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明細書 :2,2’,6,6’-テトラオキサゾリンビフェニル配位子およびその調製方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公表番号 特表2009-522210 (P2009-522210A)
公報種別 特許公報(B2)
公表日 平成21年6月11日(2009.6.11)
特許番号 特許第5171640号 (P5171640)
登録日 平成25年1月11日(2013.1.11)
発行日 平成25年3月27日(2013.3.27)
発明の名称または考案の名称 2,2’,6,6’-テトラオキサゾリンビフェニル配位子およびその調製方法
国際特許分類 C07D 263/12        (2006.01)
FI C07D 263/12 CSP
請求項の数または発明の数 6
全頁数 14
出願番号 特願2008-547837 (P2008-547837)
出願日 平成18年12月29日(2006.12.29)
国際出願番号 PCT/CN2006/003695
国際公開番号 WO2007/073698
国際公開日 平成19年7月5日(2007.7.5)
優先権出願番号 200510112234.6
優先日 平成17年12月29日(2005.12.29)
優先権主張国 中華人民共和国(CN)
審査請求日 平成21年12月21日(2009.12.21)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】507190994
【氏名又は名称】上海交通大学
発明者または考案者 【氏名】張 万斌
【氏名】張 勇健
【氏名】王 飛軍
個別代理人の代理人 【識別番号】100076532、【弁理士】、【氏名又は名称】羽鳥 修
【識別番号】100101292、【弁理士】、【氏名又は名称】松嶋 善之
審査官 【審査官】春日 淳一
参考文献・文献 特開平10-287691(JP,A)
特表2003-509513(JP,A)
特開2004-161963(JP,A)
Imai Y et al,J Org Chem,2000年,Vol.65,p.3326-33
Gant TG et al,Tetrahedron Lett,1995年,Vol.36,p.8745-8
調査した分野 C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
2,2’,6,6’-テトラオキサゾリンビフェニル配位子であって、その構造式が下記の通りであることを特徴とする、2,2’,6,6’-テトラオキサゾリンビフェニル配位子。
【化1】
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【請求項2】
下記一般式(IV)で表される2,2’,6,6’-テトラオキサゾリンビフェニル配位子の製造方法であって、下記一般式の化合物(III)と、アルキルスルホニウムハライド、アリールスルホニルハライド、燐オキシクロリド、五塩化燐、塩化チオニルおよびトリフェニルホスフィンの群から選ばれるヒドロキシル基を活性化することのできる活性化剤とを、塩基の存在下に反応させ、目的生成物(IV)の2,2’,6,6’-テトラオキサゾリンビフェニル配位子を得る、ことを特徴とする、2,2’,6,6’-テトラオキサゾリンビフェニル配位子の製造方法。
【化2】
JP0005171640B2_000009t.gif

【請求項3】
下記一般式(IV)で表される2,2’,6,6’-テトラオキサゾリンビフェニル配位子の製造方法であって、
ピレンを原料とし、過沃素酸ナトリウムと三塩化ルテニウムの酸化系において酸化して開環し、2,2’,6,6’-テトラカルボキシル基ビフェニル(I)を得、次に
有機溶媒中で、該2,2’,6,6’-テトラカルボキシル基ビフェニル(I)とジクロロスルホキシドとを反応させて塩化アシル(II)を得、次に
有機溶媒中で、該塩化アシル(II)とアミノアルコールとを塩基の存在下に反応させ生成物(III)を得、次に
該生成物(III)と、アルキルスルホニウムハライド、アリールスルホニルハライド、燐オキシクロリド、五塩化燐、塩化チオニル及びトリフェニルホスフィンの群から選ばれるヒドロキシル基を活性化することのできる活性化剤とを、塩基の存在下に反応させる、ことを特徴とする2,2’,6,6’-テトラオキサゾリンビフェニル配位子の製造方法。
【化3】
JP0005171640B2_000010t.gif

【請求項4】
化合物(II)から化合物(III)を調製する反応において、化合物(II)とアミノアルコールのモル比が1:4~6であり、反応温度が0~80℃であり、反応時間が4~25hである、請求項3に記載の2,2’,6,6’-テトラオキサゾリンビフェニル配位子の製造方法。
【請求項5】
化合物(III)から化合物(IV)を調製する反応において、化合物(III)、塩基と活性化剤のモル比が1:5~12:4~10であり、反応温度が0~80℃であり、反応時間が1~25hである請求項3に記載の2,2’,6,6’-テトラオキサゾリンビフェニル配位子の製造方法。
