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明細書 :有機EL装置及びその製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5094781号 (P5094781)
公開番号 特開2009-267402 (P2009-267402A)
登録日 平成24年9月28日(2012.9.28)
発行日 平成24年12月12日(2012.12.12)
公開日 平成21年11月12日(2009.11.12)
発明の名称または考案の名称 有機EL装置及びその製造方法
国際特許分類 H01L  51/50        (2006.01)
H05B  33/26        (2006.01)
H05B  33/10        (2006.01)
FI H05B 33/22 A
H05B 33/14 A
H05B 33/26 Z
H05B 33/10
請求項の数または発明の数 11
全頁数 12
出願番号 特願2009-097889 (P2009-097889)
出願日 平成21年4月14日(2009.4.14)
優先権出願番号 200810104832.2
優先日 平成20年4月24日(2008.4.24)
優先権主張国 中華人民共和国(CN)
審査請求日 平成21年4月14日(2009.4.14)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】506259634
【氏名又は名称】清華大学
【識別番号】504337718
【氏名又は名称】北京維信諾科技有限公司
【識別番号】509106670
【氏名又は名称】昆山維信諾顕示技術有限公司
【氏名又は名称】Kunshan Visionox Display Co.,Ltd.
発明者または考案者 【氏名】邱勇
【氏名】段煉
【氏名】李揚
【氏名】張国輝
個別代理人の代理人 【識別番号】110000338、【氏名又は名称】特許業務法人原謙三国際特許事務所
審査官 【審査官】横川 美穂
参考文献・文献 特開2000-113990(JP,A)
特開2001-267082(JP,A)
特開2000-252079(JP,A)
調査した分野 H01L 51/50
H05B 33/10
H05B 33/26
特許請求の範囲 【請求項1】
基板と、基板に形成されたアノード層と、アノード層に形成された有機機能層と、有機機能層に形成されたカソード層を備える有機EL装置であり、
前記有機機能層とカソード層との間に化合物KBH4又はそれが分解した混合物を含むカソードインターフェース加飾層を更に備え、前記化合物KBH4の分解したものはKであることを特徴とする有機EL装置。
【請求項2】
前記カソードインターフェース加飾層は厚さが0.1nm~50nmであることを特徴とする請求項1に記載の有機EL装置。
【請求項3】
前記カソードインターフェース加飾層は厚さが0.5nm~10nmであることを特徴とする請求項2に記載の有機EL装置。
【請求項4】
前記カソードインターフェース加飾層は、前記化合物KBH4又はそれが分解した混合物と金属材料とをドープしたものであり、両者のドーピング比は1:10~1:1であることを特徴とする請求項1に記載の有機EL装置。
【請求項5】
前記金属は装置のカソードの金属と同じであることを特徴とする請求項4に記載の有機EL装置。
【請求項6】
前記金属はアルミニウム又は銀であることを特徴とする請求項5に記載の有機EL装置。
【請求項7】
前記カソード層はスパッタリング法で作製されたことを特徴とする請求項1に記載の有機EL装置。
【請求項8】
前記カソード層は金属のアルミニウム又は銀であることを特徴とする請求項7に記載の有機EL装置。
【請求項9】
基板にアノード層と有機機能層を順に作製し、有機機能層に化合物KBH4からなるカソードインターフェース加飾層を作製し、その後、カソード層を作製し、前記化合物KBH4の分解したものはKであることを特徴とする有機EL装置の製造方法。
【請求項10】
前記化合物KBH4を含むカソードインターフェース加飾層を作製する方法は真空蒸着法であることを特徴とする請求項9に記載の有機EL装置の製造方法。
【請求項11】
KBH4真空蒸着することにより、アルカリ金属水素化合物を含む前記カソードインターフェース加飾層を作製することを特徴とする請求項9又は10に記載の有機EL装置の製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は有機EL(Electro Luminescence)装置に関する。特にカソードインターフェース加飾層を含む有機EL装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
五十年代から、Bernanose.Aなどは有機EL装置(OLED)の研究を始めていた。最初に研究の材料はアントラセンの単結晶ウエハーであった。単結晶ウエハーには厚さの厚すぎる問題(10~20μm)が存在するので、高い駆動電圧(数百Vである)が必要である。1982年、Vinceetは真空蒸着法で厚さが50nmのアントラセンの薄膜を作製し、30Vの電圧で青色の蛍光を観察したが、その外部量子効率が0.03%しかなかった。1987年に至って、アメリカのEastman Kodak会社の▲だん▼青雲(C.W.Tang)とVanslykehaは結晶がITO/Diamine/Alq3/Mg:Agである有機小分子EL発光装置を発表した。装置は10Vの動作電圧で輝度1000cd/m2に達し、外部量子効率が1.0%に達した。科学者らに広く注目されている。続き、1990年、イギリスのUniversity of CambridgeのJ.H.Burroughesグループは初めにNatureにおいて共役ポリマーPPVもエレクトロルミネセンスを実現できることを発表した。彼らはスピンコーティング法を用いて構成がITO/PPV/Caであるポリマー有機発光装置を成功的に作製し上げ、0.05%の外部量子効率を取った。以上から、有機EL装置が表示に応用される可能性を見出した。これから、有機小分子およびポリマーEL発光についての研究及び産業化の序幕が開かれた。
【0003】
