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有機材料及び該材料を用いた有機ELデバイス

国内特許コード P150011754
掲載日 2015年3月30日
出願番号 特願2012-527175
公表番号 特表2013-503497
登録番号 特許第5498580号
出願日 平成21年12月30日(2009.12.30)
公表日 平成25年1月31日(2013.1.31)
登録日 平成26年3月14日(2014.3.14)
国際出願番号 CN2009076276
国際公開番号 WO2011057461
国際出願日 平成21年12月30日(2009.12.30)
国際公開日 平成23年5月19日(2011.5.19)
優先権データ
  • 200910234760.8 (2009.11.13) CN
  • 200910234478.X (2009.11.19) CN
発明者
  • 邱勇
  • 李銀奎
  • 謝静
出願人
  • 北京維信諾科技有限公司
  • 昆山維信諾顕示技術有限公司
  • 清華大学
発明の名称 有機材料及び該材料を用いた有機ELデバイス
発明の概要 本発明は有機材料及び該材料を用いた有機ELデバイスに係るものである。該材料の構造は、下記一般式によって示されるものであって、式中、Arは炭素原子6~30の縮合環芳香族炭化水素の残基を表し、ArとArはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数6~24の芳香基、炭素数6~24の複素環芳香基を表し、nは2ないし3の整数を表す。本発明の有機材料は、有機ELデバイス中において、電子輸送層として用いることができる。
【化1】


従来技術、競合技術の概要



現在ではマルチメディア技術の発展と情報社会の到来により、フラットパネルディスプレイの性能に対する要求は高まる一方である。有機ELディスプレイは、自発光である、低電圧による直流駆動できる、全固体である、視野角が広い、色彩が豊富などの一連のメリットを有する。応答速度は液晶ディスプレイの1000倍であるが、その製造コストは同じ画素数の液晶ディスプレイより低い。よって、有機ELディスプレイは、幅広く応用される展望性を有する。





有機ELディスプレイ(有機発光ダイオード、OLEDとも称する)に対する研究は前世紀60年代から始まり、Popeらははじめてアントラセン単結晶のエレクトロルミネッセンス現象について報告した(Pope M,Kallmann HPとMagnante R.J.,Chem.Phys.,1963,38,2042)。これによって、有機固体ELの幕は開かれた。1987年、米国コダック社の研究者C W Tangらは、以前の他人の仕事を踏まえた上で、二層構造の設計コンセプトを打ち出し、比較的良い成膜性能を有するトリアリールアミン系化合物と(8-ヒドロキシキノリナト)アルミニウム錯体(Alq)を選択し、それぞれホール輸送層と発光層(電子輸送層を兼ねる)にし、高量子効率(1%)、高効率(1.5 lm/W)、高輝度(>1000cd/m)及び低駆動電圧(<l0V)を有する有機ELデバイスを得た(C.W.Tang,S. A. Vanslyke,Appl. Phys. Lett.,1987,51,913)。1990年に、ケンブリッジ大学Cavendish実験室のR.H.Friendらはポリフェニレンビニレン(polyphenylene vinylene,PPV)を発光層の材料として、ポリマーELデバイスを得た(Burroughes J,Bradley DDC,Brown AR,Friend RH,Nature,1990,347,539)。これによって、ポリマーフィルムELデバイスという、発光デバイスの新しい分野が開かれた。この二つの突破的な進展は、有機ELデバイスが次世代フラットパネルディスプレイになるという潜在的な希望を人々に与えた。





有機ELデバイスは、二つの向かい合う電極と、電極の間に位置する有機媒質によって形成される。有機媒質層は、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電荷ブロック層などを有する。研究によれば、一般的には、OLEDデバイス中のホールが電子より多い場合が多く、複合的な界面における二種類のキャリアの不均衡により、デバイスの輝度と効率が下がると考えられている。同時に、余ったホールは電子輸送層、さらにはカソードに入りやすく、デバイスの老化を加速させ、OLEDの寿命を低下させる。よって、電子の注入と輸送を高めることは、業界が広く注目及び研究する課題となっている。高効率且つ安定的なカソード以外に、発光層とカソードの間には、通常、ホールブロック層、電子輸送層、電子注入層が設けられ、それぞれ、ホールをブロックして励起子を発光区域に制限する、電子の輸送、電子の注入という役割を果たしている。