【請求項6】
前記アミノアルコールが以下の式で表される請求項3に記載の2,2’,6,6’-テトラオキサゾリンビフェニル配位子の製造方法。
【化4】
JP0005171640B2_000011t.gif
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は化学工業の技術分野における化合物およびその方法に関し、特に、2,2’,6,6’-テトラオキサゾリンビフェニル配位子およびその調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オキサゾリンはNとO原子を含む五員複素環化合物であり、その中のN原子は電子供給原子として金属イオンと良好に配位することが可能であり、また、オキサゾリンは基質として様々なキラリティー化合物の合成に用いられ、一定の成功が得られたことがあるので、化学者たちにより不斉触媒として広い範囲で適用できるのでないかと考えられていた。30年間にわたった発展を経て、多くのキラリティーオキサゾリン配位子が現れ、特に各種のキラリティー側鎖を含むキラリティーオキサゾリン配位子が相次いで開発された。そのうち、軸性キラリティー側鎖はその独特な剛性構造により、配位子において広く適用されている。単一構造の軸性キラリティー配位子を得るために、現在主に分割などの方法を用いるが、これは多くの場合、資源のムダを引き起こしている。
【0003】
従来技術の文献を検索した結果、Imai(今井)教授らの『J.Org.Chem』(有機化学)(65,3326-3333)において発表した「Novel Chiral Bisoxazoline Ligands with a Biphenyl Backbone:Preparation,Complexation,and Application in Asymmetric Catalytic Reactions」(ビフェニル骨格を含む新型キラルビスオキサゾリン配位子と配位化合物の調製およびその非対称接触反応における応用)を見つけた。この論文において、軸不安定性配位子1が提案されている。即ち、溶液において(S,aS,S)-1と(S,aR,S)-1が互いに転換するとされているが、金属塩イオンとキレートした結果、(S,aS,S)-1のみが金属塩イオンとキレートして軸性キラリティー配位化合物(S,aS,S)-2を形成したと認められている。当該軸性キラリティー配位化合物は合成しやすく、分割の複雑な分離手段を行う必要はなく、オレフィン接触の不斉シクロプロパン化反応において、(S,aS,S)-2は一定のエナンチオ選択性が得られた。しかし、軸性キラリティーが安定ではない以外に、その配位子はまだ軸性キラリティー配位子であり、軸性キラリティー配位子の設計概念を突破していない欠点がある。
【0004】
【化1】
JP0005171640B2_000002t.gif
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術の課題に対して、2,2’,6,6’-テトラオキサゾリンビフェニル配位子およびその調製方法を提供し、現在の単一軸性キラリティー配位子の調製による資源のムダを避けることを目的とし、その合成方法は簡単であり、調製した配位子は不斉反応の触媒として用いることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は下記の技術思想により実現されている。本発明による2,2’,6,6’-テトラオキサゾリンビフェニル配位子の構造式は下記の通りである。
【0007】
【化2】
JP0005171640B2_000003t.gif

【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
式中のR1~R4のアルキル基は、炭素数1~8の直鎖状又は分岐状のアルキル基が好ましく、アリール基として、フェニル基、トシル基、キシリル基、ナフトイル基が好ましい。また、前記アリール基、ベンジル基はアルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、ハロゲン原子の置換基を有していてもよい。
【0009】
本発明の上記の2,2’,6,6’-テトラオキサゾリンビフェニル配位子の調製方法としては、下記一般式(III)の化合物とアルキルスルホニウムハライド、アリールスルホニルハライド、燐オキシクロリド、5塩化燐、塩化チオニル及びトリフェニルホスフィンの群から選ばれるヒドロキシル基を活性化することのできる活性化剤とを塩基の存在下に反応させることにより合成することができ(以下、(4)の工程で詳細に説明する)、また、下記一般式(III)の化合物は、後述する(1)~(3)の工程を実施して得られるものを使用することが好ましい。
【0010】
【化3】
JP0005171640B2_000004t.gif

【0011】
なお、本発明の方法における化合物(I)~(IV)の構造式は以下のとおりである。
【0012】
【化4】
JP0005171640B2_000005t.gif

【0013】
上記の構造において、R1、R2、R3、R4は前述した通りである。
