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明細書 :スポットカラーのキャリブレーション方法及び装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公表番号 特表2014-524720 (P2014-524720A)
公報種別 特許公報(B2)
公表日 平成26年9月22日(2014.9.22)
特許番号 特許第5710076号 (P5710076)
登録日 平成27年3月13日(2015.3.13)
発行日 平成27年4月30日(2015.4.30)
発明の名称または考案の名称 スポットカラーのキャリブレーション方法及び装置
国際特許分類 H04N   1/46        (2006.01)
H04N   1/60        (2006.01)
G06T   1/00        (2006.01)
FI H04N 1/46 Z
H04N 1/40 D
G06T 1/00 510
請求項の数または発明の数 5
全頁数 23
出願番号 特願2014-527469 (P2014-527469)
出願日 平成24年5月18日(2012.5.18)
国際出願番号 PCT/CN2012/075726
国際公開番号 WO2013/078837
国際公開日 平成25年6月6日(2013.6.6)
優先権出願番号 201110390678.1
優先日 平成23年11月30日(2011.11.30)
優先権主張国 中華人民共和国(CN)
審査請求日 平成26年2月26日(2014.2.26)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】507230289
【氏名又は名称】ペキン ユニバーシティ ファウンダー グループ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称】PEKING UNIVERSITY FOUNDER GROUP CO.,LTD.
【識別番号】504415968
【氏名又は名称】北京大学
【識別番号】507230304
【氏名又は名称】北京北大方正▲電▼子有限公司
【氏名又は名称】BEIJING FOUNDER ELECTRONICS CO.,LTD.
【識別番号】514002341
【氏名又は名称】北京北大方正技▲術▼研究院有限公司
発明者または考案者 【氏名】リ ハイフェン
【氏名】ヤン シェヤン
【氏名】バイ ユイン
早期審査対象出願または早期審理対象出願 早期審査対象出願
個別代理人の代理人 【識別番号】100105924、【弁理士】、【氏名又は名称】森下 賢樹
審査官 【審査官】豊田 好一
参考文献・文献 特開2011-061519(JP,A)
特開2006-157294(JP,A)
特開2008-301350(JP,A)
特開2008-301351(JP,A)
特開2005-167630(JP,A)
特開2008-301348(JP,A)
特開2006-217420(JP,A)
特開2000-217007(JP,A)
特開2000-203094(JP,A)
調査した分野 H04N 1/46-62
G06T 1/00
H04N 1/40
特許請求の範囲 【請求項1】
スポットカラーの目標値を確定するステップと、
印刷機器から出力されるカラーブロックのスポットカラーの測定値がスポットカラーの目標値に近づくように、列挙型ループ処理で印刷機器をキャリブレーションするステップと、
を含み、
前記列挙型ループ処理で印刷機器をキャリブレーションするステップは、
(1)スポットカラーの目標値をスポットカラーの標準値として設定し、
(2)スポットカラーの標準値を中心に複数のスポット色度値を設定し、前記スポットカラーの標準値と前記複数のスポット色度値は一組のスポットカラーの列挙値を構成し、
(3)印刷機器においてスポットカラーの列挙値で印刷を行い、出力してカラーターゲット図を取得し、
(4)カラーターゲット図における各々のカラーブロックを測定して各々のカラーブロックのスポットカラーの測定値を取得し、
(5)各々のスポットカラーの測定値とスポットカラーの標準値との色差を確定し、
(6)色差が最も小さいスポットカラーの測定値に対応するカラーブロックのスポットカラーの列挙値を確定し、
(7)設定された範囲内で前記確定されたスポットカラーの列挙値を補正して新たなスポットカラーの標準値とし、
(8)前記ステップ2~7を繰り返して実行し、最も小さい色差にリバウンドが発生すると、ループ処理を終了すると共に、色差が最も小さいスポットカラーの測定値に対応するカラーブロックのスポットカラーの列挙値を最終的な印刷値として確定する
ことを含み、
