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アンギオスタチンあるいはその断片を含む複合体、その調製法および応用

国内特許コード P150011701
掲載日 2015年3月30日
出願番号 特願2009-545050
公表番号 特表2010-515694
出願日 平成20年1月10日(2008.1.10)
公表日 平成22年5月13日(2010.5.13)
国際出願番号 CN2008000067
国際公開番号 WO2008083615
国際出願日 平成20年1月10日(2008.1.10)
国際公開日 平成20年7月17日(2008.7.17)
優先権データ
  • 200710004558.7 (2007.1.10) CN
発明者
  • ▲羅▼ 永章
  • 常 国▲棟▼
  • 楊 恕玲
  • 高 磊
  • 付 彦
出願人
  • 北京普▲羅▼吉生物科技▲発▼展有限公司
  • 清華大学
発明の名称 アンギオスタチンあるいはその断片を含む複合体、その調製法および応用
発明の概要 本発明は抗ガンあるいは抗血管新生疾患薬物、および薬物組成物を含む組み合わせあるいはキットを提供する。同時に前記の抗ガンあるいは抗血管新生疾患薬物の調製法を提供する。本発明の抗ガンあるいは抗血管新生疾患薬物は修飾物とアンギオスタチンあるいはその断片の複合体を含む。前記複合体は無修飾のアンギオスタチンあるいはその断片より長い生体内半減期を有する。前記修飾物は高分子ポリマー、タンパク質分子またその断片、ペプチド、小分子あるいはほかのいずれの化学物質である。
従来技術、競合技術の概要 ガンは今の世界の常見病および多発病で、人類生命を威すいちばん大きな殺し屋である。それゆえ抗癌剤の開発および研究はずっと国内外のブームテーマである。現在の臨床上常用のほとんどの抗癌剤が伝統的な化学療法薬物で、長い期間服用すると薬物耐性を引き起こしやすく、人体に様々な有毒な副作用が起こるために、臨床応用にはかなりの制限を受ける。

1971年、Folkmanは腫瘍の成長と転移が新生血管形成に依存する理論を提唱した。新生血管形成は既存の血管に新しい毛細血管を生成することである。したがって、新生血管形成を阻害することができれば、腫瘍の成長と転移が阻止できる。腫瘍内の新生血管内皮細胞を標的とすることは1種の腫瘍を治療する方法になり、すなわち抗血管新生治療である(Folkman J. N Engl J Med 1971;285: 1182 -1186)。

アンギオスタチンは1994年O'Reillyらがルイス肺癌担癌マウスにおける血清と尿液中から単離した内因性血管新生抑制剤で、マウスプラスミノーゲンN末端から第98位アミノ酸(始めのMetを第1位アミノ酸とすると)からの配列である(O'Reilly MS, Holmgren L, Shing Y, et al. Cell, 1994, 79: 315-328)。すくなくとも五つのプラスミノーゲンKringle構造の四つを含み、各Kringle構造は約80のアミノ酸からなっている(Lerch P G, Riskli E E, Lergier W, et al. Eur J Biochem, 1980, 107: 7-13)。

組み換えヒトプラスミノーゲンK1、K2、K3、K5、K1-3、K2-3、K1-5などはBCE細胞増殖に有効な抑制作用があるが、K4はほとんど活性がないことが示された。K1-3の細胞増殖抑制活性は最初に見つかったアンギオスタチンK1-4(Cao Y, Ji RW, Davidson D, et al. J Biol Chem, 1996, 271(46): 29461-29467.)よりもっと強い。さらにK1-3はマウスルイス肺ガンの成長と転移を抑制し、マウスルイス肺ガン原発性腫瘍およびマウス血管内皮細胞腫などの多種の原発ガンの成長も抑制する作用があることがわかった。アンギオスタチンの作用機構は血管内皮細胞の増殖を抑制することによって、腫瘍組織に新生血管の生成を阻害し、ガン組織に栄養と酸素を供給する通路が絶たれ、ガンの死滅が期待できるわけである。アンギオスタチンは内因性プラスミノーゲン内部の断片の一つで、増殖している血管内皮細胞に特異的に作用し、一般に免疫反応を引き起こすことができなく、長い期間注射すると、体重軽減、活動低下、食欲降下および日和見起病原菌の感染などの副作用はないとO’Reillyが指摘した(Sim BKL, O'Reilly MS, et al. Cancer Res, 1997, 57: 1329-1334.)。同時に肝、腎の功能に影響を与えない(Kirsch M, Strasser J, Allende R, et al. J Biol Chem, 1996, 271(46): 29461-29467)。それに対して、今よく売れた大部の化学療法薬物は主要に腫瘤(腫瘍)細胞に対することであるが、腫瘤細胞の遺伝不安定性と高い変異性のために、薬物耐性を引き起こしやすく、薬効に影響を与える。以上の原因で、アンギオスタチンは腫瘤細胞の治療に極めて明らかな治療効果を有し、二十一世紀の主な抗癌剤になる可能性がある。

