TOP > 中国の大学の特許 > 大連理工大学の特許一覧 > 蛍光染料、合成方法及びその利用

蛍光染料、合成方法及びその利用

国内特許コード P150011616
掲載日 2015年3月30日
出願番号 特願2012-510098
公表番号 特表2012-526862
登録番号 特許第5671525号
出願日 平成22年4月30日(2010.4.30)
公表日 平成24年11月1日(2012.11.1)
登録日 平成26年12月26日(2014.12.26)
国際出願番号 CN2010072378
国際公開番号 WO2011082566
国際出願日 平成22年4月30日(2010.4.30)
国際公開日 平成23年7月14日(2011.7.14)
優先権データ
  • 201010022414.6 (2010.1.5) CN
発明者
  • 彭 孝▲軍▼
  • ▲呉▼ ▲トン▼
  • 樊 江莉
  • ▲孫▼ 世国
出願人
  • 大連理工大学
  • 大▲連▼福思▲達▼信息材料有限公司
発明の名称 蛍光染料、合成方法及びその利用
発明の概要 この発明は、構造式Iを有する蛍光染料を提供するものである。式中、XはC(CH3)2、O、SまたはSe、mは1~18の整数、R1及びR2はH、C1-18アルキル基、OR7、-C1-6アルキル-OR7またはハロゲンからそれぞれ独立に選択したもの、R3はピロリル、イミダゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、グアニジノ基、NHR5またはN(R6)2、R4 はC1-18アルキル基、ベンジルまたは(CH2)mR3、R5は飽和及び/または不飽和、直鎖及び/または分枝鎖のC1-18アルキル基、ヒドロキシアルキル、メルカプトアルキル、アミノアルキル、アシル、フェニル、ナフチル又はベンジル、R6はC2-18アルキル基、R7はHまたはC1-18アルキル基、Y-は陰イオンである。この蛍光染料は生物染色に使われて、また核酸ラベル、血液細胞分析、臨床医療診断、免疫分析測定等の分野に応用される。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



機能分子としての蛍光染料は、科学技術上のあらゆる分野で広く使われて、特にライフサイエンス<life science>、臨床医療診断、免疫分析測定等における研究は世界で注目されている。現在、フェナントリジン<phenanthridine>系(EB、PI)、アクリジン<acridine>系(AO)、イミダゾール<imidazole>系(Hoechst、DAPI)とシアニン<cyanine>染料系(Cy、TOTO、SYTO)等の商品化された蛍光染料は、ゲノミクス<genomics>技術、核酸定量測定、血液細胞分析等の分野で大きな役割を果たしている。しかしながら、これらの染料はそれぞれ利用上の局限性がある。第一、主に大部分の蛍光染料は固定細胞サンプルに制限されることである。例えば、TOPRO、TOTO族染料、エチジウムブロミド(EB)、ヨウ化プロピジウム(PI)等は、細胞膜の透過性を増大して、または膜を崩壊することによって、ようやく生体サンプルに有効な蛍光ラベルを付けられる。しかしながら、このような固定方法は細胞と生物組織の実態への観察に悪い影響を与えることがある[Kozubek S, Lukasova E, Amrichova J, Kozubek M, LiskovaA, Slotova J. Anal Biochem2000;282:29-38]。それとともに、エチジウムブロミド等のアクリジン<acridine>,フェナントリジン<phenanthridine>系染料はひどい毒性と発癌性がある。第二に、数多くの蛍光染料の励起光源は紫外バンドにあり、例えば、デオキシリボ核酸(DNA)を専門に識別できる蛍光染料4’, 6-ジアミノ<diamino>-2-フェニルインドール化合物(DAPI)、Hoechst33258,Hoechst34580等は、DNAと結合すると、紫外線の励起によって、青い蛍光を発生することである。紫外線は細胞内の核酸、蛋白等の成分をひどく傷めるため、このような蛍光は蛍光顕微技術における利用は光励起時間に制限される[Davis SK, Bardeen C, J.Photochem Photobiol 2003;77:675-679]。また、紫外バンドで蛍光測定を行う時、生体サンプルのこのバンドでの吸収は光を生物組織内に入り難くさせるとともに、生体サンプルの中の一部の成分の自己蛍光は強いバックグラウンド<background>干渉を発生して、測定効率を大きく低下させる。従って、蛍光スペクトル<spectrum>性能がよい、毒性が小さい、生細胞通透性である新規蛍光染料の研究・開発は、まだ蛍光分析技術とライフサイエンス<life science>等の発展を推進するキーポイントとなっている。