前記印刷機器の色空間がLabであり、前記スポットカラーの標準値を中心に複数のスポット色度値を設定するステップは、Labステップサイズをそれぞれ下式
JP0005710076B2_000037t.gifで示すように確定することを含み、m、z、kはそれぞれLabのステップサイズ数であり、
スポットカラーの標準値L標準、a標準、b標準を中心とし、Lステップi、aステップi、bステップiをそれぞれステップサイズとして、m*z*k個のスポット色度値が取得され、
標準、a標準、b標準とスポットカラーの目標値L目標、a目標、b目標との色差ΔL、Δa、Δbに基づいて、m、z、kの大きさが確定され、m、z、kの大きさの順序はΔL、Δa、Δbの順序に対応している
ことを特徴とする、コンピュータで実行されるスポットカラーのキャリブレーション方法。
【請求項2】
前記スポットカラーの目標値を確定するステップは、カラーカードにおけるスポットカラーブロックを測定し、測定された色度値をスポットカラーの目標値とすることを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記各々のスポットカラーの測定値とスポットカラーの標準値との色差を確定するステップは、下式
JP0005710076B2_000038t.gifにしたがって実行され、測量i、a測量i、b測量iはそれぞれn個のカラーブロックの測定色度値であることを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記設定された範囲内で前記確定されたスポットカラーの列挙値を補正して新たなスポットカラーの標準値とするステップは、下式
JP0005710076B2_000039t.gifにしたがって実行され、測定、a測定、b測定は最も小さい色差に対応するスポットカラーの測定値であり、ratは設定された補正係数であることを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項5】
スポットカラーの目標値を確定する目標モジュールと、
印刷機器から出力されるカラーブロックのスポットカラーの測定値がスポットカラーの目標値に近づくように、列挙型ループ処理で印刷機器をキャリブレーションするキャリブレーションモジュールと、
を備え
前記キャリブレーションモジュールは、
スポットカラーの目標値をスポットカラーの標準値として設定する標準値モジュールと、
スポットカラーの標準値を中心として複数のスポット色度値を設定し、前記スポットカラーの標準値と前記複数のスポット色度値とで一組のスポットカラーの列挙値を構成する列挙値モジュールと、
印刷機器においてスポットカラーの列挙値で印刷を行い、出力してカラーターゲット図を取得するように構成されるカラーターゲットモジュールと、
カラーターゲット図における各々のカラーブロックを測定して各々のカラーブロックのスポットカラーの測定値を取得する測定モジュールと、
各々のスポットカラーの測定値とスポットカラーの標準値との色差を確定する色差モジュールと、
色差が最も小さいスポットカラーの測定値に対応するカラーブロックのスポットカラーの列挙値を確定する確定モジュールと、
設定された範囲内で前記確定されたスポットカラーの列挙値を補正して新たなスポットカラーの標準値とする補正モジュールと、
前記列挙値モジュール、前記カラーターゲットモジュール、前記測定モジュール、前記色差モジュール、前記確定モジュールと前記補正モジュールの動作が繰り返して実行され、最も小さい色差にリバウンドが発生すると、ループ処理を終了すると共に、色差が最も小さいスポットカラーの測定値に対応するカラーブロックのスポットカラーの列挙値が最終的な印刷値と確定されるように制御する制御モジュールと、
を備え、
印刷機器の色空間がLabであり、前記列挙値モジュールは、Labステップサイズをそれぞれ下式
JP0005710076B2_000040t.gifで示すように確定し、m、z、kはそれぞれLabのステップサイズ数であり、
スポットカラーの標準値L標準、a標準、b標準を中心とし、Lステップi、aステップi、bステップiをそれぞれステップサイズとして、m*z*k個のスポット色度値が取得され、
標準、a標準、b標準とスポットカラーの目標値L目標、a目標、b目標との色差ΔL、Δa、Δbに基づいて、m、z、kの大きさが確定され、m、z、kの大きさの順序はΔL、Δa、Δbの順序に対応している