有機ELデバイス中で、伝統的に使用される電子輸送材料はAlqであるが、しかしAlqの電子移動度は比較的低く、おおよそ10-6cm/Vsである。有機ELデバイスの電子輸送性能を高めるために、研究者は膨大な探索的な研究活動を行った。Yang Yangらは有機ELデバイスにおいて、ナノレベルの炭酸セシウムを電子輸送と電子注入材料として用いて、デバイスの発光効率を高めた(Advanced Functional Materials,2007,17,1966‐1973)。LG化学株式会社の報道によれば、ベンズイミダゾール、ベンゾチアゾールまたはベンズオキサゾール化合物を電子輸送材料として有機ELデバイスに用いることにより、デバイスの電子注入性能が改善され、ターンオン電圧(turn-on voltage)が低下した(中国特許出願番号200680041587.4、公開番号CN 101305071A)。また、





【数1】




らはターフルオレン(terfluorene)の誘導体アンモニウム塩(略称はFFF-Blm4である) (J.Am.Chem.Soc.,2008,130(11),3282-3283)を電子注入層材料として使用し、大いにデバイスの電子注入及び輸送を改善し、発光効率を高めた。さらに、





【数2】




らは空気及び各種化学腐食に対して安定的である金を高効率電子注入型カソード材料として使用し、有機ELデバイスの電子注入能を向上させた(Organic Electronics,2005,6,118‐128)。高効率の電子輸送材料及び/または電子注入材料を開発することによって、ターンオン電圧の低下、デバイスの効率の向上、デバイスの寿命の延長をさせることは、とても重要な実際上の応用価値を有する。





理想な電子輸送材料は、以下の幾つかの特性を有するべきである。可逆的な電気化学還元反応が可能で、HOMO及びLUMOエネルギー準位が適切であり、電子移動度は高く、成膜性は良好で、Tgが高い。また、ホールブロックができれば良い。化合物の構造においては、分子積層時の分子間のπ-π相互作用を増大させるため、分子の立体配置が平面に近いことが要求される。一方で、分子が結晶し成膜性能に影響するため、分子構造が完全に平面ではないことが要求される。優れた電子受容能力を備えるために、分子は電子欠乏構造ユニットを含むことが要求される。比較的高いTgを有し、良好な熱安定性を備えるために、分子量が充分に大きいことが要求される。一方で、真空蒸着によって成膜しやすいように、分子量は大きすぎないことが要求される。

産業上の利用分野



本発明は新規の有機材料、該新規有機材料を用いた有機エレクトロルミネッセンス(Organic Electro‐Luminescence、以下で「有機EL」とも称する)デバイスに係るものであり、有機EL表示技術分野に属するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記式(I)で表され
【化1】


(式中、Arは炭素数6~30の縮合環芳香族炭化水素の残基を表し、ArとArはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数6~24の芳香基、炭素数6~24の複素環芳香基を表し、nは2ないし3の整数を表す。)
Arの構造は、以下に表すものである有機材料。
【化2】



【請求項2】
式(I)は、下記式(II)~(VII)のいずれかであることを特徴とする、請求項1に記載の有機材料。
【化3】



【請求項3】
Ar基と接続している基は、以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の有機材料。
【化4】



【請求項4】
下記構造式で表されるものであることを特徴とする、請求項1または2に記載の有機材料。
【化5】


【化6】



【請求項5】
請求項1~のいずれかに記載の有機材料の、有機ELデバイス中における、電子輸送材料としての使用。

【請求項6】
有機ELデバイスであって、一対の電極と、該一対の電極の間に設けられた有機発光媒質を備え、該有機発光媒質中には請求項1~のいずれかに記載の上記有機材料が含まれることを特徴とする、有機ELデバイス。

【請求項7】
上記有機発光媒質は、発光層及び電子輸送機能層を備え、請求項1~のいずれかに記載の有機材料が上記電子輸送機能層に含まれることを特徴とする、請求項に記載の有機ELデバイス。

【請求項8】
上記電子輸送機能層はさらにもう一種類の電子輸送材料を含み、該材料はオキサゾール系化合物、金属キレート、トリアゾール系化合物、イミダゾ-ル系化合物、フェナントロリン系化合物、アントラセン系化合物から選ばれるものであることを特徴とする、請求項に記載の有機ELデバイス。

