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明細書 :ネジ山駆動多面体超音波モータ

発行国 日本国特許庁(JP)
公表番号 特表2009-516491 (P2009-516491A)
公報種別 特許公報(B2)
公表日 平成21年4月16日(2009.4.16)
特許番号 特許第4873269号 (P4873269)
登録日 平成23年12月2日(2011.12.2)
発行日 平成24年2月8日(2012.2.8)
発明の名称または考案の名称 ネジ山駆動多面体超音波モータ
国際特許分類 H02N   2/00        (2006.01)
FI H02N 2/00 C
請求項の数または発明の数 10
全頁数 13
出願番号 特願2008-540432 (P2008-540432)
出願日 平成18年11月16日(2006.11.16)
国際出願番号 PCT/CN2006/003088
国際公開番号 WO2007/056952
国際公開日 平成19年5月24日(2007.5.24)
優先権出願番号 200510114849.2
優先日 平成17年11月18日(2005.11.18)
優先権主張国 中華人民共和国(CN)
審査請求日 平成20年5月26日(2008.5.26)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】508147717
【氏名又は名称】清華大学
発明者または考案者 【氏名】周 鐵英
【氏名】鹿 存躍
【氏名】陳 宇
【氏名】傅 徳永
【氏名】胡 笑平
【氏名】李 毅
【氏名】田 斌
【氏名】王 正平
個別代理人の代理人 【識別番号】100122574、【弁理士】、【氏名又は名称】吉永 貴大
審査官 【審査官】安池 一貴
参考文献・文献 特開昭62-285679(JP,A)
特開昭62-225182(JP,A)
特開昭64-085584(JP,A)
国際公開第2005/027190(WO,A1)
米国特許出願公開第2004/0129099(US,A1)
特開平06-113570(JP,A)
特開2005-185072(JP,A)
特開平03-198672(JP,A)
調査した分野 H02N 2/00
特許請求の範囲 【請求項1】
ステータと、
ローターと、
ステータまたはローターに一体に結合される圧電素子とを有し、
外形が多面体であるネジ山駆動多面体超音波モータにおいて、
ステータ又はローターに多面体に沿う面内屈曲進行波又は定在波が励起され、
前記ステータとローターとの接触する面同士には相互に噛合うネジ山が設けられている
ことを特徴とするネジ山駆動多面体超音波モータ。
【請求項2】
前記ローターは、前記圧電素子を多面体に接着することにより構成され、当該ローターの内面に内ネジ山が形成され、前記ローターには多面体管に沿う面内屈曲進行波が励起され、
上記ローターに対応し、外面に前記ローターの内ネジ山と噛合う外ネジ山が形成されているステータが、前記内ネジ山が形成されるローター内に嵌められる
ことを特徴とする請求項1記載のネジ山駆動多面体超音波モータ。
【請求項3】
前記ステータは、外面の一部に外側に面するボスを有する管体であり、上記外側に面するボスの外面に外ネジ山が形成され、そのステータの残った部分の外面が多面体であり、
前記圧電素子が上記ステータの多面体に接着されて超音波モータのステータを構成し、そのステータに多面体に沿う面内屈曲進行波が励起され、
前記ローターは、内ネジ山を有し、前記ステータボスの外側に嵌められ、ステータのボスの外ネジ山と噛合う管体であり、
ステータ内に、底端がステータの底端に固定支持されるインナー管が挿入されている
ことを特徴とする請求項1記載のネジ山駆動多面体超音波モータ。
【請求項4】
前記ステータは、内面の一部に内側に面するボスを有する管体であり、上記内側に面するボスの内面に内ネジ山が形成され、上記ステータは、上記圧電素子を多面体に接着することにより構成され、前記ローターは、外ネジ山を有し、前記ステータ内に嵌められ、ステータのボスの内ネジ山と噛合う管体である
ことを特徴とする請求項1記載のネジ山駆動多面体超音波モータ。
【請求項5】
前記ステータは、上記圧電素子を多面体に接着することにより構成され、上記ステータの内面に内ネジ山が形成され、上記ステータに多面体管に沿う面内屈曲進行波が励起され、
上記ステータに対応するローターは、前記内ネジ山を有するステータ内に嵌められ、上記ローターの外面に上記ステータと噛合う外ネジ山が形成されている
