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キナーゼ阻害剤及び関連する疾患の処置方法

国内特許コード P150011808
掲載日 2015年3月30日
出願番号 特願2014-537452
公表番号 特表2014-532630
登録番号 特許第5909558号
出願日 平成24年10月25日(2012.10.25)
公表日 平成26年12月8日(2014.12.8)
登録日 平成28年4月1日(2016.4.1)
国際出願番号 CN2012001432
国際公開番号 WO2013060098
国際出願日 平成24年10月25日(2012.10.25)
国際公開日 平成25年5月2日(2013.5.2)
優先権データ
  • 201110327240.9 (2011.10.25) CN
発明者
  • パン,ジェンイン
  • リー,シータオ
出願人
  • 北京大学深▲ヂェン▼研究生院
  • ベイジン レシプロカファーマシューティカルズ カンパニー リミテッド
発明の名称 キナーゼ阻害剤及び関連する疾患の処置方法
発明の概要 (アミノフェニルアミノ)ピリミジルベンズアミドの化合物及びその合成法を開示する。本化合物はBtk-阻害活性をもつので、自己免疫疾患、異種免疫疾患、癌または血栓塞栓性疾患の処置に使用することができる。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要



キナーゼの作用機序は、高エネルギードナー分子(たとえばATP)から特定の分子へリン酸基を移動させることであり、これはリン酸化反応と呼ばれるプロセスである。プロテインキナーゼは、細胞内のタンパク質に関連するシグナル伝達及び他の作用を制御及び調節するために、リン酸化反応によって特定のタンパク質の活性を変える。細胞シグナル伝達におけるプロテインキナーゼの重要性のため、特定のキナーゼの幾つかの小分子化合物の選択性は、細胞シグナル伝達プロセスをさらに理解するのに有用であろう。その一方で、小分子化合物はキナーゼ活性を調節することによって細胞の機能を制御し、これによってプロテインキナーゼは、臨床疾患の処置における優れた薬剤標的になる。





ブルトン型チロシンキナーゼ(Bruton's tyrosine kinase:Btk)、非受容体型チロシンキナーゼのTecファミリーの一員は、(Tリンパ球及び形質細胞を除く)造血細胞におけるシグナル伝達で重要な役割を果たし、特にB細胞では、自己免疫疾患及び炎症性疾患の発病機序で重要な役割を果たす。Btkは、関節リウマチ、リンパ腫及び白血病などの多くの深刻な難病で良好な臨床的効果を示してきた。





Btkは、B-細胞発生、分化、増殖、活性化及び生存のプロセスで重要な役割を果たす。B細胞におけるBtkの効果は、B-細胞受容体(B-cell receptor:BCR)シグナル伝達経路を制御することにより達成される。BtkはBCRの下流に隣接して位置している。Btkは、BCR刺激の際にシグナルを伝え、一連のシグナル伝達の後、最終的に細胞間カルシウム動員及びプロテインキナーゼC活性化を導く。X-連鎖無ガンマグロブリン血症(ブルトン症候群、XLAともいう)はまれな遺伝性疾患である。これらのXLA患者は成熟B細胞を産生できない。正常なB細胞は、(免疫グロブリンと呼ばれる)抗体を産生することによって外部感染に抵抗する。B細胞も抗体も欠如しているため、XLA患者は深刻、それも致命的な感染症に罹りやすい。さらに研究者らは、B-細胞発生を阻害する直接的な理由が、Btkの遺伝子突然変異であることを知見した。従って、Btkは正常B細胞の発生及び作用において非常に重要な役割を果たしていることが証明されている。





Btkは、B-細胞に関連する癌、特にB-細胞リンパ腫及び白血病において、注目すべき薬剤標的になる。





細胞は、成長及び増殖するのにBCRシグナルが必要である。BtkはBCRシグナル伝達経路で必要不可欠な重要な一員であるので、Btk阻害剤は、BCRシグナル伝達を遮断し、且つ癌細胞のアポトーシスを誘導することができる。現在、慢性リンパ性白血病(Cll)及び小リンパ球性リンパ腫(Sll):PCI-32765(臨床試験フェーズIII)及びAVL-292(臨床試験フェーズI)の臨床処置に関して米国及びヨーロッパで二種類のBtk阻害剤がある(Hermanら(2011年)、Blood 117(23):6287-96頁を参照されたい:非特許文献1)。Btkは急性リンパ芽球性白血病にも関連している。急性リンパ芽球性白血病は子供にもっとも多い癌であり、大人では予後不良である。遺伝子解析から、BTK発現欠乏症は、すべての種類の白血病で知見された。欠陥Btkは、白血病細胞をアポトーシスから守る。





Btkは、自己免疫疾患の治療標的でもある。関節リウマチは慢性の自己免疫疾患である。Btkは、B細胞におけるBCRシグナル伝達及び骨髄細胞におけるFC-γシグナル伝達の重要な成分である。Btk阻害剤は、自己免疫疾患の二つの主な成分、B細胞により産生される病原性自己抗体と、骨髄細胞により産生される炎症性サイトカインを下げると予測される。細胞実験では、Btk阻害剤は、自己抗体と炎症性サイトカインを効果的に下げうることが判明している。コラーゲン誘導関節炎のマウスでは、Btk阻害剤は、自己抗体のin vivoレベルを下げ、疾患を効果的に制御した。これらの結果は、B-細胞または骨髄細胞により活発化した疾患の進行の間に、Btk機能の新しい理解を提供し、関節リウマチの処置においてBtkを標的化する納得できる理由を提供する。(LA Honigbergら(2010年)、Proc Natl Acad Sci USA 107:29:13075-80頁(非特許文献2)及びJA Di Paoloら(2011年)、Nat Chem Biol 7(1):41-50頁(非特許文献3)を参照されたい)。





