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メルカプト基を含有する多官能基の多面体オリゴマーシルセスキオキサン化合物及びその組成物、並びにインプリント用ソフトテンプレート

国内特許コード P150011719
掲載日 2015年3月30日
出願番号 特願2014-534914
公表番号 特表2015-501296
出願日 平成24年3月15日(2012.3.15)
公表日 平成27年1月15日(2015.1.15)
国際出願番号 CN2012000319
国際公開番号 WO2013060087
国際出願日 平成24年3月15日(2012.3.15)
国際公開日 平成25年5月2日(2013.5.2)
優先権データ
  • 201110332455.X (2011.10.27) CN
発明者
  • 林 宏
  • 姜 学 松
  • 印 杰
  • 鍛 治 誠
出願人
  • 上海交通大学
  • 日立化成株式会社
発明の名称 メルカプト基を含有する多官能基の多面体オリゴマーシルセスキオキサン化合物及びその組成物、並びにインプリント用ソフトテンプレート
発明の概要 本発明は一般式(1)に示すメルカプト基を含有する多官能基の多面体オリゴマーシルセスキオキサン化合物及びインプリント用ソフトテンプレートを製造するための組成物、並びにインプリント工程に関する。
(SiO1.5)m ・(SiO1.5CHCHCHSR)n (1)
式中、Rは-CH-CH-CH-SHであり、mは3~12の整数を示し、Rはそれぞれ、置換されていない或いは置換基で置換されたアルキル基、置換されていない或いは置換基で置換されたアルコキシ基、置換されていない或いは置換基で置換されたエステル基及び置換されていない或いは置換基で置換されたアリール基であり、前記の置換基はハロゲンであり、nは1~12の整数を示し、その組成物は高疎水性のフォトレジストであり、それをナノインプリントテンプレートの製造に用いると、高精度の構造が得られ、テンプレートのリサイクル率を向上させる。
従来技術、競合技術の概要



ナノインプリントリソグラフィーは最も応用将来性を有する次世代のリソグラフィーの一つとみなされる。その機械インプリントの原理に基づき、ナノインプリント技術が実現できる図形解像度は、他の従来技術における光回折或いは粒子束の散乱による制限を超えて、低コスト、高解像度、高産出等の利点を有する。





そのうち、テンプレートは、ナノインプリントリソグラフィー(Nanoimprint lithography、NIL)と従来の光学リソグラフィー工程との最大の違いであり、インプリント特徴の初期キャリアとしてのテンプレートは、インプリントパターンの質量を直接に決定し、高質量のインプリントのレプリカを実現する為に、高質量のインプリントテンプレートが必要である。従来の光学リソグラフィーに使用されるマスク(4X)とは異なり、ナノインプリントリソグラフィーに1X型板(mold)を使用し、テンプレートの製造、チェック及び修復技術の点で更なる挑戦を直面する。現在、テンプレートの製造はNILに対して最大の技術難関(ボトルネック)になり、ナノインプリントリソグラフィーに対する研究の進展及び応用分野の拡大につれて、NILテンプレートの製造はますます重要になり、より厳しい挑戦に直面する。従って、テンプレートの製造は、現在にナノインプリントリソグラフィーの最も重要な研究の焦点の一つになり、特に三次元テンプレート、大面積テンプレート及び高解像度テンプレートの作成、テンプレート欠点のチェック及び修復は、現在と将来の最も緊急なニーズ、最も主な研究の焦点と挑戦である。





従来のインプリントの担体テンプレートは石英から作成され、高コストだけでなく、壊れやすく、動作を繰り返した後、エッチング接着剤がテンプレートの表面に付着し易く、これらの残された硬化ポリマーは構造の複製精密度を壊しやすい。同時に、テンプレートは多回使用された後、再びフッ素化処理する必要があり、多回の処理は材料の構造自身に破壊作用がある。よって、石英テンプレートの替りに、コスト削減とテンプレート利用率を向上させる新しい材料が切に求められている。現在、多くの研究チームは、ソフトテンプレートの研究に専心している。ソフトテンプレートは、基材がソフトな材料より制作されたテンプレートを指し、普通、レジストをプレポリマーとし、インプリント技術によってその表面にパターンを制作し、熱硬化或いは紫外線光硬化で成型し、反転複製パターンのポリマーソフトテンプレートが得られる。ハードテンプレートと比べ、ソフトテンプレートは、制作工程が簡単であり、コストを大幅に削減できる同時に、その自身のソフトな基材によって、ハード材料の曲げできない欠点を克服でき、インプリントの質量を大きく向上する。