OLED装置の高効率、長寿命、高輝度などの性能指標は産業化を実現する基本である。普通の有機材料では、正孔の遷移率の方が電子の遷移率より大きいので、電子注入効率の向上は装置の性能の改善にとって非常に重要である。仕事関数が小さな金属(Ca、Mgなど)を採用することで、有機層への電子の注入バリアを効率的に低減し、注入の電子を増加することができる。しかし、このような活発な関数金属の作製及び保存は比較的に困難であり、且つ装置の作製プロセスに影響を及ぼしている。電子注入の能力を高める他の方法はカソードと有機層との間に一層の無機化合物からなる電子注入層を付加するのである。実績では、LiF/Alは電子注入の能力に優れたカソード構成であることを判明したので、OLEDの製品に広く応用されている。しかし、ハロゲン原子の存在なので、発光に対して消光を起こす可能となり、材料が比較的にひどい毒性を示しており、且つ材料の成膜温度が高く、形成された電子注入層の薄膜の厚さに対して厳しく要求している。LiAlO2,Li2CO3を注入層材料とする場合に、寿命が短くて、効率が悪い。今まで、多くの材料が電子注入材料として提案されているが、第1主族元素及び第1主族元素からなる化合物を同時に含む提案ができなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、電子注入の能力を効率的に高めることができ、装置の発光効率を顕著に高めさせる有機EL装置を提供することにある。
【0005】
本発明の他の目的は電子注入の能力を効率的に高めることができ、発光効率を顕著に高めさせる有機EL装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は以下の技術方案によって達成した。本発明の有機EL装置は、基板と、基板に形成されたアノード層と、アノード層に形成された有機機能層と、有機機能層に形成されたカソード層を備える有機EL装置であり、前記有機機能層とカソード層との間には化合物AxByCzを含むカソードインターフェース加飾層を更に備え、Aは第1主族元素又は第2主族元素であり、Bは第3主族元素又は第5主族元素であり、Cは水素であり、1≦x≦2、y∈[0,1]、1≦z≦4である。
【0007】
本発明の有機EL装置において、前記化合物AxByCzはKH、LiH、Li2NH2又はLi2NHであることが好ましい。
【0008】
本発明の有機EL装置において、前記カソードインターフェース加飾層は厚さが0.1nm~50nmであり、0.5nm~10nmであることが好ましい。
【0009】
本発明の有機EL装置において、前記カソードインターフェース加飾層は前記化合物AxByCzと金属材料とをドープしたものであり、両者のドーピング比が1:10~1:1である。
【0010】
本発明の有機EL装置において、前記金属は装置のカソードの金属と同じである。
【0011】
本発明の有機EL装置において、前記金属はアルミニウム又は銀である。
【0012】
本発明の有機EL装置において、前記カソード層はスパッタリング法で作製され、カソード層は金属のアルミニウム又は銀である。
【0013】
本発明の他の目的は以下の技術方案によって達成した。本発明の有機EL装置の製造方法は、基板にアノード層と有機機能層を順に作製し、有機機能層に化合物AxByCzを含むカソードインターフェース加飾層を作製し、その後、カソード層を作製し、Aは第1主族元素又は第2主族元素であり、Bは第3主族元素又は第5主族元素であり、Cは水素であり、1≦x≦2、y∈[0,1]、1≦z≦4である。
【0014】
本発明の有機EL装置の製造方法において、化合物AxByCzを含む前記カソードインターフェース加飾層を作製する方法は真空蒸着法であることが好ましい。
【0015】
本発明の有機EL装置の製造方法において、KBH4、LiBH4、Li2NH2、Li2NH又はKAlH4を真空蒸着することにより、アルカリ金属水素化合物を含む前記カソードインターフェース加飾層を作製することが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の技術方案の原理を分析すると、本発明の技術方案は、主にカソードインターフェース加飾層が化合物AxByCzを含み、その中、Aは第1主族元素又は第2主族元素であり、Bは第3主族元素又は第5主族元素であり、Cは水素であり、1≦x≦2、y∈[0,1]、1≦z≦4である。蒸着の過程において、化合物AxByCzは分解して、化合物AmCn、Aを生成し、又は化合物AxByCzは分解せず、分解した化合物AmCn又はAが電子注入層に存在することで、電子の注入バリアを効率的に下げる。高効的な電子注入インターフェースを既に形成したため、電子注入バリアは更に低くなり、電子注入が更に効率的になり、装置の中に電子と正孔がもっと釣り合いになり、装置の電流の効率が高くなる。
【0017】
本発明は発光層の形成後に一つのカソード加飾層を形成し、該カソード加飾層は化合物AxByCz又はそれが分解した産物を含んでいる。該層を付加することによって、カソードインターフェースの電子注入の能力が向上し、装置の性能が顕著に向上する。同時に、製造の過程において、該材料プロセスの実現可能性がよく、更に製造プロセスの過程において装置の歩留まりが高められる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は本発明の装置の構成の模式的な図である。
【図2】図2は本発明の実施例1~5におけるカソード加飾層の厚さが異なるOLED装置の電流密度-電圧の関係を示す図である。
【図3】図3は本発明の実施例1~5におけるカソード加飾層の厚さが異なるOLED装置の輝度-電圧の関係を示す図である。
【図4】図4は本発明の実施例1~5におけるカソード加飾層の厚度が異なるOLED装置の電流効率-電流密度の関係を示す図である。
【図5】図5は本発明の比較例2の装置の構成の模式的な図である。
【図6】図6は本発明の実施例1、6と比較例1、2におけるカソードの構成が異なるOLED装置の電流密度-電圧の関係を示す図である。
【図7】図7は本発明の実施例1、6と比較例1、2におけるカソードの構成が異なるOLED装置の輝度-電圧の関係を示す図である。
【図8】図8は本発明の実施例1、6と比較例1、2におけるカソードの構成が異なるOLED装置の電流効率-電流密度の関係を示す図である。
【図9】図9は本発明の実施例10、11におけるカソード加飾層の厚さが異なるOLED装置の電流密度-電圧の関係を示す図である。
【図10】図10は本発明の実施例10、11におけるカソード加飾層の厚さが異なるOLED装置の輝度-電圧の関係を示す図である。
【図11】図11は本発明の実施例10、11におけるカソード加飾層の厚さが異なるOLED装置の電流効率-電流密度の関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図面と実施例を参照して本発明を詳しく説明する。