ことを特徴とするスポットカラーのキャリブレーション装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷分野に関し、具体的には、スポットカラーのキャリブレーション方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、印刷品質への要求が高まるにつれて、スポットカラーの適用、特に包装分野での適用が幅広くなっている。インクジェットプルーフィングデバイスを用いてプルーフィングを行う際に、スポットカラーの実現メカニズムは四色と本質的に異なる。まず、その色彩の調合過程が異なる。四色プルーフィングでは、全体的なプルーフィング効果が注目される一方、スポットカラープルーフィングでは、個別の特定の色彩の正確なシミュレーション及び再現が目標とされている。スポットカラーの数及び種類が多いから、スポットカラーを正確にシミュレーションし出力することは、現在のデジタルプルーフィングシステムが解決しなければならない主要な問題の一つとなる。また、数多くのスポットカラーは、プリンタが実現し得る色彩範囲から外れているから、デジタルプルーフィングを行う際に、大きな難点となっている。従って、現在のスポットカラープルーフィングは常に伝統的なプルーフィング方式が用いられている。ところが、この方式は、時間が掛かったり、効率が低下したり、シミュレーションが不正確となったりするような問題が生じる。幾つかのデジタルプルーフィングソフトウェアはスポットカラープルーフィングを支持する機能を有したとしても、ほとんどは単点に基づくキャリブレーションであり、かつ良好な校正メカニズムがないので、スポットカラーの正確な再現はいつも技術難点の一つであった。
【0003】
インクジェット印刷方式に基づくスポットカラーのキャリブレーション方法は、プリンタ自身の幾つかのインクカラーによりスポットカラーをシミュレーションするが、スポットカラーインクを用いるものではない。シミュレーションであったら、シミュレーションが正確であるか否かという問題が存在している。シミュレーションの中で、CIE1976 L*a*b色空間の色差ΔEを用いてシミュレーションの正確の度合いを評価する。色差が大きくなるほど、スポットカラーのシミュレーションが似なくなることを意味している。色差が過大となる問題を解決するために、プリンタの色域を広げたり、用紙を変更したり、インクカラー数を増やしたりするなど様々な方法が挙げられる。しかし、これらの改善を達成しようとするなら、コストを向上させる必要があり、しかも、適用上の限界性もあり、かつ良好なスポットカラーキャリブレーションメカニズムがなければ、これらの性能を効果的に発揮することも難しくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
単点によるキャリブレーションが不正確となった問題を解決するために、本発明は、スポットカラーのキャリブレーション方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施例では、スポットカラーの目標値を確定するステップと、印刷機器から出力されるカラーブロックのスポットカラーの測定値がスポットカラーの目標値に近づくように、列挙型ループ処理で印刷機器をキャリブレーションするステップとを含むスポットカラーのキャリブレーション方法を提供する。
【0006】
本発明の実施例では、スポットカラーの目標値を確定する目標モジュールと、印刷機器から出力されるカラーブロックのスポットカラーの測定値がスポットカラーの目標値に近づくように、列挙型ループ処理で印刷機器をキャリブレーションするキャリブレーションモジュールとを備えるスポットカラーのキャリブレーション装置を提供する。
【0007】
本発明の前記実施例におけるスポットカラーのキャリブレーション方法及び装置は、列挙型ループ処理により印刷機器をキャリブレーションするため、印刷機器のスポットカラーの正確なキャリブレーションを実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
ここで説明する図面は、本発明を更に理解するものであり、本出願の一部を構成している。本発明の例示的な実施形態及びその説明は本発明を説明するものであり、本発明への不当な限定にはならない。
【図1】本発明の実施例に基づくスポットカラーのキャリブレーション方法のフロチャート図を示している。
【図2】本発明の最適な実施例に基づいて列挙型ループ処理で印刷機器をキャリブレーションするフロチャート図を示している。
【図3】本発明の実施例に基づくスポットカラーのキャリブレーション装置の概略図を示している。
【図4】本発明の最適な実施例に基づく54個のスポットカラーカラーブロックのカラーターゲット図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下で、図面を参照して、実施例を組み合わせて本発明について詳細に説明する。