多種類の蛍光染料の中で、シアニン<cyanine>系蛍光染料は波長レンジが広い、モル<mole>吸光係数が大きい、蛍光量子収量が適度である等の特徴を持っているため、生体分子蛍光プローブ<probe>、CD・VCDメモリー材料、感光材料光増感剤、光電転換材料等として、既に広く使われている。その内、キノリン<quinoline>系非対称シアニン<cyanine>系蛍光染料は、核酸と高い親和力があるが、その他の生体高分子とほとんど結合しないという特異性によって、ゲノミクス<genomics>技術、核酸定量測定、血液細胞分析等の分野での応用は他のものと比べられない優位性がある。当該化合物と核酸との結合形態は、静電引力、塩基対はめ込みとスロット<slot>結合を含む。具体的な結合形態と結合力は当該マーカーの構造及び核酸濃度との割合に決められる。非対称シアニン<cyanine>系化合物の中の最も代表的なものは、TOTO、その類似物(YOYO)と派生物類(TOPRPO)である。TOTO(チアゾールオレンジダイマー)、YOYO(オキサゾールイエローダイマー)はGlazer研究チームより開発した1種類の核酸と高い親和力があり、正電荷の多い非対称シアニン<cyanine>系蛍光染料であって、ポリメチレン鎖<polymethylene chain>の長さと両端の芳香核(チアゾール<thiazole>、オキサゾール<oxazole>、キノリン<quinoline>、ビリジン<Viridine>とインドリン<indoline>)の構造を変更することによって、異なるヘテロダイマー<heterodimer>類似物と派生物が得られる。この種類の染料は、溶液の中でほとんど蛍光がなく、測定中の蛍光によるバックグラウンド<background>干渉を減らし、核酸と結合すると、蛍光が増強される。Jason等は溶液粘度測定法と原子力顕微鏡によって、TOTO、YOYOとDNAの二重はめ込み作用を解釈した。[J.A. Bordelon, K.J. Feierabend, S.A.Siddiqui, L.L. Wright. J. Phys. Chem. B, 2002, 106, 4838-3843] Furstenberg等は超速蛍光転換と時間相関シングルフォトンカウンティング<single-photon-counting>法によって、さらに蛍光増強の動力学メカニズム<mechanism>を述べた。[A. Furstenberg, M.D. Julliard, T.G. Deligeorgiec, N.I. Gadjev. J. AM. CHEM.SOC.,2006,128,7661-7669] この種類の染料の中の一部の品種はすでに商品化されており、例えば、SYTOXBlue,TOTO,POPO, BOBO,YO-PRO 等が挙げられる。しかしながら、これらの商品化された染料の中のほとんどのものは、分子が大きく、構造が複雑で、生細胞非透過性であるため、活体外核酸の識別と測定しか使われない。

産業上の利用分野



この発明は、ファインケミカル<fine chemical>産業における新規蛍光染料、それらの合成方法及びその応用、特に単電荷の窒素を含む蛍光染料、それらの合成方法及び当該蛍光染料、その複合体または生物染色のための組成物に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
構造式Iの化合物を含有する、生体サンプルの染色に用いられる蛍光染料であって、
【化1】



式中、
Xは、C(CH、O、SまたはSeであり、
mは1~18の整数であり、
およびRは、それぞれH、C1-18アルキル基、OR、-C1-6アルキル-OR及びハロゲンからなる群より独立に選択したものであり、
は、ピロリル、イミダゾリル基、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、グアニジノ基、NHRおよびN(Rからなる群より選択したものであり、
は、C1-18アルキル基、ベンジル及び(CHからなる群より選択したものであり(前記ベンジルはH、C1-18アルキル基、CN、COOH、NH、NO、OH、SH、C1-6アルコキシ、C1-6アルキルアミノ、C1-6アミド、ハロゲン、及びC1-6ハロゲン化アルキル基からなる群より独立に選択された1以上の置換基で任意に置換される)、
は、飽和及び/または不飽和、直鎖及び/または分枝鎖のC1-18アルキル基、ヒドロキシC1-18アルキル、メルカプトC1-18アルキル、アミノC1-18アルキル、アシル、フェニル、ナフチル及びベンジルからなる群から選択したものであり(前記フェニル、ナフチルまたはベンジルは、H、C1-18アルキル基、CN、COOH、NH、NO、OH、SH、C1-6アルコキシ、C1-6アルキルアミノ、C1-6アミド、ハロゲン、またはC1-6ハロゲン化アルキル基からなる群より独立に選択された1以上の置換基で任意に置換される)、
は、C2-18アルキル基であり、
は、HまたはC1-18アルキル基であり、
は、陰イオン
である蛍光染料。