【0020】
実施例1~8はカソード加飾層の材料がKBH4を含む実施の形態である。

【0021】
実施例1
図1を参照し、本実施例の有機EL装置の構成の断面図である。その中、基板10、アノード層20、正孔輸送層30、発光層40、カソード加飾層50、カソード層60を備える。本発明の実施例における有機EL装置の構成は以下のとおりである。

【0022】
ガラス基板/ITO/NPB(50nm)/Alq3(70nm)/KBH4(0.2nm)/Al(150nm)

【0023】
(1)有機発光層の作製
予めに処理されたガラス基板を真空のチャンバーに置き、1×10-3 Paまで真空引きし、正孔輸送材料NPBを蒸着し、材料の薄膜の蒸着レートが0.1nm/sであり、薄膜の厚さが50nmである。正孔輸送層の上に厚さが70nmのAlq3を装置の発光層及び電子輸送層として蒸着する。

【0024】
その中、ガラス基板はITO(Tin Indium Oxide)膜と基材からなり、ITO膜の表面抵抗は50Ωであり、膜厚は150nmである。

【0025】
(2)カソード加飾層の作製
電子輸送層の作製後、厚さが0.2nmのKBH4を装置のカソード加飾層として作製し、本実施例はKBH4を蒸着することで、カソード加飾層を作製し、その蒸着レートが0.01nm/s程度であり、蒸着温度が350℃程度である。