【0010】
図1は、本発明の実施例に基づくスポットカラーのキャリブレーション方法のフロチャート図を示しており、
スポットカラーの目標値を確定するステップS10と、
印刷機器から出力されるカラーブロックのスポットカラーの測定値がスポットカラーの目標値に近づくように、列挙型ループ処理で印刷機器をキャリブレーションするステップS20とを含む。

【0011】
関連する技術の中では単点に基づいてキャリブレーションを行うのに対して、本実施例では、列挙メカニズムを採用する。関連する技術は良好な校正メカニズムがないのに対して、本実施例ではループ処理方式を採用する。本実施例はループ処理列挙方式を用いることにより、印刷機器から出力されるスポットカラーが目標スポットカラーに速やかに近づき、かつ更に正確となる。

【0012】
好ましくは、ステップS10において、カラーカードにおけるスポットカラーカラーブロックを測定し、測定された色度値をスポットカラーの目標値とする。また、他の方式によりスポットカラーの目標値を取得しても良く、例えばユーザから具体的なスポットカラー色度値を直接的に提供することができることが明らかである。

【0013】
図2は本発明の最適な実施例に基づいて列挙型ループ処理で印刷機器をキャリブレーションするフロチャート図を示しており、列挙型ループ処理で印刷機器をキャリブレーションするステップにおいて
(1)スポットカラーの目標値をスポットカラーの標準値として設定し、
(2)スポットカラーの標準値を中心に複数のスポット色度値を設定し、前記スポットカラーの標準値と前記複数のスポット色度値は一組のスポットカラーの列挙値を構成し、
(3)印刷機器においてスポットカラーの列挙値で印刷を行い、出力してカラーターゲット図を取得し、
(4)カラーターゲット図における各々のカラーブロックを測定して各々のカラーブロックのスポットカラーの測定値を取得し、
(5)各々のスポットカラーの測定値とスポットカラーの目標値との色差を確定し、
(6)色差が最も小さいスポットカラーの測定値に対応するカラーブロックのスポットカラーの列挙値を確定し、
(7)設定された範囲内で前記確定されたスポットカラーの列挙値を補正して新たなスポットカラーの標準値とし、
(8)前記ステップ2~7を繰り返して実行し、最も小さい色差にリバウンドが発生すると、ループ処理を終了すると共に、色差が最も小さいスポットカラーの測定値に対応するカラーブロックのスポットカラーの列挙値を最終的な印刷値として確定することを含む。

【0014】
当該最適な実施例におけるアルゴリズムが簡単であり、かつコンピュータプログラムにより実現され易いものである。

【0015】
好ましくは、印刷機器の色空間はLabであり、スポットカラーの標準値を中心に複数のスポット色度値の設定において、
Labステップサイズをそれぞれ下式、即ち、
JP0005710076B2_000002t.gif で示すように確定し、ここで、m、z、kはそれぞれLabのステップサイズ数であり、
スポットカラーの標準値L標準、標準、b標準を中心とし、Lステップi、aステップi、bステップiをそれぞれステップサイズとして、m*z*k個のスポット色度値を得る。

【0016】
当該最適な実施例におけるアルゴリズムが簡単であり、かつコンピュータプログラムにより実現され易いものである。常用される色空間はLabを除き、RGB、CMYKなどが挙げられる。本発明の技術案を実現する方法は前記Labの最適な実施例と同じため、その説明を省略する。

【0017】
好ましくは、この方法は、さらに、L標準、a標準、b標準とスポットカラーの目標値L目標、a目標、b目標との色差ΔL、Δa、Δbに基づいて、m、z、kの大きさを確定することを含み、ここで、m、z、kの大きさの順序はΔL、Δa、Δbの順序に対応している。

【0018】
ΔL>Δa>Δbであれば、Labステップサイズ数はそれぞれm、z、kであり、即ち、Labステップサイズの個数はそれぞれ、
JP0005710076B2_000003t.gif

【0019】
ΔLの数値が最大となると、輝度のシミュレーションが不正確であることが分かり、即ち、今回のループ処理時に輝度値Lの検索範囲を増大して適切なキャリブレーションを行い、キャリブレーションの精度を高める。1回目のループ処理時に、L、a、bのいずれかをステップサイズ数が最大となる項目としてデフォルトに指定することができる。

【0020】
好ましくは、スポットカラーの測定値とスポットカラーの目標値の色差を下式、即ち、
JP0005710076B2_000004t.gif で示すように確定し、ここで、L測量i、a測量i、b測量iはそれぞれn個のカラーブロックの測定色度値である。

【0021】
好ましくは、設定された範囲内で前記確定されたスポットカラーの列挙値L列挙、a列挙、b列挙を補正して新たなスポットカラーの標準値とするステップにおいて、
JP0005710076B2_000005t.gif ここで、L測定、a測定、b測定は最も小さい色差に対応するスポットカラーの測定値であり、ratは設定された補正係数である。