ことを特徴とする請求項1記載のネジ山駆動多面体超音波モータ。
【請求項6】
前記圧電素子の数は、面内屈曲進行波又は定在波を形成できる1、2、3、4又はそれ以上であり、特に6、8、又は12であり、
その圧電素子は、シート状、弧状シート、柱状であり、或いは全体リング状又は錐形圧電セラミックスを分割してなる
ことを特徴とする請求項1、2、3、4、又は5記載のネジ山駆動多面体超音波モータ。
【請求項7】
前記ステータは、シングルステータ、ダブルステータ又はマルチステータ構成であり、
ステータとローターとのネジ山同士を互いに密着させるように、スプリング又はU型弾性シート或いは磁気素子によりプリテンションを提供し、
前記ネジ山は、断面形状が三角形、台形、矩形、凸面又はその組合せである連続的、間欠的又は特定の軌跡に沿う曲線状のネジ山であり、
前記ネジ山の表面に耐摩耗性処理を実行されており、或いは耐磨耗性材料が塗布されている
ことを特徴とする請求項1、2、3、4、又は5記載のネジ山駆動多面体超音波モータ。
【請求項8】
前記シングルステータ、或いはダブルステータまたはマルチステータの一つは、一端が薄肉の振動バリア区域によりベースに固定されている、又は、一端が直接にベースに固定されている
ことを特徴とする請求項6記載のネジ山駆動多面体超音波モータ。
【請求項9】
前記ローターは、ダブル又はマルチローター構成であり、ステータとローターとのネジ山同士を互いに密着させるように、スプリング又はU型弾性シート或いは磁性素子によりプリテンションを提供し、
前記ローターは、中実又は中空のものである
ことを特徴とする請求項1、2、3、4、又は5記載のネジ山駆動多面体超音波モータ。
【請求項10】
前記ローターは、ダブル又はマルチローター構成であり、前記ステータは、ダブル又はマルチステータ構成であり、
ダブルステータ又はダブルローターを小さな角度でずらして同軸に接着することにより、プリテンションを提供して、ステータとローターとのネジ山対偶をプリテンションする
ことを特徴とする請求項1、2、3、4、又は5記載のネジ山駆動多面体超音波モータ。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
この発明は、超音波応用領域に関し、特に、多面体管型超音波モータのネジ山駆動システムの構成設計に関する。
【背景技術】
【0002】
圧電超音波モータは、圧電材料の逆圧電効果を利用して、特定の構成により製造される駆動機構であり、普通、圧電セラミクスと、ステータと、ローターと、予圧機構と、伝達機構などの機能部材からなる。そのような圧電超音波モータは、圧電材料の逆圧電効果によりステータの表面に超音波振動を生じさせるとともに、ステータとローターとの間の摩擦力によりローターを運動させるように駆動する。超音波モータは、普通の電磁モータより優れた下記利点を有する。
【0003】
1.回転数が低く、トルクが大きくて、減速機構を必要とせずに負荷を直接駆動できる。
2.体積が小さく、構成がフレキシブルであって、パワー/体積比が電磁モータの3~10倍である。
3.起動や停止に対する応答が速くて、応答時間が1ms未満である。
4.電磁妨害を生じることがなく、電磁に妨害されることもない。
5.自己保持トルクを有し、歯車隙間がなく、精密な位置決めが実現できる。
6.運転が静かで、騒音がない。
【0004】
従来の圧電超音波モータとしては、図1と図2に示された。
【0005】
図1は、多面体管型超音波モータの構成図である。図1の(1)に示された主要部材の構成として、ステータ13とその外面に接着されている電歪素子(圧電セラミックスシート)11、12とからなる振動体を有する。それらは、圧電管を複数の電極に分割することにより構成され、或いは、複数の圧電シートを圧電管(当該多面体管が金属材料からなり、または、圧電シートと接触する表面が金属導電層である)の外面に接着することにより成型される。その振動体の内面は、滑らかなリング面である。ローターとして、切り込み14を有する円環体15とした円管を利用する。それは、振動体の内面に取り付けられ、進行波超音波モータの駆動原理を利用して圧電セラミックスシートに相応的な駆動電圧を印加する場合、振動体の内面に生じる進行波が円環体に対して回転することができる。円環体15に切り込みを設けるのは、ステータとローターとの接触表面に予圧を増加させるためである。
【0006】
