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ポリエチレングリコールでガス中のSOxを除去する方法

国内特許コード P150011738
掲載日 2015年3月30日
出願番号 特願2011-549426
公表番号 特表2012-517890
登録番号 特許第5694957号
出願日 平成22年2月10日(2010.2.10)
公表日 平成24年8月9日(2012.8.9)
登録日 平成27年2月13日(2015.2.13)
国際出願番号 CN2010070622
国際公開番号 WO2010091638
国際出願日 平成22年2月10日(2010.2.10)
国際公開日 平成22年8月19日(2010.8.19)
優先権データ
  • 200910009058.1 (2009.2.16) CN
発明者
  • ウェイ ションフイ
  • ハン ファン
  • チャン ジェンビン
  • チャン ペンヤン
  • ガオ ダオロン
  • ワン ジンフェイ
  • ゾウ チュアン
  • フウ チュン
出願人
  • 北京博源恒升高科技有限公司
  • 江西永▲豊▼▲県▼博源▲実▼▲業▼有限公司
  • 北京大学
発明の名称 ポリエチレングリコールでガス中のSOxを除去する方法
発明の概要 ポリエチレングリコールを主成分とする溶液(「ポリエチレングリコール溶液」と略記す)でガス中のSOx(x=2および/または3)を除去する方法(「ポリエチレングリコール脱硫法」と略す)である。本発明のポリエチレングリコール溶液の主成分がポリエチレングリコールである。本発明のポリエチレングリコール脱硫法では、まず、ポリエチレングリコール溶液でガス中のSOx(SO2および/またはSO3を含む)を吸収し、つぎに、SOxを吸収したポリエチレングリコール溶液を、加熱法、真空法、超音波法、マイクロ波法および放射法の1種または複数種の方法で再生し、二酸化硫黄と三酸化硫黄副産物が放出し、再生後のポリエチレングリコール溶液をリサイクルする。再生後のポリエチレングリコール溶液中の水の含有量が多くて脱硫効果に影響を及ぼす場合、ポリエチレングリコール溶液中の水を除去する必要があり、除去方法は、加熱精留法、吸水剤吸収法があり、これらの方法を併用してもよく、水除去後のポリエチレングリコール溶液をリサイクルする。
従来技術、競合技術の概要



工業の迅速な発展によって、煙道ガス、硫黄含有工業用原料ガスおよびその他の廃ガスの消耗や排出量が日々増えつつある。硫黄含有廃ガスの排出は、深刻な環境汚染、例えば、酸性雨の形成、建築物の酸腐食、呼吸道疾患および皮膚病などを引き起こして、人間の健康に直接害を及ぼしている。数年来、世界中の科学者は、煙道ガス、硫黄含有工業用原料ガスおよびその他の廃ガスの脱硫技術に対して多くの研究を行って、たくさんの研究資料を蓄積している。環境意識の高まりに伴って、煙道ガス、硫黄含有工業用原料ガスおよびその他の廃ガスの脱硫問題が重視されつつある。しかしながら、今まで、煙道ガス、硫黄含有工業用原料ガスおよびその他の廃ガスの脱硫技術は、まだ飛躍的な進歩を遂げていない。煙道ガス、硫黄含有工業用原料ガスおよびその他の廃ガスの脱硫問題は、ずっとチャレンジングな課題である。





従来の煙道ガス、硫黄含有工業用原料ガスおよびその他の廃ガスの脱硫技術は、主に湿式脱硫と乾式脱硫の二種類がある。具体的な湿式脱硫は、水洗浄法、石灰石と石灰水法、アルカリ金属溶液法、アルカリ溶液法、アンモニア法、およびヒドロキシアミン法などがあり、具体的な乾式脱硫は、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化クロム、酸化モリブデン、および活性炭の方法などがある。中国では、主に水洗浄法、石灰石と石灰水法が用いられているが、先進国では、石灰石と石灰水法、アルカリ金属溶液法、アルカリ溶液法、アンモニア法、およびヒドロキシアミン法などがより多く用いられている。なかでも、水洗浄法は、水の消費量が多く、かつ水をリサイクルすることができず、硫黄含有廃水の排出が深刻な二次汚染を引き起こし、そして脱硫効果に劣っている。石灰石と石灰水法は、水洗浄法より優れるが、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、および炭酸カルシウムなどの固形廃棄物が多く発生し、石灰石と酸化カルシウムの消費量が多く、設備が大型で、投資が多額で、そして、吸収プロセスにおいて既に固体沈殿物が発生し、設備の詰まりを引き起こしやすく、更に、石灰石と水酸化カルシウムの水に対する溶解度が小さいため、吸収の際に、水酸化カルシウムが主に、優先的に二酸化炭素と反応し、その次に硫黄酸化物と反応するので、石灰水法は、脱硫効果も満足のいくものではなく、廃水排出量が多く、二次汚染が深刻である。アルカリ金属溶液法、アルカリ溶液法、アンモニア法およびヒドロキシアミン法などは、主に二酸化硫黄含有量が比較的に高い煙道ガス(例えば、製鋼、製銅などの精錬の排気ガスがあり、二酸化硫黄含有量が8%以上と高い)の脱硫に用いられ、そして二酸化硫黄を回収するが、これらの方法は、必要とする技術が高レベルで、エネルギー消費が高く、設備材質への要求が厳しく、一般の煙道ガスの脱硫に適さない。しかも、現在用いられる煙道ガス、硫黄含有工業用原料ガスおよびその他の廃ガスの脱硫方法は全て、設備への腐食がかなりひどいものである。