【0022】
当該最適な実施例におけるアルゴリズムが簡単であり、かつコンピュータプログラムにより実現され易いものである。

【0023】
図3は、本発明の実施例に基づくスポットカラーのキャリブレーション装置の概略図を示しており、
スポットカラーの目標値を確定する目標モジュール10と、
印刷機器から出力されるカラーブロックのスポットカラーの測定値がスポットカラーの目標値に近づくように、列挙型ループ処理で印刷機器をキャリブレーションするキャリブレーションモジュール20とを備える。

【0024】
好ましくは、前記キャリブレーションモジュール20は、
スポットカラーの目標値をスポットカラーの標準値として設定する標準値モジュールと、
スポットカラーの標準値を中心として複数のスポット色度値を設定し、前記スポットカラーの標準値と前記複数のスポット色度値とで一組のスポットカラーの列挙値を構成する列挙値モジュールと、
印刷機器においてスポットカラーの列挙値で印刷を行い、出力してカラーターゲット図を取得するように構成されるカラーターゲットモジュールと、
カラーターゲット図における各々のカラーブロックを測定して各々のカラーブロックのスポットカラーの測定値を取得する測定モジュールと、
各々のスポットカラーの測定値とスポットカラーの目標値との色差を確定する色差モジュールと、
色差が最も小さいスポットカラーの測定値に対応するカラーブロックのスポットカラーの列挙値を確定する確定モジュールと、
設定された範囲内で前記確定されたスポットカラーの列挙値を補正して新たなスポットカラーの標準値とする補正モジュールと、
前記列挙値モジュール、前記カラーターゲットモジュール、前記測定モジュール、前記色差モジュール、前記確定モジュールと前記補正モジュールの動作が繰り返して実行され、最も小さい色差にリバウンドが発生すると、ループ処理を終了すると共に、色差が最も小さいスポットカラーの測定値に対応するカラーブロックのスポットカラーの列挙値が最終的な印刷値と確定されるように制御する制御モジュールとを備える。

【0025】
好ましくは、印刷機器の色空間がLabであり、前記列挙値モジュールにより、Labステップサイズをそれぞれ下式、即ち、
JP0005710076B2_000006t.gif で示すように確定し、ここで、m、z、kはそれぞれLabのステップサイズ数であり、
スポットカラーの標準値L標準、a標準、b標準を中心とし、Lステップi、aステップi、bステップiをそれぞれステップサイズとして、m*z*k個のスポット色度値を得る。

【0026】
以下で、1台のEpsonインクジェットプリンタのスポットカラーキャリブレーションを例として本発明の技術案を説明する。

【0027】
実験条件:
用紙:Fantac190
測定装置:x-rite Eye-One iSis
出力装置:Epson Stylus Pro 7880

【0028】
ステップ1:現在の標準的スポットカラーに基づいて、その周辺のn個のスポットカラーの色度値を算出して出力する。

【0029】
目標スポットカラーのLab値をそれぞれL目標、a目標、b目標として設定し、現在ループ処理している標準的Lab値をそれぞれL標準、a標準、b標準とした時に、1回目のループ処理において、標準的Lab値は目標Lab値である。

【0030】
本実施例における目標スポットカラーは、PANTONEスポットカラーベースの中のPANTONE 3425 CHを選択し、その数値を下記式で示すように取る。
JP0005710076B2_000007t.gif

【0031】
(1)Labの検索範囲の確定
n個のスポットカラー色度値を算出する際に、Labの3つの項目のステップサイズ数の組み合わせがm*z*kであると仮定され、m、z、kは等しくない可能性があるので、L、a、bとm、z、kの間の対応関係を確定し、即ち、Labの検索範囲を確定する必要がある。

【0032】
本実施例では、L、a、bステップサイズ数を3*3*kの組み合わせとした場合に、即ち、3つの項目のうちに最大なステップサイズ数がk(k>3)であり、他の2つの項目のステップサイズ数が共に3である。n個のカラーブロックの目標スポットカラーの周辺での対称性を確保するために、選択される列挙点個数nと最大なステップサイズ数kは下記の通りである。即ち、
JP0005710076B2_000008t.gif

【0033】
下記表現式に基づいて、前回のループ処理における最小の色差に対応する測定値と目標値のL、a、bとの差をそれぞれ算出する。
JP0005710076B2_000009t.gif ここで、L測定、a測定、b測定は前回のループ処理で選択されたカラーブロックに対応する測定値を表す。
ΔL、Δa、Δbのうちに最大値に対応する項目のステップサイズ数はkであり、即ち、検索範囲が最大である。

