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スピロシクロピペラジン類の第四級アンモニウム塩化合物、その製造方法および使用

国内特許コード P150011721
掲載日 2015年3月30日
出願番号 特願2009-514620
公表番号 特表2009-539889
出願日 平成19年6月15日(2007.6.15)
公表日 平成21年11月19日(2009.11.19)
国際出願番号 CN2007001887
国際公開番号 WO2007147346
国際出願日 平成19年6月15日(2007.6.15)
国際公開日 平成19年12月27日(2007.12.27)
優先権データ
  • 200610086917.3 (2006.6.16) CN
発明者
  • リ,ルンタオ
  • スン,クィ
  • イェ,ジア
  • ユエ,カイキン
  • ワン,ジン
  • ジェ,ゼメイ
  • リ,チャンリン
  • チェン,ティエミン
出願人
  • 北京大学
発明の名称 スピロシクロピペラジン類の第四級アンモニウム塩化合物、その製造方法および使用
発明の概要 一般式(I)により表わされる化合物、それらの立体異性体、互変異性体、プロドラッグ、医薬的に許容できる塩類、およびそれらの製造方法または鎮痛薬の調製のための使用。式中:Rは、H、置換もしくは非置換フェニル、または置換もしくは非置換ヘテロアリールから選択され;Aは、結合、または飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分枝鎖炭化水素基であり;R、Rは、それぞれ独立して水素またはメチルであり、スピロシクロ構造のいずれかの位置に結合しており;nおよびmは、それぞれ独立して0~2の整数であり、mとnが同時にゼロであることはなく;BおよびDは、それぞれ独立してC-C直鎖または分枝鎖アルキレンであり;Yは、-CHR-、O、S、-S(O)-、-SO-、-NR-、および置換または非置換フェニレンから選択され、ここでRはH、C-C飽和もしくは不飽和アルキル、メチルまたはエチルを表わし、これらは置換または非置換アリールまたはヘテロアリールで置換されており;Xは、医薬的に許容できる有機または無機アニオンである。これらの化合物は、ムスカリン受容体(M-受容体)および/またはニコチン性アセチルコリン受容体(N-受容体)のアゴニストまたはアンタゴニストとして使用できる。これらの化合物は良好な鎮痛作用をもち、耽溺性などの副作用をもたない。



従来技術、競合技術の概要
臨床において一般的な疾患である疼痛は3タイプに分けられる:身体痛、炎症痛および神経痛。現在、臨床的に用いられている鎮痛薬には主に2つのカテゴリー、すなわち非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)およびアヘン製剤が含まれる。 非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)は、急性および慢性の疼痛を治療するために広く用いられている。それらはアヘン製剤の佐剤としても使用できる。一般に用いられている非ステロイド系抗炎症薬には、アスピリン、イブプロフェン、インドメタシン、ジクロフェナク、ケトドラックおよびアセトアミノフェンが含まれる。残念ながらNSAIDは消化管刺激および潰瘍など、ある種の副作用を示す。

臨床において、非ステロイド系抗炎症薬が疼痛を完全には鎮静できない場合、それらをアヘン製剤と併用する。モルヒネおよびコデインなどの慣用されるアヘン製剤は、中等度ないし重度の疼痛を治療することができる。アヘン製剤は有効な鎮痛作用をもつが、耽溺性、耐薬性および呼吸抑制などそれらの重篤な副作用のため、それらの臨床適用は厳格に規制されている。

最近、本発明者らは中国特許出願CN01142111.8に式I~IVにより表わされるピペラジン類の第四級アンモニウム塩化合物を開示した;これらは、有効な鎮痛作用をもち、NSAIDまたはアヘン製剤のような副作用をもたない新規化合物である。それらの構造を下記に示す:

【化1】




前記の特許出願に基づき、本発明において本発明者らは、良好な鎮痛機能をもち、耽溺性のない、スピロシクロ構造をもつ一連の新規なピペラジン類の第四級アンモニウム塩化合物をさらに見いだした。