従来、各種のガスは大気に排出される前に、脱硫処理されることが少なく、たとえ処理されたとしても、その含有量が比較的に高い。従来のHiPure法、Benfield法、G-V法、A.D.A法、水洗浄法、石灰石と石灰水法、アルカリ金属溶液法、アルカリ溶液法、アンモニア法、ヒドロキシアミン法、タンニンエキス法、およびスルホラン法などの脱硫法や、乾式脱硫である酸化鉄、酸化亜鉛、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化クロム、酸化モリブデン、および活性炭の方法などは、主に一次脱硫法として、工業原料ガス中の硫化水素を除去するが、一般のガス中の硫化水素の除去に広く用いられていない。その原因は主に、これらの脱硫方法は、脱硫効率が高くなく、ランニングコストが高く、設備の投資が多額で、腐食がひどく、効果が満足のいくものではなく、有機硫黄の除去率に劣っているからである(非特許文献1~3を参照)。低温メタノール法の脱硫技術(非特許文献4を参照)は、硫化水素、硫化カルボニル、二硫化炭素および二酸化炭素を物理的に吸着する方法であって、現在、大規模な化学企業において原料ガスの脱炭素脱硫に用いられることはよくあるが、メタノールは、低沸点で、揮発しやすく、飽和蒸気圧が高いため、通常、高圧・低温下(-10℃以下)で扱う必要があり、エネルギー消費が高く、メタノールのロスがひどく、プロセスフローが複雑で、作業が煩雑で、総合ランニングコストが高い。常温メタノール法(非特許文献5を参照)は、メタノール60%とジエタノールアミン40%との混合溶液を用いて、ガス中の硫化水素、硫化カルボニル、二硫化炭素および二酸化炭素を吸収した後、加熱・減圧して硫化水素、硫化カルボニル、二硫化炭素および二酸化炭素を放出するものである。メタノールは、低沸点で、揮発しやすく、飽和蒸気圧が高いため、放出したガスにメタノールが多く含まれるため、溶液の組成が不安定になり、メタノールのロスがひどい。しかも、ジエタノールアミンは、光や空気に曝されると酸化分解しやすく、溶液の化学安定性に劣るため、溶液の再生手段は、加熱・減圧により再生して、硫化水素、硫化カルボニル、二硫化炭素および二酸化炭素の混合ガスを放出させてから、放出した硫黄含有ガスをクラウス(Claus)法で硫黄に転換させるしかない。そのエネルギー消費が高く、メタノールとジエタノールアミンのロスがひどく、プロセスフローが複雑で、作業が煩雑で、総合ランニングコストが高い。以上の方法は、主にガス中の硫化水素、硫化カルボニルおよび二硫化炭素などの有機硫黄の除去に用いられるが、ガス中のSO2および/またはSO3の除去に用いられていない。





プロパントリオール(グリセリン)を含有するウロトロピンの水溶液で、煙道ガス中のSO2を吸収することが提案されている(非特許文献6を参照)。しかし実際の実験において、ウロトロピンは、煙道ガスと接触後、その中の酸素ガスにより酸化分解されやすく、溶液の化学的性質が不安定になってしまうことが分かった。かつ、ウロトロピンは高価で、容易に入手できない化学工業・医薬製品である。そのため、そのランニングコストが非常に高く、脱硫性能が不安定なので、当該技術はまだ普及されていない。





