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明細書 :分散型イーサネットシステムおよび該システムに基づいて障害を検出する方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公表番号 特表2010-525693 (P2010-525693A)
公報種別 特許公報(B2)
公表日 平成22年7月22日(2010.7.22)
特許番号 特許第5073812号 (P5073812)
登録日 平成24年8月31日(2012.8.31)
発行日 平成24年11月14日(2012.11.14)
発明の名称または考案の名称 分散型イーサネットシステムおよび該システムに基づいて障害を検出する方法
国際特許分類 H04L  12/42        (2006.01)
FI H04L 12/42 M
請求項の数または発明の数 10
全頁数 20
出願番号 特願2010-504423 (P2010-504423)
出願日 平成19年8月13日(2007.8.13)
国際出願番号 PCT/CN2007/070458
国際公開番号 WO2008/131624
国際公開日 平成20年11月6日(2008.11.6)
優先権出願番号 200710097678.6
優先日 平成19年4月27日(2007.4.27)
優先権主張国 中華人民共和国(CN)
審査請求日 平成21年12月16日(2009.12.16)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】509293039
【氏名又は名称】中控科技集▲団▼有限公司
【識別番号】310006626
【氏名又は名称】浙江大学
発明者または考案者 【氏名】▲馮▼ 冬芹
【氏名】章 涵
【氏名】▲チュ▼ 健
【氏名】金 建祥
個別代理人の代理人 【識別番号】100108453、【弁理士】、【氏名又は名称】村山 靖彦
【識別番号】100064908、【弁理士】、【氏名又は名称】志賀 正武
【識別番号】100089037、【弁理士】、【氏名又は名称】渡邊 隆
【識別番号】100110364、【弁理士】、【氏名又は名称】実広 信哉
審査官 【審査官】岩田 玲彦
参考文献・文献 特開2003-234747(JP,A)
特開2000-082053(JP,A)
特開2005-269059(JP,A)
調査した分野 H04L 12/42
特許請求の範囲 【請求項1】
順に接続されてリングを形成する複数のスイッチを備え、前記スイッチのそれぞれは、クロックで同期された後に、所定のコンフィギュレーションに従って、ループ障害検出メッセージを送信することによってシステムのループを検出するためのループ検出、および、リンク障害検出メッセージを隣接スイッチに送信することによって隣接スイッチのプロトコル機械に障害が生じたかどうかを検出するためのプロトコル機械検出を周期的に実行するように構成され、前記スイッチのそれぞれは、ループ障害またはプロトコル機械障害が生じたとき障害警報メッセージを送信するようにさらに構成され、すべてのスイッチはリンク障害検出メッセージを同時に送信し、隣接スイッチのプロトコル機械に障害が生じると、前記隣接スイッチにより、通常のデータは処理することができるが、検出メッセージおよびリンク障害警報メッセージは処理して送信することができない分散型イーサネット(登録商標)システム。
【請求項2】
前記複数のスイッチのそれぞれは、
前記スイッチを、クロックが前記システムと同期するように調整するように構成されたクロック同期ユニットと、
前記システムのループの検出を実行するように構成されたループ検出ユニットと、
前記ループ検出ユニットが前記システムのループの障害の発生を検出した後に、前記スイッチと接続されたリンクの動作状態をチェックして記録をとるように構成された自己検査ユニットと、
前記スイッチの隣接スイッチに対して前記プロトコル機械検出を実行するように構成されたプロトコル機械検出ユニットと、
前記ループ検出ユニット、前記自己検査ユニット、前記プロトコル機械検出ユニットのうち少なくとも1つが障害を検出したとき、前記障害のタイプおよび前記障害が生じた位置を示すために用いられる情報を含む警報メッセージを、マルチキャストによって送信するように構成された障害警報ユニットと、
前記ループ検出ユニット、前記自己検査ユニット、前記プロトコル機械検出ユニットのうち少なくとも1つが前記障害を検出したとき、前記所定のコンフィギュレーションからの命令に従い、別のスイッチのリングポートの状態に基づいて、前記スイッチのリングポートのプロトコル状態を設定するように構成された状態設定ユニットとを備える請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ループ検出ユニットは、
前記スイッチの2つのリングポートを介して、マルチキャストによって、前記スイッチの媒体アクセス制御(MAC)アドレスおよび前記リングポートのプロトコル状態を示すのに用いられる情報を含むループ障害検出メッセージを周期的に送信するように構成された第1の送信ユニットと、
前記第1の送信ユニットが前記ループ障害検出メッセージを送信した後に、ループ検出サイクルが終了したとき、前記スイッチの前記2つのリングポートが反対側から送信された前記ループ障害検出メッセージを受信したかどうか判断し、受信していたら前記システムが正常に動作していると判断し、そうでなければ前記システムにループ障害が生じていると判断するように構成された第1の判断ユニットとを備える請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ループ検出ユニットは、
別のスイッチから送信された前記ループ障害検出メッセージを受信して、メッセージ配信サイクルと等しい期間中に同じ前記ループ障害検出メッセージが受信されているかどうか判断し、受信していたら前記システムが正常に動作していると判断し、そうでなければ前記システムでループ障害が生じていると判断するように構成された第2の判断ユニットをさらに備える請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記プロトコル機械検出ユニットは、
前記スイッチの、前記隣接スイッチへの2つのリングポートを介して、ユニキャストによって、前記スイッチの媒体アクセス制御アドレス、前記隣接スイッチの媒体アクセス制御アドレスおよび前記リングポートの前記プロトコル状態を示すのに用いられる情報を含む前記リンク障害検出メッセージを周期的に送信するように構成された第2の送信ユニットと、
前記第2の送信ユニットが前記リンク障害検出メッセージを送信した後に、プロトコル機械検出サイクルが終了したとき、前記スイッチの前記2つのリングポートが前記隣接スイッチから送られたリンク障害検出メッセージを受信したかどうか判断し、受信していたら前記隣接スイッチのプロトコル機械が正常に動作していると判断し、そうでなければ前記隣接スイッチで前記プロトコル機械障害が生じていると判断するように構成された第3の判断ユニットとを備える請求項2から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記状態設定ユニットは、
前記クロック同期ユニットがクロック同期動作を完了する前は前記スイッチの前記2つのリングポートのプロトコル状態を初期化状態に設定し、また、前記クロック同期ユニットが前記クロック同期動作を完了した後は前記スイッチの前記2つのリングポートのプロトコル状態を遮断に設定するように構成された第1の状態設定ユニットと、
前記リングポートが遮断状態であることを示すのに用いられる情報を含むメッセージを前記スイッチが受信したとき、前記スイッチの前記2つのリングポートの前記プロトコル状態を転送状態に設定し、また、前記リング中のその他のスイッチの前記リングポートがすべて転送状態であると前記スイッチが認識したとき、前記スイッチの前記リングポートのうちの1つの状態を遮断に設定してもう一つのリングポートの状態を転送に設定するように構成された第2の状態設定ユニットと、
前記自己検査ユニットが前記リンク中の障害を検出したとき、前記スイッチの、前記リンクと接続されたリングポートの状態を遮断に設定するように構成され、また、前記システムのリングが正常に動作するように回復したと前記スイッチの前記ループ検出ユニットが判断したとき、前記リングポートの遮断状態を維持するように構成された第3の状態設定ユニットと、
前記隣接スイッチでプロトコル機械障害が生じたと前記プロトコル機械検出ユニットが判断したとき、前記隣接スイッチと接続されたリングポートのプロトコル状態を遮断に設定し、また、前記プロトコル機械障害が生じたスイッチが正常に動作するように回復したと前記プロトコル機械検出ユニットが判断したとき、前記スイッチのリングポートの状態を転送に設定するように構成された第4の状態設定ユニットと、
