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有機EL発光素子

国内特許コード P150011598
掲載日 2015年3月30日
出願番号 特願2003-100660
公開番号 特開2004-031323
登録番号 特許第3615536号
出願日 平成15年4月3日(2003.4.3)
公開日 平成16年1月29日(2004.1.29)
登録日 平成16年11月12日(2004.11.12)
優先権データ
  • 02116537.8 (2002.4.3) CN
  • 02125484.2 (2002.8.13) CN
発明者
  • 邱 勇
  • 高 裕弟
  • 魏 ▲鵬▼
  • ▲張▼ ▲徳▼強
  • 王 立▲鋒▼
出願人
  • 清華大学
  • 北京維信諾科技有限公司
発明の名称 有機EL発光素子
発明の概要 【課題】有機EL発光素子に関し、発光効率の高い、発光輝度の高い、更にまた、発光領域、発光帯域が調整できる有機EL発光素子に関する。
【解決手段】この素子の正孔輸送層4は有機量子井戸を採用される、有機量子井戸構造は広いエネルギーギャツプ有機材料Aと狭いエネルギーギャツプ有機材料Bで交互に重ねて構成される。量子井戸の界面では正孔のエネルギーバリヤーが形成される。有機量子井戸構造は正孔キャリヤーの移動速度を顕著的に制御し、発光領域では正孔と電子の注入バランスを実現し、有機EL発光素子の発光効率と発光輝度を向上した。有機量子井戸構造の狭いエネルギーギャツプの有機材料Bは染料Cで構造される場合には、正孔輸送層での有機量子井戸周期数の相違によって異なる発光帯域を持つ。従って、正孔輸送層での有機量子井戸周期数を制御することによって電子と正孔の複合発光領域、更に発光素子の発光帯域を調整する。
【選択図】  図1
従来技術、競合技術の概要



【従来の技術】

現在、マルチメデイア技術の発展と情報社会の到来に伴い、FPD(フィールドエミッションディスプレイ)性能への要求がますます高くなる。近年流行り出したプラズマ ディスプレイ、FED、有機EL(エレクトロルミネッセンス:OLEDs)のような三種類ディスプレイ技術がある程度でCRTとLCDディスプレイの能力不足を補正することができる。そのなかでは有機ELは自発光、低電圧直流駆動、視野角の広いというような特長を持つ。液晶と比較して、有機ELはバックライトが必要なく、視野角が広く、消耗電力が低く、応答速度が液晶ディスプレイ素子より約1000倍になり、製造コストが同じ解像度の液晶ディスプレイより低い。従って、有機ELは広い応用範囲を持つ。





1987年にコダック社(Kodak)のタング(Tang)らは(C.W.Tang, S.A.Slyke, Appl. Phys. Lett. 51, 913(1987)において報告)、はじめて二層構造を採用し、芳香族ジアミン類誘電物を正孔輸送層、真空蒸着法により薄膜・積層化できる有機低分子―Alqを発光層材料とし、高量子効率(1%)、高発光効率(>1.5lm/W)、高輝度(>1000cd/m)で低駆動電圧(<10V)の有機ELを製作した。これによって、この領域の研究が真新しい時代に入った。





1990年英国ケンブリッジ大学(Cambridge University)のブラフ(Burroughes)らはポリマーでも良好的な電界特性を発見した、この重要な発見は有機EL発光材料の研究をポリマー領域に推し広めた。最近十年、人々は有機EL発光素子の製作プロセスを絶えずに向上し、その関連技術の発展は速い。





OLEDsの内部量子効率はキャリヤーの注入、輸送、複合効率で決める、また、素子の発光効率も電子と正孔の注入バランスの影響を受ける。一般的なNPB/Alqの二層構造素子では、NPBの正孔輸送能力がAlqの電子輸送能力より非常に大きいため、有機EL素子において、キャリヤー輸送の不平衡現象をもたらせ、有機EL素子の発光効率が低下する。適正な正孔輸送材料あるいは適正な素子構造を採用することによって電子輸送材料を適正にして、有機EL性能を向上する有効的な方法が報告された。





第一解決方法として、ドーピングで正孔輸送層にルブレン材料を添加することである。Y.ハマダ(Y. Hamada)とM.S.ジャン(M. S. Jang)らは(Y. Hamada, T. Sano, K. Shibata, and K. Kuroki, Jpn. J. Appl. Phys., Part 2 34, L824 (1995);M. S. Jang, S. Y. Song, H. K. Shim, T. Zyung, S. D. Jung, L. M. Do, Synth. Met. 91, 317 (1997)において報告)ルブレン材料の添加の研究を行った。その役割機構について、アクシス(Axis)らは(H. Aziz, Z. Popovic, N. X. Hu, A. M. Hor, and G. Xu, Science 283, 1900(1999);H. Aziz and Z. D. Popovic, Appl. Phys. Lett. 80, 2180 (2002)において報告)ルブレン材料の添加によって、ルブレン分子に正孔井戸型の役割を受け持たせて、素子の性能を向上することができると考える。





ほかの方法として、多重量子井戸構造で有機EL素子の効率を向上することである。有機ELの発光スぺクトル幅を低減、発光効率向上、発光色を変換する面では有機量子井戸構造が多少の実績を取得した。ただし、現在、一般的な研究では有機量子井戸構造は発光層の電子濃度と正孔濃度を増加することによって、キャリヤーの複合効率を向上するという方法を採用される。たとえば、N.タッド(N.Tad)らは(N.Tada,S.Tatsuhara,A.Fujii,Y.Ohmoriand K.Yoshino, Jpn. J. Appl.Phys. 36,421(1997)において報告)、有機ELの発光層がAlqとTPDの交替の多重量子井戸構造を使用することによって、有機EL素子の発光効率が普通の有機EL素子(発光層ではAlqだけを使用される)より向上することを見出した。この性能の改善は発光層キャリヤー濃度向上の効果であり、類似の試験はさらに以上の結果を確認した。ただし、発光層が有機量子井戸構造を採用される場合には発光層キャリヤー濃度を向上するだけで、発光区域電子とキャリヤーの注入バランスを維持することができない。過量の正孔は相変わらずに発光効率の低下をもたらす。従って、発光層はこのような構造が採用される場合にはキャリヤーの複合能力の限りがある。

