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複合軟磁性粉末の製造方法および複合軟磁性粉末コアの製造方法

国内特許コード P150011787
掲載日 2015年3月30日
出願番号 特願2013-530547
公表番号 特表2013-546162
登録番号 特許第5607833号
出願日 平成23年9月23日(2011.9.23)
公表日 平成25年12月26日(2013.12.26)
登録日 平成26年9月5日(2014.9.5)
国際出願番号 CN2011080085
国際公開番号 WO2012041189
国際出願日 平成23年9月23日(2011.9.23)
国際公開日 平成24年4月5日(2012.4.5)
優先権データ
  • 201010297482.3 (2010.9.29) CN
発明者
  • ヤン バイ
  • ユ ロンハイ
  • 大河内 智
  • 岡本 大祐
出願人
  • 清華大学
  • トヨタ自動車株式会社
発明の名称 複合軟磁性粉末の製造方法および複合軟磁性粉末コアの製造方法
発明の概要 本発明ではFe/Fe複合軟磁性粉末及びその製造方法、該複合軟磁性粉末を含む磁性粉末コアおよびその製造方法が公開されている。酸化制御法を採用して鉄粉末粒子の表面上にインサイチュで1層のFeシェル層を生成して、構造が均一なFe/Fe複合軟磁性粉末を作製し、Fe/Fe複合軟磁性粉末と適量のシリコーン樹脂とを混合し、粉末冶金圧密工程を採用して高性能のFe/Fe複合軟磁性粉末コアを作製した。この種の複合磁性粉末コアは高密度、高透磁率、高磁束密度、低損失および高破断強さを同時に有し、大出力および低損失での使用状況に適用される。本発明は工程プロセスは簡単であり、環境に優しく、かつ、工業化生産に適しているなどの特徴を有している。
【選択図】図6
従来技術、競合技術の概要



高磁束密度および低損失という使用特性を有する複合軟磁性材料は磁性材料分野における1つの重要な研究方向である。この種の材料は現代的な工業の発展に必須の動力駆動システムにおける電磁部材、例えば高速モータの回転子などを製造可能であり、現在急速に発展している民間のハイテクハイブリッド自動車および電気自動車などの分野において潜在的な応用の展望および巨大な経済的効果を有している。磁性性能において材料は高磁束密度および低損失を同時に有することが要求されるが、従来の金属軟磁性材料および軟磁性フェライトは使用要件にははるかに及ばない。そのため、新たな複合軟磁性材料の研究および開発が人々に重視され続けている。





複合軟磁性材料の製造工程では、通常、金属(例えばFe粉末)または合金(例えばFe-Ni、Fe-CoまたはFe-Si合金)の磁性粒子表面を有機物および無機物の絶縁層で被覆するか、または磁性粒子基体-高電気抵抗率連続繊維の複合方式を採用して複合軟磁性粉体を形成し、その後、粉末冶金圧密工程を採用して緻密なブロック体の軟磁性材料を作製する。有機物絶縁層の耐熱温度が低く、温度安定性が劣るため、有機被覆の軟磁性複合材料は高温条件に適用しない。また、有機物の被覆により、粉末の圧密密度が比較的低く、材料の磁束密度も透磁率も高くない。現在、化学法が多用されて金属磁性粒子の無機物被覆が実現されており、被覆物の多くはPまたはSを含む金属化合物であるが、PまたはSを含む被覆層の絶縁性は理想的ではなく、かつ、PまたはSを含む被覆液の環境に対する汚染が懸念される。Hoganas社が開発したSomaloyシリーズの複合軟磁性材料はリン酸塩を被覆前駆体として採用し、複雑な化学反応により、Fe粉末粒子の表面上に厚みを制御可能なFeP被覆層を1層形成していることにより、比較的大きい程度で材料の電気抵抗率を高め、材料の交流使用条件下における磁性損失を減少させることが可能である。しかし、Hoganas社が採用している被覆工程は比較的複雑であり、かつ、鉄粉末をリン化処理した後の廃液は環境に対する潜在的な汚染になる可能性を有しており、また、FeP被覆層の絶縁性は高くなく、表面も酸化しやすい。





磁性粒子-酸化物コアシェル複合構造磁性材料の研究は、早くにはバイオ医学の応用に由来している。例えば超常磁性を有する超マイクロ磁性粒子(粒子寸法が10nm未満のFe)の表面に1層のナノクラスの酸化ケイ素シェル層を均一に被覆することにより、コアシェル複合構造の磁性粒子を形成可能である。酸化物シェル層の存在により、この種の複合粒子は集塊し易くなく、分散性が良好であり、耐腐食性が強い。薬物をこの種の複合磁性ナノ粒子の表面上に担持し、磁界のターゲット作用により病巣組織まで搬送し、定位置で放出することで、高効率および低毒性の治療効果を発揮できる。軟磁性特性を有する磁性粒子-酸化物コアシェル複合構造について言えば、磁性粒子の化学成分を調整制御することにより材料に優れた固有磁気特性を備えさせ、好適な酸化物をシェル層として選択することにより、材料の電気抵抗率を高めることができる。実際の応用要求を考慮すると、好適な酸化物被覆層を選択して磁性粒子の表面上で完全な被覆を実現することは、解決すべき鍵となる技術的課題である。好適な酸化物被覆層を選択する際の要求は、複合磁性粒子の電気抵抗率を高め、材料の磁性損失を低下させるとともに、材料が大出力の使用特性を有するように、被覆層で材料の飽和磁気誘導度および透磁率を過度に低下させないことである。





また、従来から、電動機等に用いる磁心は、Fe/Fe3O4複合軟磁性粉末を圧粉成形することにより製造される。複合軟磁性粉末コアに用いられるFe/Fe3O4複合軟磁性粉末は、加圧成形後の各磁性粒子間の電気的な絶縁性を確保するために、磁性粉末を構成する磁性粒子の粒子表面に絶縁層が被覆されている。