前記ループから警報メッセージを受信した後に、前記スイッチのリングポートのプロトコル状態を転送に設定するように構成された第5の状態設定ユニットとを備える請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
分散型イーサネット(登録商標)システムに基づく障害検出方法であって、
前記システムに含まれるすべてのスイッチに対してクロック同期を実行するステップと、
前記スイッチのそれぞれにより、ループ障害検出メッセージを送信することによってシステムのループを検出するためのループ検出を周期的に実行するステップと、
前記スイッチのそれぞれにより、所定のコンフィギュレーションからの命令に従って、リンク障害検出メッセージを隣接スイッチに送信することによって隣接スイッチのプロトコル機械に障害が生じたかどうかを検出するためのプロトコル機械検出を周期的に実行するステップと、
前記スイッチのそれぞれにより、ループ障害またはプロトコル機械障害が生じたとき障害警報メッセージを送信するステップとを含み、
すべてのスイッチはリンク障害検出メッセージを同時に送信し、隣接スイッチのプロトコル機械に障害が生じると、前記隣接スイッチにより、通常のデータは処理することができるが、検出メッセージおよびリンク障害警報メッセージは処理して送信することができない方法。
【請求項8】
前記ループ検出は、
所定の時間間隔で、前記システムへ、前記スイッチのそれぞれによって、前記スイッチの2つのリングポートを介して、マルチキャストによってループ障害検出メッセージを送信するステップと、
メッセージ配信サイクルが終了したとき、前記スイッチの2つのリングポートの両方が、反対側のリングポートから送信されたループ障害検出メッセージを受信したのでない場合、前記スイッチと接続されたリンクを検出するステップと、
前記スイッチと接続されたリンクで障害が生じたとき、または前記リンクが切り離されたとき、前記スイッチの、前記リンクと接続されたリングポートの状態を遮断に設定し、そうでなければ、別のスイッチのリングポートのプロトコル状態をさらに判断するステップと、
その他のすべてのスイッチのリングポートのプロトコル状態が転送であれば、前記スイッチの2つのリングポートのうちの1つの状態を転送状態に設定してもう一つのリングポートの状態を遮断状態に設定し、そうでなければ前記スイッチの2つのリングポートのプロトコル状態を両方とも転送に設定するステップとによって実行される請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記プロトコル機械検出は、
プロトコル機械検出サイクルがスタートしたとき、すべてのスイッチによって、隣接スイッチへ、リンク障害検出メッセージを同時に送信するステップと、
前記スイッチと接続されたリンクが正常に動作している場合、前記プロトコル機械検出サイクルが終了したときに、前記スイッチのリングポートが隣接スイッチから送信されたプロトコル機械検出メッセージを受信しているかどうかを判断し、受信していたら前記隣接スイッチが正常に動作していると判断し、受信していなかったら前記隣接スイッチでプロトコル機械障害が生じていると判断するステップとによって実行される請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記障害警報メッセージは、
前記プロトコル機械検出が完了した後に、前記システムのすべてのスイッチによって、マルチキャストによって、障害警報メッセージを送信するステップによって送信され、前記障害警報メッセージが、前記ループ障害および/または前記プロトコル機械障害の発生を示すために用いられる情報ならびに前記障害が生じた位置を示すために用いられる情報を含む請求項7から9のいずれか一項に記載の方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、イーサネット(登録商標)通信技術の分野に関し、具体的には、分散型イーサネット(登録商標)システムおよび同システムに基づく障害検出方法に関する。
【0002】
本願は、2007年4月27日に出願された、発明の名称を「分散型イーサネットシステムおよび該システムに基づいて障害を検出する方法」とする中国特許出願第200710097678.6号の優先権を主張するものであり、参照により、その全体を本明細書に組み込む。
【背景技術】
【0003】
イーサネット(登録商標)技術の発達とともに、イーサネット(登録商標)は、産業の環境において、より一層多くの役割を果たしている。産業の生産の利益増加および操業安定性には、産業用イーサネット(登録商標)が、より一層信頼できることが必要とされる。したがって、産業用イーサネット(登録商標)の高い有効性が、より一層注目されるようになる。
【0004】
現在、一般に用いられるイーサネット(登録商標)システムは、図1に示されるようなマスタースレーブのリング冗長システムである。リング冗長システムでは、単一障害(単一障害とは、すべてのスイッチおよび全体のリングシステムのスイッチを接続するすべてのネットワークラインの中で1つだけの要素に障害が生じることを意味する)に遭遇したときにネットワークが利用可能であることを保証するように、マスタースイッチ(マスター装置)10が全体のネットワークシステムの動作を制御する。マスタースレーブのイーサネット(登録商標)システムによれば、各スレーブスイッチ20は、それ自身の動作を監視して、そこで障害を検出したときには、マスタースイッチへ障害警報を送信する役割を果たす。マスタースイッチは、時間設定によってネットワークへ検出メッセージを送り、ネットワークの動作を監視してスレーブスイッチからの障害警報を処理し、スレーブスイッチからの障害警報に従って、そのスレーブスイッチ向けの障害回復動作を決定する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述の従来型マスタースレーブのリング冗長システムでは、マスタースイッチが、集中型の様式でネットワークの動作および障害の回復に対する責任を負うため、ネットワークのリスクがマスタースイッチ上に高度に集中する。マスタースイッチに障害が生じると、ネットワークがダウンする恐れがあり、したがって信頼性が低い。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この問題を考慮して、1つのスイッチ上にネットワークのリスクが集中し、したがって信頼性が低くなるという従来技術の問題を解決するために、本発明は、分散型イーサネット(登録商標)システムを提供しようとするものである。
【0007】
本発明によって提供される分散型イーサネット(登録商標)システムは、次のように実施される。
【0008】
分散型イーサネット(登録商標)システムは、複数のスイッチを含み、これらが順に接続されてリングを形成し、これらスイッチのそれぞれが、クロックで同期された後に、所定のコンフィギュレーションによって、周期的に、ループ検出およびプロトコル機械検出を順次に実行して、ループ障害またはプロトコル機械障害が生じたとき障害警報メッセージを送信する。
【0009】
好ましくは、これらのスイッチのそれぞれが、
スイッチを、クロックでシステムと同期するように調整するように構成されたクロック同期ユニットと、
システムのループの検出を実行するように構成されたループ検出ユニットと、
ループ検出ユニットがシステムのループの障害の発生を検出したとき、スイッチと接続されたリンクの動作状態をチェックして記録をとるように構成された自己検査ユニットと、
そのスイッチの隣接スイッチに対してプロトコル機械検出を実行するように構成されたプロトコル機械検出ユニットと、
ループ検出ユニット、自己検査ユニットおよびプロトコル機械検出ユニットのうち少なくとも1つが障害を検出したとき、障害のタイプおよび障害が生じた位置を示すために用いられる情報を含む警報メッセージを、マルチキャストによって送信するように構成された障害警報ユニットと、
ループ検出ユニット、自己検査ユニットおよびプロトコル機械検出ユニットのうち少なくとも1つが障害を検出したとき、所定のコンフィギュレーションからの命令に従い、別のスイッチのリングポートの状態に基づいて、スイッチのリングポートのプロトコル状態を設定するように構成された状態設定ユニットとを含む。
【0010】
好ましくは、ループ検出ユニットは、
スイッチの2つのリングポートを介して、マルチキャストによって、スイッチの媒体アクセス制御(MAC)アドレスおよびリングポートのプロトコル状態を示すのに用いられる情報を含むループ障害検出メッセージを周期的に送信するように構成された第1の送信ユニットと、
