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バイオチップをベースにした核酸結合タンパク質の試験方法

国内特許コード P150011604
掲載日 2015年3月30日
出願番号 特願2007-541638
公表番号 特表2008-520212
登録番号 特許第4664373号
出願日 平成16年11月23日(2004.11.23)
公表日 平成20年6月19日(2008.6.19)
登録日 平成23年1月14日(2011.1.14)
国際出願番号 CN2004001340
国際公開番号 WO2006053463
国際出願日 平成16年11月23日(2004.11.23)
国際公開日 平成18年5月26日(2006.5.26)
優先権データ
  • 200410090423.3 (2004.11.18) CN
発明者
  • 邵威
  • ▲趙▼永超
  • ▲孫義▼民
  • ▲喬継▼英
  • 魏▲華▼江
  • ▲楊衛▼平
  • 周玉祥
  • 程京
出願人
  • 北京博奥生物芯片有限▲責▼任公司
  • 清▲華▼大学
発明の名称 バイオチップをベースにした核酸結合タンパク質の試験方法
発明の概要 バイオチップをベースにした、核酸結合タンパク質の試験方法は、以下の工程を包含する:1.試験されるべき複数の核酸結合タンパク質を含む生物学的サンプルに、核酸捕捉プローブを含む複数のグループの溶液を入れ、このようにして、核酸捕捉プローブ-核酸結合タンパク質複合体を形成する工程であって;このような核酸捕捉プローブは、目的の核酸結合タンパク質と結合し得る結合配列の少なくともあるセグメントを含む、工程;2.このような核酸捕捉プローブ-核酸結合タンパク質複合体を分離し、次いで、核酸捕捉プローブを回収する工程;3.工程2に記載の核酸捕捉プローブを、バイオチップの基板上にある複数の一本鎖ブロッティングプローブとハイブリダイズさせる工程であって;このようなブロッティングプローブの配列は、このような核酸捕捉プローブまたは、その鎖の片方と補償する、工程;4.ハイブリダイゼーションの結果を検出する工程。
従来技術、競合技術の概要



(背景)

核酸結合タンパク質は、二本鎖DNA(dsDNA)結合タンパク質、一本鎖DNA(ssDNA)結合タンパク質、およびRNA結合タンパク質などを含む。





dsDNA結合タンパク質は、dsDNAの特定の配列に結合する、タンパク質またはタンパク質分子複合体のグループである。dsDNA結合タンパク質は、核生物のリプレッサータンパク質およびオペレータータンパク質、ならびに、真核生物の転写因子(TF)などを含む。これらのdsDNA結合タンパク質は、dsDNAの特定の配列(オペレーター/プロモーター)への結合によって、標的遺伝子の発現を活性化、阻害、減少または増強し得る。原核生物において、リプレッサータンパク質およびオペレータータンパク質の機能は、比較的単純である。これらは、細胞の代謝に関する酵素をコードする遺伝子、および、抗生物質耐性遺伝子を調節して、外部環境に対する細胞の生理学的な活性を調節する。真核生物において、転写因子は、多くの活動に関与する。細胞周期、アポトーシスおよび腫瘍新生などは、全て、特定の転写因子に関連する。生物系、特に、真核生物の遺伝子発現調節ネットワークにおいて、遺伝子をコードするタンパク質の発現としては、転写因子を介した転写の活性化、転写、転写後修飾(スプライシング、ならびに、RNAの5’および3’のキャッピング)、翻訳、翻訳後修飾(リン酸化、グリコシル化、アセチル化など)が挙げられ、そして、転写前、転写後、および翻訳後の段階で調節される。







転写因子による転写の活性化は、遺伝子発現調節ネットワークにおける最初でかつ重要な段階である。外部環境に対する生物系のストレス応答の多くは、特定の転写因子による、特定の遺伝子の活性化または停止を伴う。研究は、多くの真核生物の遺伝子の発現が、1以上の特定の転写因子によって調節されることを示す。より複雑な生物は、より多くの転写因子と、より複雑な遺伝子発現調節機構を有する。推定すると、5%より多くのタンパク質をコードする遺伝子が、転写因子をコードする。多くの転写因子は、癌に密接に関連する。例えば、いくつかの転写因子(例えば、FOSおよびC-Myc)は、悪性腫瘍のみで発現されるか、または、癌遺伝子の発現を増強し得る;他の転写因子(例えば、p53およびE2F)は、弱く発現するか、または、悪性腫瘍においては発現しない。従って、生物における特定の転写因子、または、全ての転写因子のレベルをある時点で検出することは、それらの標的遺伝子のデータと組み合わせて、転写前の調節情報を得ることを可能にする。この情報は、組織における腫瘍新生を診断したり、薬物標的をスクリーニングしたり、細胞のストレス応答機構を研究したり、細胞のシグナル伝達経路の活性化および停止を観察したりするなどのために使用され得る。