【請求項9】
上記オキサゾール系化合物、金属キレート、トリアゾール系化合物、イミダゾ-ル系化合物、フェナントロリン系化合物、アントラセン系化合物は、2‐(4‐tert‐ブチルフェニル)‐5‐(4‐ビフェニリル)‐1,3,4‐オキサジアゾール、トリス(8‐ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム、3‐(4‐ビフェニル)‐4‐フェニル‐5‐(4-ブチルフェニル)‐1,2,4‐トリアゾール、4,7‐ジフェニル‐1,10‐フェナントロリン、2,9‐ジメチル‐4,7‐ジフェニル‐1,10‐フェナントロリン、2‐フェニル‐9,10‐ジナフチルアントラセンから選ばれるものであることを特徴とする、請求項に記載の有機ELデバイス。

【請求項10】
上記有機発光媒質は、発光層と、電子注入及び輸送機能層とを備え、上記請求項1~のいずれかに記載の有機材料は、上記電子注入及び輸送機能層に含まれ、且つ上記電子注入及び輸送機能層はさらにドープ剤を含み、上記ドープ剤はアルカリ金属、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ金属窒化物、及びアルカリ金属塩から選ばれるものであることを特徴とする、請求項に記載の有機ELデバイス。

【請求項11】
上記ドープ剤はリチウム、セシウム、窒化リチウム、フッ化リチウム、コバルト酸リチウム、酸化リチウム、8‐ヒドロキシキノリノラトリチウム、炭酸セシウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素リチウム、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、フッ化セシウム、塩化セシウム、及び酸化ルビジウムから選ばれるものであることを特徴とする、請求項10に記載の有機ELデバイス。

【請求項12】
上記電子注入及び輸送機能層の厚さは2nm~40nmであり、電子注入及び輸送機能層中のドープ剤のドープ比率は、上記請求項1~のいずれかに記載の有機材料に対して、重量パーセントで0.1%~49%であることを特徴とする、請求項10に記載の有機ELデバイス。

【請求項13】
上記電子注入及び輸送機能層の厚さは5nm~25nmであり、電子注入及び輸送機能層中のドープ剤のドープ比率は、上記請求項1~のいずれかに記載の有機材料に対して、重量パーセントで0.5%~30%であることを特徴とする、請求項12に記載の有機ELデバイス。

【請求項14】
上記電子注入及び輸送機能層と発光層との間には、さらに緩衝層を備え、上記緩衝層の材料は請求項1または2に記載の化合物、またはオキサゾール系化合物、金属キレート、トリアゾール系化合物、イミダゾ-ル系化合物、キノリン系化合物、キノキサリン系化合物、フェナジン系化合物、フェナントロリン系化合物から選ばれるものであることを特徴とする、請求項10に記載の有機ELデバイス。

【請求項15】
上記緩衝層の材料は、請求項に記載の化合物、または2‐(4‐tert‐ブチルフェニル)‐5‐(4‐ビフェニリル)‐1,3,4‐オキサジアゾール、トリス(8‐ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム、3-(4-ビフェニル)-4-フェニル-5-(4‐ブチルフェニル)‐1,2,4‐トリアゾール、4,7‐ジフェニル‐1,10‐フェナントロリン、2,9‐ジメチル‐4,7‐ジフェニル‐1,10‐フェナントロリン、2‐フェニル‐9,10‐ジナフチルアントラセンから選ばれるものであることを特徴とする、請求項14に記載の有機ELデバイス。

【請求項16】
上記緩衝層の厚さは2nm~20nmであることを特徴とする、請求項14に記載の有機ELデバイス。

【請求項17】
上記有機発光媒質中には、少なくとも二つの発光ユニットを備え、該発光ユニットの間には連結層が設けられ、請求項1~のいずれかに記載の有機材料が上記連結層に含まれることを特徴とする、請求項に記載の有機ELデバイス。

【請求項18】
連結層中には、アルカリ金属、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ金属窒化物、及びアルカリ金属塩から選ばれるドープ剤がドーピングされることを特徴とする、請求項17に記載の有機ELデバイス。

【請求項19】
上記ドープ剤はリチウム、セシウム、窒化リチウム、フッ化リチウム、コバルト酸リチウム、酸化リチウム、8‐ヒドロキシキノリノラトリチウム、炭酸セシウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素リチウム、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、フッ化セシウム、塩化セシウム、及び酸化ルビジウムから選ばれるものであることを特徴とする、請求項18に記載の有機ELデバイス。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2012527175thum.jpg
出願権利状態 登録
分野
  • 電気
  • 化学;冶金
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