第1の送信ユニットがループ障害検出メッセージを送信した後に、ループ検出サイクルが終了したとき、スイッチの2つのリングポートが反対側から送信されたループ障害検出メッセージを受信しているかどうか判断し、受信していたらシステムが正常に動作していると判断し、そうでなければシステムにループ障害が生じていると判断するように構成された第1の判断ユニットとを含む。
【0011】
好ましくは、ループ検出ユニットは、
別のスイッチから送信されたループ障害検出メッセージを受信して、メッセージ配信サイクルと等しい期間中に同じループ障害検出メッセージが受信されているかどうか判断し、受信していたらシステムが正常に動作していると判断し、そうでなければシステムにループ障害が生じていると判断するように構成された第2の判断ユニットをさらに含む。
【0012】
好ましくは、プロトコル機械検出ユニットは、
スイッチの、隣接スイッチへの2つのリングポートを介して、ユニキャストによって、このスイッチの媒体アクセス制御(MAC)アドレス、隣接スイッチの媒体アクセス制御アドレス、およびリングポートのプロトコル状態を示すのに用いられる情報を含むリンク障害検出メッセージを周期的に送信するように構成された第2の送信ユニットと、
第2の送信ユニットがリンク障害検出メッセージを送信した後に、プロトコル機械検出サイクルが終了したとき、スイッチの2つのリングポートが隣接スイッチから送信されたリンク障害検出メッセージを受信しているかどうか判断し、受信していたら隣接スイッチのプロトコル機械が正常に動作していると判断し、そうでなければ隣接スイッチでプロトコル機械障害が生じていると判断するように構成された第3の判断ユニットとを含む。
【0013】
好ましくは、状態設定ユニットは、
クロック同期ユニットがクロック同期動作を完了する前はスイッチの2つのリングポートのプロトコル状態を「初期化」状態に設定し、また、クロック同期ユニットがクロック同期動作を完了した後はスイッチの2つのリングポートのプロトコル状態を「遮断」に設定するように構成された第1の状態設定ユニットと、
リングポートが「遮断」状態であることを示すのに用いられる情報を含むメッセージをスイッチが受信したとき、スイッチの2つのリングポートのプロトコル状態を「転送」状態に設定し、また、リング中のその他のスイッチのリングポートがすべて「転送」状態であるとスイッチが認識したとき、スイッチのリングポートのうちの1つの状態を「遮断」に設定して、もう一つのリングポートの状態を「転送」に設定するように構成された第2の状態設定ユニットと、
自己検査ユニットがリンク中の障害を検出したときリンクと接続されるスイッチのリングポートの状態を「遮断」に設定するように構成され、また、システムのリングが正常に動作するように回復したとスイッチのループ検出ユニットが判断したとき、リングポートの「遮断」状態を維持するように構成された第3の状態設定ユニットと、
隣接スイッチでプロトコル機械障害が生じているとプロトコル機械検出ユニットが判断したとき、隣接スイッチと接続されたリングポートのプロトコル状態を「遮断」に設定し、また、プロトコル機械障害が生じたスイッチが正常に動作するように回復したとプロトコル機械検出ユニットが判断したとき、スイッチのリングポートの状態を「転送」に設定するように構成された第4の状態設定ユニットと、
ループから警報メッセージを受信した後に、スイッチのリングポートのプロトコル状態を「転送」に設定するように構成された第5の状態設定ユニットとを含む。
【0014】
本発明は、
システムに含まれるすべてのスイッチに対してクロック同期を実行するステップと、
所定のコンフィギュレーションからの命令に従ってループ検出およびプロトコル機械検出を周期的に実行するステップと、
ループ障害またはプロトコル機械障害が生じたとき障害警報メッセージを送信するステップとを含む、分散型イーサネット(登録商標)システムに基づく障害検出方法をさらに提供する。
【0015】
好ましくは、ループ検出は、
所定の時間間隔で、システムへ、スイッチのそれぞれによってスイッチの2つのリングポートを介して、マルチキャストによってループ障害検出メッセージを送信するステップと、
メッセージ配信サイクルが終了したとき、スイッチの2つのリングポートの両方が、反対側のリングポートから送信されたループ障害検出メッセージを受信したのでない場合、スイッチと接続されたリンクを検出するステップと、
スイッチと接続されたリンクに障害が生じたとき、またはリンクが切り離されたとき、スイッチの、リンクと接続されたリングポートの状態を「遮断」に設定し、そうでなければ別のスイッチのリングポートのプロトコル状態をさらに判断するステップと、
その他のすべてのスイッチのリングポートのプロトコル状態が「転送」であれば、スイッチの2つのリングポートのうちの1つの状態を「転送」状態に設定してもう一つのリングポートの状態を「遮断」状態に設定し、そうでなければスイッチの2つのリングポートのプロトコル状態を両方とも「転送」に設定するステップとによって実行される。
【0016】
好ましくは、プロトコル機械検出は、
プロトコル機械検出サイクルがスタートしたとき、すべてのスイッチによって、隣接スイッチへ、リンク障害検出メッセージを同時に送信するステップと、
スイッチと接続されたリンクが正常に動作している場合、プロトコル機械検出サイクルが終了したときに、スイッチのリングポートが隣接スイッチから送信されたプロトコル機械検出メッセージを受信しているかどうかを判断し、受信していたら隣接スイッチが正常に動作していると判断し、受信していなかったら隣接スイッチでプロトコル機械障害が生じていると判断するステップとによって実行される。
【0017】
好ましくは、障害警報メッセージは、
プロトコル機械検出が完了した後に、システムのすべてのスイッチによって、マルチキャストによって、障害警報メッセージを送信するステップによって送信され、障害警報メッセージは、ループ障害および/またはプロトコル機械障害の発生を示すために用いられる情報ならびに障害が生じた位置を示すために用いられる情報を含む。
【0018】
上記の技術的解決法から、従来技術と比べると、本発明によるスイッチはすべて、ループ検出ユニットおよびプロトコル機械検出ユニットを使用して、システムのスイッチおよびループの検出を実行することができることが理解され得る。換言すれば、1つのスイッチが別のスイッチと同等の機能を有し、マスター/スレーブスイッチに対してそのような差がなく、したがって、イーサネット(登録商標)通信における公平の原則に従っており、マスタースイッチの障害が引き起こすネットワークに対する制御しがたい影響に起因する高度に集中したリスクの問題を解決する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】従来技術のシステムの構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態による分散型イーサネット(登録商標)システムの構成を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施形態による分散型イーサネット(登録商標)システムのスイッチの構成を示す図である。
【図4】本発明の第3の実施形態による分散型イーサネット(登録商標)システムの構成を示す図である。
【図5】本発明の第4の実施形態による分散型イーサネット(登録商標)システムのループ検出ユニットの構成を示す図である。
【図6】本発明の第5の実施形態による分散型イーサネット(登録商標)システムのループ検出ユニットの構成を示す図である。
【図7】本発明の第5の実施形態による分散型イーサネット(登録商標)システムのプロトコル機械検出ユニットの構成を示す図である。
【図8】本発明の第5の実施形態による分散型イーサネット(登録商標)システムの状態設定ユニットの構成を示す図である。
【図9】本発明による分散型イーサネット(登録商標)システムに基づく障害検出方法の実装形態を示す流れ図である。
【図10】本発明による分散型イーサネット(登録商標)システムに基づく障害検出方法の実装形態におけるループ検出を示す流れ図である。
【図11】本発明による分散型イーサネット(登録商標)システムに基づく障害検出方法の実装形態におけるプロトコル機械検出を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
従来型のリング冗長システムでは、そのマスタースレーブ構成のために、ネットワークの動作およびネットワークで生じた障害の回復は、どちらもマスター装置によって制御されなければならず、ネットワークのリスクがマスター装置上に高度に集中する。一旦、マスター装置に障害が生じると、ネットワークがダウンする恐れがある。