【0026】
(3)カソードの作製
本発光装置におけるカソードは厚さが150nmのアルミニウム薄膜からなり、アルミニウム層の蒸着レートは1.0nm/sである。

【0027】
(4)ガラスパケッジング板でパケッジングする。

【0028】
実施例2
図1を参照し、本実施例の有機EL装置の構成の断面図である。その中、基板10、アノード層20、正孔輸送層30、発光層40、カソード加飾層50、カソード層60を備える。本発明の実施例における有機EL装置の構成は以下のとおりである。

【0029】
ガラス基板/ITO/NPB(50nm)/Alq3(70nm)/KBH4(0.5nm)/Al(150nm)
作製方法は、電子輸送層の形成後に厚さが0.5nmのKBH4を作製するほかに、実施例1と同じである。

【0030】
実施例3
図1を参照し、本実施例の有機EL装置の構成の断面図である。その中、基板10、アノード層20、正孔輸送層30、発光層40、カソード加飾層50、カソード層60を備える。本発明の実施例における有機EL装置の構成は以下のとおりである。

【0031】
ガラス基板/ITO/NPB(50nm)/Alq3(70nm)/KBH4(2.0 nm)/Al(150nm)
作製方法は、電子輸送層の形成後に厚さが2.0nmのKBH4を作製するほかに、実施例1と同じである。

【0032】
実施例4
図1を参照し、本実施例の有機EL装置の構成の断面図である。その中、基板10、アノード層20、正孔輸送層30、発光層40、カソード加飾層50、カソード層60を備える。本発明の実施例における有機EL装置の構成は以下のとおりである。

【0033】
ガラス基板/ITO/NPB(50nm)/Alq3(70nm)/KBH4(5.0nm)/Al(150nm)
作製方法は電子輸送層の形成後に厚さが5.0nmのKBH4を作製するほかに、実施例1と同じである。

【0034】
実施例5
図1を参照し、本実施例の有機EL装置の構成の断面図である。その中、基板10、アノード層20、正孔輸送層30、発光層40、カソード加飾層50、カソード層60を備える。本発明の実施例における有機EL装置の構成は以下のとおりである。

【0035】
ガラス基板/ITO/NPB(50nm)/Alq3(70nm)/KBH4(10.0nm)/Al(150nm)
作製方法は電子輸送層の形成後に厚さが10.0nmのKBH4を作製するほかに、実施例1と同じである。

【0036】
結論1:実施例1~4における四つの異なる装置の構成を参照し、KBH4のカソードインターフェース加飾層の厚さ(厚さがそれぞれ0.2nm、0.5nm、2.0nm、5.0nm、10.0nmである)を変更して、性能が異なるOLED装置を得た。この一連の装置の電流密度—電圧の関係、輝度—電圧の関係及び電流効率—電流密度の関係はそれぞれ図2、3、4に示す。

【0037】
図2に示すように、KBH4の厚さが0.5nmより小さい場合には、厚さの増加につれて、グラフは電圧の低い方向へ移動し、厚さが0.5nmを上回る場合には、厚さの増加につれて、グラフは電圧の高い方向へ移動し、しかし、0.5nm~5.0 nmの区域において、性能の変化があまり大きくない。これにより、KBH4は比較的に厚い好適な厚さ及び比較的に優れた電子注入の能力を有することが分かる。装置の好適な厚さはほぼ0.5~5.0nmの範囲である。

【0038】
図3の輝度-電圧の関係にも電流密度—電圧の関係に似ている挙動を示しており、即ち、KBH4が0.5nm~5.0 nmの区域にある装置は輝度のグラフに対応して電圧の低い区域にある。

【0039】
図4の電流効率-電流密度から分かるように、KBH4が0.5nm~5.0 nmの区域にある装置は比較的に大きい電流効率を有し、KBH4の厚さの向上又は低減はいずれも装置の電流効率を下げさせる。

【0040】
そこで、前述より、KBH4/Alのカソードの構成は比較的な好適な厚さが0.5nm~5.0 nmの範囲である。

【0041】
実施例6
図1を参照し、本実施例の有機EL装置の構成の断面図である。その中、基板10、アノード層20、正孔輸送層30、発光層40、カソード加飾層50、カソード層60を備える。本発明の実施例における有機EL装置の構成は以下のとおりである。

【0042】
ガラス基板/ITO/NPB(50nm)/Alq3(70nm)/KBH4(0.5nm)/Ag(150nm)
作製方法は電子輸送層の形成後に厚さが150nmのAgを作製するほかに、実施例1と同じである。