cDNAマイクロアレイ技術は、ゲノムの遺伝子をコードする全ての転写因子のmRNAプロファイリングを提供することを可能にする。しかしながら、活性な転写因子のみが、遺伝子発現の調節に寄与する。転写因子の活性は、通常、リン酸化、アセチル化、グリコシル化などを含む多数のタンパク質修飾、または、転写因子の細胞内局在化によって調節される。従って、活性な転写因子の量は、転写因子のmRNAまたはタンパク質の量と必ずしも相関するわけではない。例えば、転写因子Yin Yang 1(YY1)のmRNAおよびタンパク質の発現レベルは、細胞周期の間、安定しているが、活性なYY1のレベルは、異なる細胞周期の段階において、大きく変化する。従って、cDNAマイクロアレイ技術は、研究者が興味を抱く転写因子の発現情報を提供することができない。





「活性な」dsDNA結合タンパク質を検出するための従来の方法は、ゲルシフト法(EMSA:電気泳動移動度シフトアッセイ、ゲルシフト、バンドシフト)である。試験されるタンパク質は、放射性同位元素で標識された既知のdsDNA分子と混合される。反応生成物は、非変性条件下で、ポリアクリルアミドゲル電気泳動により解析される。電気泳動の間に、タンパク質により結合されるdsDNA分子は、タンパク質によって結合されていないdsDNA分子よりも遅く泳動される。電気泳動の後、結果は、オートラジオグラフィーによって読み取られ得る。フィルム上では、分離した電気泳動バンドが見られ得、そして、dsDNAと核酸結合タンパク質との間の結合を検出するために使用される。近年、ゲルシフト技術は向上している。例えば、放射性同位元素の代わりに蛍光が使用されている。非特異的な結合を解決するために、dsDNA結合タンパク質に特異的な抗体を用いて、DNA-タンパク質複合体を検出する。この方法は、スーパーシフト(Super-shift)と呼ばれる。ゲルシフト法は、DNAとタンパク質との間の相互作用の研究を促進した。しかし、この方法は明らかな欠点を有する:この方法は、複雑な手順を伴い;時間と労力がかかり(実験には丸一日かかる);スループットが低く(一度に、1つのdsDNA結合タンパク質のみが検出される);複数のdsDNA結合タンパク質が検出されるべき場合、大量のサンプルを必要とし;放射性同位元素が使用される場合、人間に対して有害であり;そして、化学色素もしくは蛍光色素が使用される場合、高額なものとなる。





MercuryTM転写因子キットは、BD Biosciences Clontech Inc.(Palo Alto,CA)の製品である。このキットは、転写因子の検出のための96ウェルプレートを提供する。1つの転写因子によって特異的に結合され得るdsDNAプローブが、各ウェルの内面上に固定化される。タンパク質サンプルがウェル内に加えられた後、固定化されたdsDNAプローブが、サンプル内の対応する転写因子と結合する。洗浄した後、転写因子を特異的に認識する一次抗体と、この一次抗体を特異的に認識する、酵素標識した二次抗体が、一つ一つ加えられる。化学色素が、アッセイの検出のために使用される。この方法は、従来のEMSA法よりも速く、そして、生体に有害な放射性同位元素の代わりに化学色素が使用される。しかし、この方法は、依然としてスループットの低い方法であり、1つのウェル内で常に、1つの転写因子のみが試験され得る。多数のdsDNA結合タンパク質を検出するためには、大量のサンプルが必要とされる。転写因子特異的な抗体に対する必要性があり、そして、この転写因子抗体の多くは、市販されていない。





生物系において生理的な活動を調節する、いくつかの配列特異的なssDNA結合タンパク質およびRNA結合タンパク質が存在する。ますます多くの、標的のタンパク質分子の特異的に結合し得る「抗体様」アプタマーが、近年の試験管内進化(in vitro evolution)法により獲得されている。これらの核酸結合タンパク質を検出するためのハイスループット法は存在しない。

