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定在波電子線形加速器装置及びその動作方法

国内特許コード P150011782
掲載日 2015年3月30日
出願番号 特願2013-264518
公開番号 特開2014-130816
登録番号 特許第5775141号
出願日 平成25年12月20日(2013.12.20)
公開日 平成26年7月10日(2014.7.10)
登録日 平成27年7月10日(2015.7.10)
優先権データ
  • 201210586678.3 (2012.12.28) CN
発明者
  • 唐 ▲傳▼祥
  • 張 哲
  • ▲斤▼ 清秀
  • 施 嘉儒
  • 陳 懐璧
  • 黄 文曾
  • 鄭 曙▲斤▼
  • 劉 耀紅
出願人
  • 清華大学
  • 同方威視技術股▲分▼有限公司
発明の名称 定在波電子線形加速器装置及びその動作方法
発明の概要 【課題】エネルギーを連続調整でき、出力する電子エネルギーが所定エネルギー区間(例;0.5MeVから2MeVまで)をカバーする定在波電子線形加速器装置及びその動作方法の提供。
【解決手段】電子ビームを発生する直流高圧銃5と、主パルスパワー信号9を供給するパルスパワー源1と、パルスパワー源1に接続され、パルスパワー源1から供給される主パルスパワー信号9を、第1のパルスパワー信号と第2のパルスパワー信号とに分割する電力分配器2と、直流高圧銃5の下流側に配置され、電力分配器2に接続され、第1のパルスパワー信号が入力されて電子ビームを加速する第1の加速管6と、第1の加速管の下流側に配置され、第2のパルスパワー信号に基づいて電子ビームを加速する第2の加速管7と、電力分配器2と第2の加速管7との間に接続され、第1のパルスパワー信号と第2のパルスパワー信号と間の位相差を連続的に調整する移相器3とを備える。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



現代医学において、診断及び治療でX線が広く利用されている。従来の医学撮像システムにおいて、エネルギーが500keVより低いX線(ここのエネルギーとは、ターゲットに衝突する前の電子ビームのエネルギーである)を発生するには、主にX線管を用い、エネルギーが2MeVより高いX線を発生するには、主に低エネルギー電子線形加速器を用いている。エネルギーが0.5MeVと2MeVの間になるX線源は、無いに等しい(600keVのX線管はあるが、非常に高価なものである)。それは、このエネルギー区間において、X線管の性能がほぼ限界に達しており、エネルギーが高くなることに伴い、その発生するコストが急上昇することと、電子線形加速器の製造原価が高い(X線管に比べ、加速器は単一エネルギーのX線しか提供できない)ため、実用に導入することができないからである。但し、医学撮像において、0.5MeVから2MeVまでのエネルギー区間のX線は非常に重要である。





医学撮像の対象物の多くは、Z値(平均原子番号)が10程度の生体原子である。この場合、明らかな撮像品質を確保するために、光子と対象物が相互作用する際のコンプトン散乱を抑制しなければならない。入射光子のエネルギーが高い時はコンプトン効果が支配的で、撮像品質を損なうため、X線のエネルギーが約0.6MeVである時が最適な撮像エネルギーであると考えられ、丁度上記のエネルギーの区間に入る。さらに、撮像対象物のZ値が異なれば、撮像の最適なエネルギーも異なるため、医学撮像において、0.5MeVから2MeVまでのエネルギー区間が必要とされている。