【0021】
本発明によれば、すべての障害検出動作がマスター装置上に集中するためにシステムの信頼性が低い、という従来技術における問題を回避するように、システムのネットワークにおける各スイッチが、システムのスイッチまたはループに対して障害検出を実行することができ、1つのスイッチが別のスイッチと同等の役割を果たす。

【0022】
当業者に、本発明の技術的解決法がよりよく理解されるために、本発明の技術的解決法が、添付図面および実施形態を参照しながら、以下で詳細に説明される。

【0023】
図2は、本発明の第1の実施形態による分散型イーサネット(登録商標)システムの構成を示す図である。

【0024】
このシステムは、複数のイーサネット(登録商標)スイッチを含む。すべてのイーサネット(登録商標)スイッチが順に接続され、リングとしてのネットワークトポロジー構成を形成する。各イーサネット(登録商標)スイッチは、本明細書で「リングポート」と呼ばれる2つのポートを含み、リングポートは、「初期化」、「転送」、「遮断」の3つのプロトコル状態を有する。

【0025】
「遮断」状態または「初期化」状態のポートは、ループ障害検出メッセージおよびリンク障害検出メッセージのみ転送することができ(ループ障害検出メッセージは、ネットワークのリンクに障害があるかどうか検出するために主として用いられ、リンク障害検出メッセージは、隣接スイッチが正常に動作しているかどうか、また、スイッチと隣接スイッチとの間のリンクが正常に動作しているかどうかを検出するために用いられる)、その他のデータメッセージは廃棄する。「転送」状態のポートは、あらゆる種類のデータメッセージを転送することができる。

【0026】
リングに接続する前に、各産業用イーサネット(登録商標)スイッチは、すべてのスイッチが、ループ障害検出メッセージおよびリンク障害検出メッセージを送信する検出サイクル(検出サイクルは、システムのループ検出サイクル、プロトコル機械検出サイクルおよび警報メッセージを送信する時間の合計に等しい)の時間長と、検出サイクルに対するオフセット(このオフセットによって、すべてのスイッチがループ障害検出メッセージおよびリンク障害検出メッセージを送信する)とを含むコンフィギュレーションを実施する必要がある。

【0027】
システムのループ検出サイクルは、T=Switch_Number×(T1+interval)であり、この式で、Switch_Numberは、システム中のスイッチの合計を指し、T1は、システムループ中の1つのサイクルでメッセージを配信するのに必要な時間(明確にするために、以下で「ループのメッセージ配信サイクル」と呼ばれる)を指し、「interval」は、隣接スイッチがメッセージを送信する時間間隔を指す。T1=Switch_Number×Maxhandletimeであり、この式で、Maxhandletimeは、スイッチがメッセージを処理する最大処理時間である。

【0028】
図3は、第2の実施形態によるシステムのスイッチの構成を示す図である。システムに含まれる各スイッチは、クロック同期ユニット111、ループ検出ユニット112、自己検査ユニット113、プロトコル機械検出ユニット114、状態設定ユニット115および障害警報ユニット116を含む。

【0029】
クロック同期ユニット111は、スイッチがシステムに接続されたときにクロックがシステムと同期するように、スイッチを調整する。システムに含まれるすべてのスイッチの中で、1つだけが、システム全体におけるすべてのスイッチに対してクロックソースとして働くマスタークロックである。他のスイッチはクロックソースのクロックに依存して作動し、マスタークロックに同期する。クロック同期ユニット111は、IEEE 1588プロトコルに従って、スイッチ向けのシステムのクロックソースとの同期を実現する。その具体的な方法は従来技術と同一であり、本明細書では詳細には説明されない。