そのようなモータはレンズフォーカスシステムに応用されることが望ましく、その場合のネジ山伝達システムの構成が図1の(2)に示されている。その図から分かるように、鏡筒15(上記のローター構成に相当する)は、その先端部にネジ山が刻設されている。その鏡筒15は、装置内に移動しない。13は、多面体管型リングであり、その外面に圧電セラミックスシート11、12が接着されている(上記の振動体構成に相当する)。その多面体管13の先端に接着される前ホルダー16が、圧電セラミックスシート11,12と一体に形成されている。前ホルダー16の先端部には、鏡筒15の先端に形成されるネジ山と噛み合うネジ山が刻設されている。固定リングにより、フォーカスレンズ組を前ホルダ16に固定するとともに、その前ホルダーの末端に、鏡筒15の左端のネジ山と噛み合うネジ山が形成されている。振動体は、前ホルダーの端部に接着され、その振動体の内面と鏡筒15の外面とが接触する。圧電セラミックスが電気信号により励起される時、圧電シート11,12及び多面体13が鏡筒15に対し回転駆動され、前ホルダー16も従動に回転する。このように、鏡筒の外面に対し環面駆動を形成する。鏡筒の左端にネジ山が刻設されているから、前ホルダーのネジ山が鏡筒先端のネジ山に対して移動した結果、前ホルダーが軸方向に沿って運動するようになる。従って、直線運動に転換され、フォーカスの目的を達成できる。それは、ネジ山伝達システムと称される。該システムにおいて、圧電励起信号を接触スイッチにより導入する必要がある。
【0007】
図2の(1)は、多面体管型錐形シャフトにより出力する超音波モータの構造をに示す模式図であり、ステータ21の内面に錐形歯22が形成され、その外面に圧電セラミックス23が接着されて、振動体となる。そのステータ21の内側には、錐形歯22と接触する錐形シャフトがローター24として配置されている。図2の()は、その構造をロボット関節に用いる場合の組立図である。その図に示されるように、振動体の外面にモータケーシング27が嵌められ、その両端には、締め付けネジ28によりモータケーシング27と一体に固定される先端カバー25及び後端カバー26がゴムワシャー29を介して付けられている。この構造により、振動体の回転運動を直接にローターに伝達する。
【0008】
しかし、上記の構造では、実際に実施する場合に、回転運動を直線運動に変換するには、他の伝達機構(ネジ山伝達またはネジ伝達)が必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、従来の技術に存在している欠点を解消し、構成が簡単で、ステータとローターとが直接にネジ山接触により相対運動を生じるとともに、回転運動を直線運動に変換できるようにする多面体管型超音波モータネジ山駆動システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のネジ山駆動多面体超音波モータは、ステータと、ローターと、ステータまたはローターに一体に接着される複数の圧電セラミックスシートとからなるネジ山駆動多面体超音波モータにおいて、前記ステータのローターと接触する表面にネジ山が設けられ、前記ローターにもステータと噛合うネジ山が形成されていることを特徴とする。
【0011】
前記ステータは両端で挟まれてもよく、一端で挟まれてもいい。ステータ及び対応するローターとの外ネジ山又は内ネジ山は、管体の全体に形成されてもよく、一部に形成されてもいい(上部、中部または下部のいずれに形成されてもいい)。
【0012】
前記圧電セラミックスシートをステータまたはローターに接着して振動体を構成することができる。また、ステータまたはローターの圧電セラミックスを接着する表面が多面体である。
【0013】
前記ステータをローターの外側に嵌めてもよく、ローター内側に嵌めてもいい。
【0014】
前記圧電セラミックスシートの数が3または4の倍数であり、または、面内屈曲進行波または定在波を形成できる配列数である1,2,3またはその倍数である。励起方式もそれに対応するものである。
【0015】
本発明は、構成が簡単で、ステータとローターとがネジ山により直接に接触し、ステータがネジ山によりローターを回転駆動するから、他の伝達機構を必要とせず、微型化により良く適して、微型機械や、光学フォーカスなどの分野において広く応用される見込みがある。
【発明の効果】
【0016】
本システムによれば、他の伝達機構を省略し、応用構成をより簡単でコンパクトにすることができるから、微型化により良く適して、微型機械や、光学フォーカスなどの分野において広く応用される見込みがある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
