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紅色酵母発酵産物を使用する方法および組成物

国内特許コード P150011622
掲載日 2015年3月30日
出願番号 特願1998-516787
公表番号 特表2001-501621
出願日 平成9年9月29日(1997.9.29)
公表日 平成13年2月6日(2001.2.6)
国際出願番号 US1997017574
国際公開番号 WO1998014177
国際出願日 平成9年9月29日(1997.9.29)
国際公開日 平成10年4月9日(1998.4.9)
優先権データ
  • 08/720548 (1996.9.30) US
発明者
  • ツァン,マオ,エル.
  • ポン,チー,エックス.
  • チャン,マイケル,エヌ.
出願人
  • ファーマネックス インコーポレーテッド
  • 北京大学
発明の名称 紅色酵母発酵産物を使用する方法および組成物
発明の概要 自然食サプルメント、および/または高脂血症とその関連疾患および症状、例えば、心血管障害、脳血管障害、糖尿病、高血圧、肥満、無力性呼吸、慢性頭痛、胸痛および胸の締めつけ感、四肢の腫張および膨張、食欲不振および過剰喀痰を治療または予防するための医薬として使用できる、紅色酵母発酵産物を含有する組成物および方法を開示する。前記組成物および方法はヒトの血清コレステロール濃度と血清トリグリセリド濃度を低下させるのに有効で、心血管の健康状態を維持するために使用できる。本発明はまた、所望の生物学的活性を有する発酵産物を産生するモナスカス(Monascus)株を包含する。
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従来技術、競合技術の概要
2.背景 2.1 紅色酵母およびその使用 一般的に、(中国語でHung-ch'uまたはHongguとして知られている)紅色酵母は中国において数百年間、米酒(rice wine)の製造において、そして食品の保存剤として知られ、また使用されてきた。その上、紅色酵母は古来の中国の医薬またはある種の古来の漢方薬の成分として数百年間知られてきた。しかし、紅色酵母は保存剤および着色剤としての食品における使用、ならびに染色工業における使用について、最もよく知られている。
紅色酵母は数種のモナスカス(Monascus)菌の混合菌、特にMonascus purpureusである。(Went,1895,Ann.Sci.Nat Bot Ser,8:1:1;Young,1930,Trans Wisc Acad Sci Art Lett,25:227-244)。この菌の属、モナスカス(Monascus)はvan Tieghemによって1884年に最初に記載された(van Tieghem,1884,Bull Soc Bot France,31:226)。この菌は穀物、澱粉および牧草の汚染菌として西側世界に初めて知られた。
明王朝時代(1368-1644)に出版された古来の中国薬局方、Pen Ts'ao Kang Mu中に、紅色酵母の医薬としての適用の詳細な記載がある。現在もなお出版されている、このPen Ts'ao Kang Mu中に、紅色酵母は消化不良および下痢の治療に穏やかで毒性がなく、そして有用であると記載されている。また、紅色酵母は血液の循環を改善し、そして脾臓および胃の健康を促進するために有用であることも記載されている。さらに、この古来の研究書には、消化不良、下痢、ならびに心臓および腹部の痛みなどの栄養治療のための紅色酵母を使用したいくつかの「処方」も提供されている。
1911年に出版されたPen Ts'ao Kang Muの英語抄訳中に、紅色酵母は発酵のために有用であり、そして女性の産後障害および小児の消化不良症状の治療において医薬として価値があることが記載されている(Stuart,M.D.,「Chinese Materia Medica-Vegetable Kingdom」,p.233-234,Southern Materials Center,Inc.,Tai pei,Republic of Chinaによって1979年に再発行)。Pen Ts'ao Kang Muに記載されている紅色酵母はその後Monascus purpureus Wentとして知られている菌種であることが認定された(Read,B.E.,1936,Chinese Medical Plants from the Pen Ts'ao Kang Mu,3版、Peking National History Bulletin発行;Klein,G.,1932,Handbuch der Pflanzenanalyse II,p.1422-1423,Wien Verlag von Julius Springer)。
