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X線源回折格子のステップ撮像システムおよび撮像方法

国内特許コード P150011784
掲載日 2015年3月30日
出願番号 特願2013-505291
公表番号 特表2013-524897
登録番号 特許第5462408号
出願日 平成22年12月27日(2010.12.27)
公表日 平成25年6月20日(2013.6.20)
登録日 平成26年1月24日(2014.1.24)
国際出願番号 CN2010002174
国際公開番号 WO2011130896
国際出願日 平成22年12月27日(2010.12.27)
国際公開日 平成23年10月27日(2011.10.27)
優先権データ
  • 201010149869.4 (2010.4.19) CN
発明者
  • 黄 志峰
  • 陳 志強
  • 張 麗
  • 李 元景
  • ▲シン▼ 宇翔
  • 趙 自然
  • 肖 永順
  • 李 亮
  • 丁 飛
出願人
  • 清華大学
  • 同方威視技術股▲分▼有限公司
発明の名称 X線源回折格子のステップ撮像システムおよび撮像方法
発明の概要 X線源(S)、線源回折格子(G0)、固定回折格子モジュール(P)およびX線検出器(T)は、X線が伝搬する方向に順に配置される。線源回折格子は、光経路方向と格子ストライプ方向とに対し垂直な方向にステップ移動する。コンピュータ・ワークステーションは、X線源、線源回折格子およびX線検出器を制御する。X線撮像方法は、線源回折格子によって少なくとも1つの周期でステップ移動し、各ステップにおいてX線源によって物体(W)にX線を放射し、X線検出器によってX線を受取り、少なくとも1つの周期のステップとデータ収集後に、X線検出器上の各ピクセル点におけるX線の光強度を光強度曲線として示し、X線検出器上の各ピクセル点における光強度曲線を、物体(W)が存在しない光強度曲線と比較し、光強度曲線の変化から各ピクセル点におけるピクセル値を算出し、物体(W)の画像を再構成する。
従来技術、競合技術の概要



CTスキャン・デバイスなどの従来技術では、X線を用いる、物体の走査撮像が広く用いられている。従来のX線走査撮像は、一般に、物体の内部構造を非破壊試験するように、X線に対して検出された材料の減衰特性を利用する。物体内部のそれぞれの部分の構造的構成が、密度において顕著に異なる場合、従来のX線撮像技術の効果は特に重要である。光学素子から成る物質は、X線に対する吸収が弱い物質であり、したがって、従来のX線撮像技術では、内部の具体的な構造をほとんど見ることができない。また生物学的組織への造影剤の注入など、他の補助手段が使用された場合にも、明瞭な画像を取得するのが困難になり、多くの不完全性をもたらす。1990年代に、X線位相コントラスト撮像技術が出現した。前記位相コントラスト撮像は、X線の位相シフト情報を捉えることにより、物体内部の電子密度の変化を観測するためのものであり、それによって物体の内部構造を明らかにする。当初は、現われた位相コントラスト撮像方法は、たいてい、コヒーレントなX線または部分的にコヒーレントなX線の干渉または回折現象を用いることにより、放射された画像の低コントラストの分解能を向上させるものであった。このようなことを基礎として、すべての内容が本願明細書に援用されている、特許文献1の「System

and method for X-ray gratings phase-contrast imaging」および特許文献2の「X ray Phase contrast tomographic imaging」において、ホアン・ジーフォン(HUANG Zhifeng)らは、2つの吸収格子を使用して、1つの格子周期で並行して相対的に数ステップ移動させ、検出器が各ステップで1つの画像を取得し、1つの格子周期における取得工程が終了した後に、各ピクセル点が対応するサンプル光の強度曲線をバックグラウンド光の強度曲線と比較することにより、検出する物体の屈折像の情報を算出することを含む、非コヒーレントな格子の位相コントラスト撮像の斬新な技術的概念および解決策を提案した。これは、優れた位相コントラスト撮像効果をもたらす。前記方法は、多色の非コヒーレントな線源の下で作動され得て、簡単で利用可能な手段を実現する。