実施例1:ネジ山駆動十二面体管型超音波モータ
該ネジ山駆動十二面体管型超音波モータは、図3に示されるように、それぞれ十二面体管32の外面に接着されて振動体を構成する合計12枚の圧電セラミックスシート32を備え、圧電シート311,312,313,314,315,316,317,318,319,3110,3111,3112が順次に配列されている。十二面体管32の内面にネジ山が形成されおり、その内側に円管33が嵌められ、円管の外面に、十二面体管32と噛合う外ネジ山が設けられている。円管33は、一端が固定支持されてステータとされ、振動体はローターとされる。圧電シート311,312,315,316,319,3110が正方向に分極され、且つ圧電シート313,314,317,318,3111,3112が逆方向に分極される場合には、圧電シート311,313,315,317,319,3111をsinωtの信号により励起し、圧電シート312,314,316,318,3110,3112をcosωtの信号により励起する時、ローター32には屈曲進行波が生じ、ローターをステータ33に対して運動させることができる。一方、全ての圧電シートを正方向に分極すれば、sinωt、cosωt、-sinωt、-cosωtの信号を順次に印加する必要がある。
【0018】
実施例2:ネジ山駆動四面体管型超音波モータ
該ネジ山駆動四面体管型超音波モータは、図4に示されるように、上部にボスを有するインナー管型ステータ41を備え、ボス部分の外面に外ネジ山が形成され、ステータの下部の外面が四面体であり、圧電シート42(合計4枚:421,422,423,424)がそれぞれ四面体に接着されて振動体を構成する。内ネジ山を有するアウター管式ローター43がステータ41の外側に嵌められ、ステータの外ネジ山と嵌め合う。ステータに挿入される固定のパイプ材44は、底端がステータの底端に固定支持される。
【0019】
ステータに接着される圧電シートが何れも正方向に分極される場合には、圧電シート421,422,423,424にそれぞれsinωt、cosωt、-sinωt、-cosωtの信号を印加して励起する場合、ステータ41に屈曲進行波を生じさせることができ、ローター43を回転させるとともに軸方向に運動させるように駆動する。パイプ材44内にレンズ組またはその他のデバイスを装着することができる。
【0020】
圧電シート421,422が正方向に分極され、圧電シート423,424が逆方向に分極されるとき、圧電シート421,423にsinωtの信号を印加するとともに、圧電シート422,424にcosωtの信号を与えることにより駆動することができる。
【0021】
実施例3:ネジ山駆動八面体管型超音波モータ
該ネジ山駆動八面体管型超音波モータは、図5に示されるように、アウター管型ステータ51を備える。ステータの内面にボスが設けられ、ボスの内面に内ネジ山が設けられ、ステータの底端が固定支持されており、ステータの外面は八面体であり、該八面体に圧電シート52(合計八枚:521,522,523,524,525,526,527,528)がそれぞれ接着されて振動体を構成する。また、外ネジ山を有するインナー管型ローター53がステータ51の内側に嵌められ、ステータの内ネジ山と噛合う。
【0022】
ステータに接着される圧電シートがいずれも正方向に分極される場合に、圧電シート521,522,523,524,525,526,527,528にそれぞれsinωt、cosωt、-sinωt、-cosωt、sinωt、cosωt、-sinωt、-cosωtの信号を印加して励起するとき、ステータ51の上端部に屈曲進行波が生じ、ローター53を回転させるとともに軸方向に運動させるように駆動する。
【0023】
一方、ステータに接着される圧電シートのうち、圧電シート521,522,525,526が正方向に分極され、圧電シート523,524,527,528が逆方向に分極される場合には、圧電シート521,523,525,527にsinωtの信号を印加するとともに、圧電シート522,524,526,528にcosωtの信号を印加することにより、ローター53を回転させるとともに軸方向に運動させるように駆動することができる。また、面内屈曲進行波または定在波を生じさせることができる他の配列の圧電シート枚数である1,2,3またはその倍数、及び対応する励起方式を採用してもいい。
【0024】
実施例4:プリテンション(引っ張り)スプリング付きの超音波モータネジ山駆動システム
