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明細書 :核放射パルス幅のディジタル化方法及びシステム

発行国 日本国特許庁(JP)
公表番号 特表2013-534629 (P2013-534629A)
公報種別 特許公報(B2)
公表日 平成25年9月5日(2013.9.5)
特許番号 特許第5698352号 (P5698352)
登録日 平成27年2月20日(2015.2.20)
発行日 平成27年4月8日(2015.4.8)
発明の名称または考案の名称 核放射パルス幅のディジタル化方法及びシステム
国際特許分類 G01T   1/17        (2006.01)
FI G01T 1/17 F
請求項の数または発明の数 39
全頁数 32
出願番号 特願2013-517000 (P2013-517000)
出願日 平成24年5月22日(2012.5.22)
国際出願番号 PCT/CN2012/075885
国際公開番号 WO2012/163239
国際公開日 平成24年12月6日(2012.12.6)
優先権出願番号 201110147423.2
優先日 平成23年6月2日(2011.6.2)
優先権主張国 中華人民共和国(CN)
審査請求日 平成24年12月26日(2012.12.26)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】505383316
【氏名又は名称】中国科学技▲術▼大学
発明者または考案者 【氏名】王 永▲綱▼
【氏名】朱 文松
【氏名】▲陳▼ 俊
個別代理人の代理人 【識別番号】100108453、【弁理士】、【氏名又は名称】村山 靖彦
【識別番号】100064908、【弁理士】、【氏名又は名称】志賀 正武
【識別番号】100089037、【弁理士】、【氏名又は名称】渡邊 隆
【識別番号】100110364、【弁理士】、【氏名又は名称】実広 信哉
審査官 【審査官】林 靖
参考文献・文献 特開2009-079969(JP,A)
特開平11-118932(JP,A)
特開平10-197643(JP,A)
特表2004-519681(JP,A)
特表2010-508732(JP,A)
特表2010-538245(JP,A)
特開2002-350545(JP,A)
調査した分野 G01T 1/00-7/12
特許請求の範囲 【請求項1】
核事件エネルギー検知器と、定比率タイミング回路と、整形回路とを利用し、
定比率タイミング回路を用いて前記核事件エネルギー検知器が出力する対象パルス信号に対して定比率タイミング処理を行い、今回の核事件の到着時刻Tdを示す定比率タイミング信号を出力するステップと、
整形回路を用いて前記対象パルス信号に対して整形処理を行って対象整形信号を得るステップと、
比較器回路が、前記Tdと予め決められた時間差ΔTがある時刻Toから、対象整形信号とダイナミック閾値信号の同じ時刻での値を比較し、当該ダイナミック閾値信号の値が、当該対象整形信号の値よりも小さい値から、当該対象整形信号の値以上の値に変化した時刻を今回の核事件の過閾値時刻Totとするステップと、
時間ディジタル変換(TDC)回路が、前記Tdと前記Totとの間の時間の長さをディジタル量に変換するステップと、を含み、
前記ダイナミック閾値信号が、
【数6】
JP0005698352B2_000016t.gif
を満たし、ただし、前記Tot1がある核事件の整形信号と前記ダイナミック閾値信号を比較して得られた過閾値時刻であり、Vot1が前記整形信号の幅であり、Tot2が異なる核事件の前記整形信号と前記ダイナミック閾値信号を比較して得られた過閾値時刻であり、前記Vot2が前記異なる核事件の前記整形信号の幅である、ことを特徴とする核パルス幅ディジタル化方法。
【請求項2】
前記対象整形信号と前記ダイナミック閾値信号との同じ時刻での値を比較する前に、前記ダイナミック閾値信号を生成するステップを更に含む、ことを特徴とする請求項1に記載の核パルス幅ディジタル化方法。
【請求項3】
前記ダイナミック閾値信号を生成するステップは、
予め記憶された一連のディジタル閾値電圧値に基づいて前記ダイナミック閾値信号を生成するステップを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の核パルス幅ディジタル化方法。
【請求項4】
前記予め記憶された一連の前記ディジタル閾値電圧値に基づいて前記ダイナミック閾値信号を生成するステップに先立って、
時間間隔ΔTと、一連の前記ディジタル閾値電圧値の個数N(ただし、Nは1以上の正整数である。)を確定するステップと、
SNの幅をAとし、S1の幅をA/Nとし、S2からSN-1までの幅をA/NずつインクリメントするようにN個の前記整形信号S1-SNを選択するステップと、
前記整形信号のある時刻を時間原点Ts1とするステップと、
前記整形信号SM のTs1+MΔT(ただし、前記Mは正整数であり、1≦M≦N)時刻に対応する電圧値を前記ディジタル閾値電圧値として記憶するステップと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項3に記載の核パルス幅ディジタル化方法。
【請求項5】
予め記憶された一連の前記ディジタル閾値電圧値に基づいて前記ダイナミック閾値信号を生成する前記ステップは、
前記予め定められた時間間隔で予め記憶した一連の前記ディジタル閾値電圧値を順次に読み出して、ディジタルーアナログ変換によってアナログ信号に変換するステップと、
前記アナログ信号をローパスフィルタリングして増幅することによって、前記ダイナミック閾値信号を得るステップと、を含む、ことを特徴とする請求項4に記載の核パルス幅ディジタル化方法。
【請求項6】
前記TdとTotとの間の時間の長さをディジタル量に変換するステップは、
前記核事件エネルギー検知器の出力する前記対象パルス信号が固定閾値以上の値を有するとき、前記TdとTotとの間の時間の長さをディジタル量に変換するステップを含む、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の核パルス幅ディジタル化方法。
【請求項7】
前記整形処理は、アクティブ積分整形処理である、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の核パルス幅ディジタル化方法。
【請求項8】
核事件エネルギー検知器と、整形回路と、定比率タイミング手段と、比較器回路と、時間ディジタル変換(TDC)手段とを含み、
前記核事件エネルギー検知器の出力端が整形回路及び定比率タイミング回路の入力端のそれぞれに接続され、前記定比率タイミング手段が定比率タイミング回路を含み、前記時間ディジタル変換(TDC)手段がTDC回路を含み、
前記整形回路は、前記核事件エネルギー検知器の出力する対象パルス信号に対して整形処理を行い、対象整形信号を出力し、
前記定比率タイミング回路は、前記核事件エネルギー検知器の出力する対象パルス信号に対して定比率タイミング処理を行い、今回の核事件の到着時刻Tdを示す定比率タイミング信号を出力し、
前記比較器回路は、前記Tdと予め定められた時間差があるTo時刻から、前記対象整形信号とダイナミック閾値信号の同じ時刻での値を比較し、前記ダイナミック閾値信号の値が、前記対象整形信号の値よりも小さい値から、前記対象整形信号の値以上の値に変化したとき、今回の核事件の過閾値時刻Totを示すパルス信号を出力し、
前記TDC回路は、前記Tdを記録し、前記Totを記録し、前記Tdと前記Totとの間の時間の長さをディジタル量に変換し、
前記ダイナミック閾値信号は、
【数7】
JP0005698352B2_000017t.gif
を満たし、ただし、
前記Tot1がある核事件の整形信号と前記ダイナミック閾値信号を比較して得られた過閾値時刻であり、Vot1が前記整形信号の幅であり、Tot2が異なる核事件の前記整形信号と前記ダイナミック閾値信号を比較して得られた過閾値時刻であり、前記Vot2が前記異なる核事件の前記整形信号の幅である、ことを特徴とする核パルス幅ディジタル化システム。
【請求項9】
前記ダイナミック閾値信号を生成するダイナミック閾値生成手段をさらに含む、ことを特徴とする請求項8に記載の核パルス幅ディジタル化システム。
【請求項10】
前記定比率タイミング手段は、
前記核事件エネルギー検知器の出力する対象パルス信号が一定の立ち上がりタイミング閾値より高い値を有するとき、予識別信号を出力する予識別回路をさらに含み、
前記TDC手段は、
前記予識別信号を受信したとき、前記TDC回路の動作を指示する指示手段をさらに含む、ことを特徴とする請求項8に記載の核パルス幅ディジタル化システム。
【請求項11】
核放射パルス幅を線形的に時間の長さに変換し、当該時間の長さを測定することによって核放射パルス信号のディジタル化を実現する核放射パルス幅のディジタル化方法であって、
核事件エネルギー検知器が出力する対象電流信号に基づいて、前記対象電流信号の到着時刻Tdを示す定比率タイミング信号を生成するステップと、
整形回路を用いて前記対象電流信号に対して整形処理を行って対象整形信号を得るステップと、
前記対象電流信号の到着時刻Tdと予め決められた時間差ΔTがある時刻Toから、前記対象整形信号とダイナミック閾値信号の同じ時刻での値を比較し、時刻Totで、当該ダイナミック閾値信号の値が、当該対象整形信号の値よりも小さい値から、当該対象整形信号の値以上の値に変化すれば、当該時刻Totを過閾値時刻とするステップと、
上記時刻Tdと時刻Totとの間の時間の長さをディジタル量に変換し、当該ディジタル量を核放射パルス幅のディジタル化値とするステップと、を含み、
任意2つの、幅がVot1とVot2である前記対象整形信号に対して、上記ダイナミック閾値信号は、
【数8】
JP0005698352B2_000018t.gif
を満たし、ただし、前記Tot1がある核事件の整形信号と上記ダイナミック閾値信号を比較して得られた過閾値時刻であり、Vot1が前記整形信号の幅であり、Tot2が異なる核事件の前記整形信号と前記ダイナミック閾値信号を比較して得られた過閾値時刻であり、前記Vot2が前記異なる核事件の前記整形信号の幅である、ことを特徴とする核放射パルス幅のディジタル化方法。
【請求項12】
定比率タイミング信号を生成するステップは、
前記対象電流信号に対して定比率タイミング処理を行って、前記定比率タイミング信号を得る方式、
前記核事件エネルギー検知器が出力するタイミング電流信号に基づいて、前記タイミング電流信号に対して定比率タイミング処理を行って、前記定比率タイミング信号を得る方式、
前記対象電流信号に対して整形処理を行って前記整形信号を生成してから、当該整形信号に対して定比率タイミング処理を行って、前記定比率タイミング信号を得る方式、のいずれか1つである、ことを特徴とする請求項11に記載の核放射パルス幅のディジタル化方法。
【請求項13】
前記時刻Toは、前記対象整形信号のピーク到着時刻である、ことを特徴とする請求項11に記載の核放射パルス幅のディジタル化方法。
【請求項14】
前記整形処理は、前記対象電流信号に対して積分処理を行って電圧信号を得る、ことを特徴とする請求項11に記載の核放射パルス幅のディジタル化方法。
【請求項15】
前記対象整形信号と1つの前記ダイナミック閾値信号を比較するステップに先立って、当該ダイナミック閾値信号を生成するステップを含む、ことを特徴とする請求項11に記載の核放射パルス幅のディジタル化方法。
【請求項16】
前記ダイナミック閾値信号を生成するステップにおいて、
予め記憶された一連のディジタル閾値電圧値に基づいて前記ダイナミック閾値信号を生成する、ことを特徴とする請求項15に記載の核放射パルス幅のディジタル化方法。
【請求項17】
前記一連のディジタル閾値電圧値に基づいて前記ダイナミック閾値信号を生成するステップにおいて、前記一連の閾値電圧値をディジタルーアナログ変換しローパスフィルタリングする、ことを特徴とする請求項16に記載の核放射パルス幅のディジタル化方法。