【0014】
(1)の工程;ピレンから化合物(I)を調製する。
【0015】
ピレンを原料とし、過沃素酸ナトリウムと三塩化ルテニウムの酸化系において溶媒中で酸化して開環し、2,2’,6,6’-テトラカルボキシル基ビフェニル(I)を調製する。
【0016】
反応条件は、ピレンと過沃素酸ナトリウムとのモル比が1:5~15で、ピレンと塩化ルテニウムとのモル比が1:0.01~0.1であり、反応温度は10~50℃で、反応時間は12~25時間である。
【0017】
溶媒としては、例えば、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル等のエステル類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、ジブロモエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類等が挙げられ、これらの溶媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0018】
(2)の工程;化合物(I)から化合物(II)を調製する。
【0019】
有機溶媒中で、化合物(I)をジクロロスルホキシドと反応させて、塩化アシル(II)を調製する。
【0020】
反応条件は、化合物(I)とジクロロスルホキシドとのモル比が1:3~6であり、反応温度が10~100℃で、反応時間が1~20時間である。
【0021】
有機溶媒としては、例えばクロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素等の低級ハロゲン化炭化水素、ベンゼン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル等のジ低級アルキルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジエトキシエタン、1,2-ジブトキシエタン、1,2-ジベンジルオキシエタン等の低級ジアルコキシエタン、ジメチルホルムアミド等の脂肪族アミド等が挙げられ、これらの有機溶剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0022】
(3)の工程;化合物(II)から化合物(III)を調製する。
【0023】
有機溶媒中で、塩化アシル(II)とアミノアルコールを塩基の存在下に反応させて、化合物(III)を調製する。
【0024】
反応条件は、塩化アシル(II)とアミノアルコールとのモル比が1:4~6であり、反応温度が0~80℃であり、反応時間が4~25時間である。
【0025】
前記アミノアルコールは以下の式で表される。
【0026】
【化5】
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【0027】
塩基としては、例えば、水素化ナトリウム等の金属水素化物、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等のアミン類、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリ、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド等のアルコキシド、ピペリジン、ピリジン、カリウムクレゾラート、アルキルリチウム、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセ-7-エン、リチウムヘキサメチルジシラジド等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0028】
有機溶媒としては、例えばギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル等のエステル類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、ジブロモエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類等が挙げられ、これらの溶媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0029】
(4)の工程;化合物(III)から化合物(IV)を調製する。
【0030】
有機溶媒中で、化合物(III)と、アルキルスルホニウムハライド、アリールスルホニルハライド、燐オキシクロリド、5塩化燐、塩化チオニル及びトリフェニルホスフィンの群から選ばれるヒドロキシル基を活性化することのできる活性化剤とを、塩基の存在下に反応させ、2,2’,6,6’-テトラオキサゾリンビフェニル配位子(IV)を調製する。
【0031】
反応条件は、化合物(III)と塩基と活性化剤とのモル比が1:5~12:4~10であり、反応温度が0~80℃であり、反応時間が1~25時間である。
【0032】