また、X線撮像技術の発達の間に、暗視野撮像技術も出現した。前記暗視野撮像は、散乱光、回折光、屈折光、蛍光などの非直接光を使用することにより、物質材料を撮像し、また、物質の内部構造の、X線を散乱させる能力の差によって物質の内部構造を撮像する技術である。暗視野撮像に関しては、硬X線の独特な光学的性質のために、必要な光学素子を作製するのが非常に困難であり、したがって、硬X線の暗視野撮像をうまく実現するのは常に困難である。しかし、硬X線の暗視野撮像技術には、物質内部の微細構造を識別したり検出したりする能力において、明視野撮像技術および位相コントラスト撮像技術に対して特別な利点がある。硬X線の散乱がマイクロメートルの大きさどころかナノメートルの大きさであるので、硬X線暗視野撮像技術は、硬X線明視野撮像技術および位相コントラスト撮像技術では識別することができない物質内部の超微細構造を見ることができる。すべての内容が本願明細書に援用されている2009年出願の特許文献3の「X-ray dark-field imaging system and method」で、ホアン・ジーフォン(HUANG Zhifeng)らは、X線を用いることにより、検出されるべき物体にX線を放射し、2つの吸収格子のうちの1つが少なくとも1つの周期でステップすることを可能にし、各ステップの工程で、検出器がX線を受け取って電気信号に変換して、少なくとも1つの周期のステップの後に、検出器上の各ピクセル点にお

けるX線強度を光強度曲線として表し、検出器上の各ピクセルにおける光強度曲線と、検出されるべき物体が存在しないときの光強度曲線の間のコントラストに従って各ピクセルの散乱角分布の2次モーメントを算出して、別々の角度から物体の画像を得た後に、CT再構成アルゴリズムによる物体の散乱情報の撮像を得ることを含む、物体の暗視野撮像を遂行する技術的解決法を提案した。





前述の格子撮像技術は、すべてが、ステップ技術を用いることにより、検出器上の各検出ユニット(ピクセル点)の光強度曲線を測定する必要があり、ステップ技術に関する基本原理は、線源回折格子がX線源装置の近くに固定された後、タルボ・ロー(Talbot-Lau)干渉法に基づく技術では、位相格子または解析格子を、1つの格子周期で並行して、相対的に数ステップ移動させるが、標準的な光学的方法に基づく技術では、2つの吸収格子を、1つの格子周期で並行して、相対的に数ステップ移動させる。検出器は、各ステップで1つの画像を取得する。1つの格子周期の取得工程を終了した後に、各ピクセル点が対応するサンプル光の強度曲線をバックグラウンド光の強度曲線と比較することにより、屈折像情報、減衰像情報および暗視野像情報を算出することができる。位相格子、解析格子または吸収格子が、数マイクロメートルの大きさの周期を有し、1マイクロメートル未満の大きさのステップ精度が必要とされるので、機械的デバイスの精度、一体型デバイスの耐衝撃性および耐環境温度性がきわめて必要とされ、したがって、撮像システムを構成する際の困難さおよびそれによるコストが極端に増大することにより、このような斬新な格子撮像技術の用途および発展が制限されている。

産業上の利用分野



本発明は、一般にX線撮像の分野に関し、より具体的には、格子のステップ技術により、X線を用いる、物体の投影撮像に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
X線を用いて物体を撮像するためのX線撮像のシステムであって、前記システムは、
X線源(S)と;
線源回折格子(G0)と;
固定回折格子モジュール(P)と;
X線検出器(T)と
を備え、
前記X線源(S)、前記線源回折格子(G0)、前記固定回折格子モジュール(P)、および前記X線検出器(T)は、前記X線の伝搬方向に連続して配置され、
検出されるべき物体は、前記線源回折格子と前記固定回折格子モジュールの間に配置され、
前記線源回折格子は、前記X線の光路方向および格子縞に対して垂直な方向にステップ移動することができ、
前記システムはさらに、前記X線源、前記線源回折格子、および前記X線検出器を制御するためのコンピュータ・ワークステーションを備え、前記コンピュータ・ワークステーションは、
前記線源回折格子を、その少なくとも1つの周期でステップ移動させる移動工程と;
各ステップ移動において、前記X線源は、前記検出されるべき物体にX線を放射し、前記X線検出器は、前記X線を同時に受け取って、少なくとも1つの周期のステップおよびデータ収集の後に、前記X線検出器上の各ピクセル点におけるX線の光強度を光強度曲線として表す表示工程と;
前記X線検出器上の各ピクセル点における前記光強度曲線を、前記検出されるべき物体が存在しない状態における光強度曲線と比較して、前記光強度曲線の変化から各ピクセル点のピクセル値を算出する算出工程と;
前記算出されたピクセル値によって検出された前記物体の画像を再構成する再構成工程と
を達成する、システム。