紅色酵母の製造は明王朝時代の別の出版物である、A.D.1637年に発行されたSung Ying-HsingによるT'ien Kung K'ai Wu中に教示されている(この古書の英訳本である、E-tu Zen SunおよびShiou-Chuan Sun訳「T'ien Kung K'ai Wu-17世紀の中国技術」、The Pennsylvania State University Press 1966の291-294ページ参照)。ここでは紅色酵母が魚または肉の色および味を保存するために有用であると記載されている。製造工程では、出発材料として紅酒もろみ(red wine mash)および調理したもち米以外の米(non-glutinous rice)を使用している。調理米の表面で菌を増殖させることによって紅色酵母を製造する方法もVodermanによって記録されている(1894,Analecta ob Cromatologisch Gebied,II,Geneesh.Fydschrift voor Ned.Indie,35,No.5)。
現代において、やはリモナスカス(Monascus)種の発酵産物である紅色酵母はアジアおよび北アメリカのアジア社会において伝統的な中国医薬、酒の製造、および食品の着色に今でも使用されている。モナスコルビン(monascorubin)およびモナシン(monascin)などのMonascus purpureusの赤色および黄色色素が精製され、広く研究された(Fieldingら、1961,J Chem Soc,4579-4589)。Monascus purpureusの培養条件およびその着色に及ぼす影響もまた研究された(Broderら、1980,J Food Sci,45:567-469)。Monascus purpureus抽出物中に、特にBacillus種に対する抗細菌活性もまた検出された(Wong,1977,Plant Physiol,60:578-581)。
しかし、本発明前には、全般的な、そして特にある種の紅色酵母の極めて広い範囲の医薬および栄養効果は完全には研究または認識されていなかった。
2.2高脂質血症と食品の干渉 脂質およびリポタンパク質は吸収、代謝および分配のために器官間で脂肪由来の代謝物を輸送する際に、必須の役割を演じる(Feligら、1975,N Eng J Med,293:1078-1084)。食物によってもたらされるコレステロールを含む脂質の血液内の上昇傾向は極めて普通のことである。米国の人口のかなりの割合で、遺伝的な素質と運動不足をともなう高脂肪、高カロリー食との相互作用が、心臓疾患、高血圧、高トリグリセリド血症および糖尿病をもたらし得る。
高血清コレステロールは冠動脈疾患の主要な危険因子である。コレステロールはアテローム硬化型プラークの主要成分である。特に低下HDLコレステロール濃度の下での高トリグリセリド血症を含むその他の脂質異常症は心血管疾患の危険につながることが認識された。上昇したトリグリセリド濃度と低下したHDL濃度の間には相互的な関係がある。
循環系中のコレステロール濃度はapoB-100粒子の産生とこれの循環系からの除去とのバランスの結果である。コレステロールはアセチルCoAから20を超える一連の酵素反応を介して合成される。この生合成経路はHMG-CoAからメバロン酸への還元を触媒するHMG-CoAレダクターゼ(ヒドロキシメチルグルタリル補酵素A還元酵素)の活性によって主として調節される。循環するコレステロールの大部分は肝臓中で内因的に合成されるものであって、食物のコレステロールに由来するものではないので、高コレステロール血症の治療のための薬剤として、コレステロールの生合成に関与する酵素の阻害剤が探索された(Grundy 1988,New Eng J Med,319:24-33)。