【0030】
スイッチがクロック同期を完了した後に、ループ検出ユニット112は、システムのループを検出するように、スイッチの2つのリングポートを介して、マルチキャストによって、ループ障害検出メッセージを時間設定によって同時に送信する。ループ検出サイクル中に、スイッチの2つのリングポートの両方が、反対側のポート(スイッチのもう一つのリングポートであって、同一のリングに配置されている)から送信されたループ障害検出メッセージを受信すると、システムのループは正常に動作していると判断され得る。そうでなければ、システムでループ障害が生じていると判断される。ループ障害検出メッセージに含まれる情報は、ポートの冗長フィールド、スイッチの識別子、ならびに2つのリングポートのリンク状態およびプロトコル状態を含む。

【0031】
ループ障害検出メッセージを送信するとき、各スイッチは、システムのもう一つのスイッチから送信されたループ障害検出メッセージも受信する。ループ検出ユニット112も、もう一つのスイッチから送信されたループ障害検出メッセージによって、ループ障害が生じているかどうか判断する。

【0032】
自己検査ユニット113は、ループ検出ユニット112がシステムのループでの障害の発生を検出した後に、スイッチと接続されたリンクの動作状態をチェックして記録をとるように構成される。IEEE 802.3規格に従って、具体的な検出プロセスが実行されるが、これは従来技術に属するものであり、本明細書では詳細には説明されない。

【0033】
システムのループ検出サイクルが終了したとき、システムのすべてのスイッチが、スイッチのプロトコル機械検出ユニットによって、2つのリングポートを介して、リンク障害検出メッセージを同時に送信し、プロトコル機械検出サイクルが終了したとき、リングポートが隣接スイッチからリンク障害検出メッセージを受信しているかどうか判断する。リンク障害検出メッセージが受信されていると、リンクを介してリングポートと接続された隣接スイッチが正常に動作していると判断される。そうでなければ、リンクを介してリングポートと接続された隣接スイッチでプロトコル機械障害が生じていると判断される。リンク障害検出メッセージは、スイッチの媒体アクセス制御(MAC)アドレス、隣接スイッチのMACアドレス、およびリングポートのプロトコル状態の情報などを含む。

【0034】
システムにおけるメッセージの伝送が、正常なデータの伝送に影響を及ぼさないことを保証するために、すべてのスイッチが、システムの検出を連続的には行わないこと、および、2つのスイッチから送信されるループ障害検出メッセージの間に一定の時間間隔があって、この時間間隔がプロトコルデータ時間間隔と呼ばれることに留意されたい。この時間間隔は、ループ障害検出メッセージによって占有されるネットワーク時間およびこの方法の帯域幅利用率から計算される。

【0035】
状態設定ユニット115は、上記のコンフィギュレーションならびにループ検出ユニット112およびプロトコル機械検出ユニット114の検出結果によって、スイッチのリングポートのプロトコル状態を設定するように構成される。状態設定ユニット115は、クロック同期ユニット111がスイッチをシステムのクロックソースに同期させる前は、スイッチのリングポートのプロトコル状態を「初期化」に設定し、クロック同期ユニット111がスイッチとシステムのクロックソースとの同期を完了した後は、スイッチのリングポートのプロトコル状態を「遮断」に設定する。システムのループ検出サイクルがスタートしたとき、第1のスイッチは、ループ障害検出メッセージを送信する。システムのもう一つのスイッチの状態設定ユニット115は、第1のスイッチによって送信されたループ障害検出メッセージを受信した後に、このスイッチの2つのリングポートのプロトコル状態を「転送」に設定する。システムのループ検出サイクルが終了したとき、システムのループが正常に動作していると判明した場合には、第1のスイッチは、システムのすべてのスイッチから送信されたループ障害検出メッセージを受信する。スイッチのリングポートがすべて「転送」状態であることが判明すると、第1のスイッチの状態設定ユニット115が、2つのリングポートのうちの1つのプロトコル状態を「遮断」に設定して、もう一つのリングポートのプロトコル状態を「転送」に設定し、このようにしてネットワークにおけるループバックの発生を回避する。

【0036】
ループ検出ユニット112がシステムにおけるループ障害の発生を検出すると、スイッチの自己検査ユニット113は、そのスイッチと接続されたリンクの動作状態をチェックして、そのリンクが壊れていたり、あるいは切り離されていたりするのかどうかを判断する。そうである場合、状態設定ユニット115は、リンクと接続されたリングポートのプロトコル状態を「遮断」に設定する。

【0037】
プロトコル機械検出ユニット114が隣接スイッチのプロトコル機械障害の発生を検出すると、スイッチの状態設定ユニット115は、そのようなスイッチと接続されたリングポートのプロトコル状態を「遮断」に設定し、障害から回復した後にリングポートのプロトコル状態を「転送」に設定する。障害から回復したスイッチの状態設定ユニット115は、スイッチの2つのリングポートのうちの1つのプロトコル状態を「遮断」状態に設定し、もう一つのリングポートのプロトコル状態を「転送」状態に設定する。したがって、システムのリングには、「遮断」状態のリングポートが1つしか存在しないことが保証され得て、このようにしてネットワークにおけるループバックの発生を回避する。

【0038】
障害警報ユニット116は、プロトコル機械検出サイクルが終了したときに、マルチキャストによって警報メッセージを送信するように構成される。警報メッセージは、障害のタイプ(リンク障害またはプロトコル機械障害)および障害が生じた位置を示すために用いられる情報を含む。

【0039】
システムの各スイッチの1つのリングポートがもう一つのスイッチから送信されたループ障害検出メッセージを受信した後に、スイッチの2つのリングポートからループ障害検出メッセージが送信されるという理由で、ループ検出ユニット112は、メッセージ配信サイクルが終了したとき、上記のループ障害検出メッセージと同一のループ障害検出メッセージを、もう一つのリングポートから受信しているかどうか判断することに留意されたい。これが受信されていると、システムのループが正常に動作していると判断することができる。そうでなければ、システムのループで障害が生じていると判断される。

【0040】
当業者がシステムの動作原理および動作プロセスをよりよく理解し得ることを確実にするために、別の実施形態を参照しながら、以下でより詳細にシステムが説明される。