【請求項18】
前記一連のディジタル閾値電圧値は、前記核事件エネルギー検知器の特性と前記整形回路のパラメータに基づいて算出される、ことを特徴とする請求項16に記載の核放射パルス幅のディジタル化方法。
【請求項19】
前記一連のディジタル閾値電圧値を生成するステップは、
i) 前記時間ΔTと前記一連のディジタル閾値電圧値の個数N(Nは1以上の正整数である。)を確定するステップと、
ii) 前記整形信号SNの幅をAとし、前記整形信号S1の幅をA/Nとし、前記整形信号S2~SN-1の幅をA/Nずつインクリメントするように、形状が前記対象整形信号と同じであるN個の前記整形信号S1~SNを選択するステップと、
iii) 前記時刻Toを設定するステップと、
iv) 前記整形信号SMのTo+MΔT(前記Mが正整数であり、1≦M≦N)時刻に対応する電圧値をディジタル閾値電圧値として記憶して前記一連のディジタル閾値電圧値を得るステップと、を含む、ことを特徴とする請求項18に記載の核放射パルス幅のディジタル化方法。
【請求項20】
前記一連のディジタル閾値電圧値を生成するステップは、
i) システムの最大測定可能な信号の幅の値に対応する所望の過閾値時間である最大時間測定値Tmaxを確定するステップと、
ii) 前記時刻Toを設定するステップと、
iii) 前記時間ΔTを確定するステップと、
iv) 式(Tmax-To)/ΔTに基づいてディジタル閾値電圧値の個数N(Nが1以上の正整数)を確定するステップと、
v) 前記整形信号SNの幅をAとし、前記整形信号S1の幅をA/Nとし、前記整形信号S2~SN-1の幅をA/Nずつインクリメントするように、形状が前記対象整形信号と同じであるN個の前記整形信号S1
~SNを選択するステップと、
vi) 前記整形信号SMのTo+MΔT(ただし、Mが正整数であり、1≦M≦N)時刻に対応する電圧値をディジタル閾値電圧値として記憶して前記一連のディジタル閾値電圧値を得るステップと、を含む、ことを特徴とする請求項18に記載の核放射パルス幅のディジタル化方法。
【請求項21】
前記ダイナミック閾値信号を生成するステップにおいて、ダイナミック閾値生成回路により前記ダイナミック閾値信号をリアルタイムに生成する、ことを特徴とする請求項15に記載の核放射パルス幅のディジタル化方法。
【請求項22】
前記ダイナミック閾値信号を生成するステップは、
線形ランプ電圧信号と、形状が前記対象整形信号と同じである前記整形信号とを乗算することによって行われる、ことを特徴とする請求項21に記載の核放射パルス幅のディジタル化方法。
【請求項23】
前記整形信号は、そのピーク到着時刻から前記線形ランプ電圧信号と乗算される、ことを特徴とする請求項22に記載の核放射パルス幅のディジタル化方法。
【請求項24】
前記整形信号のピーク到着時刻で、前記線形ランプ電圧信号はゼロである、ことを特徴とする請求項23に記載の核放射パルス幅のディジタル化方法。
【請求項25】
アナログ回路により前記対象電流信号と形状が同じである電流信号を生成し、前記整形回路と同じ別の前記整形回路により当該電流信号に対して整形処理を行って、前記線形ランプ電圧信号と乗算される前記整形信号を得る、ことを特徴とする請求項24に記載の核放射パルス幅のディジタル化方法。
【請求項26】
前記線形ランプ電圧信号と前記整形信号とを乗算して得られた信号を増幅してバッファーすることによって前記ダイナミック閾値信号を得る、ことを特徴とする請求項25に記載の核放射パルス幅のディジタル化方法。
【請求項27】
増幅ゲインを変化することによって異なる変化レートの前記ダイナミック閾値信号を得るステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項26に記載の核放射パルス幅のディジタル化方法。
【請求項28】
核事件エネルギー検知器と、整形回路と、定比率タイミング手段と、比較器回路と、時間ディジタル変換(TDC)手段とを含み、前記核事件エネルギー検知器の出力端が整形回路及び定比率タイミング回路の入力端のそれぞれに接続され、前記定比率タイミング手段が定比率タイミング回路を含み、前記時間ディジタル変換(TDC)手段がTDC回路を含み、
前記整形回路は、前記核事件エネルギー検知器が出力する対象電流信号に対して整形処理を行って、対象整形信号を出力し、
前記定比率タイミング回路は、前記核事件エネルギー検知器が出力する対象電流信号に対して定比率タイミング処理を行って、今回の核事件の到着時刻Tdを示す定比率タイミング信号を出力し、
前記比較器回路は、前記Tdと予め決められた時間差ΔTがある時刻Toから、前記対象整形信号とダイナミック閾値信号との同じ時刻での値を比較し、前記ダイナミック閾値信号の値が、前記対象整形信号の値よりも小さい値から、前記対象整形信号の値以上の値に変化した過閾値時刻である時刻Totで、当該過閾値時刻Totを示すパルス信号を出力し、
前記TDC回路は、時刻TdとTotを記録し、前記時刻TdとTotとの間の時間の長さをディジタル量に変換し、
前記ダイナミック閾値信号は、
【数9】
JP0005698352B2_000019t.gif
満たし、ただし、前記Tot1がある核事件の整形信号と前記ダイナミック閾値信号を比較して得られた前記過閾値時刻であり、Vot1が前記整形信号の幅であり、Tot2が異なる核事件の前記整形信号と前記ダイナミック閾値信号を比較して得られた前記過閾値時刻であり、前記Vot2が前記異なる核事件の前記整形信号の幅である、ことを特徴とする核放射パルス幅のディジタル化システム。
【請求項29】
前記定比率タイミング手段は、前記対象電流信号が立ち上がりタイミング閾値より高い値を有するとき、予識別信号を出力する予識別回路をさらに含む、ことを特徴とする請求項28に記載の核放射パルス幅のディジタル化システム。
【請求項30】
前記TDC手段は、前記予識別信号を受信したとき、前記TDC回路の動作を指示する指示手段をさらに含む、ことを特徴とする請求項29に記載の核放射パルス幅のディジタル化システム。
【請求項31】
前記ダイナミック閾値信号を生成するダイナミック閾値生成回路をさらに含む、ことを特徴とする請求項28に記載の核放射パルス幅のディジタル化システム。
【請求項32】
前記ダイナミック閾値生成回路は、メモリと、ディジタルーアナログ変換回路と、ローパスフィルタとを含み、
前記メモリは、予め算出された一連のディジタル閾値電圧値を記憶し、
前記ディジタルーアナログ変換回路は、静的な前記メモリに接続され、静的な前記メモリから読み出した一連のディジタル閾値電圧値を受信し、当該一連のディジタル閾値電圧値をアナログ信号に変換してローパスフィルタに出力し、
前記ローパスフィルタは、前記ディジタルーアナログ変換回路に接続され、前記アナログ信号をローパスフィルタリングして、ダイナミック閾値電圧信号を生成する、ことを特徴とする請求項31に記載の核放射パルス幅のディジタル化システム。
【請求項33】
前記メモリは、静的な前記メモリであり、静的な前記メモリの書込みと読み出しを制御するリードライト論理モジュールに接続される、ことを特徴とする請求項32に記載の核放射パルス幅のディジタル化システム。
【請求項34】
前記ダイナミック閾値生成回路は、
前記対象整形信号と形状が同じである前記整形信号を生成するための第一部分と、
線形ランプ電圧信号を生成するための第二部分と、
前記整形信号と前記線形ランプ電圧信号とを乗算するためのアナログ乗算器と、
前記乗算して得られた信号を増幅して所望の前記ダイナミック閾値信号を得るためのアンプ回路と、を含む、ことを特徴とする請求項31に記載の核放射パルス幅のディジタル化システム。
【請求項35】
前記第一部分は、順次に接続される微分回路と、電圧電流変換回路と、前記整形回路とを含み、方形波電圧信号の入力を受け付ける、ことを特徴とする請求項34に記載の核放射パルス幅のディジタル化システム。
【請求項36】
前記第一部分の微分回路は、前記方形波電圧信号を微分して、前記核事件エネルギー検知器の出力する対象電流信号と形状が同じである電圧信号を形成する、ことを特徴とする請求項35に記載の核放射パルス幅のディジタル化システム。
【請求項37】
前記第一部分の電圧電流変換回路は、前記第一部分の微分回路により生成される電圧信号を、前記核事件エネルギー検知器の出力する対象電流信号と形状が同じである電流信号を生成する、ことを特徴とする請求項36に記載の核放射パルス幅のディジタル化システム。
【請求項38】
前記第一部分の前記整形回路は、前記対象整形信号を生成する前記整形回路と同じである、ことを特徴とする請求項37に記載の核放射パルス幅のディジタル化システム。
【請求項39】
前記第二部分は、順次に接続される電圧電流変換回路と積分回路を含む、ことを特徴とする請求項34に記載の核放射パルス幅のディジタル化システム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、核放射パルス信号処理に関するものであり、特に、核放射パルス幅のディジタル化方法及びシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
核事件エネルギー検知器は、入射された対象核放射線のパルス幅を測定可能な電気信号に変換して測定するものであり、これらの電気信号は、一連の分離するパルス信号であり、ここで、パルス信号の幅の値は、対象放射線のエネルギーを示す。従来の核幅射パルス信号幅の測定方法では、アナログーディジタルコンバータ(ADC)を用いて、入力されたアナログ信号に対してAD変換を行う。このような方法は、チャネル数が多く,複数のチャネルで並列に読み出す必要がある核検知器システム(例えば、核映像化検知器システム)に適用できない。それは、各チャネルに1つの高速ADCが必要であり、信号の読み出し及びディジタル化電子学システムの規模を大きくしすぎで、応用できないからである。そのため、チャネル数が多く並列読み出し及びディジタル化のニーズに合うとともに、高い集積度を実現できる新型の核放射パルス幅ディジタル化方法は、期待されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、核事件エネルギー検知器のフロントエンド読み出し回路を顕著に増加しない上に、時間ディジタル変換技術により、核放射パルス信号の電圧幅値を線形的に過閾値時間量に変換して、エネルギー信号のディジタル化を実現する。時間測定技術は、相対的に簡単で熟成しているので、チャネル数の多い核放射パルス信号のディジタル化システムに関して、本発明は、高精度の測定ができるだけではなく、もっとも重要なのは別途にフロントエンド読み出し回路を増加しないので、チャネル数の多いシステムの高集積度を実現できる。本発明は、モノチップのFPGAまたはASICによるマルチチャネル核信号ディジタル化の集積設計に、1つの可能性を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
具体的には、本発明に係る核パルス幅ディジタル化方法は、核事件エネルギー検知器と、定比率タイミング回路と、整形回路とを利用し、
定比率タイミング回路を用いて前記核事件エネルギー検知器が出力する対象パルス信号に対して定比率タイミング処理を行い、今回の核事件の到着時刻Tdを示す定比率タイミング信号を出力するステップと、
整形回路を用いて前記対象パルス信号に対して整形処理を行って対象整形信号を得るステップと、
前記Tdと予め決められた時間差ΔTがある時刻Toから、対象整形信号とダイナミック閾値信号の同じ時刻での値を比較し、当該ダイナミック閾値信号の値が当該対象整形信号の値よりも小さい方から小さくなくなるように変化した時刻を今回の核事件の過閾値時刻Totとするステップと、
前記Tdと前記Totとの間の時間の長さをディジタル量に変換するステップと、を含み、
前記ダイナミック閾値信号が、
【0005】
【数1】
JP0005698352B2_000002t.gif