産業上の利用分野
本発明は、ムスカリン受容体(M-受容体)アゴニストもしくはアンタゴニストおよび/またはニコチン性アセチルコリン受容体(N-受容体)アゴニストもしくはアンタゴニストに関する。特に、本発明は鎮痛活性をもつスピロシクロピペラジン類の第四級アンモニウム塩化合物、それらの製造方法および使用に関する。
特許請求の範囲 【請求項1】
一般式(I)により表わされる化合物:

【化1】



またはそれらの立体異性体、互変異性体、プロドラッグ、医薬的に許容できる塩類
[式中:
は、H、置換もしくは非置換フェニル、または置換もしくは非置換ヘテロアリールであり;
Aは、結合、または飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分枝鎖炭化水素基であり;
、Rは、それぞれ独立して水素、またはメチルであり、スピロシクロ構造のいずれかの位置に結合しており;
nおよびmは、それぞれ独立して0~2の整数であり、ただしmとnが同時にゼロであることはなく;
BおよびDは、それぞれ独立してC-C直鎖または分枝鎖アルキレンであり;
Yは、独立して-CHR-、O、S、-S(O)-、-SO-、-NR-、および置換または非置換フェニレンよりなる群から選択され、ここでRはH、C-C飽和もしくは不飽和アルキル、置換または非置換のアリールまたはヘテロアリールで置換されたメチルまたはエチルを表わし;
は、医薬的に許容できる有機または無機アニオンである]。

【請求項2】
は、置換もしくは非置換フェニルまたは置換ヘテロアリールであり、1個以上の置換基を含み;置換基はハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アルキル、アルコキシおよびアルコキシカルボニルよりなる群から選択され;その際、アルキルまたはアルコキシは1~6個の炭素原子を含む直鎖基または分枝鎖基であり、アルコキシカルボニルは合計2~6個の炭素原子を含む基である、請求項1に記載の化合物。

【請求項3】
は、置換もしくは非置換換ヘテロアリールであり、ヘテロアリールはN、OおよびSから選択される1~4個のヘテロ原子を含む5員環または6員環、好ましくはピリジル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリミジニルまたはピリダジニル、より好ましくはピリジルまたはピリダジニルである、請求項1に記載の化合物。

【請求項4】
AはC-C飽和直鎖アルキレン、または直鎖部分に3個の炭素原子を含む分枝鎖もしくは直鎖アルキレンであり;Rが置換もしくは非置換換ヘテロアリールである場合、Aは結合である、請求項1に記載の化合物。

【請求項5】
-A-基は、p-メチルフェニル、p-メトキシフェニル、p-ニトロフェニル、m-ニトロフェニル、p-クロロフェニル、o-メチルフェニル、o-フルオロフェニル、m-フルオロフェニル、m-ヒドロキシフェニル、m-シアノフェニル、m-エトキシカルボニル-フェニル、m-メトキシカルボニル-フェニル、m-アミノフェニル、o-ニトロフェニル、メチルピリジル、ジメチルピリジル、クロロピリジル、メチルピリダジニルまたはクロロピリダジニルである、請求項2~4のいずれか1項に記載の化合物。

【請求項6】
mおよびnは両方とも1であり;BおよびDは、それぞれ独立して-CH-、-(CH-、-(CH-、-CH(CH)-、-CHCHCH-および-CHCH(CH)-よりなる群から選択され;Yは、-CH-、-CH(CH)-、-O-、-S-、-N(CH)-、-N(Et)-、および非置換o-フェニレンよりなる群から選択され;Xはハライドアニオン、好ましくはクロライドアニオンまたはブロマイドアニオンである、請求項1に記載の化合物。