従来技術に対する検索より、現在最も成功的に市販化された、ソフトテンプレートの製造に応用されたインプリント用フォトレジストの製品はポリジメチルシロキサン(PDMS)である。PDMSは、マイクロ流体等の分野に広く使われるポリマー材料であり、低コスト、簡単に使用でき、シリコンウエハーとの優れた粘着性を有すると共に、優れた化学不活性を有し、チップパッケージ等の分野によく使われる。優れた光透過率、より低い表面エネルギー(21.6mJ/cm)と収縮率を有するとともに、優れた耐溶媒性能を有するので、近年、PDMS材料はソフトテンプレート製造のホットスポットになってくる。然し、PDMSの粘度が大きく、硬化してから膜の機械性能がより悪く、耐摩耗性が悪く、特に高精度、高解像度のパターンを作られないので(パターンの構造が200nmより小さいと、PDMSテンプレート構造は壊れ易く、変形し易い)、この材料の更なる応用を制限する。リソグラフィーの発展に従って、精密度に対する要求が高まって行き、現在、大規模集積回路チップの特徴線は既に45nmの平均線幅に達成し、国際的にたくさんの会社は更なる小さい線サイズに向けて努力している。自明ながら、PDMS材料は、もはやソフトテンプレートとしてソフトな膜の技術の要求に適応しなくなる。





近年、チオール/アルケン系紫外線フォトレジストは、クリック化学(click chemistry)の高効率、高速、反応条件が優しい等の特徴を有するので、更なる応用前景を示す。メルカプト基/アルケン系紫外線光重合反応は、メルカプト基(-SH)を二つ以上有するモノマーと不飽和炭素炭素二重結合(-C=C-)モノマーとのフリーラジカルが逐次に重合する反応を指す。(メタ)アクリレート紫外線光塊状重合反応と比べ、体系にメルカプト基を含む共重合モノマーを導入するので、実質的に重合メカニズムを変化させ、光重合反応をフリーラジカル連鎖重合からフリーラジカルの逐次共重合に変化させ、ポリマーの分子量が逐次に増加し、ゲル現象の発生を遅らせ、酸素の重合障害効果を有効的に下げ、二重結合の転化率を大きく向上し、ポリマーの体積収縮を減少する。且つ、メルカプト基/アルケン系モノマー光重合反応に必要な光開始剤の使用量は非常に少なく、使わなくても良いので、光硬化により厚い製品を製造するのは可能になる。





ポリマーの機械性能の改善や向上の為に、一般的に無機充填材を添加するが、無機粒子そのものとポリマー前駆体の不両立性によって、多量に混ぜると、体系が相分離し、材料の性能に大きく影響する。最近、新規有機シリコン高分子材料の研究はだんだん注目されている。そのうち、多面体オリゴマーシルセスキオキサンPOSS(Polyhedral Oligomeric Silsesquioxane)はより広く応用されるシロキサンの一種であり、その基本組成としてSi-O結合が主鎖になり、側鎖はケイ素原子とつながる各種の有機基であるので、シロキサン材料の構造に有機基も含み、無機骨格も含む。POSSモノマーは混合の過程に可溶であるので、本当の意味に分子レベルで分散するポリマーを形成したと認められる。POSSは、多くのナノ材料添加剤が達成できない特徴を有する。例えば、POSS骨格はナノレベルでポリマーの基体に分散し、密度が小さく、単分散性がよく、吸湿しなく、熱安定性が高いと言う利点を有し、そして、優れた相容性を有しので、共混合の際に、複合材料の相界面が弱いと言う不備を克服できる。このシロキサンとほかの有機高分子とを重合させ、有機/無機ナノ複合材料を製造できる。無機ナノ相の存在によって、材料は性能上で大きく向上し、高性能と機能性材料を製造する重要な手段になり、現在の材料科学において最も生命力のある分野の一つである。