本実施例のプリテンション(引っ張り)スプリング付きの多面体超音波モータネジ山駆動システムは、超音波モータと、その超音波モータ内に嵌め込まれる被駆動素子及びプリテンション(引っ張り)スプリングとを備える。図6に示されるように、超音波モータは、ローター61と、12枚の圧電素子62(圧電素子62が、シート状、弧状シート、柱状または各種の多面体、一体リング状または錐形圧電素子である)が接着されるステータ63とを備える。ステータとローターとには、互いに噛合うネジ山が形成されている。当該ネジ山は、三角形、台形、矩形、凸面などの形状や上記形状の組合せの断面を有し、また、連続ネジ山であってもよく、間欠ネジ山または特定な軌跡に沿う曲線状のネジ山であってもいい。さらに、ネジ山の表面に耐磨耗処理を実行したり、耐磨耗性の材料を塗布したりしてもいい。被駆動素子を選択的にステータ63のチャンバー69または/及びステータ61のチャンバー67に設けることができる。ステータの一端には、一端がベース64に固定されてベースのステータ振動への影響を軽減するための薄肉バリア区域65が設けられている。普通のネジ山接触対の間には、ネジ山隙間があり、且つ往復運動するときにリターン隙間が生じることもあるから、運動精度に影響を及ぼす。そのため、ネジ山対偶に対しプリテンション(引っ張り)を印加する必要がある。図6では、圧縮スプリング68により、ローター67とベース64との間に軸方向のプリテンション(引っ張り)を加える。そのプリテンション(引っ張り)により、ネジ山の歯が常に一方向に接触するから、リターン隙間をなくすことができる。また、プリテンション(引っ張り)の存在により、摩擦駆動力の大きさを調整するための機構を提供することもできる。ローターが回転するときに摩擦力を減少させるために、ベースまたはステータにボール付きのベアリング66を設けることができる。スプリングの形態としては、弾性シートであってもいい。また、ベアリングの形態としては、ボールを収納している溝またはスライドシートであってもいい。
【0025】
また、その代わりに、素子66及び68として二つの磁性リングを使用することもでき、または、一方が磁性リングであり、他方が鉄磁性リングであってもいい。これにより、磁性吸引力を生じさせ、プリテンション(引っ張り)を提供する。
【0026】
圧電素子62に交流電圧を印加すると、ステータ63は、摩擦により直接ローター61を回転駆動するとともに、ネジ山伝達によってローター61の回転運動を相応的な軸方向に沿う直線運動に変換する。そして、被駆動素子は、ローターに取り付けられる場合に軸方向の直線運動が得られる。光学レンズ体(組)を従動させると、光学フォーカスの機能を発揮できる。
【0027】
実施例5:ローターキャップ及びプリテンション(引っ張り)スプリング付きの超音波モータネジ山駆動システム
図7に示されるように、本実施例と実施例4との間に、以下のような主要な区別がある。即ち、この実施例には、プリテンション(引っ張り)スプリング712がステータ73の外部に設けられ、スプリング712の二つの支持端のうち、一方がローターキャップ711にあり、他方がベアリング74にある。ローター711が回転するときにリターン隙間及び摩擦力を低減するために、ベアリング74は、ベース79に設けてもよく、ステータ73に設けてもいい。また、スプリングの形態としては、弾性シートであってもいい。ベアリングの形態としては、ボールを収納している溝またはスライドシートであってもいい。77は、耐摩耗性コーティングである。
【0028】
また、その代わりに、ステータ73とローター71との間の断面において二つの磁性リングを使用することもでき、または、一方が磁性リングであり、他方が鉄磁性リングであってもいい。これにより、磁性吸引力を生じさせ、プリテンション(引っ張り)を提供する。
【0029】
実施例6:プリテンション(引っ張り)スプリング付きのダブルステータ型超音波モータネジ山駆動システム
図8に示されるように、この実施例では、プリテンション(引っ張り)スプリング83付きのダブルステータ構成を採用した。ステータ82と86は、同時にローター810を運動させるように駆動する。ステータ86は、一端がバリア区域88によりベース89に固定される。ステータとローターとのネジ山を互いに密着させるように、二つのステータの間にスプリング83によりプリテンション(引っ張り)を提供する。ステータ82、86に接着されるストッパー81と87は、スプリングの両端を止める。ストッパーの材料として、金属であってもよく非金属であってもいい。二つのステータは、係止溝813により位置付けられて、ステータ82を回動させないようにする。圧電素子84、85に交流電圧を印加すると、ステータ82と86が、同時にローター810を運動させるように駆動する。ローター810に被駆動素子が装着すれば、軸方向に沿う直線運動が得られる。光学レンズ体(組)を従動させると、光フォーカスの機能を実現できる。その光学レンズ組をローターチャンバー811及び/又はステータチャンバー812に装着して、光学レンズ組を従動させることにより光フォーカスの機能を発揮するようにしてもいい。