アンギオスタチンなどのペプチドとタンパク質類薬物は化学薬物より毒性・副作用が弱く、薬剤耐性がないなどの特徴を有し、また、タンパク質薬物の生物学的利用率を高め、生体内分解を減らすために、静脈注射の投与方法が採用される。しかしながら、分子量の小さいタンパク質に対して、静脈注射の生体内半減期は極めて短い。生体内でのタンパク質分解は一つの原因で、もう一つ重要な原因は小さいタンパク質は腎臓の濾過経路を介して速やかに消失される。

血液中に動水半径がアルブミンを超えるあるいは分子量が約66,000ダルトンより大きいタンパク質は通常循環システムに穏やかに保留できる。小さい分子は糸球体で速やかにろ過し、消失される。だから、分子量の小さいタンパク質の有効血中濃度を維持するために、頻繁に注射あるいは点滴が必要である。こうして治療の目的に達することが可能であるが、病人に不便とひどい苦痛を持って来て、コストも高め、ある薬物は長期の使用で副作用が生じる恐れがある。例えば免疫反応。

産業上の利用分野 本発明はアンギオスタチンあるいはその断片、好ましくはK1-3を含む複合体と該複合体を含む徐放性製剤およびそれらの調製法に関する。本発明に関する複合体は有毒な副作用がなく、より高い生物活性および優れた代謝安定性を有する。本発明はこの複合体と徐放性製剤を含む薬物組成物およびこの複合体を含むキットを提供する。本発明は本発明の複合体、徐放性製剤、薬物組成物、およびキットの、ガンの予防、診断、治療における使用、抗ガン剤の製造における使用、および抗血管新生疾患の予防における使用も提供する。

特許請求の範囲 【請求項1】
修飾物とアンギオスタチン断片K1-3からなる複合体であって、前記複合体は修飾されていないアンギオスタチン断片K1-3より長い生体内半減期を有しており、前記修飾物はポリエチレングリコールあるいはほかの高分子ポリマー、タンパク質分子又はその断片、ペプチド、小分子、または他のいかなる形態の化学物質からなる群から選択されるものである。

【請求項2】
前記アンギオスタチン断片K1-3はヒト、マウスあるいはほかの哺乳動物由来の血プラスミノーゲン断片K1-3またはその活性を有する断片、突然変異体、誘導体、異性体、又はこれらの組み合わせである、請求項1に記載の複合体。

【請求項3】
前記アンギオスタチン断片K1-3はSEQ ID NO:1に示す配列を有するヒトアンギオスタチン断片K1-3またはその活性を有する断片、突然変異体、誘導体、異性体、又はこれらの組み合わせである、請求項2に記載の複合体。

【請求項4】
前記アンギオスタチン断片K1-3は組換えアンギオスタチン断片K1-3である、請求項1に記載の複合体。

【請求項5】
前記組換えアンギオスタチン断片K1-3はSEQ ID NO:2に示す配列を有するヒト組み換えアンギオスタチン断片K1-3またはその活性を有する断片、突然変異体、誘導体、異性体、又はこれらの組み合わせである、請求項4に記載の複合体。

【請求項6】
前記ヒト組み換えアンギオスタチン断片K1-3は大腸菌に発現され、N末端のMetが大腸菌に発現される場合にはランダムに削除される、請求項5に記載の複合体。

【請求項7】
前記修飾物とアンギオスタチン断片K1-3は共有結合によって結合される、請求項1-6のいずれに記載の複合体。

【請求項8】
前記修飾物がポリエチレングリコールである、請求項1に記載の複合体。

【請求項9】
前記ポリエチレングリコールがモノメチルポリエチレングリコールである、請求項8に記載の複合体。

【請求項10】
前記ポリエチレングリコールが直線性あるいは側鎖分岐のものである、請求項8に記載の複合体。

【請求項11】
前記ポリエチレングリコールの分子量が1,000~100,000ドルトンであり、分子量が20 kDaであるモノメチルポリエチレングリコールが好ましい、請求項8-10のいずれかに記載の複合体。

【請求項12】
一つのアンギオスタチン断片K1-3は一つあるいは複数のポリエチレングリコール分子と結合しており、結合の部位がアンギオスタチンのN末端のα-アミノ基、リジン残基側鎖のε-アミノ基、システイン酸残基側鎖のメルカプト基、アスパラギン酸残基側鎖のカルボキシル基、グルタミン酸残基側鎖のカルボキシル基からなる群から選択される一種またはそれらの組合であることを特徴とする、請求項8-10のいずれかに記載の複合体。

【請求項13】
一つのアンギオスタチン断片K1-3は一つあるいは複数のポリエチレングリコールと結合しており、結合の部位がアンギオスタチン断片K1-3のN末端のα-アミノ基またはSEQ ID NO:1に示す第2、7、15、17、24、69、94、97、121、125、128、129、150、175、215、228、246位のリジン残基側鎖のε-アミノ基またはそれらの組合であることを特徴とする、請求項12に記載の複合体。