Fe2+とFe3+を含有する酢酸・アンモニア緩衝溶液(非特許文献7、特許文献1~2を参照)は、既に半水性ガスの脱硫に用いられ、高い脱硫効率と低い腐食性を有するが、当該溶液はイオン効果と塩効果が発生し、溶液が不安定である。鉄-アルカリ溶液触媒法によるガス脱炭素脱硫脱シアン方法における、鉄イオン含有アルカリ性物質の水溶液による湿式脱硫方法は、さまざまな形態の硫黄を除去する力を持ち、かつ低硫黄分ガスに対する脱硫効果が伝統的なガス湿式脱硫方法よりも優れる。しかしながら、鉄イオンは、アルカリ性溶液での安定性が悪く、水酸化鉄または水酸化第一鉄の沈殿が大量に発生し、そして、当該鉄-アルカリ溶液が硫化物含有ガスと接触した場合、更に硫化鉄または硫化第一鉄の沈殿が大量に発生して、溶液中の鉄イオン含有量が急減し、脱硫効果が激減するとともに、脱硫塔の詰まりなどの現象を引き起こしてしまい、高硫黄分ガスの脱硫に適さない(特許文献3を参照)。この状況を改善するために、本発明者らは、微生物を含有する「鉄-アルカリ性溶液」を用いて、常圧または加圧で脱硫することを試みて、良好な効果が得られた(特許文献4を参照)。同時に、エチレングリコール、またはエチレングリコールエステル、またはジエチレングリコールモノメチルエーテルの溶液を用いて硫化水素を吸収し、さらに、硫化水素を吸収した有機溶液に二酸化硫黄ガスを吹き込んで、硫化水素と二酸化硫黄とを反応させ、硫黄を生成し、有機溶液を再生し、そしてリサイクルすることも提案されている(特許文献5~7を参照)。二酸化硫黄で硫化水素含有エチレングリコール溶液を再生する方法は簡単であるが、二酸化硫黄の供給源が不足し、容易に入手できず、運送過程には特殊な道具や特別な安全措置が必要となり、ランニングコストが高く、安全措置が厳しい。エチレングリコール溶液、或いはエチレングリコールとアルカノールアミン類との混合溶液、或いはエチレングリコールとアルカノールアミン類と炭酸ナトリウムとの混合溶液、或いはエチレングリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルの溶液、或いはジエチルアミンとジエチレングリコールとトリエチレングリコールとトリエチレングリコールメチルエーテルとの混合水溶液、或いはアミンとアセトアルデヒドとの混合溶液、或いはジエチレングリコールモノメチルエーテルとニトリロ三酢酸鉄(III)との混合水溶液を用いて、天然ガスまたはその他のガス中の硫化水素、有機硫黄および水を吸収する研究者もいる(特許文献8~16を参照)。しかしながら、現在、以上に述べた技術は、工業用原料ガスの脱硫分野のみに大規模に用いられて、ガス中の硫化水素、硫化カルボニルおよび二硫化炭素を除去しているが、まだ煙道ガスおよびその他の廃ガスの脱硫分野でSOx(二酸化硫黄および/または三酸化硫黄を含む)の除去に用いられていない。

産業上の利用分野



本発明は、煙道ガス、SOx含有廃ガスおよび/または工業用原料ガス中のSOxを除去する浄化方法、または煙道ガス、SOx含有廃ガスおよび/または工業用原料ガス中のSOx(x=2および/または3)を除去する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ガス中のSOxを吸収する方法であって、前記ガスをポリエチレングリコール溶液に接触させて、前記ポリエチレングリコール溶液が前記ガスからSOxを吸収して前記ガスを浄化するようにする工程を含み、xが2または3であり、前記ポリエチレングリコール溶液がポリエチレングリコールおよび水の組成を有する水性溶液であり、前記ポリエチレングリコールが前記ポリエチレングリコール溶液の主成分である、方法。

【請求項2】
前記ポリエチレングリコール溶液の組成が、質量%で80.00%以上のポリエチレングリコールおよび質量%で20.00%未満の水であることを特徴とする、請求項1に記載のガス中のSOxを吸収する方法。

【請求項3】
前記ポリエチレングリコール溶液が、常圧吸収または加圧吸収を用い、温度-20~200℃でSOxを吸収することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のガス中のSOxを吸収する方法。

【請求項4】
前記ガスが99.9%未満のSOxの合計体積%を有することを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のガス中のSOxを吸収する方法。

【請求項5】
ガス中のSOxを吸収したポリエチレングリコール溶液を、加熱法、真空法および放射法からなる群から選択された1種または複数種の方法で再生し、再生温度が0~300℃であり、再生過程で再生されたポリエチレングリコール溶液から二酸化硫黄および/または三酸化硫黄を放出し、再生後のポリエチレングリコール溶液がリサイクル可能であり、前記放射法が超音波法またはマイクロ波法であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のガス中のSOxを吸収する方法。

【請求項6】
前記方法により、SOx含有廃ガスおよび/または工業用原料ガスからSOx除去ることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のガス中のSOxを吸収する方法。

【請求項7】
前記方法が、加熱法、真空法および放射法からなる群から選択された2種以上の再生手段1つの再生器中で共用して使用することを含むことを特徴とする、請求項5に記載のガス中のSOxを吸収する方法。

【請求項8】
前記ポリエチレングリコール溶液が質量で20%を超える水の含有量を有する場合、前記方法は前記再生されたポリエチレングリコール溶液から水を除去する工程を更に含み、除去方法は、加熱精留法および/または、CaO、無水CaSO4、シリカゲルおよび吸水樹脂からなる群から選択された1種以上の吸水剤を使用した吸水剤吸収法があり、水除去後のポリエチレングリコール溶液をリサイクルする工程を含むことを特徴とする、請求項5または請求項7に記載のガス中のSOxを吸収する方法。

【請求項9】
前記ポリエチレングリコール溶液は、重合度が2以上のポリエチレングリコールの1種または複数種のポリエチレングリコールからなることを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載のガス中のSOxを吸収する方法。

【請求項10】
前記SOx含有廃ガスが煙道ガスを含むことを特徴とする、請求項6に記載のガス中のSOxを吸収する方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
分野
  • 処理操作;運輸
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