【請求項2】
前記システムはさらに、作動手段を備え、
前記作動手段は、前記線源回折格子がステップ移動することと、前記検出されるべき物体が前記コンピュータ・ワークステーションの制御下で前記システムの他の部分に対してある角度だけ回転することとのうちの少なくとも一方を可能にする、
請求項1に記載のシステム。

【請求項3】
前記線源回折格子の前記移動工程、前記表示工程、および前記算出工程が各回転角で繰り返されることによって、複数の角度におけるX線画像のピクセル値が得られ、次いで、所定のCT画像再構成アルゴリズムにより、前記検出されるべき物体の立体画像が再構成される、
請求項2に記載のシステム。

【請求項4】
前記コンピュータ・ワークステーションは、
データの情報を処理し、そこから、前記検出されるべき物体のそれぞれの点のピクセル値を算出するデータ処理モジュールと;
前記算出されたピクセル値によって、前記検出されるべき物体の画像を再構成するための画像再構成モジュールと;
前記X線源、前記線源回折格子、および前記X線検出器の動作を制御する制御モジュールと
を備える、
請求項1に記載のシステム。

【請求項5】
前記固定回折格子モジュール(P)は、相対的に固定された第1回折格子(G1)と第2回折格子(G2)からなる、
請求項1に記載のシステム。

【請求項6】
前記コンピュータ・ワークステーションはさらに、前記検出されるべき物体の画像を表示する表示装置を備える、
請求項1に記載のシステム。

【請求項7】
前記コンピュータ・ワークステーションは、前記検出されるべき物体が存在する状態での前記光強度曲線を、前記検出されるべき物体が存在しない状態でのバックグラウンドの光強度曲線と比較することによって、前記検出されるべき物体の所定の点におけるX線の屈折情報を算出し、前記屈折情報から対応するピクセル値を算出することができる、
請求項1に記載のシステム。

【請求項8】
前記コンピュータ・ワークステーションは、前記検出されるべき物体が存在する状態での前記光強度曲線を、前記検出されるべき物体が存在しない状態でのバックグラウンドの光強度曲線と比較することによって、前記検出されるべき物体の所定の点におけるX線の散乱情報を算出し、且つ前記散乱情報から対応するピクセル値を算出することができる、
請求項1または7に記載のシステム。

【請求項9】
前記コンピュータ・ワークステーションは、前記検出されるべき物体が存在する状態での前記光強度曲線を、前記検出されるべき物体が存在しない状態でのバックグラウンドの光強度曲線と比較することによって、前記検出されるべき物体の所定の点におけるX線の減衰情報を算出し、且つ前記減衰情報から対応するピクセル値を算出することができる、
請求項1、7または8に記載のシステム。

【請求項10】
前記X線源は、非コヒーレントなX線を放射する、
請求項1に記載のシステム。

【請求項11】
前記線源回折格子、前記第1回折格子(G1)、前記第2回折格子(G2)、および前記X線検出器は、次式の関係を有し、
【数1】


ここで、pは、前記第1回折格子(G1)の周期であり、
は、前記第2回折格子(G2)の周期であり、
Lは、前記X線源から前記第1回折格子(G1)までの距離であり、
Dは、前記第1回折格子から前記第2回折格子までの距離である、
請求項5に記載のシステム。

【請求項12】
前記線源回折格子、前記第1回折格子(G1)、前記第2回折格子(G2)、および前記X線検出器は、次式の関係を有し、
=(p/2)×L/(L-D
ここで、pは、前記第1回折格子(G1)の周期であり、
は、前記第2回折格子(G2)の周期であり、
Lは、前記X線源から前記第1回折格子(G1)までの距離であり、
は、前記第1回折格子から前記第2回折格子までの距離であって、
【数2】


