

【0056】
複数の放射線発生器21が位置する平面と、複数の放射線検知器リニアアレイが位置する平面とは、2つの異なる平面のはずである。

【0057】
好ましくは、該2つの平面は互いに平行であり、且ついずれも被検体の運動方向に垂直する。このように、異なる検知ユニットのクロストーク及び照射不能領域の発生を避けることができる。

【0058】
ここで、まず、扇形放射線ビームによって精確再建を行う場合に満足しなければならないデータ完全性条件を簡単に紹介する。該データ完全性条件は下記を含む:

【0059】
第一、角度の完全性条件:即ち、被検体に対する放射線輻射角度は少なくともπ+2γであり、ただし、2γは扇形ビームの完全ファン角の大きさである。

【0060】
第二、全ての走査角度においても、放射線検知器によって採集される放射線数値には中断がないことを保証する。即ち、全ての走査角度において、各放射線発生器によって発生する放射線ビームは、いずれも放射線検知器によって効果的に検知されることができる。

【0061】
本実施例において、それぞれの放射線発生器21から放出される放射線ビームは扇形ビームであってもよく、そのファン角は2γであってもよい。当然ながら、放射線ビームは扇形ビームに限らず、他の形状であってもよい。例えば、必要に応じて、それぞれの放射線発生器21に1つ又は複数の放射線放出口が設けられ、それぞれの放射線放出口から直線形放射線ビームを放出してもよい。このように、それぞれの放射線発生器21の複数の放射線放出口は、一群の平行な放射線ビームを放出することができる。

【0062】
放射線発生器21としては、X線発生器を用いてもよく、他の種類の放射線発生器を用いてもよい。好ましくは、本実施例において、カーボンナノチューブX線発生器を放射線放出源とする。伝統的なX光機に比べて、該カーボンナノチューブX線発生器の利点は、高温を用いずに放射線を発生させることができ、迅速な開閉が可能であり、且つより小さい体積を有することにある。該カーボンナノチューブX線発生器を用いて被検体に対して多角度照射を行うとき、放射線結像速度を効果的に向上させることができる。カーボンナノチューブX線発生器についての詳細内容は下記文献を参照することができ、ここでは詳しく説明しない。

【0063】
G.Z.Yue,Q.Qiu,B.Gao,et al.Generation of continuous and pulsed diagnostic imaging x-ray radiation using a carbon-nanotube-based field-emission cathode.Appl.Phys.Lett. 81,355(2002);doi:10.1063/1.1492305。

【0064】
本実施例における複数の放射線発生器21で構成される円弧の円心角がπ+2γであるため、放射線発生器21が被検体に対して角度範囲π+2γの走査を行なったことに相当する。即ち、本発明における複数の放射線発生器21の構造設定は、データ完全性条件における角度完全性要求を満たしている。

【0065】
データ完全性条件における二番目の要求について、複数の放射線発生器21が環状半封止構造を構成し、放射線検知器リニアアレイ22、放射線検知器リニアアレイ23及び放射線検知器リニアアレイ24がそれに対応するフレーム状半封止構造を構成するため、それぞれの放射線発生器から発生した全ての放射線ビームは、放射線検知器リニアアレイにより効果的に検知されることができる。したがって、このような構造設定は、データ完全性条件における二番目の要求を満たすことができる。

【0066】
放射線検知ユニットは偽二重エネルギー検知ユニットであってもよい。当然ながら、放射線検知ユニットは他の種類の検知ユニットであってもよく、例えば単一エネルギー検知ユニット、マルチエネルギー検知ユニット又は真二重エネルギー検知ユニットである。

【0067】
使用された偽二重エネルギー検知ユニットは、二層の結晶体と、二の結晶体の間にあるフィルターとを含む。該フィルターは銅フィルターであってもよい。第一層の結晶体は低エネルギー放射線数値を取得し、第二層の結晶体は整形後の高エネルギー放射線数値を取得する。このような偽二重エネルギー検知ユニットは、性能がよくて値段が安い利点を有し、普及及び応用され易い。