【0043】
比較例1
図1を参照し、本比較例の有機EL装置の構成の断面図である。その中、基板10、アノード層20、正孔輸送層30、発光層40、カソード加飾層50、カソード層60を備える。本発明の比較例における有機EL装置の構成は以下のとおりである。

【0044】
ガラス基板/ITO/NPB(50nm)/Alq3(70nm)/LiF(0.5nm)/Al(150nm)
作製方法は、電子輸送層の形成後に厚さが0.5nmのLiFを作製するほかに、実施例1と同じである。

【0045】
比較例2
図5を参照し、本比較例の有機EL装置の構成の断面図である。その中、基板10、アノード層20、正孔輸送層30、発光層40、カソード層60を備える。本発明の比較例における有機EL装置の構成は以下のとおりである。

【0046】
ガラス基板/ITO/NPB(50nm)/Alq3(70nm)/Ag(150nm)
作製方法は比較例において金属の銀であり、カソード加飾層50がないほかに、実施例1と同じである。

【0047】
結論2:実施例1、6と比較例1、2では、四つのカソードの構成が異なり、それぞれKBH4 0.5nm/Al、LiF 0.5nm/Al、KBH4 0.5nm/Ag、AgのOLED装置であり、性能が異なるOLED装置を得た。この一連の装置の電流密度—電圧の関係、輝度—電圧の関係および電流効率-電流密度の関係はそれぞれ図6、図7、図8に示す。

【0048】
図6を参照し、KBH4 0.5nm/Agであるカソードの構成の装置は、電流密度のグラフが電圧の最低の区域にあり、つぎは、KBH40.5nm/Alであるカソードの装置であり、更にLiF 0.5nm/Alである装置であり、最後、Agだけをカソードとする装置である。

【0049】
図7から分かるように、KBH4 0.5nm/Agであるカソードの構成の装置は、輝度のグラフが電圧の最低の区域にあり、その最高の輝度も最大であり、つぎは、KBH40.5nm/Alであるカソードの装置であり、更にLiF 0.5nm/Alである装置であり、最後、Agだけをカソードとする装置である。

【0050】
図8から分かるように、KBH4 0.5nm/Agであるカソードの構成の装置は最大の電流効率を有し、1000 A/m2時における電流効率が3.90cd/Aとなり、KBH40.5nm/Alであるカソードの構成の装置は1000 A/m2時における電流効率が3.75cd/Aとなり、LiF 0.5nm/Alであるカソードの構成の装置は1000 A/m2時における電流効率が3.20cd/Aとなる。カソードの構成がKBH4 0.5nm/AgとKBH40.5nm/Alである装置の効果は、カソードの構成がLiF 0.5nm/Alである装置に比べて、それぞれ21.9%、17.2%高くなっている。

【0051】
実施例7
図1を参照し、本実施例の有機EL装置の構成の断面図である。その中、基板10、アノード層20、正孔輸送層30、発光層40、カソード加飾層50、カソード層60を備える。本発明の実施例における有機EL装置の構成は以下のとおりである。

【0052】
ガラス基板/ITO/NPB(50nm)/Alq3(70nm)/KBH4:Ag(1:10)10nm/Ag(150nm)
作製方法はカソード加飾層の形成後に厚さが150nmのAgを作製するほかに、実施例1と同じである。

【0053】
実施例6と実施例7を比べると、結果を表1に示す。

【0054】
【表1】
JP0005094781B2_000002t.gif

【0055】
結論3:実施例6と実施例7を比べることから分かるように、KBH4とAgをドープした装置は未ドーピング装置より、更に優れた性能を有する。

【0056】
実施例8
図1を参照し、本実施例の有機EL装置の構成の断面図である。その中、基板10、アノード層20、正孔輸送層30、発光層40、カソード加飾層50、カソード層60を備える。本発明の実施例における有機EL装置の構成は以下のとおりである。

【0057】
ガラス基板/ITO/NPB(50nm)/Alq3(70nm)/KBH4(0.5nm)/Ag(20nm)
作製方法はカソード加飾層の形成後に厚さが20nmのAgを作製するほかに、実施例1と同じである。

【0058】
本実施例に作製したカソード層はAgが20nmであり、両面発光装置である。

【0059】
実施例9
図1を参照し、本実施例の有機EL装置の構成の断面図である。その中、基板10、アノード層20、正孔輸送層30、発光層40、カソード加飾層50、カソード層60を備える。本発明の実施例における有機EL装置の構成は以下のとおりである。