【0006】
を満たし、ただし、前記Tot1がある整形信号と前記ダイナミック閾値信号を比較して得られた過閾値時刻であり、Vot1が前記整形信号の幅であり、Tot2がもう1つの整形信号と前記ダイナミック閾値信号を比較して得られた過閾値時刻であり、前記Vot2が前記もう1つの整形信号の幅である。
本発明に係る核パルス幅ディジタル化システムは、核事件エネルギー検知器と、整形回路と、定比率タイミング手段と、比較器回路と、時間ディジタル変換(TDC)手段とを含み、
前記核事件エネルギー検知器の出力端が整形回路及び定比率タイミング回路の入力端のそれぞれに接続され、前記定比率タイミング手段が定比率タイミング回路を含み、前記時間ディジタル変換(TDC)手段がTDC回路を含み、
前記整形回路は、前記核事件エネルギー検知器の出力する対象パルス信号に対して整形処理を行い、対象整形信号を出力し、
前記定比率タイミング回路は、前記核事件エネルギー検知器の出力する対象パルス信号に対して定比率タイミング処理を行い、今回の核事件の到着時刻Tdを示す定比率タイミング信号を出力し、
前記比較器回路は、前記Td予め定められた時間差があるTo時刻から、対象整形信号とダイナミック閾値信号の同じ時刻での値を比較し、前記ダイナミック閾値信号の値が前記対象整形信号の値より小さい方から小さくなくなるように変化したとき、今回の核事件の過閾値時刻Totを示すパルス信号を出力し、
前記TDC回路は、前記Tdを記録し、前記Totを記録し、前記Tdと前記Totとの間の時間の長さをディジタル量に変換し、
前記ダイナミック閾値信号は、
【0007】
【数2】
JP0005698352B2_000003t.gif