【0068】
なお、放射線検知器リニアアレイの数は図2に示す3つに限られない。例えば、4つ以上の放射線検知器リニアアレイによって放射線数値を採集してもよい。このような状況では、隣り合う2つの放射線検知器リニアアレイがなす角度は、π/2を超えるべきである。

【0069】
さらに、被検体の体積、形状などの要素に基づいて検知器リニアアレイの数、角度及び長さを調整することができるが、配置される放射線検知器リニアアレイはまず、データ完全性条件を満たさなければならない。

【0070】
本発明における複数の放射線検知器リニアアレイは多段式半封止フレーム構造を採用するため、放射線投影数値を完全に採集することができるだけではなく、円弧形検知器アレイに比べて、より経済的に良いである。具体的には、同じ数の検知ユニットを有する場合、本発明における複数の放射線検知器リニアアレイで構成される内部空間はより大きく、より大きい体積を有する被検体の通過を許容する。構成される内部空間が同等である場合、本発明のこのような構造配置では、用いる検知ユニットがより少なく、設備のコストを低減させることができる。

【0071】
また、図2に示す多段式半封止接続構造の代わりに、他の形状を有する放射線検知装置を採用することもできる。例えば、放射線検知円弧アレイを用いてもよい。該放射線検知円弧アレイは、円弧に沿って均一に分布する複数の放射線検知ユニットを含むことができる。

【0072】
本発明による放射線走査結像用設備は、更に結像ユニットを含んでもよい。該結像ユニットは、放射線検知器リニアアレイによって採集される放射線検出数値を処理することにより、被検体の断層画像を取得することができる。

【0073】
当然ながら、放射線検知器リニアアレイによって採集される放射線検出数値は、データ伝送システムを介して主制御及びデータ処理端末に発信され、且つ主制御及びデータ処理端末によってデータ処理されてもよい。

【0074】
データ処理を詳しく説明する前に、まず、扇形放射線ビームを用いて再建を行なう方法において、放射線検知ユニットの構造に対する要求を説明する。

【0075】
標準的な扇形ビーム加重フィルタ逆投影アルゴリズム型(FBP)再建方法は、下記2種の検知ユニットの配列のみに適用される:
等角構造:即ち複数の検知ユニットは円弧状に配列され、それぞれの検知ユニットに対応する放射線の間の夾角が等しい;
等距離構造:即ち複数の検知ユニットは直線状に配列され、それぞれの検知ユニットの間の距離が等しく、且つ、放射線発生器から放出される放射線ビームの中軸線が、複数の検知ユニットによって形成される直線に垂直する。直線形放射線ビーム群を採用する場合、上記再建方法に類似する方法によって再建を行なうことができ、ここでは贅言しない。

【0076】
本実施例において、複数の放射線発生器の環状構造及び複数の放射線検知器リニアアレイの多段式半封止フレーム構造によって、一部の放射線発生器に対応する複数の放射線検知ユニットは、前記再建方法に要求される等距離構造の要求を満たさない。具体的には、一部の放射線発生器に対応する複数の放射線検知ユニットは、該放射線発生器から放出される放射線ビームの中軸線に垂直する直線を形成していない。以下、図3及び図4を結合しながら、この問題について詳しく説明する。

【0077】
図3は、本実施例における放射線発生器と放射線検知器リニアアレイとの位置関係模式図を示す。

【0078】
図3に示すように、放射線発生器Aに対応する複数の放射線検知ユニットはいずれも放射線検知器リニアアレイ24上に位置し、且つ複数の放射線検知ユニットが位置する直線は、放射線発生器Aから放出される放射線ビームの中軸線に垂直し、且つそれぞれの検知器ユニットの間の距離が同じである。即ち、放射線発生器Aについて、これらの検知器ユニットは標準扇形ビームFBP再建方法に要求される等距離構造に属する。

【0079】
それに類似するものは、放射線発生器BとCに対応する複数の検知器ユニットを更に含む。残りの放射線発生器に対応する複数の検知器ユニットは、いずれも標準扇形ビームFBP再建方法に要求される等距離構造に属しない。