産業上の利用分野



【発明の属する技術分野】

本発明は有機EL発光素子に関し、さらに詳しくは、本発明は発光効率の高い、発光輝度の高い、また、発光領域が調整できる有機EL発光素子に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
透明基板(1)、第一電極層(2)、第二電極層(7)及び前記第一電極層(2)と前記第二電極層(7)間に挟持された正孔輸送層(4)及び電子輸送層(6)とを含む有機EL発光素子であって、発光帯域を前記電子輸送層(6)のみに有し、前記正孔輸送層(4)は有機量子井戸構造を採用され、この量子井戸構造は幅広いエネルギーギャップの有機材料Aと幅狭いエネルギーギャップの有機材料Bが一定な周期数で交互に重ねて構成され、記有機材料A及び前記有機材料Bのエネルギーギャップは以下の関係を満足する:
(I)有機材料Aの最高軌道占有エネルギーレベルが有機材料Bの最高軌道占有エネルギーレベルより低く、
(II)有機材料Aの最低空軌道エネルギーレベルが有機材料Bの最低空軌道エネルギーレベルより高いことを特徴とする有機EL発光素子。

【請求項2】
有機量子井戸構造の周期数が、1~10の整数であることを特徴とする、請求項1に記載の有機EL発光素子。

【請求項3】
有機材料A層の膜厚が、0.5~30.0nmで、有機材料B層の膜厚が、0.5~10.0nmであることを特徴とする、請求項1または2に記載の有機EL発光素子。

【請求項4】
有機材料Bが、染料Cであることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の有機EL発光素子。

【請求項5】
有機材料Aが、ベンジジン類、カルバゾール類、ピロール類およびオキサジアゾール類化合物からなる群から選択される材料であり、有機材料Bが、フタロシアニン類化合物の材料であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の有機EL発光素子。

【請求項6】
ベンジジン類化合物が、N,N’-ビス-(1-ナフチル)-N,N’-ジフェニル-1,1’-ビフェニル-4,4’-ジアミン、N,N’-ジアミン-N, N’-ビス(3-メチルフェニル)-1,1’-ビフェニル-4,4’-ジアミン及び4,4’,4’’-トリス(3-メチル-フェニルフェニルアミン)トリフェニルアミンを含み、
カルバゾール類化合物が、ポリ(N-ビニールカルバゾール)、2,9-ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリンあるいは4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリンを含み、
オキサジアゾール類化合物が、2,2’,2’’-(1,3,5-三置換ベンゼン)-トリス-[1-フェニル-1H-ベンゾイミダゾール]及び2-(4-t-ブチルフェニル)-5-(4-ビフェニリル)-1,3,4-オキサジアゾールを含み、
フタロシアニン類化合物が、フタロシアニン銅、フタロシアニン及びフタロシアニンバナジウムの中から少なくとも一種を含むことを特徴とする、請求項5に記載の有機EL発光素子。

【請求項7】
有機材料Aが、N,N’-ビス-(1-ナフチル)-N,N’-ジフェニル-1,1’-ビフェニル-4,4’-ジアミンであり、有機材料Bが、フタロシアニン銅であることを特徴とする、請求項5に記載の有機EL発光素子。

【請求項8】
電子輸送層(6)が、有機金属錯体及びオキサジアゾール類化合物の中から少なくとも一種で形成されることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の有機EL発光素子。

【請求項9】
有機金属錯体が、トリス(8-ヒドロキシキノリン)アルミニウム、サリチリデン-o-アミノフェノラト(8-キノリノアト)アルミニウム(III)、サリチリデン-o-アミノフェラト(8-キノリノラト)ガリウム(III)、4-ヒドロキシルアクリジン亜鉛からなる群から選択されることを特徴とする、請求項8に記載の有機EL発光素子。

【請求項10】
染料Cが、ポリフェニレン類、クマリン類、ビスピラン類化合物からなる群から選択される材料であることを特徴とする、請求項4に記載の有機EL発光素子。

【請求項11】
ポリフェニレン類化合物が、5,6,11,12-テトラフェニルナフタセン及びペンタセンを含み、
クマリン類染料が、10-(2-ベンゾチアゾリル)-1,1,7,7-テトラメチル

-2,3,6,7-テトラヒドロ -1H,5H,11H-[l]ベンゾピラノ[6,7,8-ij]キノリジン-11-オンを含み、
ビスピラン類化合物が、4-(ジシアノメチレン)- 2-(t-ブチル)-6-(1,1,7,7-テトラメチレンユロリジン-9-エニル)-4H-ピラン及び4-(ジシアノメチレン)-2-メチル-6-(p-ジメチルアミンスチリル)-4H-ピランを含むことを特徴とする、請求項10に記載の有機EL発光素子。

【請求項12】
有機材料Aが、N,N’-ビス-(1-ナフチル)-N,N’-ジフェニル-1,1’-ビフェニル-4,4’-ジアミンであり、染料Cが、5,6,11,12-テトラフェニル-ナフタセンであることを特徴とする請求項10に記載の有機EL発光素子。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
分野
  • 電気
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