【0008】
を満たし、ただし、前記Tot1がある整形信号と前記ダイナミック閾値信号とを比較して得られた過閾値時刻であり、前記Vot1が当該整形信号の幅であり、前記Tot2がもう1つの整形信号と前記ダイナミック閾値信号とを比較して得られた過閾値時刻であり、前記Vot2が前記もう1つの整形信号の幅である。
【0009】
本発明に係る核放射パルス幅のディジタル化方法は、核放射パルス幅を線形的に時間の長さに変換し、当該時間の長さを測定することによって核放射パルス信号のディジタル化を実現する核放射パルス幅のディジタル化方法であって、
核事件エネルギー検知器が出力する対象電流信号に基づいて、前記対象電流信号の到着時刻Tdを示す定比率タイミング信号を生成するステップと、
前記対象電流信号に対して整形処理を行って対象整形信号を得るステップと、
前記対象電流信号の到着時刻Tdと予め決められた時間差ΔTがある時刻Toから、前記対象整形信号とダイナミック閾値信号の同じ時刻での値を比較し、時刻Totで、当該ダイナミック閾値信号が当該対象整形信号よりも小さい方から小さくなくなるように変化すれば、当該時刻Totを過閾値時刻とするステップと、
上記時刻Tdと時刻Totとの間の時間の長さをディジタル量に変換し、当該ディジタル量を核放射パルス幅のディジタル化値とするステップと、を含み、
任意2つの、幅がVot1とVot2である前記対象整形信号に対して、上記ダイナミック閾値信号は、
【0010】
【数3】
JP0005698352B2_000004t.gif

【0011】
を満たし、ただし、Tot1がある対象整形信号と上記ダイナミック閾値信号を比較して得られた過閾値時刻であり、Tot2がもう1つの対象整形信号と当該ダイナミック閾値信号を比較して得られた過閾値時刻である。
【0012】
本発明に係る核放射パルス幅のディジタル化システムは、核事件エネルギー検知器と、整形回路と、定比率タイミング手段と、比較器回路と、時間ディジタル変換(TDC)手段とを含み、前記核事件エネルギー検知器の出力端が整形回路及び定比率タイミング回路の入力端のそれぞれに接続され、前記定比率タイミング手段が定比率タイミング回路を含み、前記時間ディジタル変換(TDC)手段がTDC回路を含み、
前記整形回路は、前記核事件エネルギー検知器が出力する対象電流信号に対して整形処理を行って、対象整形信号を出力し、
前記定比率タイミング回路は、前記核事件エネルギー検知器が出力する対象電流信号に対して定比率タイミング処理を行って、今回の核事件の到着時刻Tdを示す定比率タイミング信号を出力し、
前記比較器回路は、前記Tdと予め決められた時間差ΔTがある時刻Toから、前記対象整形信号とダイナミック閾値信号との同じ時刻での値を比較し、前記ダイナミック閾値信号が前記対象整形信号よりも小さい方から小さくなくなるように変化した過閾値時刻である時刻Totで、当該過閾値時刻Totを示すパルス信号を出力し、
前記TDC回路は、時刻TdとTotを記録し、前記時刻TdとTotとの間の時間の長さをディジタル量に変換し、
前記ダイナミック閾値信号は、
【0013】
【数4】
JP0005698352B2_000005t.gif

【0014】
満たし、ただし、Tot1がある対象整形信号と上記ダイナミック閾値信号とを比較して得られた過閾値時刻であり、Tot2がもう1つの対象整形信号と当該ダイナミック閾値信号とを比較して得られた過閾値時刻である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明の実施例や従来技術における技術方案をより明瞭に説明するため、下記に、実施例や従来技術の記述に使用する図面を簡単に説明する。
【図1】図1は、本発明の実施例に係る511KeVのγ放射線の電流波形を示す。
【図2】図2は、本発明の実施例に係る異なるエネルギーの核事件の電流波形を積分した電圧波形を示す。
【図3】図3は、本発明の実施例に係る定比率タイミング回路の構成の模式図である。
【図4】図4は、本発明の実施例に係る核放射パルス幅ディジタル化方法のフローチャートである。
【図5】図5は、本発明の実施例に係る核放射パルス幅ディジタル化システムの構成の模式図である。
【図6】図6は、本発明の実施例に係るアクティブRC積分回路の構成の模式図である。
【図7】図7は、本発明の実施例に係るアクティブRC積分回路の出力信号の波形図である。
【図8】図8は、本発明のもう1つの実施例に係る核放射パルス幅ディジタル化方法の模式図である。
【図9a】図9aは、本発明の実施例に係るディジタル閾値電圧値の生成方式を示すものである。
【図9b】図9bは、本発明の実施例に係るディジタル閾値電圧値のもう1つの生成方式を示すものである。
【図9c】図9cは、本発明の実施例に係る図9bに示すD1-D3の3つのダイナミック閾値曲線によって測定した過閾値時間と核事件エネルギー検知器の出力信号の幅の値との対応関係を示すものである。
【図9d】図9dは、本発明の実施例におけるダイナミック閾値生成回路を用いてダイナミック閾値を生成する回路原理を示す模式図である。
【図9e】図9eは、図9dに示す実施例の回路原理に応じた具体的な回路図である。
【図9f】図9fは、図9eの回路により最終段階のアンプ回路のゲインを制御して生成する2つのダイナミック閾値曲線に基づいて測定した過閾値時間と核事件エネルギー検知器出力信号の幅の値との対応関係を示す図である。
【図10】図10は、本発明の実施例に係る核放射パルス幅ディジタル化システムのもう1つの構成の模式図である。
【図11】図11は、本発明の実施例に係るFPGAチップによるダイナミック閾値電圧生成手段の構成の模式図である。
【図12】図12は、本発明の実施例に係る定比率タイミング識別回路の構成図である。
【図13】図13は、本発明の実施例に係る定比率タイミング識別回路のもうひとつの構成図である。
【図14】図14は、本発明の実施例に係るタイミング模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。明らかに、以下の記述は本発明の実施例に過ぎず、本発明の限定ではない。当業者が進歩性に値する労働をしない場合に実現できる他の実施例の全ては、本発明の保護範囲にある。