産業上の利用分野



本発明は、核酸結合タンパク質を検出するための方法、特に、バイオチップをベースにした核酸結合タンパク質を検出するための方法を開示する。

特許請求の範囲 【請求項1】
バイオチップをベースにした核酸結合タンパク質を検出するための方法であって、該方法は、以下:
1)数種のグループの核酸捕捉プローブを含有する溶液を、標的核酸結合タンパク質を含有する生物学的サンプルに加える工程であって、該工程によって、該核酸捕捉プローブと該核酸結合タンパク質との間で複合体が形成され、該核酸捕捉プローブは、少なくとも1つの該標的核酸結合タンパク質が結合し得る配列を含み、そして各グループの該核酸捕捉プローブの一本の鎖が、3’突出末端配列を含む、工程;
2)該核酸捕捉プローブ-核酸結合タンパク質複合体を単離して、該複合体中の該核酸捕捉プローブを収集する工程;
3)プライマーを用いた一本鎖増幅によって該収集された核酸捕捉プローブを増幅する工程であって、該プライマーは、該核酸捕捉プローブの3’突出末端配列にハイブリダイズする、工程;
)工程)において増幅した捕捉プローブを、バイオチップの基板上に固定化した一本鎖固定化プローブとハイブリダイズさせる工程であって、該固定化プローブは、該増幅した核酸捕捉プローブに対して相補的な配列を含む、工程;および
)該ハイブリダイゼーションの結果を検出する工程
を包含する、方法。

【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記工程2)における核酸捕捉プローブ-核酸結合タンパク質複合体を単離する工程が、前記工程1)からの混合物サンプルをゲル電気泳動し、ゲルスライスを切り出し、そして、ゲル精製キットもしくは電気溶出法によって回収して、単離された核酸捕捉プローブ-核酸結合タンパク質複合体を得るプロセスである、方法。

【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記工程2)における核酸捕捉プローブ-核酸結合タンパク質複合体を単離する工程が、前記工程1)からの混合物サンプルをクロマトグラフィーに供し、単離された核酸捕捉プローブ-核酸結合タンパク質複合体を得る工程である、方法。

【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記工程2)における核酸捕捉プローブ-核酸結合タンパク質複合体を単離する工程が、前記工程1)からの混合物サンプルを、タンパク質を吸着し得る膜を用いて濾過して、単離された核酸捕捉プローブ-核酸結合タンパク質複合体を得る工程である、方法。

【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記工程2)における核酸捕捉プローブ-核酸結合タンパク質複合体を単離する工程が、各核酸結合タンパク質を特異的に認識する抗体を前記工程1)からの混合物サンプルに加え、そして、抗体精製法により単離して、単離された核酸捕捉プローブ-核酸結合タンパク質複合体を得るプロセスである、方法。

【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、前記工程2)における核酸捕捉プローブ-核酸結合タンパク質複合体を単離する工程が、キャピラリー電気泳動によって前記工程1)からの混合物サンプルを分離し、そして、該核酸捕捉プローブ-核酸結合タンパク質複合体を収集するプロセスである、方法。

【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、前記核酸結合タンパク質が、二本鎖DNA(dsDNA)結合タンパク質、RNA結合タンパク質、一本鎖DNA(ssDNA)結合タンパク質、または、試験管内進化法によって生成された天然に存在しないタンパク質結合核酸アプタマーである、方法。

【請求項8】
前記dsDNA結合タンパク質が、転写因子である、請求項7に記載の方法。

【請求項9】
前記核酸捕捉プローブが、核酸結合タンパク質によって結合され得る核酸配列を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。

【請求項10】
各固定化プローブが、その対応する核酸捕捉プローブの突出末端配列に対して相補的である、請求項に記載の方法。

【請求項11】
前記核酸捕捉プローブの突出末端が、標識分子によって標識されている、請求項10に記載の方法。

【請求項12】
前記標識分子が、ビオチン、ジゴキシン、蛍光色素、量子ドット、金粒子、またはナノ粒子である、請求項11に記載の方法。

【請求項13】
請求項に記載の方法であって、前記3’突出末端を有する核酸捕捉プローブの各グループにおける3’突出末端配列は同一であり、そして、前記プライマーの配列は、該3’突出末端配列に対して完全に相補的である、方法。