【0034】
(2)n個のスポットカラーの色度値の算出
1回目のループ処理において、Lのステップサイズ数の最大値がkであり、下記表現式に基づいてn個の点のLab値を算出する。
L値の算出:
JP0005710076B2_000010t.gif ここで、LステップjはLのk個のステップサイズ数である。
a値の算出:
JP0005710076B2_000011t.gif ここで、aステップ0、aステップ1、ステップ2はaのステップサイズ値である。
b値の算出:
JP0005710076B2_000012t.gif ここで、bステップ0、bステップ1、ステップ2はbのステップサイズ値である。

【0035】
本実施例では、前記各式中のパラメータを下記のように設定する。即ち、
JP0005710076B2_000013t.gif

【0036】
1回目のループ処理時に算出された54個のスポットカラーのLab値は表1に示す如くである。
表1 1回目のループ処理時における54個のスポット色度値
JP0005710076B2_000014t.gifJP0005710076B2_000015t.gif

【0037】
(3)n個のスポットカラーカラーブロックの出力
図4に示すように、標準値に基づいて検索された54個のスポットカラーであり、それぞれのスポットカラーカラーブロックは1つのスポット色度値に対応する。Lab値がそれぞれ異なるため、カラーブロックの間には輝度変化が存在している。当該n個のスポットカラーを1枚のカラーターゲット図に作成すると共に、各々のスポットカラーを命名し、透明度、色域などのパラメータを設置してPDF形式で記憶し、インクジェットプルーフィング装置で出力する。図4における各々のカラーブロックは輝度が変化している緑色ブロックである。ここでは、下記の点を説明しておきたい。即ち、印刷や出版の都合で、図4はモノクロ画像としてレンダリングされるしかできない。本文では、できるかぎり文言で説明を行う。

【0038】
ステップ2:各々のスポットカラーのカラー差を算出すると共に順序を並べる。

【0039】
測定装置により、ステップ1において出力されたn個のスポットカラーカラーブロックの色度値を測定すると共に、下記式に基づいて各々のスポットカラーの色差を算出する。
JP0005710076B2_000016t.gif ここで、L測定i、a測定i、b測定iはn個のカラーブロックの測定色度値である。

【0040】
前記算出された色差ΔEiを大きい順に並べ、かつ各々のカラーブロックに対応する印刷値及び測定値も色差に従い順序を並べる。即ち、順序を並べた色差と印刷値、測定値は一対一に対応している。

【0041】
ステップ3:標準値を補正する。

【0042】
ステップ2で算出された1回目のループ処理における各々のカラーブロックの最小色差は2.05であり、下記表現式に基づいて現在の標準値を補正し、この補正値を2回目のループ処理における標準値とする。
JP0005710076B2_000017t.gif ここで、L測定、a測定、b測定は最小の色差に対応する測定色度値であり、ratは補正係数であり、スポットカラーの補正幅を制御する。

【0043】
本実施例における補正係数ratを経験値0.8とし、1回目のループ処理後の最小色差が対応する標準値、測定値及び補正値は表2に示す如くである。
表2 1回目のループ処理結果及び補正値
JP0005710076B2_000018t.gif

【0044】
ステップ4:繰り返し印刷

【0045】
ステップ3で算出された2回目の繰り返し印刷の標準値は下記の通りである。
JP0005710076B2_000019t.gif 1回目のループ処理における最小の色度値に対応する測定値及び目標値に基づいてLabの3つの項目の差をそれぞれ算出し、結果は
JP0005710076B2_000020t.gif

【0046】
上記式から分かるように、Δbは最大であるため、bのステップサイズ数はkである。下記式に基づいてn個の点のLabの値を算出する。
L値の算出:
JP0005710076B2_000021t.gif ここで、Lステップ0、Lステップ1、Lステップ2はLのステップサイズ値である。
a値の算出:
JP0005710076B2_000022t.gif ここで、aステップ0、aステップ1、aステップ2はaのステップサイズ値である。
b値の算出:
JP0005710076B2_000023t.gif ここで、bステップjはbのk個のステップサイズ値である。

【0047】
本実施例の2回目のループ処理で各ステップサイズ値を下記のように設定する。
JP0005710076B2_000024t.gif

【0048】
標準値及びステップサイズ値に基づいて生成された54個のカラーブロックは表3に示す如くである。
表3 2回目のループ処理における54個のスポット色度値
JP0005710076B2_000025t.gif