【0017】
理解の便宜上、本発明に係る核事件エネルギー検知器、整形回路、定比率タイミング回路を簡単に説明する。

【0018】
本発明における核事件エネルギー検知器は、主にγ放射線のエネルギーを検知するためであり、核事件エネルギー検知器は、核放射パルスを対象パルス信号に変換し、一般的にシンチレーション結晶、例えばLYSO(珪酸イットリウムルテチウム)シンチレーション結晶と、ヨウ化ナトリウム結晶と、光電変換器(例えば光電子増倍管、PMT)からなるものであり、光電変換器から当該対象パルス信号を出力し、通常に当該対象パルス信号は電流信号であるので、本発明ではそれを対象電流信号と称すこともある。

【0019】
対象電流信号を出力する以外、タイミングのためのタイミング電流信号を同時に出力する核事件エネルギー検知器もある。上記タイミング電流信号は、ある核事件エネルギー検知器が対象電流信号を出力すると同時に、別途に出力するタイミング専用の電流信号である。このような核事件エネルギー検知器にとって、このタイミング電流信号は、後に言う定比率タイミング処理に直接用いられ、当該核事件の到着時間を示すものである。

【0020】
図1は、PMTから出力する511KeVのγ放射線に対応する対象電流信号波形の例を示す。当該電流波形の立ち上り時間は1nsより小さく、立ち下り時間はLYSOの減衰時間によって決める。本発明の1つの実施例においては、それを42nsに設定してもよい。当該電流波形の面積は、今回の核事件が検知されたエネルギー値を示す。

【0021】
整形回路は、上記核事件エネルギー検知器から出力した対象電流信号(即ち上記パルス電流信号)に積分処理を行って電圧信号(あるいはそれを整形信号と称し、その幅は入射されたγ放射線のエネルギーに正比例する)を得るためのものである。当然、積分処理の後、当該電圧信号をローパスフィルタリングまたは増幅して、或いは、本分野における常用する他の整形回路を用いて再整形しても良い。

【0022】
図2は、本発明の実施例に係る異なるエネルギー核事件の対象電流信号に積分を行った電圧信号の波形図である。図2において、横軸は、時間(nsを単位)を示し、縦軸は、電圧(ボルトを単位)を示す。図2に示すように、異なるエネルギーの核事件の対象電流信号が積分された後の電圧信号の波形は、その差異が電圧信号波形のピーク値(即ち幅の値)のみにあり,それらのピーク到着時間Tf、上がり時間及び下り時間がすべて同じである。上記の整形信号の上り時間は、主に核事件エネルギー検知器の発光減衰特性によって決めるものであり、下り時間は、整形回路の時間定数によって決めるものである。即ち、核事件エネルギー検知器及び整形回路が決まった場合、整形信号の上り時間、ピーク到着時間及び下り時間はいずれも固定値である。

【0023】
本発明に言う“定比率タイミング”とは、信号の上りエッジにおいてその高さが当該信号の幅に対して固定比率になる点をタイミング瞬間とするタイミング方法である。本発明における“定比率タイミング処理”とは、定比率タイミング回路を用いて入力信号の上りエッジの固定比率点で定比率タイミング信号を生成し出力する。

【0024】
核事件エネルギー検知器がタイミング電流信号を出力しない場合、その出力されたパルス電流信号が二股に分けられ、1つは、定比率タイミング回路に送信され処理されて定比率タイミング信号を得るが、もう1つは、対象電流信号とする。

【0025】
その他、定比率タイミング回路が受けた信号は、対象電流信号が整形された整形信号であっても良い。定比率タイミングの原理は、入力信号幅の固定比率点でタイミング信号を生成することにあるので、対象電流信号が整形された後定比率タイミング処理によって生成されたタイミング信号は、対象電流信号によって変化しない。図2から分かるように、幅の異なる整形信号に対して、その上りエッジでの高さがパルス信号幅に対して固定比率になる点に対応する時刻をタイミング時刻T1とし、T1と整形信号のピーク到着時刻Tfとの時間差は、固定値であるΔT1である。

【0026】
以下、本発明の実施例の記述では、対象電流信号を直接用いて定比率タイミング信号を生成するが、核事件エネルギー検知器が出力するタイミング電流信号をそのまま用いることもできるし、対象電流信号の整形信号を用いて定比率タイミング信号を生成することもできることは、当業者にとって自明なことである。

【0027】
図3は、本発明の実施例に係る定比率タイミング回路の構成の模式図である。図3に示すように、定比率タイミング回路は、アンプと、遅延回路と、減衰回路と、比較器とを含み、核事件エネルギー検知器が出力する対象電流信号は、アンプを介して二股に分けられ、1つが遅延回路31によって遅延され、もう1つが減衰回路32によって減衰される。そして、これらの二股の信号は、比較回路B1によって比較される。比較回路B1が出力する定比率タイミング信号の上りエッジが発生する時刻での前記電流波形に対応する値は、電流波形の最大幅の値と固定比率になる。この比例の大きさは、遅延回路31の遅延量、減衰回路32の減衰係数、及び電流波形の上り時間によって決める。遅延量を変化することによって上記比例を調整して、定比率タイミング信号の上りエッジの発生時刻を調整するという目的を達成できる。

【0028】
以上より、本発明の実施例は、核放射パルス幅ディジタル化方法を提供して、核事件エネルギー検知器が出力する対象パルス信号幅のディジタル化を実現する。図4を参照して、この方法は、少なくとも以下のステップを含む。

【0029】
S1:定比率タイミング回路を用いて上記の核事件エネルギー検知器が出力する対象電流信号に対して定比率タイミング処理を行って、定比率タイミング信号を出力する。前記定比率タイミング信号は、前記対象電流信号の到着時刻Tdを示すためのものである。

【0030】
S2:整形回路を用いて上記の核事件エネルギー検知器が出力する対象電流信号に対して整形処理を行って、対象整形信号を得る。

【0031】
S3:ある時刻Toから、同じ時刻での前記対象整形信号の値とあるダイナミック閾値信号の値とを比較する。時刻Totで、当該ダイナミック閾値信号の値が対象整形信号よりも小さい方から、対象整形信号より小さくなくなるように変わると、当該時刻Totを過閾値時刻とし、前記時刻Toと前記定比率タイミング信号の到着時刻Tdとの差は、所定の時間差ΔTである。

【0032】
S4:前記時刻Tdと時刻Totとの間の時間の長さをディジタル量に変換する。

【0033】
上記ダイナミック閾値信号の生成方法は2つがある。1つは、核事件エネルギー検知器の特性及び用いられた整形回路のパラメータに基づいてダイナミック閾値信号を予め算出して記憶しておき、対象電流信号が来る時のTo時刻でダイナミック閾値生成回路によって生成する;もう1つは、アナログ回路のハードウェアによりリアルタイムで生成する。具体的な生成方法は以下に詳細に説明する。

【0034】
本発明によれば、任意の2つの幅がVot1及びVot2である対象整形信号に関して、上記ダイナミック閾値信号は以下の式1を満たす必要がある。

【0035】
【数5】
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【0036】
ただし、Tot1は、いずれかの整形信号と前記のダイナミック閾値信号とを比較して得られた過閾値時刻(即ち、2つの波形が交差する時刻点)であり、Tot2は、もう1つの整形信号と当該ダイナミック閾値信号を比較して得られた過閾値時刻(即ち、2つの波形が交差する時刻点)である。