あるクラスの化合物は、コレステロール生合成経路の鍵となる酵素、HMG-CoAレダクターゼについて、天然の基質であるHMG-CoA(ヒドロキシメチルグルタリル補酵素A)と競合することによって、コレステロールの生合成を阻害する。最初に発見されたこうしたコレステロール低下化合物はAkira EndoによってPeni cillium citrinumの培養物から単離されたコンパクチン(compactin)である(Endoら、1975,J Antibiotics,29:1346-1348、米国特許第3,983,140号、第4,049,495号,第4,137,322号も参照されたい)。この化合物のコレステロール低下活性はいくつかの動物種において証明された(Tsujitaら、1979,Atherosclerosis,32:307-313)。その後、コンパクチンに構造的に関連するコレステロール低下化合物がMonascus ruberの発酵産物中にEndoによって(この活性化合物はモナコリン(monacolin)Kと命名された;Endo,1979,J Antibiotics,32:852-854;Endo,1980,J Antibiotics,33:334-336;ドイツ特許DE第3051175号,第3051099号および第3006216号;英国特許GB第2046737号および第2055100号も参照されたい)、そしてAspergillus terreusの培養物から別のグループによって、別々に発見された。この活性化合物もメビノリン(mevinolin)、ロバスタチン(lovastatin)またはMevacorRと命名され(Tobertら、1982,J Cin Invest 69:913-919)、米国では1987年から処方薬として入手可能になっている。この活性化合物の効能および長期の副作用が検討された(Tobert,Am J Cardiol,62:28J-34J)。単離された活性化合物、その誘導体およびAspergillusからの製造方法が報告されている;米国特許第4,231,938号,第4,342,767号,第4,294,926号,第4,319,039号,第4,294,926号,第4,294,846号および第4,420,491号を参照されたい。
モナコリンKまたはメビノリンは高コレステロール血症の治療に使用されて成功しているが、この化合物はトリグリセリドの血清濃度については影響がほとんどないかまたはわずかである。高トリグリセリド血症、特にIV型およびV型高脂質血症を治療するために使用されてきたその他の脂質調節剤として、ニコチン酸(例えばナイアシン)およびフィブリン酸誘導体(例えばゲムフィブロジル(gemfibrozil)およびクロフィブレート(clofibrate))が含まれる。しかし、これらの薬剤の使用はその副作用のために制限がある。例えば、高用量のナイアシンは胃過敏症、高尿酸血症、高血糖症、かゆみの原因となることがあり、そしてゲムフィブロジルは悪性の胆嚢症および腹痛をもたらすことがある。さらに、モナコリンKをゲムフィブロジル、クロフィブレートまたはナイアシンと併用すると、腎不全の原因となり得る筋肉炎および横紋筋炎の危険が増大する。こうした併用はこの危険を是認する特別の状況において注意深い監視のもとでのみ使用される(Merck Manual,1922,16版、p.1044-1046)。高濃度の血清トリグリセリドは各種の疾病症状の危険因子であり、医学的な合併症をもたらし得ることが知られている。したがって、コレステロールおよびトリグリセリドの両方の血清濃度の減少を達成する組成物の開発が求められている。
望ましい体重を達成する、規則的な運動および健康的な栄養摂取は血液脂質の上昇に関連する心臓疾患などの一般的な慢性疾患の発生を予防または減少させることができる(1991,Pi-Sunyer,Am J Clin Nutr,53:1595S-1603S)。最適な健康を維持し、さらに疾病または望ましくない症状の進行を抑え、かつ回復させるための食物の役割は、多くの研究および公衆の関心課題であった。混合型高脂質血症の治療における使用のために有効な栄養サプルメントの開発は食物のみで得られる結果を改善することによって、米国人の健康にとって顕著な利益となるであろう。
産業上の利用分野
本発明は栄養サプルメント(dietary supplements)および/または治療薬として使用することができる、紅色酵母発酵産物を含む組成物に関する。例えば、この組成物は哺乳類の血清コレステロールおよびトリグリセリドを低下させるために使用することができる。さらに、本発明は紅色酵母発酵産物を使用する、心血管疾忠およびその他の疾病の治療方法に関する。その上、本発明はここで所望される生物学的活性を有する発酵産物を産生する特定のモナスカス(Monascus)株に関する。
特許請求の範囲 【請求項1】