【請求項7】
化合物が下記のものである、請求項1に記載の化合物:
3-(β-フェニルエチル)-3,6-ジアザスピロ[5.5]ウンデカンクロライド;
3-メチル-9-(β-フェニルエチル)-3,6,9-トリアザスピロ[5.5]ウンデカンクロライド;
3-(β-フェニルエチル)-3,6-ジアザスピロ[5.5]-ベンゾ[8,9]ウンデカンクロライド;
3-メチル-9-ベンジル-3,6,9-トリアザスピロ[5.5]ウンデカンクロライド;
2,4-ジメチル-9-β-(p-ニトロフェニル)エチル-3-オキソ-6,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカンクロライド;
3-メチル-9-(β-フェニルエチル)-6,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカンクロライド;
2,4-ジメチル-9-β-(p-メトキシフェニル)エチル-3-オキソ-6,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカンクロライド;
2,4-ジメチル-9-β-(m-フルオロフェニル)エチル-3-オキソ-6,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカンクロライド;
2,4-ジメチル-9-β-(m-ニトロフェニル)エチル-3-チオ-6,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカンクロライド;
2,4-ジメチル-9-β-フェニルエチル-3-オキソ-6,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカンクロライド;
8-(4-クロロ-2,3-ピリダジニル)-5,8-ジアザスピロ[4.5]デカンクロライド;
8-(β-フェニルエチル)-5,8-ジアザスピロ[4.5]デカンクロライド;
3-(β-フェニルエチル)-3,6-ジアザスピロ[5.6]ドデカンクロライド;
9-β-フェニルエチル-3-オキソ-6,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカンクロライド;
8-(p-ニトロフェニル)-5,8-ジアザスピロ[4.5]デカンブロマイド;
8-(m-ニトロフェニル)-5,8-ジアザスピロ[4.5]デカンブロマイド;
3-(p-ニトロフェニル)-3,6-ジアザスピロ[5.6]ドデカンブロマイド;
8-フェニル-5,8-ジアザスピロ[4.5]デカンブロマイド;
8-(p-メトキシフェニル)-5,8-ジアザスピロ[4.5]デカンブロマイド;
8-(m-ヒドロキシフェニル)-5,8-ジアザスピロ[4.5]デカンブロマイド;
8-(m-フルオロフェニル)-5,8-ジアザスピロ[4.5]デカンブロマイド;
8-(m-シアノフェニル)-5,8-ジアザスピロ[4.5]デカンブロマイド;
8-(m-エトキシカルボニルフェニル)-5,8-ジアザスピロ[4.5]デカンブロマイド;
8-(4-クロロ-3-ピリジル)-5,8-ジアザスピロ[4.5]デカンブロマイド;
8-(3-ピリジル)-5,8-ジアザスピロ[4.5]デカンブロマイド;
8-(m-アミノフェニル)-5,8-ジアザスピロ[4.5]デカンブロマイド;
8-(m-メトキシカルボニルフェニル)-5,8-ジアザスピロ[4.5]デカンブロマイド;
2,4-ジメチル-9-アリル-3-オキソ-6,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカンクロライド;
2,4-ジメチル-9-γ-フェニルプロピル-3-オキソ-6,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカンクロライド;
2,4-ジメチル-9-シンナミル-3-オキソ-6,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカンクロライド;
2,4-ジメチル-9-(2-ピリジル)-3-オキソ-6,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカンクロライド;
8-(m-ニトロフェニル)-7-メチル-5,8-ジアザスピロ[4.5]デカンブロマイド;および
2,4,7-トリメチル-9-β-フェニルエチル-3-オキソ-6,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカンクロライド。

【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物を製造するための、下記を含む方法:
(1)触媒の存在下に、化合物(A)と化合物(B)を溶媒中で40~140℃において反応させて化合物(C)を製造する;その際、溶媒はアルコール類、ケトン類、ニトリル類、塩素化炭化水素、ベンゼン系溶媒、DMSOおよびDMFよりなる群から選択され;触媒は無機塩基または有機塩基である:

【化2】



(2)得られた生成物(C)を0~80℃の温度で塩素化して化合物(D)を得る;その際、塩素化に際して使用する溶媒は非プロトン溶媒であり、使用する塩素化剤は塩化チオニル、三塩化リンおよび五塩化リンよりなる群から選択される:

【化3】



(3)触媒の存在下に、化合物(D)と化合物(E)を溶媒中で40~140℃において反応させて目的化合物(I)を製造する:

【化4】



その際、溶媒はアルコール類、ケトン類、ニトリル類、塩素化炭化水素、ベンゼン系溶媒、DMSOおよびDMFよりなる群から選択され;触媒は無機塩基または有機塩基である。

【請求項9】
工程(1)および(3)において、反応温度は80℃であり;使用する溶媒はメタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、アセトン、トルエン、ベンゼン、DMSO、DMF、クロロホルム、ジクロロメタンおよびグリコールよりなる群から選択され、好ましくはエタノールであり;触媒は、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩よりなる群から選択される無機塩基、またはトリエチルアミンおよびイソプロパノールアミンよりなる群から選択される有機塩基であり;触媒は好ましくは、それぞれ工程(1)においては炭酸ナトリウム、工程(3)においては炭酸水素ナトリウムであり;工程(2)において、溶媒はクロロホルムであり、塩素化剤は塩化チオニルであり、反応温度は50℃である、請求項8に記載の方法。

【請求項10】
請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物を製造するための、下記を含む方法:
(1)触媒の存在下に、化合物(F):

【化5】



とR-A-Xの化合物(B)を溶媒中で反応させて中間化合物(G)を製造する;R-A-Xが非芳香族ハロゲン化物である場合、反応温度は40~140℃であり、溶媒はアルコール類、ケトン類、ニトリル類、塩素化炭化水素、ベンゼン系溶媒、DMSOおよびDMFよりなる群から選択され、触媒は各種の無機塩基または有機塩基であり;R-A-Xが芳香族ハロゲン化物である場合、反応温度は-20~140℃であり、溶媒はプロトン溶媒であり、触媒はヨウ化銅(I)、塩化銅(I)、臭化銅(I)および酸化銅(I)よりなる群から選択され、無機塩基を同時に添加し、無機塩基はリン酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムおよび水酸化ナトリウムよりなる群から選択される:

【化6】



(2)触媒の存在下に、得られた化合物(G)と化合物(H):
X-B-Y-D-X H
を40~140℃の温度で溶媒中において反応させて、目的化合物(I)を製造する;その際、溶媒はアルコール類、ケトン類、ニトリル類、塩素化炭化水素、ベンゼン系溶媒、DMSOおよびDMFよりなる群から選択され;使用する触媒は無機塩基または有機塩基である。

【請求項11】
工程(1)において、化合物(III)が非芳香族ハロゲン化物である場合、溶媒はメタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、アセトン、トルエン、ベンゼン、DMSO、DMF、クロロホルムおよびジクロロメタンよりなる群から選択され、好ましくはエタノールであり;触媒は、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩よりなる群から選択される無機塩基、またはトリエチルアミンもしくはイソプロパノールアミンよりなる群から選択される有機塩基、好ましくは炭酸ナトリウムであり;反応温度は80℃であり;化合物(III)が芳香族ハロゲン化物である場合、プロトン溶媒はメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、グリコールおよびグリセロールよりなる群から選択され、好ましくはイソプロパノールであり;触媒はヨウ化銅(I)であり、リン酸カリウムを同時に添加し;工程(2)において、溶媒はメタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、アセトン、トルエン、ベンゼン、DMSO、DMF、クロロホルム、ジクロロメタンおよびグリコールよりなる群から選択され、好ましくはエタノールであり;触媒は、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩よりなる群から選択される無機塩基、またはトリエチルアミンもしくはイソプロパノールアミンよりなる群から選択される有機塩基、好ましくは炭酸水素ナトリウムであり;反応温度は80℃である、請求項20に記載の方法。

【請求項12】
請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物を含む鎮痛用医薬組成物であって、有効成分として式(I)の化合物、それらの立体異性体、互変異性体、プロドラッグ、医薬的に許容できる塩類を含み、場合により医薬的に許容できるキャリヤーを含む組成物。

【請求項13】
鎮痛薬としての、請求項1~7のいずれか1項に記載の式(I)の化合物、それらの立体異性体、互変異性体、プロドラッグ、医薬的に許容できる塩類、または請求項12に記載の医薬組成物の使用。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2009514620thum.jpg
出願権利状態 公開
分野
  • 化学;冶金
  • 生活必需品
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