米国特許US007691275B2には、活性水素官能基を含有するPOSS化合物、及びそれと二重結合系官能基のモノマーとを組み合わせ、インプリントレジスト組成物を形成し、更に紫外線ナノインプリントでナノパターンを形成することを開示した。特許US20110062619A1には、メトキシシロキサン官能基を含有するPOSS化合物を製造する方法、及びこのPOSS化合物を熱重合の方法によりナノインプリントに用いることを開示した。特許US20080166871A1には、アクリレート或いはエポキシ官能基を含むPOSS、及びこのPOSS化合物をほかの希釈剤、光開始剤とともにインプリントレジスト組成物を形成し、更に紫外線ナノインプリントによってナノパターンを形成することを開示した。自明ながら、従来技術において、POSS化合物をインプリント組成物の必要成分とし、ポリマー膜の機械性能、熱性能、耐エッチング性能等を顕著的に向上できる。然し、従来技術において、POSS化合物をインプリント用ソフトテンプレートに応用する研究は比較的に少なく、同時に従来の紫外線フォトレジストそのものの欠点、例えば、アクリレート系レジストに対して、POSS化合物を導入しても、酸素の重合障害と言う欠点を生じ、パターン表面縁の不備を導くこと、及びアクリレートの低収縮率の特性によって、ソフトテンプレートの精密度に影響する。エポキシ樹脂系レジストは、より高い表面エネルギーによって、通常、直接にソフトテンプレートとして使用できなく、パターン表面にフッ素含有の基で修飾することによって表面エネルギーを下げる必要が有るので、過程が煩雑である。同時に、エポキシ樹脂の低耐湿性、熱による黄変と言う不備によって、必ずソフトテンプレートの使用回数を大きく制限する。

産業上の利用分野



本発明は、マイクロエレクトロニクスとナノエレクトロニクスにおけるマイクロナノ加工分野に属し、メルカプト基を含有する多官能基の多面体オリゴマーシルセスキオキサン化合物(「多面体オリゴマーシルセスキオキサン化合物」を「Polyhedral Oligomeric Silsesquioxane、略語POSS」と略称する)及びインプリント用ソフトテンプレートを製造するための組成物、並びにインプリント用ソフトテンプレートに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
一般式(1)に示すメルカプト基を含有する多官能基の多面体オリゴマーシルセスキオキサン化合物、
(SiO1.5)m ・(SiO1.5CHCHCHSR)n (1)
[式中、Rは-CH-CH-CH-SHであり、mは3~12の整数を示し、Rはそれぞれ、置換されていない或いは置換基で置換されたアルキル基、置換されていない或いは置換基で置換されたエステル基、及び置換されていない或いは置換基で置換されたアリール基であり、前記置換基はハロゲン原子又はケイ素原子であり、nは1~12の整数を示す]。

【請求項2】
は、それぞれ置換されていない或いは置換基で置換されたC-C10アルキル基、置換されていない或いは置換基で置換されたC-C15エステル基、又は置換されていない或いは置換基で置換されたC-C20アリール基であり、前記置換基はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子又はケイ素原子であることを特徴とする請求項1に記載の化合物。

【請求項3】
前記C-C15エステル基はフッ素で置換されたC-C15エステル基であることを特徴とする請求項2に記載の化合物。

【請求項4】
前記フッ素で置換されたC-C15エステル基は、プロピオン酸3、3、4、4、5、5、6、6、7、7、8、8、8-トリデカフルオロオクチル基、又は2-メチル-プロピオン酸2、2、3、3、4、4、5、5、6、6、7、7-ドデカフルオロヘプチル基であることを特徴とする請求項3に記載の化合物。

【請求項5】
前記C-C20アリール基はフェネチル基であることを特徴とする請求項2に記載の化合物。

【請求項6】
前記C-C10アルキル基はフッ素で置換されたC-C10アルキル基であることを特徴とする請求項2に記載の化合物。

【請求項7】
前記フッ素で置換されたC-C10アルキル基は1、1、1、2、2、3、3、4、4、5、5、6、6、7、7、8、8-ヘプタデカフルオロデシル基であることを特徴とする請求項6に記載の化合物。