塩基としては特に制限はないが、例えば、水素化ナトリウム等の金属水素化物、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等のアミン類、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリ、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド等のアルコキシド、ピペリジン、ピリジン、カリウムクレゾラート、アルキルリチウム、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセ-7-エン、リチウムヘキサメチルジシラジド等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0033】
また、活性化剤としては、メチルスルホニルクロリド等のアルキルスルホニルハライド、ベンゼンスルホニルクロリド、p-トルエンスルホニルクロリド等のアリールスルホニルハライド、オキシ塩化燐、五塩化燐、塩化チオニル又はトリフェニルホスフィンを使用することができる。
【0034】
有機溶媒としては、例えばギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル等のエステル類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、ジブロモエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類等が挙げられ、これらの溶媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0035】
本発明は現在の単一軸性キラリティー配位子の調製による資源のムダなどの問題を回避しただけでなく、その合成方法が簡単である。本発明による2,2’,6,6’-テトラオキサゾリンビフェニル配位子は、オキサゾリンの中心性キラリティーを含むだけでなく、ビフェニル類の軸性キラリティーも同時に含んでいる。このような配位子は不斉シクロプロパン化反応、分子内Wacker-Type環化反応、オレフィンの不斉酸化反応、分子内[2+1]環付加反応など、各種の不斉反応に用いることができ、高い反応活性と立体選択性をもち、応用の範囲が比較的広い。
【実施例】
【0036】
以下の実施例は本発明の理解に資することができるが、本発明の内容を限定することはない。なお、実施例での反応スキームは以下のとおりである。
【0037】
【化6】
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【0038】
〔実施例1〕
(1)化合物Iの合成
ピレン(3.00g、14.90mmol)をジクロロメタン(60mL)、アセトニトリル(60mL)および水(100mL)の溶液に溶かし、上記溶液に過沃素酸ナトリウム(29.94g、140mmol)と三塩化ルテニウム(120.31g、0.58mmol)を加えた。反応液を40℃まで加熱し、16h撹拌すると、黄色沈殿が生成した。濾過して得た固体をアセトン(200mL)で溶解し、濾過して不溶物を除去する。濾液を回転蒸発で濃縮して白い粉末I(2.30g、76%)を得た。
【0039】
1H NMR(400MHz,CD3COCD3)6.99(d,J=7.6Hz,4H,Ar-H),6.77(t,J=7.6Hz,2H,Ar-H)。
【0040】
(2)化合物IIの合成
テトラ酸I(1.00g,3.03mmol)を取り、ジクロロメタン(20mL)に溶かし、氷浴に置いて、溶液にジクロロスルホキシド(1.0mL,13.34mmol)とDMF(16μL)を加えた。反応液の温度を室温まで上昇させ、室温において1h撹拌して、反応液を均一相を呈するまで加熱還流した(~5h)。さらに1h加熱還流し、オレンジ色の溶液を濃縮し、固体IIを得た(収率90%)。
【0041】
1H NMR(400MHz,CDCl3)8.539(d,J=8.0Hz,2H,Ar-H),7.803(t,J=8.0Hz,1H,Ar-H)。
【0042】
(3)化合物III(R1=i-Pr,R2=R3=R4=H)の合成
氷浴において、化合物II(1.28g,3.16mmol)をジクロロメタン(40mL)に溶かし、L-バリノール(1.96g,14.88mmol)のジクロロメタン(20mL)溶液にゆっくり滴加した。全部滴加した後、トリエチルアミン(2.4mL,17.28mmol)を速やかに加えた。室温にて20時間撹拌した後、水洗、濾過して、アミド化合物III(R1=i-Pr,R2=R3=R4=H)(1.70g,2.53mmol)を得た。収率は80%であった。
【0043】
1H NMR(400MHz,CD3OD)7.48-7.52(m,6H,Ar-H),3.574-3.617(m,4H,NCH),3.46(dd,J=6.4,11.6Hz,4H,OCH),3.39(dd,J=4.4,11.6Hz,4H,OCH),1.65-1.77(m,4H,Me2CH),0.72(d,J=2.4Hz,12H,CH3),0.71(d,J=2.4Hz,12H,CH3)。
【0044】
(4)化合物IV(R1=i-Pr,R2=R3=R4=H)の合成