【請求項14】
一つのアンギオスタチン断片K1-3は一つのポリエチレングリコールと結合しており、結合の部位がアンギオスタチン断片K1-3のN末端のα-アミノ基であることを特徴とする、請求項12に記載の複合体。

【請求項15】
SEQ ID NO:2を有するヒト組み換えアンギオスタチン断片K1-3は一つのポリエチレングリコールと結合しており、結合の部位がアンギオスタチン断片K1-3のN末端のα-アミノ基であることを特徴とする、請求項14に記載の複合体。

【請求項16】
SEQ ID NO:2を有するヒト組み換えアンギオスタチン断片K1-3は一つの20 kDaのモノメチルポリエチレングリコールと結合しており、結合の部位がアンギオスタチン断片K1-3のN末端のα-アミノ基であることを特徴とする、請求項15に記載の複合体。

【請求項17】
一つのアンギオスタチン断片K1-3は一つあるいは複数のポリエチレングリコールと結合しており、結合の部位がアンギオスタチン断片K1-3のアスパラギン酸あるいはグルタミン酸残基側鎖のカルボキシル基であることを特徴とする、請求項12に記載の複合体。

【請求項18】
一つのアンギオスタチン断片K1-3は一つあるいは複数のポリエチレングリコールと結合しており、結合の方法はアンギオスタチン断片K1-3分子内部またはそのN末端あるいはC末端にシステイン酸あるいはシステイン酸を含むペプチドを付加することによって、付加したシステイン酸残基側鎖のメルカプト基を結合の部位とする、請求項8-11のいずれかに記載の複合体。

【請求項19】
請求項1-18のいずれかに記載の複合体と生体適合性物質とからなる徐放性製剤。

【請求項20】
前記徐放性製剤はマイクロカプセル、ヒドロゲル、マイクロスフェア、マイクロ浸透ポンプ又はリポソームからなる群から選択されるものである、請求項19に記載の徐放性製剤。

【請求項21】
請求項1-20のいずれかに記載の複合体あるいは徐放性製剤および薬学的に許容できる担体を含む薬物組成物。

【請求項22】
請求項1-21のいずれかに記載の複合体、徐放性製剤あるいは薬物組成物及び使用説明書を含むキット。

【請求項23】
活性化されたポリエチレングリコールとアンギオスタチン断片K1-3が反応できる十分な溶液、温度、pH、モル比の条件で、活性化されたポリエチレングリコールとアンギオスタチン断片K1-3を混合することを含む、請求項8-18のいずれかに記載の複合体の製造法。

【請求項24】
pHが5-7であり、ポリエチレングリコールとアンギオスタチン断片K1-3のモル比が1:1~10:1である、請求項23に記載の方法。

【請求項25】
さらに結合産物を陽イオンカラムで精製することを含む、請求項24に記載の方法。

【請求項26】
請求項1-21のいずれかに記載の複合体、徐放性製剤又は薬物組成物の抗腫瘍薬の製造においての使用。

【請求項27】
前記腫瘍は肺ガン、神経内分泌腫瘍、結腸ガン、骨ガン、肝臓ガン、胃ガン、膵臓ガン、口腔ガン、乳ガン、前立腺ガン、リンパ腫、食道ガン、口腔ガン、上咽頭ガン、子宮頸ガン、肉腫、腎ガン、胆ガン、悪性黒色腫または他の腫瘍からなる群から選択されるものである、請求項26に記載の使用。

【請求項28】
請求項1-21のいずれかに記載の複合体、徐放性製剤又は薬物組成物の非腫瘍疾患の治療薬の製造においての使用であって、前記の疾患は新血管形成の異常によるヒトの組織あるいは器官の病変であることを特徴とする使用。

【請求項29】
前記薬物が静脈注射、点滴静脈注射、皮下注射、筋肉注射、腹腔注射、皮下包埋、経皮吸収、肝動脈注射、経口投与、鼻粘膜投与、口腔粘膜投与、眼部投与、直腸投与、膣内投与またはほかの臨床投与法に適用する、請求項26-28のいずれかに記載の使用。

【請求項30】
アンギオスタチン断片K1-3の半減期を延長する方法であって、前記方法は修飾物とアンギオスタチン断片K1-3を複合体に形成する工程を含んでおり、前記修飾物はポリエチレングリコールあるいはほかの高分子ポリマー、タンパク質分子またはその断片、ペプチド、小分子、またはほかのいかなる形態の化学物質からなる群から選択されるものである方法。

【請求項31】
アンギオスタチン断片K1-3の半減期を延長する方法であって、前記方法はアンギオスタチン断片K1-3、または、修飾物とアンギオスタチン断片K1-3からなる複合体を生体適合性物質と徐放性製剤を形成する工程を含んでおり、前記修飾物はポリエチレングリコールあるいはほかの高分子ポリマー、タンパク質分子またはその断片、ペプチド、小分子、またはほかのいかなる形態の化学物質からなる群から選択されるものである方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
分野
  • 化学;冶金
  • 生活必需品
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