【0041】
図4は、第3の実施形態によるシステムの構成を示す図である。

【0042】
システムは、第1のスイッチ101、第2のスイッチ102、第3のスイッチ103および第4のスイッチ104を含むと想定される。各スイッチの状態設定ユニット115は、クロック同期が完了する前は、スイッチの2つのリングポートのプロトコル状態を「初期化」に設定し、クロック同期の完了後は、2つのリングポートのプロトコル状態を「遮断」状態に設定する。次いで、システムのすべてのスイッチが、スイッチのリングポートを介して、ネットワークへ、ループ障害検出メッセージを順次に送信する。ループ障害検出メッセージは、リングポートのプロトコル状態の情報およびスイッチの媒体アクセス制御(MAC)アドレスを含む。例えば、第1のスイッチ101のループ検出ユニットは、リングポートAまたはBを介して、システムのリングへ、ループ障害検出メッセージを送信する。別のスイッチが、ポートからループ障害検出メッセージを受信し、その状態設定ユニット115が、そのスイッチの各リングポートの状態を「転送」状態に設定し、また、サービス品質(QoS)に従って、メッセージが、スイッチの別のリングポートから最高の優先度で転送される。ループ障害検出サイクル中に、第1のスイッチ101のリングポートBが第1のスイッチ101のリングポートAから送信されたループ障害検出メッセージを受信し、第1のスイッチ101のリングポートAがリングポートBから送信されたループ障害検出メッセージを受信したとループ検出ユニット112が判断すると、システムのリングのリンクが正常に動作していると判断される。そうでなければ、システムのリングのリンクで障害が生じていると判断される。第1のスイッチ101と第2のスイッチ102との間のリンクが壊れていると、リンクと接続されている第2のスイッチ102および第1のスイッチ101は、自己検査ユニット113によって障害を検出して記録をとることができる。

【0043】
上記の障害は、システムの「リンク障害」である。「リンク障害」は、2つの産業用イーサネット(登録商標)スイッチの間に接続された通信リンクで障害が生じることを意味する。そのような障害が生じたとき、ループ障害検出メッセージを送信するスイッチ(上記の実施形態における第1のスイッチ101など)は、メッセージ配信サイクル中に2つのリングポートから送信されるループ障害検出メッセージを受信することができない。

【0044】
システム中の障害には、別のタイプの障害、すなわち「プロトコル機械障害」がさらに含まれる。

【0045】
「プロトコル機械障害」は、スイッチのプロトコル機械における障害の発生により、様々なタイプの検出メッセージおよびリンク障害警報メッセージを処理して送信することができないことを意味する。この障害は、通常のデータ処理に対して影響を及ぼさないが、障害が生じているスイッチのプロトコル機械は動作することができず、このとき、システムのループにおけるリングポートの状態が、どれも「遮断」状態でないことがあり得て、すなわちネットワークにループバックが生じる可能性がある。

【0046】
上記のシステムによれば、システムのリングに「リンク障害」が生じているかどうかということは、ループ障害検出メッセージによって判断することができるが、「プロトコル機械障害」の発生も、どのスイッチに障害が生じているかということも、判断することができない。したがって、システムのリングに「プロトコル機械障害」が生じているかどうかということ、および障害が生じているスイッチを判断するために、システム中のすべてのスイッチのループ検出ユニット112がループ障害検出を完了した後に、システム中のスイッチのプロトコル機械検出ユニット114は、所定時間の遅延で、システムのリングへ、リンク障害検出メッセージを送信する。リンク障害検出メッセージは、冗長なフィールド、リングポートのプロトコル状態、スイッチのMACアドレス、および隣接した2つのスイッチのMACアドレスの情報を含む。この所定時間は、システム中の2つのスイッチのループ検出ユニットが、ループ障害検出メッセージを送信するのに用いる時間間隔「interval」に等しい。

【0047】
プロトコル機械検出ユニット114によって、ユニキャストによって、リンク障害検出メッセージが送信され、すなわち、隣接した2個のスイッチへ送信されるのみで、その他のスイッチには送信されない。その上、ソースアドレスから送付先アドレスへ配信するとき、別のスイッチによってメッセージを転送する必要がない。このように、ネットワークチャンネルの共有に起因する問題が存在せず、したがって、すべてのスイッチがリンク障害検出メッセージを同時に送信することができる。

【0048】
自己検査ユニット113が、スイッチと接続されたすべてのリンクが正常に動作していると判断すると、プロトコル機械検出ユニット114は、プロトコル機械検出サイクルが終了したとき、スイッチのリングポートが隣接スイッチからリンク障害検出メッセージを受信しているかどうか判断する。受信していたら、隣接スイッチが正常に動作していると判断される。そうでなければ、隣接スイッチでプロトコル機械障害が生じていると判断される。例えば、図4の第1のスイッチ101は、リングポートAおよびリングポートBを介して、それぞれ第2のスイッチ102および第4のスイッチ104へリンク障害検出メッセージを送信する。リンク障害検出メッセージが送信された後に、第4のスイッチ104からのリンク障害検出メッセージが所定期間中に受信されないと、第1のスイッチ101のプロトコル機械検出ユニット114は、第4のスイッチ104で「プロトコル機械障害」が生じていると判断し、スイッチの状態設定ユニット115が、リングポートBのプロトコル状態を「遮断」状態に設定する。

【0049】
プロトコル機械検出サイクルが終了したとき、第1のスイッチ101の障害警報ユニット116は、マルチキャストによって警報メッセージを送信する。警報メッセージは、スイッチ104で「プロトコル機械障害」が生じていることを示すために用いられる情報を含む。警報メッセージを受信した後に、第2のスイッチ102および第3のスイッチ103の状態設定ユニット115は、ネットワークが正常に動作することを保証するように、そのようなスイッチのリングポートの状態を「転送」に設定する。

【0050】
図5は、システムの第4の実施形態によるスイッチのループ検出ユニットの構成を示す図である。

【0051】
システム中のスイッチのループ検出ユニット112は、第1の送信ユニット1121および第1の判断ユニット1122を含んでよい。第1の送信ユニット1121は、マルチキャストによって、スイッチの2つのリングポートを介して、ループ障害検出メッセージを周期的に送信する。ループ障害検出メッセージは、スイッチの媒体アクセス制御(MAC)アドレスおよびリングポートのプロトコル状態を示すために用いられる情報を含む。第1の判断ユニット1122は、第1の送信ユニット1121がループ障害検出メッセージを送信した後に、スイッチの2つのリングポートが、メッセージ配信サイクルが終了したときに、反対側から送信されたループ障害検出メッセージを受信しているかどうか判断する。受信していたら、システムが正常に動作していると判断される。そうでなければ、システムでループ障害が生じていると判断される。

【0052】
図6に示されるように、システム中のスイッチのループ検出ユニット112は、第2の判断ユニット1123をさらに含んでよい。第2の判断ユニット1123は、別のスイッチから送信されたループ障害検出メッセージを受信して、所定期間の後に、同一のループ障害検出メッセージを受信しているかどうか判断するように構成される。受信していたら、ループが正常に動作していると判断される。そうでなければ、ループで障害が生じていると判断される。この所定期間は、メッセージ配信サイクルに等しい。