【請求項2】
及びRはH及びC1-18アルキル基からなる群よりそれぞれ独立して選択したものである、請求項1に記載の蛍光染料。

【請求項3】
はNHR、N(R、ピロリル及びピペリジニルからなる群より選択したものである請求項1に記載の蛍光染料。

【請求項4】
RはC1-18アルキル基及びベンジルからなる群より選択したものである、請求項1に記載の蛍光染料。

【請求項5】
はハロゲンイオン、ClO、PF、BF、CHCOO及びOTsからなる群より選択したものである、請求項1に記載の蛍光染料。

【請求項6】
以下の化学式2乃至6に示した化学構造式のうちの1つを有した、請求項1~5のいずれか1つに記載の蛍光染料。
【化2】



【化3】



【化4】



【化5】



【化6】




【請求項7】
請求項1~6のいずれか1つに記載する蛍光染料及び他の分子が共有結合することによって接合して形成される複合体から成り、前記他の分子は、細胞または細胞成分と特異性に結合する分子である、蛍光染料

【請求項8】
請求項1に記載する蛍光染料を合成する方法であって、以下記載のステップを経て得られる蛍光染料:
1)4-メチルキノリン複素環式芳香族化合物IIをRZ化合物と反応させて、第一の四級アンモニウム塩中間体IIIを得る(ZはハロゲンまたはOTsであり、Zは反応で発生したハロゲン陰イオンまたはOTsである)ステップ(反応温度は10~180℃、反応時間は4~48時間、反応溶媒はジクロロメタン、クロロホルム、エタノール、アセトニトリル、酢酸エチル、トルエン、キシレン、オルトジクロロベンゼンまたはそれらの混合物であり、式IIの化合物対RZ化合物の投入モル比は1:1~1:10とする);
【化7】



2)手順1)で得た第一の四級アンモニウム塩中間物IIIをN,N’-ジフェニルホルムアミジンと縮合して、式IVの化合物を得るステップ(反応温度は50-200℃、反応時間は15分間ないし4時間、反応溶媒はないか、または無水酢酸、酢酸若しくはその混合物であり、第一の四級アンモニウム塩中間物III対N,N’-ジフェニルホルムアミジンの投入モル比は1:1~1:4とする);
【化8】



3)式Vの化合物を化合物R(CHZと反応させて、第二の四級アンモニウム塩中間物VIを得る(ZはハロゲンまたはOTs、Zは反応で発生したハロゲン陰イオンまたはOTsである)ステップ(反応温度は10~180℃,反応時間は4~48時間、反応溶媒はジクロロメタン、クロロホルム、エタノール、アセトニトリル、酢酸エチル、トルエン、キシレン、オルトジクロロベンゼンまたはそれらの混合物であり、式Vの化合物対化合物R(CHZの投入モル比は1:1~1:10とする);
【化9】



4)手順3)で得た第二の四級アンモニウム塩中間物VIを手順2)で得た式IVの化合物と反応させて、式VIIの化合物を得る(上記の構造式の中のX、m、R、R、R、R、R 、RとRの定義は請求項1に記載するのと同じである)ステップ(反応温度は5~130℃、反応時間は10分間ないし6時間、反応溶媒はないか、またはジクロロメタン、クロロホルム、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、若しくはその混合物であり、触媒は無水酢酸と有機塩基との混合物であり、VIの化合物対IVの化合物の投入モル比は1.5:1~1:1.5とする);
【化10】



5)手順4)で得た化合物VIIをYを含むナトリウム塩またはカリウム塩と陰イオン置換を行い式Iの最終化合物を得る(Yの定義は請求項1に記載するのと同じである)ステップ(反応温度は60~140℃、反応時間は10分間ないし2時間、反応溶媒はDMF、DMSO、またはその混合物であり、Yを含むナトリウム塩またはカリウム塩対式VIIの化合物の投入モル比は1:1~10:1とする)。
【化11】




【請求項9】
請求項1~のいずれかに記載の蛍光染料を含むことを特徴とする生体サンプルの染色に使われる組成物。

【請求項10】
請求項1~のいずれかに記載の蛍光染料または請求項9に記載の組成物を生体サンプルに接触させることを含む、生体サンプル染色方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2012510098thum.jpg
出願権利状態 登録
分野
  • 化学;冶金
※ 特許の内容に興味を持たれた方は、下記問合せ先にご相談下さい。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close