【0080】
この問題をよりよく説明するために、複数の放射線発生器が位置する円弧を5つの領域に分ける。そのうち、領域1における放射線発生器から放出される放射線ビームは、右側のリニアアレイ検知器24のみに採集される;領域2における放射線発生器から放出される放射線ビームは、右側の検知器24及び底部の検知器23に採集される;領域3における放射線発生器から放出される放射線ビームは、底部の検知器23のみに採集される;領域4における放射線発生器から放出される放射線ビームは、左側の検知器22及び底部の検知器23に採集される;領域5における放射線発生器から放出される放射線ビームは、左側のリニアアレイ検知器22のみに採集される。

【0081】
現在、領域1における放射線発生器及び相応の放射線検知器を例として、採集される放射線数値が非等距離放射線採集数値である状況を説明する。

【0082】
図4Aは、領域1における放射線発生器、放射線検知器及び擬制放射線検知器の位置関係模式図である。

【0083】
図4Aに示すように、実際の検知器アレイ24は放射線発生器Aから放出される放射線ビームの中軸線に垂直するが、放射線発生器Dから放出される放射線ビームの中軸線に垂直しない。したがって、放射線発生器Dについて、検知器アレイ24が取得する放射線採集数値は等距離放射線採集数値ではない。本実施例において、βは投影データに対応するサンプリング角度であり、2γは扇形放射線ビームの最大ファン角である。

【0084】
この問題を解決するために、結像ユニットは放射線発生器Dについて、放射線発生器Dに対応する等距離型擬制検知器リニアアレイ24’を設けてもよい。

【0085】
等距離型擬制検知器リニアアレイ24’は、直線に沿って配列され且つ等距離に分布する複数の擬制検知ユニットを含むことができる。等距離型擬制検知器リニアアレイ24’は、放射線発生器Dから放出される放射線ビームの中軸線に垂直する。

【0086】
そして、結像ユニットは放射線発生器Dと放射線検知ユニット24との結線に基づき、擬制検知ユニットn1に対応する放射線検知ユニットm1を確定し、且つ放射線検知ユニットm1の放射線検出数値に基づいて擬制検知ユニットn1の放射線検出数値を取得する。等距離型擬制検知器リニアアレイ24’上の他の擬制検知ユニットも、この方法によって取得されることができる。

【0087】
図4Bは、領域2における放射線発生器E、放射線検知器アレイ及び擬制放射線検知器の位置関係模式図である。

【0088】
図4Bにおいて、領域2における放射線発生器Eから放出される放射線ビームは、右側の検知器24及び底部の検知器23に共同で採集される。したがって、採集される放射線数値は等距離放射線採集数値ではない。

【0089】
図4Aに類似するように、等距離放射線採集数値を取得するために、結像ユニットは擬制検知器リニアアレイ23’及び擬制検知器リニアアレイ24’を設け、且つ2つの擬制検知器リニアアレイを直線に沿って組み合わせて配列する。

【0090】
そして、結像ユニットは放射線発生器Eと放射線検知ユニット23及び放射線検知ユニット24との結線に基づき、放射線検知ユニットm2が擬制検知ユニットn2に対応すること、及び放射線検知ユニットm3が擬制検知ユニットn3に対応することを確定する。放射線検知ユニットm2及びm3の放射線検出数値に基づき、擬制検知ユニットn2及びn3の放射線検出数値を取得することができる。

【0091】
領域3~5における放射線発生器に対応する放射線検知器リニアアレイについても、類似の方法によって相応の擬制検知器リニアアレイを取得することができ、ここでは贅言しない。

【0092】
なお、上記方法によって得られた等距離型擬制検知器リニアアレイにおいて、複数の擬制放射線検知ユニットは等距離ではない、或いは1つの実際の放射線検知ユニットは複数の擬制検知ユニットに対応する可能性がある。このような状況について、最終画像を取得した後に、後期処理を行なうことができる;或いは適切な方法によって、得られた複数の擬制検知ユニットの位置を適当に調整することにより、各擬制放射線検知ユニット間の距離が同じである要求を満たさせることができる。

