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トリペプチドボロン酸又はトリペプチドボロン酸エステル、その調製方法及び使用

国内特許コード P150011759
掲載日 2015年3月30日
出願番号 特願2012-515329
公表番号 特表2012-530085
登録番号 特許第5860397号
出願日 平成22年5月17日(2010.5.17)
公表日 平成24年11月29日(2012.11.29)
登録日 平成27年12月25日(2015.12.25)
国際出願番号 CN2010072848
国際公開番号 WO2010145376
国際出願日 平成22年5月17日(2010.5.17)
国際公開日 平成22年12月23日(2010.12.23)
優先権データ
  • 200910147292.0 (2009.6.19) CN
発明者
  • リー、ルンタオ
  • ツゥイ、ジーンローン
  • ジュウ、ヨーンチアーン
  • ヤオ、シュウヤーン
  • ゴァ、ゾァメイ
  • チュヨン、ティエミーン
出願人
  • 北京大学
発明の名称 トリペプチドボロン酸又はトリペプチドボロン酸エステル、その調製方法及び使用
発明の概要 本発明は、式(I)により表されるトリペプチドボロン酸又はトリペプチドボロン酸エステルのプロテアソーム阻害剤、その調製方法及び使用を開示する。プロテアソーム阻害剤は、悪性腫瘍、多数種の神経系変性疾患、筋悪液質、又は糖尿病を治療するための治療剤であり、ここで悪性腫瘍は白血病、胃がん、肝臓がん又は上咽頭癌である。
【化1】


従来技術、競合技術の概要



2004年10月6日、スウェーデン王立科学アカデミーは、その年のノーベル化学賞が、イスラエルの科学者Aaron Ciechanover、Avram Hershko、及びアメリカの科学者Irwin Roseに、ユビキチン-プロテアソーム経路(以下では「UPP」と称される)により調節されるタンパク質分解プロセスの発見に対して授与されることを公表した。ユビキチン-プロテアソームにより調節されるタンパク質分解の経路は生命の領域において多大なる重要性を有することが示されている。





ユビキチン(略してUb)は、76個のアミノ酸からなる分子量8.5kDの高度に保存されたポリペプチド鎖である。多数の分子生化学的研究、細胞研究、遺伝学的研究及び臨床研究により、ユビキチン-プロテアソームにより分解されるタンパク質のプロセスが、多くの生理学的プロセスの調節、及び様々な重要なヒトの疾患の発症にとって重要であることが示された。この分解プロセスが、神経変性疾患、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)、ハンチントン病(HD)、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)及び糖尿病の発病にも大きな影響を有することが、最近発見されている。





プロテアソームが、細胞周期制御に関与するタンパク質、例えばG1期及び有糸分裂期に作用するサイクリン、cdk阻害剤、腫瘍抑制タンパク質、及び他の調節タンパク質のレベルを変調させることができることはよく知られている。UPP依存性タンパク質分解経路は、細胞再生及び細胞死の制御において重要な役割を果たすことが確認されており、この経路は、神経系変性疾患、例えばPD、AD等にも大きな影響を有する。新たな阻害剤の使用により、ユビキチン-プロテアソームの更に新しく未知の機能が明らかとなるであろう。





今日まで、見出されたプロテアソーム阻害剤は、2種類、すなわちペプチド系阻害剤及び非ペプチド系阻害剤に分類することができる。ペプチド系阻害剤は通常、短鎖ペプチド、及びそのC末端と結合した様々なファーマコフォアにより構成されており、ファーマコフォアはプロテアソームの触媒性アミノ酸残基(主に、N末端のスレオニンのヒドロキシ)と反応して可逆的又は不可逆的な共有結合複合体を形成し、該ペプチド鎖の残りはサブユニット活性部位中の他の残基と選択的に結合する。現在のところ、主要なファーマコフォアとしては、アルデヒド基(ペプチドアルデヒド)、ビニルスルホン、ボロン酸(ペプチドボロン酸)及びα’,β’-エポキシケトン等が挙げられる。





ペプチドアルデヒド阻害剤と比較して、ペプチドボロン酸阻害剤は、これらの化合物のファーマコフォアであるボロン酸基又はボロン酸エステル基の安定性及び選択性がアルデヒド基の安定性及び選択性より良好であること、並びにホウ素物質の毒性が非常に低く、これらは最終的に環境に優しいボロン酸へと分解することができることを理由として、より良好な薬剤適合性を有する。例えば、ジペプチドボロン酸阻害剤であるPS341(英語名はボルテゾミブ又はVELCADEであり、中国語名は硼替佐米であり、万珂とも称される)は、America Millennium Pharmaceuticalsにより開発され、アメリカ合衆国、欧州連合及び中華人民共和国において既に上市されている新規な抗腫瘍薬である。この薬剤は主に、多発性骨髄腫(MM)に罹患しており少なくとも2つ以上の治療を受けた患者に対して投与されており、この薬剤は、世界中で臨床治療において現在使用されている唯一の承認済プロテアソーム阻害剤である。この薬剤は、伝統的な抗腫瘍薬に関する薬剤耐性を克服することができるため、多発性骨髄腫の治療に希望をもたらしている。