【0053】
図7は、システムの第5の実施形態によるスイッチのプロトコル機械検出ユニットの構成を示す図である。プロトコル機械検出ユニット114は、第2の送信ユニット1141および第3の判断ユニット1142を含んでよい。第2の送信ユニット1141は、ユニキャストによって、スイッチの2つのリングポートを介して、隣接スイッチへ、リンク障害検出メッセージを時間設定によって送信する。リンク障害検出メッセージは、スイッチの媒体アクセス制御(MAC)アドレス、隣接スイッチのMACアドレスおよびリングポートのプロトコル状態を示すために用いられる情報を含む。自己検査ユニット113が、スイッチと接続されたリンクが正常に動作しているのを認識すると、第3の判断ユニット1142は、プロトコル機械検出サイクルが終了したとき、スイッチの2つのリングポートが隣接スイッチからリンク障害検出メッセージを受信しているかどうか判断する。受信していたら、隣接スイッチのプロトコル機械が正常に動作していると判断される。そうでなければ、隣接スイッチでプロトコル機械障害が生じていると判断される。

【0054】
図8に示されるように、状態設定ユニット115は、第1の状態設定ユニット1151、第2の状態設定ユニット1152、第3の状態設定ユニット1153、第4の状態設定ユニット1154および第5の状態設定ユニット1155を含んでよい。

【0055】
第1の状態設定ユニット1151は、クロック同期ユニット111がクロック同期動作を完了する前は、スイッチのリングポートのプロトコル状態を「初期化」状態に設定し、クロック同期ユニット111がクロック同期動作を完了した後は、スイッチのリングポートのプロトコル状態を「遮断」に設定する。

【0056】
システムのループ検出サイクルが終了したとき、スイッチが、リングポートが「遮断」状態であることを示すために用いられる情報を含むメッセージを受信すると、第2の状態設定ユニット1152は、スイッチの2つのリングポートの状態を「転送」状態に設定する。さらに、システムの別のスイッチから送信されたループ障害検出メッセージを受信した後に、スイッチは、ループ障害検出メッセージによって、別のスイッチのリングポートのプロトコル状態を知ることができる。その他のスイッチのリングポートのプロトコル状態がすべて「転送」であると、第2の状態設定ユニット1152は、スイッチのリングポートのうちの1つのプロトコル状態を「遮断」に設定し、もう一つのリングポートのプロトコル状態を「転送」に設定する。

【0057】
第3の状態設定ユニット1153は、自己検査ユニット113がリンクにおける障害の発生を検出したとき「遮断」としてリンクと接続されるスイッチのリングポートの状態を設定する。システムのリングが正常に動作するように回復したとスイッチのループ検出ユニット112が判断したとき、ネットワークにおけるループバックの発生を回避するように、リングポートの「遮断」状態が維持される。

【0058】
第4の状態設定ユニット1154は、隣接スイッチでプロトコル機械障害が生じたとプロトコル機械検出ユニット113が判断したとき、隣接スイッチと接続されたリングポートのプロトコル状態を「遮断」に設定し、プロトコル機械障害が生じたスイッチが正常に動作するように回復したとプロトコル機械検出ユニット113が判断したとき、スイッチのリングポートの状態を「転送」に設定する。

【0059】
第5の状態設定ユニット1155は、ループから警報メッセージを受信した後に、スイッチのリングポートのプロトコル状態を「転送」に設定する。

【0060】
障害から回復したスイッチの状態設定ユニット115は、スイッチの2つのリングポートのうちの1つを「遮断」状態に設定し、もう一つのリングポートのプロトコル状態を「転送」状態に設定する。したがって、システムのリングには、「遮断」状態のリングポートが1つしか存在しないことが保証され得て、このようにしてネットワークにおけるループバックの発生を回避する。

【0061】
システムのネットワークにおいて、1つのスイッチが別のスイッチと同等の役割を果たし、マスタースレーブスイッチに対してそのような差がなく、したがって、イーサネット(登録商標)通信における公平の原則に従っており、マスター装置の障害が引き起こすネットワークに対する制御しがたい影響に起因する高度に集中したリスクの問題を解決する。さらに、本発明の実施形態によれば、スイッチをシステムクロックと同期させるためにクロック同期ユニットが用いられ、したがって、ネットワークシステムにおけるすべてのスイッチのクロック同期精度が改善されて、一般に使用されるスイッチの「蓄積転送」機構がシステムのリアルタイム性能に悪影響を及ぼすのを回避する。

【0062】
上記のシステムに基づいて、本発明は障害検出方法をさらに開示する。図9は、本発明による分散型イーサネット(登録商標)システムに基づく障害検出方法の実装形態を示す流れ図である。

【0063】
具体的なステップは以下の通りである。
ステップS101:システムに含まれるすべてのスイッチに対してクロック同期を実行する。
ステップS102:所定のコンフィギュレーションからの命令に従って、システムに対してループ検出およびプロトコル機械検出を周期的に実行する。
ステップS103:ループ障害またはプロトコル機械障害が生じたとき、障害警報メッセージを送信する。
上記ステップの実行中に、システムにおける各スイッチのリングポートの状態が設定される必要がある。

【0064】
本発明の技術的解決法が、具体的な実施例を参照しながら以下でさらに説明される。図10および図11は、それぞれ、本発明の第1の実施形態による障害検出方法のループ検出およびプロトコル機械検出を示す流れ図である。

【0065】
すべての産業用イーサネット(登録商標)スイッチがリングに接続される前に、またはネットワーク構造が変更された後に、すべてのスイッチがループ障害検出メッセージおよびリンク障害検出メッセージを送信する検出サイクル(検出サイクルは、システムのループ検出サイクル、プロトコル機械検出サイクルおよび警報メッセージを送信するための時間の合計に等しい)の時間長と、検出サイクルに対するオフセット(このオフセットによって、すべてのスイッチがループ障害検出メッセージおよびリンク障害検出メッセージを送信する)とを含むコンフィギュレーションを実施する必要がある。

【0066】
コンフィギュレーションを決定した後に、コンフィギュレーションからの命令に従って、システムに対して、ループ検出およびプロトコル機械検出が相次いで実行される。

【0067】
ループ検出を実行する具体的なプロセスは、以下の通りである。

【0068】
ステップS201:クロック同期を実行する。
ステップS202:時間設定によってループ障害検出メッセージを送信し、別のスイッチから送信されたループ障害検出メッセージを受信する。
ステップS203:メッセージ配信サイクル中に、反対側から送信されたループ障害検出メッセージが受信されているかどうか判断する。受信されていたらステップS205を実行する。そうでなければステップS206を実行する。
ループ障害検出メッセージの配信サイクルは、システムのループにおいて、1つのサイクルでメッセージを配信するのに必要な時間を指す。
ステップS204:メッセージ配信サイクル中に、別のスイッチから送信された同一のループ障害検出メッセージが2回受信されているかどうか判断する。受信されていたらステップS205を実行する。そうでなければステップS206を実行する。
ステップS205:ループが正常に動作していると判断する。
ステップS206:スイッチと接続されたリンクで障害が生じているか、あるいはリンクが切り離されているか判断する。上記のいずれかの場合にはステップS207を実行する。そうでなければステップS208を実行する。
ステップS207:リンクと接続されたリングポートを「遮断」状態に設定して、障害情報を記録する。
ステップS208:システムのループ検出サイクルが終了したとき、その他のスイッチのリングポートの状態がすべて「転送」であるなら、ステップS209を実行する。そうでなければステップS210を実行する。
システムのループ検出サイクルは、T=Switch_Number×Maxhandletimeであり、この式で、Switch_Numberはシステムのスイッチの合計を指し、Maxhandletimeはループのメッセージ配信サイクルを指す。
ステップS209:スイッチの2つのリングポートのうちの1つのプロトコル状態を「転送」に設定し、もう一つのリングポートのプロトコル状態を「遮断」に設定する。
ステップS210:スイッチの2つのリングポートのプロトコル状態を「転送」に設定する。