【0093】
それぞれの放射線発生器と相応の等距離型擬制検知器アレイとの距離も等しいべきである。例えば、該距離を、放射線発生器Aと放射線検知器リニアアレイ24との距離に設定することができる。

【0094】
このように、全ての等距離型擬制検知器リニアアレイ、及び放射線発生器A、B、Cに対応する検知器リニアアレイの放射線検出数値は、等距離扇形ビーム投影数値を構成する。

【0095】
類似的には、円弧状放射線検知器アレイで構成される放射線検知装置を採用する場合、放射線ビームが扇形ビームであるなら、該装置が取得する放射線検出数値は等距離扇形ビーム投影数値を構成する;放射線ビームが、複数の互いに平行である直線形放射線ビームからなる放射線ビーム群であるなら、該装置が取得する放射線検出数値は平行ビーム投影数値を構成する。ここでは贅言しない。

【0096】
放射線検知ユニットが偽二重エネルギー検知ユニットである場合、結像ユニットは等距離扇形ビーム投影数値に対して二重エネルギー分解処理を行うことにより、異なる基質材料の二重エネルギー分解係数を取得することができる。その後、フィルタ逆投影アルゴリズムによって、異なる基質材料の二重エネルギー分解係数に対して二重エネルギー再建を行うことにより、被検体の画像を取得する。

【0097】
該設備はさらにデータベースを含んでもよい。該データベースは、疑わしい物品の原子番号及び電子密度を記憶することができる。結像ユニットは、二重エネルギー再建にて得られた被検体の原子番号及び電子密度分布を、データベース中のデータと比較することにより、被検体が疑わしい物品であるか否かを判断する。

【0098】
本発明による設備はスリップリング装置を設けずに、被検体に対する走査結像を完成し得る。1つの走査周期において、複数の放射線発生器が順に被検体へ放射線ビームを放出し、複数の放射線検知器リニアアレイが放射線投影数値を採集することにより、一つの断層に対する走査を完成する。検知の全過程において、設備は回動せずに完全な放射線投影数値を迅速に取得することができ、検査用時間を効果的に減少した。

【0099】
また、本発明の設備にスリップリング装置を設ける必要がないため、設備の全体的な体積がより小さく、設備コストがより小さく、且つ回動過程による結像がはっきりしないことなどの現象を避けている。したがって、取得する被検体の画像品質は更に高くなる。

【0100】
なお、本発明の技術案は偽二重エネルギー検知器リニアアレイをショート走査CT走査及び再建に組み合わせるため、荷物物品遮蔽が安全検査に及ぼす影響を効果的に低下させている。

【0101】
図5は本発明による別の放射線走査結像用設備の構造模式図を示す。

【0102】
該設備は複数の放射線発生器31及び放射線検知装置32を含む。

【0103】
複数の放射線発生器31は円弧に沿って均一に分布する。形成される円弧312の円心角は少なくとも180°である。1つの走査周期において、複数の放射線発生器31は同時に被検体へ放射線ビームを放出することができる。放射線ビームは被検体を貫通した後に、放射線検知装置32によって検出される。

【0104】
それぞれの放射線発生器31には、複数の放射線発生ユニットが設けられてもよい。本実施例において、それぞれの放射線発生器には5つの放射線発生ユニット311が設けられている。5つの放射線発生ユニット311は互いに平行である直線形放射線ビームを同時に放出し、放射線ビーム群を形成することができる。図示のように、複数の放射線ビーム群の重なり領域は即ち走査領域313(Field of View,FOV)である。

【0105】
相応的には、検知装置32は複数の放射線検知ユニット321を含む。複数の放射線検知ユニット321は円弧322に沿って均一に分布する。円弧322と円弧312は半径が同じであり、円心角がいずれも平角である。放射線発生器31上の放射線発生ユニット311は、放射線検知装置32上の放射線受信ユニット321に逐一に対応する。このように、全ての放射線発生ユニット311から放出される放射線ビームは、放射線検知装置に到達する箇所において重ならない。被検体が走査領域313を経過するとき、被検体に対して断面走査を行なうことができる。該装置が取得する放射線検出数値は平行ビーム投影数値を構成する。