特許文献1は、トリペプチドボロン酸エステル化合物を含む、新たな種類のボロン酸エステル化合物P-AA1-AA1-AA3-B(Z1)(Z2)を開示している。しかしながら、ほんの数種類のトリペプチド化合物しか開示されておらず、上記トリペプチド化合物の構造は、L-Leu-L-Leu-L-Leu又はL-Leu-L-Nal-L-Leuという2種類の構造のみである。この特許において提示されているデータは、ジペプチド化合物の活性がトリペプチド化合物の活性より良好であることを示している。





特許文献2は、トリペプチドアルデヒド化合物が高い活性を有するプロテアソーム阻害剤の一種であることを報告している。しかし、これらの阻害剤のファーマコフォアがアルデヒド基であるため、これらの阻害剤の選択性及び安定性は両方とも非常に乏しい。





これに基づき、本発明者らは研究を行い、より望ましいプロテアソーム阻害活性を有する新たな種類のトリペプチドボロン酸化合物又はトリペプチドボロン酸エステル化合物を発見した。

産業上の利用分野



本発明は薬剤製造の分野に関し、具体的には本発明は、新たな種類のトリペプチドボロン酸化合物又はトリペプチドボロン酸エステル化合物、その調製方法及び使用に関する。上記トリペプチドボロン酸化合物又はトリペプチドボロン酸エステル化合物は優れたプロテアソーム阻害活性を有し、これを様々な遺伝性疾患、例えば悪性腫瘍、様々な神経系変性疾患、筋悪液質、糖尿病等を治療するのに使用することができる。

特許請求の範囲 【請求項1】
N-ピラジンホルミル-L-ロイシル-L-ナフチルアラニル-L-ロイシンボロン酸、N-ピラジンホルミル-L-フェニルアラニル-L-ナフチルアラニル-L-ロイシンボロン酸又はそれらの2,3-ピナンジオールエステルから選択されるトリペプチドボロン酸化合物。

【請求項2】
前記2,3-ピナンジオールエステルが、ピナンジオールN-ピラジンホルミル-L-ロイシル-L-ナフチルアラニル-L-ロイシンボレート、又はピナンジオールN-ピラジンホルミル-L-フェニルアラニル-L-ナフチルアラニル-L-ロイシンボレートである、請求項1に記載の化合物。

【請求項3】
請求項1又は2に記載の化合物を調製する方法であって、出発原材料としてピラジンカルボン酸を使用する工程、所要の2つのアミノ酸を1つずつ導入する工程、及びその後、所要の第3のアミノ酸のボロン酸エステルを導入して、請求項1又は2に記載のボロン酸エステルを得る工程、対応するボロン酸を調製することが必要とされる場合、請求項1又は2に記載のボロン酸エステルを加水分解する工程を含む、請求項1又は2に記載の化合物を調製する方法。

【請求項4】
活性成分として治療上の有効量の請求項1又は2に記載のトリペプチドボロン酸化合物、及び任意に1種又は複数種の薬学的担体を含有する医薬組成物。

【請求項5】
前記医薬組成物中の前記活性成分の含有量が0.5%~99%であり、前記薬学的担体の含有量が1%~99.5%である、請求項4に記載の医薬組成物。

【請求項6】
前記組成物が経口投与用の形態又は非経口投与用の形態へと製剤化され、該非経口投与用の形態が、注射投与用、局所投与用、吸入投与用、直腸投与用又は埋め込み投与用の形態を含む、請求項5に記載の医薬組成物。

【請求項7】
前記経口投与用の形態が、錠剤、カプセル、顆粒、若しくは経口投与に好適な液体調製物、又は持続放出形態若しくは定量放出形態であり、前記注射投与用の形態が、注射剤、凍結乾燥粉末注射剤、又は点滴に好適な溶液である、請求項6に記載の医薬組成物。

【請求項8】
プロテアソーム阻害剤の調製における請求項1又は2に記載の化合物、又は請求項4~7のいずれか一項に記載の医薬組成物の使用。

【請求項9】
前記プロテアソーム阻害剤が、悪性腫瘍神経系変性疾患、筋悪液質、又は糖尿病に対する治療剤である、請求項8に記載の使用。

【請求項10】
前記悪性腫瘍が、白血病、胃がん、肝臓癌又は上咽頭癌である、請求項9に記載の使用。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2012515329thum.jpg
出願権利状態 登録
分野
  • 化学;冶金
  • 生活必需品
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