【0037】
本発明では、上記TdとTotとの間の時間の長さを過閾値時間と称す。
本発明では、上記方法を実行できる核放射パルス幅ディジタル化システムも提供する。図5は、当該システムの1つの実施例の構成を示し、具体的には、核事件エネルギー検知器1と、整形回路2と、定比率タイミング手段3と、比較器回路4と、時間ディジタル変換(TDC)手段5とが含まれ、核事件エネルギー検知器1の出力端が、整形回路2と定比率タイミング回路3のそれぞれの入力端に接続し、定比率タイミング手段が、上記定比率タイミング回路を含み、時間ディジタル変換TDC手段5がTDC回路を含む。

【0038】
前記整形回路2は、核事件エネルギー検知器1が出力する対象電流信号に対して整形処理を行い、対象整形信号を出力する。

【0039】
上記定比率タイミング回路は、核事件エネルギー検知器1が出力する対象電流信号に対して定比率タイミング処理を行い、定比率タイミング信号を出力し、当該定比率タイミング信号の到着時刻がTdである。

【0040】
上記比較器回路4は、ある時刻Toから、同じ時刻での対象整形信号の値と上記ダイナミック閾値信号の値とを比較し、ある時刻Totで、上記ダイナミック閾値信号の値が対象整形信号の値よりも小さい方から、小さくなくなるように変わるとき、パルス信号を出力する。ただし、前記時刻Toと前記定比率タイミング信号の到着時刻Tdとの差は、所定の時間差であるΔTであり、時刻Totは過閾値時刻である。

【0041】
前記TDC回路は、前記定比率タイミング信号の到着時刻Tdと前記過閾値時刻Totとを記録し、前記時刻TdとTotとの間の時間の長さをディジタル量に変換する。
本発明では、ダイナミック閾値信号が

【0042】
【数6】
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【0043】
を満たすので、対象電流信号が示す核事件の検知にとって、対象整形信号の幅をVotとすれば、同様に

【0044】
【数7】
JP0005698352B2_000008t.gif

【0045】
また、出力時刻TdとToとの時間差が所定の長さであるΔTである(To=Td-ΔT、またはTo=Td+ΔT)ので、

【0046】
【数8】
JP0005698352B2_000009t.gif

【0047】
即ち、1回の核事件検知においては、本発明によれば、対象整形信号の幅Votと(Tot-Td+ΔT)または(Tot-Td-ΔT)とは線形的に比例する。TdとTotがいずれも測定可能であり、ΔTが予め設定された既定値であるので、TdとTotとの間の時間の長さをディジタル化すれば、信号幅のディジタル化を実現できる。

【0048】
本発明の他の実施例では、上記整形回路は、具体的にアクティブ積分回路(例えばアクティブRC積分回路)であっても良い。図6は、アクティブRC積分回路の一種の構成を示す。当該アクティブRC積分回路は、並列に接続される抵抗R及びキャパシタCを含み、当該抵抗R及びキャパシタCの両端は、いずれもオペアンプの1つの入力端Vin及び出力端Voutに接続され、当該オペアンプのもう1つの入力端は接地する。

【0049】
同様に、該アクティブRC積分回路は、核事件エネルギー検知器1の出力する電流信号を積分し、出力される電圧波形は図7に示す。

【0050】
本発明の1つの実施例として、上記アクティブRC積分回路中の抵抗R=5KΩ,キャパシタC=18pf,出力電圧波形のピーク到着時間が60nsであり、ピーク値からベースに回復する時間が300nsより大きい。異なるエネルギー核事件に対して積分を行った電圧波形は、その差異が電圧波形のピーク値、即ち電圧波形の幅のみにあり、それらのピーク到着時間及び降下時間がいずれも同じである。

【0051】
本発明によれば、図8を参照して、上記ステップS3で、同じ時刻での整形信号の値とダイナミック閾値信号の値を比較する前に、ダイナミック閾値信号を生成するステップS5を含む。

【0052】
本発明によれば、上記ダイナミック閾値信号の生成方法は2つがある。1つは、予め記憶された一連のディジタル閾値電圧値に基づいて生成するものであり、もう1つは、ダイナミック閾値生成回路によりリアルタイムで生成する。

【0053】
以下は、この2種類の生成方法をそれぞれ実施例に基づいて説明する。
一.予め記憶された一連のディジタル閾値電圧値に基づいてダイナミック閾値信号を生成する。

【0054】
前記の一連のディジタル閾値電圧値は、核事件エネルギー検知器の特性及び前記整形回路のパラメータに基づいて算出されたものである。

【0055】
当該方法によると、ダイナミック閾値信号がTo時刻の前に生成され、To時刻に1つの入力として上記比較器回路に送信すれば良い。

【0056】
前記式1に基づいて予め任意幅の整形信号に対応する閾値の値を算出できるので、これらの値は、閾値系列(即ち、上記の一連のディジタル閾値電圧値)を構成し記憶することができる。

【0057】
以下、上記の一連のディジタル閾値電圧値を生成するために用いられる2つの方式について説明する。図9aは、本発明の実施例に係るディジタル閾値電圧値の1つの生成方式を示す図であり、図9bは、本発明の実施例に係るディジタル閾値電圧値のもう1つの生成方式を示す図である。

【0058】
方式一:
図9aを参照すると、上記の一連のディジタル閾値電圧値の生成に関するフローは、以下の通りである。

【0059】
1.時間間隔ΔTと、上記の一連のディジタル閾値電圧値の個数N(ただし、Nは1以上の正整数である。)を確定する。
図9aに係る実施例において、Nが5である。

【0060】
2.SNの幅をAとし、S1の幅をA/Nとし、S2からSN-1までの幅をA/Nずつインクリメントするように、N個の整形信号S1~SNを選択する。

【0061】
例えば、図9aにおいて、S1~S5の幅は、それぞれ0.5V、1.0V、1.5V、2.0V及び2.5Vである。前述の通り、核事件エネルギー検知器及び整形回路を確定すれば、整形信号の上り時間、ピーク到着時間及び降下時間が全て固定値である。したがって、信号発生器またはシミュレータによりN個の整形信号を容易に生成でき、当該N個の整形信号と前記対象整形信号は、形状が同じである。

【0062】
3.整形信号のある時刻を時間原点Toとする。
本実施例において、整形信号のピーク到着時刻を時間原点として設定する。

【0063】
4.整形信号SM のTo+MΔT時刻に対応する電圧の値をディジタル閾値電圧値として記憶する。ただし、前記Mは正整数であり、1≦M≦Nを満たす。これによれば、前記の一連のディジタル閾値電圧値を得る。

【0064】
前記の一連のディジタル閾値電圧値の数を例えば5にとし、離散的なダイナミック閾値曲線を構成できる。

【0065】
当業者は、精度及び他の必要に応じて時間間隔ΔT及びNの値を適宜に設定して異なるダイナミック閾値曲線(例えば図9aにおけるD1-D3曲線)を構成できる。To+NΔTが上記TDC回路の測定できる最大時間範囲を超えなければ良い。ここは詳しく説明しない。

【0066】
方式二:
図9bを参照すると、上記の一連のディジタル閾値電圧値を生成するフローが以下の通りである:

【0067】
1.最大時間測定値Tmaxを確定する。前記最大時間測定値Tmaxは、システムの測定可能な最大の信号幅の値に対応する所望の過閾値時間である。
図9bに示す実施例の3つのダイナミック閾値曲線D1-D3に対応する最大時間測定値は、それぞれ156ns、312.5ns及び625nsである。