【0049】
この54個のカラーブロックを出力し、各々のカラーブロックの色差を測定すると共に順序を並べて、最小の色差の値が1.16であることが得られる。ステップ3の補正公式に基づいてスポットカラー補正を行う。補正値は表4に示す如くである。
表4 2回目のループ処理結果及び補正値
JP0005710076B2_000026t.gif 得られた3回目の繰り返し印刷の標準値は下記の通りである。
JP0005710076B2_000027t.gif

【0050】
1回目のループ処理での最小の色度値に対応する測定値及び目標値に基づいてLabの3つの項目の差をそれぞれ算出して、結果は
JP0005710076B2_000028t.gif

【0051】
上記式から分かるように、Δaは最大であるため、aのステップサイズ数はkである。下記式に基づいてn個の点のLabの値を算出する。
L値の算出:
JP0005710076B2_000029t.gif ここで、Lステップ0、Lステップ1、Lステップ2はLのステップサイズ値である。
a値の算出:
JP0005710076B2_000030t.gif ここで、aステップjはaのk個のステップサイズ値であり、
JP0005710076B2_000031t.gif b値の算出:
JP0005710076B2_000032t.gif ここで、bステップ0、bステップ1、bステップ2はbのステップサイズ値である。

【0052】
本実施例では、前記各式のL、a、bのステップサイズ値は下記の通りである。
JP0005710076B2_000033t.gif

【0053】
標準値及びステップサイズ値に基づいて生成された54個のカラーブロックは表5に示す如くである。
表5 3回目のループ処理における54個のスポット色度値
JP0005710076B2_000034t.gif

【0054】
この54個のカラーブロックを出力し、各々のカラーブロックの色差を測定すると共に順序を並べる。本実施例では、今回のループ処理で最小の色差が0.54である。補正値は表6に示す如くである。
表6 3回目のループ処理結果及び補正値
JP0005710076B2_000035t.gif

【0055】
繰り返し印刷を引き続き行い、各スポット色度値は表7に示す如くである。
表7 4回目のループ処理における54個のスポット色度値
JP0005710076B2_000036t.gif

【0056】
印刷測定により得られた4回目のループ処理における最小の色差は0.71であり、リバウンドが発生するから、ループ処理を引き続き行わない。3回目のループ処理で色度値が0.54であるカラーブロックに対応するスポット色度値を、このスポットカラーのキャリブレーション結果として格納する。

【0057】
以上の記載から分かるように、本発明の実施例で提供される列挙型ループ処理でスポットカラーのキャリブレーション方法及び装置は、ターゲットスポットカラーの周辺のn個のカラーブロックを検索すると共に、キャリブレーションをループ処理する方法によりスポットカラーシミュレーションを実現する。即ち、プルーフィング装置の色域を広げないことを前提としてスポットカラーの色差を低下させてコストを節約する。また、当該方法及び装置はスポットカラーの検索範囲を増大しており、かつ測定色度値に基づいてターゲットスポットカラーの補正をループ処理しているため、スポットカラーのキャリブレーション効率及びシミュレーション精度をより一層高めている。

【0058】
当業者は知っているように、前記本発明の各モジュール又は各ステップは共通の計算装置により実現可能である。それらは単独の計算装置に集中するか、或いは複数の計算装置からなるネットワークに分散しており、好ましくは、それらは計算装置に実行可能なプログラムコードにより実現することができる。これによって、それらを記憶装置に記憶して計算装置により実行するか、或いはそれらを各集成回路モジュールとして作成するか、或いはそれらのうちの複数のモジュール又はステップを単独の集成回路モジュールとして作成することにより実現可能となる。したがって、本発明は如何なる特定のハードウェアとソフトウェアの結合に制限されるものではない。

【0059】
前述したものは、本発明の最適な実施例に過ぎず、本発明を制限するものではない。本発明の精神及び範囲から逸脱しないかぎり、当業者は本発明に対して様々な変更や変形を行うことができるのが明らかである。これらの変更や等価な置換や改良などは本発明の特許請求の範囲及び均等的な範囲に該当すれば、本発明の範囲内に含まれる。
図面
【図1】
0
【図2】
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【図3】
2
【図4】
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