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金属酸化物のナノファイバーおよびその製造方法

国内特許コード P150011783
掲載日 2015年3月30日
出願番号 特願2013-501613
公表番号 特表2013-527883
登録番号 特許第5654115号
出願日 平成23年3月29日(2011.3.29)
公表日 平成25年7月4日(2013.7.4)
登録日 平成26年11月28日(2014.11.28)
国際出願番号 CN2011072249
国際公開番号 WO2011120420
国際出願日 平成23年3月29日(2011.3.29)
国際公開日 平成23年10月6日(2011.10.6)
優先権データ
  • PCT/CN2010/071488 (2010.3.31) CN
  • 201010149735.2 (2010.4.19) CN
発明者
  • パン ウェイ
  • リ ビン
  • リュウ イェンイー
  • 川井 将司
出願人
  • 清華大学
  • トヨタ自動車株式会社
発明の名称 金属酸化物のナノファイバーおよびその製造方法
発明の概要 本発明では金属酸化物のナノファイバーの製造方法が開示されており、前記金属酸化物は、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Dy、Ho、Yb、Zr、Sr、Ba、Mn、Fe、Co、MaおよびGaのうちから選択される少なくとも1種の金属の金属酸化物であり、a)前記金属の塩を含有する化合物前駆体を紡糸して、前記金属酸化物の前駆体を含有するナノファイバーを製造することと、b)前記金属の塩を含有する前駆体のナノファイバーを500~800℃の温度範囲内で焼成し、前記少なくとも1種の金属元素を含有する金属酸化物のナノファイバーを得ることとを含む。本発明では、金属酸化物のナノファイバー、固体電解質材料、燃料電池および酸素センサがさらに開示されている。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



燃料電池は、理論上では酸素と水素とが反応することのみにより水を生成して電力の出力を伴い、クリーンエネルギであって、環境に負荷はもたらさない。燃料電池に用いる電解質材料には主に固体高分子型(略称PEFC)、リン酸塩型(略称PAFC)、溶融炭酸塩型(略称MCFC)、固体酸化物型(略称SOFC)などがある。そのうちSOFCはイオン導電性の金属酸化物を電解質として採用し、混合導電型の酸化物を(カソード)空気電極として採用する。





固体電解質材料は、自動車などの分野の燃料電池および酸素センサなどの分野に応用される鍵となる材料である。現在、世界的に成熟した固体電解質材料にはイットリア安定化ジルコニア(略称YSZ)などの酸化物材料があり、燃料電池および酸素センサなどに用いられる。その作動温度は一般に1000℃前後であり、優れた性能を有するとともに、価格も比較的低い。しかし、1000℃という高温の作動温度は設備の製造および運転の困難を招き、YSZと部材材料との間の化学反応も、高温下で長期にわたって使用される材料の劣化問題を引き起こし、かつ、材料の接続などの工程を実施することが難しい。他方、自動車排出ガスセンサ用の電解質材料としては熱衝撃破壊、始動時間が長いなどの問題を克服する必要がある。近年、世界各国では比較的低い温度下で高いイオン導電率を有する材料の開発が注目されている。特に比較的低い温度条件下で高いパワー出力を有することが要求される設備では、固体電解質材料が比較的低い温度下で高いイオン導電率、高い安定性を有することが必要とされる。その他、燃料電池の空気側の電極材料は高い混合導電率を有する酸化物材料でなければならない。





現在までに、開発公開されている固体電解質材料にはランタンガレート系(特許文献1)、安定酸化ビスマス系および安定ジルコニア混合体系(特許文献2)、セリア系複合酸化物(特許文献3~6)がある。





セリア(CeO)、ジルコニア、酸化ビスマスなどはいずれもホタル石構造のイオン導体材料である。低原子価の金属元素をドープすることにより、結晶構造中に酸素の欠陥(空孔)を発生して高い酸素イオン伝導性を形成する。例えば特許文献3においてはセリア中に3価の希土類元素をドープすることが提起されており、セリア中にイットリアをドープした上でさらにその他の1価または2価元素がドープされている。特許文献4においてはセリア中でイオン半径の大きなランタン原子によりセリウム原子を部分的に置換し、かつ、2価のストロンチウム(Sr)またはバリウム(Ba)によりセリウム原子を置換して、材料中の酸素空孔をさらに無秩序化させて、高いイオン導電率を得ている。特許文献5においては比較的大きな2価および3価のカチオンで4価セリウムの位置を置換して、酸素の欠陥を得るとともに、比較的大きな結晶応力をもたらすことにより、高いイオン導電率を得ることが紹介されている。特許文献6においてはセリア中にイッテルビウム(Yb)、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、サマリウム(Sm)、ネオジム(Nd)およびランタン(La)などの元素をドープして、800℃以下、酸素分圧10-30~10-15気圧(atm)下で高い酸素イオン伝導率を得ることが紹介されている。