このようなFe/Fe3O4複合軟磁性粉末の製造方法として、例えば、特開2007-194273号公報に示す製造方法が提案されている。具体的には、この製造方法では、まず、鉄系磁性粒子からなる鉄系磁性粉末を準備する。次に、鉄系磁性粒子の表面層を酸化させて、FeO-Fe-Feなどの酸化物層を形成する。次に、この酸化物層の表面に、酸化物層よりも絶縁性の高い絶縁物質からなる層を被覆し、酸化物層と絶縁物質層と加熱して結合強化処理した金属化合物層を形成する。さらに、金属化合物層の表面にシリコーン樹脂を被覆する。このようにして得られたFe/Fe3O4複合軟磁性粉末は、その粒子に絶縁物質からなる金属化合物層が形成されているので、これにより製造された複合軟磁性粉末コアは、より高い絶縁特性を有している。





また、この他にも、特開2009-117471号公報には、鉄系磁性粒子の表面に、Al-Si-O系複合酸化物の絶縁層を被覆し、絶縁層の表面にシリコーン樹脂を被覆したFe/Fe3O4複合軟磁性粉末の製造方法が提案されている。

産業上の利用分野



本発明は軟磁性材料およびその製造技術分野に属し、特に磁性粉末を構成する磁性粒子の粒子表面に少なくとも高分子樹脂からなる絶縁層が被覆された複合軟磁性粉末、その製造方法、前記複合軟磁性粉末により製造された複合軟磁性粉末コアおよびその製造方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
鉄系磁性粉末を構成する鉄系磁性粒子の表面層を酸化することにより、Feからなる酸化鉄層を形成する工程と、
該酸化鉄層の表面に、高分子樹脂からなる絶縁層を被覆する工程と、を少なくとも含み、
前記鉄系磁性粒子は、純鉄粒子であり、
前記酸化鉄層の形成工程において、前記表面層の酸化を、酸素ガスと不活性ガスとを混合した混合ガスの雰囲気下で前記鉄系磁性粒子を加熱処理することにより行うことを特徴とするFe/Fe複合軟磁性粉末の製造方法。

【請求項2】
前記高分子樹脂に、シリコーン樹脂を用いることを特徴とする請求項1に記載のFe/Fe複合軟磁性粉末の製造方法。

【請求項3】
前記酸化鉄層の形成工程において、前記混合ガスの酸素ガスの割合を3体積%~30体積%とし、前記加熱処理の加熱温度を100℃~500℃とし、かつ前記加熱処理の加熱時間を5分~90分とした条件で、前記表面層の酸化を行うことを特徴とする請求項に記載のFe/Fe複合軟磁性粉末の製造方法。

【請求項4】
(1)分析用試薬のアセトンおよび分析用試薬のエタノールを採用して、平均粒径が170μm、Fe元素が99質量%を超える高純度鉄粉末である鉄粉末を洗浄し、鉄粉末の洗浄後に真空乾燥箱中で乾燥するステップと、
(2)1~3Paの低真空下で雰囲気制御可能な酸化炉を400~420℃まで加熱するステップと、
(3)ステップ(1)において洗浄および乾燥した鉄粉末をステップ(2)において予め加熱した雰囲気制御可能な酸化炉中に投入するとともに、雰囲気制御可能な酸化炉中にアルゴンガスと高純度酸素ガスとの混合ガスを充填し、炉温が400~420℃に回復してから、40~50分間保温するステップと、
(4)ステップ(3)で加熱した後の鉄粉末を雰囲気制御可能な酸化炉中から取り出し、速やかに室温の真空炉中に移して、真空条件下で室温まで冷却して、Fe/Fe複合軟磁性粉末を得るステップと、
(5)ステップ(4)において得られたFe/Fe複合軟磁性粉末をシリコーン樹脂と混合し、そのうち、Fe/Fe複合軟磁性粉末の割合が99.2質量%~99.8質量%、シリコーン樹脂の割合が0.2質量%~0.8質量%であり、混合後の物質を粉末圧密成形工程を採用して緻密な環状試料となるようにプレスし、環状試料に対して真空条件下で焼鈍処理を施して、複合軟磁性粉末コアを作製するステップと、を含む
ことを特徴とする複合軟磁性粉末コアの製造方法。

【請求項5】
ステップ(1)において、洗浄後の前記鉄粉末を乾燥する際の乾燥温度は30~60℃であり、乾燥時間は20~30分間であることを特徴とする請求項に記載の複合軟磁性粉末コアの製造方法。

【請求項6】
ステップ(2)において、5~30℃/minの昇温速度で昇温することを特徴とする請求項に記載の複合軟磁性粉末コアの製造方法。

【請求項7】
ステップ(3)において、前記混合ガス中で、高純度酸素ガスの割合が15体積%~25体積%であり、アルゴンガスの割合が75体積%~85体積%であることを特徴とする請求項に記載の複合軟磁性粉末コアの製造方法。

【請求項8】
ステップ(4)において、前記真空条件で選択される真空度は3×10-3~5×10-3Paであることを特徴とする請求項に記載の複合軟磁性粉末コアの製造方法。

【請求項9】
ステップ(5)において、環状試料は1200~1800MPaの圧力下でプレスされることを特徴とする請求項に記載の複合軟磁性粉末コアの製造方法。

【請求項10】
ステップ(5)において、前記環状試料の焼鈍温度は500~700℃であり、焼鈍時間は20~40分間であることを特徴とする請求項に記載の複合軟磁性粉末コアの製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2013530547thum.jpg
出願権利状態 登録
分野
  • 電気
  • 処理操作;運輸
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