【0106】
放射線検知装置32と放射線発生器31とは、2つの平面に位置すべきである。好ましくは、2つの平面は互いに平行であり、且ついずれも被検体の運動方向に垂直する。

【0107】
そして、結像ユニットは、放射線検知装置32によって採集される放射線検出数値を処理することにより、被検体の画像を取得する。

【0108】
本実施例において、全ての放射線発生ユニット311と相応の放射線検知ユニット321との距離は等しい。したがって、取得した放射線検出数値を改めて配列する必要がなく、該平行ビーム投影数値に対して直接に二重エネルギー分解処理を行うことにより、異なる基質材料の二重エネルギー分解係数を取得することができる。且つ、フィルタ逆投影アルゴリズムによって、異なる基質材料の二重エネルギー分解係数に対して二重エネルギー再建を行うことにより、被検体の画像を取得する。

【0109】
また、結像ユニットはさらに、二重エネルギー再建において被検体の原子番号及び電子密度分布を取得し、且つ該データを、データベースに記憶された疑わしい物品の原子番号及び電子密度と比較することにより、被検体が疑わしい物品であるか否かを判断することができる。

【0110】
再建方法は前記の実施例における方法と同じであってもよい。ここでは贅言しない。

【0111】
なお、本発明の設備は図示の構造に限らず、全ての放射線発生ユニットから放出される放射線ビームが、放射線検知装置に到達する箇所において重ならないことを保証すればよい。即ち、1つの放射線検知ユニット321が2つ以上の放射線発生ユニット311から放出される放射線ビームを同時に採集することを避ければよい。例えば、円弧322の円心角は、複数の放射線発生器で形成された円弧312の円心角より大きいことができる。円弧322の半径は、円弧312の半径より大きいことができる。放射線検知ユニット321の数は放射線発生ユニットの数より多いことができる。

【0112】
また、放射線検知装置32の円弧形状は他の構造であってもよい。例えば、前記実施例における三段接続構造又は多段接続構造を採用する。全ての放射線発生ユニット311から放出される放射線ビームが、放射線検知装置32に到達するときに重ならないようにすればよい。相応的には、まず、実際の検知ユニットに対応する擬制検知ユニットを取得し、且つ実際検知ユニットの検出数値に基づいて擬制検知ユニットの検出数値を取得すべきである。その後、擬制検知ユニットの放射線検出数値を用いて再建を行なうことにより、被検体の画像を取得する。

【0113】
該設備の複数の発生ユニット311が同時に被検体へ放射線ビームを放出することができるため、検査時間を効果的に短縮させ、被検体の通関時間を大いに縮減した。

【0114】
図6は本発明による、放射線検出数値を処理する方法の1実施例のフローチャートを示す。

【0115】
ステップS11において、被検体に対して放射線走査を行なって放射線検出数値を取得する。

【0116】
前記何れか1種の放射線走査結像用設備を用いて走査及び検出を行なってもよい。具体的には、複数の放射線発生器によって順に被検体へ放射線ビームを放出し、一つの断層を走査することができる。且つ、放射線検知装置によって放射線ビームを採集し、放射線検出数値を取得する。

【0117】
ステップS12において、放射線検出数値を改めて配列することにより、等距離扇形ビーム投影数値を取得する。

【0118】
好ましくは、該ステップの前に、放射線検出数値に対して予処理及び校正を行うことができる。これは、空気値除去、ローカルマイナス対数計算、均一性校正、検知器不良セクター判断及び除去などの操作を含む。

【0119】
以下、複数の放射線検知器リニアアレイで構成される放射線検知装置及び扇形放射線ビームを例として説明する。他の構造の放射線検知装置、及び他の形状の放射線ビームについて、該方法を参照して適当に調整することができる。

【0120】
このような状況では、それぞれのこのような放射線発生器に等距離型擬制検知器リニアアレイを設けてもよい。等距離型擬制検知器リニアアレイは、直線に沿って配列され且つ等距離に分布する複数の擬制検知ユニットを含むことができる。