しかし、金属酸化物を燃料電池(SOFC)のカソードおよび電解質材料として使用する場合においては、往々にして、気体、イオンおよび電子が同時に関与する気体/電極/電解質の三相材料間の化学反応が伴う。上記反応を有利に実施するために、繊維状の金属酸化物を有する固体電解質および電極が発明されており、例えば特許文献7および8に示されている通りである。





上記3~5の特許文献において記述されている通り、セリア系複合酸化物がアルカリ土類金属をドープする場合は、環境雰囲気の影響を受けて炭酸塩を発生しやすくて導電率の低下を招き、さらに使用過程においては固体電解質材料としての構造安定問題が発生する。一般に、4価のセリウムの酸化物中に3価の希土類元素または2価のアルカリ土類金属元素を添加すると、どちらも酸素の空孔濃度を増加可能であるが、過量のドープによりその他の化合物が生成されて導電率の低下が引き起こされる。その他、高温還元雰囲気条件下でセリア中の4価セリウムイオンCe4+が3価のセリウムイオンCe3+に還元されて電子導電が引き起こされてイオン導電率が低下し、燃料電池の効率が低下する。また、還元反応によりセリア固体電解質材料の亀裂も生じて、失効する。





従って、現在までに各種各様の複合酸化物固体電解質材料が開発されているが、依然として燃料電池(SOFC)の低作動温度条件下における高いイオン導電率、高いパワー出力との要求を満足することは困難である。

産業上の利用分野



本発明は固体電解質材料およびその製造方法に関するものであり、特に高イオン導電率またはイオン/電子混合導電型電解質材料およびその製造方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Dy、Ho、Yb、Zr、Sr、Ba、Fe、Co、MgおよびGaのうちから選択される少なくとも1種の金属の金属酸化物のナノファイバーの製造方法であって、
a)前記金属の塩及び高分子化合物を含有する前駆体を電界紡糸して、前記金属の塩を含有する前駆体のナノファイバーを製造することと、
b)前記金属の塩及び高分子化合物を含有する前駆体のナノファイバーを550~650℃の温度範囲内で2~4時間焼成し、前記少なくとも1種の金属元素を含有する金属酸化物のナノファイバーを得ることと、を含み、
前記ナノファイバーの平均径が50~100nmの範囲であり、前記ナノファイバー中の結晶体の平均結晶粒が2~20nmの範囲である、金属酸化物のナノファイバーの製造方法。

【請求項2】
前記金属酸化物は、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、SmおよびGdから選択される少なくとも1種の金属の金属酸化物である、請求項1に記載の製造方法。

【請求項3】
前記金属酸化物が、ガドリニウムドープセリア(GDC)またはイットリア安定化ジルコニア(YSZ)である、請求項1または2に記載の製造方法。

【請求項4】
前記高分子化合物がポリビニルアルコールである、請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。

【請求項5】
前記工程b)が、前記前駆体のナノファイバーを600℃で2時間焼成することで実施される、請求項1~4のいずれか一項に記載の製造方法。

【請求項6】
Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Dy、Ho、Yb、Zr、Sr、Ba、Fe、Co、MgおよびGaのうちから選択される少なくとも1種の金属元素を含有する金属酸化物のナノファイバーであって、前記ナノファイバーの平均径は50100nmの範囲であり、前記ナノファイバー中の結晶体の平均結晶粒は2~20nmの範囲である、金属酸化物のナノファイバー。

【請求項7】
前記金属酸化物が、ガドリニウムドープセリア(GDC)またはイットリア安定化ジルコニア(YSZ)である、請求項6に記載の金属酸化物のナノファイバー。

【請求項8】
請求項6または7記載の金属酸化物のナノファイバーを含む、固体電解質材料。

【請求項9】
請求項記載の固体電解質材料から製造される、燃料電池。

【請求項10】
請求項記載の固体電解質材料から製造される、酸素センサ。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2013501613thum.jpg
出願権利状態 登録
分野
  • 繊維;紙
  • 化学;冶金
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