TOP > 中国の大学の特許 > 上海交通大学の特許一覧 > マグネシウム電池用電解液

マグネシウム電池用電解液

国内特許コード P150011718
掲載日 2015年3月30日
出願番号 特願2014-519405
公表番号 特表2014-521195
登録番号 特許第5956573号
出願日 平成24年7月30日(2012.7.30)
公表日 平成26年8月25日(2014.8.25)
登録日 平成28年6月24日(2016.6.24)
国際出願番号 CN2012079376
国際公開番号 WO2013020463
国際出願日 平成24年7月30日(2012.7.30)
国際公開日 平成25年2月14日(2013.2.14)
優先権データ
  • 201110254585.6 (2011.8.5) CN
発明者
  • 楊 軍
  • 郭 永勝
  • 張 帆
  • 王 菲菲
出願人
  • トヨタ自動車株式会社
  • 上海交通大学
発明の名称 マグネシウム電池用電解液
発明の概要 本発明は、マグネシウム電池分野に関するものであって、広い電気化学窓を有するマグネシウム電池用電解液を提供する。当該電解液は、有機マグネシウム塩と非プロトン性極性溶媒からなり、前記有機ホウ素マグネシウム塩は、ホウ素を中心としたルイス酸RBとマグネシウム含有のルイス塩基R 2‐nMgXとを合成してなる有機ホウ素マグネシウム塩錯体であって、nは0又は1を示し、RとR は、それぞれフルオロアリール基、アルキル化アリール基、アリール基、アルキル基、又はピロリジニル基を示し、Xはハロゲンを示す。前記溶媒は、エーテル類などの非プロトン性極性溶媒或いはそれらの混合溶媒である。当該電解液は、濃度が0.25~1mol/Lで、導電率が0.5~10mS/cmで、マグネシウムの析出‐溶出を可逆的に行うことができ、サイクル安定性がよく、広い電気化学窓(> 3.0V vs.Mg/Mg2+)を有する。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要



現在、実用性を有する二次電池系として、主に鉛酸電池、ニッケル水素電池、及びリチウムイオン電池がある。これらの電池は、我々の日常生活や社会経済発展において大事な役割を担っている。しかし、鉛酸電池は、そのエネルギー密度が低く、環境に対する汚染が大きいため、その使用は限られている。ニッケル水素電池は、技術が成熟し、安全性が高いため、ここ数年、ハイブリットシステムにおいて主流の電池となっている。しかし、ニッケル水素電池も、エネルギー密度が充分ではなく、その技術発展はもはや限界になっており、性能の更なる向上の余地があまりない。また、リチウム二次電池は、高いエネルギー密度、長いサイクルライフ、及び環境に優しいなどの長所を有するため、その研究開発が注目を浴びている。ところで、金属リチウムは、融点が低くて活性が高いとともに、有機電解液の多くにおいてリチウムの樹枝状結晶析出の現象が発生するため、現在では、黒鉛などのインターカレーション型負極材料をしか採用できない。しかも、リチウム二次電池の信頼性及び安全性上の問題はまだ解決されず、特に高エネルギー密度のリチウム二次電池として使用される場合、その安全性が懸念される。したがって、比エネルギーが高く、汚染がなく、且つ安全性の高い新型電池の開発は、電気化学研究の方向になっている。





金属マグネシウムは、負極としての理論比容量が2205 mAh/gで、電極電位が約-2.37V vs.SHEであるとともに、優れた導電性及び機械性を有する。特に、マグネシウムは、値段が安く(リチウムの約1/24)、安全性が高く、且つ環境に優しいという長所がある。そのため、マグネシウム電池は、安全性及びコストの面において優れている。したがって、マグネシウムを電極材料とする研究は、科学研究者に注目されている(The Journal of The Electrochemical Society, 1990, 137 (3): 775-780)。Aurbachなどの研究者のマグネシウム二次電池研究成果によれば、マグネシウム二次電池は、小型機器(例えば、携帯用電気機器)の分野でリチウムイオン電池と競争できないが、大型機器の用途では潜在的な優勢を有し、電動自動車やエネルギー蓄積装置に用いられるグリーン充電電池として活用できると思われている(Nature, 2000, 407 (6805): 724-727)。