炎症性疾患におけるBtkの役割は、ラット好塩基球性白血病細胞(RBL-2H3)モデルで論証されてきた。RBL-2H3は、マスト細胞炎症性疾患研究の一般的なモデルである。マスト細胞は、好塩基性顆粒が多く、免疫グロブリンE(IgE)-媒介アレルギー反応で主要な役割を果たす。低分子干渉RNA(siRNA)、及びLFM-A13(有効なBtk阻害剤)は、Btk活性を阻害することにより、マスト細胞により誘導された炎症反応を抑制することができる。siRNA及びLFM-A13で処理されたマスト細胞では、炎症誘発性メディエーター(pro-inflammatory mediator)、ヒスタミンの放出が20~25%抑制される。





Btkは、異種免疫疾患及び血栓塞栓性疾患における治療標的として使用されることも文献で報告されている。





従って、本発明の開示は、自己免疫疾患、異種免疫疾患、炎症性疾患、癌または血栓塞栓性疾患を処置するための新規化合物を提供することを目的とする。

産業上の利用分野



本発明は、(アミノフェニルアミノ)ピリミジルベンズアミドの化合物の分子構造及びその合成法、並びにキナーゼを阻害してB-細胞関連疾患を処置することにおける前記化合物の使用を提供する。

特許請求の範囲 【請求項1】
式(I):
【化1】


の化合物またはその薬学的に許容可能な塩{式中、Wは、H、C1-6アルキル、-(NH-CO)n-L-L3、-(CO-NH)n-L-L3、及び-(NH-CO)n-NH-L-L3から選択され、ここでLは結合、C1-3アルキレンまたはC2-3アルケニレンであり;
3は、C3-8シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、それぞれハロゲン、アミノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシル、ハロ-C1-6アルキルからなる群から選択される1、2または3個の置換基で置換されていてもよく
nは0または1の整数であり;
Xは、H、ハロゲン、及びC1-6アルキルから選択され;
1及びR2は互いに同一または異なり、それぞれ独立してH、C(O)及びS(O)2から選択される;
1及びL2は互いに同一または異なり、それぞれ独立して、C1-3アルキルで置換されていてもよい2-3アルケニル、及びC1-3アルキル-NHC(O)-C2-3アルケニルから選択される;
ただし、R1がHであるとき、L1は存在しない;及びR2がHであるとき、L2は存在しない}。

【請求項2】
式中、Wは、H、エチル、-(NH-CO)n-L-L3、-(CO-NH)n-L-L3、及び-(NH-CO)n-NH-L-L3から選択され、ここでLは結合またはビニレンであり;
3は、F、Cl、アミノ、メトキシル及びCF3から選択される1または2個の置換基で置換されていてもよいシクロプロピル、フェニル、ナフチル、イソキサゾリルまたはベンゾ-[d][1,3]-ジオキソール基であり;
nは1の整数である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。

【請求項3】
式中、Xは、H、F、Cl、及びメチルから選択される、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。

【請求項4】
式中、R1及びR2は互いに同一または異なり、それぞれ独立してH、C(O)及びS(O)2から選択され;
1及びL2は互いに同一または異なり、それぞれ独立してC2-3アルケニル、及びメチル-NHC(O)-エテニルから選択され;
ただし、R1がHであるとき、L1は存在しない;及びR2がHであるとき、L2は存在しない、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。

【請求項5】
式中、Wは、H、エチル、-(NH-CO)n-L-L3、-(CO-NH)n-L-L3、及び-(NH-CO)n-NH-L-L3から選択され、ここでLは結合またはビニレンであり;
3はF、Cl、アミノ、メトキシル及びCF3から選択される1または2個の置換基で置換されていてもよいシクロプロピル、フェニル、ナフチル、イソキサゾリルまたはベンゾ-[d][1,3]-ジオキソール基であり;
nは1の整数であり;
Xは、H、F、Cl、及びメチルから選択され;
1及びR2は互いに同一または異なり、それぞれ独立してH、C(O)及びS(O)2から選択され;
1及びL2は互いに同一または異なり、それぞれ独立してC2-3アルケニル、及びメチル-NHC(O)-エテニルから選択され;
ただし、R1がHであるとき、L1は存在しない;及びR2がHであるとき、L2は存在しない、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。

【請求項6】
以下のもの:
【化2】


【化3】


【化4】


【化5】


【化6】


【化7】


【化8】


から選択される化合物。

【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の化合物の治療的有効量と薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物。

【請求項8】
以下の疾病または症状:自己免疫疾患、異種免疫疾患、炎症性疾患、癌または血栓塞栓性疾患の処置用薬剤の製造における、請求項1~6のいずれか1項に記載の化合物または請求項7に記載の医薬組成物の使用。

【請求項9】
以下の疾患または症状:自己免疫疾患、異種免疫疾患、炎症性疾患、癌または血栓塞栓性疾患の処置法で使用される、請求項1~6のいずれか1項に記載の化合物または請求項7に記載の医薬組成物。

【請求項10】
請求項1~6のいずれか1項に記載の化合物または請求項7に記載の医薬組成物の必要な非ヒト被験者に投与することを含む、以下の疾患または症状:自己免疫疾患、異種免疫疾患、炎症性疾患、癌または血栓塞栓性疾患の処置方
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
分野
  • 化学;冶金
  • 生活必需品
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