1.有効量の紅色酵母発酵産物をヒトに投与することを含んでなる、心血管障害 の治療または予防方法。
2.前記紅色酵母発酵産物が少なくとも1種のモナスカス(Monascus)種の発酵か ら産生される、請求項1に記載の方法。
3.前記心血管障害が心筋梗塞、冠状動脈心疾患、高血圧、低血圧、アテローム 性動脈硬化症および動脈硬化症よりなる群から選択される、請求項1に記載の 方法。
4.有効量の紅色酵母発酵産物をヒトに投与することを含んでなる、ヒトにおけ る卒中、脳血栓、または卒中による記憶喪失の治療または予防方法。
5.有効量の紅色酵母発酵産物をヒトに投与することを含んでなる、ヒトにおけ る脂肪肝状態の治療または予防方法。
6.前記紅色酵母発酵産物が少なくとも1種のモナスカス(Monascus)種の発酵か ら産生される、請求項4または5に記載の方法。
7.有効量の紅色酵母発酵産物をヒトに投与することを含んでなる、心血管の健 康状態の改善または維持方法。
8.前記紅色酵母発酵産物が少なくとも1種のモナスカス(Monascus)種の発酵か ら産生される、請求項7に記載の方法。
9.有効量の紅色酵母発酵産物をヒトに投与することを含んでなる、ヒトの糖尿 病の治療または予防方法。
10.前記紅色酵母発酵産物が少なくとも1種のモナスカス(Monascus)種の発酵か ら産生される、請求項9に記載の方法。
11.有効量の紅色酵母発酵産物をヒトに投与することを含んでなる、ヒトの肥満 の治療または予防方法。
12.前記紅色酵母発酵産物が少なくとも1種のモナスカス(Monascus)種の発酵か ら産生される、請求項11に記載の方法。
13.有効量の紅色酵母発酵産物を投与することを含んでなる、ヒトにおける血清 コレステロールおよびトリグリセリド濃度を正常濃度へと低下させる方法。
14.前記投与が1日1回または2回、前記障害を治療または予防するのに十分な 期間にわたりおこなう、請求項1、4、5、7、9または11に記載の方法。
15.前記紅色酵母発酵産物がMonascus purpureus Went、Monascus ruber van Ti eghem、Monascus Fuliginosus Sato、Monascus Pilosus Sato、およびMonascu s albidus Satoの混合株の発酵から産生される、請求項1、4、5、7、9ま たは11に記載の方法。
16.前記紅色酵母発酵産物がMonascus purpureus Went株の発酵から産生される 、請求項1、4、5、7、9または11に記載の方法。
17.前記有効量が1日あたり約1~約4グラムである、請求項1、4、5、7、 9または11に記載の方法。
18.有効量の紅色酵母産物を含有する、ヒトに経口または非経口投与するのに適 した医薬または栄養組成物。
19.カプセル剤、錠剤またはカシェ剤として経口投与するのに適している、請求 項18に記載の組成物。
20.懸濁剤、溶液剤または他の適当な液体デリバリー・システムとして経口また は非経口投与するのに適している、請求項18に記載の組成物。
21.賦形剤または担体をさらに含有する、請求項18に記載の組成物。
22.少なくとも1種のビタミンサプルメントおよび香味増進剤をさらに含有する 、請求項18に記載の組成物。
23.約600mgの紅色酵母発酵産物を含有する医薬品。
24.前記紅色酵母発酵産物が少なくとも1種のモナスカス(Monascus)種の発酵か ら産生される、請求項18または23に記載の組成物。
25.前記紅色酵母発酵産物がMonascus purpureus Wentと少なくとも1種の他の モナスカス(Monascus)株との混合株の発酵から産生される、請求項18または23 に記載の組成物。
26.前記紅色酵母発酵産物がMonascus purpureus Went M4027、M4028またはM418 4株の発酵から産生される、請求項18または23に記載の組成物。
27.(a)Monascus purpureus Wentのうちの少なくとも1種およびもち米以外の米 を発酵させ、(b)得られた発酵ブロスを取り出し、そして(c)この産物を加 熱滅菌する、ことを含んでなるヒトへの経口送達に適した紅色酵母発酵産物。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
分野
  • 生活必需品
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