【0069】
上記の障害は、システムの「リンク障害」である。「リンク障害」は、2つの産業用イーサネット(登録商標)スイッチの間に接続されている通信リンクで障害が生じることを意味する。そのような障害が生じたとき、ループ障害検出メッセージを送信するスイッチが、メッセージ配信サイクル中に2つのリングポートから送信されるループ障害検出メッセージを受信することができない、あるいは1つのリングポートだけが反対側のポートから送信されたメッセージを受信する。システム中のその他のスイッチは、1つのリングポートからのみループ障害検出メッセージを受信し、もう一つのループ障害検出メッセージは、リンク障害のために失われる。

【0070】
システム中の障害には、別のタイプの障害(すなわち「プロトコル機械障害」)がさらに含まれる。

【0071】
「プロトコル機械障害」は、スイッチのプロトコル機械における障害の発生により、様々なタイプの検出メッセージおよびリンク障害警報メッセージを処理して送信することができないことを意味する。この障害は、通常のデータ処理に対して影響を及ぼさないが、障害が生じているスイッチのプロトコル機械は動作することができず、このとき、システムのループにおけるリングポートの状態が、どれも「遮断」状態でないことがあり得て、すなわちネットワークにループバックが生じる可能性がある。

【0072】
上記のループ検出プロセスによれば、システムのリングに「リンク障害」が生じているかどうかということは、ループ障害検出メッセージによって判断することができるが、「プロトコル機械障害」の発生も、どのスイッチに障害が生じているかということも、判断することができない。したがって、システムのリングに「プロトコル機械障害」が生じているかどうかということ、および障害が生じているスイッチを判断するために、プロトコル機械検出を実行する必要がある。具体的なプロセスは、以下の通りである。

【0073】
ステップS301:リンク障害検出メッセージを送信して、別のスイッチから送信されたリンク障害検出メッセージを受信する。
システム中のすべてのスイッチが、隣接スイッチへリンク障害検出メッセージを同時に送信して、別のスイッチから送信されたリンク障害検出メッセージを受信する。
リンク障害検出メッセージは、スイッチの媒体アクセス制御(MAC)アドレス、隣接スイッチのMACアドレス、およびリングポートのプロトコル状態を含む。
ステップS302:プロトコル機械検出サイクルが終了したとき、隣接スイッチから送信されたリンク障害検出メッセージが受信されているかどうか判断する。受信していたら、ステップS303を実行する。そうでなければ、ステップS304を実行する。
ステップS303:隣接スイッチが正常に動作していると判断する。
ステップS304:スイッチを接続するリンクが正常に動作しているなら、隣接スイッチでプロトコル機械障害が生じていると判断してステップS305を実行する。
ステップS305:隣接スイッチと接続されたリングポートのプロトコル状態を「遮断」に設定する。
ステップS306:障害警報メッセージを送信する。
警報メッセージは、障害のタイプ(リンク障害またはプロトコル機械障害)および障害が生じた位置を示すために用いられる情報を含む。

【0074】
プロトコル機械障害が生じたスイッチは、障害から回復した後に、ループ障害検出メッセージを送信する。ループ障害検出メッセージを受信した後に、他のスイッチは、リングポートの状態をすべて「転送」状態に設定する。システムのループ検出サイクルが終了したとき、その他のスイッチのリングポートの状態がすべて「転送」であると判明すれば、障害から回復したスイッチは、スイッチの1つのリングポートのプロトコル状態を「転送」に設定し、もう一つのリングポートのプロトコル状態を「遮断」に設定する。他のスイッチのリングポートのうちの1つの状態が「遮断」であると判明すると、障害から回復したスイッチは、スイッチの2つのリングポートのプロトコル状態を「転送」に設定し、このようにしてネットワークにおけるループバックの発生を回避する。

【0075】
ステップS201の前には、スイッチのリングポートのプロトコル状態が「初期化」であることに留意されたい。ステップS201が完了した後に、スイッチのリングポートのプロトコル状態は「遮断」に設定される。別のスイッチから送信されたループ障害検出メッセージまたはリンク障害検出メッセージが受信された後に、スイッチのリングポートのプロトコル状態は「転送」に設定される。

【0076】
さらに、システムに新たに追加されたスイッチについては、スイッチのクロックに対する同期が実行された後に、スイッチは、そのスイッチのリングポートのプロトコル状態を「遮断」に設定する。ループ障害検出メッセージおよびリンク障害検出メッセージが送信された後に、スイッチの2つのリングポートのうちの1つのプロトコル状態が「転送」に設定され、もう一つのリングポートのプロトコル状態が「遮断」に設定される。このとき、別のスイッチが、新しく追加されたスイッチから送信されたループ障害検出メッセージを受信した後に、この別のスイッチのリングポートのプロトコル状態が「遮断」であるなら、「転送」に変更される。この別のスイッチのリングポートのプロトコル状態が「転送」であるなら、その状態が維持される。

【0077】
上記の開示は、本発明を限定するように意図されているのでなく、単に本発明の好ましい実施形態を示すものである。独創的な努力なしで当業者によって考案された変形形態、ならびに本発明の思想から逸脱しない変更形態および改変形態は、本発明の範囲内に入るものと見なされる。
【符号の説明】
【0078】
100、101、102、103、104 ・・・ スイッチ
111 ・・・ クロック同期ユニット
112 ・・・ ループ検出ユニット
113 ・・・ 自己検査ユニット
114 ・・・ プロトコル機械検出ユニット
115 ・・・ 状態設定ユニット
116 ・・・ 障害警報ユニット
1121 ・・・ 第1の送信ユニット
1122 ・・・ 第1の判断ユニット
1123 ・・・ 第2の判断ユニット
1141 ・・・ 第2の送信ユニット
1142 ・・・ 第3の判断ユニット
1151 ・・・ 第1の状態設定ユニット
1152 ・・・ 第2の状態設定ユニット
1153 ・・・ 第3の状態設定ユニット
1154 ・・・ 第4の状態設定ユニット
1155 ・・・ 第5の状態設定ユニット
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10