【請求項8】
請求項1~7の何れか一項に記載の化合物を含む、インプリント工程におけるソフトテンプレートの製造に用いられる組成物。

【請求項9】
一般式(2)の化合物と、架橋剤と、光開始剤とを更に含むことを特徴とする請求項8に記載の組成物、
CHR=CR (2)
[一般式(2)におけるR、R及びRはそれぞれ、水素原子、C-C20アルキル基、C-C20アルコキシ基、C-C20アリール基、C-C20エステル基、C-C20シクロアルキル基、C-C20イミド系基であり、前記の一般式(2)はハロゲン原子又はケイ素原子で置換されていてもよい]。

【請求項10】
前記一般式(2)の化合物は、C-C15オレフィン、C-C15ビニルエーテル、C-C15ビニルアミド、C-C20(メタ)アクリレートより選択され、前記の置換基はフッ素原子又はケイ素原子であることを特徴とする請求項9に記載の組成物。

【請求項11】
前記C-C15オレフィンは、1-ブチレン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、パーフルオロヘキセン、パーフルオロヘプテン又はフッ化ヘプチリデンより選択され;前記C-C15ビニルエーテルは、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、へキシレングリコールビニルエーテル、2、2、2-トリフルオロエチルビニルエーテル又は2-パーフルオロプロポキシパーフルオロプロピルトリフルオロビニルエーテルより選択され;前記C-C20(メタ)アクリレートは、クロトネート、ベンジルメタクリレート、フェノキシエチレングリコールアクリレート、1H、1H、2H、2H-パーフルオロオクチルアクリレート、1H、1H、2H、2H-パーフルオロデシルアクリレート又は1H、1H、7H-ドデカフルオロヘプチルメタクリレートより選択されることを特徴とする請求項10に記載の組成物。

【請求項12】
前記の一般式(2)の化合物はベンジルメタクリレート、1H、1H、2H、2H-パーフルオロオクチルアクリレート、又は1H、1H、2H、2H-パーフルオロデシルアクリレートであることを特徴とする請求項9~11の何れか一項に記載の組成物。

【請求項13】
前記架橋剤は、1、4-ブタジエン、2、5-ジメチル-1、5-ヘキサジエン-3-オール、パーフルオロヘキサジエン、1、3-ジビニル-1、1、3、3-テトラメチルジシロキサン、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1、6-ヘキサンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、1、6-ジ(アクリロキシ)-2、2、3、3、4、4、5、5-オクタフルオロヘキサン、1、5-ジ(アクリロキシ)-2、2、3、3、4、4-ヘキサフルオロペンタン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートより選択されることを特徴とする請求項9に記載の組成物。

【請求項14】
前記一般式(1)の化合物が5~65質量%であり、一般式(2)の化合物が10~60質量%であり、架橋剤が5~45質量%であり、光開始剤が0.3~3質量%であり、各成分の質量の合計が100%であることを特徴とする請求項8~13の何れか一項に記載の組成物。

【請求項15】
請求項8~14の何れか一項に記載の紫外線フォトレジスト組成物からなるインプリント用ソフトテンプレート。

【請求項16】
(1)基板である石英片(3)を修飾する工程、
(2)300rpmで10秒間スピンコーティングした後、3000rpmで20秒間スピンコーティングする条件で、得られた膜厚が750±5nmであるように、請求項8~14の何れか一項に記載の組成物のインプリント紫外線フォトレジスト(2)を前記修飾された石英片(3)の表面にスピンコーティングする工程、
(3)紫外線フォトレジスト(2)付けの石英片(3)を石英テンプレート(1)と接触させ、インプリント機に置き、3分間減圧し、石英テンプレート(1)に100Nの圧力をかけ、紫外線で3分間感光させ、フォトレジストが硬化した後、離型し、続いて100℃で1時間引き続きエージングさせ、エージング後のポリマーをインプリント用ソフトテンプレートとして使用し、ソフトテンプレート(4)を形成する工程、
を含むことを特徴とするインプリント用ソフトテンプレートの製造方法。

【請求項17】
請求項15のソフトテンプレートを使用したことを特徴とするフォトレジストをインプリントする工程及び当該工程によって得られたインプリントパターン。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2014534914thum.jpg
出願権利状態 公開
分野
  • 化学;冶金
  • 電気
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