【0121】
それぞれの放射線発生器と相応の等距離型擬制検知器アレイとの距離は等しいべきである。

【0122】
そして、放射線発生器と放射線検知ユニットとの結線に基づき、擬制検知ユニットに対応する放射線検知ユニットを確定し、且つ該放射線検知ユニットの放射線検出数値に基づいて該擬制検知ユニットの放射線検出数値を取得する。

【0123】
全ての等距離型擬制検知器リニアアレイ、及び放射線発生器A、B、Cに対応する検知器リニアアレイの放射線検出数値は、等距離扇形ビーム投影数値を構成する。

【0124】
本実施例において、放射線検出数値を処理する方法はさらに下記のステップを含んでもよい。

【0125】
ステップS13:等距離扇形ビーム投影数値に対して二重エネルギー分解処理を行うことにより、異なる基質材料の二重エネルギー分解係数を取得する。

【0126】
基質材料分解方法によって等距離扇形ビーム投影数値に対して二重エネルギー分解を行い、異なる基質材料における二重エネルギー分解係数A1及びA2を取得することができる。

【0127】
ステップS14:フィルタ逆投影アルゴリズムによって、異なる基質材料の二重エネルギー分解係数に対して二重エネルギー再建を行うことにより、被検体の画像を取得する。

【0128】
具体的には、二重エネルギー分解係数A1及びA2に対して、それぞれショート走査加重再建の方法に従ってCT再建を行なうことにより、再建後の二重エネルギー再建係数a1及びa2を取得することができる。

【0129】
用いる加重係数は下記であることができる。

【0130】
【数1】
JP0005676049B2_000002t.gif

【0131】
但し、βは投影データに対応するサンプリング角度であり、2γは扇形放射線ビームの最大ファン角である。当然ながら、用いる加重係数は上記方式に限らず、他の方法によって加重係数を取得してもよい。

【0132】
好ましくは、本方法はさらに下記のステップを含んでもよい。

【0133】
ステップS15:被検体が疑わしい物品であるか否かを判断する。

【0134】
該ステップにおいて、二重エネルギー再建係数a1及びa2を下記2つの式に代入して解を求めることにより、被検体の原子番号及び電子密度を取得することができる。

【0135】
【数2】
JP0005676049B2_000003t.gif

【0136】
【数3】
JP0005676049B2_000004t.gif

【0137】
但し、Z1及びZ2はそれぞれ2種の基質材料の原子番号値であり、ρe1及びρe2はそれぞれ2種の基質材料の電子密度値である。

【0138】
そして、被検体の原子番号及び電子密度の分布値を、疑わしい物品の原子番号及び電子密度の分布データと比較することにより、被検体が疑わしい物品であるか否かを判断する。疑わしい物品の原子番号及び電子密度分布は、データベース中又は他の装置中に記憶されることができる。

【0139】
被検体に疑わしい物品が存在すると判定した場合、ステップS16を実行する。ステップS16において、疑わしい物品の種類を表示するとともに該疑わしい物品の領域を標記することができ、検査員は開包検査を行う。

【0140】
被検体に疑わしい物品が存在しないと判定した場合、ステップS17を実行する。ステップS17において、被検体を通過させて次の層を走査する。被検体が全て通過した場合、該被検体の三次元再建画像を表示することができる。

【0141】
このような方法によって、易燃物、爆発物又は麻薬などのような危険品と疑わしい物品に対して、迅速で正確な識別を行なうことができる。

【0142】
ここまで、本発明による放射線走査結像用設備及び方法を既に詳しく説明した。本発明の構想を遮ることを防止するために、本分野に公知される一部の細部を説明しなかった。上記説明に基づき、ここで開示された技術案を如何に実施するかは、当業者にとって明白である。

【0143】
例示によって本発明の一部の特定な実施例を詳しく説明したが、当業者であれば理解できるように、上記例示は説明するためのものだけであり、本発明の範囲を制限するためのものではない。当業者であれば理解できるように、本発明の範囲及び精神を離脱しない前提で、上記実施例を変えることができる。本発明の範囲は、添付された請求項に限定される。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4A】
3
【図4B】
4
【図5】
5
【図6】
6