であり、
λは、X線の波長である、
請求項5に記載のシステム。

【請求項13】
X線源、線源回折格子、固定回折格子モジュール、X線検出器、およびコンピュータ・ワークステーションを備えるX線撮像システムによって検出されるべき物体を撮像するためのX線撮像方法であって、前記X線撮像方法は、前記コンピュータ・ワークステーションの制御下で、
前記検出されるべき物体にX線を放射する工程と;
前記線源回折格子が、少なくとも1つの周期でステップ移動することを可能にする工程と;
各ステップ移動の処理において、前記X線検出器が、X線を受取り、処理可能なデジタル電気信号に変換することであって、少なくとも1つの周期のステップおよびデータ収集の後に、前記X線検出器上の各ピクセル点におけるX線の光強度を光強度曲線として表す表示工程と;
前記X線検出器上の各ピクセル点における前記光強度曲線を、前記検出されるべき物体が存在しない状態での光強度曲線と比較することによって、前記光強度曲線の変化を取得する変化取得工程と;
前記光強度曲線の変化から各ピクセル点のピクセル値を算出する算出工程と;
画像再構成モジュールが、すべてのピクセル値によって前記検出された物体の画像を再構成する再構成工程と
を遂行する、X線撮像方法。

【請求項14】
前記コンピュータ・ワークステーションは、制御モジュール、データ処理モジュール、および画像再構成モジュールを備える、
請求項13に記載のX線撮像方法。

【請求項15】
前記X線撮像方法はさらに、
前記検出されるべき物体を回転する工程と;
前記表示工程、前記変化取得工程、および前記算出工程それぞれを、各回転角において繰り返して、前記検出されるべき物体のそれぞれの点の前記X線検出器上のピクセル値の分布を別々の角度で得る工程と;
前記検出されるべき物体の立体画像を、CT画像の再構成アルゴリズムによって再構成する工程と
を有する、
請求項13に記載のX線撮像方法。

【請求項16】
前記X線撮像方法はさらに、
前記検出されるべき物体が存在する状態での前記光強度曲線を、前記検出されるべき物体が存在しない状態でのバックグラウンドの光強度曲線と比較することによって、前記検出されるべき物体の所定の点におけるX線の屈折情報を算出する工程と;
対応するピクセル値を前記屈折情報から算出する工程と
を有する、
請求項13に記載のX線撮像方法。

【請求項17】
前記X線撮像方法はさらに、
前記検出されるべき物体が存在する状態での前記光強度曲線を、前記検出されるべき物体が存在しない状態でのバックグラウンドの光強度曲線と比較することによって、前記検出されるべき物体の所定の点におけるX線の散乱情報を算出する工程と;
対応するピクセル値を前記散乱情報から算出する工程と
を有する、
請求項13または16に記載のX線撮像方法。

【請求項18】
前記X線撮像方法はさらに
前記検出されるべき物体が存在する状態での前記光強度曲線を、前記検出されるべき物体が存在しない状態でのバックグラウンドの光強度曲線と比較することによって、前記検出されるべき物体の所定の点におけるX線の減衰情報を算出する工程と;
対応するピクセル値を前記減衰情報から算出する工程と
を有する、
請求項13、16または17に記載のX線撮像方法。

【請求項19】
前記コンピュータ・ワークステーションはさらに、前記検出された物体の画像を表示するための表示装置を備え、
前記X線撮像方法はさらに、前記再構成された画像を相補的に表示する工程を有する、
請求項18に記載の方法。

【請求項20】
前記ステップ移動の処理は、前記線源回折格子の1つの周期において5よりも多いステップ数を含む、
請求項18に記載のX線撮像方法。

【請求項21】
前記ステップ移動の処理は、前記線源回折格子の1つの周期において5未満のステップ数を含む、
請求項18に記載のX線撮像方法。

【請求項22】
請求項13乃至21のいずれか1項に記載のX線撮像方法を達成するためのコンピュータ実行可能命令からなるコンピュータ・プログラム製品。
国際特許分類(IPC)
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