メチルスルホニルクロリド(0.7mL,8.96mmol)をアミド化合物III(R1=i-Pr,R2=R3=R4=H)(1.0g,1.49mmol)、トリエチルアミン(1.3mL,9.32mmol)およびジクロロメタン(10mL)に滴加した。溶液を室温において12h撹拌した後、ジクロロメタン(10mL)で希釈し、水で有機相を洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、回転蒸発して粗生成物を得た。酢酸エチル:石油エーテル=1:3を溶離剤とし、カラム分離により化合物IV(0.53g,0.88mmol)を得た。収率は59%であった。
【0045】
1H NMR(400MHz,CDCl3)7.89(d,J=8.0Hz,4H,Ar-H),7.34(d,J=7.6Hz,2H,Ar-H),3.98(dd,J=7.6,9.2Hz,4H,NCH),3.67-3.77(m,8H,OCH2),1.52-1.60(m,4H,Me2CH),0.76(d,J=6.8Hz,12H,CH3),0.73(d,J=6.8Hz,12H,CH3)。
【0046】
この実施例は、合成方法が簡単であり、収率が比較的高く、調製した軸性キラリティー配位子は銅、パラジウムなどの金属イオンと配位して軸性キラリティー配位化合物を形成することができる。当該軸性キラリティー配位化合物の調製には分割の複雑な分離手段を行う必要はない。
【0047】
〔実施例2〕
(1)化合物Iの合成
当該合成方法は実施例1の(1)を参照されたい。
【0048】
(2)化合物IIの合成
当該合成方法は実施例1の(2)を参照されたい。
【0049】
(3)化合物III(R1=i-Pr,R2=R3=R4=H)の合成
氷浴において、化合物II(1.01g,2.49mmol)をジクロロメタン(30mL)に溶かし、L-バリノール(1.97g,14.88mmol)のジクロロメタン(20mL)溶液にゆっくり滴加した。全部滴加した後、トリエチルアミン(2.4mL,17.28mmol)を速やかに加えた。室温にて20時間撹拌した後、水洗、濾過して、アミド化合物III(R1=i-Pr,R2=R3=R4=H)(1.44g,2.14mmol)を得た。収率は86%であった。
【0050】
(4)化合物IV(R1=i-Pr,R2=R3=R4=H)の合成
メチルスルホニルクロリド(1.2mL,14.86mmol)をアミド化合物III(R1=i-Pr,R2=R3=R4=H)(1.0g,1.49mmol)、トリエチルアミン(2.5mL,17.67mmol)およびジクロロメタン(10mL)に滴加した。溶液を室温において5h撹拌した後、ジクロロメタン(10mL)で希釈し、水で有機相を洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、回転蒸発して粗生成物を得た。酢酸エチル:石油エーテル=1:3を溶離剤とし、カラム分離により化合物IV(0.56g,0.93mmol)を得た。収率は62%であった。
【0051】
〔実施例3〕
(1)化合物Iの合成
当該合成方法は実施例1の(1)を参照されたい。
【0052】
(2)化合物IIの合成
当該合成方法は実施例1の(2)を参照されたい。
【0053】
(3)化合物III(R1=t-Bu,R2=R3=R4=H)の合成
氷浴において、化合物II(1.00g,2.46mmol)をジクロロメタン(40mL)に溶かし、L-t-ブチルロイシノール(1.44g,12.30mmol)のジクロロメタン(20mL)溶液にゆっくり滴加した。全部滴加した後、トリエチルアミン(1.8mL,12.96mmol)を速やかに加えた。室温にて20時間撹拌した後、水洗、濾過して、アミド化合物III(R1=t-Bu,R2=R3=R4=H)(1.51g,2.08mmol)を得た。収率は84%であった。
【0054】
1H NMR(400MHz,CD3OD)7.46-7.52(m,6H,Ar-H),3.69-3.74(m,4H,OCH),3.37(dd,J=10.8,12.8Hz,4H,OCH),0.734(s,36H,CH3)。
【0055】
(4)化合物IV(R1=t-Bu,R2=R3=R4=H)の合成
メチルスルホニルクロリド(0.5mL,6.90mmol)をアミド化合物III(R1=t-Bu,R2=R3=R4=H)(1.0g,1.38mmol)、トリエチルアミン(1.2mL,8.60mmol)およびジクロロメタン(10mL)に滴加した。溶液を室温において12h撹拌した後、ジクロロメタン(10mL)で希釈し、水で有機相を洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、回転蒸発して粗生成物を得た。酢酸エチル:石油エーテル=1:3を溶離剤とし、カラム分離により化合物IV(0.48g,0.73mmol)を得た。収率は53%であった。
【0056】
1H NMR(400MHz,CDCl3)7.92(d,J=7.6Hz,4H,Ar-H),7.34(d,J=8.0Hz,2H,Ar-H),3.91(dd,J=12.0,13.2Hz,4H,NCH),3.68-3.73(m,8H,OCH),0.664(s,36H,CH3)。