【0060】
ガラス基板/ITO/NPB(50nm)/Alq3(70nm)/KBH4:Ag[1:10](10nm)/Ag(10nm)
KBH4:Ag[1:10](10nm)とはカソード加飾層におけるKBH4とAgのドーピング比が1:10となり、厚さが10nmである意味である。該カソード加飾層は両ソース又は複数のソースで共蒸着の方式を採用して作製した。

【0061】
作製方法は、発光層の形成後に厚さ10nmのKBH4とAgの共ドーピング層を作製し、且つカソード加飾層の作製後に厚さが10nmの金属Agを作製するほかに、実施例1と同じである。
本実施例の制作のカソード層はAgが10nmとなり、両面発光装置である。

【0062】
実施例8と実施例9の効率を比べると、結果を表2に示す。

【0063】
【表2】
JP0005094781B2_000003t.gif

【0064】
結論4:実施例8、9から分かるように、銀の厚さを薄くしても、装置は依然として比較的に高い効率を有する。このような構成を採用する装置の長所はカソードの一面側から光を出射することができる。このように一定の発光及び両面発光製品の作製を実現することができる。

【0065】
実施例10、11はカソード加飾層の材料がLiBH4を含む実施の形態である。

【0066】
実施例10
図1を参照し、本実施例の有機EL装置の構成の断面図である。その中、基板10、アノード層20、正孔輸送層30、発光層40、カソード加飾層50、カソード層60を備える。本発明の実施例における有機EL装置の構成は以下のとおりである。

【0067】
ガラス基板/ITO/NPB(50nm)/Alq3(70nm)/LiBH4(0.5nm)/Al(150nm)
作製方法は電子輸送層の形成後に厚さが0.5nmのLiBH4を作製するほかに、実施例1と同じである。

【0068】
実施例11
図1を参照し、本実施例の有機EL装置の構成の断面図である。その中、基板10、アノード層20、正孔輸送層30、発光層40、カソード加飾層50、カソード層60を備える。本発明の実施例における有機EL装置の構成は以下のとおりである。

【0069】
ガラス基板/ITO/NPB(50nm)/Alq3(70nm)/ LiBH4(1.0nm)/Al(150nm)
作製方法は電子輸送層の形成後に厚さが1.0nmのLiBH4を作製するほかに、実施例1と同じである。

【0070】
結論5:実施例10、11の二種の異なる装置の構成を参照し、カソードの金属がAlである場合には、LiBH4のカソードインターフェース加飾層の厚さ(厚さがそれぞれ0.5nmと1.0nmである)を変更して、性能が異なるOLED装置を得た。この一連の装置の電流密度—電圧の関係、輝度—電圧の関係および電流効率—電流密度の関係はそれぞれ図9、10、11に示す。

【0071】
図9に示すように、LiBH4の厚さが1.0nmより小さい時に、厚さの低減につれて、グラフは電圧の高い方向へ移動することが分かる。これにより1.0nmのLiBH4は比較的に優れた電子注入の能力を有する。

【0072】
図10の輝度—電圧の関係にも電流密度—電圧の関係に似ている挙動を示している。即ち、LiBH4が1.0nmの装置は、輝度のグラフが電圧の低い区域にある。

【0073】
図11の電流効率-電流密度のグラフから分かるように、LiBH4が1.0nmの装置は最大の電流効率を有し、LiBH4の厚さの向上又は低減はいずれも装置の電流効率を下げさせる。

【0074】
したがって、前述より、LiBH4 /Alのカソードの構成は好適な厚さが1.0nmである。

【0075】
実施例12
KBH4に対応する比較的に厚い好適な厚度(2.0~5.0nm)の範囲において、カソードをスパッタリング法で作製することができる。KBH4は有機層を保護する役割を果たしており、かつ装置の電子注入効果を高めることができる。カソードはAg、Alなどを選択すればいい。

【0076】
【表3】
JP0005094781B2_000004t.gif

【0077】
好適な実施例を用いて本発明について説明したが、本発明はそれらの実施例に限定されるものではなく。当業者は本発明の主旨および範囲を逸脱しない範囲において様々な変更、改良をすることができる。したがって、本発明の保護範囲は特許請求の範囲に限定された範囲を基準とすべきである。
【符号の説明】
【0078】
10 基板
20 アノード層
30 正孔輸送層
40 発光層
50 カソード加飾層
60 カソード層
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10