【0068】
2.対象整形信号のある時刻を時間原点Toとする。
本実施例においては、対象整形信号のピーク到着時刻を時間原点とする。

【0069】
3.時間間隔ΔTを確定する。

【0070】
4.式(Tmax-To)/ΔTに基づいてディジタル閾値電圧値の個数Nを確定できる。ただし、Nは1以上の正整数である。
本実施例において、Nは5である。当然、当業者は、精度及び他の必要に応じて時間間隔ΔT及びNの値を適宜に設定でき、ここは詳しく説明しない。

【0071】
5.SNの幅をAとし、S1の幅をA/Nとし、S2からSN-1の幅をA/Nずつインクリメントするように、N個の整形信号S1~SNを選択する。

【0072】
6.整形信号SM のTs1+MΔT時刻(Ts1+NΔT=Tmax)に対応する電圧値をディジタル閾値電圧値として記憶する。ただし、前記Mは正整数であり、1≦M≦Nを満たす。これによれば、N個のディジタル閾値電圧値を得ることができる。上記N個のディジタル閾値電圧値は離散的なダイナミック閾値曲線を構成できる。

【0073】
測定精度を向上するために、ΔTを小さくすることができる。本発明の実施例において、変換クロックが160MHzであり、クロック周期が6.25nsである12ビットのDACを採用する。上記156ns、312.5ns及び625nsを例にすると、それらは、それぞれ6.25nsの等間隔で25、50及び100個のデータ計算点に分け(便宜上、図9bは5個のデータ計算点のみを示す)、対応的に25、50及び100個の幅が異なる整形信号を選択する。

【0074】
本発明における、過閾値時間と整形回路の出力信号の幅の値が良好な線形的関係にあることを証明するために、任意の波形信号発生器を用いて上記核事件エネルギー検知器が出力する波形と同じような信号波形を発生して、当該波形の幅を制御して異なる測定値を得ることができる。図9cは、図9bに示すD1-D3の3つのダイナミック閾値曲線に基づき測定する過閾値時間と核事件エネルギー検知器の出力信号の幅の値との対応関係を示す。本発明によれば、過閾値時間と整形回路の出力信号の幅の値は、確実に良好な線形的関係にあることを図9cで観察できる。

【0075】
図10を参照して、上記システムは、上記ダイナミック閾値信号を生成するダイナミック閾値生成回路6を含み、当該ダイナミック閾値生成回路6は比較器回路4に接続される。本発明の1つの実施例として、図11は、FPGA(Field Programmable Gate Array)チップによる予め記憶された一連のディジタル閾値電圧値に基づいてダイナミック閾値を生成するダイナミック閾値生成回路6の構成の模式図である。図11に示すように、該ダイナミック閾値生成回路6は、静的なメモリ(RAM)と、ディジタル-アナログ変換回路(DAC)と、ローパスフィルタとを含む。前記静的なメモリは、予め算出した一連のディジタル閾値電圧値を記憶するものであり、リードライト論理モジュールに接続される。当該リードライト論理モジュールは、CFD(定比率タイミング回路)からのタイミング信号を受け、静的なメモリの書込み・呼び出しを制御するためのものである。ディジタルーアナログ変換回路は、静的なメモリに接続され、静的なメモリから読み出した一連のディジタル閾値電圧値を受け、当該一連のディジタル閾値電圧値をアナログ信号に変換して、ローパスフィルタに出力する。ローパスフィルタは、ディジタルーアナログ変換回路に接続され、当該アナログ信号をローパスフィルタリングして、ダイナミック閾値電圧信号を生成する。

【0076】
図11における具体的な実施例において、パーソナル・コンピュータにより算出した一連のディジタル閾値電圧値がFPAGの静的なメモリに記憶され、リードライト論理モジュールは、予め設定した時間間隔(例えば6.25ns)で上記の一連のディジタル閾値電圧値を逐一に読み出して、ディジタルーアナログ変換回路及び低域通過フィルタ回路を介して時間的にも幅にも連続しているダイナミック閾値電圧信号を生成する。閾値電圧信号の正確度を向上するために、分解能の高いDACチップ、高い変換クロックレートを選択することができる。

【0077】
二、ダイナミック閾値生成回路によりダイナミック閾値信号をリアルタイムで生成する。
核事件エネルギー検知器の種類、パラメータ及び対象粒子に応じて、ハードウェア回路により検知器が粒子を検知する信号の取得過程をシミュレートして、当該核事件エネルギー検知器が出力する対象信号と形状が同じである電圧信号または電流信号を生成して、核事件エネルギー検知器の出力信号の整形回路と同じ整形回路による整形を行い、当該信号のピーク到着時刻にて、別の回路により生成した線形ランプ電圧信号に乗算して、アンプ回路によりバッファー・増幅された後、連続的なダイナミック閾値信号になる。以下は、本明細書の実施例を結合しながら当該方法の原理を説明する。

【0078】
本明細書の実施例は、511KeVのγ放射線のエネルギー信号のディジタル化に係るものであり、核事件エネルギー検知器がLYSO結晶によるシンチレーション検知器であり、当該核事件エネルギー検知器の出力電流信号が指数減衰信号であり(図1を参照)、その減衰時間定数がLYSO結晶の発光減衰時間定数と等しく、当該信号がアクティブRC積分回路(図6を参照)を介して出力される波形が式2に示す。

【0079】
【数9】
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【0080】
ただし、τ1はシンチレーション体LYSOの発光減衰時間定数であり、τ2は積分整形回路の時間定数(図6を参照)であり、C1は放射線エネルギー及びτ1、τ2により決められる定数であり、tは時間である。パルス波形のピーク到着時刻は以下の式に示す:

【0081】
【数10】
JP0005698352B2_000011t.gif

【0082】
ピーク到着時刻以後の時間t(即ち、以下の各式におけるtがピーク到着時刻を時間原点とするものである。)で、信号波形は、式3により決められる。

【0083】
【数11】
JP0005698352B2_000012t.gif

【0084】
ピーク到着時刻(即ち本実施例ではToである。)から始まると、ダイナミック閾値函数は、式4に従って変化する。

【0085】
【数12】
JP0005698352B2_000013t.gif

【0086】
ただし、Aは定数であり、過閾値時間の長さ(Tot-To)=tは
JP0005698352B2_000014t.gif
と正比例する:

【0087】
【数13】
JP0005698352B2_000015t.gif

【0088】
異なる定数Aを選択すれば、異なるダイナミック閾値曲線を取得できる。ダイナミック閾値の生成は、如何にしてアナログ回路で(式10)の信号の出力を実現することであり、実際には、線形ランプ電圧信号と括弧内の二重指数信号との乗算である。式3と式4を比較すれば分かるように、当該信号は、検知器の出力信号のピーク到着時刻以後での部分であり、当然、それらの幅には差異があり、両者には1つの係数が異なる。式4における定数項目Aは、ダイナミック閾値生成回路の最終段階のアンプ回路のゲインにより確定できるものであり、異なるゲインを選択すると、上り傾斜度が異なるダイナミック閾値曲線を取得することができる。

【0089】
図9dは、本発明の実施例におけるダイナミック閾値生成回路を用いてダイナミック閾値を生成する回路原理の模式図である。図9dに示すように、ダイナミック閾値生成回路は2つの部分を含み、第1部分の回路は、対象整形信号と形状が同じである整形信号を生成するための回路部であり、第2部分の回路は、線形ランプ電圧信号を生成するための回路部である。