X線管が該エネルギーの区間をカバーできなければ、エネルギーを連続的に調整可能な加速器を用いる方法がある。加速器のエネルギーの連続的な調整を実現する方法としては、パワー源に送るパワーの大きさを変更することよって、加速器の加速勾配を変化させて、エネルギーゲインを変化させる方法がある。この方法の主なデメリットは、加速管の低エネルギー領域勾配の変化によりエネルギーの分散が大きくなり、ビームの品質が劣化してしまうことである。エネルギーの分散が大きくなる課題を解決するために、米国特許第2,920,228号と第3,070,726号には、第1段目の進行波管が電子を光速に近くまで加速し、第2段目の進行波管がRFの位相を変化させることによってエネルギーの調整を実現する2段構成の進行波管を用いて電子を加速させる加速器が開示されている。この方法の主なデメリットは、進行波加速構成を用いるため、加速効率が低下してしまうことである。効率が低いという課題を解決するために、米国特許第4,118,653号には、進行波と定在波とを結合する加速構成が提案されている。この方法の主なデメリットは、2種類の加速構成を必要し、構成が分散し、周辺回路が複雑になってしまうことである。コンパクトな加速構成を得るために、米国特許第4,024,426号には、加速管の間におけるマイクロ波の位相を変化させることでエネルギーの調整を実現する交替式のサイド結合型定在波加速器が提案されている。この方法の主なデメリットは、加速管の構成が複雑で、工程の難度が非常に大きく、実現が困難であることである。簡単な加速構成と高い加速効率を得るために、米国特許第4,286,192号と第4,382,208号には、それぞれサイド結合型線形加速器の結合キャビティの上に挿入深さの調整で位相を調整する幾つか(1本又は2本)の摂動棒を追加した加速器が開示されている。この方法の主なデメリットは、エネルギーの調整可能な範囲が小さく、かつ摂動棒の調整は専門技能を必要することである。上記課題を解決するために、中国特許第202,019,491号には、2段の加速管のそれぞれの加速勾配を調整することによって、エネルギーを調整するサイド結合型定在波加速器が開示されている。該方法の主なデメリットは、加速器の横方向のサイズが大きく、マイクロ波の送り込みシステムが複雑で、低エネルギー(~1MeV)の電子ビームを供給することができないことである。

産業上の利用分野



本発明の実施形態は、定在波電子線形加速器の技術分野に関し、特に、加速器を放射源とする医学撮像及び照射などの分野に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
電子ビームを発生する電子銃と、
主パルスパワー信号を供給するパルスパワー源と、
前記パルスパワー源に接続され、前記パルスパワー源から供給される前記主パルスパワー信号を、第1のパルスパワー信号と第2のパルスパワー信号とに分割する電力分配器と、
前記電子銃の下流側に配置され、前記電力分配器に接続され、前記第1のパルスパワー信号が入力されて前記電子ビームを加速する第1の加速管と、
前記第1の加速管の下流側に配置され、前記第2のパルスパワー信号に基づいて前記電子ビームを加速する第2の加速管と、
前記電力分配器と前記第2の加速管との間に接続され、前記第1のパルスパワー信号と前記第2のパルスパワー信号と間の位相差を連続的に調整する移相器と、
前記第2の加速管の下流側に配置され、前記加速電子ビームが衝突してX線を発生するターゲットと
を備え、
前記第2の加速管の出力において、所定のエネルギー範囲内でエネルギーを連続的に調整可能な加速電子ビームが生成され
前記ターゲットは、回転可能なベースに載置され、
前記加速電子ビームの進行方向と、前記ターゲットのターゲット面とがなす角度は、前記電子ビームのエネルギーに応じて可変である
ことを特徴とする定在波電子線形加速器装置。

【請求項2】
前記電力分配器と前記移相器との間に接続され、前記第1のパルスパワー信号および/または前記第2のパルスパワー信号を減衰する減衰器を更に備える請求項に記載の定在波電子線形加速器装置。

【請求項3】
前記移相器は、前記第1の加速管の加速キャビティおよび前記第2の加速管の加速キャビティにおいて、電子が加速されるように、前記位相差を調整する請求項1または2に記載の定在波電子線形加速器装置。

【請求項4】
前記移相器は、前記第1の加速管の加速キャビティにおいては、電子が加速されるように前記位相差を調整し、前記第2の加速管の加速キャビティにおいては、電子が減速されるように、前記位相差を調整する請求項からのいずれか一項に記載の定在波電子線形加速器装置。

【請求項5】
前記第1の加速管および前記第2の加速管は、加速キャビティどうしを磁気結合するための結合孔を有し、前記結合孔は各々の前記加速キャビティの壁に開口されている請求項からのいずれか一項に記載の定在波電子線形加速器装置。

【請求項6】
前記第1のパルスパワーおよび前記第2のパルスパワーを前記第1の加速管および前記第2の加速管のそれぞれに供給するパワーカプラを更に備える請求項からのいずれか一項に記載の定在波電子線形加速器装置。

【請求項7】
前記電子銃は、前記電子ビームの入射時の包絡角度が負の値であるように、前記電子ビームを前記第1の加速管に入射する請求項からのいずれか一項に記載の定在波電子線形加速器装置。

【請求項8】
前記ターゲットは、真空ボックスに配置され、
前記真空ボックスは、回転可能な前記ベースに固定され、
前記真空ボックスの壁にはX線ウィンドウが実装され、
前記第2の加速管は波形管を介して前記真空ボックスに接続される請求項に記載の定在波電子線形加速器装置。