マグネシウム二次電池の発展を制限する要因は、主に、多くの非プロトン電解質溶液において金属リチウムの表面に形成される不活性化膜とマグネシウムの表面に形成される不活性化膜との性質が異なることにある。リチウムの表面に形成される不活性化膜は、リチウムイオンの良導体であるが、マグネシウムの表面に形成される不活性化膜は、マグネシウムイオンの不良導体である。これにより、マグネシウムイオンが不活性化膜を通過できなくなり、その電気化学活性が制限される。マグネシウム二次電池の発展は、電解液の発展に大きく関連すると言える。





今までの研究結果によると、簡単なイオン化マグネシウム塩(例えば、MgCl、Mg(ClO、Mg(CFSOなど)の非プロトン性極性溶媒においてマグネシウムの可逆的析出が実現できない(Journal of Electroanalytical Chemistry, 1999, 466 (2): 203-217)。Mgは、グリニャール試薬のエーテル溶液において可逆的に析出-溶出することができる。しかし、一般のグリニャール試薬は、電気化学窓が狭く、活性が高いため、そのままマグネシウム二次電池用電解液として使用できない。1990年に、Gregoryらは、マグネシウムがMg[B(BuPh)]のエーテル溶液(Buはブチル、Phはフェニル)においても可逆的に析出することができると発表した(US patent,No.4894302)。なお、その電気化学窓が約1.9V(vs.Mg/Mg2+)であり、一般のグリニャール試薬に比べて、何百mVも高い。当該電解液を利用して始めてマグネシウム二次電池: Mg||0.25 mol/L Mg[B(BuPh)]/70%THF+30%DME||Coを組み立てた。この電池系において、正極活性物質の利用率が86%で、充放電のクーロン効率が99%であった。この電池は、放電電圧が低く、且つ極性化がひどいが、マグネシウム二次電池が技術的に使用可能であることを証明した。

産業上の利用分野



本発明は、マグネシウム電池用電解液に関する。特に、広い電気化学安定窓を有するとともに、マグネシウムの可逆的析出特性が優れるマグネシウム電池用電解液に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
有機ホウ素マグネシウム塩を溶質として、0.2~1mol/Lの濃度で有機エーテル類の非プロトン性極性溶媒に配合してなり、
前記有機ホウ素マグネシウム塩は、ホウ素を中心としたルイス酸RBとマグネシウム含有のルイス塩基R’MgXとを合成してなる有機ホウ素マグネシウム塩錯体であって、RとR’は、それぞれフルオロアリール基、アルキル化アリール基、アリール基、アルキル基、又はピロリジニル基を示し、Xはハロゲンを示すことを特徴とするマグネシウム電池用電解液。

【請求項2】
前記ホウ素を中心としたルイス酸の化学式はRBであって、Rはアルキル化アリール基、フルオロアリール基、アリール基、又はアルキル基を示すことを特徴とする請求項1に記載のマグネシウム電池用電解液。

【請求項3】
前記ホウ素を中心としたルイス酸は、以下の構造式で示す化合物からなる群から選ばれた少なくとも一つであることを特徴とする請求項2に記載のマグネシウム電池用電解液。
【化1】



【請求項4】
前記有機ホウ素マグネシウム塩錯体において、ルイス酸とルイス塩基とのモル配合比率は1:1~1:3であることを特徴とする請求項1に記載のマグネシウム電池用電解液。

【請求項5】
前記有機エーテル類の非プロトン性極性溶媒及びそれらの混合溶媒は、溶媒として有機マグネシウム塩を溶解するとともに、有機金属マグネシウム塩と配位し、有機エーテル類の非プロトン性極性溶媒として、テトラヒドロフラン、2‐メチルテトラヒドロフラン、ジェチルエーテルジブチルエーテル、1,3-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、ジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテルを含むことを特徴とする請求項1に記載のマグネシウム電池用電解液。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2014519405thum.jpg
出願権利状態 登録
分野
  • 電気
  • 化学;冶金
※ 特許の内容に興味を持たれた方は、下記問合せ先にご相談下さい。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close