【0090】
当該ダイナミック閾値生成回路は、アナログ乗算器とアンプ回路とを更に含み、アナログ乗算器は、前記整形信号と当該線形ランプ電圧信号との乗算に用いられ、当該アンプ回路は、乗算して得られた信号を増幅して、必要となるダイナミック閾値信号を得る。前述のように、整形信号は、そのピーク到着時刻から当該線形ランプ電圧信号と乗算し、且つ、前記整形信号のピーク到着時刻で、当該線形ランプ電圧信号は零になる。

【0091】
この原理図の第1部分は、順次接続される微分回路と、電圧電流変換回路と、積分回路とを含み、第二部分は、順次接続される電圧電流変換回路と積分回路とを含む。第一部分と第二部分はともに方形波電圧信号の入力を受ける。この方形波電圧信号は、例えばFPGAからのものである。

【0092】
図9eは、図9dに示す実施例の回路原理図に応じて設計する具体回路であり、その上半部分は、図9dの第一部分に対応し、FPGAから出力する方形波電圧信号は、微分回路を介して核事件エネルギー検知器(本実施例ではLYSOシンチレーション結晶)が出力する電流信号と形状が同じである電圧信号を生成する。これは、微分回路の微分時間定数とLYSOの発光減衰時間とを等しいにするように制御することによって実現できるが、両者の形状が同じであるが、幅が異なる可能性がある。そして、電圧-電流変換回路により検知器が出力する電流信号と形状が同じである電流信号に変換し、そして対象整形信号を生成する整形回路と完全に同じである整形回路を介して、対象整形信号と形状が同じである整形信号を生成する。この実施例において、この整形回路は、前述の積分回路である。

【0093】
図9eの下半部分は図9dの第二部分に対応し、FPGAから出力する方形波電圧信号は電圧電流変換回路を介して電流信号に変換し、この電流信号は第二部分の積分回路を介して前記線形ランプ電圧信号を生成する。

【0094】
このような2つの信号はアナログ乗算器回路によって乗算され、アンプ回路により所望のダイナミック閾値信号を出力する。

【0095】
図9eにおいては、線形ランプ電圧信号を生成する前に、2つの信号の乗算開始時刻を調整するためのアナログ信号遅延回路が設けられる。

【0096】
同様に、任意の波形信号発生器を用いて上記核事件エネルギー検知器の出力波形と同じ信号波形を生成し、当該波形の幅を制御して異なる測定値を得る。図9fは、図9eに基づいて最終段階のアンプ回路のゲインを制御して生成される2つのダイナミック閾値曲線により測定した過閾値時間と核事件エネルギー検知器の出力信号の幅の値との対応関係を示している。図面から観察できるように、本発明におけるダイナミック閾値生成回路でリアルタイムに生成する技術方案によれば、過閾値時間と対象の整形回路の出力信号の幅の値とは確実に良好な線形関係を示す。

【0097】
本発明の一実施例において、図12を参照し、予識別回路を用いて定比率タイミング回路に合わせて有効事件の定比率タイミング出力を協同で実現することができる。予識別回路は、簡単な立ち上がりタイミング回路であり、入力信号と一定の立ち上がりタイミング閾値(例えば直流電流)とを比較し、当入力信号がこの立ち上がりタイミング閾値を越えるときにのみ、予識別信号を出力する。予識別回路を導入する目的は、ノイズによる定比率タイミング信号の出力を回避することにある。予識別回路の立ち上がりタイミング閾値は、単一のディジタルーアナログ変換(DAC)チップの出力に基づいて定められる。予識別信号の出力が定比率タイミング信号の出力よりも先にあることに注意すべく。図12において、定比率タイミング回路の出力は、予識別回路に出力があるときにのみアンドゲートを介して出力される。

【0098】
本発明の一実施例において、定比率タイミング回路の出力端と予識別回路の出力端はともにFPGAチップの入力端に接続される(図13を参照)。FPGAの内部で必要な論理選択を実現し(この論理選択は上記アンドゲートの機能と類似する)、予識別信号を受けたときにのみ、定比率タイミング回路の出力は核事件信号の発生を意味し、定比率タイミング信号の到着時刻を記録する。このとき、上記TDC手段5は更に指示手段を含んでも良い。指示手段は、上記予識別信号を受けたとき、上記TDC回路の動作を指示する。

【0099】
従来技術では、時間測定技術の基本原理は、カウンターで開始時刻から終了時刻までのクロックの数を計算する(本発明では、開始時刻が定比率タイミング信号の到着時刻Tdであり、終了時刻が過閾値時刻Totである)。クロック周波数を向上することは、測定精度を向上する方法のひとつである。更に測定精度を向上するために、FPGAを用いてTDC回路の機能を実現するとき、四位相クロックを用いて時間測定の誤差を1つのクロック周期の四分の一に減少することができる。図14における定比率タイミング信号の到着時に(図14では、タイミング信号を用いて定比率タイミング信号及び下記の比較器回路が出力するパルス信号を代表する)、9-ビットのカウンターの計数値が四位相の状態とともにラッチされ記録される(即ち上記到着時刻を記録する)。開始時刻の計数値及び位相を示し、比較器回路の出力するパルス信号の到着時に、当時のカウンター値及び四位相クロックの状態を同様に記録し(即上記過閾値時刻Totを記録する)、2つの時刻の計数値及び四位相クロックの状態に基づいて、コンピュータは、過閾値時間からΔTを引くことにより、幅のディジタル化を実現することができる。上記160MHzのクロック周期を例にして、四位相クロックにより得られる時間測定精度は160MHzクロック周期の四分の一である1.5625nsである。

【0100】
本発明の具体的な実施手順では、最終的な測定精度に影響する主な要素は、定比率タイミング精度、TDC測定精度、ダイナミック閾値生成回路の精度などがあり、TDC測定範囲と対象信号の幅の範囲との対応関係にも依頼する。核事件エネルギー検知器の特性とこれらの要素とを総合的に考慮することで、高精度の核放射パルス幅のディジタル化測定を実現できる。
以上により、本発明は、核事件エネルギー検知器のフロントエンド読み出し回路を顕著に増加しない上に、時間ディジタル変換技術を利用して、核放射パルス信号の電圧の幅の値を過閾値時間量に変換して、エネルギー信号のディジタル化を実現する。

【0101】
本発明のある実施例において、FPGAチップ技術や半導体集積回路技術を採用している。上記技術による一番有利な点は、多数のチャネルでの並列読み出しを実現でき、マルチチャネルの核事件のエネルギー信号測定の高集積度を実現できる。したがって、特に核映像化検知器に適用でき(核映像化検知器は、数十乃至数百または数万のチャネルで検知される核事件エネルギー信息を同時に読み出すことを要求する。)、核映像化検知器の実験室の研究及び実際運用の需要に満足できる。

【0102】
本明細書の各実施例は漸進的に記述されている。各実施例は、他の実施例との相違点に重点を置いて説明しており、各実施例の間の同じまたは類似する部分が互いに参照すれば良い。実施例に記載される装置に関しては、実施例に記載される方法に対応しているので、簡単に記述しており、関連的なところは、方法に関する説明を参照すれば良い。

【0103】
以上に開示された実施例の記述によって、当業者は本発明を実現または使用できる。上記記載は実施例についてなされたが、本発明はそれに限らず、当業者にとっては、本発明の要旨や範囲を逸脱しない限り、様々な変更や補正を行うことができる。本書に定義された一般的な原理は、本発明の要旨や範囲を逸脱しない限り、ほかの実施例に実現しても良い。従って、本発明は、明細書に記載の実施例に限定されるものではなく、本文に開示された原理や清新な特徴に合う一番広い範囲を含むべきである。
図面
【図1】
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【図2】
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【図7】
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【図3】
3
【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9a】
8
【図9b】
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【図9c】
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【図9d】
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【図9e】
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【図9f】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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