【0030】
他の構成や使用方法は、実施例4と5と同じ又は類似であるから、その説明を省略する。
【0031】
実施例7:プリテンション(引っ張り)U型弾性シート付きのダブルステータ多面体超音波モータネジ山駆動システム
図9に示されるように、この実施例と実施例6との間に、以下のような主要な区別がある。即ち、本実施例には、U型弾性シート94は、ステータ91を回転させないように、二つのステータ91と96とを接続するが、ステータ91と96とローター93とのネジ山同士を密着させるように、ステータ91と96との間に支持され、プリテンション(引っ張り)を提供する。
【0032】
その他の構成や使用方法は、実施例5又は4と同じ又は類似であるから、その説明を省略する。
【0033】
実施例8:プリテンション(引っ張り)スプリング付きのダブルローター型超音波モータネジ山駆動システム
図10に示されるように、本実施例では、プリテンション(引っ張り)スプリング104付きのダブルローター構成を採用した。この実施例に二つのローター103と105を採用したが、ステータ101とローター103と105とのネジ山を互いに密着させるように、ローター103と105の両者の間に、スプリング104によりプリテンション(引っ張り)を提供する。二つのローター103と105は、相対的に回転しないように係止溝109により位置付けられている。ステータ101は、同時にローター103と105を運動させるように駆動し、一端が直接にベース107に固定されている。また、実施例5のようにバリア区域によりステータ101をベースに固定してもいい。ローター103と105に被駆動素子が装着すれば、その被駆動素子が軸方向に沿う直線運動を行う。光学レンズ体(組)をローターチャンバー1010及び/又はステータチャンバー108に装着して、圧電素子102に交流電圧を印加すると、ローター103と105が同時に運動し、光学レンズ組が従動して、光フォーカスの機能を実現できる。
【0034】
また、その代わりに、二つのローターの間に、二つの磁性リングを使用することもでき、または、一方が磁性リングであり、もう一方が鉄磁性リングであってもいい。これにより、磁性吸引力を生じさせ、プリテンション(引っ張り)力を提供する。
【0035】
実施例9:プリテンション(引っ張り)U型弾性シート付きのダブルローター型超音波モータネジ山駆動システム
図11に示されるように、この実施例と実施例8との間に、以下のような主要な区別がある。即ち、この実施例には、相対に運動させないように二つのローター113と115とをU型弾性シート114により接続するが、ステータ111とローター113と115とのネジ山同士を密着させるように、ローター113と115との間にプリテンション(引っ張り)力を提供する。
【0036】
また、その代わりに、二つのローターの間に、二つの磁性リングを使用することもでき、または、一方が磁性リングであり、他方が鉄磁性リングであってもいい。これにより、磁性吸引力を生じさせ、プリテンション(引っ張り)力を提供する。
【0037】
その他の構成や使用方法は、実施例8と同じ又は類似であるから、ここでその説明を省略する。
【0038】
実施例10:磁性リング付きのダブルローター型超音波ネジ山駆動システム
図12に示されるように、この実施例と実施例8との間に、以下のような主要な区別がある。即ち、この実施例には、ステータとローター123と125とのネジ山同士を密着させるように、二つの磁性リング1212によりローター123と125との間にプリテンション(引っ張り)を提供する。また、二つのローター123と125とを相対に運動させないように係止溝129により接続する。その二つの磁性リングの一方が磁性リング、他方が鉄磁性リングであてっもいい。さらに、磁性リング1212をローター123又は125とベース(又は、ステータ121)との間に、又はダブル(マルチ)ステータの間に介在させてもいい。
【0039】
その他の構成や使用方法は、実施例8と同じ又は類似するから、ここでその説明を省略する。