【請求項9】
前記所定のエネルギー範囲は、0.50MeVから2.00MeVである請求項からのいずれか一項に記載の定在波電子線形加速器装置。

【請求項10】
電子ビームを発生するよう電子銃と、
第1のパルスパワー信号を供給する第1のパルスパワー源と、
第2のパルスパワー信号を供給する第2のパルスパワー源と、
前記電子銃の下流側に配置され、且つ、前記第1のパルスパワー源に接続され、前記第1のパルスパワー信号を受信して前記電子ビームを加速する第1の加速管と、
前記第1の加速管の下流側に配置され、前記第2のパルスパワー信号に基づいて前記電子ビームを加速する第2の加速管と、
前記第1のパルスパワー源の出力及び/又は前記第2のパルスパワー源の出力と、前記第1の加速管および/または前記第2の加速管との間に接続され、前記第1のパルスパワー信号と前記第2のパルスパワー信号との間の位相差を連続的に調整する移相器と、
前記第2の加速管の下流側に配置され、前記加速電子ビームが衝突してX線を発生するターゲットと
を備え、
前記第2の加速管の出力において、所定のエネルギー範囲内でエネルギーを連続的に調整可能な加速電子ビームが生成され
前記ターゲットは、回転可能なベースに載置され、
前記加速電子ビームの進行方向と、前記ターゲットのターゲット面とがなす角度は、前記電子ビームのエネルギーに応じて可変である
ことを特徴とする定在波電子線形加速器装置。

【請求項11】
前記第1のパルスパワー源の出力及び/又は前記第2のパルスパワー源の出力と、前記移相器との間に接続され、前記第1のパルスパワー信号及び/又は前記第2のパルスパワー信号を減衰する減衰器を更に備える請求項10に記載の定在波電子線形加速器装置。

【請求項12】
前記移相器は、前記第1の加速管のキャビティおよび前記第2の加速管のキャビティにおいて、電子が加速されるように、前記位相差を調整する請求項10または11に記載の定在波電子線形加速器装置。

【請求項13】
前記移相器は、前記第1の加速管の加速キャビティにおいては、電子が加速され、前記第2の加速管の加速キャビティにおいては、電子が減速されるように、前記位相差を調整する請求項10から12のいずれか一項に記載の定在波電子線形加速器装置。

【請求項14】
前記第1の加速管および前記第2の加速管は、加速キャビティどうしを磁気結合するための結合孔を有し、前記結合孔は各々の前記加速キャビティの壁に開口されている請求項10から13のいずれか一項に記載の定在波電子線形加速器装置。

【請求項15】
前記第1のパルスパワーおよび前記第2のパルスパワーを前記第1の加速管および前記第2の加速管のそれぞれに供給するパワーカプラを更に備える請求項10から14のいずれか一項に記載の定在波電子線形加速器装置。

【請求項16】
前記電子銃は、前記電子ビームの入射時の包絡角度が負の値であるように、前記電子ビームを前記第1の加速管に入射する請求項10から15のいずれか一項に記載の定在波電子線形加速器装置。

【請求項17】
前記ターゲットは、真空ボックスに配置され、
前記真空ボックスは、回転可能な前記ベース上に固定され、
前記真空ボックスの壁にはX線ウィンドウが実装され、
前記第2の加速管は波形管を介して前記真空ボックスに接続される請求項10に記載の定在波電子線形加速器装置。

【請求項18】
前記所定のエネルギー範囲は、0.50MeVから2.00MeVである請求項10から17のいずれか一項に記載の定在波電子線形加速器装置。

【請求項19】
電子ビームを発生させるステップと、
第1の加速管において、第1のパルスパワー信号によって前記電子ビームを加速する第1の加速ステップと、
前記第1の加速管の下流側に配置された第2の加速管において、第2のパルスパワー信号によって前記電子ビームを加速する第2の加速ステップと、
前記第1のパルスパワー信号と前記第2のパルスパワー信号との間の位相差を連続的に調整するステップと、
ターゲットを前記第2の加速管の下流側で、かつ、回転可能なベース上に配置し、前記加速電子ビームを衝突させてX線を発生させるステップと、
前記加速電子ビームの進行方向と、前記ターゲットのターゲット面とがなす角度は、前記電子ビームのエネルギーに応じて可変であるように、前記ターゲットを前記回転可能なベース上で回転させるステップと
を備え、
前記第2の加速管の出力において、所定のエネルギー範囲でエネルギーを連続的に調整可能な加速電子ビームを生成することを特徴とする定在波電子線形加速器装置の動作方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
分野
  • 電気
  • 物理学
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