【請求項14】
前記プライマーを増幅のために使用する場合、該プライマーは、標識分子で標識される、請求項13に記載の方法。

【請求項15】
前記プライマーの5’末端が標識される、請求項14に記載の方法。

【請求項16】
前記標識分子が、ビオチン、ジゴキシン、蛍光色素、量子ドット、金粒子、またはナノ粒子である、請求項15に記載の方法。

【請求項17】
前記プライマーを増幅のために使用する場合、標識分子で標識されたヌクレオチドが、前記増幅プロセスに加えられる、請求項13に記載の方法。

【請求項18】
前記標識分子が、ビオチン、ジゴキシン、蛍光色素、量子ドット、金粒子、またはナノ粒子である、請求項17に記載の方法。

【請求項19】
請求項1に記載の方法によって、核酸結合タンパク質を検出するためのキットであって、該キットは、以下:
数種のグループの核酸捕捉プローブであって、該核酸捕捉プローブは、少なくとも1つの生物学的サンプル中の標的核酸結合タンパク質が結合し得る配列を含み、そして、各グループの該核酸捕捉プローブの一本の鎖が、3’突出末端配列を含む、数種のグループの核酸捕捉プローブ;
一本鎖増幅を実施するためのプライマーであって、該プライマーは、該核酸捕捉プローブの3’突出末端配列にハイブリダイズする、プライマー;
バイオチップの基板上に固定化された一本鎖固定化プローブを含むバイオチップであって、該固定化プローブは、該核酸捕捉プローブに対して相補的な配列を含む、バイオチップ
を備える、キット。

【請求項20】
請求項19に記載のキットであって、さらに以下:
前記核酸捕捉プローブ-核酸結合タンパク質複合体を単離するためのゲル電気泳動キット;および
該単離された核酸捕捉プローブ-核酸結合タンパク質複合体を得るためのゲル精製キットまたは電気溶出キット
を備える、キット。

【請求項21】
請求項19に記載のキットであって、さらに以下:
前記単離された核酸捕捉プローブ-核酸結合タンパク質複合体を得るためのクロマトグラフィーキット
を備える、キット。

【請求項22】
請求項19に記載のキットであって、さらに以下:
前記単離された核酸捕捉プローブ-核酸結合タンパク質複合体を得るための、タンパク質を吸着し得る膜
を備える、キット。

【請求項23】
請求項19に記載のキットであって、さらに以下:
前記単離された核酸捕捉プローブ-核酸結合タンパク質複合体を得るための、各核酸結合タンパク質を特異的に認識する抗体
を備える、キット。

【請求項24】
請求項19に記載のキットであって、さらに以下:
前記核酸捕捉プローブ-核酸結合タンパク質複合体を収集するための、キャピラリー電気泳動キット
を備える、キット。

【請求項25】
請求項19に記載のキットであって、前記核酸結合タンパク質は、二本鎖DNA(dsDNA)結合タンパク質、RNA結合タンパク質、一本鎖DNA(ssDNA)結合タンパク質、または、試験管内進化法によって生成された天然に存在しないタンパク質結合核酸アプタマーである、キット。

【請求項26】
前記dsDNA結合タンパク質が、転写因子である、請求項25に記載のキット。

【請求項27】
前記核酸捕捉プローブが、核酸結合タンパク質によって結合され得る核酸配列を含む、請求項19~26のいずれか1項に記載のキット。

【請求項28】
各固定化プローブが、その対応する核酸捕捉プローブの突出末端配列に対して相補的である、請求項19に記載のキット。

【請求項29】
前記核酸捕捉プローブの突出末端が、標識分子によって標識されている、請求項28に記載のキット。

【請求項30】
前記標識分子が、ビオチン、ジゴキシン、蛍光色素、量子ドット、金粒子、またはナノ粒子である、請求項29に記載のキット。

【請求項31】
請求項30に記載のキットであって、前記3’突出末端を有する核酸捕捉プローブの各グループにおける3’突出末端配列は同一であり、そして、前記プライマーの配列は、該3’突出末端配列に対して完全に相補的である、キット。

【請求項32】
前記プライマーを増幅のために使用する場合、該プライマーは、標識分子で標識される、請求項31に記載のキット。

【請求項33】
前記プライマーの5’末端が標識される、請求項32に記載のキット。

【請求項34】
前記標識分子が、ビオチン、ジゴキシン、蛍光色素、量子ドット、金粒子、またはナノ粒子である、請求項33に記載のキット。

【請求項35】
標識分子で標識されたヌクレオチドをさらに含む、請求項31に記載のキット。

【請求項36】
前記標識分子が、ビオチン、ジゴキシン、蛍光色素、量子ドット、金粒子、またはナノ粒子である、請求項35に記載のキット。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 登録
分野
  • 化学;冶金
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