【0040】
実施例11:シングル圧電シート励起定在波型超音波モータネジ山駆動システム
図13に示されるように、ローター133が中実のものであり、一つだけの圧電シート1321により(2、3又はその倍数の数の圧電シートを利用してもいい)ステータ131に接着される。面内定在波を生じさせるように、単相信号電圧でステータ131を励起して、その定在波が、ステータ131とローター133とのネジ山同士の接触によりローター133を回転運動と直線運動させるように摩擦駆動する。ローター133又はステータ131は、シングル、ダブル、マルチローター又はステータであってもよく、実施例4-12のようにプリテンション力を加える。当該ローター133によりミクロ位置決めシステム又はミクロポンプを駆動することができる。
【0041】
上記の実施例によれば、シングルステータ131/ローター133、又はダブルステータ或いはダブルローター構成を採用して、且つ、ステータ131とローター133とのネジ山同士を互いに密着させるように、スプリング、U型弾性シート及び磁性素子によりプリテンション(引っ張り)を提供することにより、リターン隙間をなくし、駆動力を増大させることができる。また、ステータ131とローター133との間に相対的な軸方向運動が生じるから、被駆動素子は、ローター133に装着される場合に軸方向に沿う直線運動を行う。さらに、光レンズ体(組)を従動させると、光フォーカスの機能を実現できる。光レンズ体(組)と結像素子との距離が変化して、簡単な又は複合の光学フォーカス、ズーミング機能を実現できる。
【0042】
プリテンション(引っ張り)を提供する方法として、ダブルステータ(又はダブルローター)を小さな角度でずらして同軸に接着することにより、ネジ山対偶をプリテンションする目的を実現させる。
【0043】
このようなプリテンション力を与える方法は、一体化構成のマルチステータ、マルチローター型の超音波ネジ山駆動光学フォーカス/ズーミングシステムにも適用する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1は、従来の多面体管型超音波モータの構成の模式図であり、そのうち、図1の(1)が主要部材の構成を示し、図1の(2)がその構成を用いたネジ山駆動システムの概略図である。
【図2】図2は、従来の多面体管型錐形シャフトにより出力する超音波モータの構成の模式図であり、そのうち、図2の(1)は主要部材の構成を示し、図2の()がその構成をロボット関節に用いる場合の組立図である。
【図3】図3は、本発明の実施例1である多面体管型超音波モータネジ山駆動システムの構成の模式図である。
【図4】図4は、本発明の実施例2である四面体管型インナーステータネジ山駆動システムの構成の模式図である。
【図5】図5は、本発明の実施例3である八面体管型アウターステータネジ山駆動システムの構成の模式図である。
【図6】図6は、本発明の実施例4であるプリテンショーン(引っ張り)スプリング付きの超音波モータネジ山駆動システムの断面構成の模式図である。
【図7】図7は、本発明の実施例5であるローターキャップとプリテンショーン(引っ張り力)スプリング付きの超音波モータネジ山駆動システムの断面構成の模式図である。
【図8】図8は、本発明の実施例6であるプリテンショーン(引っ張り)スプリング付きのダブルステータ型超音波モータネジ山駆動システムの断面構成の模式図である。
【図9】図9は、本発明の実施例7であるプリテンショーン(引っ張り)U型弾性シート付きのダブルステータ型超音波モータネジ山駆動システムの断面構成の模式図である。
【図10】図10は、本発明の実施例8であるプリテンショーン(引っ張り)スプリング付きのダブルローター型超音波モータネジ山駆動システムの断面構成の模式図である。
【図11】図11は、本発明の実施例9であるプリテンショーン(引っ張り)U型弾性シート付きのダブルローター型超音波モータネジ山駆動システムの断面構成の模式図である。
【図12】図12は、本発明の実施例10である磁性リング付きのダブルローター型超音波モータネジ山駆動システムの断面構成の模式図である。
【図13】図13は、本発明の実施例11であるシングル圧電シート励起定在波型超音波モータネジ山駆動システムの構成の模式図である。
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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